JP2003098557A - 電気泳動表示装置用フィルム基板とその製造方法、及び電気泳動表示装置 - Google Patents

電気泳動表示装置用フィルム基板とその製造方法、及び電気泳動表示装置

Info

Publication number
JP2003098557A
JP2003098557A JP2001294299A JP2001294299A JP2003098557A JP 2003098557 A JP2003098557 A JP 2003098557A JP 2001294299 A JP2001294299 A JP 2001294299A JP 2001294299 A JP2001294299 A JP 2001294299A JP 2003098557 A JP2003098557 A JP 2003098557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
display device
electrophoretic display
film substrate
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001294299A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Ono
善之 小野
Katsuji Takahashi
勝治 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2001294299A priority Critical patent/JP2003098557A/ja
Publication of JP2003098557A publication Critical patent/JP2003098557A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気泳動表示装置の組立工程における高温
での導電膜形成に耐えることができる、耐熱性、力学強
度及び透明性に優れたポリマーフィルムに導電膜を形成
した電気泳動表示装置用フィルム基板、その製造方法、
及び該フィルム基板を用いた電気泳動表示装置を提供す
ること。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸(A)と、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ル(B)とを重縮合して得られる芳香族ポリエステルを
含有するポリエステル組成物からなるポリマーフィルム
を用いた電気泳動表示装置用フィルム基板、その製造方
法、及び該フィルム基板を用いた電気泳動表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気泳動表示装置
に関するものであり、耐熱性、光学特性に優れたフィル
ムを用い、表示特性に優れた電気泳動表示装置を実現す
る電気泳動表示装置用フィルム基板、及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、軽量で、力学強度や製膜性等の
加工性に優れるプラスチック材料は、光学フィルター、
光学レンズおよび光ディスク等の光学素子用材料として
広く使用されている。
【0003】近年、リライタブル記録媒体の開発が盛ん
に行われており、中でも電気泳動表示装置は、ディスプ
レーとしてはもちろん、紙のような使い勝手と印刷物に
類似した表示品位とを特徴として、従来の液晶ディスプ
レーとは異なる表示媒体として実用化が目指されてい
る。電気泳動表示装置とは、電気泳動粒子を利用した表
示装置であり、例えば有色の染料を含んだ分散媒中に白
色の電気泳動粒子を混合し、この分散系をマイクロカプ
セルに封入して、これらのマイクロカプセルを電極板間
に挟持して電圧の印加により分散媒中の荷電粒子(白色
の電気泳動粒子)が移動することを利用して、荷電粒子
と媒体とのコントラストにより表示を行う。
【0004】これらの電気泳動表示装置は、書き換え可
能であることや、表示の保持にエネルギーを要さないか
または十分に小さいことはもちろんのこと、携帯性や、
表示品位に優れること等の特性が求められている。
【0005】一般に、電気泳動表示装置の基板として
は、ポリエチレンテレフタレート等の透明樹脂が使用さ
れている(特開平10−149118号公報等)。ポリ
エチレンテレフタレート樹脂は、可撓性、透明性、靭
性、耐溶剤性等に優れているものの、ガラス転移温度が
81℃であるため、基板上への導電膜の形成を最も好ま
しい条件の180℃以上で行おうとすると、基板の着
色、白化、ソリ等の変形を引き起こし、表示ムラなどに
起因する表示品位低下の問題があった。即ち、180℃
以上の条件で導電膜の作成を行うと、表面抵抗率の小さ
い導電膜が得られ、より線幅を狭くした精細な電極パタ
ーンを作成することができるが、低温で作成した導電膜
は表面抵抗率が大きくなるため、狭い線幅の電極パター
ンでは、電気抵抗が大きくなり過ぎ、低電圧で駆動する
ことができない。そのため、低温で形成できる電極の精
細度にはおのずと限界があり、得られる電気泳動表示装
置の表示品位が低下する問題があった。
【0006】耐熱性に優れたフィルムとして、特開平1
0−306146号公報には、ガラス転移温度が210
℃以上である、耐熱性及び透明性の高い芳香族ポリエス
テルフィルムが開示されている。ここで使用する芳香族
ポリエステルはフィルム化が容易であり、得られたフィ
ルムは力学物性、特に可撓性に優れる。しかし、ここで
は、電気泳動表示装置の基板用としては何も言及されて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、電気泳動表示装置の組立工程における高温
での導電膜形成に十分耐えることができる、耐熱性、力
学強度及び透明性に優れたポリマーフィルムに導電膜を
形成した電気泳動表示装置用フィルム基板、その製造方
法、及び該フィルム基板を用いた電気泳動表示装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、ポリマーフィルムに導電膜を形成してな
る電気泳動表示装置用フィルム基板において、該ポリマ
ーフィルムが、芳香族ジカルボン酸(A)と、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ル(B)とを重縮合して得られる芳香族ポリエステルを
含有するポリエステル組成物からなるポリマーフィルム
である電気泳動表示装置用フィルム基板を提供する。
【0009】また、本発明は、上記課題を解決するため
に、芳香族ジカルボン酸(A)と、3,3’,5,5’
−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(B)とを重
縮合して得られる芳香族ポリエステルを含有するポリエ
ステル組成物をフィルム化し、該フィルム表面に180
℃以上の温度で導電膜を形成する電気泳動表示装置用フ
ィルム基板の製造方法を提供する。
【0010】また、本発明は、上記課題を解決するため
に、芳香族ジカルボン酸(A)と、3,3’,5,5’
−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(B)とを重
縮合して得られる芳香族ポリエステルを含有するポリエ
ステル組成物をフィルム化し、該フィルム表面に導電膜
を形成してなる電気泳動表示装置用フィルム基板を使用
する電気泳動表示装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリエステル組
成物は、芳香族ジカルボン酸(A)と、3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(B)と
を重縮合して得られる芳香族ポリエステルを含有する。
【0012】本発明で使用する芳香族ジカルボン酸
(A)としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,
2’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニル
ジカルボン酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジカル
ボキシジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
【0013】中でも、イソフタル酸又はテレフタル酸を
使用するのが耐熱性と溶媒溶解性のバランスを取る上で
好ましく、イソフタル酸/テレフタル酸のモル比=40
/60〜100/0の範囲内で使用するのが好ましい。
イソフタル酸のモル比は多いほど好ましく、50%また
は60%であることが好ましく、100モル%が最も好
ましい。イソフタル酸の割合が40モル%未満である
と、得られる芳香族ポリエステルの溶媒溶解性が悪く、
良好なキャストフィルムを得ることができない。
【0014】芳香族ジカルボン酸(A)と、3,3’,
5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール
(B)との重縮合において、(A)と(B)とはモル基
準にして1:1の割合で重縮合させることが好ましい。
(A)の割合がこれより大きくなると、重縮合度が低く
なる。また、(A)としてイソフタル酸を使用すると、
より重縮合度の高いポリエステルが得られ、力学強度が
高く、製膜性に優れたフィルムを得ることができ好まし
い。
【0015】また、製造法としては、公知慣用の方法を
用いることができ、製品の着色が少ない溶液重合法、重
縮合度が向上しやすい界面重合法、溶融重合法、脱水縮
合法等が挙げられる。例えば、溶液重合法では、ジカル
ボン酸成分としてジカルボン酸クロリド化合物を用い、
ジカルボン酸クロリド化合物とジオール化合物のモル比
を1対1として重縮合反応を行う。重縮合は溶媒中で、
生成する酸を中和するための塩基を共存させて行う。塩
基としてはピリジン、トリエチルアミン等の窒素系の塩
基を用いる。重縮合溶媒としてはクロロホルム、1,
1,2,2−テトラクロロエタン、N−メチルピロリド
ン等の溶解力の強い溶媒で、生成するポリエステルを溶
解させるものが好ましい。
【0016】重縮合反応開始時点での原料モノマー濃度
は0.1〜3モル/Lが好ましい。原料モノマー濃度が
0.1モル/L未満では反応に時間がかかり、また、重
縮合度が低くなる。モノマー濃度が3モル/Lを超える
場合には、反応系の粘度が上がり過ぎ、ゲル状化を起こ
すおそれがある。
【0017】得られた芳香族ポリエステルは、着色原因
となる未反応原料を除去するために、必要に応じて、減
圧下で、具体的には1×103Pa以下、好ましくは1
×101〜1×103Pa下、更に好ましくは1×101
〜6.5×102Pa下で、使用した溶媒の沸点近傍か
ら、該ポリエステルのガラス転移温度までの温度、好ま
しくは180℃以上から該ガラス転移温度までの温度範
囲内で熱処理してもよい。この熱処理は減圧下で行うこ
とで、より着色の少ない透明なフィルムを得ることがで
きる。
【0018】本発明で使用する芳香族ポリエステルは、
重量平均分子量が2×104〜1×106程度のものであ
り、少なくとも180℃以上のガラス転移温度を有する
ものである。ガラス転移温度は、180〜400℃の範
囲が好ましく、210〜400℃であればなお好まし
い。最も好ましいのは250〜350℃である。
【0019】一般に、電気泳動表示装置の表示ムラなど
の表示品位を改善するには、導電膜の形成を少なくとも
180℃、できれば200℃以上で行うことが好まし
い。従って、基板として使用するフィルムのガラス転移
温度の上限は高温であるほど好ましいが、具体的には1
80℃以上、好ましくは210℃以上、更には250℃
以上であることが望まれる。本発明で使用する芳香族ポ
リエステルは、これに耐えうるものである。
【0020】本発明で使用する芳香族ポリエステルは、
上記に記載した芳香族ジカルボン酸(A)と、3,
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ル(B)以外に、ジカルボン酸として脂肪族ジカルボン
酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸
などのオキシカルボン酸、
【0021】ジヒドロキシ化合物として4,4’−ビフ
ェノール、ヒドロキノン、レゾルシン、メチルヒドロキ
ノン、トリメチルヒドロキノン、クロロヒドロキノン、
t−ブチルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノ
ン、フェニルヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジ
ヒドロキシナフタレン、ビスフェノールAなどの芳香族
ジオール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジオール等
を、得られる芳香族ポリエステルのガラス転移点が18
0℃未満とならない範囲内で、重縮合させてもよい。
【0022】本発明で使用するポリエステル組成物は、
上記製造法により得られた芳香族ポリエステルを含有す
るが、他の成分として、ポリカーボネートや、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリスチレンなどの透明樹脂を含有
していても良い。これらの樹脂は芳香族ポリエステル
と、溶融混練法等の方法で混練し、ポリエステル組成物
とすることができる。
【0023】特に、フィルムの透明性、平坦性を向上す
る目的で、ポリカーボネートを使用することが好まし
く、その含有量は、ポリエステル組成物100質量部に
対して2〜40質量部が好ましい。ポリメチルメタクリ
レート、ポリスチレンなどを使用する場合には、透明性
を損なわない範囲で、また必要な耐熱性を実現できる範
囲で使用することが好ましい。
【0024】また、耐候性、耐酸化劣化性、帯電防止性
を改善するため、各種紫外線吸収剤、酸化防止剤および
帯電防止剤を、透明性と耐熱性を損なわない範囲で添加
してもよい。
【0025】本発明の電気泳動表示装置フィルム基板に
は、上記ポリエステル組成物をフィルム化したポリマー
フィルムを使用する。まず、ポリエステル組成物を、ク
ロロホルム、1−メチルピロリドン、アニソール、テト
ラヒドロフラン、ジクロロメタンなどの良溶媒、もしく
はこれらの混合溶媒に溶解する。溶液の濃度は質量基準
で1〜25%、好ましくは5〜20%とする。溶液濃度
が1%未満では厚いフィルムが得られにくい。また、溶
液濃度が25%を超える場合には溶液の粘度が高すぎ、
溶解及び成膜が事実上困難である。また、フィルムの平
坦性を増すため、界面活性剤等のレベリング剤を使用す
ることも可能である。
【0026】完全に溶解した該ポリエステル組成物溶液
をポリエステルフィルム、ガラス板、テフロン(登録商
標)板などの基板上にコーティングもしくはキャスト
し、使用溶媒の蒸発速度を考慮して、キャストした塗膜
中に激しい熱対流を起こさないように、また溶媒蒸発に
伴うキャスト膜の温度低下による水の凝結を防ぐよう
に、あるいは膜中に気泡の生じないように乾燥温度を設
定し、溶媒を蒸発させ、該ポリマーフィルムを乾燥させ
る。
【0027】更に、乾燥後のポリマーフィルムは、減圧
下で、具体的には1×103(Pa)以下で、好ましく
は1×101〜1×103(Pa)下、更に好ましくは1
×101〜6.5×102(Pa)下で、使用した溶媒の
沸点近傍から、該芳香族ポリエステルのガラス転移温度
までの温度、好ましくは180℃〜該ガラス転移温度ま
での範囲で加熱処理し、未反応原料及び溶媒をできるだ
け除去し、且つフィルム内の残留応力を取り除くことが
好ましい。
【0028】この熱処理は、該ポリマーフィルムを、例
えば2本のリング状の金属枠に挟んで行うことで、フィ
ルムの高温での形状安定性を増すことができる。また、
この熱処理は真空下で行うことで、より着色の少ない透
明なフィルムを得ることができる。これは、真空下で行
うことで、熱により酸化されやすい、あるいは酸化され
た未反応原料を除去することができるためと考えられ
る。
【0029】上記方法によって得られた該ポリマーフィ
ルムの可視光線の平行透過率は84%以上、好ましくは
84〜95%、ヘイズ値は3%以下、好ましくは0.1
〜3%である。
【0030】また、該ポリマーフィルムの力学強度は、
引張強度が6.0Kg/mm2以上、中でも6.0〜3
0.0Kg/mm2であり、引張弾性率が100Kg/
mm2以上、中でも100〜500Kg/mm2であるこ
とが好ましい。また、寸法安定性は、180℃以上の条
件下においても該ポリマーフィルムの平面性が損なわれ
ない程度であることが好ましい。力学強度や寸法安定性
は、電気泳動表示装置の製造工程におけるフィルムの破
断等による歩留まりの低下、及び、該ポリマーフィルム
上に導電膜を形成する際の高温によるフィルムの変形を
避け、得られる電気泳動表示装置の画像品位を保償する
ために重要である。
【0031】該ポリマーフィルム上に導電膜を形成し、
本発明の電気泳動表示装置用フィルム基板を作成する。
導電膜とは透明性、及び導電性を有する膜であり、導電
膜原料としては、一般的に、インジウム−スズ酸化物
や、アルミニウム−ジンク酸化物系材料を使用すること
ができる。
【0032】本発明の電気泳動表示装置用フィルム基板
を得るため、導電膜材料を該ポリマーフィルム上へ形成
する方法としては、スパッタリング、真空蒸着、イオン
プレーティング等の公知の方法を使用することができ
る。透明性、及び導電性に優れる導電膜を得るために、
該ポリマーフィルム上への導電膜の形成条件としては、
該ポリマーフィルムの置かれた雰囲気に含まれる酸素
量、及び該ポリマーフィルムの温度が重要であり、雰囲
気中の酸素が多いほど透明性が増し、該ポリマーフィル
ムの表面温度が高いほど、導電性に優れ表面抵抗の小さ
い導電膜を得ることができる。
【0033】本発明の電気泳動表示装置用フィルム基板
は、主成分である芳香族ポリエステルの耐熱性すなわち
ガラス転移温度が高いため、該ポリマーフィルムの表面
温度を180℃以上にした状態で導電膜を形成させるこ
とができる。得られた導電膜は、膜厚100nmにおい
て1〜100Ωの表面抵抗率を示し、特に1〜30Ωと
いう極めて小さい表面抵抗率の導電膜を得ることができ
る。
【0034】上記方法によって得られた本発明の電気泳
動表示装置用フィルム基板を使用して、電気泳動表示装
置を製造することができるが、電気泳動表示装置の長期
安定性を得るためには、本発明の電気泳動表示装置用フ
ィルム基板、即ち導電膜を形成してなるフィルム基板上
に、ガスバリアー層、ハードコート層、導電膜や各層間
との密着性を増すための密着層等を形成しても良い。
【0035】ガスバリアー層とは、主に空気中の酸素、
水分などがマイクロカプセル内の分散媒中に侵入するの
を防ぐ目的の層を示す。具体的には、ポリビニルアルコ
ール−エチレン共重合体等のポリビニルアルコール共重
合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−
スチレン共重合体のポリアクリロニトリル系共重合体、
ポリビニリデンクロライド等の公知のガスバリアー材料
等を使用することができる。該材料は積層して使用する
こともでき、また酸素に対するバリアー機能を有するポ
リビニルアルコールとの積層体として使用することもで
きる。
【0036】ハードコート層とは、本発明の電気泳動表
示装置用フィルム基板の表面硬度を増すためや、電極パ
ターンを形成するために用いるフォトレジスト現像工程
での該ポリマーフィルムの耐性を付与するために必要に
応じて積層するもので、具体的には、架橋性高分子材
料、例えばシリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂など、も
しくはSi,Al,Ti,Mg,Zrなどから選ばれた
少なくとも1種の金属、あるいは2種以上の金属混合物
の酸化物、窒化物、酸窒化物の薄膜を使用することがで
きる。
【0037】密着層はフィルム基板と導電膜との接着
性、及び上記のガスバリヤー層やハードコート層等によ
り多層化したフィルム基板の各層間の接着性を向上する
ことを目的とした層を示す。本発明で使用するポリマー
フィルムは、密着層無しでも導電膜との接着性は良好で
あるが、特に大きな密着性を要する場合には、必要に応
じ、シリコン系材料、アクリル系材料、アクリル−ウレ
タン系材料およびこれらにシランカップリング剤、もし
くはアルコキシチタンなど含有させた公知の材料を使用
することができる。各層間の密着層としてもこれらの材
料の中から最適な材料を適宜選択できる。
【0038】本発明の電気泳動表示装置用フィルム基板
の厚さは、使用目的により適宜選択され特に制限されな
いが、厚すぎると視差が大きくなって表示品位が低下
し、薄すぎると基板の機械的強度が低下し、また組立工
程での取り扱いに不便であるため、10μm〜1.5m
m、中でも30〜300μmの厚さが好ましい。厚みム
ラは電気泳動表示装置の表示品位に影響するため通常は
±1μm、好ましくは0.1μm以下である。
【0039】本発明の電気泳動表示装置用フィルム基板
に、マイクロカプセルとバインダー及び必要に応じてバ
インダーを固化するための硬化剤からなる混合物を、ド
クターブレード、ロールコータ等の塗工機を使用して塗
布する。次いで、この塗布液の上からスペーサーを挟ん
でもう一枚の該フィルム基板をかぶせて加圧し、マイク
ロカプセルの水平方向の充填間隔を平均化すると共に、
マイクロカプセルの直径に応じた最適な厚みにしてマイ
クロカプセルを単層化する。用いたバインダー及び硬化
剤に応じて減圧下で加熱、もしくは室温で静置してバイ
ンダーを硬化させ本発明の電気泳動表示装置を作成す
る。
【0040】マイクロカプセルは、通常電気泳動表示装
置で使用できるものであればよく、例えば、成書である
「マイクロカプセル」(三共出版株式会社)に記載され
ているような界面重合法マイクロカプセル化法、in
situ 重合マイクロカプセル化法、液中硬化被覆マ
イクロカプセル化法、コアセルベーション法等公知慣用
の方法で作成することが可能である。またマイクロカプ
セル中にはコントラストを得るための荷電粒子が1種も
しくは2種、分散媒と共に封入される必要がある。
【0041】使用するバインダーとしては、マイクロカ
プセルおよび該フィルム基板との接着性が得られるもの
であれば特に限定するものではないが、例えばアクリル
樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、イソシアネート樹
脂などで、透明性の高いものが好ましい。
【0042】使用する硬化剤は、バインダーの種類に応
じて適宜選択され特に限定するものではないが、例えば
光重合開始剤、有機過酸化物、アゾ系重合開始剤等が一
般的であり、その他エポキシ樹脂では有機酸無水物やポ
リアミン、シリコン樹脂では錫触媒等の金属触媒、イソ
シアネート樹脂ではグリコールやジアミンを用いること
が出来る。
【0043】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定される
ものではない。なお、特に断りがない限り「部」又は
「%」は「質量部」又は「質量%」を表す。
【0044】(実施例1)撹拌翼、窒素導入口、還流冷
却管を備えた重合装置にイソフタル酸クロリド406.
0g(2.0モル)、3,3’,5,5’−テトラメチ
ル−4,4’−ビフェノール492.4g(2.0モ
ル)、ピリジン632.8g(8.0モル)、1,1,
2,2−テトラクロロエタン4リットルを仕込み、窒素
を流しながら60℃で4時間、更に100℃で2時間重
縮合させた。その後、反応溶液をメタノール20リット
ル中に徐々に加え沈殿させた。得られた沈殿をろ過し、
メタノール洗浄、更に、アセトン洗浄を行い精製した。
得られた芳香族ポリエステルを真空乾燥機にて、室温か
ら徐々に加温し最終的に240℃で2時間、約400P
aの減圧下で真空乾燥を行い、芳香族ポリエステル(P
E−1)を得た。PE−1の固有粘度を30℃のクロロ
ホルム中にて測定したところ、その値は0.87dl/
gであった。
【0045】次に、PE−1をジクロロメタンとアニソ
ールとからなる混合溶媒に溶解して10%溶液とし、ワ
ーナマチス型のコーターを用いてポリエステルフィルム
上にキャストした。その後、乾燥炉に移し、45℃次い
で90℃で乾燥した。次いで、得られたPE−1のフィ
ルムを円形の枠に固定し、約400Paの減圧下で24
0℃に保たれた真空高温槽中で30分間熱処理し、ポリ
マーフィルムPEF−1aを得た。該フィルムの厚さは
110μmであり、日本電色工業株式会社製ND−10
01DP型を用いて測定した可視光の平行透過率は90
%、ヘイズ値は0.45%であった。
【0046】また、ガラス転移温度をセイコー電子製の
動的粘弾性測定装置を用いてサンプル幅5mm、昇温速
度1℃/分、周波数1Hzの条件で測定したところ,t
anδピーク温度から見たガラス転移温度は267℃で
あった。PEF−1aの引張強度は8.0Kg/m
2、引っ張り弾性率は190Kg/mm2であった。膜
厚ムラは±0.1μmであった。表面硬度は鉛筆硬度2
Hだった。
【0047】PEF−1a上にインジウム−スズ酸化物
薄膜層をパターン形成した。始めに透明導電膜を基板上
に被着した。即ちインジウム−スズ酸化物をターゲット
とし、アルゴンと酸素の混合気体を、雰囲気圧力が0.
25Paとなるように流した。ターゲットには260V
の電圧をかけ、PEF−1aを試料台上に固定し、基板
温度を200℃にして、膜厚が100nmになるまでス
パッタリング処理を行った。その結果得られた導電膜の
表面抵抗率は20Ωであった。この工程でのフィルム基
板の変形、着色は全く見られなかった。次いでその表面
に電極形状のレジスト膜をフォトリソグラフィ法にてパ
ターン形成し、エッチング、洗浄の各工程を経て透明電
極を形成した。得られた電気泳動表示装置用フィルム基
板をPEF−1bとする。
【0048】次に、エバール樹脂EP−F101(クラ
レ株式会社)をプロパノールと水からなる混合溶液に溶
解した後、この溶液を、電気泳動表示装置用フィルム基
板PEF−1bの導電膜と反対側の面にワーナマチス型
のコータを用いて塗布し、60℃で10分、90℃で1
5分間乾燥して厚さ20μmの膜を形成し、ガスバリア
ー膜を形成した。その後、ガスバリアー膜の上にハード
コート層として、98質量部のルミキュアーDPA−6
00と2質量部のイルガキュア184とからなるUV硬
化型組成物をワーナマチス型のコータを用いて塗布し、
照射量120mJ/cmのUV光で処理して厚さ8μ
mのハードコート層を形成した。得られた電気泳動表示
装置用フィルム基板の多層膜をPEF−1cとする。
【0049】マイクロカプセルは、硫化亜鉛15部、ド
デシル硫酸ナトリウム1.0部、テトライソプロピルビ
ス(ジオクチルホスファイト)チタネート0.5部、N
ichiilon Navy Blue ASN(日成
化成(株))1.5部、ヘキシルベンゼン82部とを超
音波分散により混和し、これをアラビアゴムとゼラチン
を用いてコアセルベーション法によりマイクロカプセル
化した物を用いた。得られたマイクロカプセル35部、
バインダーとして信越化学工業(株)のシリコン化合物
X−41−7001を15部(硬化触媒としてCAE−
ASを含む)、水50部を混合しマイクロカプセル分散
液とした。
【0050】該マイクロカプセル分散液を、2枚のPE
F−1cの間に挟み、ロールコータにて加圧、密着して
成形し、室温で硬化させることで電気泳動表示装置を得
た。
【0051】上記方法により得られた電気泳動表示装置
はコントラストが均一であると共に、鮮明なドット表示
が可能であることを確認した。
【0052】(実施例2)撹拌翼、窒素導入口を備えた
重縮合装置に3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ビフェノール24.13g(0.098モル)
を、水酸化ナトリウム10gを含む300mlの脱酸素
水に溶解し水溶液を得た。別に、0.78gのメチルト
リオクチルアンモニウムクロライド、イソフタル酸クロ
リド15.83g(0.078モル)、テレフタル酸ク
ロリド4.06g(0.020モル)を50mlの脱酸
素したトルエンに溶解させトルエン溶液を得た。
【0053】水溶液を窒素気流下で撹拌しながら、トル
エン溶液を加え、25℃で30分間撹拌を続けた。次い
で、水溶液相を傾斜法にて取り除いた。生成物を含むト
ルエン溶液相を蒸留水で繰り返し洗浄した後に、アセト
ン浴に注ぎ沈殿を得た。得られた沈殿を繰り返しアセト
ンで洗浄して芳香族ポリエステルを得た。その後、真空
乾燥機にて、室温から徐々に加温し最終的に240℃で
2時間、約400Paの減圧下で真空乾燥して35gの
芳香族ポリエステル(PE−2)を得た。この芳香族ポ
リエステルを30℃のクロロホルム中にて固有粘度を測
定したところ0.97dl/gであった。
【0054】さらにPE−2をジクロロメタンとアニソ
ールとからなる混合溶媒に溶解して10%溶液とし、ワ
ーナマチス型のコーターを用いてポリエステルフィルム
上にキャストした。これをその後乾燥炉に移し、45℃
次いで90℃で乾燥した。更に、得られたフィルムを円
形の枠に固定し約400Pa、240℃に保たれた真空
の高温槽中で熱処理しポリマーフィルムPEF−2aを
得た。
【0055】最終的に得られたポリマーフィルム、PE
F−2aの厚さは80μmであった。PEF−2aの可
視光の平行透過率は90%であり、ヘイズ値は0.44
%であった。実施例1と同様にして測定したガラス転移
温度は270℃であった。また引張強度は9.9Kg/
mm2、弾性率194Kg/mm2であった。膜厚ムラは
±0.08μmであった。PEF−2aの表面硬度は鉛
筆硬度2Hだった。
【0056】以下、実施例1と同様にしてPEF−2a
上にインジウム−スズ酸化物薄膜層をフォトマスクとス
パッタリングとにより形成した。得られた導電膜の表面
抵抗率は20Ωであった。この工程でのフィルム基板の
変形、着色は全く見られなかった。得られた電気泳動表
示装置用フィルム基板をPEF−2bとする。
【0057】次いで、実施例1と同様にして、ガスバリ
アー膜、厚さ8μmのハードコート層を形成した。得ら
れた電気泳動表示装置用フィルム基板の多層膜をPEF
−2cとする。次に、実施例1と同様にして電気泳動表
示装置を得た。この電気泳動表示装置はコントラストが
均一であると共に、鮮明なドット表示が可能であること
を確認した。
【0058】(実施例3)撹拌翼、窒素導入口を備えた
重縮合装置に3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ビフェノール24.13g(0.098モル)
を、水酸化ナトリウム10gを含む300mlの脱酸素
水に溶解し水溶液を得た。別に、0.78gのメチルト
リオクチルアンモニウムクロライド、イソフタル酸クロ
リド14.00g(0.069モル)、テレフタル酸ク
ロリド5.89g(0.029モル)を50mlの脱酸
素したトルエンに溶解させトルエン溶液を得た。
【0059】以下、実施例2と同様に処理し35gの芳
香族ポリエステルを得た(PE−3)。30℃のクロロ
ホルム中にてPE−3の固有粘度を測定したところ、
0.95dl/gであった。更に実施例2と同様にキャ
ストフィルムを得、熱処理を行いポリマーフィルムPE
F−3aを得た。
【0060】PEF−3aの厚さは30μmであった。
PEF−3aの可視光の平行透過率は90%であり、ヘ
イズ値は0.23%であった。実施例1と同様にして測
定したガラス転移温度は276℃であった。また引張強
度は10.3Kg/mm2、弾性率183Kg/mm2
あった。膜厚ムラは±0.06μmであった。PEF−
3aの表面硬度は鉛筆硬度2Hだった。
【0061】次いで実施例1と同様にPEF−3a上に
インジウム−スズ酸化物薄膜層をフォトマスクとスパッ
タリングとにより形成した。得られた導電膜の表面抵抗
率は20Ωであった。この工程でのフィルム基板の変
形、着色は全く見られなかった。得られた電気泳動表示
装置用フィルム基板をPEF−3bとする。
【0062】次いで、実施例1と同様にして、ガスバリ
アー膜、厚さ8μmのハードコート層を形成した。得ら
れた電気泳動表示装置用フィルム基板の多層膜をPEF
−3cとする。次に、実施例1と同様にして電気泳動表
示装置を得た。この電気泳動表示装置はコントラストが
均一であると共に、鮮明なドット表示が可能であること
を確認した。
【0063】(実施例4)上記実施例2で用いたものと
同じ芳香族ポリエステル90質量部に、市販のポリカー
ボネートであるユーピロン−S2000(三菱瓦斯化学
株式会社製)を10質量部加え、ジクロロメタンと1,
1,2トリクロロエタンからなる混合溶媒に溶解した。
これをワーナマチス型のコーターを用いてポリエステル
フィルム上にキャストし、これをその後乾燥炉に移して
50℃次いで110℃で乾燥した。
【0064】次いで、得られたキャストフィルムを円形
の枠に固定し、約400Pa、220℃に保たれた真空
高温槽中で30分間熱処理した。得られたポリマーフィ
ルムPEF−4aの厚さは110μmであり、可視光の
平行透過率は90%、ヘイズ値は0.4%であった。ま
た、実施例1と同様にして測定したガラス転移温度は2
56℃であった。また、引張強度は10.0Kg/mm
2、引っ張り弾性率は190Kg/mm2であった。膜厚
ムラは±0.1μmであった。表面硬度は鉛筆硬度2H
だった。
【0065】次いで実施例1と同様にPEF−4a上に
インジウム−スズ酸化物薄膜層をフォトマスクとスパッ
タリングとにより形成した。得られた導電膜の表面抵抗
率は20Ωであった。この工程でのフィルム基板の変
形、着色は全く見られなかった。得られた電気泳動表示
装置用フィルム基板をPEF−4bとする。
【0066】次いで、実施例1と同様にして、ガスバリ
アー膜、厚さ8μmのハードコート層を形成した。得ら
れた電気泳動表示装置用フィルム基板の多層膜をPEF
−4cとする。次に、実施例1と同様にして電気泳動表
示装置を得た。この電気泳動表示装置はコントラストが
均一であると共に、鮮明なドット表示が可能であること
を確認した。
【0067】(比較例1)市販のポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ルミラーS10(東レ(株))に対し
て実施例1と同様に導電膜の形成を試みたが、インジウ
ム−スズ酸化物薄膜層をスパッタリングにより形成する
際、フィルムの耐熱性の問題から基板温度を100℃ま
でしか上げることができず、得られた導電膜の表面抵抗
率は97Ωと高かった。得られた電気泳動表示装置用フ
ィルム基板をPER−1とする。
【0068】次いで、実施例1と同様のマイクロカプセ
ル分散液を、2枚のPER−1の間に挟み、ロールコー
タにて加圧、密着して成形し、電気泳動表示装置を得
た。この電気泳動表示装置は駆動電圧を高くしても精細
な表示をすることができなかった。
【0069】(比較例2)市販のポリカーボネートであ
るユーピロン−S2000(三菱瓦斯化学株式会社製)
を実施例1と同じようにジクロロメタンと1,1,2ト
リクロロエタンからなる混合溶媒に溶解して10%溶液
とし、ワーナマチス型のコーターを用いてポリエステル
フィルム上にキャストした。
【0070】これをその後乾燥炉に移し、50℃次いで
110℃で乾燥した。得られたポリマーフィルムPER
−2aのガラス転移温度を実施例1と同様にして測定し
たところ154℃であった。
【0071】PER−2aに対して実施例1と同様に導
電膜の形成を試みたが、インジウム−スズ酸化物薄膜層
をスパッタリングにより形成する際、フィルムの耐熱性
の問題から基板温度を110℃までしか上げることがで
きず、得られた導電膜の表面抵抗率は83Ωと高かっ
た。得られた電気泳動表示装置用フィルム基板をPER
−2bとする。
【0072】次いで、実施例1と同様のマイクロカプセ
ル分散液を、2枚のPER−2bの間に挟み、ロールコ
ータにて加圧、密着して成形し、電気泳動表示装置を得
た。この電気泳動表示装置は駆動電圧を高くしても精細
な表示をすることができなかった。
【0073】(比較例3)市販のポリアリレートである
U−100(ユニチカ株式会社製)を実施例1と同じよ
うにジクロロメタンとアニソールからなる混合溶媒に溶
解して6%溶液とし、ワーナマチス型のコーターを用い
てポリエステルフィルム上にキャストした。これをその
後乾燥炉に移し、45℃次いで90℃で乾燥した。
【0074】更に、得られたポリマーフィルムを円形の
枠に固定し150℃に保たれた高温槽中で熱固定した。
得られたフィルムPER−3aのガラス転移温度をのガ
ラス転移温度を実施例1と同様にして測定したところ2
03℃であった。
【0075】PER−3aについて実施例1と同様に導
電膜の形成を試みた。インジウム−スズ酸化物薄膜層を
スパッタリングにより形成する際、基板温度を200℃
にしたところ、ポリアリレートU−100の軟化点であ
る175℃を越えてしまったためか、基板が変形した。
このため、基板温度を150℃に下げて、膜厚が100
nmになるまでスパッタリング処理を行った。得られた
フィルムPER−3bの導電膜の表面抵抗率は60Ωと
高い値を示した。
【0076】次いで、実施例1と同様のマイクロカプセ
ル分散液を、先に調製した該フィルム基板2枚の間に挟
み、ロールコータにて加圧、密着して成形し、電気泳動
表示装置を得た。この電気泳動表示装置は電圧を高くし
ても精細な表示をすることができなかった。
【0077】
【発明の効果】本発明の電気泳動表示装置用フィルム基
板は、耐熱性および力学強度が高いため、電気泳動表示
装置の組立工程における高温での導電膜形成に十分耐え
ることができ、耐熱性、力学強度及び透明性に優れる。
また、導電膜を高温で形成することにより表面抵抗の小
さな導電膜を得ることができ、高精細な電気泳動表示装
置を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA35 AB74 BA07 CA01 DA01 4J029 AA04 AB07 AC01 AC02 AD07 AE03 BB10B CB05A CB06A CB10A CC05A CC06A CD03 CF08 HA01 HB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーフィルムに導電膜を形成してな
    る電気泳動表示装置用フィルム基板において、該ポリマ
    ーフィルムが、芳香族ジカルボン酸(A)と、3,
    3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
    ル(B)とを重縮合して得られる芳香族ポリエステルを
    含有するポリエステル組成物からなるポリマーフィルム
    であることを特徴とする電気泳動表示装置用フィルム基
    板。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリエステルのガラス転移温度
    が、180℃を越える温度である請求項1に記載の電気
    泳動表示装置用フィルム基板。
  3. 【請求項3】 芳香族ジカルボン酸(A)として、イソ
    フタル酸又はテレフタル酸を、イソフタル酸/テレフタ
    ル酸のモル比=40/60〜100/0の範囲内で使用
    する、請求項1に記載の電気泳動表示装置用フィルム基
    板。
  4. 【請求項4】 芳香族ジカルボン酸(A)と、3,
    3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
    ル(B)とを重縮合して得られる、ガラス転移温度が1
    80℃を越える温度である芳香族ポリエステルを含有す
    るポリエステル組成物をフィルム化し、該フィルム表面
    に180℃以上の温度で導電膜を形成することを特徴と
    する電気泳動表示装置用フィルム基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 該ポリエステル組成物をフィルム化した
    後、減圧下、180℃以上の温度から芳香族ポリエステ
    ルのガラス転移温度までの範囲内の温度でフィルムを加
    熱処理する、請求項4に記載の電気泳動表示装置用フィ
    ルム基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 芳香族ジカルボン酸(A)と、3,
    3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
    ル(B)とを重縮合して得られる芳香族ポリエステルを
    含有するポリエステル組成物をフィルム化し、該フィル
    ム表面に導電膜を形成してなる電気泳動表示装置用フィ
    ルム基板を使用することを特徴とする、電気泳動表示装
    置。
JP2001294299A 2001-09-26 2001-09-26 電気泳動表示装置用フィルム基板とその製造方法、及び電気泳動表示装置 Pending JP2003098557A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001294299A JP2003098557A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 電気泳動表示装置用フィルム基板とその製造方法、及び電気泳動表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001294299A JP2003098557A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 電気泳動表示装置用フィルム基板とその製造方法、及び電気泳動表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003098557A true JP2003098557A (ja) 2003-04-03

Family

ID=19115933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001294299A Pending JP2003098557A (ja) 2001-09-26 2001-09-26 電気泳動表示装置用フィルム基板とその製造方法、及び電気泳動表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003098557A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005114821A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Toppan Printing Co Ltd 反射型ディスプレイ用表示パネル及び反射型ディスプレイ
JP2007254663A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Fujifilm Corp 樹脂、並びに、これを用いた光学材料、フィルムおよび画像表示装置
JP2008089768A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Ricoh Co Ltd 表示装置の製造方法及びその表示装置を備えた電気泳動表示装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005114821A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Toppan Printing Co Ltd 反射型ディスプレイ用表示パネル及び反射型ディスプレイ
JP2007254663A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Fujifilm Corp 樹脂、並びに、これを用いた光学材料、フィルムおよび画像表示装置
JP2008089768A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Ricoh Co Ltd 表示装置の製造方法及びその表示装置を備えた電気泳動表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0196528B1 (en) Aromatic polyester film having silicone resin layer and liquid crystal display panel made therof
TWI247785B (en) Ink-jet ink composition for color filter, production method for ink composition, and production method for color filter
JP5615134B2 (ja) 透明基板の製造方法
JPH10251646A (ja) 液晶配向剤
TWI272631B (en) Method for forming microstructures on a substrate using a mold
JP5480774B2 (ja) 透明基板
JP3370205B2 (ja) 透明導電基板
TWI248872B (en) Highly antistatic laminate
JP2006263929A (ja) 透明バリア性シート
JP2010274646A (ja) 成型用積層ポリエステルフィルム
TW513731B (en) Transparent conductive film and electroluminescent panel consisted of the laminate using the same
JP2011156848A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2003098557A (ja) 電気泳動表示装置用フィルム基板とその製造方法、及び電気泳動表示装置
WO2016080256A1 (ja) 空洞含有積層ポリエステルフィルム
JP2010153153A (ja) 光透過性導電性材料
US7682672B2 (en) Negative C-type compensation film and method of preparing the same
JP4264438B2 (ja) 版式印刷用インキ、スペーサーおよび表示用デバイス
JPH05127150A (ja) 液晶表示膜及びその作成方法
JPH11152475A (ja) 液晶配向剤
JP2008030369A (ja) リライト記録媒体用基材フィルム及びリライト記録媒体
JP5493939B2 (ja) 白色積層ポリエステルフィルム
JP4719365B2 (ja) 液晶表示素子
JP2002121301A (ja) ディスプレー用フィルム基板およびその製造方法
JP4066020B2 (ja) ポリマーフィルムの製造方法
JP2006524276A (ja) ポリアリールフィルムを含む光学媒体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050822