JPH11147293A - 高接着性化粧シート - Google Patents

高接着性化粧シート

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JPH11147293A
JPH11147293A JP33234797A JP33234797A JPH11147293A JP H11147293 A JPH11147293 A JP H11147293A JP 33234797 A JP33234797 A JP 33234797A JP 33234797 A JP33234797 A JP 33234797A JP H11147293 A JPH11147293 A JP H11147293A
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resin
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sheet
decorative sheet
adhesive
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JP33234797A
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Kazuhiko Shimizu
和彦 清水
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シート
は、基材シートと絵柄層、絵柄層と表面樹脂層との接着
力が不足して、基材シートにコロナ処理やプライマー層
を形成しているが、建材用の化粧シートとしては充分な
接着力が得られず、曲げ加工等の後加工の際に剥離を生
じることがある。 【解決手段】 着色基材シート11のオレフィン系樹脂と
して、易接着性オレフィン系熱可塑性エラストマー樹
脂、官能基を付加したオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー樹脂、又はこれらの樹脂をブレンドした樹脂を使用
し、この着色基材シート11の上に、印刷により絵柄層12
を形成し、その絵柄層12の上に、オレフィン系熱可塑性
樹脂、又はアクリル系樹脂からなる透明な熱可塑性樹脂
層13を積層して高接着性化粧シート1 を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両の内装等に用いられる高意匠性の化
粧シートに関するものである。特に、化粧シートの着色
基材シートとして易接着性のオレフィン系熱可塑性樹脂
を用いて、基材シートと印刷絵柄層との接着力を高め、
基材シートにオレフィン系熱可塑性樹脂を使用したとき
の接着性等の欠点を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の壁、天井等の内装、家
具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧
シートは、その基材シートにポリ塩化ビニルシートが多
く使用されている。例えば、ポリ塩化ビニルシートに木
目模様等を印刷し、これに透明なポリ塩化ビニルシート
を積層したものや、更に、透明なポリ塩化ビニルシート
にエンボス加工を施したものがある。また、ポリ塩化ビ
ニルシートに代わるものとして、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂シートを使用した化
粧シートが提案されている(特開昭54ー62255号
公報参照)。
【0003】また、ポリオレフィン系樹脂シートを使用
した化粧シートは、紫外線により絵柄印刷層が変色した
り、経時的にポリオレフィン系樹脂シートが劣化し、基
材シート又は被着体との接着強度が低下して剥離が生じ
たり、曲げ加工等の後加工適性に問題が発生することが
あるため、紫外線吸収剤を添加した透明なトップコート
層を形成して、紫外線による印刷層等の劣化を防止して
いるものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリ塩化ビニ
ル製のシートを用いた化粧シートは、廃棄されて焼却さ
れた場合、塩酸ガスやダイオキシンの発生の恐れがある
と言われているため、使用後の廃棄処理に問題がある。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂シートを使用した化粧シートは、極性基を持た
ないため、絵柄層を形成する場合、印刷インキとの接着
力を向上させるために、易接着層を設ける必要があっ
た。即ち、オレフィン系樹脂シートの表面にコロナ処理
を施す方法やプライマー層を形成する方法等がが採られ
ているが、建材用に使用される化粧シートとしては充分
な接着力を得ることはできなかった。そのため、基材シ
ートと絵柄印刷層、絵柄印刷層と表面層(透明な樹脂
層)との接着強度の高い化粧シートが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、化粧シートの基材シートに易接着性のオレフィン系
熱可塑性樹脂を使用し、化粧シートの構成を以下のよう
にした。易接着性のオレフィン系熱可塑性エラストマー
樹脂、官能基を付加したオレフィン系熱可塑性エラスト
マー樹脂、又はこれらの樹脂をブレンドした樹脂に、着
色剤、無機充填剤等を添加した樹脂組成物からなる着色
基材シートに、絵柄層及び透明な熱可塑性樹脂層が形成
されていることを特徴とする高接着性化粧シートとし
た。また、前記透明な熱可塑性樹脂層が、オレフィン系
熱可塑性樹脂、又はアクリル系樹脂であることを特徴す
る高接着性化粧シートとした。更に、前記着色基材シー
トと絵柄層の間、又は/及び前記絵柄層と透明な熱可塑
性樹脂層の間に接着剤層を設けて、各層間の接着力を向
上させたことを特徴とする高接着性化粧シートとした。
そして、前記化粧シートの表面に、エンボス模様を形成
し、該エンボス模様にワイピング加工を施し、その上に
オーバープリント層を形成した高接着性化粧シートと
し、また、前記高接着性化粧シートの裏面に、プライマ
ー層を形成した高接着性化粧シートとした。
【0006】即ち、本発明の高接着性化粧シート(基材
シートと絵柄層、絵柄層と表面樹脂層等、層間接着力の
高い化粧シートをいう)は、易接着性のオレフィン系熱
可塑性エラストマー樹脂、官能基を付加したオレフィン
系熱可塑性エラストマー樹脂、又はこの両者の樹脂をブ
レンドした樹脂を用い、これに着色剤、無機充填剤等を
添加して着色シートを作製し、この着色シートを着色基
材シートとして使用したことに特徴がある。
【0007】また、本発明の化粧シートは、上記着色基
材シートに絵柄層を形成した後、その上に、オレフィン
系熱可塑性樹脂、又はアクリル系樹脂からなる透明な熱
可塑性樹脂層を形成したものである。更に、着色基材シ
ートと絵柄層の間、又は絵柄層と透明な熱可塑性樹脂層
の間、或いは着色基材シートと絵柄層の間、及び絵柄層
と透明な熱可塑性樹脂層の間に接着層を設けて、各層間
の接着力を向上させたものである。該接着層は、プライ
マー層(又はアンカーコート層)、及びドライラミネー
ションやウェットラミネーション等に使用する接着剤層
の両方を含むものである。そして、上記化粧シートに
は、意匠性を高めるために、エンボス加工とワイピング
加工を施した。また、本発明の化粧シートを接着剤を介
して被着体に接着する際に、被着体との接着力を向上さ
せるために、化粧シートの裏面にプライマー層を形成し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照にしながら本
発明を詳細に説明する。図1は本発明の化粧シートの一
例を示した模式断面図である。図2は本発明の化粧シー
トの別の態様で、着色基材シートと絵柄層の間、絵柄層
と透明な熱可塑性樹脂層の間に接着層を設けたときの模
式断面図である。図3は本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。図4は実施例1により本発明の化
粧シートを作製するときの説明図である。図5は実施例
2により本発明の化粧シートを作製するときの説明図で
ある。図6は実施例3により本発明の化粧シートを作製
するときの説明図である。図7は実施例4により本発明
の化粧シートを作製するときの説明図である。図8は実
施例5により本発明の化粧シートを作製するときの説明
図である。
【0009】本発明の高接着性化粧シートは、図1に示
すように、基本的には、易接着性のポリオレフィン系樹
脂と着色剤からなる着色基材シート11に印刷により絵
柄層12を設け、その上に透明な熱可塑性樹脂層13を
形成したものである。そして、本発明の高接着性化粧シ
ートは、基材シートの樹脂として、易接着性のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー樹脂、官能基を付加したオレ
フィン系熱可塑性エラストマー樹脂、又はこの両者の樹
脂をブレンドした樹脂を用い、また、透明な熱可塑性樹
脂として、オレフィン系熱可塑性樹脂、又はアクリル系
樹脂を用い、着色基材シート11と絵柄層12、絵柄層
12と透明な熱可塑性樹脂層13の層間の接着性を向上
させたことに特徴がある。また、本発明の高接着性化粧
シートは、図2に示すように、着色基材シート11と絵
柄層12の間にプライマー層15(その他の易接着
層)、及び絵柄層12と透明な熱可塑性樹脂層13の間
にプライマー層と接着剤層14を設けて、各層間の接着
力を更に強力なものにしたものである。更に、化粧シー
トの裏面にプライマー層15を形成して、被着体に接着
剤を介して接着するときに、被着体との接着力を向上さ
せたものである。
【0010】即ち、本発明の高接着性化粧シートは、基
材シートの樹脂として、易接着性のオレフィン系熱可塑
性エラストマー樹脂、官能基を付加したオレフィン系熱
可塑性エラストマー樹脂、又はこの両者の樹脂をブレン
ドした樹脂を用いて、基材シートとして接着性のよいも
のを使用した。また、化粧シートの表面保護層として、
基材シートと接着性のよい透明なポリオレフィン系樹
脂、又は透明なアクリル樹脂を使用することにより、絵
柄層との接着力を向上させたものである。また、着色基
材シート11と絵柄層12の間の接着力を高めるため
に、図2に示すように、着色基材シート11の上にプラ
イマー層15を形成したり、更にプライマー層及び接着
剤層を形成したりして、絵柄層12を設けることがあ
る。同様に、絵柄層12の上に、接着剤層14を形成し
て透明な熱可塑性樹脂層13を積層して、図2に示すよ
うな高接着性化粧シートを得る。
【0011】次に、本発明の高接着性化粧シートの製造
方法について説明する。先ず、易接着性のオレフィン系
熱可塑性エラストマー樹脂、官能基を付加したオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー樹脂、又はこの両者の樹脂を
ブレンドした樹脂に着色剤、無機充填剤、光安定剤等を
添加し、この着色樹脂を用いて公知の方法により着色シ
ートを作製して、図3(a)に示すように、着色基材シ
ート11とする。この着色基材シート11の表面に、図
3(a)に示すように、プライマー層15を形成した後
に、印刷インキ等を用いて絵柄層12を形成する。
【0012】次いで、上記絵柄層12の上に、プライマ
ー層15を形成後、接着剤を用いて接着剤層14を形成
し、この接着剤層14を介して、透明な熱可塑性樹脂層
13を積層して高接着性化粧シート1を作製する。透明
な熱可塑性樹脂層13の積層方法としては、オレフィン
系熱可塑性樹脂、又はアクリル系樹脂からなるシート
(又はフィルム)を2液硬化型の接着剤を用いてドライ
ラミネーション法により積層する方法がある。また、絵
柄層を形成した着色基材シートに、オレフィン系熱可塑
性樹脂を溶融押出ししてラミネートする方法、所謂エク
ストルージョン法による積層する方法がある。更に、エ
ンボスロールを用いてダブリングエンボス法により、オ
レフィン系熱可塑性樹脂、又はアクリル系樹脂からなる
シートと絵柄層を形成した着色基材シートを貼り合わせ
る方法もある。
【0013】本発明に用いられる易接着性オレフィン系
熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、オレフィン
系共重合体ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、
例えば、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重
合体、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブテン、ポ
リイソブチレンのごときポリα−オレフィン、およびポ
リブタジエン、ポリイソプレンの如きポリジオレフィン
或いはこれらの共重合体等と、例えば、カルボン酸、カ
ルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、
カルボン酸アミドないしイミド、アルデヒド、ケトン等
に基づくカルボニル基を単独で、或いはシアノ基、ヒド
ロキシ基、エーテル基、オキシラン環等との組み合わせ
で有する極性基を有するエチレン系不飽和単量体の1種
または2種以上との共重合体等が挙げられる。
【0014】極性基を有するエチレン系不飽和単量体
は、 A.エチレン系不飽和カルボン酸:アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、シトラシコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジル
ポン酸等、 B.エチレン系不飽和無水カルボン酸:無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等、 C.エチレン系不飽和エステル:アクリル酸エチル、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、マ
レイン酸モノまたはジエチル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−N−
エチルアミノエチルアクリレート等、 D.エチレン系不飽和アミドないしイミド:アクリルア
ミド、メタクリルアミド、マレイミド等、 E.エチレン系不飽和アルデヒドないしケトン:アクロ
レイン、メタクロレイン、ビニルメチルケトン、ビニル
プチルケトン等、 が挙げられる。易接着性透明オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーとして、好ましいものは、ホモの非塩素系変性
ポリレフィンやランダム重合した非塩素系変性ポリオレ
フィンである。尚、上記カルボン酸塩としては、以下の
金属イオンが用いられる。1価金属イオンとして、Na
+ 、K +、 Li+ 、Cs+ 、Ag+ 、Hg+ 、Cu+
があり、2価金属イオンとして、Be++、Mg++、Ca
++、Ba++、Cu++、Cd++、Hg++、Sn++、P
++、Fe++、Co++、Ni++、Zn++、3価金属イオ
ンとしては、A1+++ 、Sc+++ 、Fe+++ 、Yt+++
が挙げられる。尚、中和度は共重合体カルボン酸を金属
イオンで中和した後のMIが2〜20の範囲程度とす
る。
【0015】また、官能基を付加したオレフィン系熱可
塑性エラストマー樹脂としては、極性基を持たないポリ
プロピレン系、ポリエチレン系等のオレフィン樹脂にグ
ラフト重合により 、無水マレイン酸、エチレン−酢酸
ビニル等の単量体の極性基を付与して接着性をもたせた
もの、又はこれをハードセグメントとし、ソフトセグメ
ントとしてのオレフィン系エラストマーとからなるエラ
ストマー樹脂が挙げられる。
【0016】本発明に用いられる着色剤は、基材シート
に化粧シートとしての必要な色彩をもたせるものであ
り、基材シートの樹脂に、必要に応じて、顔料又は染料
からなる着色剤を添加して着色する。基材シートの着色
は、用途に応じて透明着色、不透明着色が用いられる
が、一般的には被着体の表面を隠蔽することが必要であ
り着色不透明が好ましい。着色剤として、チタン白、亜
鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カ
ーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、バン
ザイイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4
R、フタロシアニンブルー等の有機顔料あるいは染料、
アルミニウム、真珠等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲
母、塩基性炭酸亜鉛等、の箔粉からなる真珠光沢顔料等
が用いられる。また、必要に応じて、無機充填剤を添加
してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、
タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミ
ニウム)等の粉末等が挙げられる。
【0017】本発明の基材シートとしてポリオレフィン
系樹脂シートを用いる場合、その基材シートの表面に
は、印刷インキや透明なオレフィン系熱可塑性樹脂との
接着性を向上させるために、コロナ放電処理、プラズマ
処理、易接着層の形成等の易接着性処理が施される。易
接着層(プライマー層或いはアンカー層ともいう)とし
ては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニルー
酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン等の樹脂を溶媒に溶解した塗工液が使用されるが、特
にポリウレタン樹脂が望ましい。上記樹脂を溶媒に溶解
した塗工液を、公知の方法で塗布、乾燥して易接着層と
することにより、ポリオレフィン系樹脂の基材シートと
印刷層や透明なオレフィン系熱可塑性樹脂との接着力を
強力なものにできる。
【0018】アクリルとしては、,ポリ(メタ)アクリ
ル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独
又は共重合体からなるアクリル樹脂(但し、此処で(メ
タ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味する
ものとし以下同様とする)が使用される。ポリウレタン
とはポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシ
アネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンであ
る。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を
有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステ
ルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられ
る。又、イソシアネートとしては、分子中に2個以上の
イソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いら
れる。例えば、2,4トリレンジイソシアネート、キシ
レンジイソシアネート、4,4ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の芳香族イソシアネート、或いはへキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネー
トが用いられる。
【0019】基材シートに設ける絵柄印刷層としては、
グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印
刷、転写シートからの転写印刷等公知の印刷法を用いて
絵柄層を形成する。絵柄層の模様としては、木目模様、
石目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは
全面べタ印刷等がある。絵柄層を設ける印刷インキとし
ては、バインダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、等を一種又
は二種以上混合した用い、これに公知の顔料、染料、充
填剤、その他の添加剤等を添加したものを用いる。ポリ
オレフィン系樹脂シートに直接印刷する場合は、バイン
ダーとして塩素化ポリオレフィン、ポリウレタン、アク
リル等は接着性の点で好ましいが、前述のように、易接
着性プライマーを適当に選択して層形成すれば、この他
のバインダーを用いても十分な接着性を得ることができ
る。インキの着色剤としては、前述のように、基材シー
トの着色剤として挙げたものが使用できる。
【0020】本発明に用いる透明な熱可塑性樹脂として
は、オレフィン系熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重
合体等が使用できるが、本発明においては、特に、オレ
フィン系熱可塑性樹脂、アクリル樹脂が好適である。ま
た、オレフィン系熱可塑性樹脂の中でも、建材用に使用
する場合は、耐熱性のあるポリプロピレン系が好まし
い。
【0021】透明なポリオレフィン系樹脂としては、ポ
リエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・ブテンー1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・
ブテンー1共重合体、ポリブテン一1、ブテンー1・プ
ロピレン・エチレン・3元共重合体、ブテンー1・ヘキ
センー1・オクテンー1・3元共重合体、ポリメチルペ
ンテン等の樹脂単独又は2種以上混合したものが挙げら
れる。
【0022】また、柔軟性、加工性を向上させる目的
で、上記樹脂にエラストマー成分を併用して用いること
ができる。エラストマー成分としては、ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラスト
マー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどの熱可
塑性エラストマーが挙げられる。尚、この内、ポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーは、単独でも透明なポリ
オレフィン系熱可塑性樹脂として使用できる。
【0023】エラストマーとしては各種ゴム類が挙げら
れ、ゴム類としては、ジエン系ゴム、水素添加ジエンゴ
ム、オレフィン系共重合体ゴム等であるが、中でも水素
添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン系ゴム
は、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に
水素原子を付加させてなるもので、ポリオレフィン系樹
脂の結晶化を抑え、柔軟性、透明性をアップさせる役割
がある。また、一般にポリオレフィン系樹脂にジエン系
ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合のため、耐候
性、耐熱性はジエン系ゴム無添加のポリオレフィン系樹
脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴムの二重結
合を水素で飽和させるため、ポリオレフィン系樹脂の耐
候性、耐熱性の低下も無く良好なものとなる。
【0024】ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等
がある。オレフィン系共重合体ゴムは2種類又は3種類
以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも
1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、
ポリエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、
ノルボルナンなどが使用される。好ましいオレフィン系
共重合体ゴムとしては、例えばエチレンープロピレン共
重合体ゴム、エチレンープロピレン非共役ジエンゴム、
エチレンーブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主
成分とする弾性共重合体が挙げられる。本発明の目的か
らは特にスチレン・ブタジエンゴムが好ましい。
【0025】ゴム類の添加量としては、ポリオレフィン
樹脂100重量部に対し、1〜90重量部程度とする。
1重量部未満だと、ゴム添加による弾性、伸び率、耐衝
撃性が不足し、Vカット加工、絞り加工等の折り曲げ加
工時に亀裂、割れを生じ易くなる。又、90重量部以上
だと、弾性、及び伸び率が大きくなりすぎ、印刷時の検
討合わせが不良になり好ましくない。 厚さは50〜5
00μm程度、より好ましくは50〜200μm、延
伸、未延伸シートのいづれも使用可であるが、Vカット
加工等の成形適性上は、未延伸シートの方が良好であ
る。
【0026】透明な熱可塑性樹脂としてポリプロピレン
(以下PPとする)を使用する場合は、アイソタクチッ
クポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの混
合系からなる、複合立体構造を有する軟質ポリプロピレ
ン系樹脂が好ましい。上記複合立体構造を有する軟質ポ
リプロピレン樹脂からなる2層又は3層の積層シート
は、化粧シートとして要求される性能、すなわち、耐
クリープ変形性、耐有機溶剤性、破断時伸度、耐
衝撃強度、適度な曲げ弾性率、良好な透明性、エ
ンボス加工等にともなう加熱と冷却が加わっても、再結
晶による白化、濁りを生じない、耐候性、等を満足す
るものが得られる。
【0027】この軟質ポリプロピレン系樹脂としては、
(A)アタクチックポリプロピレンが10〜90重量%
と、(B)アイソタクチックポリプロピレンが90〜1
0重量%とからなる軟質ポリプロピレンが使用される。
(A)成分のアタクチックポリプロピレンとしては、
(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供
与体を必須成分として含有する固体触媒成分、(ロ)有
機アルミニウム化合物、及び(ハ)一般式〔化1〕
【化1】 (式中のR1 は炭素数l〜20のアルキル基、R2 は炭
素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロソ基、m
は1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数であ
る)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物、の組み
合わせからなる触媒の存在下でプロピレンを重合させる
ことにより得られる、数平均分子量(Mn)が25,0
00以上で、且つ重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下の沸騰ヘプタ
ン可溶性ポリプロピレンが用いられる。また、(B)成
分のアイソタクチックポリプロピレンとしては、メルト
インデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不
溶性ポリプロピレンが用いられる。
【0028】上記軟質ポリプロピレン樹脂は、破断伸び
(Tb )が400%以上、好ましくは500〜700
%、100%伸長後の残留伸び(PS1oo )が80%以
下、好ましくは50〜75%、及び破断時応力(MB
と降伏時応力(MY )との比(MB /MY )が1.0以
上、好ましくはl.5〜3.5の範囲にあることが望ま
しい。
【0029】上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、
(A)成分のアタクチックポリプロピレンとして、沸騰
ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量(Mn)が
2,5000以上、好ましくは30,000〜60,0
00の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下、好ま
しくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。このMn
が25,000未満のものやMw/Mn比が7を超える
ものでは、得られる樹脂における該アタクチックポリプ
ロピレンの力学特性への寄与効果が十分に発揮されず、
得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比が1.0未満になったり、100%伸長
後の残留伸び(PS100 )が80%を超えたりして、望
ましくない。
【0030】上記(A)成分のアタクチックポリプロピ
レンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以
下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有
するプロピレン共重合体であってもよい。また、このア
タクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種
以上組み合わせて用いてもよい。このような(A)成分
のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特公平6
−23278号公報等)によって製造することができ
る。
【0031】上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、
(B)成分として、メルトインデックス(MI)が0.
1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性の結晶性アイソ
タクチックポリプロピレンが用いられる。このメルトイ
ンデックスが0.1g/10分未満では溶融特性が低
く、シート成形が困難になるし、4g/10分を超える
と機械的強度が不充分となってVカット加工が良好に行
えなくなる虞れがある。上記(B)成分のアイソタクチ
ックポリプロピレンは、アイソタクチックの立体規則性
を有するプロピレン単独重合体であってもよいし、該立
体規則性を有するプロピレンと他のα−オレフィンとの
共重合体であってもよい。このα−オレフィンとしては
炭素数2〜8のもの、例えばエチレン、ブテン−1ペン
テン−1、へプテン−1、オクテン−1などが好まし
く、中でもエチレン及びブテン−1が好適である。また
該共重合体としては、前記のα−オレフィン単位を通常
40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有するブ
ロック共重合体やランダム共重合体が用いられる。
【0032】この(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜
25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダ
ム共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。このよ
うなアイソタクチックポリプロピレンの製造は従来の結
晶性ポリプロピレンの製造と同様に行うことができる。
上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物においては、この
(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンは1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。また、
前記(A)成分のアタクチックポリプロピレンと(B)
成分のアイソタクチックポリプロピレンは、(A)成分
の含有量が10〜90重量%、好ましくは25〜80重
量%で、(B)成分の含有量が90〜l0重量%、好ま
しくは75〜20重量%になるような割合で用いられ
る。
【0033】該(A)成分の含有量が10重量%未満で
は、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎて、破
断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比MB /M
Y が1.0未満となり、かつ100%伸長後の残留伸び
(PS100 )も80%より大きくなってしまう。一方含
有量が90重量%を超えると破断時応力(MB )が小さ
くなりすぎて、該MB /MY 比が1.0未満となり、か
つ機械的強度が低下する虞れがある。また、(B)成分
の比率を高くすることにより、得られる軟質ポリプロピ
レンのヤング率は高くなる。(A)成分と(B)成分の
特に好ましい比率は1:1である。
【0034】前記透明な熱可塑性樹脂を絵柄層を形成し
た着色基材シートに積層する方法としては、熱溶融によ
るラミネート方法、2液硬化型ウレタン系接着剤を用い
たドライラミネーション方法、溶融押し出し方法(エク
ストルージョン法)等の公知の方法が用いられる。ドラ
イラミネーション法で積層する場合は、オレフィン系熱
可塑性樹脂やアクリル樹脂をエクストルージョン法やイ
ンフレーション法等によって透明なフィルムとし、この
透明なフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を用い
て、基材シートにラミネートされる。透明な熱可塑性樹
脂がオレフィン系熱可塑性樹脂の場合は、エクストルー
ジョン法が多く使用される。また、透明な熱可塑性樹脂
層にエンボス模様を形成する場合は、エンボスロールを
用いて、エンボスと同時に熱ラミネートを行うダブリン
グエンボス法が用いられる。
【0035】本発明の化粧シートは、各種被着体に積層
し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いること
ができる。例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、窓
枠、扉、手すり等の建具の表面化粧、家具又は弱電・O
A機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車
両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に利用でき
る。そのために、化粧シートが直接素材等に接着できな
い場合は、適当な易接着層又は接着剤層を介して被着体
に接着する。しかし、化粧シートが熱融着等で被着体に
接着可能な場合は、易接着層又は接着剤層は省略しても
よい。
【0036】被着体としては各種素材の平板、曲面板等
の板材、シート(或いはフィルム)、或いは各種立体形
状物品(成形品)が対象となる。例えば、射出成形品等
の曲面を有する成形品に対しても、本発明の化粧シート
を接着することができる。
【0037】被着体として、板材或いはシート(フィル
ム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニ
ウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、
フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、
ゴム等の樹脂が挙げられる。
【0038】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明する。 (実施例1)基材シートとして、接着性オレフィン系熱
可塑性エラストマー樹脂として、三井石油化学工業
(株)製「タフマーXR」を用い、これに着色剤として
弁柄とカーボンブラックを5重量%、充填剤として炭酸
カルシウム10重量%、光安定剤としてヒンダードアミ
ン系ラジカル捕捉剤5重量%添加し、この着色樹脂を用
いてTダイ押出し法により成膜し、厚さ100μmの不
透明な着色オレフィン系樹脂シート(以下着色POシー
トとする)を作製した。この着色POシートの片面に
(株)昭和インク工業所製のグラビアインキ「TMK」
を用いて木目柄をグラビア印刷し、図4(a)に示すよ
うに、着色POシート11aに絵柄層12を設けた。次
に、この絵柄層12を設けた着色POシート11aの絵
柄層12側に、官能基を付加したオレフィン系熱可塑性
エラストマー樹脂として三井石油化学工業(株)製「ア
ドマー」を用いてエクストルージョン法によりラミネー
トして、図4(b)に示すように、厚さ80μの透明な
オレフィン系樹脂層13a(以下透明なPO層とする)
を形成して高接着性化粧シート1を作製した。
【0039】(実施例2)着色基材シートとして、出光
石油化学(株)製「ポリタック」と「E−2600」を
1:2でブレンドした樹脂に、弁柄とカーボンブラック
を5重量%、炭酸カルシウム10重量%、ヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤5重量%添加し、この着色樹脂を
用いてTダイ押出し法により成膜し、厚さ100μmの
不透明な着色POシートを作製した。
【0040】上記着色POシート11aに、図5(a)
に示すように、(株)昭和インク工業所製「AFSメジ
ューム(マット1)」を用いてプライマー層15を形成
した後、(株)昭和インク工業所製のグラビアインキ
「ECO」を用いてグラビア印刷して絵柄層12を設け
た。更に、絵柄層12の上に、(株)昭和インク工業所
製の「L−1プライマー」を用いてグラビアコーティン
グしてプライマー層15を形成した。
【0041】また、別途、透明な熱可塑性樹脂シートと
して、出光石油化学(株)製ポリプロピレン系樹脂「E
−2600」を用いてTダイ法により成膜して厚さ80
μの透明なオレフィン系樹脂シート(以下POシートと
する)を作製した。次に、図5(b)に示すように、上
記着色POシート11aと透明なPOシート13aを2
液硬化型の接着剤(大日精化工業(株)製「E−295
L」)を用いてドライラミネーション法により積層し、
図5(b)に示すような高接着性化粧シート1を作製し
た。尚、図5(b)における接着剤層14は、前記2液
硬化型の接着剤により形成されたものである。
【0042】(実施例3)基材シートとして実施例1で
作製した着色POシートを用い、図6(a)に示すよう
に、実施例1と同様に、着色POシート11aにプライ
マー層15を形成後、(株)昭和インク工業所製のグラ
ビアインキ「化メ」を用いてグラビア印刷して絵柄層1
2を設けた。また、表面層の透明な熱可塑性樹脂シート
として、三菱レーヨン(株)製のアクリル樹脂「HBS
028」を用いて押出し法により成膜して厚さ75μの
透明なアクリル樹脂シート(以下透明なPMMAシート
とする)を作製した。
【0043】次に、図6(b)に示すように、上記印刷
した着色POシート11aと透明なPMMAシート13
bを重ね合わせ、エンボスロールを用いてダブリングエ
ンボス法により熱融着すると同時に表面にエンボス模様
16を形成して、エンボス化粧シート2を作製した。
【0044】(実施例4)実施例3と同様に、絵柄層を
設けた着色POシート11aと透明なPMMAシートを
ダブリングエンボス法により積層して、図7(a)に示
すように、エンボス化粧シート2を作製した。このエン
ボス化粧シート2に、図7(b)に示すように、(株)
昭和インク工業所製の着色インキ「EW−SG」を用い
てワイピング加工を施して、エンボス模様の凹部17に
着色インキ18を充填した後、その上に、(株)昭和イ
ンク工業所製オーバープリントインキ「OP−A4」を
コーティングしてオーバープリン層19(以下OP層と
する)を形成してワイピング加工化粧シート3を得た。
【0045】(実施例5)着色基材シートとして、高密
度ポリエチレンをベースにして、これに熱可塑性エラス
トマーとしてスチレン・ブタジエンゴムを30重量%、
無機充填剤として炭酸カルシウム10重量%、着色顔料
として弁柄とカーボンブラックを5重量%、を添加した
ブレンド物をカレンダー製膜法によって製膜し、厚さ1
00μmの不透明な着色POシート11aを得た。前記
着色POシート11aの表面に、図8(a)に示すよう
に、(株)昭和インク工業所製「AFSメジューム(マ
ット1)」を用いてプライマー層15を形成した後、
(株)昭和インク工業所製のグラビアインキ「ECO」
を用いてグラビア印刷して絵柄層12を設けた。更に、
絵柄層の上に、(株)昭和インク工業所製の「L−1プ
ライマー」を用いてグラビアコーティングしてプライマ
ー層15を形成した。
【0046】また、透明な熱可塑性樹脂シートとして、
住友化学工業(株)製ランダムポリプロピレンを用い、
これにヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(チバガイギ
ー社製「HALS3050」)を0.5重量%と酸化防
止剤(旭電化工業(株)製フェノール系抗酸化剤「AO
−60」)を0.3重量%添加し、これをTダイ押出し
法により製膜し、図7(b)に示すように、透明なポリ
プロピレンシート13c(以下透明なPPシートとす
る)を作製した。
【0047】次に、前記絵柄層を設けた着色POシート
11aと透明なPPシート13cを、実施例1と同様
に、ドライラミネーション法により積層して、図8
(c)に示すような積層シートを作製した。次いで、エ
ンボスロールを用いて前記積層シートの透明なPPシー
ト13c側にエンボス模様16を形成し、その上にOP
層19を形成して、図8(d)に示すように、高接着性
化粧シート1を作製した。
【0048】(比較例)着色基材シートとして、ポリ塩
化ビニル樹脂として三井東圧化学(株)製「ビニクロ
ン」に、弁柄とカーボンブラックを5重量%、炭酸カル
シウム10重量%を添加し、この着色樹脂を用いてカレ
ンダー法により成膜し、厚さ100μmの不透明な着色
ポリ塩化ビニルシートを作製した。この着色ポリ塩化ビ
ニルシートに公知の方法により、絵柄層を設け、この絵
柄層の上に、厚さ80μの透明なポリ塩化ビニルシート
を貼り合わせて化粧シートを作製した。
【0049】(接着性試験)実施例1〜5で作製した化
粧シート及び比較例で作製した化粧シートをサンシャイ
ンカーボンアークを取り付けたウェザーメーターで20
00時間暴露試験を行った後に、各層間の剥離強度を比
較した。その結果、実施例で作製した化粧シートはいず
れも、従来のポリ塩化ビニル製の化粧シートと遜色ない
ものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、基材シートにオ
レフィン系熱可塑性樹脂を使用し、表面層としてオレフ
ィン系熱可塑性樹脂、又はアクリル系樹脂を使用してい
るので、化粧シートが焼却処理された場合でも塩酸ガス
やダイオキシン等の有害ガスが発生する恐れがなくな
る。また、焼却処理されたとき塩酸ガスやダイオキシン
等の有害ガスの発生問題を解消するために、基材シート
や表面層にポリエチレンやポリプロピレン等の極性基を
持たないオレフィン系樹脂を使用した場合は、基材シー
トと絵柄層、又は絵柄層と表面層との接着力が不足する
問題が発生していたが、本発明においては、基材シート
として、易接着性のオレフィン系熱可塑性エラストマー
樹脂、官能基を付加したオレフィン系熱可塑性エラスト
マー樹脂、又はこの両者の樹脂をブレンドした樹脂を用
い、表面層としてオレフィン系熱可塑性樹脂、又はアク
リル系樹脂を使用したので、基材シートと絵柄層、又は
絵柄層と表面層との接着力は、基材シート及び表面層に
ポリ塩化ビニル樹脂を使用したときと同等にすることが
できた。更に、基材シートと絵柄層の間、又は絵柄層と
表面層の間にプライマー層や接着剤層を設けてることに
より、各層間の接着力を一層向上させることができた。
そして、本発明の化粧シートには、エンボス加工とワイ
ピング加工を施すことができるので、従来のポリ塩化ビ
ニル樹脂を用いた化粧シートと同等の意匠性を付与する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一例を示した模式断面図
である。
【図2】本発明の化粧シートの別の態様で、着色基材シ
ートと絵柄層の間、絵柄層と透明な熱可塑性樹脂層の間
に接着層を設けたときの模式断面図である。
【図3】本発明の化粧シートを作製するときの説明図で
ある。
【図4】実施例1により本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【図5】実施例2により本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【図6】実施例3により本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【図7】実施例4により本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【図8】実施例5により本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【符号の説明】
1 高接着性化粧シート 2 エンボス化粧シート 3 ワイピング加工化粧シート 11 着色基材シート 11a 着色POシート 12 絵柄層 13 透明な熱可塑性樹脂層 13a 透明なPO層(シート) 13b 透明なPMMAシート 13c 透明なPPシート 14 接着剤層 15 プライマー層 16 エンボス模様 17 エンボス凹部 18 着色インキ 19 OP層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 易接着性オレフィン系熱可塑性エラスト
    マー樹脂、官能基を付加したオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマー樹脂、又はこれらの樹脂をブレンドした樹脂に
    着色剤、無機充填剤等を添加した樹脂組成物からなる着
    色基材シートに、絵柄層及び透明な熱可塑性樹脂層が形
    成されていることを特徴とする高接着性化粧シート。
  2. 【請求項2】 前記透明な熱可塑性樹脂層が、オレフィ
    ン系熱可塑性樹脂、又はアクリル系樹脂であることを特
    徴する請求項1に記載の高接着性化粧シート。
  3. 【請求項3】 前記着色基材シートと絵柄層の間、又は
    /及び前記絵柄層と透明な熱可塑性樹脂層の間に接着層
    を設けて、各層間の接着力を向上させたことを特徴とす
    る請求項1及び請求項2に記載の高接着性化粧シート。
  4. 【請求項4】 前記化粧シートの表面に、エンボス模様
    を形成し、該エンボス模様にワイピング加工を施し、そ
    の上にオーバープリント層を形成したことを特徴とする
    請求項1乃至請求項3に記載の高接着性化粧シート。
  5. 【請求項5】 前記化粧シートの裏面に、プライマー層
    を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4に記
    載の高接着性化粧シート。
JP33234797A 1997-11-18 1997-11-18 高接着性化粧シート Withdrawn JPH11147293A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001038849A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2002079629A (ja) * 2000-09-07 2002-03-19 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2011169100A (ja) * 2011-03-22 2011-09-01 Dainippon Printing Co Ltd 床材用化粧シート及びそれを用いた化粧板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001038849A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
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