JP2002284975A - ポリアリレートと金属酸化物との複合体、及びその製造方法 - Google Patents

ポリアリレートと金属酸化物との複合体、及びその製造方法

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JP2002284975A
JP2002284975A JP2001089635A JP2001089635A JP2002284975A JP 2002284975 A JP2002284975 A JP 2002284975A JP 2001089635 A JP2001089635 A JP 2001089635A JP 2001089635 A JP2001089635 A JP 2001089635A JP 2002284975 A JP2002284975 A JP 2002284975A
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polyarylate
composite
metal oxide
acid
film
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Yoshiyuki Ono
善之 小野
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性、表面硬度、機械強度、耐熱
性、低熱膨張率、及び電極材料などの他の素材との接着
性を有する、ポリアリレートと金属酸化物との複合体、
及びその製造方法、該複合体からなるフィルム又はシー
ト、及びそれを用いた光学材料、特にディスプレー用フ
ィルム基板、及び該基板を用いたディスプレーを提供す
ること。 【解決手段】 ポリアリレート中に溶解もしくは分子オ
ーダーで分散させた金属アルコキシドを加水分解、重縮
合することにより生成した0.1μm以下の微細に分散
した金属酸化物をポリアリレート中に含む、ポリアリレ
ートと金属酸化物との複合体、及びその製造方法、該複
合体からなるフィルム又はシート、及びそれを用いた光
学材料、特にディスプレー用フィルム基板、及び該基板
を用いたディスプレー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全芳香族ポリエス
テルであるポリアリレートと金属酸化物との複合材料、
その製造方法、及び複合体からなる光学材料、特にディ
スプレー用フィルム基板に関する。本発明のポリアリレ
ートと金属酸化物との複合体は、高い耐熱性、透明性、
表面硬度、及び低い線熱膨張係数を有し、光学材料、特
に表示装置(以下「ディスプレー」という)用フィルム
基板に有用である。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料は一般に軽量であり、
力学強度、又は製膜性などの加工性に優れるため、ディ
スプレー、光学フィルター、光学レンズ及び光ディスク
等の光学材料として広く用いられている。光学材料とし
て用いる場合には、透明性を維持しながら、電極材料な
ど他の素材との接着性、耐擦傷性、ガスバリヤー性など
諸特性を満足させることが要求される。この為、通常は
一種類の樹脂フィルムで全ての要求を満たすことができ
ないため、多層フィルムとするのが一般的であり、生産
性とコストの観点から層構造を可能な限り単純化したフ
ィルムが望まれている。
【0003】また、プラスチック基板を用いた液晶ディ
スプレーは、軽量化と高い耐衝撃性という特徴を生かし
て、一部で実用化されている。こうしたプラスチック基
板は、ガラス基板と比較して薄型化の要望も満たし、そ
れに伴い視差が少ないという液晶ディスプレーの視認性
向上の効果を有している。
【0004】しかし、これらの光学材料用プラスチック
として用いられているメチルメタクリレート、ポリスチ
レン、ポリカーボネート等の透明性樹脂は、耐熱材料と
して扱われているものの、その耐熱性は十分ではなく、
光学材料としての使用時はもとより、製造工程における
取り扱いにおいても、より耐熱性の優れた透明性樹脂が
求められている。
【0005】例えば、ディスプレー用プラスチックフィ
ルム基板では、その組立て工程に要する熱処理温度が、
ガラス基板で実施されている処理温度にできるだけ近い
高温が望まれているが、これら従来の光学材料用プラス
チックを用いたディスプレー用フィルム基板では、その
軟化温度が100〜160℃であるため、導電膜の形成
や配向膜の形成といった加熱処理を含む工程におけるソ
リ等の変形や着色、同じく加熱処理を含む貼り合わせ工
程においての変形の発生、また、剛性の小さいポリマー
であるためセルギャップを均一にし難いことから表示ム
ラ、表示品位が低下する問題があった。
【0006】一方、高分子素材だけでは不足する耐熱
性、機械的強度を補うため有機−無機ハイブリッド高分
子材料の応用開発も盛んに行われている。例えば、特開
平11−209596号公報、特開2000−3279
30号公報においては、金属アルコキシド化合物と、そ
の金属アルコキシド化合物と反応可能な官能基を分子内
に有する第一のポリマーとを有機溶媒中に溶解させ、そ
の状態でゾル−ゲル法により加水分解、重縮合すること
により、金属酸化物粒子の表面に第1のポリマーが共有
結合し、改質された金属酸化物粒子を作成させる。
【0007】次にこの分散液中に有機−無機複合材料の
マトリックスとなる第2のポリマーを投入し、よく混合
することによって、第2のポリマー中に改質された金属
酸化物粒子が均一かつ微細に分散した有機−無機複合材
料を得ている。しかし、この方法では予め金属アルコキ
シド化合物と反応可能な官能基を分子内に少なくとも1
個有する第一のポリマーを合成しなければならず、工程
が煩雑で、且つ生産効率とコストの点で問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、優れた透明性、表面硬度、機械強度、耐熱
性、低熱膨張率、及び電極材料などの他の素材との接着
性を有する、ポリアリレートと金属酸化物との複合体、
及びその製造方法、該複合体からなるフィルム又はシー
ト、及びそれを用いた光学材料、特にディスプレー用フ
ィルム基板、及び該基板を用いたディスプレーを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した課
題を解決するため鋭意研究した結果、ポリアリレート中
に溶解あるいは予め分子オーダーで分散させた金属酸化
物前駆体を、該ポリアリレート中で加水分解、重縮合
(in situでの加水分解、重縮合)することによ
り、生成した0.1μm以下の金属酸化物を含むポリア
リレートと金属酸化物との複合体が、透明性を維持しな
がら、電極材料など他の素材との接着性、耐熱性、耐擦
傷性、低熱膨張性に優れた光学材料を、簡便に製造でき
ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、ポリアリレート中に溶解
もしくは分子オーダーで分散させた金属アルコキシドを
加水分解、重縮合することにより生成した0.1μm以
下の微細に分散した金属酸化物をポリアリレート中に含
む、ポリアリレートと金属酸化物との複合体である。特
に、複合体の金属酸化物の金属が、シリカ、チタニア、
ジルコニアからなる群より選択された1つであることを
特徴とするポリアリレートと金属酸化物との複合体であ
る。
【0011】本発明のポリアリレートと金属酸化物との
複合体は、構成するポリアリレートが、主鎖中にアルキ
レン鎖を含まない非晶性全芳香族ポリエステルであるこ
と、及び/又は200℃〜500℃のガラス転移温度を
有するポリアリレートであることを特徴とするポリアリ
レートと金属酸化物との複合体であり、特に該ポリアリ
レートが、一般式(1)の構造を有するポリエステルであ
るポリアリレートと金属酸化物との複合体である。
【0012】一般式(1)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜8の
アルキル基を表す) 本発明のポリアリレートと金属酸化物との複合体は、ハ
ロゲンランプを光源として用いた平行光線が50%以上
である透明性を有すること、複合体の線熱膨張係数が、
該複合体を構成するポリアリレート単体の線熱膨張係数
より小さいこと、又は複合体の表面硬度が、該複合体を
構成するポリアリレート単体の表面硬度より大きいこと
を特徴とする。
【0015】更に、本発明は、ポリアリレート中に溶解
もしくは予め分子オーダーで分散させた金属酸化物前駆
体を、該ポリアリレート中で加水分解、重縮合させる、
0.1μm以下の微細に分散した金属酸化物をポリアリ
レート中に含む、ポリアリレートと金属酸化物との複合
体の製造方法であり、特に金属酸化物の金属が、特にシ
リカ、チタニア、ジルコニアからなる群より選択された
1つであることを特徴とする製造方法である。
【0016】また本発明のポリアリレートと金属酸化物
との複合体の製造方法は、特に、 (A) ポリアリレートの溶液と、(B) Si(O
R)4 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はアルキ
ル基、又はフェニル基もしくはベンジル基などの芳香族
基で置換されているアルキル基を表す)と (C) SiR’4-a(OR)a (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はアルキ
ル基、又はフェニル基もしくはベンジル基などの芳香族
基で置換されているアルキル基を表し、R’は炭素数1
〜10のアルキル基、又はアミノ基、ピリジル基、イミ
ダゾリル基、グリシジル基、水酸基、ビニル基、メルカ
プト基で置換されていても良い、炭素数1〜10のアル
キル基、aは1〜3の整数、Rは炭素数1〜10のアル
キル基を表す)とからなる溶液とを混合しポリアリレー
ト中で(in situで)加水分解、重縮合させる、
ポリアリレートと金属酸化物との複合体の製造方法であ
る。
【0017】特に(C) SiR’4-a(OR)aがアミ
ノ基を有するアルコキシシランを用いること、ポリアリ
レートとして、主鎖中にアルキレン鎖を含まない非晶性
全芳香族ポリエステル、又は、200℃以上のガラス転
移温度を有するポリアリレートを用いることを特徴とす
るポリアリレートと金属酸化物との複合体の製造方法で
あり、特にポリアリレートとして、一般式(1)の構造を
有するポリエステルを用いる、ポリアリレートと金属酸
化物との複合体の製造方法。一般式(1)
【0018】
【化4】
【0019】(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜8の
アルキル基を表す) 更に、得られる複合体の線熱膨張係数が、該複合体を構
成するポリアリレート単体の線熱膨張係数より小さいこ
と、及び/又は、得られる複合体の表面硬度が、該複合
体を構成するポリアリレート単体の表面硬度より大きい
ことを特徴とするポリアリレートと金属酸化物との複合
体の製造方法である。
【0020】本発明は、本発明の製造方法で得られた、
ポリアリレートと金属酸化物との複合体を、180℃以
上の温度からポリアリレートのガラス転移温度までの間
の温度で更に熱処理することを特徴とするポリアリレー
トと金属酸化物との複合体の製造方法を含む。
【0021】更に、本発明は本発明により得られるポリ
アリレートと金属酸化物との複合体からなるフィルム又
はシート、該フィルム又はシートを用いた光学材料、該
フィルム又はシートを用いたディスプレー用フィルム基
板、該ディスプレー用フィルム基板を用いたディスプレ
ー、並びに、導電膜の形成、配向膜の形成、又は液晶セ
ルの封止を180℃〜400℃で行うことを特徴とす
る、ポリアリレートと金属酸化物との複合体からなるフ
ィルム又はシートを用いたディスプレー用フィルム基板
の製造方法を含むものである。
【0022】
【発明の実施の形態】金属酸化物の前駆体とポリアリレ
ートを適当な溶媒に溶解し、この状態で金属酸化物の加
水分解、重縮合を進めることにより、ポリアリレート中
にin situで金属酸化物が生成する。本発明にお
けるポリアリレートと金属酸化物との複合体とはこのよ
うなin situで生成した0.1μm以下の金属酸
化物を含む複合体であり、予め調製された金属酸化物と
ポリアリレートとの混合物とは異なるものである。
【0023】マトリックス樹脂であるポリアリレート
中、in situで金属酸化物の生成反応を進めるこ
とにより、反応初期からポリマーと金属酸化物との間に
強い相互作用が形成され、生成した金属酸化物がマクロ
スケールに成長することなく微細に分布した形態とな
る。その結果、複合体中の金属酸化物の大きさは0.1
μm以下となり、光を散乱することがなく、得られたポ
リアリレートと金属酸化物との複合体は優れた透明性を
維持する。
【0024】本発明で言う金属酸化物とは、ホウ素、マ
グネシウム、カルシウム、アルミニウム、ガリウム、ゲ
ルマニウム、インジウム、錫などの金属の酸化物の他、
バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛などの遷移元素の酸化物をも含むが、好ま
しくはシリカ、チタニア、ジルコニア、最も好ましくは
シリカである。本発明の複合体は、これらは2種以上の
金属酸化物を含有してもよい。
【0025】本発明で言うポリアリレートとは、芳香族
二塩基酸と二価フェノールとからなる芳香族ポリエステ
ルを意味し、例えば芳香族ジカルボン酸、又はそのエス
テル、酸無水物、酸ハライド等とビスフェノール又はそ
のエステル形成性誘導体との重縮合反応によって得られ
る。
【0026】ポリアリレートの重合方法としては、芳香
族ジカルボン酸ジハライドとビスフェノールを互いに相
溶しない二種の溶媒に溶解した後、アルカリ及び触媒量
の第4級アンモニウム塩などの存在下に2液を混合・撹
拌して重縮合反応を行う界面重合法、芳香族ジカルボン
酸ジハライドとビスフェノールを第3級アミンなどの酸
を受容するアルカリ性化合物の存在下、有機溶媒中で反
応せしめる溶液重合法、芳香族ジカルボン酸とビスフェ
ノールジエステル、又は芳香族ジカルボン酸ジエステル
とビスフェノールを原料として溶融状態でエステル交換
反応する溶融重合法等がある。
【0027】本発明に用いられるポリアリレート原料の
芳香族二塩基酸、及びそのエステルは以下に例示する通
りであり、これらは酸無水物、酸ハライド等として使用
することができる。
【0028】フタル酸、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
フェニル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、イソ
フタル酸ジ(シアノメチル)、イソフタル酸ジフェニ
ル、イソフタル酸ジ(2,4−ジニトロフェニル)、イ
ソフタル酸(1,1−ジオキソベンゾチオフェンー3−
イル)、イソフタル酸ジ(3−ベンゾイソオキサゾリ
ル)、イソフタル酸ジ(2−ベンゾチアゾリル)、イソ
フタル酸ジ(1−ベンゾトリアゾリル)、ジチオイソフ
タル酸S,S’−ジプロピル、ジチオイソフタル酸S,
S’−ジ(p−トリル)、ジチオイソフタル酸S,S’
−ジ(p−ニトロフェニル)、
【0029】ジチオイソフタル酸S,S’−ジ(2−ベ
ンゾオキサゾリル)、ジチオイソフタル酸S,S’−ジ
(2−ベンゾチアゾリル)、4−メチルイソフタル酸、
イソフタル酸ジメチル、5−メチルイソフタル酸、5−
メチルイソフタル酸ジメチル、4,5−ジメチルイソフ
タル酸、4,6−ジメチルイソフタル酸、4−クロロイ
ソフタル酸、4−クロロイソフタル酸ジメチル、5−ク
ロロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸ジメチル、
4,6−ジクロロイソフタル酸、4,6−ジクロロイソ
フタル酸ジメチル、4−ブロモイソフタル酸、4,6−
ジブロモイソフタル酸、
【0030】4,6−ジブロモイソフタル酸ジメチル、
テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジ
(シアノメチル)、テレフタル酸ジフェニル、テレフタ
ル酸ジ(3−ベンゾイソオキサゾリル)、テレフタル酸
ジ(2−ベンゾチアゾリル)、2−メチルテレフタル
酸、2−メチルテレフタル酸ジメチル、2,5ジメチル
テレフタル酸、2,6ジメチルテレフタル酸、2,6ジ
メチルテレフタル酸ジメチル、2−クロロテレフタル
酸、2−クロロテレフタル酸ジメチル、2,5ジ−クロ
ロテレフタル酸、2,5ジ−クロロテレフタル酸ジメチ
ル、テトラクロロテレフタル酸、
【0031】テトラクロロテレフタル酸ジメチル、2−
ブロモテレフタル酸、2−ブロモテレフタル酸ジメチ
ル、2,5ジブロモテレフタル酸、2,5ジブロモテレ
フタル酸ジエチル、2,2’−ジフェニルジカルボン
酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、3,4’−ジ
フェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、3,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、
4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,
3−ナフタレンジカルボン酸、
【0032】1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフ
タレンジカルボン酸ジメチル、1,6−ナフタレンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,7−ナフタレンジカルボン
酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8
−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカル
ボン酸ジメチル、1,8−ナフタレンジカルボン酸ジフ
ェニル、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナ
フタレンジカルボン酸ジメチル、
【0033】2,3−ナフタレンジカルボン酸ジフェニ
ル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸ジフェニル、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,7−ナ
フタレンジカルボン酸ジフェニル、1,2−(9−オキ
ソフルオレン)ジカルボン酸、1,2−(9−オキソフ
ルオレン)ジカルボン酸ジメチル、1,5−(9−オキ
ソフルオレン)ジカルボン酸、1,5−(9−オキソフ
ルオレン)ジカルボン酸ジメチル、1,6−(9−オキ
ソフルオレン)ジカルボン酸、
【0034】1,6−(9−オキソフルオレン)ジカル
ボン酸ジメチル、1,7−(9−オキソフルオレン)ジ
カルボン酸、1,7−(9−オキソフルオレン)ジカル
ボン酸ジメチル、2,3−(9−オキソフルオレン)ジ
カルボン酸、2,3−(9−オキソフルオレン)ジカル
ボン酸ジメチル、2,7−(9−オキソフルオレン)ジ
カルボン酸、2,7−(9−オキソフルオレン)ジカル
ボン酸ジメチル、1,4−アントラセンジカルボン酸、
1,5−アントラセンジカルボン酸、1,5−アントラ
センジカルボン酸ジエチル、1,8−アントラセンジカ
ルボン酸、
【0035】1,9−アントラセンジカルボン酸、2,
3−アントラセンジカルボン酸、9,10−アントラセ
ンジカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸
ジメチル、1,2−アントラキノンジカルボン酸、1,
2−アントラキノンジカルボン酸ジメチル、1,3−ア
ントラキノンジカルボン酸、1,4−アントラキノンジ
カルボン酸、1,5−アントラキノンジカルボン酸、
1,5−アントラキノンジカルボン酸ジメチル、1,5
−アントラキノンジカルボン酸ジフェニル、1,6−ア
ントラキノンジカルボン酸、1,7−アントラキノンジ
カルボン酸、
【0036】1,8−アントラキノンジカルボン酸、
2,3−アントラキノンジカルボン酸、2,7−アント
ラキノンジカルボン酸、2,3−ビフェニルジカルボン
酸、2,3−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、2,5
−ビフェニルジカルボン酸、2,6−ビフェニルジカル
ボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸、3,4−ビ
フェニルジカルボン酸ジメチル、3,4−ビフェニルジ
カルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、2,
2’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル、2,2’−ビ
フェニルジカルボン酸ジフェニル、2,4’−ビフェニ
ルジカルボン酸、
【0037】2,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチ
ル、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビ
フェニルジカルボン酸ジメチル、3,4’−ビフェニル
ジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメ
チル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−
ビフェニルジカルボン酸ジメチル、4,4’−ビフェニ
ルジカルボン酸ジフェニル、1,5−ビフェニレンジカ
ルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸ジメチ
ル、1,8−ビフェニレンジカルボン酸、1,8−ビフ
ェニレンジカルボン酸ジメチル、2,6−ビフェニレン
ジカルボン酸、
【0038】2,6−ビフェニレンジカルボン酸ジメチ
ル、2,7−ビフェニレンジカルボン酸、2,7−ビフ
ェニレンジカルボン酸ジメチル、2,2’−ジメチル
4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ジメチ
ル4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジエチル、4,
4”−p−テルフェニルジカルボン、4,4’’ ’−
p−クアテルフェニルジカルボン酸ジメチル、4,
4’’ ’−p−クアテルフェニルジカルボン酸、2,
2’−メチレン二安息香酸、2,2’−メチレン二安息
香酸ジメチル、2,4’−メチレン二安息香酸、2,
4’−メチレン二安息香酸ジメチル、
【0039】3,3’−メチレン二安息香酸、4,4’
−メチレン二安息香酸、4,4’−メチレン二安息香酸
ジメチル、4,4’−イソプロピリデン二安息香酸、
2,2’−ビベンジルジカルボン酸、2,2’−ビベン
ジルジカルボン酸ジメチル、3,3’−ビベンジルジカ
ルボン酸ジメチル、4,4’−ビベンジルジカルボン
酸、4,4’−ビベンジルジカルボン酸ジメチル、2,
2’−trans−スチルベンジカルボン酸、2,2’
−trans−スチルベンジカルボン酸ジメチル、2,
2’−trans−スチルベンジカルボン酸ジフェニ
ル、2,4’−trans−スチルベンジカルボン酸、
4,4’−trans−スチルベンジカルボン酸、
【0040】4,4’−trans−スチルベンジカル
ボン酸、2,4’−trans−スチルベンジカルボン
酸、2,4’−trans−スチルベンジカルボン酸ジ
エチル、4,4’−trans−スチルベンジカルボン
酸、4,4’−trans−スチルベンジカルボン酸ジ
メチル、2,2’−トランジカルボン酸、2,2’−ト
ランジカルボン酸ジメチル、2,4’−トランジカルボ
ン酸、4,4’−トランジカルボン酸、4,4’−トラ
ンジカルボン酸ジメチル、プソイド−p−ジカルボキシ
[2.2]パラシクロファン、4,4’−カルボニル二安
息香酸、
【0041】3,3’−オキシ二安息香酸、4,4’−
オキシ二安息香酸、4,4’−オキシ二安息香酸ジメチ
ル、4,4’−オキシ二安息香酸ジフェニル、4,4’
−チオ二安息香酸、4,4’−スルホニル二安息香酸、
4,4’−スルホニル二安息香酸ジメチル、3,3’−
ジチオ二安息香酸、4,4’−ジチオ二安息香酸、4,
4’−ジチオ二安息香酸ジエチル、2,2’−アゾベン
ゼンジカルボン酸、2,2’−アゾベンゼンジカルボン
酸ジメチル、3,3’−アゾベンゼンジカルボン酸、
3,3’−アゾベンゼンジカルボン酸ジメチル、4,
4’−アゾベンゼンジカルボン酸、4,4’−アゾベン
ゼンジカルボン酸ジメチル、ホモフタル酸、
【0042】ホモフタル酸ジメチル、ホモイソフタル
酸、ホモイソフタル酸ジメチル、ホモテレフタル酸、ホ
モテレフタル酸ジメチル、o−フェニレン二酢酸、o−
フェニレン二酢酸ジエチル、m−フェニレン二酢酸、m
−フェニレン二酢酸ジエチル、p−フェニレン二酢酸、
p−フェニレン二酢酸ジエチル、3,3’−o−フェニ
レンジプロピオン酸、3,3’−o−フェニレンジプロ
ピオン酸ジエチル、3,3’−m−フェニレンジプロピ
オン酸、3,3’−m−フェニレンジプロピオン酸ジエ
チル、3,3’−p−フェニレンジプロピオン酸、3,
3’−p−フェニレンジプロピオン酸ジエチル、2−カ
ルボキシ桂皮酸、3−カルボキシ桂皮酸、
【0043】4−カルボキシ桂皮酸、4−カルボキシ桂
皮酸ジエチル、3t,3’t−o−フェニレンジアクリ
ル酸、3t,3’t−o−フェニレンジアクリル酸ジメ
チル、3t,3’t−m−フェニレンジアクリル酸、3
t,3’t−m−フェニレンジアクリル酸ジメチル、3
t,3’t−p−フェニレンジアクリル酸、3t,3’
t−p−フェニレンジアクリル酸ジメチル、m−フェニ
レンジプロピオール酸、m−フェニレンジプロピオール
酸ジメチル、1,4−ナフタレン二酢酸、1,5−ナフ
タレン二酢酸、1,5−ナフタレン二酢酸ジメチル、
【0044】3,3’−(1,4−ナフタレン)ジプロ
ピオン酸、3,3’−(1,4−ナフタレン)ジプロピ
オン酸ジエチル、4,4’−ビフェニル二酢酸、4,
4’−ビフェニル二酢酸ジエチル、3,3’−(4,
4’−ビフェニル)ジプロピオン酸、3,3’−[4,
4’−(メチレンジ−p−フェニレン)]ジプロピオン
酸、4,4’−ビベンジル二酪酸、3,3’−(4,
4’−ビベンジル)ジプロピオン酸、4,4’−(オキ
シジーp−フェニレン)二酪酸、
【0045】3,3’−[4,4’−(オキシジ−p−フ
ェニレン)]ジプロピオン酸、3,3’−[4,4’−(オ
キシジ−p−フェニレン)] 二酪酸、ジフェニルスルホ
ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、2,3−フランジカルボン酸、2,3−フランジカ
ルボン酸ジメチル、2,4−フランジカルボン酸、2,
4−フランジカルボン酸ジメチル、2,5−フランジカ
ルボン酸、2,5−フランジカルボン酸ジメチル、2,
5−フランジカルボン酸ジフェニル、3,4−フランジ
カルボン酸、3,4−フランジカルボン酸ジメチル、
3,4−ジフェニル−2,5−フランジカルボン酸、
3,4−ジフェニル−2,5−フランジカルボン酸ジメ
チル、
【0046】3,3’−(2,5−フラン)ジプロピオ
ン酸、3,3’−(2,5−フラン)ジプロピオン酸ジ
メチル、2,5−cis−テトラヒドロフランジカルボ
ン酸、2,5−cis−テトラヒドロフランジカルボン
酸ジメチル、3,3’−(2,5−cis−テトラヒド
ロフラン)ジプロピオン酸、3,3’−(2,5−ci
s−テトラヒドロフラン)ジプロピオン酸ジエチル、
2,3−チオフェンジカルボン酸、2,3−チオフェン
ジカルボン酸ジメチル、2,4−チオフェンジカルボン
酸、2,4−チオフェンジカルボン酸ジメチル、2,5
−チオフェンジカルボン酸、
【0047】2,5−チオフェンジカルボン酸ジメチ
ル、2,5−チオフェンジカルボン酸ジフェニル、3,
4−チオフェンジカルボン酸、3,4−チオフェンジカ
ルボン酸ジメチル、3,4−ジフェニル−2,5−チオ
フェンジカルボン酸、3,4−ジフェニル−2,5−チ
オフェンジカルボン酸ジメチル、2,5−チオフェン二
酢酸、3,3’−(2,5−チオフェン)ジプロピオン
酸、3,3’−(2,5−チオフェン)ジプロピオン酸
ジエチル、2,5−cis−テトラヒドロチオフェンジ
カルボン酸、2,5−cis−テトラヒドロチオフェン
ジカルボン酸ジエチル、
【0048】3,4−cis−テトラヒドロチオフェン
ジカルボン酸、3,4−cis−テトラヒドロチオフェ
ンジカルボン酸ジメチル、1,1−ジオキソ−2,5−
cis−テトラヒドロチオフェンジカルボン酸、1,1
−ジオキソ−2,5−cis−テトラヒドロチオフェン
ジカルボン酸ジエチル、2,6−4H−ピランジカルボ
ン酸、4−オキソ−2,6−4H−ピランジカルボン
酸、4−オキソ−2,6−4H−ピランジカルボン酸ジ
エチル、2,6−cis−テトラヒドロピランジカルボ
ン酸、2,6−cis−テトラヒドロピランジカルボン
酸ジメチル、
【0049】2,6−cis−テトラヒドロチオピラン
ジカルボン酸、2,6−cis−テトラヒドロチオピラ
ンジカルボン酸ジメチル、1,1−ジオキソ−2,6−
cis−テトラヒドロチオピランジカルボン酸、1,1
−ジオキソ−2,6−cis−テトラヒドロチオピラン
ジカルボン酸ジメチル、2,8−ジベンゾフランジカル
ボン酸、2,8−ジベンゾフランジカルボン酸ジメチ
ル、3,7−ジベンゾフランジカルボン酸、3,7−ジ
ベンゾフランジカルボン酸ジメチル、4,6−ジベンゾ
フランジカルボン酸、4,6−ジベンゾフランジカルボ
ン酸ジメチル、
【0050】2,8−ジベンゾチオフェンジカルボン
酸、5,5−ジオキソ−2,8−ジベンゾチオフェンジ
カルボン酸、9−オキソ−1,8−キサンテンジカルボ
ン酸、9−オキソ−2,7−キサンテンジカルボン酸、
9−オキソ−2,7−キサンテンジカルボン酸ジメチ
ル、1,6−ジベンゾ[1.4]ジオキシンジカルボン
酸、1,6−ジベンゾ[1.4]ジオキシンジカルボン酸
ジメチル、2,7−ジベンゾ[1.4]ジオキシンジカル
ボン酸、2,7−ジベンゾ[1.4]ジオキシンジカルボ
ン酸ジメチル、2,8−ジベンゾ[1.4]ジオキシンジ
カルボン酸、
【0051】2,8−ジベンゾ[1.4]ジオキシンジカ
ルボン酸ジメチル、1,6−フェノキサチインジカルボ
ン酸、1,2,8−フェノキサチインジカルボン酸、
4,6−フェノキサチインジカルボン酸、4,6−フェ
ノキサチインジカルボン酸ジメチル、10,10−ジオ
キソ−1,6−フェノキサチインジカルボン酸、10,
10−ジオキソ−1,6−フェノキサチインジカルボン
酸ジメチル、10,10−ジオキソ−1,9−フェノキ
サチインジカルボン酸、10,10−ジオキソ−1,9
−フェノキサチインジカルボン酸ジメチル、
【0052】10,10−ジオキソ−2,8−フェノキ
サチインジカルボン酸、10,10−ジオキソ−2,8
−フェノキサチインジカルボン酸ジメチル、10,10
−ジオキソ−4,6−フェノキサチインジカルボン酸、
2,7−チアントレンジカルボン酸、2,7−チアント
レンジカルボン酸ジメチル、10,10−ジオキソ−
1,9−チアントレンジカルボン酸、5,5,10,1
0−テトラオキソ−2,7−チアントレンジカルボン
酸、5,5,10,10−テトラオキソ−2,7−チア
ントレンジカルボン酸ジメチル、10−オキソ−10−
フェニル−2,8−フェノキサホスフィンジカルボン
酸、
【0053】9−オキサビシクロ[3.3.1]ノナン−
2,6−ジカルボン酸ジメチル、9−オキサビシクロ
[3.3.1]ノナン−2,6−ジカルボン酸ジフェニ
ル、2,4,6,8−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン−3,9−ジカルボン酸、2,4,6,8−テト
ラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−ジカルボ
ン酸ジメチル、2,4,6,8−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン−3,9−二酢酸、2,4,6,8
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−3,9−二
酢酸ジエチル、2,3−ピロールジカルボン酸、2,3
−ピロールジカルボン酸ジメチル、
【0054】2,4−ピロールジカルボン酸、2,4−
ピロールジカルボン酸ジメチル、2,5−ピロールジカ
ルボン酸、2,5−ピロールジカルボン酸ジメチル、1
−メチル−2,5−ピロールジカルボン酸、1−メチル
−2,5−ピロールジカルボン酸ジメチル、1−フェニ
ル−2,5−ピロールジカルボン酸、1−フェニル−
2,5−ピロールジカルボン酸ジメチル、3,4−ピロ
ールジカルボン酸、3,4−ピロールジカルボン酸ジメ
チル、1−メチル−3,4−ピロールジカルボン酸、1
−メチル−3,4−ピロールジカルボン酸ジエチル、1
−フェニル−3,4−ピロールジカルボン酸、1−フェ
ニル−3,4−ピロールジカルボン酸ジエチル、
【0055】3,5−ジメチル−2,4−ピロールジカ
ルボン酸ジエチル、2,5−ジメチル−3,4−ピロー
ルジカルボン酸、2,5−ジメチル−3,4−ピロール
ジカルボン酸ジエチル、1,2,5−トリメチル−3,
4−ピロールジカルボン酸、1,2,5−トリメチル−
3,4−ピロールジカルボン酸ジエチル、1−メチル−
2,5−ピロール二酢酸、1−メチル−2,5−ピロー
ル二酢酸ジメチル、3,3’−(2,5−ピロール)ジ
プロピオン酸、3,3’−(2,5−ピロール)ジプロ
ピオン酸ジメチル、3,3’−(1−メチル−2,5−
ピロール)ジプロピオン酸、
【0056】3,3’−(1−メチル−2,5−ピロー
ル)ジプロピオン酸ジメチル、3,3’−(1−フェニ
ル−2,5−ピロール)ジプロピオン酸ジエチル、1−
メチル−2,5−cis−ピロリジンジカルボン酸ジエ
チル、1−フェニル−2,5−cis−ピロリジンジカ
ルボン酸ジエチル、1−メチル−2,5−ピロリジン二
酢酸ジエチル、3,3’−(1−メチル−2,5−ピロ
リジン)ジプロピオン酸、3,3’−(1−メチル−
2,5−ピロリジン)ジプロピオン酸ジエチル、2,5
−インドールジカルボン酸、2,5−インドールジカル
ボン酸ジエチル、
【0057】2,6−インドールジカルボン酸、2,6
−インドールジカルボン酸ジエチル、9−メチル−1,
8−カルバゾールジカルボン酸、2,6−カルバゾール
ジカルボン酸、2,6−カルバゾールジカルボン酸ジエ
チル、3,6−カルバゾールジカルボン酸、3,6−カ
ルバゾールジカルボン酸ジエチル、9−メチル−3,6
−カルバゾールジカルボン酸、9−メチル−3,6−カ
ルバゾールジカルボン酸ジエチル、3,4−ピラゾール
ジカルボン酸、3,4−ピラゾールジカルボン酸ジメチ
ル、2−メチル−3,4−ピラゾールジカルボン酸、
【0058】1−フェニル−3,4−ピラゾールジカル
ボン酸、1−フェニル−3,4−ピラゾールジカルボン
酸ジメチル、2−フェニル−3,4−ピラゾールジカル
ボン酸、2−フェニル−3,4−ピラゾールジカルボン
酸ジメチル、3,5−ピラゾールジカルボン酸、3,5
−ピラゾールジカルボン酸ジメチル、1−メチル−3,
5−ピラゾールジカルボン酸、1−メチル−3,5−ピ
ラゾールジカルボン酸ジメチル、1−フェニル−3,5
−ピラゾールジカルボン酸、1−フェニル−3,5−ピ
ラゾールジカルボン酸ジメチル、4,5−イミダゾール
ジカルボン酸、
【0059】4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチ
ル、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジフェニル、1
−メチル−4,5−イミダゾールジカルボン酸、1−メ
チル−4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、1
−フェニル−4,5−イミダゾールジカルボン酸、1−
フェニル−4,5−イミダゾールジカルボン酸ジエチ
ル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,3−ピリジン
ジカルボン酸ジメチル、2,3−ピリジンジカルボン酸
ジフェニル、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,4−
ピリジンジカルボン酸ジメチル、2,4−ピリジンジカ
ルボン酸ジフェニル、2,5−ピリジンジカルボン酸、
2,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル、
【0060】2,5−ピリジンジカルボン酸ジフェニ
ル、2,6−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジン
ジカルボン酸ジメチル、2,6−ピリジンジカルボン酸
ジフェニル、3,4−ピリジンジカルボン酸、3,4−
ピリジンジカルボン酸ジメチル、3,5−ピリジンジカ
ルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル、
3,5−ピリジンジカルボン酸ジフェニル、2,6−ジ
メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸、2,4,6−
トリメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸、2,5−
ピペリジンジカルボン酸ジメチル、2,3−ピペリジン
ジカルボン酸ジエチル、2,6−cis−ピペリジンジ
カルボン酸、2,6−cis−ピペリジンジカルボン酸
ジメチル、1−メチル−2,6−cis−ピペリジンジ
カルボン酸、
【0061】1−メチル−2,6−cis−ピペリジン
ジカルボン酸ジメチル、3,5−ピペリジンジカルボン
酸ジエチル、2,6−cis−ピペリジン二酢酸、1−
メチル−2,6−cis−ピペリジン二酢酸、1−メチ
ル−2,6−cis−ピペリジン二酢酸ジエチル、2,
3−キノリンジカルボン酸、2,3−キノリンジカルボ
ン酸ジメチル、2,4−キノリンジカルボン酸、2,4
−キノリンジカルボン酸ジメチル、2,6−キノリンジ
カルボン酸、3,7−キノリンジカルボン酸、4,8−
キノリンジカルボン酸、4,8−キノリンジカルボン酸
ジメチル、
【0062】5,6−キノリンジカルボン酸、5,6−
キノリンジカルボン酸ジメチル、5,8−キノリンジカ
ルボン酸、6,7−キノリンジカルボン酸、6,7−キ
ノリンジカルボン酸ジメチル、6,8−キノリンジカル
ボン酸、7,8−キノリンジカルボン酸、2,2’−ビ
ピリジン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリ
ジン−4,4’−ジカルボン酸ジメチル、2,2’−ビ
ピリジン−5,5’−ジカルボン酸、2,2’−ビピリ
ジン−5,5’−ジカルボン酸ジメチル、2,2’−ビ
ピリジン−6,6’−ジカルボン酸、3,3’−ビピリ
ジン−2,2’−ジカルボン酸、3,3’−ビピリジン
−2,2’−ジカルボン酸ジメチル、
【0063】4,5−ピリダジンジカルボン酸、4,5
−ピリミジンジカルボン酸、4,6−ピリミジンジカル
ボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、2,3−ピラ
ジンジカルボン酸ジメチル、2,5−ピラジンジカルボ
ン酸、2,5−ピラジンジカルボン酸ジメチル、2,5
−ピラジンジカルボン酸ジフェニル、2,6−ピラジン
ジカルボン酸、2,6−ピラジンジカルボン酸ジメチ
ル、1,4−ピペラジン二酢酸ジメチル、3,3’−
(1,4−ピペラジン)ジプロピオン酸ジメチル、1,
6−フェナジンジカルボン酸、1,6−フェナジンジカ
ルボン酸ジメチルなどが挙げられる。
【0064】この内、主鎖中にアルキレン鎖を含まない
剛直な分子構造がより好ましく、上記のうち、フタル酸
類、テレフタル酸類、イソフタル酸類、ビフェニルジカ
ルボン酸類、ナフタレンジカルボン酸類、オキソフルオ
レンジカルボン酸類、アントラセンジカルボン酸類、ア
ントラキノンジカルボン酸類、ビフェニレンジカルボン
酸類、テルフェニルジカルボン酸類、クアテルフェニル
ジカルボン酸類、アゾベンゼンジカルボン酸類、フラン
ジカルボン酸類、チオフェンジカルボン酸類、ピランジ
カルボン酸類、ジベンゾフランジカルボン酸類、ジベン
ゾチオフェンジカルボン酸類、
【0065】キサンテンジカルボン酸類、ジベンゾ
[1.4]ジオキシンジカルボン酸類、フェノキサチイン
ジカルボン酸類、チアントレンジカルボン酸類、フェノ
キサホスフィンジカルボン酸類、ピロールジカルボン酸
類、インドールジカルボン酸類、カルバゾールジカルボ
ン酸類、ピラゾールジカルボン酸類、イミダゾールジカ
ルボン酸類、ピリジンジカルボン酸類、キノリンジカル
ボン酸類、ビピリジンジカルボン酸類、ピリミジンジカ
ルボン酸類、ピラジンジカルボン酸類、フェナジンジカ
ルボン酸類などが好ましく用いられる。特に好ましくは
5〜100モル%のイソフタル酸及び95〜0モル%の
テレフタル酸からなる二塩基酸成分を用いたものであ
る。
【0066】本発明に用いられるポリアリレート原料の
二価フェノールの例としては、1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジオール、1,1’−ビフェニル−2,2’
−ジオール、1,1’−ビフェニル−3,3’−ジオー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4’―ジヒドロキ
シジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−
メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,2−ビス−(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ
−2−クロロフェニル)エタン、
【0067】1,1’―ビナフタレン−2,2’―ジオ
ール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒ
ドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレ
ン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒド
ロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、
1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(5−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1,2−(9−オキ
ソフルオレン)ジオール、
【0068】1,5−(9−オキソフルオレン)ジオー
ル、1,6−(9−オキソフルオレン)ジオール、1,7
−(9−オキソフルオレン)ジオール、2,3−(9−
オキソフルオレン)ジオール、2,7−(9−オキソフ
ルオレン)ジオール、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ
ナフチル)プロパン、2,2ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−
(4―ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、パラ−
α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−パラ−
ジイソプロピルベンゼン、ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル、4,3’−ヒドロキシジフェニルエー
テル、
【0069】4,2’−ヒドロキシジフェニルエーテ
ル、2,2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、2,
3’−ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒ
ドロキシ−2,6−ジメチルジフェニルエーテル、ビス
−(ヒドロキシナフチル)エーテル、3,4’−ジヒド
ロキシジフェニル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビス−(3−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、カテ
コール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコー
ル、3−エチルカテコール、4−メチルカテコール、3
−n−プロピルカテコール、4−n−プロピルカテコー
ル、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコ
ール、3−(1,1−ジメチルエチル)カテコール、3
−n−ペンチルカテコール、
【0070】4−n−ペンチルカテコール、4−(1,
1−ジメチルプロピル)カテコール、4−ヘキシルカテ
コール、4−シクロヘキシルカテコール、4−(1,
1,3,3、−テトラメチルブチル)カテコール、4−
ノニルカテコール、3、4−ジメチルカテコール、3,
5−ジメチルカテコール、3,6−ジメチルカテコー
ル、4,5−ジメチルカテコール、4−メチル−5−エ
チルカテコール、3−モノクロロカテコール、4−モノ
クロロカテコール、3−モノブロモカテコール、4−モ
ノブロモカテコール、3−フルオロカテコール、4−フ
ルオロカテコール、3,5−ジクロロカテコール、4,
5−ジクロロカテコール、3,4−ジクロロカテコー
ル、3,4−ジブロモカテコール、3,5−ジブロモカ
テコール、
【0071】4,5−ジブロモカテコール、4−クロロ
−5−ニトロカテコール、3−クロロ−6−メトキシカ
テコール、5−ブロモ−4−ニトロカテコール、4−ブ
ロモ−5−メチルカテコール、3−ブロモ−5−(1,
1−ジメチルエチル)カテコール、3,4,5トリクロ
ロカテコール、3,4,5トリブロモカテコール、3,
4,6トリブロモカテコール、テトラクロロカテコー
ル、テトラブロモカテコール、3−アミノカテコール、
4−アミノカテコール、3−(2−アミノエチル)カテ
コール、4−(2−メチルアミノエチル)カテコール、
4−(2−ジメチルアミノエチル)カテコール、4−
(2−アミルエチルアミノ)カテコール、6−アミノ−
4−(2−アミノエチル)カテコール、3−ニトロカテ
コール、
【0072】3,4−ジニトロカテコール、3,6−ジ
ニトロカテコール、4,5−ジニトロカテコール、3−
ニトロ−6−メトキシカテコール、4−ニトロ−3−メ
トキシカテコール、5−ニトロ−3−メチルカテコー
ル、4−メトキシカテコール、6−メトキシカテコー
ル、4−(2−ヒドロキシエチル)カテコール、3−プ
ロピオキシカテコール、3−ブチロキシカテコール、
3,4−ジメトキシカテコール、3,6−ジメトキシカ
テコール、5−メトキシ−3−(1,1−ジメチルエチ
ル)カテコール、3−エトキシ−3−(1,1−ジメチ
ルエチル)カテコール、3,4,6−トリメトキシカテ
コール、レゾルシノール、2−クロロレゾルシノール、
【0073】4−クロロレゾルシノール、5−クロロレ
ゾルシノール、2,4−ジクロロレゾルシノール、4,
6−ジクロロレゾルシノール、2,4,6−トリクロロ
レゾルシノール、2−ブロモ−4−クロロレゾルシノー
ル、4−ブロモ−2−クロロレゾルシノール、4−クロ
ロ−5−メチルレゾルシノール、6−クロロ−4−エチ
ルレゾルシノール、2−クロロ−4−ブチルレゾルシノ
ール、6−クロロ−4−ブチルレゾルシノール、6−ク
ロロ−4−シクロヘキシルレゾルシノール、2,4−ジ
クロロ−5−メチルレゾルシノール、トリクロロレゾル
シノール、2−ブロモレゾルシノール、4−ブロモレゾ
ルシノール、5−ブロモレゾルシノール、2,4−ジブ
ロモレゾルシノール、4,6−ジブロモレゾルシノー
ル、
【0074】2,4,6−トリブロモレゾルシノール、
6−ブロモ−4−ブチルレゾルシノール、2−ヨードレ
ゾルシノール、4−ヨードレゾルシノール、5−ヨード
レゾルシノール、4,6−ジヨードレゾルシノール、
2,4,6−トリヨードレゾルシノール、2−アミノレ
ゾルシノール、5−アミノレゾルシノール、4−アミノ
−2,5−ジメチルレゾルシノール、4−ベンズアミノ
レゾルシノール、5−メルカプトレゾルシノール、5−
メチルチオレゾルシノール、5−エチルチオレゾルシノ
ール、5−プロピルチオレゾルシノール、5−ブチルチ
オレゾルシノール、2−ベンズスルホニルレゾルシノー
ル、レゾルシノールモノアセテート、レゾルシノールモ
ノベンゾエート、2−ニトロレゾルシノール、4−ニト
ロレゾルシノール、
【0075】5−ニトロレゾルシノール、2,4−ジニ
トロレゾルシノール、4,6−ジニトロレゾルシノー
ル、2,4,6−トリニトロレゾルシノール、テトラニ
トロレゾルシノール、6−ニトロ−5−メトキシレゾル
シノール、2−ニトロ−5−メトキシレゾルシノール、
4−ニトロ−5−メトキシレゾルシノール、2,4−ジ
ニトロ−5−メチルレゾルシノール、2,4,6−トリ
ニトロ−5−メチルレゾルシノール、2−メトキシレゾ
ルシノール、4−メトキシレゾルシノール、5−メトキ
シレゾルシノール、2,3−メトキシレゾルシノール、
2,5−メトキシレゾルシノール、2−メトキシ−5−
メチルレゾルシノール、5−メトキシ−4−メチルレゾ
ルシノール、5−メトキシ−6−メチルレゾルシノー
ル、
【0076】5−エトキシレゾルシノール、2−メチル
レゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチ
ルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エ
チルレゾルシノール、5−エチルレゾルシノール、2−
n−プロピルレゾルシノール、4−n−プロピルレゾル
シノール、5−n−プロピルレゾルシノール、2−(2
−プロペニル)レゾルシノール、4−(2−プロペニ
ル)レゾルシノール、4−(1−メチルエテニル)レゾ
ルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−
ブチルレゾルシノール、5−n−ブチルレゾルシノー
ル、5−sec−ブチルレゾルシノール、4−tert
−ブチルレゾルシノール、2−n−ペンチルレゾルシノ
ール、
【0077】4−n−ペンチルレゾルシノール、5−n
−ペンチルレゾルシノール、4−(1−メチルブチル)
レゾルシノール、5−(2−メチル−1−エチルプロピ
ル)レゾルシノール、2−n−ヘキシルレゾルシノー
ル、4−n−ヘキシルレゾルシノール、5−n−ヘキシ
ルレゾルシノール、4−(4−メチルペンチル)レゾル
シノール、5−(4−メチルペンチル)レゾルシノー
ル、5−(1,1−ジメチルブチル)レゾルシノール、
5−(1,2−ジメチルブチル)レゾルシノール、5−
(1−メチル−1−ペンテニル)レゾルシノール、4−
シクロヘキシルレゾルシノール、4−フェニルレゾルシ
ノール、4−ヘプチルレゾルシノール、5−ヘプチルレ
ゾルシノール、5−(1−メチルヘキシル)レゾルシノ
ール、
【0078】4−フェニルメチルレゾルシノール、2−
オクチルレゾルシノール、4−オクチルレゾルシノー
ル、5−オクチルレゾルシノール、4−(1−メチルヘ
プチル)レゾルシノール、4−(1,1,3,3−テト
ラブチル)レゾルシノール、4−(2−フェニルエチ
ル)レゾルシノール、5−ノニルレゾルシノール、5−
(1−メチルオクチル)レゾルシノール、5−(1,1
−ジメチルヘプチル)レゾルシノール、5−(1,2−
ジメチルヘプチル)レゾルシノール、5−(1,2,4
−トリメチルヘキシル)レゾルシノール、4−デシルレ
ゾルシノール、5−(1−メチルノニル)レゾルシノー
ル、2,4−ジメチルレゾルシノール、2,5−ジメチ
ルレゾルシノール、4,5−ジメチルレゾルシノール、
【0079】4,6−ジメチルレゾルシノール、4−エ
チル−2−メチルレゾルシノール、5−エチル−2−メ
チルレゾルシノール、2−エチル−4−メチルレゾルシ
ノール、5−エチル−4−メチルレゾルシノール、6−
エチル−4−メチルレゾルシノール、5−エテニル−4
−メチルレゾルシノール、2,4−ジメチルレゾルシノ
ール、5−メチル−4−プロピルレゾルシノール、2−
メチル−5−sec−ブチルレゾルシノール、4,6−
ジ(イソプロピル)レゾルシノール、4−エチル−6−
ペンチルレゾルシノール、4,6−ジ−tert−ブチ
ル)レゾルシノール、2−メチル−4−(フェニルメチ
ル)レゾルシノール、
【0080】2,4,5−トリメチルレゾルシノール、
2,4,6−トリメチルレゾルシノール、4,5,6−
トリメチルレゾルシノール、4,6−ジメチル−5−s
ec−ブチルレゾルシノール、テトラメチルレゾルシノ
ール、2−ヒドロキシエチルレゾルシノール、5−トリ
フルオロメチルレゾルシノール、ヒドロキノン、フェニ
ルヒドロキノン、クロルヒドロキノン、メチルヒドロキ
ノン、トリフルオロヒドロキノン、テトラフルオロヒド
ロキノン、2−クロロ−3−メトキシヒドロキノン、2
−クロロ−5−メトキシヒドロキノン、2−クロロ−6
−メトキシヒドロキノン、2,3−ジクロロヒドロキノ
ン、2,5−ジクロロヒドロキノン、2,6−ジクロロ
ヒドロキノン、トリクロロヒドロキノン、テトラクロロ
ヒドロキノン、
【0081】ブロモヒドロキノン、3−ブロモ−2,6
−ジメチルヒドロキノン、2,5−ジブロモヒドロキノ
ン、2,6−ジブロモヒドロキノン、トリブロモヒドロ
キノン、ヨードヒドロキノン、2,6−ジヨードヒドロ
キノン、テトラヨードヒドロキノン、ニトロヒドロキノ
ン、2,6−ジニトロヒドロキノン、メトキシヒドロキ
ノン、2−メトキシ−3−メチルヒドロキノン、2−メ
トキシ−5−メチルヒドロキノン、3−メトキシ−2−
メチルヒドロキノン、5−メトキシ−2−メチルヒドロ
キノン、2−メトキシ−6−プロピルヒドロキノン、2
−メトキシ−5−プロペニルヒドロキノン、2,3−ジ
メトキシヒドロキノン、2,5−ジメトキシヒドロキノ
ン、2,6−ジメトキシヒドロキノン、フェノキシヒド
ロキノン、
【0082】メルカプトヒドロキノン、アセチルヒドロ
キノン、ベンゾイルヒドロキノン、ヒドロキシメチルヒ
ドロキノン、メチルヒドロキノン、2−メチル−6−エ
チルヒドロキノン、2−メチル−5−イソプロピルヒド
ロキノン、2−メチル−5−シクロヘキシルヒドロキノ
ン、2,3−ジメチルヒドロキノン、2,5−ジメチル
ヒドロキノン、2,6−ジメチルヒドロキノン、トリメ
チルヒドロキノン、テトラメチルヒドロキノン、エチル
ヒドロキノン、2,6−ジエチルヒドロキノン、ビニル
ヒドロキノン、n−プロピルヒドロキノン、イソプロピ
ルヒドロキノン、1−プロペニルヒドロキノン、2−プ
ロペニルヒドロキノン、
【0083】2,5−(ジイソプロピル)ヒドロキノ
ン、2−ブチルヒドロキノン、4−ブチルヒドロキノ
ン、2、3−ジ(tert−ブチル)ヒドロキノン、
2、5−ジ(tert−ブチル)ヒドロキノン、2、6
−ジ(tert−ブチル)ヒドロキノン、2−メチル−
2−プロペニルヒドロキノン、ヘキシルヒドロキノン、
4−メチルペンチルヒドロキノン、シクロヘキシルヒド
ロキノン、4−フェニルメチルヒドロキノン、オクチル
ヒドロキノン、2,2’−メチリデンビスフェノール、
3,3’−メチリデンビスフェノール、4,4’−メチ
リデンビスフェノール、2,2’−メチリデンビス(4
−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(5
−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6
−メチルフェノール)、
【0084】4,4’−メチリデン(2−メチルフェノ
ール)、4,4’−メチリデン(3−メチルフェノー
ル)、2,2’−メチリデンビス(4,6−ジメチルフ
ェノール)、2,2’−メチリデンビス(3,5−ジメ
チルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2,6
−ジメチルフェノール)、3,3’−メチリデンビス
(2,4,6−トリメチルフェノール)、2,2’−メ
チリデンビス(4−プロピルフェノール)、4,4’−
メチリデンビス(2−プロピルフェノール)、4,4’
−メチリデンビス(2−メチル−6−エチルフェノー
ル)、2,2’−メチリデンビス(3,4,5,6−テ
トラメチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス
(2、3,5,6−テトラメチルフェノール)、
【0085】2,2’−メチリデンビス(4−tert
−ブチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2
−メチル−5−イソプロピルフェノール)、4,4’−
メチリデンビス(3−メチル−6−イソプロピルフェノ
ール)、4,4’−メチリデンビス(5−メチル−6−
イソプロピルフェノール)、2,2’−メチリデンビス
(4−tert−ブチル−6−メチルフェノール)、
2,2’−メチリデンビス(6−tert−ブチル−4
−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2
−tert−ブチル−6−メチルフェノール)、4,
4’−メチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メ
チルフェノール)、
【0086】2,2’−メチリデンビス(3,4−ジメ
チル−6−イソプロピルフェノール)、2,2’−メチ
リデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール)、2,2’−メチリデンビス(4−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、2,2’
−メチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェ
ノール)、4,4’−メチリデンビス(2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール)、4,4’−メチリデンビ
ス(3,5−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,
2’−メチリデンビス(4−クロロフェノール)、4,
4’−メチリデンビス(2−クロロフェノール)、2,
2’−メチリデンビス(4−ブロモフェノール)、
【0087】2,2’−メチリデンビス(4,6−ジク
ロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス(4,5
−ジクロロフェノール)、3,3’−メチリデンビス
(4,5−ジクロロフェノール)、4,4’−メチリデ
ンビス(2,5−ジクロロフェノール)、4,4’−メ
チリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、2,
2’−メチリデンビス(4,6−ジブロモフェノー
ル)、4,4’−メチリデンビス(2,6−ジブロモフ
ェノール)、2,2’−メチリデンビス(3,4,5−
トリクロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス
(3,4,6−トリクロロフェノール)、3,3’−メ
チリデンビス(2,4,6−トリクロロフェノール)、
【0088】2,2’−メチリデンビス(6−ブロモ−
4−クロロフェノール)、2,2’−メチリデンビス
(4−ブロモ−6−ニトロフェノール)、2,2’−メ
チリデンビス(6−クロロ−4−ニトロフェノール)、
2,2’−メチリデンビス(4−ニトロフェノール)、
4,4’−メチリデンビス(2−ニトロフェノール)、
2,2’−メチリデンビス(4、6−ジニトロフェノー
ル)、3,3’−メチリデンビス(6−メトキシフェノ
ール)、4,4’−メチリデンビス(2−メトキシフェ
ノール)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−6
−メチルフェノール)、2,2’−メチリデンビス(6
−クロロ−4−メチルフェノール)、
【0089】4,4’−メチリデンビス(2−クロロ−
5−メチルフェノール)、4,4’−メチリデンビス
(2−クロロ−6−メチルフェノール)、2,2’−メ
チリデンビス(6−ブロモ−4−メチルフェノール)、
4,4’−メチリデンビス(6−ブロモ−2−メチルフ
ェノール)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−
3,5−ジメチルフェノール)、2,2’−メチリデン
ビス(3−クロロ−4,6−ジメチルフェノール)、
2,2’−メチリデンビス(6−ブロモ−4,5−ジメ
チルフェノール)、4,4’−メチリデンビス(2−ク
ロロ−3,5,6−トリメチルフェノール)、
【0090】2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−
6−イソプロピルフェノール)、2,2’−メチリデン
ビス(6−クロロ−4−tert−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチリデンビス(4−クロロ−3−メ
チル−6−イソプロピルフェノール)、2,2’−メチ
リデンビス(4−クロロ−6−tert−ブチル−3−
メチルフェノール)、2,2−メチルデンビス(4,6
−ジクロロ−3−メチルフェノール)、2,2’−メチ
リデンビス(6−ニトロ−4−tert−ブチルフェノ
ール)、
【0091】4,4’−イソプロピリデンビスフェノー
ル、2,2’−イソプロピリデンビス(5−メチルフェ
ノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチ
ルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2
−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−イソプロピ
リデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4’
−イソプロピリデンビス(2−ニトロフェノール)、
4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジニトロフ
ェノール)、4,4’−ブタンジイルビス(2−メチル
フェノール)、4,4’−ブチリデンビスフェノール、
2,2’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−4
−メチルフェノール)、
【0092】4,4’−ブチリデンビス(6−tert
−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−sec
−ブチリデンビスフェノール、4,4’−sec−ブチ
リデンビス(3−メチルフェノール)、2,2’−se
c−ブチリデンビス(3−メチル−6−イソプロピルフ
ェノール)、2,2’−sec−ブチリデンビス(6−
tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’
−イソブチリデンビスフェノール、4,4’−イソブチ
リデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノ
ール)、4,4’−(1,3−シクロヘキサンジイル)
ビスフェノール、
【0093】4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノ
ール、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−クロロ
フェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス
(2,6−ジクロロフェノール)、2,2’−チオビス
フェノール、4,4’−チオビスフェノール、4,4’
−チオビス(2−メチルフェノール)、2,2’−チオ
ビス(4,5−ジメチルフェノール)、2,2’−チオ
ビス(4,6−ジメチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス(2,6−ジメチルフェノール)、2,2’−チオ
ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル)、
【0094】4,4’−チオビス(2−tert−ブチ
ル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4
−フルオロフェノール)、2,2’−チオビス(4−ク
ロロフェノール)、4,4’−チオビス(3−クロロフ
ェノール)、2,2’−チオビス(4−クロロ−5−メ
チルフェノール)、2,2’−チオビス(4,6−ジク
ロロフェノール)、4,4’−チオビス(2−ブロモフ
ェノール)、2,2’−チオビス(5−ニトロフェノー
ル)、4,4’−スルフィニルビスフェノール、4,
4’−スルフィニルビス(2−メチルフェノール)、
4,4’−スルフィニルビス(2−tert−ブチル−
5−メチルフェノール)、
【0095】4,4’−スルフィニルビス(2−クロロ
フェノール)、4,4’−スルフィニルビス(4−クロ
ロフェノール)、2,2’−スルフィニルビス(4,6
−ジクロロフェノール)、4,4’−スルフィニルビス
(2−ブロモフェノール)、2,2’−スルホニルビス
フェノール、4,4’−スルホニルビスフェノール、
4,4’−スルホニルビス(2−メチルフェノール)、
4,4’−スルホニルビス(2,5−ジメチルフェノー
ル)、4,4’−スルホニルビス(2−tert−ブチ
ル−5−メチルフェノール)、4,4’−スルホニルビ
ス(2−クロロフェノール)、4,4’−スルホニルビ
ス(3−クロロフェノール)、
【0096】4,4’−スルホニルビス(2−ブロモフ
ェノール)、4,4’−スルホニルビス(2−ニトロフ
ェノール)、2,3’−オキシビスフェノール、2,
2’−エタンジイルジメルカプトビスフェノール、4,
4’−メチリデンビスカテコール、4,4’−メチリデ
ンビスレゾルシン、4,4’−エチリデンビスレゾルシ
ン、2,2’−プロパンジイルビスレゾルシン、2,
2’−ブタンジイルビスレゾルシン、2,2’−ペンタ
ンジイルビスレゾルシン、−メチリデンビス(6−クロ
ロレゾルシン)、2,2’−メチリデンビス(4−クロ
ロ−6−ニトロレゾルシン)、4,4’−スルフィンビ
スレゾルシン、2,2’−エタンジイルビスヒドロキノ
ン、4,4’−スルホニルビスヒドロキノンなどが挙げ
られる。
【0097】この内、主鎖中にアルキレン鎖を含まない
剛直な分子構造がより好ましく、ビフェノール類、ビナ
フタレンジオール類、ジヒドロキシナフタレン類、ジヒ
ドロキシフルオレン類、ジヒドロキシオキソフルオレン
類、カテコール類、レゾルシノール類、ヒドロキノン類
が好ましく用いられる。更に好ましくは、3,3’,
5,5’−テトラアルキル−4,4’−ビフェノール
(アルキル鎖は炭素原子数1〜8)、最も好ましくは3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ルが挙げられる。
【0098】光学材料、特にディスプレー用フィルム基
板を製造する場合、導電膜の形成及び光学デバイスの封
止などの製造工程において耐熱性が要求される。従っ
て、本発明におけるポリアリレートは上述した芳香族二
塩基酸及び芳香族ジオールとからなる全芳香族ポリエス
テルのうち、200℃以上のガラス転移温度を有するこ
とが好ましく、より好ましくは230℃以上のガラス転
移温度を有するものである。要求特性からは特に上限値
を設ける必要はなく、有機化合物である以上、自ずから
上限はあるものの、可能であれば、500℃である。
【0099】特に、一般式(1)の構造を有するポリア
リレートが耐熱性、透明性、機械的強度などの観点、及
びフィルムなどへの成型加工のし易さに関係する溶媒溶
解性の各観点から好ましい。その重量平均分子量は1×
104以上、好ましくは2×104〜1×106程度であ
る。尚、一般式(1)のポリアリレートは、他のポリアリ
レート成分である芳香族二塩基酸及び芳香族ジオールと
の共重合体も好適に用いられる。
【0100】
【化5】
【0101】(式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜8
のアルキル基を表す)一般式(1)の構造を有するポリ
アリレートの内、特に好ましいものは、イソフタル酸単
位とテレフタル酸単位から成る芳香族ジカルボン酸
(D)と、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ビフェノール単位(E)とからなる全芳香族ポリ
エステルである。この場合、芳香族ジカルボン酸(D)
を構成するイソフタル酸とテレフタル酸の割合はイソフ
タル酸40〜100モル%、好ましくは50〜100モ
ル%、更に好ましくは60〜100モル%、テレフタル
酸単位0〜60モル%、好ましくは0〜50モル%、更
に好ましくは0〜40モル%である。イソフタル酸単位
の割合が40モル%未満の場合にはポリマーの溶媒溶解
性が低下する。
【0102】一方、芳香族ジカルボン酸(D)と構造単
位(E)との構成単位の割合は50モル%ずつである。
3,3’,5,5’−テロラメチル−4,4’−ビフェ
ノール単位(E)50モル%に対し芳香族ジカルボン酸
単位(D)が50モル%を超えると重合度の高いポリマ
ーが得られないため好ましくない。
【0103】該ポリエステルは、構成単位がイソフタル
酸単位(D)と、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ビフェノール単位(E)のみである場合に
は、(D)と(E)との構成単位の割合は50モル%ず
つである。該割合の場合、重合時に重合度の高いポリマ
ーが得られ、力学強度が高く、製膜性に優れたフィルム
となり好ましい。
【0104】透明性を損なわない範囲で、また必要な耐
熱性を実現できる範囲で、耐候性、耐酸化劣化性、帯電
防止性を改善するため、各種紫外線吸収剤、酸化防止剤
及び帯電防止剤を、透明性と耐熱性を損なわない範囲で
本発明におけるポリアリレートに添加することができ
る。
【0105】本発明で得られるポリアリレートと金属酸
化物との複合体は、透明性に優れたものが得られ、JI
S K7105に準拠し、光源としてハロゲンランプを
用いた平行光線透過率が50%以上である透明性を有す
ることが好ましく、より好ましくは平行光線透過率70
%以上、更に好ましくは80%以上、最も好ましくは9
0%以上である。またヘイズ値では5%以下、好ましく
は3〜0.01%である。
【0106】また、本発明で得られるポリアリレートと
金属酸化物との複合体の線熱膨張係数は複合前のポリア
リレートより小さいものが得られる。配合した金属酸化
物の量にもよるが、複合体の線熱膨張係数を複合前のポ
リアリレートの値で割った値が0.9以下であることが
好ましく、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは
0.6以下である。
【0107】本発明で得られるポリアリレートと金属酸
化物との複合体は、酸化物と複合化することにより硬度
が上昇する。JISのK−5400に準拠した鉛筆硬度
で評価して、複合化前のポリアリレートの値より硬度が
増加したものが好ましく、鉛筆硬度H以上であるもの、
更に好ましくは2H以上である。
【0108】本発明は、ポリアリレート中に溶解もしく
は予め分子オーダーで分散させた金属酸化物前駆体を、
該ポリアリレート中(in situ)で加水分解、重
縮合させる、0.1μm以下の微細に分散した金属酸化
物をポリアリレート中に含む、ポリアリレートと金属酸
化物との複合体の製造方法である。
【0109】更に詳しくは、本発明のポリアリレートと
金属酸化物との複合体は、 (A) ポリアリレートの溶液と、 (B) Si(OR)4 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニ
ル基もしくはベンジル基などの芳香族基で置換されてい
るアルキル基を表す)と (C) SiR’4-a(OR)a (式中、R’は炭素数1〜10のアルキル基、又はフェ
ニル基もしくはベンジル基などの芳香族基で置換されて
いるアルキル基、又はアミノ基、ピリジル基、イミダゾ
リル基、グリシジル基、水酸基、ビニル基、メルカプト
基で置換されていても良い、炭素数1〜10のアルキル
基、aは1〜3の整数、Rは炭素数1〜10のアルキル
基、又はフェニル基もしくはベンジル基などの芳香族基
で置換されているアルキル基を表す)とからなる溶液と
を混合し、in situで加水分解、重縮合させるこ
とによって作られる。
【0110】(A)ポリアリレートを溶媒に溶解し、次
いでシリカの前駆体であるSi(OR)4とSiR’4-a
(OR)aとを他の溶媒に溶解し、最終的に(A)が溶
解した溶液と、(B)と(C)が溶解した溶液とを混合
し必要に応じてこれに微量の水と触媒を添加する。この
ように未反応状態の金属酸化物前駆体(B)と(C)と
を(A)ポリアリレート中で加水分解、重縮合させるこ
とでポリアリレートと金属酸化物との間の親和性の増し
た混合状態を実現することができ、また生成した金属酸
化物の大きさを、条件にもよるが0.1μm以下にする
ことができる。
【0111】混合後、反応を促進するため必要に応じて
溶液を加温しても良い。これは反応時間との兼ね合いで
決められる。温度としては10℃〜200℃、反応時間
としては10分から1日である。尚、溶解方法としては
(A)、(B)、(C)を同時に溶媒中で混合してもよ
い。
【0112】得られる複合体の特性が失われない範囲で
(B)、(C)は部分加水分解したものや、部分的に縮
合したものでもよく、(B)と(C)のR及びR’は各
々独立に選ぶことができ、複数結合している場合には互
いに異なる分子構造であってもよい。また(B)及び
(C)は2種以上を併用してもよい。
【0113】最も好適に用いられる金属酸化物として、
金属がシリコンである場合について、シリカの前駆体で
ある(B)及び(C)の具体例を例示すが、これらは金
属名をチタンもしくはジルコニウムにして同様な金属酸
化物前駆体を例示しうる。またホウ素、マグネシウム、
カルシウム、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、
インジウム、錫、及び遷移元素であるバナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛など
についても同様な金属酸化物前駆体を例示しうる。
【0114】即ち、(B)Si(OR)4 (式中、R
は炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基もしく
はベンジル基などの芳香族基で置換されているアルキル
基を表す)としては、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブ
トキシシラン、テトラフェノキシシラン等のテトラアル
コキシシラン類、これらの部分加水分解及び部分縮合
物、及び水ガラスが挙げられる。
【0115】また(C) SiR’4-a(OR)a (式
中、R’は炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル
基もしくはベンジル基などの芳香族基で置換されている
アルキル基、又はアミノ基、ピリジル基、イミダゾリル
基、グリシジル基、水酸基、ビニル基、メルカプト基で
置換されていても良い、炭素数1〜10のアルキル基、
aは1〜3の整数、Rは炭素数1〜10のアルキル基、
又はフェニル基もしくはベンジル基などの芳香族基で置
換されているアルキル基を表す)を具体的に例示する
と、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリn−プロポキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ
イソプロポキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリメチルブトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、
【0116】エチルトリn−プロポキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエ
チルジイソプロポキシシラン、トリエチルメトキシシラ
ン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルブトキシシ
ラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピル
トリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキ
シシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
トリフェニルメトキシシラン、1,3−ジ−n−オクチ
ルテトラエトキシジシロキサン、1,3−ジメチルテト
ラメトキシジシロキサン、
【0117】ジシクロペンチルジメトキシシラン、1,
1−ジエトキシ−1−シラシクロペンタ−3−エン、シ
クロペンチルトリメトキシシラン、(3−シクロペンタ
ジエニルプロピル)トリエトキシシラン、シクロヘキシ
ルトリメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキ
シシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、
[2−(3−シクロヘキセニル)エチル]トリエトキシシ
ラン、[2−(3−シクロヘキセニル)エチル]トリメト
キシシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシランなど
のR及びR’が炭素数1〜10のアルキル基、又はフェ
ニル基もしくはベンジル基などの芳香族基で置換されて
いるアルキル基であるアルコキシシラン、
【0118】N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブ
チルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、2−ア
ミノエチルアミノメチルベンジロキシジメチルシラン、
(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、2−(m−アミノフェノキ
シ)プロピルトリメトキシシラン、m−アミノフェニル
トリメトキシシラン、3−(3−アミノプロポキシ)−
3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラ
ン、
【0119】アミノフェニルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−ア
ミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラ
ン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエ
トキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、(3−トリメトキシシ
リルプロピル)ジエチレントリアミン、トリフェニルア
ミノシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)イソ
チオウロニウムクロライド、N−フェニルアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、
【0120】N−メチルアミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、3−(2,4−ジニロトフェニルアミノ)プ
ロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルエト
キシシラン、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピ
ル)トリメトキシシラン、ビス[3−(トリメトキシシ
リル)プロピル]エチレンジアミン、ビス(トリメトキ
シシリルプロピル)アミンなどのアミノ基を有するアル
コキシシラン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジ
ンなどのピリジル基を有するアルコキシシラン、
【0121】N−(3−トリエトキシシリルプロピル)
−4,5−ジヒドロイミダゾールなどのイミダゾリル基
を有するアルコキシシラン、(3−グリシドキシプロピ
ル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(3−
グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3
−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、
(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラ
ン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
エトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキ
シルトリエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラエト
キシジシロキサンなどのグリシジル基を有するアルコキ
シシラン、
【0122】ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメ
チルジメトキシシラン、O−(ビニロキシエチル)−N
−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、ビニロキ
シトリメチルシラン、ビニルフェニルジエトキシシラ
ン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリフ
ェノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、スチリ
ルエチルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチ
ル−2−アミノエチルアミノ)―プロピルトリメトキシ
シラン塩酸塩、(3−アクリロキシプロピル)ジメチル
メトキシシラン、2−(アクリロキシエトキシ)トリメチ
ルシラン、N−3−(アクリロキシ−2−ヒドロキシプ
ロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ブ
テニルトリエトキシシランなどのビニル基を有するアル
コキシシラン及びアセトキシシラン、
【0123】トリフェニルシラノール、N−(3−トリ
エトキシシリルプロピル)グルコンアミド、N−(3−
トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチル
アミド、ナトリウムメチルシリコネート、N−(ヒドロ
キシエチル)−N−メチルアミノプロピルトリメトキシ
シランなどの水酸機を有するアルコキシシラン、
【0124】3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシ
ラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシランなどの
メルカプト基を有するアルコキシシランが挙げられ、こ
のうち特にアミノ基を有するアルコキシシランがそれ自
身で触媒作用を有すること、及び該ポリアリレートとの
親和性が高いことから好ましい。
【0125】金属酸化物の金属がシリコンである場合を
除くと、一般に金属酸化物前駆体の加水分解と重縮合の
速度は極めて速く、in situ反応を行っても、ポ
リアリレートとの相互作用によって金属酸化物の大きさ
の制御が図れない場合がある。その場合には金属酸化物
前駆体としてジケトネートを有する反応速度の遅い前駆
体を用いることが好ましい。
【0126】以下、金属がチタンの場合について金属酸
化物の前駆体としてのジケトネート類を例示するが、他
の金属でも同様である。即ち、チタンアリルアセトアセ
テートトリイソプロポキサイド、チタンジ−n−ブトキ
サイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタン
ジイソプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネ
ート)、チタンジイソプロポキサイドビス(テトラメチ
ルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイド
ビス(エチルアセトアセテート)、チタンメタクリルオ
キシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、
チタンオキシドビス(ペンタンジオネート)、チタンオ
キシドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)などが
挙げられる。
【0127】(A)に対する(B)と(C)の添加量
は、最終的に得られた複合体中の金属酸化物の含有量か
ら決められる。即ち、得られた複合体から溶媒を除去し
た後の金属酸化物の含有量は、好ましくは0.1〜50
重量%、より好ましくは0.1〜35重量%、最も好ま
しくは0.5〜30重量%である。
【0128】(B)と(C)との添加量比は得られる金
属酸化物の量と、金属酸化物とポリアリレートとの相互
作用を勘案して決められる。即ち、(B)と(C)との
重量比は50/50〜99/1が好ましく、更に好ましく
は60/40〜99/1、最も好ましくは60/40〜9
5/5である。
【0129】溶媒としては(A)、(B)、(C)及び
必要によって添加する水及び触媒を溶解するもの及び成
膜の容易なものなら特に制限はないが、THF、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドン、メチルエチルケトン、アルコール類などの極
性溶媒及びプロトン性溶媒、更にこれらの混合物が好適
に用いられる。必要に応じて添加される水の量は、上記
の溶媒中に水分が全く含まれないとして、金属酸化物の
前駆体に対してモル比で0.1〜12.0倍量である。
【0130】また必要に応じて添加される触媒としては
各種公知の化合物が用いられるが、例えば塩酸、硫酸な
どの無機酸、蟻酸、酢酸などの有機酸、アンモニア水、
水酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、
ベンジルアミンなどの塩基性を有する有機化合物、及び
チタンエトキサイドなどの反応速度の速い金属酸化物前
駆体などが挙げられる。これらは金属酸化物の前駆体に
対して0.01〜1.0モル比使用されるが、(C)と
してアミノ基を有する化合物を用いる場合など、(C)
自体が触媒になりえる場合には添加する必要はない。
【0131】反応後、複合体を含む溶液はコーティング
もしくはキャストによりフィルム状に成形される。その
際、溶液中の(A)ポリアリレートの濃度(溶液濃度)は
0.1〜25重量%が好ましく、より好ましくは0.5
〜20重量%である。溶液濃度0.1%未満では溶媒を
大量に使用しなければならないため製造コストの上で好
ましくない。また、溶液濃度が25重量%を超える場合
には溶液の粘度が高すぎ、該複合体溶液が不均質になり
易い。
【0132】フィルムへの成形はポリアリレートと金属
酸化物との複合体からなる溶液を、ポリエステルフィル
ム、ガラス板、テフロン(登録商標)板及びこれらの材
質からなる容器などにコーティングもしくはキャスト
し、使用溶媒の蒸発速度を考慮して、キャスト液中に激
しい熱対流を起こさないように、また溶媒蒸発に伴うキ
ャスト膜の温度低下による水の凝結を防ぐように、ある
いは膜中に空隙の生じないように温度と風量を設定し、
溶媒を蒸発させる。尚、またフィルムの平坦性を増すた
め、界面活性剤などからなる適当なレベリング剤を使用
することも可能である。
【0133】更に乾燥した膜は、使用した溶媒の沸点近
傍から、膜を構成するポリアリレートと金属酸化物との
複合体のガラス転移温度までの温度、好ましくは180
℃以上から該ガラス転移温度以下、より好ましくは21
0℃以上から該ガラス転移温度以下までの温度範囲で熱
処理し、溶媒を完全に除去すると共にフィルム内の残留
応力を除去し、フィルムの平坦性を向上させ、金属酸化
物前駆体の加水分解、重縮合を促進させる。熱処理温度
の上限は実質的に500℃程度である。熱処理時間は熱
処理工程中で最も高い温度の過程を1分〜5時間行うこ
とが好ましく、より好ましくは5分〜3時間、更に好ま
しくは5分〜1時間である。
【0134】この熱処理ではフィルムを枠に固定して行
うことで、フィルムの高温での形状安定性を更に増すこ
とができる。またこの熱処理を、膜を構成するポリアリ
レートと金属酸化物との複合体のガラス転移温度までの
温度、好ましくは180℃以上から該ガラス転移温度以
下、より好ましくは210℃以上から該ガラス転移温度
以下、更に好ましくは230℃以上から該ガラス転移温
度以下、最も好ましくは250℃以上から該ガラス転移
温度以下までの温度範囲において、減圧条件下で行うこ
とにより、着色の少ない透明なフィルムを得ることがで
きる。
【0135】これは熱処理により、酸化されやすい未反
応原料や酸化された未反応原料を除去することができる
ためと考えられ、この真空加熱処理はポリアリレート重
合後に行っても良い。減圧条件としては、1×10
3(Pa)以下、好ましくは1×101〜1×103(P
a)下、更に好ましくは1×101〜6.5×102(P
a)の真空度で熱処理することが望ましい。
【0136】このようにして得られたポリアリレートと
金属酸化物との複合材料は、光学材料特にディスプレー
用フィルム基板として、とりわけ液晶ディスプレー用フ
ィルム基板として好ましく用いられる。ここで、ディス
プレー用フィルム基板とは、液晶ディスプレー、又は有
機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレーの電
極付きフィルム基板を意味する。
【0137】例えば、液晶ディスプレーに、この複合体
フィルムを用いた場合は、ディスプレーの標準的工程と
して、導電膜の形成、配向膜の形成、基板貼り合わせ、
液晶注入、封止などを経るが、十分な液晶ディスプレー
の性能を引き出す為に組立て工程において、使用する光
学材料は180℃から200℃を超える耐熱性が要求さ
れる。
【0138】即ち、ディスプレー組立工程における電極
膜の形成工程、配向膜の塗工工程に引き続く熱処理工
程、封止剤の熱硬化工程などに十分耐え、良好な液晶表
示パネルを得るためには、180℃以上、好ましくは2
10℃、更に好ましくは230℃、特に好ましくは25
0℃以上を超える耐熱温度を有するフィルム基板である
ことが望まれる。この際、耐熱温度の上限は、上述の組
立てプロセス等の都合上自ずと限界はあろうが、高温で
あるほど好ましい。
【0139】液晶ディスプレー製造の各工程は一般的に
次のように処理される。始めに、該フィルム基板上に、
導電膜を形成する。導電膜は透明性と導電性が要求され
るため、インジウム−スズ酸化物が好適に使用される
が、アルミニウム−亜鉛酸化物系材料も使用することが
できる。導電膜のフィルム上への形成はスパッタリン
グ、真空蒸着、イオンプレーティング等の公知の方法で
達成することができ、これにより目的とする光透過率と
導電性を有する薄膜として製膜できる。
【0140】導電膜の物性を満足のいくものとするため
には、製膜時の雰囲気に含まれる酸素量と被着基板の温
度が重要であり、酸素が多いほど透明性が増し、基板温
度が高いほど導電性を上げ、表面抵抗を下げることがで
きる。本発明の複合体を用いたデスプレー用フィルム基
板は、高い耐熱性を有するため、基板温度を180℃以
上に上げて導電膜を形成させることができる。
【0141】そのため、得られた導電膜は膜厚60nm
において1〜100Ω、好ましくは1〜30Ωという極
めて低い表面抵抗率(JIS K 6911準拠)を示
す。複合体フィルムへの導電膜形成は、必要に応じてフ
ィルムを固定した状態で行うことができる。固定により
導電膜の形成が全体的に平均化し、安定した状態の精密
な電極パターンを有する導電膜とすることができる。
【0142】配向膜としては通常の液晶セルと同様、ポ
リイミド系高分子薄膜を用いることができ、これを上述
の導電膜上に形成した後、ラビング処理することで目的
の配向膜が得られる。用いるポリイミドが可溶性ポリイ
ミドの場合には、使用している溶媒が低沸点化合物であ
れば低温度で乾燥可能であるが、溶媒によっては180
℃以上の高温での乾燥条件が、生産効率を上げるために
必要な場合もある。
【0143】またポリイミドの前駆体であるポリアミッ
ク酸の閉環反応を加熱処理により進行させてイミド化す
る場合には、その温度は一般に180℃を越えるものが
多く、本発明における複合体フィルムのようにガラス転
移点が200℃を超え、金属酸化物により更に耐熱性を
向上させた基板は高温での加熱処理に耐え、変形するこ
とがないため好ましい。
【0144】この様に本発明のフィルム基板に導電膜層
と配向膜層を積層して形成した基板を用いて液晶ディス
プレーを製造することができるが、更に液晶ディスプレ
ーの長期安定性の観点から、該基板に適宜、ガスバリア
ー層、ハードコート層、導電膜層等及び各層間との密着
性を増すため接着層等を積層し形成せしめ、この様な基
板を用いて液晶ディスプレーを製造しても良い。
【0145】ガスバリアー層とは主に空気中の水分、酸
素などが液晶層中に進入するのを防ぐ目的のもので、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアルコール−エチレン
共重合体等のポリビニルアルコール系共重合体、ポリア
クリロニトリル、ポリアクリロニトリル−スチレン共重
合体のポリアクリロニトリル系共重合体、ポリビニリデ
ンクロライド等の公知のガスバリアー材料等を用いるこ
とができる。
【0146】ハードコート層とは、本発明における液晶
ディスプレー用フィルム基板材料の表面硬度を増すた
め、及びフォトレジスト現像工程での耐性付与のために
必要に応じて積層するもので、公知の架橋性高分子材
料、例えばシリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂など、も
しくはSi,Al,Ti,Mg,Zrなどから選ばれた
少なくとも1種の金属、あるいは2種以上の金属混合物
の酸化物、窒化物、酸窒化物の薄膜を公知の方法で形成
することができる。しかしながら、本発明の複合体フィ
ルムにおいては、金属酸化物の添加効果により硬度が増
しているため、ハードコート層は必ずしも必要ではな
い。
【0147】接着層は該ポリエステルフィルムと導電膜
との接着性を向上させる為に用いるが、該複合体フィル
ムの場合は金属酸化物の添加効果により接着性が良好で
あるため必ずしも必要ではなく、接着層無しでも導電膜
との接着性は良好である。もちろん、必要に応じ、更に
大きな密着性が望ましい場合にはシリコン系材料、アク
リル系材料、アクリル−ウレタン系材料及びこれらにシ
ランカップリング剤、もしくはアルコキシチタンなどを
含有させた公知の材料を用いることができる。
【0148】接着層は、この他、液晶セルに用いるため
多層化した基板の各層間の接着性を向上させる目的もあ
り、その場合にはそれぞれ最適な材料を上記の材料から
適宜選択できる。本発明の複合体フィルムの場合は上記
と同様な理由で必ずしも必要ない。特にガスバリアー膜
中に金属酸化物を含有せしめた場合には、本発明の複合
体フィルム基板とガスバリアー膜との密着性は更に高く
なる。
【0149】このようにして得られた液晶ディスプレー
用フィルム基板は、スペーサーを挟んで2枚が接着さ
れ、液晶を注入する容器として組み立てられる。接着に
用いる熱硬化性、又はエネルギー線硬化樹脂としてはエ
ポキシ系樹脂などが用いられるが、その硬化温度は10
0〜200℃であるので、この工程においても液晶ディ
スプレー用フィルム基板にソリなどの変形を生じる可能
性がある。
【0150】尚、エネルギー線硬化樹脂であっても、エ
ネルギー線だけによる処理では内部の硬化が十分進まな
いため、最終的に加熱して硬化を進めることが多い。従
って、このような基板貼り合わせ及び封止を行う工程に
おいても、耐熱性の高い本発明の複合体フィルムを液晶
ディスプレー用フィルム基板として用いることにより、
変形や着色のない表示品位に優れた液晶ディスプレー用
フィルムを得ることができる。
【0151】本発明で使用されるディスプレー用フィル
ム基板の厚さは使用目的により適宜、選択され、特に制
限されないが、表示品位とその製造工程におけるハンド
リングのしやすさから、5μm〜1.5mm、更に好ま
しくは10〜300μmの厚さのフィルムが好ましく用
いられる。厚みムラはディスプレーの表示品位に影響す
るため好ましくはは±1μm、より好ましくは0.1μ
m以下であることが望ましい。
【0152】液晶ディスプレーの場合、基板による光学
的異方性(レタデーション)は20nm以下であることが
望まれており、本発明の複合体フィルム基板は,He−
Neレーザを光源とし、偏光変調素子を用いた透過型の
エリプソメータにより測定した、膜厚100nmにおけ
るレタデーション(測定波長632.8nm)を20n
m以下に抑えることができるため、色相ムラを抑えるこ
とができる。
【0153】また本発明の複合体を用いたフィルムの高
い機械強度と寸法安定性は、液晶パネルの製造工程にお
ける歩留まりを向上させ、また高弾性率(高剛性)である
ことは液晶ディスプレーのセルギャップの均一性を高
め、ディスプレーの高品位を保証する。本発明の複合体
フィルムは、力学強度として、引張強度が150MPa
以上であり、好ましくは、150MPa〜800MPa
である。また引張弾性率は2.4GPa以上であり、好
ましくは2.4GPa〜5.0GPaである。更に、1
80℃を超える温度で基板の平面性が損なわれない寸法
安定性を有する。
【0154】本発明によるポリアリレートと金属酸化物
との複合体を用いたフィルム、又はシートは透明性、機
械強度、耐擦傷性、耐熱性に優れ、低い熱膨張係数と、
他の素材との接着性を有し、光学材料、特に表示品位に
優れたディスプレー用フィルム基板、即ち、導電膜とフ
ィルム基板との間の熱膨張係数の差に基づく画面精度低
下、及び従来の低剛性のプラスチックフィルムでは劣る
セルギャップの均一性に優れたディスプレー用フィルム
基板、及び該基板を用いたディスプレーに好適に応用す
ることができる。
【0155】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定される
ものではない。なお、特に断りがない限り「部」又は
「%」は「重量部」又は「重量%」を表す。
【0156】(実施例1)撹拌翼、窒素導入口を備えた
重合装置に3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ビフェノール2.41Kg(9.8モル)を、水酸
化ナトリウム1.0Kgを含む30lの脱酸素水に溶解
し水溶液を得た。別に、78gのメチルトリオクチルア
ンモニウムクロライド、イソフタル酸クロリド1.58
Kg(7.8モル)、テレフタル酸クロリド406g
(2.0モル)を5lの脱酸素したトルエンに溶解させ
有機溶液を得た。
【0157】水溶液を窒素気流下で撹拌しながら、有機
溶液を加え、25℃で30分間撹拌を続けた。次いで、
水溶液相を傾斜法にて取り除いた。生成物を含む有機溶
液相を蒸留水で繰り返し洗浄した後に、アセトン浴に注
ぎ沈殿を得た。得られた沈殿を繰り返しアセトンで洗浄
してポリアリレートを得た。その後、真空乾燥機にて、
室温から徐々に加温し最終的に240℃で15分、約2
00Paで真空乾燥して粉体のポリエステル樹脂3.5
Kgを得た。このポリエステル樹脂を30℃のクロロホ
ルム中にて固有粘度を測定したところ0.97dl/g
であリ、重量平均分子量は7×104であった。
【0158】得られたポリアリレートをキャストフィル
ムとして、ガラス転移温度をセイコー電子製の動的粘弾
性測定装置を用いて、サンプル幅5mm、昇温速度1℃
/分、周波数1Hzの条件で測定したところ,tanδ
ピーク温度から見たガラス転移温度は267℃であっ
た。
【0159】このポリアリレート(1g)をTHF(5
7g)とアニソール(9g)とからなる混合溶媒に溶解
して1.5%溶液とし、次いで、これに、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(0.25g)とテトラメトキシシラン(0.77g)
を添加し、最後に、これを攪拌しながら水を0.43g
滴下し均質溶液とした。5時間後これをガラス製バット
にキャストし、窒素気流中で室温から徐々に昇温して、
80℃で1時間乾燥した。乾燥した膜を剥がして固定枠
に止め、真空下(200Pa)、室温から徐々に昇温し
て最終的に240℃で15分間熱処理しフィルム基板を
得た。
【0160】フィルム基板の厚さは60μmであり、膜
厚ムラは±0.1μmであった。JIS K7105に
準拠し、光源としてハロゲンランプを用いたこのフィル
ム基板の平行光線透過率は92%であり、ヘイズ値は
0.3%であった(ともに日本電色工業株式会社製ND
−1001DP型により測定した)。He−Neレーザ
を光源とし、偏光変調素子を用いた透過型のエリプソメ
ータにより測定した、膜厚60nmにおける複屈折率
(レタデーション、測定波長632.8nm)は10n
mであった。
【0161】セイコー電子株式会社製の熱応力歪測定装
置を用いてフィルムの線熱膨張係数を測定すると28p
pm/℃であった。複合化前のポリアリレートの線熱膨
張係数は66ppm/℃であったから、複合体の線熱膨
張係数を複合前のポリアリレートの値で割った値は0.
42となり、膨張係数は低くなって改善された。また複
合化によりフィルム基板の表面硬度は鉛筆硬度3Hであ
ったが、これは複合化前のポリアリレートの値Hより著
しく向上している。このフィルム基板の複合化後の引張
強度は170MPa、引っ張り弾性率は2.7GPaで
あり、複合化前は引張強度は120MPa、引っ張り弾
性率は2.0GPaであったから、複合化によりフィル
ムの剛性も向上した。
【0162】(実施例2)実施例1に記載のフィルム基
板上に導電膜としてインジウム−スズ酸化物薄膜層を常
法に従いフォトマスクとスパッタリングにより形成し
た。スパッタリング条件は次の通りである。インジウム
−スズ酸化物をターゲットとして用い、アルゴンと酸素
の混合気体を、雰囲気圧力が0.25Paとなるように
流した。ターゲットには260Vの電圧をかけ、基板を
試料台上に固定し、基板温度を200℃にして、膜厚が
100nmになるまでスパッタリング処理を行った。そ
の結果、得られた導電膜の表面抵抗率は20Ωであっ
た。この工程でのフィルム基板の変形、着色は全く見ら
れなかった。
【0163】上記のフィルム基板に配向膜材料をスピン
コートし、85℃で30秒予備乾燥した後180℃で9
0分間乾燥して硬化させた。その後、ラビング処理を施
したが、この工程においてもフィルム基板の変形、着色
は全く見られなかった。
【0164】一方、ポバール樹脂CM318(クラレ株
式会社)3.1gを水に溶解した後、この溶液にテトラ
メトキシシランを1.4g、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリメトキシシランを0.07g
各々混合し、室温で3時間攪拌して加水分解、重縮合反
応を進行させた。この溶液を上記の配向膜まで形成した
基板の導電膜と反対側の基板表面に塗布し、60℃で1
0分、90℃で15分間乾燥して厚さ20μmの膜を形
成し、ガスバリアー膜とした。ハードコート層と接着層
は省略することができた。
【0165】更に、該基板上に熱硬化性エポキシ系シー
ル材をスクリーン印刷により、所定のパターンで印刷し
た。その後、スペーサーとしてプラスチックビーズを均
一に散布し、2枚の上下基板を合わせて、200℃、圧
力1kgf/cm2にて1.5時間、ホットプレスを行い
両者を貼り合わせ、液晶セルを作成した。この工程にお
いてもフィルム基板の変形、着色は全く見られなかっ
た。
【0166】液晶セルのシール材開口部から液晶材料と
してDLC−42111(大日本インキ化学工業株式会
社)を液晶注入装置にて注入した。セル内に液晶を充填
した後、UV硬化型エポキシ樹脂にて開口部を封止し
た。液晶が充填された液晶セルに所定の角度を持った偏
光板を貼り付け、液晶ディスプレーを形成した。
【0167】上記方法により得られた液晶ディスプレー
(STN型)はセルギャップが均一であり、導電膜と基
板との熱膨張係数の差が少ないため、色調が均一である
と共に鮮明なドット表示が可能であることを確認した。
【0168】(実施例3)撹拌翼、窒素導入口、環流冷
却管を備えた重合装置にイソフタル酸クロリド103.
5g(0.51モル)、テレフタル酸クロリド103.
5g(0.51モル)3,3’,5,5’−テトラメチ
ル−4,4’−ビフェノール121.2g(0.5モ
ル)、1,1’―ビナフタレン−2,2’―ジオール1
43.2g(0.50モル)、ピリジン316.4g、ク
ロロホルム4Lを仕込み、20℃窒素雰囲気下で8時間
攪拌し重合させた。
【0169】反応液を35Lのメタノール中にゆっくり
と添加して沈殿させた。得られた沈殿物を濾別し、アセ
トン洗浄、更にメタノール洗浄を行い精製した。得られ
たポリマーを120℃、真空下で12時間乾燥した。ポ
リマーの固有粘度は0.70dL/gであった。得られ
たポリアリレートをキャストフィルムとして、ガラス転
移温度をセイコー電子製の動的粘弾性測定装置を用い
て、サンプル幅5mm、昇温速度1℃/分、周波数1H
zの条件で測定したところ、tanδピーク温度から見
たガラス転移温度は255℃であった。
【0170】このポリアリレート(1g)をTHF(6
6g)に溶解して1.5%溶液とし、次いで、これに、
2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン(0.25
g)とテトラメトキシシラン(0.77g)を添加し、
最後に、これを攪拌しながら水を0.43g滴下し均質
溶液とした。5時間後これをガラス製バットにキャスト
し、窒素気流中で室温から徐々に昇温して、80℃で1
時間乾燥した。乾燥した膜を剥がして固定枠に止め、真
空下(200Pa)、室温から徐々に昇温して最終的に
240℃で15分間熱処理しフィルム基板を得た。
【0171】フィルム基板の厚さは60μmであり、膜
厚ムラは±0.2μmであった。JIS K7105に
準拠し、光源としてハロゲンランプを用いたこのフィル
ム基板の平行光線透過率は90%であり、ヘイズ値は
0.6%であった(ともに日本電色工業株式会社製ND
−1001DP型で測定した)。He−Neレーザを光
源とし、偏光変調素子を用いた透過型のエリプソメータ
により測定した、膜厚60nmにおける複屈折率(レタ
デーション、測定波長632.8nm)は12nmであ
った。
【0172】セイコー電子株式会社製の熱応力歪測定装
置を用いてフィルムの線熱膨張係数を測定すると27p
pm/℃であった。複合化前のポリアリレートの線熱膨
張係数は61ppm/℃であったから、複合体の線熱膨
張係数を複合前のポリアリレートの値で割った値は0.
44となり、膨張係数は低くなって改善された。また複
合化によりフィルム基板の表面硬度は鉛筆硬度3Hであ
ったが、これは複合化前のポリアリレートの値2Hより
向上している。このフィルム基板の複合化後の引張強度
は160MPa、引っ張り弾性率は2.4GPaであ
り、複合化前は引張強度は100MPa、引っ張り弾性
率は1.9GPaであったから、複合化によりフィルム
の剛性も向上した。
【0173】(実施例4)撹拌翼、窒素導入口を備えた
重合装置内で3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ビフェノール117g(0.49モル)と9,9
−ビス(5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン185g(0.49モル)、水酸化ナトリウム100
gを3lの脱酸素水に溶解し水溶液を得た。別に、7.
8gのメチルトリオクチルアンモニウムクロライド、イ
ソフタル酸クロリド158g(0.78モル)、テレフ
タル酸クロリド40.6g(0.2モル)を0.7lの
脱酸素した塩化メチレンに溶解し有機溶液を得た。水溶
液を窒素気流下で撹拌しながら、有機溶液を加え、25
℃で2時間撹拌を続けた。次いで、水溶液相を傾斜法に
て取り除いた。生成物を含む有機溶液相を蒸留水で繰り
返し洗浄した後に、反応液を3.5Lのメタノール中に
ゆっくりと添加して沈殿させた。得られた沈殿物を濾別
し、アセトン洗浄、更にメタノール洗浄を行い精製し
た。得られたポリマーを120℃、真空下で12時間乾
燥した。ポリマーの固有粘度は1.02dL/gであっ
た。
【0174】得られたポリアリレートをキャストフィル
ムとして、ガラス転移温度をセイコー電子製の動的粘弾
性測定装置を用いて、サンプル幅5mm、昇温速度1℃
/分、周波数1Hzの条件で測定したところ,tanδ
ピーク温度から見たガラス転移温度は272℃であっ
た。
【0175】このポリアリレート(1g)をTHF(6
6g)に溶解して1.5%溶液とし、次いで、これに、
(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシ
シラン、(0.19g)とテトラメトキシシラン(0.
77g)を添加し、最後に、これを攪拌しながら水を
0.43g滴下し均質溶液とした。5時間後これをガラ
ス製バットにキャストし、窒素気流中で室温から徐々に
昇温して、80℃で1時間乾燥した。乾燥した膜を剥が
して固定枠に止め、真空下(200Pa)、室温から徐
々に昇温して最終的に240℃で15分間熱処理し本発
明のフィルム基板を得た。
【0176】該フィルム基板の厚さは60μmであり、
膜厚ムラは±0.8μmであった。JIS K7105
に準拠し、光源としてハロゲンランプを用いたこのフィ
ルム基板の平行光線透過率は88%であり、ヘイズ値は
0.8%であった(ともに日本電色工業株式会社製ND
−1001DP型で測定した)。He−Neレーザを光
源とし、偏光変調素子を用いた透過型のエリプソメータ
により測定した、膜厚60nmにおける複屈折率(レタ
デーション、測定波長632.8nm)は11nmであ
った。
【0177】セイコー電子製の熱応力歪測定装置を用い
てフィルムの線熱膨張係数を測定すると26ppm/℃
であった。複合化前のポリアリレートの線熱膨張係数は
59ppm/℃であったから、複合体の線熱膨張係数を
複合前のポリアリレートの値で割った値は0.44とな
り、膨張係数は低くなって改善された。また複合化によ
りフィルム基板の表面硬度は鉛筆硬度3Hであったがこ
れは複合化前のポリアリレートの値2Hより1段階向上
した。このフィルム基板の複合化後の引張強度は150
MPa、引っ張り弾性率は2.8GPaであり、複合化
前は引張強度は100MPa、引っ張り弾性率は2.1
GPaであったから、複合化によりフィルムの剛性が向
上した。
【0178】(比較例1)市販のポリアリレートである
U−100(ユニチカ株式会社製)をジクロロメタンと
アニソールからなる混合溶媒に溶解して6%溶液とし、
ワーナマチス型のコーターを用いてポリエステルフィル
ム上にキャストした。これをその後、乾燥炉に移し、4
5℃次いで90℃で乾燥した。更に、得られたフィルム
を円形の枠に固定し150℃に保たれた高温槽中で熱固
定した。得られたフィルム基板のガラス転移温度をセイ
コー電子製のDSC(示差走査型熱量計)で測定したと
ころ,193℃であった。
【0179】このフィルムについて実施例1と同様な工
程で液晶セルの作成を試みたが、導電膜の形成工程にお
いて、インジウム−スズ酸化物薄膜層をスパッタリング
により形成する際、フィルムの耐熱性の問題から基板温
度を150℃までしか上げることができず、得られた導
電膜の表面抵抗率は60Ωと高い値を示した。次いで、
このフィルムに配向膜材料をスピンコートし、170℃
で90分間加熱したところ、フィルムが反り返り、液晶
ディスプレー用フィルム基板として使用することが不可
能となった。
【0180】
【発明の効果】本発明は、優れた透明性、表面硬度、機
械強度、耐熱性、低熱膨張率、及び電極材料などの他の
素材との接着性を有する、ポリアリレートと金属酸化物
との複合体、及びその製造方法、該複合体からなるフィ
ルム又はシート、及びそれを用いた光学材料、特にディ
スプレー用フィルム基板、及び該基板を用いたディスプ
レーを提供することができる。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリレート中に溶解もしくは分子オ
    ーダーで分散させた金属アルコキシドを加水分解、重縮
    合することにより生成した0.1μm以下の微細に分散
    した金属酸化物をポリアリレート中に含む、ポリアリレ
    ートと金属酸化物との複合体。
  2. 【請求項2】 金属酸化物の金属が、シリカ、チタニ
    ア、ジルコニアからなる群より選択された1つである、
    請求項1又は2に記載のポリアリレートと金属酸化物と
    の複合体。
  3. 【請求項3】 ポリアリレートが、主鎖中にアルキレン
    鎖を含まない非晶性全芳香族ポリエステルである、請求
    項1又は2に記載のポリアリレートと金属酸化物との複
    合体。
  4. 【請求項4】 ポリアリレートが、200℃〜500℃
    のガラス転移温度を有するポリアリレートである、請求
    項1〜3のいずれか1つに記載のポリアリレートと金属
    酸化物との複合体。
  5. 【請求項5】 ポリアリレートが、一般式(1)の構造を
    有するポリエステルである、請求項1〜3のいずれか1
    つに記載のポリアリレートと金属酸化物との複合体。 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を
    表す)
  6. 【請求項6】 ハロゲンランプを光源として用いた平行
    光線が50%以上である透明性を有する請求項1〜6の
    いずれか1つに記載のポリアリレートと金属酸化物との
    複合体。
  7. 【請求項7】 複合体の線熱膨張係数が、該複合体を構
    成するポリアリレート単体の線熱膨張係数より小さいこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のポ
    リアリレートと金属酸化物との複合体。
  8. 【請求項8】 複合体の表面硬度が、該複合体を構成す
    るポリアリレート単体の表面硬度より大きいことを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のポリアリレ
    ートと金属酸化物との複合体。
  9. 【請求項9】 ポリアリレート中に溶解もしくは予め分
    子オーダーで分散させた金属酸化物前駆体を、該ポリア
    リレート中で加水分解、重縮合させる、0.1μm以下
    の微細に分散した金属酸化物をポリアリレート中に含
    む、ポリアリレートと金属酸化物との複合体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 金属酸化物の金属が、シリカ、チタニ
    ア、ジルコニアからなる群より選択された1つである、
    請求項10に記載のポリアリレートと金属酸化物との複
    合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 (A) ポリアリレートの溶液と、 (B) Si(OR)4 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はアルキ
    ル基、又はフェニル基もしくはベンジル基などの芳香族
    基で置換されているアルキル基を表す)と (C) SiR’4-a(OR)a (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はアルキ
    ル基、又はフェニル基もしくはベンジル基などの芳香族
    基で置換されているアルキル基を表し、R’は炭素数1
    〜10のアルキル基、又はアミノ基、ピリジル基、イミ
    ダゾリル基、グリシジル基、水酸基、ビニル基、メルカ
    プト基で置換されていても良い、炭素数1〜10のアル
    キル基、aは1〜3の整数、Rは炭素数1〜10のアル
    キル基を表す)とからなる溶液とを混合し、ポリアリレ
    ート中で(in situで)加水分解、重縮合させ
    る、請求項11に記載のポリアリレートと金属酸化物と
    の複合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 (C) SiR’4-a(OR)aがアミ
    ノ基を有するアルコキシシランである請求項12に記載
    の複合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 ポリアリレートとして、主鎖中にアル
    キレン鎖を含まない非晶性全芳香族ポリエステルを用い
    る、請求項10〜13のいずれか1つに記載のポリアリ
    レートと金属酸化物との複合体の製造方法。
  14. 【請求項14】 ポリアリレートとして、200℃以上
    のガラス転移温度を有するポリアリレートを用いる、請
    求項10〜13のいずれか1つに記載のポリアリレート
    と金属酸化物との複合体の製造方法。
  15. 【請求項15】 ポリアリレートとして、一般式(1)の
    構造を有するポリエステルを用いる、請求項10〜13
    のいずれか1つに記載のポリアリレートと金属酸化物と
    の複合体の製造方法。 一般式(1) 【化2】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を
    表す)
  16. 【請求項16】 得られる複合体の線熱膨張係数が、該
    複合体を構成するポリアリレート単体の線熱膨張係数よ
    り小さいこと、及び/又は、得られる複合体の表面硬度
    が、該複合体を構成するポリアリレート単体の表面硬度
    より大きいことを特徴とする請求項10〜16のいずれ
    か1つに記載のポリアリレートと金属酸化物との複合体
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項10〜16のいずれか1つに記
    載の製造方法で得られた、ポリアリレートと金属酸化物
    との複合体を、180℃以上の温度からポリアリレート
    のガラス転移温度までの間の温度で熱処理することを特
    徴とするポリアリレートと金属酸化物との複合体の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜9のいずれか1つに記載
    の、ポリアリレートと金属酸化物との複合体からなるフ
    ィルム又はシート。
  19. 【請求項19】 請求項10〜16のいずれか1つに記
    載の製造方法により得られる、ポリアリレートと金属酸
    化物との複合体からなるフィルム又はシート。
  20. 【請求項20】 請求項19又は20に記載のポリアリ
    レートと金属酸化物との複合体からなるフィルム又はシ
    ートを用いた光学材料。
  21. 【請求項21】 光学材料がディスプレー用フィルム基
    板である、請求項21に記載のポリアリレートと金属酸
    化物との複合体からなるフィルム又はシートを用いた光
    学材料。
  22. 【請求項22】 導電膜の形成、配向膜の形成、又は液
    晶セルの封止を180℃〜400℃で行うことを特徴と
    する、請求項22に記載の、ポリアリレートと金属酸化
    物との複合体からなるフィルム又はシートを用いたディ
    スプレー用フィルム基板の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載のディスプレー用フ
    ィルム基板を用いたディスプレー。
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