JP2922762B2 - 難燃性ノンハロゲン系床材 - Google Patents

難燃性ノンハロゲン系床材

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JP2922762B2
JP2922762B2 JP25900493A JP25900493A JP2922762B2 JP 2922762 B2 JP2922762 B2 JP 2922762B2 JP 25900493 A JP25900493 A JP 25900493A JP 25900493 A JP25900493 A JP 25900493A JP 2922762 B2 JP2922762 B2 JP 2922762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、列車、電車、バス等の
車両、航空機、学校、病院等の公共施設、その他難燃性
が要求される分野における床材に関し、更に詳しくは、
塩素等のハロゲンを含まない樹脂を主体としてなり、且
つ難燃性、施工性、表面強度及び装飾性等に優れた難燃
性ノンハロゲン系床材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビル、家屋、列車、電車、バス等
の車両、航空機、学校、病院等の公共施設、その他の分
野における床材としては、基布の表面に塩化ビニル系樹
脂又は加硫ゴムからなる表面層を積層してなる床材が使
用されている。上記従来の床材においては、表面層が塩
化ビニル系樹脂からなるものが大部分である。塩化ビニ
ル系樹脂を表面層に使用する理由は、塩化ビニル系樹脂
からなる表面層が、難燃性で、表面強度及び耐摩耗性に
優れ、更に塩化ビニル系樹脂は適度の粘弾性(損失係数
0.3〜0.45)を有し、施工性等に優れており、更
に透明性にも優れている為に鮮明な印刷模様等の装飾を
付与することが出来、装飾性にも優れていることによ
る。一方、表面層として加硫ゴムを使用した床材は、耐
摩耗性や耐熱性等に優れているので、上記塩化ビニル系
樹脂製床材にない特性が要求される用途において使用さ
れ、難燃性が要求される用途においては、ハロゲン系の
難燃剤を添加して難燃性の要求に応えている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の塩化ビニ
ル系樹脂製の床材は、上記の優れた性能と共にコスト的
にも有利であるが、火災時や焼却処理時に有害な塩化水
素ガスが発生し、火災時に塩化水素ガスによる中毒や窒
息等の危険があり、又、焼却処理時には大量の塩化水素
ガスが発生する為、環境衛生上好ましくないという問題
がある。又、上記加硫ゴム製の床材の場合には、上記の
有利な点を有するものの、表面が汚染され易いこと、透
明性に劣る為印刷模様等の装飾を付することが容易では
なく、反発弾性が大きすぎて下地への馴染みが悪く施工
性が劣る、加硫されているので、再加工が困難であると
共に焼却処理性が劣る、添加されているハロゲン系難燃
剤によっての火災時や焼却処理時に有害なハロゲン系の
ガスを発生し、危険且つ環境を汚染する等の問題があ
る。
【0004】以上の如き従来技術の塩化ビニル系樹脂製
床材の問題点を解決すべく、ハロゲン原子を含有せず、
且つ再生処理可能な床材表面材の材料として、エチレン
−エチルアクリレート共重合樹脂(以下EEAとい
う)、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂(以
下EMMAという)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
(以下EVAという)等のオレフィン系共重合樹脂や、
ポリプロピレン樹脂(以下PPという)、ポリエチレン
(以下PEという)、ポリブテン−1(以下PB−1と
いう)等のオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン系
エラストマー(又はゴム)(以下TPOという)を床材
の樹脂材料とし、これらの樹脂に非ハロゲン系難燃剤、
例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の
水酸化物系無機難燃剤或は該水酸化物より優れた赤燐等
の難燃剤を使用することが検討されている。
【0005】しかしながら、上記各樹脂材料は、床材の
表面材として見た場合、オレフィン系共重合樹脂は透明
性であるので、着色性や印刷等による装飾性等において
は問題はないものの、耐傷性、耐汚染性が劣り、上記オ
レフィン系樹脂は硬すぎて施工性が劣り、オレフィン系
エラストマー(又はゴム)は柔軟性ではあるが、耐傷性
及び耐汚染性が劣る等の問題があり、これらのオレフィ
ン系ポリマーを混合しても上記問題は解消されない。更
にこれらのオレフイン系ポリマーに共通する問題とし
て、その損失係数が0.1前後である為に、粘性がな
く、反発弾性が強いので、下地形状への追従性が悪く、
長尺床材の場合、巻き物を広げた時に巻き癖が容易に解
消されず、その結果施工性が劣り、現在のところ研究段
階であって製品化には至っていない。
【0006】更に上記樹脂材料を用いて難燃性床材とす
る場合、床材の構成が単層構成或は複層構造のいずれに
おても、水酸化物系無機難燃剤を使用する場合には、最
表層にこれらの難燃剤を40重量%以上添加しないと床
材が難燃性とはならず、この様に大量に添加すると、床
材の表面強度が低下し、傷が付き易く、傷による白化や
折り曲げによる白化が目立ち、外観上好ましくない。
又、赤燐を表層に添加する場合には、難燃効果を得る為
に20重量%以上の添加が必要であり、この様に赤燐を
大量に添加すると、上記と同様に床材の表面強度が低下
し、傷が付き易く、傷による白化や折り曲げによる白化
が目立ち、又、表層が赤色系に着色されるので外観上及
び意匠上好ましくない。
【0007】以上の様に表層に多量の難燃剤を添加する
ことは、床材としての種々の物性が損なわれるので好ま
しくない。そこで床材を2層構成とし、下層に多量の無
機難燃剤を添加し、表層には傷が付きにくい程度の無機
系難燃剤を10〜20重量%程度添加すると逆に可燃性
となり、それ以下の添加量にすると難燃性は多少向上す
るが、満足される程度の難燃性は得られない。更に燐酸
エステル等の有機の難燃剤に使用も考えられるが、前記
の如きオレフィン系ポリマーと燐酸エステル系難燃剤と
は相溶性が低く、床材とした場合に床材の表面に燐酸エ
ステル系難燃剤がブリードアウトし、表面強度は低下し
ないものの、耐汚染性が著しく低下するので実用性がな
い。
【0008】従って本発明の目的は、上記従来技術の問
題点を解決し、塩化ビニル系樹脂或は加硫ゴムを床材の
表面材として使用することなく、塩化ビニル系樹脂製の
床材と同等或はそれ以上に、難燃性、施工性、耐傷性、
耐汚染性、装飾性に優れた難燃性ノンハロゲン系床材を
提供することである。
【0009】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、オレフィン系熱
可塑性樹脂を含んでもよい熱可塑性エラストマー(又は
ゴム)100重量部と水酸化物系無機難燃剤80〜20
0重量部とを主成分としてなり、且つ100Hz・20
℃における損失係数(tanδ)(以下単に損失係数と
いう)が0.3以上の下層と、プロピレンを主体とする
ランダムプロピレン共重合体50〜80重量部と熱可塑
性エラストマー(又はゴム)20〜40重量部とα−オ
レフィン系樹脂又はオレフィン系共重合樹脂5〜20重
量部と全樹脂分100重量部当たり燐酸エステル系難燃
剤3〜10重量部とシリカ0.5〜5重量部とを主成分
としてなる上層とを積層してなり、該積層物の損失係数
が0.2以上であることを特徴とする難燃性ノンハロゲ
ン系床材である。
【0010】
【作用】床材を下層と上層の2層構成とし、下層をオレ
フィン系熱可塑性樹脂を含んでもよい熱可塑性エラスト
マー(又はゴム)と水酸化物系無機難燃剤とを主成分と
して形成して、下地形状に対する優れた追従性及び施工
性を与え、上層をプロピレンを主体とするランダムプロ
ピレン共重合体と熱可塑性エラストマー(又はゴム)と
オレフィン系ポリマーと燐酸エステル系難燃剤とシリカ
との混合物から形成して、表面に優れた耐傷性、耐汚染
性、装飾性を与えることにより、塩化ビニル系樹脂や加
硫ゴムを使用することなく、塩化ビニル系樹脂製の床材
と同等或はそれ以上に、難燃性、施工性、耐傷性、耐汚
染性、装飾性に優れた難燃性ノンハロゲン系床材を提供
することが出来る。
【0011】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明の床材の構造は、そ
の断面を図解的に説明する図1及び図2に示す様に、基
本的には下層1と上層2とを一体的に積層してなり、必
要に応じて下層1と上層2との間又は下層の下面に基布
3を積層してもよく、更に下層1を不透明に着色し、透
明な上層2との界面に任意の装飾模様4、例えば、印刷
模様を施すことが出来る。本発明の床材に使用してもよ
い基布とは、従来の塩化ビニル系樹脂製床材に使用され
ている基布と同様に、ガラス繊維、ポリエステル繊維、
レーヨン繊維、麻等の繊維の単独又は混紡による織布又
は不織布であり、本発明においてはこれら従来の床材用
基布がいずれもそのまま使用することが出来る。
【0012】本発明の床材を構成する下層は、オレフィ
ン系熱可塑性樹脂を含んでもよい熱可塑性エラストマー
(又はゴム)と水酸化物系無機難燃剤とを主成分として
形成する。この熱可塑性エラストマー(又はゴム)とし
ては、ハロゲン原子や窒素原子を含まないもので、損失
係数が0.4以上のもの、例えば、ポリスチレン−ポリ
ブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー、ポリス
チレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロックコポリ
マー、ポリスチレン−ポリブタジエンブロックコポリマ
ー、ポリスチレン−ポリイソプレンブロックコポリマー
又はこれらの水素添加物或はそれらの混合物等が挙げら
れ、特に好ましい材質は、ポリスチレン−ビニル−ポリ
ブタジエン−トリブロックコポリマー、ポリスチレン−
ポリビニル−ポリイソプレントリブロックコポリマー又
はそれらの部分架橋物或は水素添加物からなる熱可塑性
エラストマー(又はゴム)である。これらの熱可塑性エ
ラストマー(又はゴム)は、例えば、ハイブラーVS−
1、VS−2、VS−3等の商品名で(株)クラレ等か
ら入手して本発明で使用することが出来る。上記の如き
熱可塑性エラストマー(又はゴム)は単独でも混合物と
しても使用することが出来る。
【0013】本発明で使用する水酸化物系無機難燃剤と
しては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム等の従来公知の水酸化物系無機難燃剤が使用され、
これらの水酸化物系無機難燃剤は前記表層を形成するオ
レフィン系熱可塑性樹脂を含んでもよい熱可塑性エラス
トマー(又はゴム)100重量部当たり80〜200重
量部の割合で使用する。使用量が80重量部未満である
と十分な難燃性が得られず、一方、使用量が200重量
部を越えると得られる床材の機械的物性が低下するので
好ましくない。
【0014】以上の成分から形成される層は透明である
必要がない為に、更に従来公知の各種充填剤、例えば、
炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料、各種の着色顔
料、滑剤、酸化防止剤、光安定剤等の任意の添加剤を添
加することが出来る。更に上記エラストマー(又はゴ
ム)には、これと相溶性のあるEEA、EVA、EMM
A等のオレフィン系共重合樹脂、PP、PE、PB−1
等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンーポリプロピレン
ブロックコポリマー、ポリエチレンーポリプロピレン−
ジエンブロックコポリマー系ゴム(以下EPR、EPD
Mという)等のポリオレフィン系ゴム等のオレフィン系
熱可塑性樹脂を、樹脂成分全量の0〜80重量%、好ま
しくは5〜80重量%を占める量で配合することが出来
る。上記併用してもよい樹脂としては、相溶性の良好な
EEA、PP及びEPDM等が好ましく使用される。
【0015】下層は上記成分を溶融混練して熱ロール等
でシート化し、必要に応じて基布に積層するが、上記添
加剤及び併用樹脂の配合量は得られるシートの損失係数
が0.3未満にならない範囲にすることが必要である。
損失係数が0.3未満になる配合では、得られるシート
の粘性が不足し、硬く、反発弾性が大きく、得られる床
材をロール状に巻いた時の巻き癖が残り、下地形状への
追従性が悪く、施工性が劣るので好ましくない。形成す
る下層用のシートの厚みは約1.0〜3.0mm程度が
一般的である。
【0016】前記基布上に上記下層用シートを積層する
場合には、いずれかの面、好ましくは基布面にエチレン
−アクリル酸エステル系、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂等のビニル系樹脂からなる接着剤を塗布して加圧
又は加熱ローラー等で積層するが、加圧加熱ロールを使
用する場合には接着剤は使用してもしなくてもよい。上
記下層の表面に上層を積層することにより本発明の床材
が形成されるが、上層の積層前に下層のシートの表面
に、例えば、グラビア印刷、凸版印刷、転写方法等で、
任意の模様、例えば、種々の印刷模様等を付与して、得
られる床材の装飾性及び意匠性を向上させることが出来
る。
【0017】上層は、プロピレンを主体とするランダム
プロピレン共重合体50〜80重量部と熱可塑性エラス
トマー(又はゴム)20〜40重量部とα−オレフィン
系樹脂又はオレフィン系共重合樹脂5〜20重量部と全
樹脂分100重量部当たり燐酸エステル系難燃剤3〜1
0重量部とシリカ0.5〜5重量部とを主成分として形
成される。上記ランダムプロピレン共重合体は、プロピ
レンに、エチレン、ブチレン等の他のオレフィンモノマ
ー約0.5〜5モル%との共重合体であり、例えば、商
品名6021K、J−450B、E−420G、F35
0H等として、例えば、(株)東ソー社や日石化学
(株)社等から入手して本発明で使用することが出来
る。
【0018】上記ランダムポリピロピレン共重合体の使
用量が50重量%未満であると、形成される上層用シー
トの耐傷性、耐汚染性、硬度等が不十分となり、一方、
80重量%を越えるとシートが硬過ぎて、シートに巻き
癖等が付き好ましくない。このランダムプロピレン共重
合体の軟化剤として使用する熱可塑性エラストマーとし
ては、前記の如き各種エラストマー(又はゴム)が使用
され、特に水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが
好適に使用される。この様な熱可塑性エラストマーの使
用量が、20重量部未満であると軟化効果が十分ではな
く、形成されるシートが硬すぎて施工性が劣り、又、シ
ートに巻き癖が付くとその巻き癖が取れない等の点で不
十分であり、一方、使用量が40重量部を越えると形成
されるシートの表面強度が低下して傷が付き易くなり、
又、汚れ易くなる等の点で好ましくない。
【0019】又、α−オレフィン系樹脂又はオレフィン
系共重合樹脂としては、超低密度ポリエチレン(以下V
LDPEという)、低密度ポリエチレン(以下LDPE
という)、PB−1、EEA、EMMA、EVA、EM
A等のα−オレフィン系樹脂又はオレフィン系共重合樹
脂が挙げられる。この様なオレフィン系ポリマーは樹脂
系と燐酸エステル系難燃剤との相溶性を高めるものであ
って、その使用量が、5重量部未満であると燐酸エステ
ルとの相溶性が不十分で燐酸エステルがブリードアウト
する点で不十分であり、一方、使用量が20重量部を越
えると形成されるシートの表面強度が低下してしまい、
表面が傷つき易くなる等の点で好ましくない。又、難燃
剤である燐酸エステルとしては、例えば、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリメチル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、クレジルジフ
ェニルホスフェート等の従来公知の燐酸エステル系難燃
剤が挙げられる。この様な燐酸エステル系難燃剤の使用
量が、3重量部未満であると十分な難燃効果が得られ
ず、一方、使用量が10重量部を越えると、燐酸エステ
ルのブリードアウトが生じるので好ましくない。
【0020】更に本発明で使用するシリカは、床材の燃
焼時におけるドリップを防止する作用を有するものであ
って、例えば、ファインシール、ミズカシル等の商品名
昭和電工(株)や水澤化学工業(株)等から入手して
本発明で使用することが出来る。その使用量が、0.5
重量部未満であると燃焼時のドリップ防止効果が得られ
ず、一方、使用量が5重量部を越えると、それ以上添加
しても効果が変わらず、又、シートの透明性が低下する
ので好ましくない。
【0021】更にこれらの樹脂には、これらの樹脂から
形成されるシートの透明性を過度に害さない範囲におい
て、従来公知の各種充填剤、例えば、炭酸カルシウム、
タルク、水酸化アルミニウム等の体質顔料、各種の着色
顔料、滑剤、酸化防止剤、光安定剤等の任意の添加剤を
0〜5重量%程度添加することが出来る。上記ランダム
ランダムプロピレン共重合体等を主体とする成分からの
シートの形成は、押出成形方法やカレンダー法で行うこ
とが出来、前記下層の表面にシート化と同時に積層して
もよいし、又、シート化した後にラミネーター等で加熱
押圧して積層してもよい。上記上層用のシートの厚みは
約0.3〜1.0mm程度が一般的である。
【0022】本発明の床材は、以上の如くして形成され
るが、得られる床材の損失係数が0.2以上になる様に
下層及び上層(更には基布)を組み合わせて積層するこ
とが必要である。損失係数が0.2未満であると、得ら
れる床材の粘性が不足し、硬く、反発弾性が大きく、得
られる床材をロール状に巻いた時の巻き癖が残り、下地
形状への追従性が悪く、施工性が劣るので好ましくな
い。又、最終的に得られる床材の厚みは、基布を積層し
た場合には基布を含めて約2.0〜4.0mm程度が一
般的であり、その形状は幅約1,300〜2,500m
mの長尺物が一般的であるが、特に長尺物に限定される
ことはない。
【0023】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例1、2及び比較例1〜4 下記表1及び表2に記載の上層用及び下層用のコンパウ
ンドを配合し、各コンパウンドをインテンシブルミキサ
ーで160℃で混練後、180℃のロールで下層を2.
0mmの厚さに、上層を0.5mmの厚さにシート出し
後、下層及び上層を加熱温度200℃のロールラミネー
ターで加圧積層して実施例及び比較例の床材を得た。得
られた床材の、難燃性、耐傷性、耐汚染性、巻き癖性及
び施工性を調べたところ下記表3の結果が得られた。
【0024】
【表1】 下層用コンパウンド組成 (註1)ポリスチレン・ビニル−ポリイソプレントリブ
ロック共重合体からなるスチレン系熱可塑性エラストマ
ー(100Hz・20℃における損失係数1.0) (註2)エチレン−エチルアクリレート共重合体(EA
含有率20重量%) (註3)ポリプロピレン樹脂 (註4)エチレン−プロピレンゴム (註5)100Hz・20℃における損失係数(tan
δ)
【0025】
【表2】 上層用コンパウンド組成 (註6)E420G、日本石油化学製 (註7)水素添加ポリスチレン・ポリブタジエンゴム
【0026】
【表3】 床材特性
【0027】(註8)JIS K 3920の耐ヒール
マーク性試験方法に準拠。 ○:傷つきが少ない ×:傷つきが大きい (註9)JIS K 3920の耐ヒールマーク性試験
方法に準拠。 ○:靴底による汚れが少ない ×:靴底による汚れが大きい (註10)床材を、外径が9cmのボール紙製芯に巻い
た後、これを拡げてカール性を調べた。 ○:巻き癖が取れ易い ×:巻き癖が取れにくい (註11)床材を接着剤を使用して下地と接着施工した
場合の施工性 ○:床材と下地との馴染みが良い △:床材と下地との馴染みがやや悪い ×:床材がカールして施工が出来ない (註12):運輸省「鉄道車両用材料の燃焼性試験方
法」による ○:難燃性 ×:緩燃性
【0028】実施例3 実施例2で得られた床材の下層の面に、亜麻繊維とレー
ヨン繊維との混紡(50:50)を平織り(密度:縦1
8本/25mm、横18本/25mm)にした織布を、
オレフィン系エマルジョン接着剤を使用して積層した。
得られた床材は、難燃性、耐傷性、耐汚染性、耐巻き癖
性及び施工性が良好なものであった。
【0029】実施例4 実施例2における下層用組成物を着色してシート化し、
このシートの一方の面に実施例2と同様に基布を積層
し、他方の面にグラビアロールを使用して木目調印刷を
行ない、その面に実施例2の上層用シートを積層した。
得られた床材は難燃性、耐傷性、耐汚染性、耐巻き癖性
及び施工性が良好であるとともに、装飾性に優れたもの
であった。
【0030】
【効果】以上の如き本発明によれば、床材を下層と上層
の2層構成とし、下層をオレフィン系熱可塑性樹脂を含
んでもよい熱可塑性エラストマー(又はゴム)と水酸化
物系無機難燃剤とを主成分として形成して、下地形状に
対する優れた追従性及び施工性を与え、上層をプロピレ
ンを主体とするランダムプロピレン共重合体と熱可塑性
エラストマー(又はゴム)とオレフィン系ポリマーと燐
酸エステル系難燃剤とシリカとの混合物から形成して、
表面に優れた耐傷性、耐汚染性、装飾性を与えることに
より、塩化ビニル系樹脂や加硫ゴムを使用することな
く、塩化ビニル系樹脂製の床材と同等或はそれ以上に、
難燃性、施工性、耐傷性、耐汚染性、装飾性に優れた難
燃性ノンハロゲン系床材を提供することが出来る。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床材の断面を説明する図
【図2】本発明の床材の断面を説明する図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 E04F 15/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系熱可塑性樹脂を含んでもよ
    い熱可塑性エラストマー(又はゴム)100重量部と水
    酸化物系無機難燃剤80〜200重量部とを主成分とし
    てなり、且つ100Hz・20℃における損失係数(t
    anδ)が0.3以上の下層と、プロピレンを主体とす
    るランダムプロピレン共重合体50〜80重量部と熱可
    塑性エラストマー(又はゴム)20〜40重量部とα−
    オレフィン系樹脂又はオレフィン系共重合樹脂5〜20
    重量部と全樹脂分100重量部当たり燐酸エステル系難
    燃剤3〜10重量部とシリカ0.5〜5重量部とを主成
    分としてなる上層とを積層してなり、該積層物の100
    Hz・20℃における損失係数(tanδ)が0.2以
    上であることを特徴とする難燃性ノンハロゲン系床材。
  2. 【請求項2】 下層の熱可塑性エラストマーが部分架橋
    スチレン系熱可塑性エラストマーであり、上層の熱可塑
    性エラストマーが水素添加スチレン系熱可塑性エラスト
    マーである請求項1に記載の難燃性ノンハロゲン系床
    材。
  3. 【請求項3】 下層と上層との間、又は下層の下面に基
    布を積層してなる請求項1に記載の難燃性ノンハロゲン
    系床材。
  4. 【請求項4】 不透明な下層と透明な上層との界面に装
    飾模様が施されている請求項1に記載の難燃性ノンハロ
    ゲン系床材。
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