JP2657083B2 - 芳香族コポリエステル - Google Patents

芳香族コポリエステル

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JP2657083B2 JP63319914A JP31991488A JP2657083B2 JP 2657083 B2 JP2657083 B2 JP 2657083B2 JP 63319914 A JP63319914 A JP 63319914A JP 31991488 A JP31991488 A JP 31991488A JP 2657083 B2 JP2657083 B2 JP 2657083B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,リン原子を含有した耐熱性と難燃性に優れ
た芳香族コポリエステルに関するものである。
(従来の技術) 従来,耐熱性高分子として芳香族ポリエステルが知ら
れている。しかしながら,芳香族ポリエステルの大部分
は成形困難な物質であり,用途が限られている。
また,芳香族ポリエステルは,一般に難燃性が優れて
いるとされているが,後述する限界酸素指数では高々40
程度であって,十分な難燃性とは言い難く,さらに,非
常に融点が高く,同時に溶融粘度が高いため,高温高圧
で成形しなければならないという極めて不都合なもので
ある。そのうえ,高温に長時間暴露することは,ポリエ
ステルの分解の面から見ても得策ではなく,経済的にも
不利である。したがって,耐熱性,難燃性と溶融成形性
に優れた液晶ポリエステルの開発に関心が注がれ,多く
の提案がなされて来たのである。
例えば,特開昭62−174228号公報には,これらの要求
を満足するものとして含リン芳香族ジオール成分を含有
するサーモトロピック液晶性ポリエステルが提案されて
いるが,このコポリエステルは主鎖が基本的にハイドロ
キノンテレフタレート単位とパラヒドロキシベンゾエー
ト単位からなり,両者の反応性に著しい差がある(パラ
ヒドロキシベンゾエート単位形成成分の反応性が大き
い。)ため,コポリエステルのモノマーシーケンスの制
御が困難であり,特にパラヒドロキシベンゾエート単位
が多い組成では,この単位が部分的にホモポリマー化
し,その結果,コポリエステルの流動性や結晶性が損な
われるという問題があった。
(発明が解決しようとする課題) このように,従来,耐熱性,難燃性,機械的特性及び
溶融成形性のすべての面で満足のいく芳香族ポリエステ
ルを得ることは極めて困難であった。
本発明は,溶融成形性が良く,高度な難燃性と高温で
使用するのに適する耐熱性とを有する芳香族コポリエス
テルを提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,上記の課題を解決するために鋭意研究
の結果,特定の構造を有する含リン芳香族コポリエステ
ルが極めて優れた性質を有することを見出し,本発明に
到達した。
すなわち,本発明の要旨は次のとおりである。
下記構造式〜で示される構成単位から実質的にな
り,とのモル数の和とのモル数とが実質的に等し
く,ととのモル数の比が95/5〜20/80であるランダ
ムコポリエステルであって,極限粘度が0.5以上である
芳香族コポリエステル。
−O−Ar2−O− −OC−Ar3−CO− (式において,Ar1は3価の芳香族基,Ar2及びAr3は2価
の芳香族基を示す。ただし,芳香環は置換基を有してい
てもよい。) 本発明のコポリエステルは,耐熱性及び溶融成形性が
共に非常に良好である点で,サーモトロピック液晶性の
ものが好ましい。そして,流動開始温度が350℃以下,
好ましくは330℃以下となるように共重合組成を選定す
ることが好ましい。
サーモトロピック液晶性とは,溶融相においてコポリ
エステルの分子が規則的に一方向に配列してネマティッ
ク相といわれる液晶を生成する性質のことをいい,直交
偏光子を用いた常用の偏光技術により確認できる。
本発明のコポリエステルは,まず,式示される含リ
ン芳香族ジオールの残基を必須の構成単位とする。
式におけるAr1としては,ベンゼン環基及びナフタ
レン環基が好ましく,芳香環は炭素原子数1〜20のアル
キル基,アルコキシ基,炭素原子数6〜20のアリール
基,アリロキシ基もしくはハロゲン原子塔の置換基を有
していてもよい。
この含リン芳香族ジオールの具体例としては,次の式
(a)又は(b)で表される化合物が挙られるが,特に
(a)の化合物が好ましい。
また,本発明のコポリエステルの第二の構成単位は,
式で示される芳香族ジオールの残基である。
式におけるAr2としては,ベンゼン環基及びナフタ
レン環基が好ましく,Ar1と同様な置換基を有していても
よい。
芳香族ジオールの具体例としては,ハイドロキレン,
レゾルシン,1,4−ナフトハイドロキノン及び4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル等が挙げられるが,特にハイドロ
キノンが好ましい。
さらに,本発明のコポリエステルの第三の構成単位
は,式で示される芳香族ジカルボン酸の残基である。
式におけるAr3としては,ベンゼン環基及びナフタ
レン環基が好ましく,Ar1と同様な置換基を有していても
よい。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては,テレフタル
酸,イソフタル酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙
げられるが,特にテレフタル酸及びイソフタル酸を,モ
ル比100/0〜0/100,好ましくは100/0〜50/50,最適には10
0/0〜70/30,サーモトロピック液晶性とするためには100
/0〜80/20の割合で用いるのが適当である。
構成単位とのモル数の和とのモル数とは実質的
に等しいことが必要であり,この要件が満足されないと
高重合度のコポリエステルが得られない。
また,構成単位のモル数とのモル数との比は95/5
〜20/80,好ましくは95/5〜30/70,サーモトロピック液晶
性とするためには,95/5〜50/50とするのが適当である。
この範囲を外れて構成単位やの割合が多くなると強
度や耐熱性が低下する。
また,本発明のコポリエステルは,その極限粘度
〔η〕が,0.5以上であることが必要であり,好ましくは
0.6〜10.0,最適には0.7〜3.0であることが望ましい。
〔η〕が0.5より小さいと耐熱性を始めとし,各種の物
理的,機械的,化学的特性が劣り,好ましくない。しか
し,〔η〕があまり大きいと溶融粘度が高くなりすぎて
溶融成形性が損なわれたりして好ましくないときがあ
り,10.0以下が望ましい。
本発明のコポリエステルは,全芳香族ポリエステル製
造の常法に従って,例えば,次のようにして製造するこ
とができる。
(イ)芳香族ジオールのジアセテート体及び芳香族ジカ
ルボン酸をヒドロキシル残基とカルボキシル基とが当量
となる量,及び好ましくはヒドロキシル残基の0.05〜0.
25倍当量の無水酢酸と共に,もしくは(ロ)芳香族ジオ
ールと芳香族ジカルボン酸とをヒドロキシル基とカルボ
キシル基とが当量となる量及びヒドロキシル基の量と当
量以上,好ましくは1.05〜1.25倍当量の無水酢酸を反応
器に仕込み,常圧下,140℃程度の温度で約2時間,酸交
換反応又はエステル化反応させる。
その後、順次昇温し,必要ならば減圧して酢酸を溜出
させながら反応させる。
次いで,順次昇温,減圧し,最終的に240〜350℃の温
度で,1トル以下の高減圧下,数十分〜数時間,溶融相又
は固相で重縮合反応させることによりポリエステルを得
ることができる。
本発明のコポリエステルは無触媒でも製造することが
できるが,重縮合触媒を使用してもよい。重縮合触媒と
しては,各種金属化合物及び有機スルホン酸化合物の中
から選ばれた1種以上の化合物を用いることができる。
金属化合物としては,アルチモン,チタン,ゲルマニ
ウム,スズ,亜鉛,アルミニウム,マグネシウム,カル
シウム,カリウム,ナトリウム,マンガンあるいはコバ
ルト等の化合物が用いられ,有機スルホン酸化合物とし
ては,スルホサリチル酸,o−スルホ安息香酸無水物等の
化合物が用いられるが,ジメチルスズマレエート及びo
−スルホ安息香酸無水物が特に好適に用いられる。
触媒の添加量は,ポリエステルの繰返し単位1モルに
対し通常0.1×10-4〜100×10-4モル、好ましくは0.5×1
0-4〜50×10-4モル,最適には1×10-4〜10×10-4モル
が適当である。
(実施例) 次に,実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。
なお,特性値の測定法は次のとおりである。
極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を使用
し,20℃で測定した溶液粘度から求めた。
融点Tm及びガラス転移温度Tg パーキンエルマー社製DSC II型を用い,昇温速度20℃
/minで測定した。
流動開始温度Tf フローテスター(島津製作所製CFT−500型)を用い,
直径0.5mm,長さ2.0mmのダイで,荷重を100kg/cm2とし,
初期温度200℃より昇温速度10℃/minで昇温して行き,
ポリマーがダイから流出し始める温度として求めた。
難燃性 JIS K7201規格による限界酸素指数(LOI)を,厚さ1/
16インチの試料について求めた。
熱変形温度 HDT ASTM D648規格に準拠して,厚さ1/8インチ,大荷重で
測定した。
アイゾッド衝撃強度 IZ ASTM D256規格に準拠して,厚さ1/8インチ,ノッチ付
で測定した。(単位はkgf・cm/cm) なお,コポリエステルのサモートロピック液晶性は,
ホットステージ付Leitz偏光顕微鏡により確認した。
実施例1〜5 反応器に,前記式(a)の含リン芳香族ジオールのジ
アセテート(PPQ−A),ハイドロキノンのジアセテー
ト(HQ−A),テレフタル酸(TPA)及びイソフタル酸
(IPA)を第1表に示したモル比で仕込み,窒素雰囲気
下,常圧140℃で2時間,さらに200℃で2時間混合しな
がら反応させた。
その後,順次昇温し,280℃となった時点で減圧を開始
し,さらに昇温して最終的に340℃,1トル以下の減圧下
で,2時間溶融重合した。
得られたコポリエステルは,第1表に示した特性値
(〔η〕,Tm,Tg,Tf及びLOI)を有する色調の優れたサー
モトロピック液晶性コポリエステルであった。(実施例
1,2,4,5で得られたコポリエステルは明瞭なTgを示さな
かった。) 実施例1及び実施例2で得られたコポリエステルの赤
外線吸収スペクトルを第1図及び第2図に示す。
また,上記コポリエステルにフィラーとしてガラス繊
維を30重量%添加し,成形温度350℃,金型温度200℃
で,長さ5インチ×幅1/2インチ×厚さ1/8インチの試験
片に成形し,IZとHDTを測定した結果を併せて第1表に示
す。
なお,実施例1で得られたコポリエステルを,フィラ
ーを添加することなく,成形温度350℃,金型温度70℃
で,同様な試験片に成形し,IZとHDTを測定したところ,I
Z=10.5,HDT=193℃であり,フィラー添加によりHDTが
大幅に向上した。
比較例1 実施例1において,PPQ−AとHQ−Aとのモル比を1/99
に変更したところ,得られたコポリエステルは,融点が
450℃を超えているため,融点に達する前に、450℃から
分解し始め,溶融成形が困難であった。
実施例6 反応器に,前記式(a)の含リン芳香族ジオール(PP
Q),ハイドロキノン(HQ),TPA及び無水酢酸をモル比
で50/50/100/220となるように仕込み,触媒としてジメ
チルスズマレエートをポリエステルの繰り返し単位1モ
ルに対し、4×10-4モル加え,窒素雰囲気下,常圧135
℃で2時間,さらに280℃で2時間混合しながら反応さ
せた。
その後,順次昇温,減圧して反応を行い,最終的に30
0℃,1トル以下の減圧下で,2時間溶融重合した。
得られたコポリエステルは,〔η〕0.76,Tf 294℃,LO
I 65で,色調の優れたサーモトロピック液晶性コポリエ
ステルであった。
また,このコポリエステルにガラス繊維を30重量%充
填した成形物は,IZ 10.3,HDT 247℃を示した。(フィラ
ーを添加しない成形物は,IZ 11.2,HDT 189℃であっ
た。) (発明の効果) 本発明によれば,次のような耐熱性,難燃性高分子化
合物として優れた物性を有する新規なコポリエステルが
提供され,このコポリエステルは高度の耐熱性及び難燃
性の要求される用途に使用されるフイルム,繊維その他
の成形物として有用である。
(i)側鎖に特定の含リン構造単位を有しているので,
高温で使用しても分解が起こらないだけでなく,成形物
としたときにも高度の難燃性を有している。
(ii)主鎖が主として特定の芳香族基で構成されている
ので,サーモトロピック液晶性を形成し易く,機械的特
性に優れており,同時に好ましい流動開始温度を示し,
耐熱性及び成形性に優れている。
(iii)結晶性を有しているので,ガラス繊維等のフィ
ラーを添加すると耐熱性や機械的特性がさらに向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は,それぞれ実施例1及び実施例2で
得られたコポリエステルの赤外線吸収スペクトルを示す
図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式〜で示される構成単位から
    実質的になり,とのモル数の和とのモル数とが実
    質的に等しく,ととのモル数の比が95/5〜20/80で
    あるランダムコポリエステルであって,極限粘度が0.5
    以上である芳香族コポリエステル。 −O−Ar2−O− −OC−Ar3−CO− (式において,Ar1は3価の芳香族基,Ar2及びAr3は2価
    の芳香族基を示す。ただし,芳香環は置換基を有してい
    てもよい。)
  2. 【請求項2】芳香族コポリエステルがサーモトロピック
    液晶性を示す共重合組成を有するものである請求項1記
    載の芳香族コポリエステル。
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