JP2007254663A - 樹脂、並びに、これを用いた光学材料、フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、透明性、耐熱性、力学物性に優れ、有機溶剤に可溶な樹脂、およびそれを用いた光学部品、フィルムを提供することを目的とする。またこのフィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
式(A):A+B>40
前記一般式(1)中、R11〜R18で表される好ましい置換基としては、アルキル基(炭素数1〜10が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基など)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、アリール基(炭素数6〜20が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基など)、アルコキシ基(炭素数1〜10が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基など)、アシル基(炭素数2〜10が好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基など)、アシルアミノ基(炭素数1〜10が好ましく、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基など)、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。より好ましくはアルキル基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基であり、特に好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子である。
また、一般式(2)中の好ましい置換基としては、アルキル基(炭素数1〜10が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基など)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、アリール基(炭素数6〜20が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基など)、アルコキシ基(炭素数1〜10が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基など)、アシル基(炭素数2〜10が好ましく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基など)、アシルアミノ基(炭素数1〜10が好ましく、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基など)、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。より好ましくはアルキル基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基であり、特に好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子である。
また、m、nはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、mとしては0〜2の整数が好ましく、nとしては0〜2の整数が好ましい。
また、一般式(3)中、Xは2価の連結基を表す。前記Xの例としては、アルキリデン基、パーフルオロアルキリデン基、酸素原子、硫黄原子、ケトン基、スルホニル基、−NR’−(R’は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基)、−CO−NH−が挙げられ、好ましくはアルキリデン基、酸素原子、硫黄原子、ケトン基、アミノ基、スルホニル基であり、特に好ましくは、イソプロピリデン、酸素原子である。ただし、Xは環構造の一部ではない。
m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、mとしては0〜2の整数が好ましく、nとしては0〜2の整数が好ましい。
一般式(3)中、2つの酸素原子連結基の結合位置はベンゼン環のどこでもよい、4位と4’位が好ましい。
置換基を有するビフェノール誘導体の一般的合成法として、Macromolecules誌、1996, 29, 3727-3735頁、繊維化学雑誌、第84巻、第2号(1963)143-145頁に記載の方法を挙げることができる。
ナフタレンジカルボン酸誘導体は、ジアルキルナフタレンに置換基を導入し、アルキル基を酸化することで合成することができる。ジアルキルナフタレンに置換基を導入する一般的方法としては、Journal of Organic Chemistry誌、2003年、68(22)、8373-8378頁;Hetreroatom Chemistry誌, 2001年、12(4)、287-292頁;Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1 : Organic and Bio-Organic Chemistry、1981年、(3)746-750頁;Journal of the Chemical Society [Section] D:Chemical Communications,(24)、1487頁、1969年に記載の方法を挙げることができる。
ナフタレンに置換したアルキル基を酸化する一般的方法としては、Journal of organic Chemistry, 50(22), 4211-4218頁、1985年に記載の方法を挙げることができる。
上記モノマーを用いたポリアリレートの一般的合成法として、新高分子実験学3 高分子の合成・反応(2)、共立出版(87項〜95項)に記載の方法を挙げることができる。
また、本発明の樹脂中の一般式(1)の含有量をAmol%、一般式(3)の含有量をBmol%としたとき、前記一般式(1)の含有量(Amol%)と、前記一般式(3)の含有量(Bmol%)とが、下記式(A)を満たすこと好ましい。
式(A):A+B>40
A+Bの下限値は42以上であることがより好ましく、45以上であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂はフィルムとして用いることができる。本発明のフィルムを製造する方法としては、溶液流延法、押出成形法(溶融成型法)を用いることが好ましい。
溶液流延法における流延および乾燥方法については、米国特許第2336310号明細書、米国特許第2367603号明細書、米国特許第2492078号明細書、米国特許第2492977号明細書、米国特許第2492978号明細書、米国特許第2607704号明細書、米国特許第2739069号明細書、米国特許第2739070号明細書、英国特許第640731号明細書、英国特許第736892号明細書、特公昭45−4554号公報、特公昭49−5614号公報、特開昭60−176834号公報、特開昭60−203430号公報、特開昭62−115035号公報に記載がある。
本発明のフィルム表面には、用途に応じて他の層を形成してもよい。また他の部品との密着性を高める目的で、フィルム表面上にケン化、コロナ処理、火炎処理、グロー放電処理等の処理を行ってもよい。さらに、フィルム表面にアンカー層を設けてもよい。
本発明のフィルムは、ガス透過性を抑制するために、少なくとも片面にガスバリア層を積層することもできる。好ましいガスバリア層としては、例えば、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、イットリウムおよびタンタルからなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物、珪素、アルミニウム、ホウ素の金属窒化物またはこれらの混合物で形成された膜を挙げることができる。この中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0の珪素酸化物を主成分とする金属酸化物で形成された膜が良好である。これら無機化合物からなるガスバリア層は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、Cat−CVD法等の気相中より材料を堆積させて膜形成する気相堆積法により作製できる。中でも、特に優れたガスバリア性が得られるスパッタリング法およびCat−CVD法が好ましい。またガスバリア層を設けている間に50〜250℃に昇温してもよい。
本発明のフィルムの少なくとも片面側には、透明導電層を積層してもよい。透明導電層としては、公知の金属膜、金属酸化物膜等を適用できる。中でも、透明性、導電性、機械的特性に優れた金属酸化物膜を透明導電層とすることが好ましい。金属酸化物膜は、例えば、不純物としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タングステン、フッ素、亜鉛、ゲルマニウム等を添加した酸化インジウム、酸化カドミウムまたは酸化スズの金属酸化物膜;不純物としてアルミニウムを添加した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物膜が挙げられる。中でも酸化スズから主としてなり、酸化亜鉛を2〜15質量%含有した酸化インジウムの薄膜が、透明性、導電性が優れており、好ましく用いられる。
以上説明した本発明のフィルムは、画像表示装置に用いることができる。ここで、画像表示装置の種類は特に限定されず、従来知られているものを挙げることができる。また、本発明のフィルムを基板として用いて表示品質に優れたフラットパネルディスプレイを作製することができる。前記フラットパネルディスプレイとしては液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、無機エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管、発光ダイオード、電界放出型などが挙げられ、これら以外にも従来ガラス基板が用いられてきたディスプレイ方式のガラス基板に代わる基板として用いることができる。さらに、本発明のフィルムは、フラットパネルディスプレイ以外にも太陽電池、タッチパネルなどの用途にも応用が可能である。タッチパネルは、例えば、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のものに応用することができる。
−例示化合物P−2の合成−
攪拌装置を備えた300mlの三つ口フラスコに、2,2’−ビスメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル4.29g、ハイドロサルファイトナトリウム60mg、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド278mg、塩化メチレン65ml、および蒸留水75mlを添加し、窒素気流下攪拌し溶解した。該溶液中に、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド2.54g、イソフタル酸クロライド2.03gを塩化メチレン30mlに溶解した溶液を添加した。さらに2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液21mlおよび水9mlの混合液を20〜23℃で1時間掛けて滴下した。滴下終了後3時間攪拌した後、反応液を1リットルの三つ口フラスコに移し、酢酸350μlおよび酢酸エチル300mlをゆっくり添加した。得られたポリマー粉体を濾取したのち、酢酸エチル300ml、水300ml、メタノール300mlで順次洗浄し乾燥することにより上述の例示化合物P−2を8.13g得た。
GPC(THF溶媒;ポリスチレン換算(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)による測定の結果、重量平均分子量は150000であった。また得られたポリマーを塩化メチレンに溶解し、ガラス板上に流延後、乾燥して得られた厚さ100μmのフィルムについてTMA8310(理学電気株式会社製、Thermo Plusシリーズ)を用いてガラス転移温度を測定したところ270℃であった。
攪拌装置を備えた300mlの三つ口フラスコに2,2’−ジメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル2.57g、2,2’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル2.58g、ハイドロサルファイトナトリウム60mg、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド278mg、塩化メチレン65ml、および蒸留水75mlを添加し、窒素気流下攪拌し溶解した。該溶液中に、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド2.54g、テレフタル酸クロライド2.03gを塩化メチレン30mlに溶解した溶液を添加した。さらに2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液21mlおよび水9mlの混合液を20〜23℃で1時間掛けて滴下した。滴下終了後3時間攪拌した後、反応液を1リットルの三つ口フラスコに移し、酢酸350μlおよび酢酸エチル300mlをゆっくり添加した。得られたポリマー粉体を濾取したのち、酢酸エチル300ml、水300ml、メタノール300mlで順次洗浄し乾燥することにより例示化合物P−7を8.2g得た。
GPC(THF溶媒;ポリスチレン換算(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)による測定の結果、重量平均分子量は160000であった。また得られたポリマーを塩化メチレンに溶解し、ガラス板上に流延後、乾燥して得られた厚さ100μmのフィルムについてTMA8310(理学電気株式会社製、Thermo Plusシリーズ)を用いてガラス転移温度を測定したところ280℃であった。
攪拌装置を備えた300mlの三つ口フラスコに2,2’−ビスメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル2.57g、ビスフェノールA 4.11g、ハイドロサルファイトナトリウム60mg、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド278mg、塩化メチレン65ml、および蒸留水75mlを添加し、窒素気流下攪拌し溶解した。該溶液中に、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド1.52g、テレフタル酸クロライド3.65gを塩化メチレン30mlに溶解した溶液を添加した。さらに2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液21mlおよび水9mlの混合液を20〜23℃で1時間掛けて滴下した。滴下終了後3時間攪拌した後、反応液を1リットルの三つ口フラスコに移し、酢酸350μlおよび酢酸エチル300mlをゆっくり添加した。得られたポリマー粉体を濾取したのち、酢酸エチル300ml、水300ml、メタノール300mlで順次洗浄し乾燥することにより例示化合物P−8を8.5g得た。
GPC(THF溶媒;ポリスチレン換算(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)による測定の結果、重量平均分子量は200000であった。また得られたポリマーを塩化メチレンに溶解し、ガラス板上に流延後、乾燥して得られた厚さ100μmのフィルムについてTMA8310(理学電気株式会社製、Thermo Plusシリーズ)を用いてガラス転移温度を測定したところ265℃であった。
比較例化合物として、下記の構造を持つポリマーを特開2004−13068号公報の段落番号0067〜0074に記載の方法にて合成した。
GPC(THF溶媒;ポリスチレン換算(東ソー(株)製、HLC−8120GPC)による測定の結果、重量平均分子量は100000であった。また得られたポリマーを塩化メチレンに溶解し、ガラス板上に流延後、乾燥して得られた厚さ100μmのフィルムについてTMA8310(理学電気株式会社製、Thermo Plusシリーズ)を用いてガラス転移温度を測定したところ190℃であった。
比較例化合物として、下記の構造を持つポリマーを モノマーとして4,4’−ビフェノールを用いた以外は合成例1と同様の操作にて合成した。しかしながら、重合反応中、ポリマーが析出してきた。析出してきたポリマーは塩化メチレンおよびTHFには溶解性を示さなかった。
(フィルムの作製、延伸および熱処理)
例示化合物P−2を塩化メチレンに5質量%で溶解させドープを調製した。ガラス板上にドクターブレードにて流延し、40℃にて乾燥させた。ガラス板より剥離し、真空、150℃、5時間乾燥させることで塩化メチレンを完全に除去し、フィルムを作製した。
フィルムを20mm×70mmの大きさに切り出してテンシロンにより自由端一軸延伸した。チャック間50mm、延伸温度250℃、延伸速度50mm/min、延伸距離15mm(延伸倍率1.3倍)とした。延伸後、室温に冷却した後、金枠で延伸方向の両端を固定し、200℃で2時間熱処理を行い、FU−1を作製した。TMAにて線熱膨張係数の測定を行った。
また、フィルムを120mm×120mmの大きさに切り出して、同時二軸延伸機により延伸した。第1段目の延伸条件はチャック間距離100mm(縦、横ともに)、樹脂温度250℃、延伸速度100mm/分(縦、横共に)、延伸距離30mm(縦、横共に)とした。延伸後、二軸延伸機に保持したまま、260℃に加熱し、応力がほぼ一定値になるまで熱処理した。第2段目の延伸条件は、樹脂温度260℃、延伸速度100mm/分(縦、横共に)、延伸距離10mm(縦、横共に)とした。延伸後、フィルム温度を100℃以下に冷却し、二軸延伸機から取り出した。延伸したフィルムを内側120mm角の金枠にセットし、250℃の窒素雰囲気下にて24時間熱処理を行い、延伸フィルムFB−1を作製した。
例示化合物P−7を用いて実施例1と同様の操作にて一軸延伸フィルムFU−2、二軸延伸フィルムFB−2を作製した。ただし、テンシロンの延伸温度を260℃、二軸延伸の一段目の延伸温度を260℃、延伸後後の熱処理温度および2段目の延伸時の樹脂温度を270℃とした。二軸延伸後の熱処理温度を250℃とした。
例示化合物P−8を用いて実施例1と同様の操作にて一軸延伸フィルムFU−3、二軸延伸フィルムFB−3を作製した。ただし、テンシロンの延伸温度を250℃、二軸延伸の一段目の延伸温度を250℃、延伸後後の熱処理温度および2段目の延伸時の樹脂温度を260℃とした。二軸延伸後の熱処理温度を250℃とした。
実施例1と同様の操作にて比較例化合物H−1の一軸延伸フィルムHU−1および二軸延伸フィルムHB−1を作製した。但し、テンシロンの延伸温度を170℃、二軸延伸の一段目の延伸温度を170℃、延伸後後の熱処理温度および2段目の延伸時の樹脂温度を180℃とした。二軸延伸後の熱処理温度を160℃とした。
実施例1と同様の操作にて比較例化合物H−2の一軸延伸フィルムHU−2および二軸延伸フィルムHB−2を作製しようと試みたが、比較例化合物H−2が溶剤に溶けずフィルムを作製することができなかった。
東ソー(株)製の「HLC−8120GPC」を用いて、テトラヒドロフランを溶媒とするポリスチレン換算GPC測定によりポリスチレンの分子量標準品と比較して重量平均分子量を求めた。
示差走査熱量計(DSC6200、セイコー(株)製)を用いて、窒素中、昇温温度10℃/分の条件で各フィルム試料のTgを測定した。
アンリツ(株)製の「K402B」を用いて、ダイヤル式厚さゲージによりフィルム基板の厚さを測定した。
フィルムサンプル(19mm×5mm)を作製し、TMA(理学電機(株)製、TMA8310)を用いて測定した。測定速度は、3℃/minとした。測定は3サンプルを行い、その平均値を用いた。測定は25℃から300℃の温度範囲で行い、線熱膨張係数は昇温時の25℃〜200℃の範囲で計算した。但し、ガラス転移が200℃以下の比較例サンプルについては、25℃〜150℃の温度範囲で算出した。
波長400nmにおける光線透過率を分光光度計(島津製作所(株)製、分光光度計UV−3100PC)を用いてフィルム基板の光線透過率を測定した後、膜厚100μmの値に換算した。
フィルムサンプル(1.0cm×5.0cm片)を作製し、引張速度3mm/分の条件下、テンシロン(東洋ボールドウィン(株)製、テンシロン RTM−25)を用いて引張弾性率を測定した。測定は3サンプル行い、その平均値を求めることにより評価した(サンプルは25℃、相対湿度60%で一晩放置後使用。チャック間距離3cm)。
1.ガスバリア層の形成
前記のフィルムFB−1〜FB−3およびHB−1の両面にDCマグネトロンスパッタリング法により、Si02をターゲットとし500Paの真空下で、Ar雰囲気下、出力5kWでスパッタリングし、ガスバリア層付きフィルムFG−1〜FG−3、HG−1をそれぞれ得た。得られたガスバリア層の膜厚は60nmであった。40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度は0.1g/m2・day以下であった。
ガスバリア層を設置した前記フィルムFG−1〜FG−3およびHG−1を100℃に加熱しながら、ITO(In2O395質量%、Sn025質量%)をターゲットとしDCマグネトロンスパッタリング法により、0.665Paの真空下で、Ar雰囲気下、出力5kWで140nmの厚みのITO膜からなる透明導電層を片面に設け、FT−1〜FT−3およびHT−1をそれぞれ得た。FT−1〜FT−3、HT−1の40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度はいずれも0.1g/m2・day以下であり、40℃、相対湿度90%における酸素透過度はいずれも0.1ml/m2・day・atm以下であった。また25℃、相対湿度60%におけるITOの表面電気抵抗はいずれも30Ω/□であった。
前記で作製したガスバリアフィルムFG−1〜FG−3、HG−1と透明導電層付フィルムFT−1〜FT−3、HT−1の加熱処理前後でのガスバリア性と表面電気抵抗の変化を測定した。
加熱処理条件は、窒素下、室温から160℃に昇温後、2時間160℃で保持したのち、室温に冷却した。それぞれの物性変化を表2に示す。
<有機EL素子の作製および評価>
本発明のフィルムFT−1〜FT−3と比較例フィルムHT−1とをそれぞれ用いて、有機EL素子試料を作製した。
前記で透明導電層を形成したフィルムFT−1〜FT−3、HT−1の透明電極層より、アルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を形成した。透明電極の表面に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸の水性分散液(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3質量%)をスピンコートした後、150℃で2時間真空乾燥し、厚さ100nmのホール輸送性有機薄膜層を形成した。これを基板Xとした。
一方、厚さ188μmのポリエーテルスルホン(住友ベークライト(株)製スミライトFS−1300)からなる仮支持体の片面上に、下記組成を有する発光性有機薄膜層用塗布液を、スピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥することにより、厚さ13nmの発光性有機薄膜層を仮支持体上に形成した。これを転写材料Yとした。
・ポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ社製):40質量部
・トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(オルトメタル化錯体):1質量部
・ジクロロエタン:3200質量部
・ポリビニルブチラール2000L(Mw=2000、電気化学工業社製):10質量部
・1−ブタノール:3500質量部
・下記構造を有する電子輸送性化合物:20質量部
本発明のフィルムFT−1〜FT−3の線熱膨張係数は小さく、試料作製過程での加熱により、無機層にクラックが入らなかったが、比較フィルムHT−1は線熱膨張係数は大きいため加熱による無機層にクラックが入ったためである。
Claims (19)
- 樹脂中の前記一般式(1)の含有量(Amol%)と、前記一般式(3)の含有量(Bmol%)とが、下記式(A)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の樹脂。
式(A):A+B>40 - 前記一般式(3)における、Xがアルキリデン基、酸素原子、硫黄原子、ケトン基、アミノ基、スルホニル基からなる群より選ばれる基であることを特徴とする請求項2または3に記載の樹脂。
- 100μm膜換算の膜厚における400nmの波長の光線透過率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂。
- ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂。
- 熱機械分析で測定した長さの変化が、ガラス転移温度(Tg)以上の温度において極大点を示すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂。
- 延伸倍率1.3倍に一軸延伸した後の延伸方向の線熱膨張係数が負であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂。
- テトラヒドロフランに1.0質量%以上の濃度で可溶であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に樹脂。
- 塩化メチレンに1.0質量%以上の濃度で可溶であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に樹脂。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂で作製したことを特徴とする光学材料。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂で作製したことを特徴とするフィルム。
- フィルム面内での線熱膨張係数の最小値が40ppm/℃以下であることを特徴とする請求項12に記載のフィルム。
- フィルムのガラス転移温度以上で熱処理した後のフィルム面内での線熱膨張係数の最小値が40ppm/℃以下であることを特徴とする請求項12に記載のフィルム。
- フィルム面内での線熱膨張係数が40ppm/℃以下であることを特徴とする請求項12に記載のフィルム。
- フィルムのガラス転移温度以上で熱処理した後のフィルム面内での線熱膨張係数が40ppm/℃以下であることを特徴とする請求項12に記載のフィルム。
- ガスバリア層を設けたことを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載のフィルム。
- 透明導電層を設けたことを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項に記載のフィルム。
- 請求項12〜18のいずれか1項に記載のフィルムを用いて作製したことを特徴とする画像表示装置。
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