JPH05331267A - 全芳香族ポリエステル - Google Patents
全芳香族ポリエステルInfo
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- JPH05331267A JPH05331267A JP14459492A JP14459492A JPH05331267A JP H05331267 A JPH05331267 A JP H05331267A JP 14459492 A JP14459492 A JP 14459492A JP 14459492 A JP14459492 A JP 14459492A JP H05331267 A JPH05331267 A JP H05331267A
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- Japan
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- acid
- structural unit
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- polyester
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 成形加工性と耐熱性のバランスに優れた新規
の全芳香族ポリエステルを提供する。 【構成】 下記構造単位〔I〕、〔II〕及び〔II
I〕より構成され(但し、各構造単位は、互いにエステ
ル結合で連結されている)、構造単位(〔I〕+〔I
I〕)と構造単位〔III〕は実質的に当量であり、構
造単位〔I〕のモル数と構造単位〔II〕のモル数との
比〔I〕/〔II〕=5/95〜100/0であり、溶
融温度が200℃以上である全芳香族ポリエステル、及
び、〔I〕/〔II〕=5/95〜45/55である液
晶性全芳香族ポリエステル。 【化1】 (式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立に炭素数6〜18
の芳香族炭化水素基である)
の全芳香族ポリエステルを提供する。 【構成】 下記構造単位〔I〕、〔II〕及び〔II
I〕より構成され(但し、各構造単位は、互いにエステ
ル結合で連結されている)、構造単位(〔I〕+〔I
I〕)と構造単位〔III〕は実質的に当量であり、構
造単位〔I〕のモル数と構造単位〔II〕のモル数との
比〔I〕/〔II〕=5/95〜100/0であり、溶
融温度が200℃以上である全芳香族ポリエステル、及
び、〔I〕/〔II〕=5/95〜45/55である液
晶性全芳香族ポリエステル。 【化1】 (式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立に炭素数6〜18
の芳香族炭化水素基である)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な全芳香族ポリエ
ステル、及び、液晶性全芳香族ポリエステルに関するも
のである。本発明のポリエステルは、耐熱性に優れ、か
つ、溶融時に光学的異方性を示し、成形加工性に優れて
いる。
ステル、及び、液晶性全芳香族ポリエステルに関するも
のである。本発明のポリエステルは、耐熱性に優れ、か
つ、溶融時に光学的異方性を示し、成形加工性に優れて
いる。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子分野、自動車分野の発
展に伴い、これらの分野に使用されるプラスチックに対
しても高性能化の要求が高まり、数多くのプラスチック
が開発され市場に提供されている。中でも、溶融時に光
学的異方性を示し、分子鎖が平行に配列する一群の高分
子化合物は、サーモトロピック液晶性ポリマーと呼ば
れ、成形加工性に優れると共に成形体の機械的性質が向
上することから注目を集めている。
展に伴い、これらの分野に使用されるプラスチックに対
しても高性能化の要求が高まり、数多くのプラスチック
が開発され市場に提供されている。中でも、溶融時に光
学的異方性を示し、分子鎖が平行に配列する一群の高分
子化合物は、サーモトロピック液晶性ポリマーと呼ば
れ、成形加工性に優れると共に成形体の機械的性質が向
上することから注目を集めている。
【0003】液晶性ポリエステルとしては、p−ヒドロ
キシ安息香酸、4,4’−ビフェノール及びテレフタル
酸より得られるポリエステル(特公昭47−47870
号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸及びヒドロキシナフ
トエ酸より得られるポリエステル(特開昭54−776
91号公報)、ポリエチレンテレフタレート(PET)
及びヒドロキシ安息香酸より得られるポリエステル(W.
J.Jacksonら、J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.14巻、2
043頁(1978年)、米国特許第3804805号
明細書、特開昭51−8395号公報等)などが知られ
ている。
キシ安息香酸、4,4’−ビフェノール及びテレフタル
酸より得られるポリエステル(特公昭47−47870
号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸及びヒドロキシナフ
トエ酸より得られるポリエステル(特開昭54−776
91号公報)、ポリエチレンテレフタレート(PET)
及びヒドロキシ安息香酸より得られるポリエステル(W.
J.Jacksonら、J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.14巻、2
043頁(1978年)、米国特許第3804805号
明細書、特開昭51−8395号公報等)などが知られ
ている。
【0004】しかしながら、p−ヒドロキシ安息香酸、
4,4’−ビフェノール及びテレフタル酸より得られる
ポリエステルは、液晶開始温度が高く、成形加工性に問
題があり、p−ヒドロキシ安息香酸及びヒドロキシナフ
トエ酸より得られるポリエステル、及び、PET及びヒ
ドロキシ安息香酸より得られるポリエステルは、熱変形
温度が低く、耐熱性が低いものであった。
4,4’−ビフェノール及びテレフタル酸より得られる
ポリエステルは、液晶開始温度が高く、成形加工性に問
題があり、p−ヒドロキシ安息香酸及びヒドロキシナフ
トエ酸より得られるポリエステル、及び、PET及びヒ
ドロキシ安息香酸より得られるポリエステルは、熱変形
温度が低く、耐熱性が低いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶
性ポリエステルの上記の問題点を解決し、成形加工性と
耐熱性のバランスに優れた新規の全芳香族ポリエステル
を提供することである。
性ポリエステルの上記の問題点を解決し、成形加工性と
耐熱性のバランスに優れた新規の全芳香族ポリエステル
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記構造単位
〔I〕、〔II〕及び〔III〕より構成され(但し、
各構造単位は、互いにエステル結合で連結されてい
る)、構造単位(〔I〕+〔II〕)と構造単位〔II
I〕は実質的に当量であり、構造単位〔I〕のモル数と
構造単位〔II〕のモル数との比〔I〕/〔II〕=5
/95〜100/0であり、溶融温度が200℃以上で
ある全芳香族ポリエステルである。
〔I〕、〔II〕及び〔III〕より構成され(但し、
各構造単位は、互いにエステル結合で連結されてい
る)、構造単位(〔I〕+〔II〕)と構造単位〔II
I〕は実質的に当量であり、構造単位〔I〕のモル数と
構造単位〔II〕のモル数との比〔I〕/〔II〕=5
/95〜100/0であり、溶融温度が200℃以上で
ある全芳香族ポリエステルである。
【0007】
【化3】
【0008】式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立に炭素
数6〜18の芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニ
レン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン
基、ターフェニレン基等が挙げられ、これらはアルキル
基、アルコキシル基、フェニル基、ハロゲン原子等を置
換基として1〜6個有していてもよい。構造単位〔I〕
は、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオールから、水酸
基の水素原子を除いた残基である。
数6〜18の芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニ
レン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン
基、ターフェニレン基等が挙げられ、これらはアルキル
基、アルコキシル基、フェニル基、ハロゲン原子等を置
換基として1〜6個有していてもよい。構造単位〔I〕
は、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオールから、水酸
基の水素原子を除いた残基である。
【0009】構造単位〔II〕は、芳香族ジオールの水
酸基から水素残基である。具体的には、ハイドロキノン
残基、置換ハイドロキノン残基、ジヒドロキシナフタレ
ン残基、4,4’−ジヒドロキシビフェニル残基等が挙
げられる。構造単位〔III〕は、芳香族ジカルボン酸
より水酸基を除いた残基である。具体的には、テレフタ
ル酸残基、イソフタル残基、フタル酸残基、ビフェニル
ジカルボン酸残基、ナフタレンジカルボン酸残基等が挙
げられる。このうち、テレフタル酸残基、4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸残基、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸残基が好ましい。
酸基から水素残基である。具体的には、ハイドロキノン
残基、置換ハイドロキノン残基、ジヒドロキシナフタレ
ン残基、4,4’−ジヒドロキシビフェニル残基等が挙
げられる。構造単位〔III〕は、芳香族ジカルボン酸
より水酸基を除いた残基である。具体的には、テレフタ
ル酸残基、イソフタル残基、フタル酸残基、ビフェニル
ジカルボン酸残基、ナフタレンジカルボン酸残基等が挙
げられる。このうち、テレフタル酸残基、4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸残基、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸残基が好ましい。
【0010】本発明において、全芳香族ポリエステルと
は、エステル結合で連結されている各構造単位が、実質
上全て芳香族(但し、側鎖を有していてもよい)である
ものをいう。本発明の全芳香族ポリエステルは、構造単
位(〔I〕+〔II〕)と構造単位〔III〕とは実質
的に当量である。実質的に当量であるとは、構造単位
(〔I〕+〔II〕)と構造単位〔III〕とのモル比
(〔I〕+〔II〕)/〔III〕が、0.9〜1.
1、好ましくは、0.95〜1.05である。
は、エステル結合で連結されている各構造単位が、実質
上全て芳香族(但し、側鎖を有していてもよい)である
ものをいう。本発明の全芳香族ポリエステルは、構造単
位(〔I〕+〔II〕)と構造単位〔III〕とは実質
的に当量である。実質的に当量であるとは、構造単位
(〔I〕+〔II〕)と構造単位〔III〕とのモル比
(〔I〕+〔II〕)/〔III〕が、0.9〜1.
1、好ましくは、0.95〜1.05である。
【0011】このことは、必ずしもこの全芳香族ポリエ
ステルが、構造単位〔I〕と〔III〕とからなるポリ
エステルブロックと構造単位〔II〕と〔III〕とか
らなるポリエステルブロックとのブロックコポリエステ
ルであることを意味するものではない。即ち、このよう
なブロックコポリエステルの他に、各構造単位が無作為
に結合しているランダムコポリエステル(無作為といっ
ても、各構造単位がエステル結合で結合しているところ
より、それらの配列には自ずから制限があることはいう
までもない)を包含するものである。
ステルが、構造単位〔I〕と〔III〕とからなるポリ
エステルブロックと構造単位〔II〕と〔III〕とか
らなるポリエステルブロックとのブロックコポリエステ
ルであることを意味するものではない。即ち、このよう
なブロックコポリエステルの他に、各構造単位が無作為
に結合しているランダムコポリエステル(無作為といっ
ても、各構造単位がエステル結合で結合しているところ
より、それらの配列には自ずから制限があることはいう
までもない)を包含するものである。
【0012】本発明の全芳香族ポリエステルは、構造単
位〔I〕のモル数と、構造単位〔II〕のモル数との比
〔I〕/〔II〕=5/95〜95/5である。その比
〔I〕/〔II〕が、5/95〜45/55の時、液晶
性のポリエステルとなるものである。本発明の芳香族ポ
リエステルは、充分に分子量の大きいものであるべきで
あり、その溶融温度が200℃以上のものである。ま
た、対数粘度が0.3以上、好ましくは0.5以上であ
る。
位〔I〕のモル数と、構造単位〔II〕のモル数との比
〔I〕/〔II〕=5/95〜95/5である。その比
〔I〕/〔II〕が、5/95〜45/55の時、液晶
性のポリエステルとなるものである。本発明の芳香族ポ
リエステルは、充分に分子量の大きいものであるべきで
あり、その溶融温度が200℃以上のものである。ま
た、対数粘度が0.3以上、好ましくは0.5以上であ
る。
【0013】(全芳香族ポリエステルの製造)一般的説明 本発明の全芳香族ポリエステルは、エステル結合形成に
関して、合目的な任意の方法によって製造することがで
きる。この全芳香族ポリエステルがビスフェノール化合
物(〔I〕に対応)と芳香族ジヒドロキシ化合物(〔I
I〕に対応)と芳香族ジカルボン酸化合物(〔III〕
に対応)とのコポリマーに相当するものであることから
すれば、これらの化合物をエステル形成条件下に反応さ
せる方法が典型的であるといえる。この場合の「エステ
ル形成条件下」とは、直接エステル化(縮合により生成
する水を加熱/共沸等によって除去する場合、または、
適当な縮合剤を使用する場合を含む)する他に、原料化
合物の反応基の少なくとも一方をその機能的誘導体の形
で反応させる場合、例えば、芳香族カルボン酸を酸ハラ
イド(例えば酸クロライド)や酸無水物(特に、混合酸
無水物)とし、ジオールと反応させる場合、ヒドロキシ
ル基をそのアシル誘導体の形で芳香族カルボン酸と反応
させる場合、及び、芳香族カルボン酸をエステル誘導体
の形でヒドロキシル基と反応させる場合、その他を包含
するものである。
関して、合目的な任意の方法によって製造することがで
きる。この全芳香族ポリエステルがビスフェノール化合
物(〔I〕に対応)と芳香族ジヒドロキシ化合物(〔I
I〕に対応)と芳香族ジカルボン酸化合物(〔III〕
に対応)とのコポリマーに相当するものであることから
すれば、これらの化合物をエステル形成条件下に反応さ
せる方法が典型的であるといえる。この場合の「エステ
ル形成条件下」とは、直接エステル化(縮合により生成
する水を加熱/共沸等によって除去する場合、または、
適当な縮合剤を使用する場合を含む)する他に、原料化
合物の反応基の少なくとも一方をその機能的誘導体の形
で反応させる場合、例えば、芳香族カルボン酸を酸ハラ
イド(例えば酸クロライド)や酸無水物(特に、混合酸
無水物)とし、ジオールと反応させる場合、ヒドロキシ
ル基をそのアシル誘導体の形で芳香族カルボン酸と反応
させる場合、及び、芳香族カルボン酸をエステル誘導体
の形でヒドロキシル基と反応させる場合、その他を包含
するものである。
【0014】具体的な方法 本発明の全芳香族ポリエステルの具体的な製造方法の一
つは、下記一般式で示される化合物〔IV〕、〔V〕及
び〔VI〕より、化合物〔VII〕を脱離させることか
らなるものである。
つは、下記一般式で示される化合物〔IV〕、〔V〕及
び〔VI〕より、化合物〔VII〕を脱離させることか
らなるものである。
【0015】
【化4】
【0016】(式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立に炭
素数6〜18の芳香族炭化水素基である。Y1 、Y2 、
Y3 及びY4 は、同一または異種のH−、R1-CO−で
あり、R1 は炭素数1〜6の炭化水素基である。Z1 及
びZ2 は、同一または異種のHO−、R2 O−であり、
R2 は炭素数1〜8の炭化水素基である。Y及びZは、
式〔IV〕〜〔VI〕で使用されたY1 〜Y4 のいずれ
かならびにZ1 〜Z2 のいずれかをそれぞれ示す。)化
合物〔IV〕〜〔VI〕の反応によって脱離する式〔V
II〕の化合物は、YおよびZがそれぞれ化合物〔I
V〕〜〔VI〕で使用したY1 〜Y4 およびZ 1 〜Z2
に対応する化合物である。
素数6〜18の芳香族炭化水素基である。Y1 、Y2 、
Y3 及びY4 は、同一または異種のH−、R1-CO−で
あり、R1 は炭素数1〜6の炭化水素基である。Z1 及
びZ2 は、同一または異種のHO−、R2 O−であり、
R2 は炭素数1〜8の炭化水素基である。Y及びZは、
式〔IV〕〜〔VI〕で使用されたY1 〜Y4 のいずれ
かならびにZ1 〜Z2 のいずれかをそれぞれ示す。)化
合物〔IV〕〜〔VI〕の反応によって脱離する式〔V
II〕の化合物は、YおよびZがそれぞれ化合物〔I
V〕〜〔VI〕で使用したY1 〜Y4 およびZ 1 〜Z2
に対応する化合物である。
【0017】重縮合反応が直接エステル化の場合は、Y
1 〜Y4 が水素原子、Z1 〜Z2 が水酸基である。機能
誘導体による例えば脱モノカルボン酸重縮合反応の場合
は、例えばY1 〜Y4 がR1-CO−,Z1 〜Z2 が水酸
基であって、脱離する化合物は勿論R1-COOHであ
り、脱アルコール重縮合反応の場合は、例えばY1 〜Y
4 が水素原子、Z1 〜Z2 がR2 O−であって、脱離す
る化合物は勿論R2 OHである。
1 〜Y4 が水素原子、Z1 〜Z2 が水酸基である。機能
誘導体による例えば脱モノカルボン酸重縮合反応の場合
は、例えばY1 〜Y4 がR1-CO−,Z1 〜Z2 が水酸
基であって、脱離する化合物は勿論R1-COOHであ
り、脱アルコール重縮合反応の場合は、例えばY1 〜Y
4 が水素原子、Z1 〜Z2 がR2 O−であって、脱離す
る化合物は勿論R2 OHである。
【0018】なお、式〔IV〕〜〔VI〕の化合物で使
用されたY1 〜Y4 およびZ1 〜Z 2 がそれぞれ2種類
以上である場合は、式〔VII〕の脱離化合物も理論上
はそれらの順列組合せに相当する数だけ存在することに
なる。一般式〔IV〕のY1 、Y2 は、水素原子および
R1-CO−であり、R1 は炭素数1〜6の炭化水素基で
ある。R1 の具体的な例としては、メチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、
n−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキ
シル、フェニル基などを挙げることができる。特に好ま
しくは、水素原子、および、R1-CO−で示される基
で、R1 がメチル、エチル、フェニル基である。
用されたY1 〜Y4 およびZ1 〜Z 2 がそれぞれ2種類
以上である場合は、式〔VII〕の脱離化合物も理論上
はそれらの順列組合せに相当する数だけ存在することに
なる。一般式〔IV〕のY1 、Y2 は、水素原子および
R1-CO−であり、R1 は炭素数1〜6の炭化水素基で
ある。R1 の具体的な例としては、メチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、
n−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキ
シル、フェニル基などを挙げることができる。特に好ま
しくは、水素原子、および、R1-CO−で示される基
で、R1 がメチル、エチル、フェニル基である。
【0019】一般式〔V〕のY3 、Y4 は、水素原子お
よびR1-CO−であり、R1 は炭素数1〜6の炭化水素
基である。R1 の具体的な例としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブ
チル、n−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シク
ロヘキシル、フェニル基などを挙げることができる。特
に好ましくは、水素原子、および、R1-CO−で示され
る基で、R1 がメチル、エチル、フェニル基である。
よびR1-CO−であり、R1 は炭素数1〜6の炭化水素
基である。R1 の具体的な例としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブ
チル、n−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シク
ロヘキシル、フェニル基などを挙げることができる。特
に好ましくは、水素原子、および、R1-CO−で示され
る基で、R1 がメチル、エチル、フェニル基である。
【0020】一般式〔VI〕のZ1 、Z2 は、水酸基お
よびR2-O−であり、R2 は炭素数1〜6の炭化水素基
である。R2 の具体的な例としては、メチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチ
ル、n−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロ
ヘキシル、フェニル基などを挙げることができる。特に
好ましくは、水酸基、および、R2-O−で示される基
で、R2 がフェニル、メチル、エチル基である。
よびR2-O−であり、R2 は炭素数1〜6の炭化水素基
である。R2 の具体的な例としては、メチル、エチル、
n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチ
ル、n−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロ
ヘキシル、フェニル基などを挙げることができる。特に
好ましくは、水酸基、および、R2-O−で示される基
で、R2 がフェニル、メチル、エチル基である。
【0021】本発明の全芳香族ポリエステル、全芳香族
液晶性ポリエステルは、前記の〔IV〕〜〔VI〕の化
合物から、例えば、次の方法によって製造することが出
来る。 ジアシロキシモノマー〔IV〕,〔V〕とジカルボン
酸モノマー〔VI〕から脱モノカルボン酸による重縮合
反応によって製造する方法。
液晶性ポリエステルは、前記の〔IV〕〜〔VI〕の化
合物から、例えば、次の方法によって製造することが出
来る。 ジアシロキシモノマー〔IV〕,〔V〕とジカルボン
酸モノマー〔VI〕から脱モノカルボン酸による重縮合
反応によって製造する方法。
【0022】ジヒドロキシモノマー〔IV〕,〔V〕
とジカルボン酸ジエステルモノマー〔VI〕から脱モノ
アルコールによる重縮合反応によって製造する方法。 この他にも、〔IV〕〜〔VI〕の構成モノマーのY
1 〜Y4 およびZ1 〜Z2 の種類によっては、脱水や脱
エステル等が起こることもある。 の方法の脱モノカルボン酸重縮合反応においては、脱
離するモノカルボン酸が酢酸である場合が主に用いられ
る。の方法の脱モノアルコール重縮合反応において
は、フェノールが脱離成分である場合が主に用いられ
る。
とジカルボン酸ジエステルモノマー〔VI〕から脱モノ
アルコールによる重縮合反応によって製造する方法。 この他にも、〔IV〕〜〔VI〕の構成モノマーのY
1 〜Y4 およびZ1 〜Z2 の種類によっては、脱水や脱
エステル等が起こることもある。 の方法の脱モノカルボン酸重縮合反応においては、脱
離するモノカルボン酸が酢酸である場合が主に用いられ
る。の方法の脱モノアルコール重縮合反応において
は、フェノールが脱離成分である場合が主に用いられ
る。
【0023】の方法の脱モノカルボン酸重縮合反応
は、無触媒で進行するため好適な重合法である。の方
法の脱モノアルコール重縮合反応の触媒としては、酢酸
第1スズ、酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、
酢酸鉛、酢酸ナトリウムなどの金属化合物が用いられ
る。重縮合反応において、温度、加熱時間、圧力などの
重合条件は、使用する反応物及び所望する重合度に依存
し変化させる事ができるが、一般的には、不活性ガス下
で約400℃までの加熱により酢酸あるいはフェノール
を留出させながら重合を行うことがふつうである。ま
た、一般に、重合終期には反応系内を減圧状態にして、
反応を完結させることが好ましい。また、重縮合反応を
途中で止めて反応物を取り出し、続いて固相にて重合さ
せ最終製品とすることもできる。
は、無触媒で進行するため好適な重合法である。の方
法の脱モノアルコール重縮合反応の触媒としては、酢酸
第1スズ、酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、
酢酸鉛、酢酸ナトリウムなどの金属化合物が用いられ
る。重縮合反応において、温度、加熱時間、圧力などの
重合条件は、使用する反応物及び所望する重合度に依存
し変化させる事ができるが、一般的には、不活性ガス下
で約400℃までの加熱により酢酸あるいはフェノール
を留出させながら重合を行うことがふつうである。ま
た、一般に、重合終期には反応系内を減圧状態にして、
反応を完結させることが好ましい。また、重縮合反応を
途中で止めて反応物を取り出し、続いて固相にて重合さ
せ最終製品とすることもできる。
【0024】(全芳香族ポリエステルの製造に使用され
る化合物の例)本発明による一般式〔IV〕は、2,
2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル−1,1′−
ビフェニル−4,4′−ジオール、およびその機能誘導
体である4,4′−ジアセトキシ−2,2′,3,
3′,5,5′−ヘキサメチル−1,1′−ビフェニ
ル、4,4′−ジプロポキシ−2,2′,3,3′,
5,5′−ヘキサメチル−1,1′−ビフェニルなどで
ある。
る化合物の例)本発明による一般式〔IV〕は、2,
2′,3,3′,5,5′−ヘキサメチル−1,1′−
ビフェニル−4,4′−ジオール、およびその機能誘導
体である4,4′−ジアセトキシ−2,2′,3,
3′,5,5′−ヘキサメチル−1,1′−ビフェニ
ル、4,4′−ジプロポキシ−2,2′,3,3′,
5,5′−ヘキサメチル−1,1′−ビフェニルなどで
ある。
【0025】本発明による一般式〔V〕で示される化合
物としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキノン、
イソプロピルハイドロキノン、n−ブチルハイドロキノ
ン、イソブチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキ
ノン、シクロヘキシルハイドロキノン、フェニルハイド
ロキノン、クロロハイドロキノン、ブロモハイドロキノ
ン、ヨードハイドロキノン、4,4′−ビフェノール、
およびそれらの機能誘導体であるジアセトキシ−ハイド
ロキノン、ジアセトキシ−メチルハイドロキノン、ジア
セトキシ−エチルハイドロキノン、ジアセトキシ−n−
プロピルハイドロキノン、ジアセトキシ−イソプロピル
ハイドロキノン、ジアセトキシ−n−ブチルハイドロキ
ノン、ジアセトキシ−イソブチルハイドロキノン、ジア
セトキシ−t−ブチルハイドロキノン、ジアセトキシ−
シクロヘキシルハイドロキノン、ジアセトキシ−フェニ
ルハイドロキノン、ジアセトキシ−クロロハイドロキノ
ン、ジアセトキシ−ブロモハイドロキノン、ジアセトキ
シ−ヨードハイドロキノン、ジアセトキシ−4,4′−
ビフェノールなどである。
物としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキノン、
イソプロピルハイドロキノン、n−ブチルハイドロキノ
ン、イソブチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキ
ノン、シクロヘキシルハイドロキノン、フェニルハイド
ロキノン、クロロハイドロキノン、ブロモハイドロキノ
ン、ヨードハイドロキノン、4,4′−ビフェノール、
およびそれらの機能誘導体であるジアセトキシ−ハイド
ロキノン、ジアセトキシ−メチルハイドロキノン、ジア
セトキシ−エチルハイドロキノン、ジアセトキシ−n−
プロピルハイドロキノン、ジアセトキシ−イソプロピル
ハイドロキノン、ジアセトキシ−n−ブチルハイドロキ
ノン、ジアセトキシ−イソブチルハイドロキノン、ジア
セトキシ−t−ブチルハイドロキノン、ジアセトキシ−
シクロヘキシルハイドロキノン、ジアセトキシ−フェニ
ルハイドロキノン、ジアセトキシ−クロロハイドロキノ
ン、ジアセトキシ−ブロモハイドロキノン、ジアセトキ
シ−ヨードハイドロキノン、ジアセトキシ−4,4′−
ビフェノールなどである。
【0026】本発明に用いられる一般式〔V〕で示され
る化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、ブロモテレフタル酸あるいはそれらの機能
誘導体である。機能誘導体の具体例としては、テレフタ
ル酸モノメチル、テレフタル酸モノエチル、テレフタル
酸モノプロピル、テレフタル酸モノブチル、テレフタル
酸モノフェニルなどのテレフタル酸モノエステル類;イ
ソフタル酸モノメチル、イソフタル酸モノエチル、イソ
フタル酸モノプロピル、イソフタル酸モノブチル、イソ
フタル酸モノフェニルなどのイソフタル酸モノエステル
類;2,6−ナフタレンジカルボン酸モノメチル、2,
6−ナフタレンジカルボン酸モノエチル、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸モノプロピル、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸モノブチル、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸モノフェニルなどの2,6−ナフタレンジカルボン
酸モノエステル類;4,4’−ビフェニルジカルボン酸
モノメチル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノエ
チル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノプロピ
ル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノブチル、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノフェニルなどの
4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノエステル類;ブ
ロモテレフタル酸、ブロモテレフタル酸モノメチル、ブ
ロモテレフタル酸モノエチル、ブロモテレフタル酸モノ
プロピル、ブロモテレフタル酸モノブチル、ブロモテレ
フタル酸モノフェニルなどのブロモテレフタル酸モノエ
ステル類;テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチ
ル、テレフタル酸ジフェニルなどのテレフタル酸ジエス
テル類;イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチ
ル、イソフタル酸ジフェニルなどのイソフタル酸ジエス
テル類;2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸ジフェニルなどの2,6−ナフタ
レンジカルボン酸ジエステル類;4,4’−ビフェニル
ジカルボン酸ジメチル、4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸ジエチル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジフ
ェニルなどの4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジエス
テル類;ブロモテレフタル酸ジメチル、ブロモテレフタ
ル酸ジエチル、ブロモテレフタル酸ジフェニルなどのブ
ロモテレフタル酸ジエステル類;等を挙げることができ
る。
る化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、ブロモテレフタル酸あるいはそれらの機能
誘導体である。機能誘導体の具体例としては、テレフタ
ル酸モノメチル、テレフタル酸モノエチル、テレフタル
酸モノプロピル、テレフタル酸モノブチル、テレフタル
酸モノフェニルなどのテレフタル酸モノエステル類;イ
ソフタル酸モノメチル、イソフタル酸モノエチル、イソ
フタル酸モノプロピル、イソフタル酸モノブチル、イソ
フタル酸モノフェニルなどのイソフタル酸モノエステル
類;2,6−ナフタレンジカルボン酸モノメチル、2,
6−ナフタレンジカルボン酸モノエチル、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸モノプロピル、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸モノブチル、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸モノフェニルなどの2,6−ナフタレンジカルボン
酸モノエステル類;4,4’−ビフェニルジカルボン酸
モノメチル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノエ
チル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノプロピ
ル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノブチル、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノフェニルなどの
4,4’−ビフェニルジカルボン酸モノエステル類;ブ
ロモテレフタル酸、ブロモテレフタル酸モノメチル、ブ
ロモテレフタル酸モノエチル、ブロモテレフタル酸モノ
プロピル、ブロモテレフタル酸モノブチル、ブロモテレ
フタル酸モノフェニルなどのブロモテレフタル酸モノエ
ステル類;テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチ
ル、テレフタル酸ジフェニルなどのテレフタル酸ジエス
テル類;イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチ
ル、イソフタル酸ジフェニルなどのイソフタル酸ジエス
テル類;2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸ジフェニルなどの2,6−ナフタ
レンジカルボン酸ジエステル類;4,4’−ビフェニル
ジカルボン酸ジメチル、4,4’−ビフェニルジカルボ
ン酸ジエチル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジフ
ェニルなどの4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジエス
テル類;ブロモテレフタル酸ジメチル、ブロモテレフタ
ル酸ジエチル、ブロモテレフタル酸ジフェニルなどのブ
ロモテレフタル酸ジエステル類;等を挙げることができ
る。
【0027】これらの中でも、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビ
フェニルジカルボン酸、テレフタル酸ジメチルエステ
ル、イソフタル酸ジメチルエステル、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチルエステル、4,4′−ビフェニ
ルジカルボン酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジフェ
ニルエステル、イソフタル酸ジフェニルエステル、2,
6−ナフタレンジカルボン酸ジフェニルエステル、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸ジフェニルエステル、ブ
ロモテレフタル酸、ブロモテレフタル酸ジメチルエステ
ルなどが好ましい。なお一般式〔IV〕、〔V〕、〔V
I〕の化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上併用
してもよい。
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビ
フェニルジカルボン酸、テレフタル酸ジメチルエステ
ル、イソフタル酸ジメチルエステル、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチルエステル、4,4′−ビフェニ
ルジカルボン酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジフェ
ニルエステル、イソフタル酸ジフェニルエステル、2,
6−ナフタレンジカルボン酸ジフェニルエステル、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸ジフェニルエステル、ブ
ロモテレフタル酸、ブロモテレフタル酸ジメチルエステ
ルなどが好ましい。なお一般式〔IV〕、〔V〕、〔V
I〕の化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上併用
してもよい。
【0028】(全芳香族ポリエステルの利用)本発明の
全芳香族ポリエステルは、溶融温度が200〜400℃
であり、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形な
どの通常の溶融成形に供することができ、三次元成形
品、フィルム、繊維、容器などに加工することが可能で
ある。また、他の熱可塑性樹脂と混合することによって
ポリマーアロイとすることもできる。なお、成形時に
は、本発明の全芳香族ポリエステルに、ガラス繊維、炭
素繊維などの添加剤を添加して、成形品に所望の特性を
付与することができる。
全芳香族ポリエステルは、溶融温度が200〜400℃
であり、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形な
どの通常の溶融成形に供することができ、三次元成形
品、フィルム、繊維、容器などに加工することが可能で
ある。また、他の熱可塑性樹脂と混合することによって
ポリマーアロイとすることもできる。なお、成形時に
は、本発明の全芳香族ポリエステルに、ガラス繊維、炭
素繊維などの添加剤を添加して、成形品に所望の特性を
付与することができる。
【0029】
【実施例】次に、実施例によって、本発明を更に具体的
に説明する。 <実施例1>攪拌装置、窒素導入管、蒸留凝縮器、温度
計を備えた重合管中に、4,4’−ジアセトキシ−2,
2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル
1.0633g(3.0ミリモル)、フェニルハイドロ
キノンジアセテート2.4326g(9.0ミリモ
ル)、テレフタル酸1.9936g(12.0ミリモ
ル)を投入し(〔I〕/〔II〕=20/80)、減
圧、窒素導入を3回繰り返し、反応系内の雰囲気を窒素
に置換した。窒素気流下、240℃で20分間加熱攪拌
し、続いて280℃で20分間反応させた。この段階
で、酢酸が早く流出した。続いて300℃で40分間、
320℃で20分間加熱を続け、350℃に昇温し、3
00Torrに減圧して10分間反応させ、更に350
℃で0.5Torrで20分間反応させ、重合を完結さ
せた。反応系内を窒素で常圧に戻し、重合物を取り出し
た。IRスペクトルを用いて重合物が目的のポリマーで
あることを確認した。この重合物の溶融温度は320℃
であり、良好な光学異方性を示した。その他の物性を含
め、結果を表1に示す。
に説明する。 <実施例1>攪拌装置、窒素導入管、蒸留凝縮器、温度
計を備えた重合管中に、4,4’−ジアセトキシ−2,
2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル
1.0633g(3.0ミリモル)、フェニルハイドロ
キノンジアセテート2.4326g(9.0ミリモ
ル)、テレフタル酸1.9936g(12.0ミリモ
ル)を投入し(〔I〕/〔II〕=20/80)、減
圧、窒素導入を3回繰り返し、反応系内の雰囲気を窒素
に置換した。窒素気流下、240℃で20分間加熱攪拌
し、続いて280℃で20分間反応させた。この段階
で、酢酸が早く流出した。続いて300℃で40分間、
320℃で20分間加熱を続け、350℃に昇温し、3
00Torrに減圧して10分間反応させ、更に350
℃で0.5Torrで20分間反応させ、重合を完結さ
せた。反応系内を窒素で常圧に戻し、重合物を取り出し
た。IRスペクトルを用いて重合物が目的のポリマーで
あることを確認した。この重合物の溶融温度は320℃
であり、良好な光学異方性を示した。その他の物性を含
め、結果を表1に示す。
【0030】<実施例2〜6>実施例1において、原料
のモル比を表1の通り変化させた以外は、実施例1と同
様に反応を行った。結果を表1に示す。 <比較例1、2>実施例1において、4,4’−ジアセ
トキシ−2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル
ビフェニルの代わりに、4,4’−ジアセトキシ−ビフ
ェニルを用いて、実施例1と同様に反応を行った。結果
を表1に示す。
のモル比を表1の通り変化させた以外は、実施例1と同
様に反応を行った。結果を表1に示す。 <比較例1、2>実施例1において、4,4’−ジアセ
トキシ−2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル
ビフェニルの代わりに、4,4’−ジアセトキシ−ビフ
ェニルを用いて、実施例1と同様に反応を行った。結果
を表1に示す。
【0031】<比較例3>実施例1において、フェニル
ハイドロキノンジアセテートを用いなかった以外は、実
施例1と同様に反応を行った(〔I〕/〔II〕=0/
1)。結果を表1に示す。 <比較例4>実施例1において、4,4’−ジアセトキ
シ−2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフ
ェニルを用いなかった以外は、実施例1と同様に反応を
行った(〔I〕/〔II〕=1/0)。結果を表1に示
す。
ハイドロキノンジアセテートを用いなかった以外は、実
施例1と同様に反応を行った(〔I〕/〔II〕=0/
1)。結果を表1に示す。 <比較例4>実施例1において、4,4’−ジアセトキ
シ−2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフ
ェニルを用いなかった以外は、実施例1と同様に反応を
行った(〔I〕/〔II〕=1/0)。結果を表1に示
す。
【0032】<実施例7〜14>実施例1において、フ
ェニルハイドロキノンジアセテートの代わりに表2に示
す芳香族ジアセテート化合物を用い、原料のモル比を表
2の通り変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行
った。結果を表2に示す。 <実施例15〜17>実施例1において、テレフタル酸
の代わりに表3に示す芳香族ジカルボン酸を用いた、原
料のモル比を表3の通りとした以外は、実施例1と同様
に反応を行った。結果を表3に示す。
ェニルハイドロキノンジアセテートの代わりに表2に示
す芳香族ジアセテート化合物を用い、原料のモル比を表
2の通り変化させた以外は、実施例1と同様に反応を行
った。結果を表2に示す。 <実施例15〜17>実施例1において、テレフタル酸
の代わりに表3に示す芳香族ジカルボン酸を用いた、原
料のモル比を表3の通りとした以外は、実施例1と同様
に反応を行った。結果を表3に示す。
【0033】注)ηinh :対数粘度 :0.1g/dl、30℃、 溶媒;フェノール/p−クロロフェノール/1,1,
2,2−テトラクロロエタン(W/W/W=25/40
/25)中で測定。 Tg:ガラス転移温度 :DSC測定(20℃/
分、窒素中) Tm:溶融温度 :DSC測定(20℃/
分、窒素中) TD :重量減少開始温度 :DSC測定(20℃/
分、窒素中) 液晶性 :DSC測定
2,2−テトラクロロエタン(W/W/W=25/40
/25)中で測定。 Tg:ガラス転移温度 :DSC測定(20℃/
分、窒素中) Tm:溶融温度 :DSC測定(20℃/
分、窒素中) TD :重量減少開始温度 :DSC測定(20℃/
分、窒素中) 液晶性 :DSC測定
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明の全芳香族ポリエステルは、溶融
温度が200〜400℃であり、また、優れた成形加工
性があるので、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー
成形などの通常の溶融成形に供することができ、三次元
成形品、フィルム、繊維、容器などに加工することが可
能である。また、他の熱可塑性樹脂と混合することによ
ってポリマーアロイとすることもできる。
温度が200〜400℃であり、また、優れた成形加工
性があるので、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー
成形などの通常の溶融成形に供することができ、三次元
成形品、フィルム、繊維、容器などに加工することが可
能である。また、他の熱可塑性樹脂と混合することによ
ってポリマーアロイとすることもできる。
【0038】得られた成形品は、優れた機械的性質を示
し、また成形時には本発明のポリエステルに、ガラス繊
維、炭素繊維などの強化剤、充填剤、酸化防止剤、安定
剤、可塑剤、離型剤などの添加剤を添加して、成形品に
所望の特性を付与することができるので、広範な応用分
野に使用することができる。
し、また成形時には本発明のポリエステルに、ガラス繊
維、炭素繊維などの強化剤、充填剤、酸化防止剤、安定
剤、可塑剤、離型剤などの添加剤を添加して、成形品に
所望の特性を付与することができるので、広範な応用分
野に使用することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】下記構造単位〔I〕、〔II〕及び〔II
I〕より構成され(但し、各構造単位は、互いにエステ
ル結合で連結されている)、構造単位(〔I〕+〔I
I〕)と構造単位〔III〕は実質的に当量であり、構
造単位〔I〕のモル数と構造単位〔II〕のモル数との
比〔I〕/〔II〕=5/95〜100/0であり、溶
融温度が200℃以上である全芳香族ポリエステル。 【化1】 (式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立に炭素数6〜18
の芳香族炭化水素基である) - 【請求項2】下記構造単位〔I〕、〔II〕及び〔II
I〕より構成され(但し、各構造単位は、互いにエステ
ル結合で連結されている)、構造単位(〔I〕+〔I
I〕)と構造単位〔III〕は実質的に当量であり、構
造単位〔I〕のモル数と構造単位〔II〕のモル数との
比〔I〕/〔II〕=5/95〜45/55であり、溶
融温度が200℃以上である液晶性全芳香族ポリエステ
ル。 【化2】 (式中、Ar1、Ar2は、それぞれ独立に炭素数6〜18
の芳香族炭化水素基である)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14459492A JPH05331267A (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 全芳香族ポリエステル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14459492A JPH05331267A (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 全芳香族ポリエステル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331267A true JPH05331267A (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=15365699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14459492A Pending JPH05331267A (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 全芳香族ポリエステル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05331267A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007254663A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Fujifilm Corp | 樹脂、並びに、これを用いた光学材料、フィルムおよび画像表示装置 |
WO2021241269A1 (ja) * | 2020-05-26 | 2021-12-02 | 住友化学株式会社 | 全芳香族ポリエステル樹脂及びそれを含む樹脂組成物、並びに成形品 |
-
1992
- 1992-06-04 JP JP14459492A patent/JPH05331267A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007254663A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Fujifilm Corp | 樹脂、並びに、これを用いた光学材料、フィルムおよび画像表示装置 |
WO2021241269A1 (ja) * | 2020-05-26 | 2021-12-02 | 住友化学株式会社 | 全芳香族ポリエステル樹脂及びそれを含む樹脂組成物、並びに成形品 |
JP2021187872A (ja) * | 2020-05-26 | 2021-12-13 | 住友化学株式会社 | 全芳香族ポリエステル樹脂及びそれを含む樹脂組成物、並びに成形品 |
CN115667359A (zh) * | 2020-05-26 | 2023-01-31 | 住友化学株式会社 | 全芳香族聚酯树脂及包含其的树脂组合物以及成型品 |
CN115667359B (zh) * | 2020-05-26 | 2024-01-16 | 住友化学株式会社 | 全芳香族聚酯树脂及包含其的树脂组合物以及成型品 |
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