JP4601783B2 - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の外装、内装、建具、家具、車両内装等の表面装飾等に用いられる化粧シート及びその製造方法に関する。特に、塩化ビニル樹脂シートを使用しない非塩ビ系の化粧シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧シートの基材層や表面層等とする樹脂シートには、塩化ビニル樹脂シートが多用されてきたが、最近では、それに替わってポリオレフィン系樹脂シート等の非塩ビ系の樹脂シートが使用される様になってきた。
例えば、(1) 特開平6−16832号公報、特許第2916130号公報等では、着色したポリオレフィン系樹脂シートを基材層として用い、これに絵柄層を印刷形成した上で、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂からなる透明な表面層(表面シート)を積層し、基材層及び表面層共にポリオレフィン系樹脂からなる構成の化粧シートを開示している。
(2) また、表面層はポリオレフィン系樹脂だが、基材層にアクリル樹脂を用いた化粧シート等も試みられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1) の様に基材層及び表面層の両層にポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シート、或いは上記(2) の様に基材層にアクリル樹脂を用い表面層にポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートは、いずれも、従来の塩化ビニル樹脂シートを使用した化粧シートに比べて、必ずしも満足すべき性能が得られてはいなかった。
【0004】
例えば、真空成形性が不十分な場合があった。この為、被着体の凹凸面へ真空成形積層法等で化粧シートをラミネートする場合に、化粧シートの凹凸追従性が不十分となったり、熱成形加工の適正条件幅が狭かったり(特に高結晶性ポリオレフィンを用いた場合)、或いは、化粧シートが延ばされる部分でネッキングが発生して局所的に不均一な伸びが発生したりする事があった。また、Vカット加工等の折曲加工性が不十分な場合があり、白化、亀裂、割れを生じ易かった。また、基材層をポリオレフィン系樹脂とした場合は、ポリオレフィン系樹脂は一般に難接着性の為に、化粧シートを被着体にラミネートする際には、コロナ放電処理、オゾン処理等の易接着処理や、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤を使用する等、接着性を十分に留意した処方とする必要があった。
【0005】
一方、基材層にアクリル樹脂を用い表面層にポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートの場合では、上記被着体との接着性の問題は解消するが、アクリル樹脂は耐有機溶剤性が弱く、基材層とするアクリル樹脂シートに絵柄インキ層を印刷形成したり、表面層を塗工形成する場合に、アクリル樹脂シートが膨潤して絵柄インキ層の見当ズレが発生したり、アクリル樹脂シートが版に巻き付いたり白化したりする事があった。また、真空成形性、或いは、Vカット加工等の折曲加工性も十分とは言えない場合があった。
【0006】
以上の如き従来技術に対する課題に対して、本発明者らは、基材層に非晶性ポリエステル樹脂を用いた化粧シートを研究してきた。その結果、基材層とする非晶性ポリエステル樹脂シートに絵柄インキ層を印刷時に、場合によっては、該樹脂シートの溶剤浸透性が良すぎて印刷時の溶剤が乾燥しにくく、印刷インキによるブロッキング等を起こし易い事がわかり、該樹脂を基材層に用いる場合は、好ましくは、この点を解消する事が望まれた。
すなわち、基材層に、非晶性ポリエステル樹脂のみの単層構成の樹脂シートを用いた場合、非晶性ポリエステル樹脂は有機溶剤との親和性が良い為に、非晶性ポリエステル樹脂の内容如何では、基材層が絵柄インキ層印刷時のインキ中の有機溶剤を吸着したり、膨潤したり、表面に粘着を生じたりすることがあり、この為、基材層とする連続帯状の樹脂シートに輪転印刷で絵柄インキ層を印刷した印刷シートを、ロールに巻き取ると印刷シートの表裏が接着(所謂ブロッキング)してしまったり、基材層中に残留溶剤が残り易い事があるので、それを防ぐ為、印刷速度を低くめにしたり、乾燥ゾーンを長くする必要があった。
【0007】
上述の如く、本発明の課題は、塩化ビニル樹脂シートを使用しない化粧シートでありながら、真空成形性等の成形性、Vカット加工等の折曲加工性、及び、被着体に対する接着性を良好し、またこれらを、絵柄インキ層印刷時の樹脂シートの耐有機溶剤性の問題を引き起こさずに実現する事である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するために、本発明の化粧シートは、基材層上に、絵柄インキ層、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層をこの順に積層してなる化粧シートにおいて、前記基材層が前記絵柄インキ層側からポリオレフィン系樹脂層、非晶性ポリエステル樹脂層の順にて構成されると共に、前記ポリオレフィン系樹脂層の厚みが5〜20μmである構成とした。さらに、前記基材層が共押出法により積層された樹脂シートである構成とした。
【0009】
この様に基材層に非晶性ポリエステル樹脂を用いた構成とすることで、その物性によって、真空成形性等の成形性、Vカット加工等の折曲加工性、及び被着体に対する接着性を良好にすることができる。従って、凹凸面へのラミネート時でも化粧シートの凹凸追従性は良好となる。また、熱成形加工の適正条件幅も広く成形加工し易い上、基材層によるネッキング発生も起きず、Vカット加工等の折曲加工時に白化、亀裂、割れを生じ難い。そして、被着体にラミネート時は、接着性の良い非晶性ポリエステル樹脂層側で被着体にラミネートする事になるので、易接着層や接着剤に特別に留意する必要も無い。
しかも、本発明の化粧シートでは、基材層に非晶性ポリエステル樹脂を採用してはいるが、その絵柄インキ層側をポリオレフィン系樹脂層としてあるので、基材層に用いる非晶性ポリエステル樹脂層に、成形性、折曲加工性等を重視する観点等から耐有機溶剤性が劣る様な樹脂を使用した場合でも、絵柄インキ層の基材上への形成は、非晶性ポリエステル樹脂層上にでは無くポリオレフィン系樹脂層上への形成となる為に、基材層上に絵柄インキ層を上記印刷時の問題無く形成できる構成となる。従って、生産性の良い化粧シートとなる。
【0010】
また、本発明の化粧シートは、上記構成に於いて更に、前記基材層の前記ポリオレフィン系樹脂層と前記非晶性ポリエステル樹脂層とが極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂からなる接着剤層を介して3層共押出法により積層された樹脂シートである構成とした。
【0011】
この様な構成とすることで、基材層に於いて、ポリオレフィン系樹脂層と非晶性ポリエステル樹脂層との層間密着性をより良好できる。
また、本発明の化粧シートの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂層と非晶性ポリエステル樹脂層とを前記ポリオレフィン系樹脂層を厚みが5〜20μmとして共押出法により積層することにより基材層を作製し、次いで、前記基材層の前記ポリオレフィン系樹脂層上に、絵柄インキ層を印刷形成し、その後、前記絵柄インキ層上に、溶融押出塗工法によりポリオレフィン系樹脂からなる表面層を成膜と同時に積層することを特徴とするものである。
また、本発明の化粧シートの製造方法は、前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂層と極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂と非晶性ポリエステル樹脂層とを前記ポリオレフィン系樹脂層を厚みが5〜20μmとして3層共押出法により、この順に積層することにより基材層を作製し、次いで、前記基材層の前記ポリオレフィン系樹脂層上に、絵柄インキ層を印刷形成し、その後、前記絵柄インキ層上に、溶融押出塗工法によりポリオレフィン系樹脂からなる表面層を成膜と同時に積層することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の化粧シートについて、図面を参照しながら実施の形態を説明する。
【0013】
〔概要〕
先ず、図1は本発明の化粧シートの形態例を示す断面図である。図1(A)の化粧シートSは、基材層1上に、絵柄インキ層2、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層3をこの順に積層してなる構成に於いて、基材層1の絵柄インキ層2側がポリオレフィン系樹脂層4からなり、他方の側が非晶性ポリエステル樹脂層5からなり、基材層1はポリオレフィン系樹脂層4と非晶性ポリエステル樹脂層5との2層からなる構成である。
【0014】
また、図1(B)の化粧シートSは、図1(A)の構成に対して、基材層1を構成するポリオレフィン系樹脂層4と非晶性ポリエステル樹脂層5とを、間に接着剤層6を介して積層し、基材層1を絵柄インキ層2側から順に、ポリオレフィン系樹脂層4、接着剤層6、非晶性ポリエステル樹脂層5の3層構成とした構成である。接着剤層6により、ポリオレフィン系樹脂層4と非晶性ポリエステル樹脂層5との層間密着性をより良好にし易くなる。
なお、図1(A)及び図(B)の形態に於いて、基材層1は着色隠蔽性として、表面層3は無着色の透明とする構成は、代表的構成でもある。また、この場合、基材1を着色隠蔽性とするには、例えば、非晶性ポリエステル樹脂層5の方を着色隠蔽性として、ポリオレフィン系樹脂層4の方は無着色透明とするが、この逆、或いは両層を着色隠蔽性としても良い。
【0015】
上記の如き本発明の化粧シートSは、基材層1(樹脂シート)のポリオレフィン系樹脂層4側に対してインキを用いて絵柄インキ層2を形成し、この絵柄インキ層2が形成された基材層1(印刷シート)に対して、表面層3をポリオレフィン系樹脂シートのドライラミネーション法や、或いは該樹脂の溶融押出塗工法等によって積層すれば得られる。
【0016】
以下、各層について順をおって更に詳述する。
【0017】
〔基材層〕
基材層1は、少なくともポリオレフィン系樹脂層4と非晶性ポリエステル樹脂5から構成し、且つポリオレフィン系樹脂層4側を絵柄インキ層2側とした構成とする。また、基材層1は、間に接着剤層6を介してポリオレフィン系樹脂層4と非晶性ポリエステル樹脂5を積層した構成でも良い。これらの多層構成の基材層は、2層又は3層の共押出法、熱プレス法、或いは接着剤層6によるドライ又はウェットラミネーション法等により樹脂シートとして用意する事ができる。熱プレス法の場合は、非晶性ポリエステル樹脂層5とする樹脂シートと、ポリオレフィン系樹脂層4とする樹脂シートとを、熱融着、或いは接着剤層6による接着によって積層する。また、非晶性ポリエステル樹脂層5とする樹脂シートに対して、ポリオレフィン系樹脂層4を溶融塗工法で形成して用意する事もできる。この際、接着剤層6を設ける場合には、シート状の非晶性ポリエステル樹脂層5側に予め形成するか、或いは、ポリオレフィン系樹脂層4と共に2層共押出法で積層すると良い。
【0018】
なお、基材層1の(総)厚みは、真空成形性等の成形性、及び折曲加工性の観点から、通常は30〜350μm程度である。
ポリオレフィン系樹脂層4の厚みは、その目的(非晶性ポリエステル層に対する有機溶剤遮断性による基材層の耐有機溶剤性向上)からして、さほど必要は無く、有機溶剤遮断性と成膜性等を考慮しつつなるべく薄くするのが好ましい。従って、ポリオレフィン系樹脂層の厚みは、通常5〜20μm程度である。
一方、非晶性ポリエステル樹脂層5の厚みは、真空成形性等の成形性、及び折曲加工性の観点から、基材層の主たる厚みを占める様にする。非晶性ポリエステル樹脂層5は、ポリオレフィン系樹脂層4との共押出し、或いは樹脂シートから形成され、この様な非晶性ポリエステル樹脂層の厚みは用途等によるが、通常は30〜300μm程度である。
【0019】
そして、上述の様な特定の樹脂及び特定の多層構成の基材層とする事で、その非晶性ポリオレフィン系樹脂層によって真空成形性等の成形性、折曲加工性、及び被着体への接着性が良好となる上、ポリオレフィン系樹脂層によって、非晶性ポリエステル層の耐有機溶剤性が劣る場合でも、該ポリオレフィン系樹脂層が有機溶剤遮断層として働き、基材層に絵柄インキ層を印刷時の問題無く形成できる構成となる。従って、生産性の良い化粧シートとなる。この為、従来、基材層にアクリル樹脂シート単体を使用した場合に起き易かった印刷時の耐有機溶剤性の問題は起き難い。
しかも、本発明に於ける基材層は、耐有機溶剤性を考慮して絵柄インキ層側をポリオレフィン系樹脂層としてあるので、基材層に用いる非晶性ポリエステル樹脂層に、成形性等の観点から耐有機溶剤性が劣る様な樹脂を使用した場合でも、絵柄インキ層の基材層上への形成は、非晶性ポリエステル樹脂層上にでは無くポリオレフィン系樹脂層上への形成となる為に、基材層上に絵柄インキ層を印刷時或いは塗工時の耐有機溶剤性の問題を起こさずに形成できる事になる。
【0020】
〔基材層:非晶性ポリエステル層〕
上記非晶性ポリエステル樹脂層5に用いる非晶性ポリエステル樹脂としては、市販されているものとして、例えば、イーストマンケミカル社製の「Eastar PETG 6763」(商品名)(押出グレード)が使用出来る他、既に樹脂シートとなっているものとしては、鐘紡株式会社による「カネボウPETシート」(商品名)、帝人株式会社による「テイジンテトロンシート」(商品名)、電気化学工業株式会社による「デンカA−PETシート」(商品名)、東洋紡績株式会社による「東洋紡PETMAXシート」(商品名)、長瀬産業株式会社による「NAGASE A−PETシート」(商品名)、ポリテック株式会社による「ポリテックA−PETシート」(商品名)、SAEHAN社による「SAEHAN APET SEET」(商品名)、三菱化学株式会社による「ノバクリアー」(商品名)、三井・デュポンポリケミカル社による「シーラーPT」(商品名)等が使用できる。なお、包装材料分野でA−PETと呼ばれている樹脂乃至はシートは、非晶性ポリエステル樹脂である。
【0021】
非晶性ポリエステル樹脂の酸成分及びジオール成分は、例えば上記イーストマンケミカル社製の「Eastar PETG 6763」の場合は、酸成分にはテレフタル酸を、ジオール成分にはエチレングリコールの他の更に1,4−シクロヘキサンジメタノールを併用した共重合樹脂である。エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの割合を調整する事で、結晶化速度を略ゼロとする事ができると言われている。また、この割合を調整する事で、物性を調整する事も出来る。
【0022】
上記は非晶性ポリエステル樹脂の酸成分及びジオール成分の一例であったが、本発明で使用する非晶性ポリエステル樹脂としては、この他の酸成分及びジオール成分から構成される樹脂でも非晶性を呈する樹脂であれば構わない。例えば、酸成分としては、テレフタル酸以外にも、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸の芳香族ジカルボン酸、或いは脂環式ジカルボン酸、或いは、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ジオール成分としては、上述1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のその他の脂環式ジオール、或いは、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、キシレングリコール等の芳香族ジオール等が挙げられる。非晶性ポリエステル樹脂は、通常、ジオール及び酸成分の合計が3種以上となる様に、これらの、1種又は2種以上のジオール成分と、1種又は2種以上の酸成分との共重合体として得られる。
なお、非晶性とは結晶化を全く起こさない様な樹脂でも良いが、非結晶性を呈する部分と共に結晶性を呈する部分を有する樹脂でも良い。また、非晶性ポリエステル樹脂には結晶性ポリエステル樹脂が混合されていても良い。
【0023】
なお、従来から化粧シートの基材層としてポリエステル樹脂が使用される場合、該ポリエステル樹脂としては2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)シートが一般的であり、このポリエチレンテレフタレートはエチレングリコール成分とテレフタル酸成分とからなる結晶性ポリエステル樹脂であった。従って、真空成形性等の成形性、Vカット加工等の折曲加工性が乏しく、この様な用途の化粧シートに対しては使えなかったのである。
【0024】
なお、上述の如き非晶性ポリエステル樹脂からなる基材層は、無着色透明でも良いが、無着色不透明、着色透明、着色不透明(着色隠蔽性)等でも良い。着色とするには、後述する絵柄インキ層で述べる様な公知の着色剤を樹脂中に添加すれば良い。
【0025】
また、非晶性ポリエステル層は単層の他に2層、3層等の複層構成であっても良い。
【0026】
〔基材層:ポリオレフィン系樹脂層〕
基材層1の絵柄層側となるポリオレフィン系樹脂層4に用いるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、又は高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂、或いは各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば下記のものが使用できる。
【0027】
(1)特公平6−23278号公報記載の、(A) ソフトセグメントとして、数平均分子量Mnが25,000以上、且つ、質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn≦7の沸騰ヘプタンに可溶なアタクチックポリプロピレン10〜90質量%と、(B) ハードセグメントとして、メルトインデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性のアイソタクチックポリプロピレン90〜10質量%、との混合物からなる軟質ポリプロピレン。
【0028】
この種のオレフィン系熱可塑性エラストマーの中でも、所謂「ネッキング」を生じ難く、加熱、加圧により各種形状に成形したりエンボス加工する際に適性良好なものとしては、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの混合割合が、アタクチックポリプロピレンの質量比で5質量%以上50質量%以下のものである。
ポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマー自体は既に公知のものであるが、包装容器等従来公知の用途に用いられる場合は、強度を重視する為に、ソフトセグメントとなるアタクチックポリプロピレンの質量比が5質量%未満のものが専ら使用されていた。
しかしながら、三次元形状、乃至凹凸形状に成形したりエンボス加工するという新規な用途にこれを適用しようとすると、前記の如くネッキングを生じて良好な加工が不可能であった。
そこで、従来の組成の設計とは逆に、ポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーに於いて、アタクチックポリプロピレンの質量比を5質量%以上とすることにより、エンボス加工したり、三次元形状、乃至凹凸形状の物品表面形状に成形する際のネッキングによる不均一なシートの変形、及びその結果としての皺、絵柄の歪み等の欠点を解消する事ができる。特にアタクチックポリプロピレンの質量比が20質量%以上の場合が良好である。一方、アタクチックポリプロピレンの質量比が増加し過ぎると、シート自体が変形し易くなり、シートを印刷機に通したときにシートが変形し、絵柄が歪んだり、多色刷りの場合に見当が合わなくなる等の不良が発生し易くなる。また、成形時にも破れ易くなる為に好ましくない。アタクチックポリプロピレンの質量比の上限としては、輪転グラビア印刷等の通常の輪転印刷機を用いて絵柄層を印刷し、また、シートのエンボス加工、真空成形、Vカット加工、射出成形同時ラミネート等を採用する場合は50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
【0029】
(2)エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑性エラストマー。ここで、そのブテンとして、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレンの3種の構造異性体のいずれも用いることができる。共重合体としては、ランダム共重合体で、非晶質の部分を一部含む上記エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の好ましい具体例としては次の(i) 〜(iii) が挙げられる。
(i) 特開平9−111055号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン及びブテンの三元共重合体によるランダム共重合体である。単量体成分の質量比はプロピレンが90質量%以上とする。メルトフローレートは、230℃、2.16kgで1〜50g/10分のものが好適である。そして、このような三元ランダム共重合体100質量部に対して、燐酸アリールエステル化合物を主成分とする透明造核剤を0.01〜50質量部、炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.003〜0.3質量部を熔融混練してなるものである。
(ii)特開平5−77371号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体であって、プロピレン成分含有率が50質量%以上の非晶質重合体20〜100質量%に、結晶質ポリプロピレンを80〜0質量%添加してなるものである。
(iii) 特開平7−316358号公報記載のもの。これは、エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体であって、プロピレン及び/又は1−ブテンの含有率が50質量%以上の低結晶質重合体20〜100質量%に対して、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶質ポリオレフィン80〜0質量%を混合した組成物に対して、N−アシルアミノ酸アミン塩、N−アシルアミノ酸エステル等の油ゲル化剤を0.5質量%添加してなるものである。
【0030】
なお、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂は、単独で用いても良いし、上記(i) 〜(iii) に必要に応じ更に他のポリオレフィン系樹脂を混合して用いても良い。
【0031】
(3)特公昭53−21021号公報記載の如き、(A) ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハードセグメントとし、これに(B) 部分架橋したエチレン−プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン共重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に配合し混合してなるオレフィン系エラストマー。なお、モノオレフィンゴム/オレフィン重合体=50/50〜90/10(質量比)の割合で混合する。
【0032】
(4)特公昭53−34210号公報等に記載の如き、(B) 未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)と、(A) オレフィン系共重合体(結晶性、ハードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪断応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系エラストマー。なお、(B) モノオレフィンゴム/(A) オレフィン系共重合体=60/40〜80/20(質量比)である。
【0033】
(5)特公昭56−15741号公報等に記載の如き、(A) アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体等のペルオキシドと混合・加熱すると分子量を減じ、流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合体(ハードセグメント)と、(B) エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のペルオキシドと混合・加熱することにより、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(C) ポリイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合・加熱しても架橋せず、流動性が不変の、ペルオキシド非架橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質成分)、及び(D) パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の鉱物油系軟化剤、とを混合し、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマー。なお、(A) が90〜40質量部、(B) が10〜60質量部で、(A) +(B) =100質量部として、これに、(C) 及び/又は(D) が5〜100質量部の配合比となる。
【0034】
(6)特開平2−139232号公報に記載の如き、エチレン−スチレン−ブチレン共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマー。
【0035】
(7)極性官能基としてヒドロキシル基又は/及びカルボキシル基を持たせた、上記(1)から(6)のオレフィン系熱可塑性エラストマー。例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のグラフト重合でヒドロキシル基を、また、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の共重合体でカルボキシル基を導入したオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる。極性官能基がこの様に例えばヒドロキシル基とカルボキシル基の場合、どちらか一方、又は両方を併用してもよい。また、極性官能基としては、カルボニル基等でも良い。これら極性官能基は、絵柄インキ層の基材層(のポリオレフィン系樹脂層)に対する密着性を向上させる作用を持つ。
【0036】
なお、上記(7)は、オレフィン系熱可塑性エラストマーに於いて極性官能基を付与したポリオレフィン系樹脂の例示であったが、上記の様な極性官能基をオレフィン系熱可塑性エラストマー以外のポリオレフィン系樹脂に付与した樹脂も、ポリオレフィン系樹脂層には使用できる。例えば、ポリエチレン(低密度、中密度、又は高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂等に上記の様な極性官能基を付与した樹脂である。オレフィン系熱可塑性エラストマーを含むポリオレフィン系樹脂に対して極性官能基を付与した樹脂、すなわち、極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂を、ポリオレフィン系樹脂層に用いる事によって、絵柄インキ層、非晶性ポリエステル樹脂層等のポリオレフィン系樹脂に接する他の層とポリオレフィン系樹脂層との密着性を向上させる事ができる。
【0037】
なお、極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂としては、エチレンと、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド又はカルボン酸イミド、アルデヒド、ケトン等に基づくカルボニル基を単独で、或いは、シアノ基、ヒドロキシル基、エーテル基、オキシラン環等との組み合わせで有するエチレン系不飽和単量体の1種又は2種との共重合体等も用いることができる。なお、この様な極性官能基含有単量体の共重合比は、通常0.1〜10質量%程度でその密着性向上効果が得られる。
【0038】
なお、上記エチレン系不飽和単量体としては、例えば次の(A) 〜(D) 等が挙げられる。なお、好ましくは、(A) エチレン系不飽和カルボン酸、或いは(B) エチレン系不飽和無水カルボン酸が用いられる。また、エチレンとエチレン系不飽和カルボン酸との共重合体の金属中和物(アイオノマー)等も使用する事ができる。
【0039】
(A) エチレン系不飽和カルボン酸;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等。
(B) エチレン系不飽和無水カルボン酸;テトラヒドロ無水フタル酸等。
(C) エチレン系不飽和エステル;アクリル酸エチル、メタクリ酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、γ−ヒドロキシメタクリル酸プロピル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−N−エチルアミノエチルアクリレート等。
(D) エチレン系不飽和アミド又はイミド;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレインイミド等。
【0040】
なお、上述の如きポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層も、無着色透明でも良いが、無着色不透明、着色透明、着色不透明(着色隠蔽性)等でも良い。着色とするには、後述する絵柄インキ層で述べる様な公知の着色剤を樹脂中に添加すれば良い。
【0041】
〔基材層:接着剤層〕
基材層1の接着剤層6としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、或いは、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂、或いは、極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂等を使用する。但し、塩素化ポリオレフィン樹脂は塩化ビニル樹脂同様に塩素を含有する樹脂となる為、本発明の非塩ビ系の化粧シートとしては、好ましくは使用しない方が良い。なお、上記極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂は、前述したポリオレフィン系樹脂層4に於いて述べた樹脂等を使用できる。また、上記ウレタン樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等を使用できる。なお、接着剤層の厚さは通常5〜20μm程度である。
【0042】
接着剤層は、塩素化ポリオレフィン樹脂や極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂等の場合は、非晶性ポリエステル樹脂層とする樹脂シート上に、ポリオレフィン系樹脂層との2層共押出法で形成する事ができる。また、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の場合は、これら樹脂による塗料又はインキを、ロールコート、グラビア印刷等の公知の塗工又は印刷法で、非晶性ポリエステル樹脂層とする樹脂シート上に形成する事ができる。なお、接着剤層の形成対象は、通常は非晶性ポリエステル樹脂層5とする樹脂シートであるが、ポリオレフィン系樹脂層4とする樹脂シート、或いはこれら両方でも良い。
【0043】
なお、上記2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤としイソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールは分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物で、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いられる。
【0044】
また、熱可塑性ウレタン樹脂は、2価のポリオールと2価のイソシアネートとをウレタン結合させて得られる線状高分子である。
【0045】
なお、上述した如き構成の基材層は、基材層(とする樹脂シート)のポリオレフィン系樹脂層側の面に、絵柄インキ層を印刷等で形成する場合に好適な構成としてあるが、絵柄インキ層と基材層との密着性向上が必要な場合には、基材層(のポリオレフィン系樹脂層)の面に対して、公知の易接着処理を施した基材層としても良い。易接着処理は、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の他、プライマー層の形成等である。プライマー層には、例えば、前述接着剤層等で述べた様な樹脂からなるプライマー剤を塗工又は印刷法で形成すれば良い。なお、プライマー層形成の場合は、(該プライマー層は基材層に含まれる層であるので)絵柄インキ層は基材層には接するが、絵柄インキ層が接する層はそのポリオレフィン系樹脂層では無く、このプライマー層となる。
【0046】
〔絵柄インキ層〕
絵柄インキ層2は、本発明の化粧シートに於いて採用し得る装飾処理のうち、必須の装飾処理として形成される層である。また、本発明では、この絵柄インキ層は、基材層の前述耐有機溶剤性の特徴を活かす点で、基材層に接する様に形成してある構成が好ましい構成である。
【0047】
絵柄インキ層2は、公知の印刷法によってインキにて形成する。その場合、印刷法は、本発明では基材層の耐有機溶剤性を考慮してるあので、インキに有機溶剤を使用する様な印刷法が好適であり、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、或いはインキジェット印刷等の印刷法である。しかしもろちんだが、本発明の絵柄インキ層は、(直接にはインキを使用しない)印刷法、例えば、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷等の印刷法でも形成可能である。なお、絵柄インキ層の模様が全面ベタ柄の場合は、グラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法によって塗料で形成する事もできる。なお、本発明では、この様な塗料や塗工によって形成される場合でも含めて、「絵柄インキ層」と呼ぶ事にする。
絵柄インキ層の模様としては、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは全面ベタ等と、用途に応じた模様とすれば良い。なお、絵柄インキ層は、木目模様等の模様を表現する柄パターン層と、全面ベタ層との組み合わせでも使用される。全面ベタ層は、通常、隠蔽層、着色層、着色隠蔽層等として使用される。
【0048】
なお、絵柄インキ層は、基材層に接する様な基材層と表面層との間に位置以外に、更にこれに加えて、基材層の裏面、表面層を樹脂シートで形成する場合では、該樹脂シートの表側面、裏側面、表裏両面等も一応可能である。
【0049】
なお、上記絵柄インキ層形成に用いるインキ(或いは)塗料としては、バインダーとして、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、或いは、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂等を、1種又2種以上混合して用いる。なお、塩素化ポリオレフィン樹脂は、前述した接着剤層と同様に、非塩ビ系の化粧シートとしては、好ましくは使用しない方が良い。
また、上記インキ(或いは)塗料に用いる着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属粉末からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料、蛍光顔料等を、1種又は2種以上混合して用いる。
【0050】
〔表面層〕
表面層3は、ポリオレフィン系樹脂で構成した層である。該ポリオレフィン系樹脂としては、前述した基材層1に於けるポリオレフィン系樹脂層4として述べた様な各種のポリオレフィン系樹脂を使用できる。従って、更なる説明はここでは省略する。
なお、表面層の形成は、予め熔融押出法、カレンダー法等の公知の成膜方法によってシート(フィルム)化した樹脂シートを、基材層とする樹脂シートに絵柄インキ層を形成した後の印刷シートに対して、ドライラミネーション、或いは熱融着によって積層する事で形成できる。
なお、表面層の厚みは、用途等によるが、通常は10〜300μm程度である。また、表面層を2層等の多層構成としても良いが、その場合、基材層等の他の層と接する側を、極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂からなる層(成膜技術の観点から通常5μm以上とする)で構成するのは、層間密着性向上の点で、好ましい態様である。
【0051】
なお、表面層3中には、必要に応じ、着色剤、充填剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤を添加する。
また、表面層はその下側に設ける絵柄インキ層が透視可能な様に、透明(無着色又は着色)である。
【0052】
なお、上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系等の有機物の紫外線吸収剤の他に、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0053】
〔装飾処理〕
ところで、本発明の化粧シートは、絵柄インキ層を装飾処理の一種として有するが、必要に応じ更にその他の装飾処理が施されていても良い。例えば、装飾処理として、基材層中への着色剤添加による着色(透明又は不透明着色)、表面層中への着色剤添加による着色(透明着色)、或いは、エンボス加工(加熱プレス)、ヘアライン加工等による表面層表面等への凹凸模様賦形等である。この様な装飾処理は、化粧シートに於ける従来公知の各種装飾処理を採用できる。また、各種装飾処理は、用途に応じて適宜組み合わせても使用する。
【0054】
前述絵柄インキ層は、装飾層として形成する代表的な層の一つであったが、装飾層としては、金属薄膜層等も使用できる。金属薄膜層の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでも良い。該金属薄膜層は、全面に設けても、或いは、部分的にパターン状に設けても良い。
【0055】
装飾処理としての凹凸模様賦形では、凹凸模様を、ヘアライン加工、サンドブラスト加工、エンボス加工等により賦形する。例えば、エンボス加工は、熱プレス方式の枚葉又は輪転式エンボス機を用いて、加熱軟化させた樹脂シートの表面にエンボス版を押圧して形成する。該樹脂シートは、表面層とする樹脂シート、或いは基材層とする樹脂シートである。また、凹凸模様の賦形は、樹脂シートの成膜と同時に賦形しても良い。例えば、Tダイ溶融押出法にて、冷却ローラとして凹凸模様を冷却面に有するエンボス兼冷却ローラを用いて、成膜と同時に賦形する方法等である。また、凹凸模様の賦形は、基材層とする樹脂シート(絵柄インキ層は形成済)と、表面層とする樹脂シートとを積層すると同時に、表面層とする樹脂シートの表側面に熱圧によるエンボス加工で賦形する所謂ダブリングエンボス法によって、賦形する方法もある。
なお、凹凸模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等である。また、凹凸模様は通常は表面層の表側面だが、表面層裏側面、基材層表側面、基材層裏側面の場合もある。
【0056】
また、装飾処理としては、凹凸模様の凹部内に公知のワイピング法(特公昭58−14312号公報等参照)によって、着色インキを充填して着色部を形成することもできる。着色インキは前記絵柄インキ層と同様の物が可能である。但し、耐摩耗性の点で、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとする物が好ましい。なお、ワイピング法は、ドクダーブレード法、ロールコート法等、従来から使用されているワイピング法のいずれによっても良い。すなわち、凹凸模様全面に着色インキを塗工し、而る後に、凸部のインキをドクダーブレード、スポンジロール、布等で掻き落としたり、拭き取ったりして、凹部に着色インキを残留させるようにする。
【0057】
また、装飾処理には、艶調整、塗装感等の意匠性付与の為の上塗り層を、表面層の上に更に形成する処理等もある。但し、上塗り層は化粧シートの最表面層となる為に、装飾処理と言うよりは、耐擦傷性、耐汚染性等の表面物性の向上目的で通常は設ける。もちろん、装飾と表面物性向上の両方を目的に設ける事もある。上塗り層には、2液硬化型等のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート系等の電離放射線硬化性樹脂等の樹脂が使用される。上塗り層の形成は、これら樹脂からなる塗液を用いてグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法で形成する。なお、上塗り層中には、必要に応じ適宜、炭カルシウム、シリカ等の艶消し剤、アルミナ、シリカ等の減磨剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等の公知の添加剤を添加する。また、上塗り層の厚さは通常1〜10μm程度である。
【0058】
〔化粧シートの被着体〕
なお、本発明の化粧シートの用途は特に限定されず、各種被着体の表面に積層して表面を化粧する用途に用いる。被着体は各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等である。例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質板素材、鉄、アルミニウム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる金属素材、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業系素材、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品或いはシート等として用いられる樹脂素材、或いは、専らシートとして用いられる上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布または織布、或いは、これら2種以上の素材を複合した素材、例えば、板材や立体形状物品等として用いられる、木粉プラスチック、紙粉プラスチック、FRP(繊維強化プラスチック)等の複合(素)材が挙げられる。
【0059】
〔化粧シートの被着体への積層方法〕
被着体への化粧シートの積層方法としては、例えば(1) 接着剤を間に介して板状の被着体に加圧ローラーで加圧して積層する方法、(2) 特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載される様に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に配置した後、溶融樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型品である被着体の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート方法、(3) 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58014号公報等に記載される様に、立体形状の被着体の表面に化粧シートを、間に接着剤を介して対向又は載置し、被着体側からの少なくとも真空吸引と更に適宜化粧シート側からの圧空押付けの併用による圧力差により化粧シートを被着体の表面に積層する、所謂真空成形積層方法、(4) 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状の被着体の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆく、所謂ラッピング加工方法が有る。
【0060】
なお、化粧シートを積層して化粧板とした物に対する更なる加工方法としては、実公大15−31122号公報、特開昭48−47972号公報に記載される様に、まず化粧シートを板状の被着体に間に接着剤を介して積層して化粧板とし、化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと被着体との界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で該溝を折り曲げ箱体又は柱状体を成形する所謂、Vカット又はUカット加工法等の折曲加工法がある。
【0061】
特に、本発明の化粧シートでは、真空成形性等の成形性、及び折曲加工性を確保してあるので、上記方法のうち(2) 、(3) 、(4) 等の積層方法、及びVカット加工法等の折曲加工方法が好適である。
【0062】
〔化粧シート及びその積層物の用途〕
本発明の化粧シートは各種被着体に積層し、必要に応じて所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。例えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺等の建具の表面化粧(例えばキッチンキャビネット等)、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車輛内装、航空機内装、船舶内装、窓硝子の化粧等である。
【0063】
【実施例】
以下、本発明の化粧シートを実施例により更に説明する。
【0064】
〔実施例1〕
図1(A)に示す構成の化粧シートSを、次の様にして作製した。
先ず、基材層1として、非晶性ポリエステル樹脂〔イーストマンケミカル社製、「Eastar PETG 6763」(商品名)〕に、着色剤としてチタン白、黄鉛、弁柄を主体とする着色顔料を添加して黄褐色に着色した着色樹脂と、透明ポリプロピレン樹脂とを2層共押出法で成膜して、厚さ10μmのポリオレフィン系樹脂4と厚さ50μmの非晶性ポリエステル樹脂層5とから成り、連続帯状で隠蔽性の着色樹脂シート(厚さ60μm)を用意した。なお、ポリオレフィン系樹脂層4側の表面は、易接着処理として、Tダイから樹脂が押し出された直後にオゾン処理を行った。
【0065】
次に、上記着色樹脂シートのポリオレフィン系樹脂層4側の面に、グラビア輪転印刷にて、木目模様の絵柄インキ層2として、着色隠蔽性の全ベタ層と木目模様のパターンを表現した柄パターン層とをこの順に形成して印刷シートとした。なお、絵柄インキ層に用いたインキのバインダー樹脂には、全ベタ層及び柄パターン層ともに、アクリルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとが100対8質量比の2液硬化型ウレタン樹脂を用いた。また、絵柄インキ層に用いたインキの着色剤は、全ベタ層にはチタン白、弁柄及び黄鉛を使用し、柄パターン層には弁柄及びカーボンブラックを使用した。
【0066】
そして、上記印刷シートの絵柄インキ層印刷面に対して、Tダイからの溶融押出塗工法によって、厚さ60μmのポリオレフィン系樹脂からなる表面層3を成膜と同時に積層して、化粧シートSを得た。なお、表面層に用いたポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量%及びヒンダードアミン系光安定剤を0.3重量%添加した樹脂を使用した。
【0067】
〔実施例2〕
図1(C)に示す構成の化粧シートSを、次の様にして作製した。
実施例1に於いて、基材層1として、次に述べる接着剤層も有する3層構成の樹脂シートを使用した他は、実施例1と同様にして化粧シートSを得た。なお、基材層とした樹脂シートは、実施例1同様の非晶性ポリエステル樹脂層5とする非晶性ポリエステル樹脂からなる着色樹脂と、ポリオレフィン系樹脂層4とするポリプロピレン樹脂とともに、接着剤層6とする樹脂として、マレイン酸をグラフト重合したポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマー(アイソタクチックポリプロピレン/アタクチックポリプロピレン=75/25質量比混合)を極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂として使用して、これら3種の樹脂の3層共押出法によって用意した。この樹脂シートは、厚さ10μmのポリオレフィン系樹脂4と、厚さ10μmの接着剤層6と、厚さ50μmの非晶性ポリエステル樹脂層5とからり、連続帯状で隠蔽性の着色樹脂シート(厚さ70μm)である。また、ポリオレフィン系樹脂層4側の表面は、実施例1同様にオゾン処理を行ってある。
【0068】
〔比較例1〕
基材層としてエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる厚み60μmの樹脂シートを使用して、この樹脂シートの片面に実施例1同様の絵柄インキ層を印刷形成して印刷シートとした後、該絵柄インキ層印刷面に、表面層としてエチレン−プロピレンランダム共重合体系のオレフィン系熱可塑性エラストマーを熔融押出塗工法で成膜と同時に積層して、化粧シートを作製した。
【0069】
〔性能評価〕
真空成形性、折曲加工性(Vカット加工適性)、及び(被着体に対する)接着性を評価した。なお、真空成形性は次の様にして評価した。
【0070】
真空成形性:縦横各100mm、厚さ30mmのラワン合板の表面中央部に、深さ5mmで角度90度の断面V字状の直線状V溝を形成したものを被着体として、この被着体に、裏面にウレタン系接着剤を施した上記化粧シートを、真空成形積層方法にて貼り合わせた。そして、化粧シートが上記V溝内に綺麗に成形されて入り込んだものは良好、V溝から浮いていたものは不良とした。
【0071】
性能評価の結果、実施例1及び実施例2は、真空成形性、折曲加工性、及び接着性は、全て良好であった。また、実施例1及び実施例2は基材層に非晶性ポリエステル樹脂を使用しているが、基材層とする連続帯状の樹脂シートに絵柄インキ層を印刷した後の印刷シートは、ロールに巻取り保存してもブロッキングは発生し無かった。
一方、比較例1は、真空成形性、折曲加工性、及び接着性はいずれも十分とは言えず不良であった。
【0072】
【発明の効果】
(1) 本発明の化粧シートによれば、真空成形等の成形性、折曲加工性、及び被着体に対する接着性が良好となる。この結果、成形性が良好な為に、凹凸面へのラミネート時でも化粧シートの凹凸追従性が良く、また、熱成形加工の適正条件幅も広く成形加工し易い上、基材層によるネッキング発生も起きない。また、折曲加工性が良好な為に、Vカット加工等の折曲加工時に、ネッキングや、白化、亀裂、割れを生じ難い。そして、被着体にラミネート時は、接着性の良い非晶性ポリエステル樹脂層側で被着体にラミネートする事になるので、易接着層や接着剤に特別に留意する必要も無い。
ところで、基材層を非晶性ポリエステル樹脂のみの単層構成とした場合、非晶性ポリエステル樹脂は有機溶剤との親和性が良い為に、非晶性ポリエステル樹脂の内容如何では、基材層が絵柄インキ層印刷時のインキ中の有機溶剤を吸着したり、膨潤したり、表面に粘着を生じたりすることがあり、この為、基材層とする連続帯状の樹脂シートに輪転印刷で絵柄インキ層を印刷した印刷シートを、ロールに巻き取ると印刷シートの表裏が接着(所謂ブロッキング)してしまったり、基材層中に残留溶剤が残り易い事があるので、それを防ぐ為、印刷速度を低目にしたり、乾燥ゾーンを長くする必要があった。
しかし、本発明の化粧シートでは、基材層は、その絵柄インキ層側をポリオレフィン系樹脂層としてあるので、基材層に用いる非晶性ポリエステル樹脂層に、成形性、折曲加工性等を重視する観点等から耐有機溶剤性が劣る様な樹脂を使用した場合でも、絵柄インキ層の基材上への形成は、非晶性ポリエステル樹脂層上にでは無くポリオレフィン系樹脂層上への形成となる為に、基材層上に絵柄インキ層を上記印刷時の問題無く形成できる構成となる。従って、生産性の良い化粧シートとなる。
【0073】
(2) また、基材層のポリオレフィン系樹脂層と非晶性ポリエステル樹脂層との間に接着剤層を設けた構成とすれば、基材層に於ける層間密着性をより良好できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの代表的形態例を示す断面図。
【符号の説明】
1 基材層
2 絵柄インキ層
3 表面層
4 ポリオレフィン系樹脂層
5 非晶性ポリエステル樹脂層
6 接着剤層
S 化粧シート
Claims (5)
- 基材層上に、絵柄インキ層、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層をこの順に積層してなる化粧シートにおいて、
前記基材層が前記絵柄インキ層側からポリオレフィン系樹脂層、非晶性ポリエステル樹脂層の順にて構成されると共に、前記ポリオレフィン系樹脂層の厚みが5〜20μmであることを特徴とする真空成形、折曲加工に適した化粧シート。 - 前記基材層が共押出法により積層された樹脂シートであることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- 前記基材層の前記ポリオレフィン系樹脂層と前記非晶性ポリエステル樹脂層とが極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂からなる接着剤層を介して3層共押出法により積層された樹脂シートであることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シート。
- ポリオレフィン系樹脂層と非晶性ポリエステル樹脂層とを前記ポリオレフィン系樹脂層を厚みが5〜20μmとして共押出法により積層することにより基材層を作製し、次いで、前記基材層の前記ポリオレフィン系樹脂層上に、絵柄インキ層を印刷形成し、その後、前記絵柄インキ層上に、溶融押出塗工法によりポリオレフィン系樹脂からなる表面層を成膜と同時に積層することを特徴とする化粧シートの製造方法。
- ポリオレフィン系樹脂層と極性官能基含有ポリオレフィン系樹脂と非晶性ポリエステル樹脂層とを前記ポリオレフィン系樹脂層を厚みが5〜20μmとして3層共押出法により、この順に積層することにより基材層を作製し、次いで、前記基材層の前記ポリオレフィン系樹脂層上に、絵柄インキ層を印刷形成し、その後、前記絵柄インキ層上に、溶融押出塗工法によりポリオレフィン系樹脂からなる表面層を成膜と同時に積層することを特徴とする化粧シートの製造方法。
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JP2000000938A (ja) * | 1998-06-12 | 2000-01-07 | C I Kasei Co Ltd | オレフィン系樹脂化粧シートを表面部分とする木口材 |
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