JP3350327B2 - 非ハロゲン床材 - Google Patents

非ハロゲン床材

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JP3350327B2 JP32523695A JP32523695A JP3350327B2 JP 3350327 B2 JP3350327 B2 JP 3350327B2 JP 32523695 A JP32523695 A JP 32523695A JP 32523695 A JP32523695 A JP 32523695A JP 3350327 B2 JP3350327 B2 JP 3350327B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビル、家屋などの
建築物の床材に関し、さらに詳しくは、非ハロゲン系樹
脂からなり、施工性、耐傷付き性、防汚性、加飾性、意
匠性に優れた非ハロゲン床材に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂の代わりにオレフィン系
樹脂を使用した非ハロゲン床材は、火災時や燃焼時にも
塩化水素ガスやダイオキシンなどの有毒ガスを放出する
ことがないことから、その開発が大いに期待されてい
る。これを受けて、単層の非ハロゲン床材として、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン
および充填剤からなる床材(EPO321,760B1
公報、HULS Troisdorf)や、SBS、ポ
リスチレン、EVA、カオリンおよびシリカからなる床
材が提案されており、また複層からなる非ハロゲン床材
として、カレンダー加工したのちラミネーターで積層し
たポリプロピレン積層体(米国特許第5,316,86
1号明細書、Sommer)が提案されている。
【0003】しかし、かかる非ハロゲン床材は、使用さ
れるオレフィン系樹脂自身の強度や樹脂充填剤間の結合
力が弱いため、床材の表面強度が低く、耐傷付き性、耐
摩耗性および防汚性が不充分であり、特に、前者のよう
な単層の床材では意匠が限定されるという問題もある。
【0004】一方、ランダムポリプロピレンと水添スチ
レン系熱可塑性エラストマーからなる表層と、熱可塑性
エラストマーとオレフィン系樹脂からなる層の2層構成
の非ハロゲン床材(特開平7−89013号公報)が提
案されているが、表層の耐光性、加飾性および層間の接
着性が劣るうえ、耐傷付き性についても満足できるもの
とはなっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の技術的課題を背景としてなされたもので、非ハロゲ
ン系樹脂からなり、施工性、耐傷付き性、防汚性、加飾
性、意匠性に優れた床材を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、非ハロゲン系
樹脂からなる基材層上に、オレフィン系樹脂からなる印
刷層を積層し、印刷層上にオレフィン系樹脂と水添ジエ
ン系共重合体とのポリマーアロイからなる透明表面層を
積層した非ハロゲン床材を提供するものである。また、
本発明の他方は、非ハロゲン系樹脂からなる基材層上
に、オレフィン系樹脂と水添ジエン系共重合体とのポリ
マーアロイからなる透明表面層または不透明表面層を積
層した非ハロゲン床材を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の非ハロゲン床材の一方
は、表面側から、透明表面層、印刷層および基材層を順
に積層してなる積層体であり(図1)、透明表面層の素
材として、オレフィン系樹脂と水添ジエン系共重合体の
ポリマーアロイ(以下、単に「ポリマーアロイ」という
こともある)を用いたことに特徴を有するものである。
【0008】本発明の非ハロゲン床材の基材層は、非ハ
ロゲン系樹脂からなるものである。基材層に用いられる
非ハロゲン系樹脂は、ハロゲン原子を含まない樹脂であ
り、例えば、エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EM
MA)などのオレフィン系共重合樹脂、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリブチレン(PB
−1)などのオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン
ゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム
(EPDM)、またはα−オレフィン共重合体が挙げら
れるが、特に、EVA、PP、α−オレンフィン共重合
体が好適である。このとき、非ハロゲン系樹脂は、単独
で用いても、複数を併用してもよい。
【0009】基材層には、非ハロゲン系樹脂とともに熱
可塑性エラストマーを用いることができる。熱可塑性エ
ラストマーとしては、例えばポリスチレン−エチレンブ
テン−ポリエチレンコポリマー(SEBC)、ポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマ
ー、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロ
ックコポリマー、ポリスチレン−ポリブタジエンブロッ
クコポリマー、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック
コポリマーまたはこれらの水素添加物が挙げられるが、
特に残留へこみが少なく、巻きぐせ回復性がよいなどの
床材としての物性に優れる上、非ハロゲン系樹脂との相
溶性も良好であることから、ポリスチレン−エチレンブ
テン−ポリエチレンコポリマー(以下、「SEBC」と
いう)が好適である。
【0010】ここで、熱可塑性エラストマーは、単独で
用いても、複数のものを併用してもよい。このとき非ハ
ロゲン系樹脂に対する熱可塑性エラストマーの割合は、
非ハロゲン系樹脂100重量部に対して10〜100重
量部が好ましく、特に50〜100重量部が好ましい。
【0011】また、基材層には、必要に応じて、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
タルク、クレーなどの充填材、顔料、滑剤、酸化防止
剤、光安定剤を含有させたり、ガラス、ポリエステルの
織布もしくは不織布などの繊維補強材を介在させること
ができる。本発明の基材層に用いる素材として最も好ま
しい組成は、EVA100〜50重量部、充填材50〜
600重量部、熱可塑性エラストマー0〜50重量部か
らなるものである。
【0012】また、上記基材層に積層される印刷層は、
オレフィン系樹脂からなるものである。オレフィン系樹
脂は、公知技術により重合されるエチレン系、プロピレ
ン系および/またはブテン−1系の重合体である。エチ
レン系樹脂としては、公知技術により高圧法または低圧
法で重合される低密度または高密度のポリエチレン単独
重合体および/またはエチレンと炭素数4〜8のα−オ
レフィンとの共重合体が用いられる。プロピレン系樹脂
は、プロピレン単独重合体および/またはプロピレンと
炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体であり、公
知技術によりチーグラー・ナッタ型触媒を用いて合成さ
れるポリプロピレン、またはランダムもしくはブロック
型のプロピレン共重合体が用いられる。ブテン−1系樹
脂としては、ブテン−1の単独重合体および/またはブ
テン−1と炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体
であり、公知技術によりチーグラー・ナッタ型触媒を用
いて合成されるポリブテン−1、またはポリブテン−1
の共重合体が用いられる。共重合体中のα−オレフィン
としては、エチレン、プロピレン、ヘキセン−1、オク
テン−1などが挙げられる。上記のオレフィン系樹脂
で、好ましいのはプロピレン系樹脂である。ホモ、ブロ
ックあるいはランダムタイプのいずれのプロピレン系樹
脂も使用できる。以上のオレフィン系樹脂の中でも、本
発明においては、ポリプロピレン、ポリα−オレフィン
が好適である。
【0013】印刷層は、オレフィン系樹脂を溶融したの
ち熱ローラなどを用いてシート化されてなる。このと
き、印刷層の厚さは10〜300μmが好ましく、30
〜200μmが特に好ましい。印刷層の厚さが10μm
未満であると、伸縮性などの印刷性強度が得られず、一
方、300μmを超えると、印刷、熱ラミネート、エン
ボス加工が困難となる恐れがある。
【0014】印刷層の表面または裏面には、床材の意匠
性を向上させるために模様または着色を施すことができ
る。模様または着色を施す方法としては、特に限定はさ
れないが、例えばグラビア印刷、凸版印刷、転写などに
より行う方法が挙げられる。
【0015】印刷層と基材層との積層は、例えばコロナ
放電、ウレタン系もしくはエポキシ系樹脂などの接着
剤、または熱圧成形により行うことができ、さらに、所
望により印刷層の下に、寸法安定性の向上、そり防止の
ために、繊維補強材(ガラス、ポリエステルの織布また
は不織布)を設けることができる。
【0016】印刷層上には、オレフィン系樹脂と水添ジ
エン系共重合体のポリマーアロイからなる透明表面層が
積層される。オレフィン系樹脂は、印刷層に用いること
ができるオレフィン系樹脂と同様のものを用いることが
できるが、特にPPまたはα−オレフィン樹脂が好適で
ある。このとき、透明表面層におけるオレフィン系樹脂
は、印刷層におけるオレフィン系樹脂と同一の樹脂でも
異なる樹脂でもよいが、透明表面層と印刷層の接着性の
観点から同一の樹脂であることが好ましい。また、印刷
層の表面側には、透明表面層との接着性をさらに向上さ
せるために、水性ウレタンまたはエポキシ系樹脂の接着
剤を塗布してもよい。
【0017】一方、水添ジエン系共重合体は、該重合体
中の共役ジエン単位の二重結合の少なくとも80%が水
素添加された重合体である。このような水添ジエン系共
重合体としては、例えばスチレン/ブタジエンブロック
共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体など
の芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合
体の水素添加物や、ポリブタジエン、ポリイソプレンな
どの共役ジエンの単独重合体の水素添加物、芳香族ビニ
ル化合物と共役ジエンとのランダム共重合体の水素添加
物などを挙げることができるが、特に、水添スチレン−
ブタジエンゴム(以下「HSBR」と略す)が好適であ
る。また、水添ジエン系重合体は、官能基で変性した官
能基変性水添ジエン系共重合体でもよい。かかる官能基
変性水添ジエン系共重合体は、上記水添ジエン系共重合
体に、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、
エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート
基、スルホニル基およびスルホネート基の群から選ばれ
た少なくとも1種の官能基を含有してなるものである。
【0018】この官能基を含有させる方法としては、
官能基を含有する、共役ジエンあるいは芳香族ビニル化
合物を用い、単量体の官能基を保護した状態で共重合し
てブロック共重合体を得、重合完結後、脱保護を行なう
手法で重合中に付加させる方法、官能基を有するラジ
カル重合性単量体を既知のグラフト化反応によって水添
ブロック重合体に付加させる方法、官能基を含有する
単量体を用い、有機過酸化物またはアゾ化合物の存在下
もしくは非存在下に、水添ジエン系共重合体をニーダ
ー、ミキサー、押出機などを用いて混練りして、官能基
を付加させる方法などが挙げられる。
【0019】このようにして得られたオレフィン系樹脂
と水添ジエン系共重合体のポリマーアロイは、オレフィ
ン系樹脂由来の性質と、水添ジエン系共重合体由来の性
質の両方を有するものである。ここで、一般に、オレフ
ィン系樹脂は比較的硬質であり、一方、水添ジエン系共
重合体は柔軟性に富むものである。
【0020】このため、オレフィン系樹脂と水添ジエン
系共重合体のポリマーアロイは、オレフィン系樹脂と水
添ジエン系共重合体の配合割合によって、両者の性質の
発現の度合いは異なってくる。オレフィン系樹脂の割合
が多いほど、水添ジエン系共重合体由来の柔軟性の度合
いは小さくなるが、オレフィン系樹脂由来の硬質性に富
み、シートとして加工した際には傷が付きにくいものと
なる。一方、水添ジエン系共重合体の割合が多いほど、
オレフィン系樹脂由来の硬質性の度合いが小さくなる
が、水添ジエン系共重合体由来の柔軟性に富むことか
ら、シートとして加工した際には、折り曲げ回復性、施
工時のハンドリング性、反りぐせの防止性に優れたもの
となる。従って、必要に応じて、オレフィン系樹脂由来
の性質と、水添ジエン系共重合体の性質の由来のバラン
スを調整することが重要である。
【0021】このような観点から、本発明においては、
透明表面層を少なくとも2層から構成し、透明表面層の
表面側の層に、透明表面層の裏面側の層よりもオレフィ
ン系樹脂の比率が高いポリマーアロイを用いることが好
ましい。このようにすることで、透明表面層の表面側
は、比較的硬質で傷の付きにくい層となり、透明表面層
の裏面側は、比較的柔軟性に富む層となるため、好まし
い透明表面層が得られる。この場合のオレフィン系樹脂
と水添ジエン系共重合体の割合は、表面側層/裏面側層
(重量比)で90/10〜30/70、好ましくは80
/20〜40/60である。
【0022】さらに、図2に表したとおり、透明表面層
を3層から構成し(以下、透明表面層の各層を、表面側
から、「最上層」、「中間層」、「最下層」という)、
透明表面層を構成するポリマーアロイのオレフィン系樹
脂と水添ジエン系共重合体の重量比を、透明表面層の表
面側の層(最上層)が透明表面層の裏面側の層(最下
層)よりもオレフィン系樹脂の比率が高いという条件を
満たす範囲内で、表面側の層から順に、90/10〜5
0/50、80/20〜30/70、80/20〜30
/70とすることが、さらに好ましい。
【0023】この床材は、透明表面層の最上層として、
オレフィン系樹脂と水添ジエン系共重合体の重量比が9
0/10〜50/50であるポリマーアロイを用いるこ
とにより、床材の耐傷付き性を高め、透明表面層の中間
層として、該重量比が80/20〜30/70であるポ
リマーアロイを用いることにより、床材に柔軟性を与
え、さらに透明表面層の最下層として該重量比が80/
20〜30/70であるポリマーアロイを用いることに
より、透明表面層と接する層との接着性を向上させたも
のである。
【0024】ここで、最上層において、水添ジエン系共
重合体に対するオレフィン系樹脂の比率が、50重量%
未満であると、耐傷付き性に劣るため、強度および耐傷
付き性の面で好ましくなく、一方、90重量%を超える
と、透明感が低下する。また一方、最下層において、水
添ジエン系共重合体に対するオレフィン系樹脂の比率
が、30〜70重量%であると、オレフィン系樹脂から
なる印刷層との接着性に優れるため、透明表面層に接す
る印刷層との接着性がよい床材となる。最下層と印刷層
の密着性を上げる手段として、フィルム密着面のコロナ
処理やプライマー処理を行うこともできる。このように
最上層において、水添ジエン系共重合体の比率が50〜
90重量%であると、特に耐傷付き性、透明性に優れた
床材となる。
【0025】透明表面層は、上記ポリマーアロイを溶融
したのち熱ローラなどを用いてシート化する。透明表面
層が複数層からなる場合は、各層をシート化したのちロ
ールラミネータなどを用いて加圧圧着するなどして、あ
らかじめ積層しておくことが好ましい。
【0026】透明表面層の厚さとしては、100〜70
0μmが好ましく、特に150〜500μmが好適であ
る。透明表面層が複数層からなる場合でも同様である
が、特に、最上層の厚さを30〜300μm、特に60
〜200μmとすることが好ましい。透明表面層の厚さ
が30μm未満であると、耐傷付き性が悪くなり、一
方、300μmを超えると、透明表面層が硬くなりすぎ
て反り易くなるほか、施工性も悪くなる恐れがある。
【0027】また、透明表面層の裏面側にコロナ処理を
施したり、あらかじめ透明表面層に極性ポリマーを配合
することにより、印刷層との接着性をよくすることがで
きる。なお、透明表面層が複数層からなる場合には、そ
の最下層にのみ極性ポリマーを配合するだけでもよい。
極性ポリマーとしては、熱可塑性ポリアミドエラストマ
ー(TPAE)、熱可塑性ポリエステルエラストマー
(TPEE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)などが
挙げられ、配合の割合としては、0〜30重量%である
ことが好ましい。
【0028】透明表面層または印刷面には、着色剤、顔
料、紫外線吸収剤、顔料、酸化防止剤、加工助剤などの
添加剤を添加することができる。ただし、透明表面層に
添加する場合には、その透明性を失わせない範囲内に限
られる。
【0029】なお、基材層の裏面側には、任意で裏打ち
材を設けることができる。裏打ち材としては、織布また
は不織布を用いることが好ましい。
【0030】次に、本発明の他方の非ハロゲン床材は、
非ハロゲン系樹脂からなる基材層上にオレフィン系樹脂
と水添ジエン系共重合体とのポリマーアロイからなる透
明表面層または不透明表面層を積層した非ハロゲン床材
をその要旨とする。基材と表面層の積層体(印刷なし)
において、着色基材と無色透明表面層との組み合わせは
もちろんのこと、着色基材と着色透明表面層または着色
不透明表面層の組み合わせも可能である。基材層、表面
層の素材としては、前述した非ハロゲン床材の基材層と
同様の素材が用いられる。また、表面層は、少なくとも
2層からなり、表面層の表面側の層が、表面層の裏面側
の層よりもオレフィン系樹脂の比率が高いことが好まし
い。
【0031】基材層と表面層は、表面層の裏面側にコロ
ナ処理を施したり、あらかじめ表面層に極性ポリマーを
配合することにより積層することができる。なお、表面
層が複数層からなる場合には、前述した非ハロゲン床材
と同様、その最下層にのみ極性ポリマーを配合するだけ
でもよい。
【0032】基材層および/または表面層を着色するた
めには、着色剤をあらかじめ含有させておくか、基材層
および/または表面層の表面を着色する方法が挙げられ
る。ここで用いることのできる着色剤としては、公知の
ポリオレフィン用着色剤が使用できるが、例えば表面処
理により分散性を向上させたものが好適である。ただ
し、着色透明表面層を得る場合には、表面層の透明性を
失わせないことが必要である。
【0033】そして、基材層、透明表面層からなる非ハ
ロゲン床材を着色することにより、印刷層を設けなくて
も、透明感と色彩感を兼ね備える、優れた意匠の非ハロ
ゲン床材となる。また、基材層、透明表面層を着色する
ことは、非ハロゲン床材の汚れを目立たなくする上で
も、効果を発揮する。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における、
部および%は、特に断らないかぎり重量基準である。 実施例1〜4 プロピレン単独重合体〔三菱化学(株)製、EA9A〕
とHSBR〔日本合成ゴム(株)製、ダイナロン132
0P〕を、表1に示した重量比で溶融混練りしたのちペ
レット化し、透明表面層用ポリマーアロイを得た。次
に、ポリマーアロイ100部に対して、耐光性改良材と
してチヌピン326(チバガイギー社製)およびアデカ
スタブLA52〔旭電化(株)製〕各0.2部を添加
し、ヘンシェルミキサーを用いてブレンドした。次い
で、得られたブレンド物を、フィードブロック付きTダ
イを備えた3種3層フィルムが製膜可能な押出機を使用
して、押し出し温度240℃、冷却ロール温度30℃
で、単層、2層または3層からなる、200μm厚の透
明表面層用フィルムを作製した。なお、各層の厚み比率
は、2層フィルムでは1/1とし、3層フィルムでは1
/1/1とした。
【0035】次いで、プロピレン単独重合体をTダイを
備えたフィルムが製膜可能な押出機を使用して、押し出
し温度240℃、冷却ロール温度30℃で67μm厚の
フィルムを作製し、片面にグラビア印刷で模様を施して
印刷層となした。そののち、実施例1〜3については、
印刷層の模様施工面に接着剤を塗布して、実施例4につ
いては、最下層をコロナ処理およびプライマー処理し
て、透明表面層と印刷層を積層した。次に、基材層とし
て、表2に示す配合のポリマー組成物を押出し機にてダ
イス温度178℃で押出し、上から透明表面層と印刷層
の積層シートを、下から裏打ち層としてのポリエステル
織布を同時に供給し、ポリッシングロールで圧着して積
層し、非ハロゲン床材を得た。得られた非ハロゲン床材
の耐光性、耐傷付き性、柔軟性および層間接着強度につ
いて、下記項目について評価をした。その結果を表1に
示す。
【0036】耐光性 岩崎電気(株)製スーパーUVテスターSUV−F1を
使用して、促進試験を行い判定した。ここで、紫外線を
4.5時間(フェードメーターの135時間に相当)お
よび9時間(同270時間に相当)照射したのち、目視
および触感により、色調変化あるいはベタツキ感の発生
が認められたものを×とした。
【0037】耐傷付き性 テーバースクラッチテスターを使用して、500g荷重
における傷付き幅を求め、傷付き幅が1mm未満であっ
たものを○、1〜2mmであったものを△、2mmを超
えたものを×と判定した。
【0038】柔軟性 オルゼン剛性度試験機を使用して、荷重を908g、試
料幅を2.5cm、支点間距離を4cm、曲げ角度を6
°とした場合における読み値で判定した。ここで、読み
値が7未満であったものは○、7以上であったものは×
とした。層間接着強度 160℃でヒートシールを行い、180°剥離試験によ
る剥離強度から判定した。このとき、強度が300gf
/2.5cm未満であったものは×、300〜400g
f/2.5cmであったものは○、400gf/2.5
cmを超えたものは◎とした。
【0039】比較例1 透明表面層として、プロピレン単独重合体からなる、厚
さ200μmの単層のシートを用いたこと以外は、実施
例1と同様に非ハロゲン床材を作製し、その性能につい
て評価を行った。その結果を表1に示す。
【0040】比較例2 透明表面層として、水添ジエン系共重合体からなる、厚
さ200μmの単層のシートを用いたこと以外は、実施
例1と同様に非ハロゲン床材を作製し、その性能につい
て評価を行った。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】*1;(VA=28 % ,MI=6g/10min.) 、ウル
トラセン751、東ソー(株)製 *2;NNクレイ、竹原化学(株)製 *3;エスカロン♯600、三協製粉(株)製 *4;SZ2000、堺化学(株)製 *5;ダイナロン4600P、日本合成ゴム(株)製
【0044】表1より、本発明の非ハロゲン床材は、透
明表面層にプロピレン単独重合体とHSBRのポリマー
アロイを用いたことで、床材特性に優れる非ハロゲン床
材が得られることが分かった。また、透明表面層のプロ
ピレン単独重合体とHSBRの重量比が、表面側の層か
ら順に、90/10〜50/50、80/20〜30/
70、80/20〜30/70である場合には、密着
性、耐候性、層間接着強度に格段に優れる非ハロゲン床
材となることが分かった。また、プロピレン単独重合体
とHSBRのポリマーアロイからなる透明表面層は透明
性が高く、印刷層に施した模様の意匠が妨げられず、意
匠性にも優れたものであった。
【0045】これに対し、透明表面層としてプロピレン
単独重合体のみを用いた比較例1の非ハロゲン床材は、
硬く、耐傷付き性および層間接着強度に劣る上、透明度
が低く美観的にも優れないものであった。一方、透明表
面層としてHSBRのみを用いた比較例2の非ハロゲン
床材は、耐光性、耐傷付き性、層間接着強度のいずれに
おいても劣る上、床材表面にベタツキ感があるため汚れ
を吸着し易く、防汚性が悪いことが分かった。
【0046】
【発明の効果】本発明によると、環境衛生面において優
れているのはもちろんのこと、その表面層として特定の
素材を用いたことで、従来の非ハロゲン床材に比べ、施
工の際のハンドリング性、巻きぐせ回復性、および施工
後の耐傷付き性、防汚性、耐ヘコミ性、ヘコミ回復性に
おいて格段に優れる非ハロゲン床材が得られる。また、
本発明により得られる非ハロゲン床材は、外観において
も、透明感があり、加飾性、意匠性にも優れ、ビル、家
屋などのあらゆる建築物の床材に利用可能で、その工業
的価値は大きいものである。さらに、基材層、透明表面
層に彩色を施すことにより、印刷層を設けない場合であ
っても、透明感と色彩感を兼ね備え、かつ汚れの目立た
ない非ハロゲン床材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である非ハロゲン床材の一部断
面図である。
【図2】本発明の他の態様である、透明表面層が3層か
らなる非ハロゲン床材の一部断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 33/00 B32B 33/00 E04F 15/10 104 E04F 15/10 104A (72)発明者 金子 靖 兵庫県伊丹市東有岡5丁目125番地 東 リ株式会社内 (72)発明者 小玉 和寿 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 神品 順二 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−122928(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 7/00 - 7/06 B32B 25/00 - 27/42 B32B 33/00 E04F 15/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非ハロゲン系樹脂からなる基材層上に、
    オレフィン系樹脂からなる印刷層を積層し、印刷層上に
    オレフィン系樹脂と水添ジエン系共重合体とのポリマー
    アロイからなる透明表面層を積層した非ハロゲン床材。
  2. 【請求項2】 非ハロゲン系樹脂からなる基材層上に、
    オレフィン系樹脂と水添ジエン系共重合体とのポリマー
    アロイからなる透明表面層または不透明表面層を積層し
    た非ハロゲン床材。
  3. 【請求項3】 オレフィン系樹脂がプロピレン単独重合
    体であり、かつ水添ジエン系共重合体が水添スチレン−
    ブタジエンゴムである請求項1〜2いずれか1項記載の
    非ハロゲン床材。
  4. 【請求項4】 透明表面層に用いるオレフィン系樹脂
    と、印刷層に用いるオレフィン系樹脂が同一の樹脂であ
    る請求項1または請求項3のいずれか1項記載の非ハロ
    ゲン床材。
  5. 【請求項5】 透明表面層または不透明表面層が少なく
    とも2層からなり、透明表面層の表面側の層が、透明表
    面層の裏面側の層よりもオレフィン系樹脂の比率が高い
    ポリマーアロイからなる請求項1〜4のいずれか1項記
    載の非ハロゲン床材。
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