JP5870799B2 - 化粧シート - Google Patents

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本発明は、耐白化性、耐傷性及び層間密着性に優れる化粧シートに関する。
従来、基材シート上に、透明性樹脂層等の樹脂からなる層を積層してなる化粧シートが提案されている。このような化粧シートには、耐候性、耐機械汚染性等の諸性能を付与することを目的として、透明性樹脂層中に種々の添加剤が添加されている。
このような化粧シートを折り曲げた場合、折り目付近が白化しやすいという問題がある。白化は、上記透明性樹脂層が海島構造を有する場合に生じる傾向がある。
ここで、海島構造とは、非晶質領域(海)に結晶(島)が点在した状態をいう。上記透明性樹脂層が海島構造を有する場合、非晶質領域と結晶との間に界面ができる。化粧シートを折り曲げると、当該界面から亀裂等が生じ、透明性樹脂層を形成する樹脂の結晶構造が破壊されるため、白化が生じることとなる。また、透明性樹脂層が添加剤を含有する場合には、透明性樹脂層が硬いと、透明性樹脂層を形成する樹脂と、添加剤との界面から亀裂等を生じ、樹脂の結晶構造が破壊されるため、白化を生じ易いという問題がある。
上記問題を改善するために、透明性樹脂層の引張弾性率等が低い化粧シートや(例えば、特許文献1参照)、透明性樹脂層に特定の性質を示すエラストマーを含有させて、透明性樹脂層を軟質化させた化粧シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これらの化粧シートは、透明性樹脂層が柔らかいため、耐傷性に劣るという問題がある。
また、特許文献2に記載の化粧シートは、透明性樹脂層に含まれるエラストマーが透明性樹脂層の表面にブリードアウトしてしまい、透明性樹脂層と、隣接する他の層との層間密着性を低下させるという問題がある。
特開2009−292079号公報 特開2009−241489号公報
本発明は、折り曲げた際の耐白化性に優れ、且つ、耐傷性及び層間密着性に優れた化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、透明性樹脂層を有する化粧シートにおいて、上記透明性樹脂層を、少なくとも一層のコア層と、当該コア層の上面及び下面に積層されるスキン層とから形成される層構成とし、上記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含有し、上記スキン層は、エラストマー樹脂を含有しない構成とし、更に、上記コア層の上面及び下面に積層されるスキン層の厚み比率、及び引張弾性率を特定の範囲とし、且つ、透明性樹脂層の引張弾性率を特定の範囲とすることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関する。
1.透明性樹脂層を有する化粧シートであって、
(1)前記透明性樹脂層は、少なくとも一層のコア層と、当該中間層の上面及び下面に積層されるスキン層とから構成され、
(2)前記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含有し、前記スキン層は、エラストマー樹脂を含有せず、
(3)前記コア層の上面及び下面に積層されるスキン層は、厚み比率が、それぞれ、透明性樹脂層の厚み100%に対して5〜20%であり、且つ、引張弾性率が、それぞれ、600〜800MPaであり、
(4)前記透明性樹脂層は、引張弾性率が400〜600MPaである、
ことを特徴とする化粧シート。
2.前記透明性樹脂層のスキン層の引張弾性率は、コア層の引張弾性率以上の引張り弾性率を有する、上記項1に記載の化粧シート。
3.基材シート上に、絵柄層、前記透明性樹脂層及び表面保護層を順に積層してなる、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.前記透明性樹脂層と、表面保護層との間に、更に、表面保護層形成用プライマー層を有する、上記項3に記載の化粧シート。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シートを、被着材に貼り合わせてなる化粧板。
以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。
本発明の化粧シートは、透明性樹脂層を有し、(1)上記透明性樹脂層は、少なくとも一層のコア層と、当該コア層の上面及び下面に積層されるスキン層とから構成され、(2)上記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含有し、上記スキン層は、エラストマー樹脂を含有せず、(3)上記コア層の上面及び下面に積層されるスキン層は、厚み比率が、それぞれ、透明性樹脂層の厚み100%に対して5〜20%であり、且つ、引張弾性率が、それぞれ、600〜800MPaであり、(4)上記透明性樹脂層は、引張弾性率が400〜600MPaであることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の化粧シートは、透明性樹脂層のコア層の上面及び下面に積層されるスキン層が、エラストマー樹脂を含有せず硬いので、耐傷性に優れている。
また、エラストマー樹脂を含有しないスキン層が、コア層の上面及び下面に積層されているので、コア層中のオレフィン系エラストマーが透明性樹脂層の表面にブリードアウトすることを抑制でき、透明性樹脂層の上面及び下面に積層される他の層との層間密着性に優れる。
また、上記コア層がオレフィン系エラストマーを含有するので、柔軟性を有し、折り曲げた際の耐白化性に優れている。
更に、スキン層の厚み比率と引張弾性率、及び透明性樹脂層の引張弾性率が特定の範囲となっているので、上記折り曲げた際の耐白化性、耐傷性及び層間密着性の全てにおいて特に優れている。
本明細書において、スキン層とは、透明性樹脂層の上面及び下面に積層された最外層一層ずつの層であり、コア層とは、上記スキン層に挟まれた、少なくとも一層以上の層である。
本発明の化粧シートの層構成は、透明性樹脂層を有し、上記透明性樹脂層が、少なくとも一層以上のコア層と、当該コア層の上面及び下面に積層されるスキン層とを備えていれば特に限定されず、例えば、基材シート上に、絵柄層、前記透明性樹脂層及び表面保護層を順に積層してなる化粧シートが挙げられる。
以下、かかる構成の化粧シートを代表例として本発明の化粧シートについて図1を用いて具体的に説明する。なお、図1において、各層の長さ、厚み、及び大きさは、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
図1は、本発明の化粧シートの一例を表した断面図である。図1において、本発明の化粧シート1は、基材シート2上に、絵柄層3、透明性樹脂層4及び表面保護層5が順に積層されている。また、図1において、透明性樹脂層4は、一層のコア層41と、当該コア層の上面及び下面に積層されるスキン層42とから構成されている。
[透明性樹脂層]
上記透明性樹脂層は、少なくとも一層のコア層と、当該コア層の上面及び下面に積層されるスキン層とから構成される。
上記透明性樹脂層の引張弾性率は、400〜600MPaである。450〜550MPaであることが好ましい。上記透明性樹脂層の引張弾性率が600MPaより大きいと、折り曲げた際の耐白化性に劣る。また、上記透明性樹脂層の引張弾性率が400MPaより小さいと、耐傷性に劣る。
上記透明性樹脂層の厚みは、10〜150μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。上記透明性樹脂層の厚みが厚すぎると、折り曲げた際の曲率が大きくなることで、折り曲げ部位にかかる負荷が大きくなってしまい、耐白化性に劣るおそれがあり、薄すぎると、耐傷性及び生産性に劣るおそれがある。
(コア層)
上記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含有する。また、上記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂以外の樹脂成分を含んでいてもよい。
上記コア層に含まれるオレフィン系エラストマー樹脂以外の樹脂成分としては、特に限定されず、例えば、透明性の熱可塑性樹脂が挙げられる。
上記コア層に含まれるオレフィン系エラストマー樹脂以外の樹脂成分としては、具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記コア層は、着色されていてもよい。この場合は、コア層に含まれるオレフィン系エラストマー樹脂以外の樹脂成分に着色剤を添加すればよい。着色剤としては、絵柄層で用いる顔料又は染料が使用できる。
また、上記コア層は、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含んでいてもよい。
上記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含有する。上記オレフィン系エラストマー樹脂としては、特に限定されないが、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂であることが好ましい。
上記オレフィン系エラストマー熱可塑性樹脂としては、例えば、α−オレフィン系エラストマーが挙げられる。
上記α−オレフィン系エラストマーとしては、例えば、炭素原子数2〜20のα−オレフィンをメタロセン系触媒を用いて重合させてなる重合体を使用できる。
上記α−オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜20のα−オレフィンを挙げることができる。
重合に際しては、本発明の効果を妨げない範囲で、上記α−オレフィン以外のモノマー成分をさらに重合させてもよい。
上記オレフィン系エラストマー樹脂の含有量は、上記オレフィン系エラストマー樹脂以外の樹脂成分100重量部に対して、5〜200重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることがより好ましい。
上記オレフィン系エラストマー樹脂の含有量が多過ぎると、耐傷性に劣り、また、オレフィン系エラストマー樹脂が透明性樹脂層の表面にブリードして、他の層との層間密着性に劣るおそれがある。少なすぎると、化粧シートを折り曲げた際の白化を十分に抑制できないおそれがある。
上記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含んでいれば、1層であってもよいし、2層以上の層から形成されていてもよい。
また、上記コア層が3層以上の層から形成される場合、コア層の中心の層から外側の層に向かって、オレフィン系エラストマー樹脂の含有量を漸次少なくする構成としてもよい。このような構成とすることによって、コア層の柔軟性を維持したまま、コア層表面へのオレフィン系エラストマー樹脂のブリードを抑制することができ、折り曲げた際の耐白化性に優れ、他の層との層間密着性に優れるとの効果を更に向上させることができる。
なお、コア層が2層以上の層から形成される場合、以下のコア層の厚み、厚み比率及び引張弾性率は、2層以上の層から形成されるコア層全体としての値である。
(スキン層)
上記コア層の上面及び下面には、スキン層が積層される。
上記スキン層を形成するスキン層形成用樹脂組成物に用いられる樹脂としては、エラストマー樹脂を含有しなければ特に限定されず、例えば、透明性の熱可塑性樹脂により好適に形成できる。
具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記スキン層は、着色されていてもよい。この場合は、熱可塑性樹脂に着色剤を添加すればよい。着色剤としては、絵柄層で用いる顔料又は染料が使用できる。
上記スキン層は、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含んでいてもよい。
上記コア層の上面及び下面に積層されるスキン層の厚みは、それぞれ、0.5〜30μmであることが好ましく、1.5〜20μmであることがより好ましい。上記スキン層の厚みが厚すぎると、折り曲げ加工性に劣るおそれがあり、薄すぎると、耐傷性及び層間密着性に劣るおそれがある。
上記コア層の上面及び下面に積層されるスキン層の厚み比率は、それぞれ、透明性樹脂層の厚み100%に対して5〜20%である。10〜15%であることが好ましい。上記スキン層の厚み比率が20%を超えると、折り曲げた際の耐白化性に劣り、5%より小さいと、耐傷性及び層間密着性に劣る。
上記コア層の上面及び下面に積層されるスキン層の引張弾性率は、それぞれ、600〜800MPaである。650〜750MPaであることが好ましい。上記スキン層の引張弾性率が800MPaを超えると、当該スキン層はエラストマー樹脂を含有しないため、折り曲げた際の耐白化性に劣る。また、上記スキン層の引張弾性率が600MPaより小さいと、耐傷性に劣る。
上記スキン層の引張弾性率は、コア層の引張弾性率以上の引張り弾性率を有することが好ましい。このような構成とすることで、表面の硬度が保たれるので、より耐傷性に優れる。
以下、本発明の化粧シートを構成する、他の層について説明する。
(基材シート)
基材シートとしては、1)薄紙,上質紙,クラフト紙,和紙,チタン紙,樹脂含浸紙,紙間強化紙等の紙、2)木質繊維,ガラス繊維,石綿,ポリエステル繊維,ビニロン繊維,レーヨン繊維等からなる織布又は不織布、3)ポリオレフィン,ポリエステル,ポリアクリル,ポリアミド,ポリウレタン,ポリスチレン等の合成樹脂製シート、の1種又は2種以上の積層体が挙げられる。
基材シートの厚さは、通常20〜150μm、好ましくは60〜80μm程度である。基材シートは、必要に応じて着色されていてもよい。また、表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
(絵柄層)
絵柄層は、柄インキ層及び/又はベタインキ層から構成される。絵柄層は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法により形成できる。柄インキ層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様等が挙げられる。ベタインキ層は、着色インキのベタ印刷により得られる。絵柄層は、柄インキ層及びベタインキ層の片方又は両方から構成される。
絵柄層に用いるインキとしては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種又は2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものが使用できる。この中でも、環境問題、被印刷面との密着性等の観点より、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上の混合物が好ましい。
(表面保護層)
表面保護層は、化粧シートに要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。この表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましい。特に、電離放射線硬化型樹脂は高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。溶液の塗布量としては、固形分で概ね1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。溶液の塗布量としては、固形分として概ね1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂から形成された表面保護層に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すればよい。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維等が挙げられる。
無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜80重量部程度である。
各層の積層は、例えば、基材シートの一方の面に絵柄層(ベタインキ層、柄インキ層)を順に印刷により形成後、絵柄層上に2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤を介して透明性樹脂層をドライラミネーション法、Tダイ押出し法等で積層し、さらに表面保護層を形成する方法により行える。
透明性樹脂層側や表面保護層側からエンボス加工を施すことにより凹凸模様を形成してもよい。凹凸模様は、加熱プレス、ヘアライン加工等により形成できる。凹凸模様としては、導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
(バッカー層)
上記化粧シートは、最下層(被着材と接着する層)に厚さ10〜200μmの合成樹脂層(いわゆるバッカー層)を有していてもよい。なお、バッカー層は、床用化粧材において衝撃吸収等を目的とした緩衝層を意味する。バッカー層を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレート〔例えば、エチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコール等で置換したポリエチレンテレフタレートである、いわゆる商品名PET−G(イーストマンケミカルカンパニー製)〕、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS等が挙げられる。これらの樹脂は単独又は2種以上で使用できる。
(表面保護層形成用プライマー層)
本発明の化粧シートは、上記透明性樹脂層と、表面保護層との間に、更に、表面保護層形成用プライマー層が形成されていることが好ましい。表面保護層形成用プライマー層は、透明性樹脂層と表面保護層との接着性(密着性)を高める機能を有する。また、表面保護層の延伸部に微細な割れや白化を生じにくくする効果を有する。また、表面保護層形成用プライマー層を設けることにより、上記表面保護層の形成が容易となる。上記表面保護層形成用プライマー層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
表面保護層形成用プライマー層は、公知の又は市販のプライマー剤を前記透明性樹脂層の上に塗布することにより形成できる。特に、上記表面保護層形成用プライマー層は、樹脂を架橋させることにより形成された層であることが好ましい。そのような層を形成するためのプライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。これらプライマー剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
表面保護層形成用プライマー層には、艶消し剤としてシリカを含有させてもよい。プライマー剤中におけるシリカの含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。更に、必要に応じて、プライマー剤に公知の添加剤を含有させてもよい。例えば、プライマー剤にヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤を含有させることにより、前記透明性樹脂層と前記表面保護層との密着性をより向上させることができる。また、表面保護層形成用プライマー層には紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の耐候性剤を加えてもよい。
表面保護層形成用プライマー層は、例えば直接コーティング法によって形成することができ、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。
表面保護層形成用プライマー層の厚さは0.1〜10μm程度であることが好ましい。0.1μm以上であると、表面保護層の割れ、破断、白化等を防ぐ効果を十分に発揮させることができる。一方、表面保護層形成用プライマー層の厚さが10μm以下であれば、表面保護層形成用プライマー層を塗工した際、塗膜の乾燥、硬化が安定であるので成形性が変動することが無く好ましい。以上の点から表面保護層形成用プライマー層の厚さは0.1〜10μmであることがより好ましい。
(接着剤層)
本発明の化粧シートは、所望により、絵柄層と透明性樹脂層との間に、接着剤層を設けてもよい。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。また、接着剤層で使用する接着剤は、特に限定されず、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら接着剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
また、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層は、例えば、接着剤を模様層の上に塗布後、一度乾燥し、その後、透明性樹脂を積層することにより形成できる。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
(裏面プライマー層)
上記基材シートの裏面には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けても良い。例えば、基材シートと被着材とを接着して床用化粧材を作製する際に有利である。
裏面プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの裏面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
裏面プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.1〜10μm、好ましくは1〜5μm程度である。
(化粧板)
本発明は上記化粧シートの表面保護層が最表面層となるように当該化粧シートが被着材上に積層されてなる化粧板をも包含するものである。
本発明の化粧シートが積層される被着材は、特に制限されるものではなく、公知の被着材を用いることができる。上記被着材としては、例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明の化粧シートは、鋼板などの金属材料、木質材に好適に使用することができる。上記金属材料としは、具体的には、アルミニウム板が挙げられ、また、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、すずめっき鋼板、ステンレス鋼板、耐食性に優れたZn−Al−Mg−Si合金めっき鋼板等の鋼板が挙げられる。上記木質材としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
本発明の化粧シートの各種被着材への積層方法としては特に限定されるものではなく、例えば接着剤により化粧シートを被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。なお、接着剤で本発明の化粧シートを各種被着材に接着するに際し、裏面プライマー層を設けることが接着性を高めることができる点で好ましい。
このようにして製造された化粧板は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、玄関ドア等の外装材として好ましく用いることができる。なお、本発明の化粧シートは金属基材と貼り合わせ、その後、折り曲げ加工することで特に本発明の効果を発揮する。
本発明の内装用化粧材は、折り曲げた際の耐白化性に優れ、且つ、耐傷性及び層間密着性に優れている。
本発明の化粧シートの一例を表した断面図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
(透明性樹脂層の製造)
コア層に含まれる、オレフィン系エラストマー樹脂以外の樹脂成分として、示差走査熱量測定の融点が140℃であり、JIS K7210:1999に準拠して測定したメルトマスフローレートが7g/10minであるランダムポリプロピレンを用意した。次いで、JIS K7210:1999に準拠して測定したメルトマスフローレートが8g/10minであるオレフィン系エラストマー樹脂(商品名「プライムTPO J5900」プライムポリマー製)を用意し、上記ランダムポリプロピレンに添加してコア層形成用樹脂組成物とした。上記オレフィン系エラストマー樹脂の添加量は、ランダムポリプロピレン100重量部に対して30重量部であった。
また、スキン層を形成するスキン層形成用樹脂組成物として、上記コア層に用いたランダムポリプロピレンと同一のものを用意した。
Tダイ押出機により、スキン層形成用樹脂組成物/コア層形用成樹脂組成物(一層)/スキン層形成用樹脂組成物となるように押出成形し、3層構成の透明性樹脂層からなる実施例1の透明性樹脂層(化粧シート)を製造した。上記透明性樹脂層の厚みは、80μmであった。また、コア層の上面及び下面に積層されたスキン層は、厚み比率が、それぞれ、透明性樹脂層の厚み100%に対して5%であった。
実施例2、比較例1及び2
スキン層の厚み比率を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2、比較例1及び2の透明性樹脂層(化粧シート)を製造した。
(評価方法)
耐熱試験(ブリードアウト性評価)
実施例1及び2、比較例1及び2の透明性樹脂層(化粧シート)を、80℃に設定したオーブン中に入れて3週間放置し、取り出し後の触感を評価した。
評価基準は、以下の通りである。
○:ベタツキ感がないもの
△:軽微なベタツキを感じるもの
×:ベタツキ感を感じるもの
上記試験の結果を、表1に示した。
Figure 0005870799
表1の結果から明らかなように、厚み比率が5〜20%である実施例1及び2の透明性樹脂層は、ブリードアウト性に優れていることが分かった。
実施例3
両面にコロナ放電処理を施した60μmの厚さのポリプロピレン製の基材シートの一方の面に、アクリルウレタン系樹脂からなる印刷インキで2μm厚さの絵柄層を形成した。他方の面にウレタン−硝化綿混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加してなるプライマー剤を塗布して、2μmの厚さの裏面プライマー層を形成した。次いで、上記絵柄層上に、アクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート11重量部を添加してなる接着剤を固形分量が3g/mとなるように塗工し、3μm厚さの透明性接着剤層を形成した。
透明性接着剤層にコロナ放電処理を施し、透明性接着剤層上に、上記実施例1と同様にして、透明性樹脂層を押出成形した。
透明性樹脂層上にアクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート6重量部を添加してなるプライマー剤を塗布して2μmの厚さの表面保護層形成用プライマー層を形成した。次いで、該表面保護層形成用プライマー層上に、アクリレート系電子線硬化型樹脂をロールコート法により固形分が5g/mとなるように塗布・乾燥した。その後、酸素濃度200ppmの環境下において、未硬化樹脂層に加速電圧125KeV、5Mradの条件で電子線を照射して、厚さ5μmの電子線硬化型樹脂からなる表面保護層を形成した。さらに、該表面保護層側からエンボス加工を施して、深さ30μmの木目導管柄の凹凸模様が形成された160μm厚の化粧シートを作製した。
また、2液硬化型ウレタン樹脂からなる接着剤を塗布した厚さ0.27mmの塗装鋼板を、オーブン中で150℃の温度で約1分間養生させた。その後、上記のようにして得られた化粧シートを、直ちに、ロールラミネーターを用いて貼付けし、化粧鋼板を作製した。
実施例4〜8、比較例3〜20
透明性樹脂層の引張弾性率、スキン層の厚み比率及び引張弾性率を表2のように変更した以外は実施例3と同様にして、実施例4〜8、比較例3〜20の化粧シート及び化粧鋼板を作製した。上記化粧シート又は化粧鋼板を、以下の評価方法により評価した。
(評価方法)
引張弾性率
JIS K 6734の試験方法に準拠して、ダンベル型試験片状に打ち抜いた化粧シートを用意し、25℃の温度環境下、引張圧縮試験機(オリエンテック株式会社製:テンシロンRTC−1250A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離80mmの条件で引張弾性率を測定した。
鋼板折り曲げ試験(常温)
JIS Z 2248 6.3に規定されたVブロック法に準拠して、化粧鋼板の表面温度25℃、曲げ角度90°、曲げ内側半径0mmの条件で、鋼板折り曲げ試験を行った。
評価基準は、以下の通りである。
○:折り目付近が白化していないもの
△:折り目付近に軽微な白化が見られるものの、意匠的には問題ないもの
×:折り目付近が白化しているもの
鋼板折り曲げ試験(低温)
化粧鋼板の表面温度を0℃にした以外は、上記鋼板折り曲げ試験(常温)と同様の試験を行った。
環境試験
UVランプ(商品名「M04−L21WB/SUV」岩崎電気社製)、ランプジャケット(商品名「WJ50−SUV」岩崎電気社製)及び照度計(商品名「UVD−365PD」岩崎電機社製)を備えた超促進耐候性試験装置(商品名「アイ スーパー UVテスター SUV−W131」岩崎電気社製)を使用した。化粧シートに対し、ブラックパネル温度63℃、照度60mW/cm、20時間照射・4時間結露を繰り返し、100時間後の表面保護層と透明性樹脂層との密着性、及び透明性樹脂層と基材シートとの密着性を測定した。
密着性(表面保護層と透明性樹脂層)
化粧シートの表面保護層に、室温下でセロファンテープ(ニチバン社製のセロファン粘着テープ、「セロテープ(登録商標)」25mm幅)を強く貼着させ、化粧鋼板の表面と90度の方向に、該セロファンテープを強制的に剥離した。化粧シートの表面の状態について評価した。
評価基準は、以下の通りである。
○:同じ場所で5回以上セロファンテープの剥離を行ったが、表面保護層の剥離がみられないもの
△:1回目は表面保護層の剥離が見られなかったが、2回目以降はセロファンテープ密着部分の一部に剥離がみられたもの
×:セロファンテープ密着部分の一部もしくは全面に剥離がみられたもの
密着性(透明性樹脂層と基材シート)
テンシロン試験機を用いて、25mm巾の化粧シートの、透明性樹脂層と基材シートとを、剥離スピード100mm/minにてT字剥離し、荷重をN=3で測定して評価した。
評価基準は、以下の通りである。
○:15N以上のもの
△:10〜15N未満のもの
×:10N未満のもの
鉛筆硬度試験
試験機が水平位置のときに鉛筆の先に対して500gの荷重を与えるように試験機を設定した以外は、JIS K 5600−5−4に準拠して、化粧鋼板の表面の鉛筆硬度試験を行った。試験は、鉛筆硬度試験機を用いて行い、傷付き始めの硬度により評価した。
判定基準は、以下の通りである。
◎:3B以上のもの
○:4Bのもの
△:5Bのもの
×:6B以下のもの
上記試験の結果を、表2に示した。
Figure 0005870799
表2の結果から明らかなように、実施例3〜8の化粧シート及び化粧鋼板は、透明性樹脂層が、少なくとも1層のコア層と、当該コア層の上面及び下面に積層されるスキン層とから構成され、上記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含有し、上記スキン層は、エラストマー樹脂を含有せず、また、スキン層の厚み比率、スキン層の引張弾性率、及び透明性樹脂層の引張弾性率が適切な範囲内にあるため、折り曲げた際の耐白化性に優れ、且つ、耐傷性及び層間密着性に優れていることが分かった。
1…化粧シート、2…基材シート、3…絵柄層、4…透明性樹脂層、41…コア層、42…スキン層、5…表面保護層

Claims (5)

  1. 透明性樹脂層を有する化粧シートであって、
    (1)前記透明性樹脂層は、少なくとも1層のコア層と、当該コア層の上面及び下面に積層されるスキン層とから構成され、
    (2)前記コア層は、オレフィン系エラストマー樹脂を含有し、前記スキン層は、エラストマー樹脂を含有せず、
    (3)前記コア層の上面及び下面に積層されるスキン層は、厚み比率が、それぞれ、透明性樹脂層の厚み100%に対して5〜20%であり、且つ、引張弾性率が、それぞれ、600〜800MPaであり、
    (4)前記透明性樹脂層は、引張弾性率が400〜600MPaである、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記透明性樹脂層のスキン層の引張弾性率は、コア層の引張弾性率以上の引張り弾性率を有する、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 基材シート上に、絵柄層、前記透明性樹脂層及び表面保護層を順に積層してなる、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記透明性樹脂層と、表面保護層との間に、更に、表面保護層形成用プライマー層を有する、請求項3に記載の化粧シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シートを、被着材に貼り合わせてなる化粧板。
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