JP2007168217A - 化粧シート - Google Patents

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浩一 佐川
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Abstract

【課題】木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の表面に接着剤で貼り合わせて化粧板として用いる化粧シートに関する。
【解決手段】
非ポリ塩化ビニルを主材料とする基材シート上に印刷模様層、接着剤層あるいはアンカーコート層、積層してなる透明樹脂層、表面保護層を順次に積層してなる化粧シートであって、各層全てが非塩化ビニル系材料からなり、更に前記積層してなる透明樹脂層の印刷模様層方向の該樹脂層が引張弾性率10MPa以上600MPa以下の透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂であることを特徴とする化粧シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の表面に接着剤で貼り合わせて化粧板として用いる化粧シートに関する。
従来、化粧板に用いられる化粧シートとしては、塩化ビニル樹脂のフィルムないしシートが多く使用されている。しかし、塩化ビニル樹脂は焼却時に酸性雨の原因となる塩化水素ガスや猛毒物質であるダイオキシン等の発生要因となっている。
さらに、塩化ビニル樹脂のフィルムないしシートに添加される可塑剤のブリードアウトの問題などもある。そして、環境保護の観点から問題視されるようになってきている。
このために、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂、アクリル樹脂などの非塩化ビニル樹脂を使用したフィルムないしシートの化粧シートが要望されるようになった。
上記のようなことから、塩化ビニル樹脂に替わる樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂等の樹脂および共重合体樹脂を使用したフィルムないしシートの化粧シートが提案され、市販されるようになってきている。
上記樹脂の中でも、化粧シートに要求される、柔軟性、耐磨耗性、耐傷性、耐熱性、耐薬品性、または加工性等を備え、且つ、安価なポリプロピレン樹脂を用いたフィルムないしシートの化粧シートが使用され提案されている。
そして、意匠性の観点から、単層のものより2層以上の積層体からなるものが多く用いられている。
また、通常、ポリプロピレン樹脂は無極性の為に、同種又は異種の樹脂との接着性に乏しい。このために、ポリプロピレン樹脂層を他の樹脂層と積層する際には、例えば、マレイン酸変性樹脂や、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体樹脂などの極性を有する樹脂を単体またはポリプロピレン樹脂中にブレンドする方法等が行われている。
また、フィルムないしシートを積層する際に、その表面をコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理などが施されている。
そして、近年、単に塩化ビニル樹脂以外の樹脂のフィルムないしシートを使用した化粧シートということだけでなく、より優れた物性等のフィルムないしシートが要求されている。
例えば特許文献1において、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂に代表される不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したランダムポリプロピレン樹脂を介してポリプロピレン樹脂を非塩化ビニル系材料からなる基材シート上に積層する方法が、有効な手法として提案され、且つ、その化粧シートが知られている。
この化粧シートは、塩化ビニル樹脂以外の材料を用いて適度な柔軟性、耐摩耗性、耐傷性、耐薬品性、後加工性等に加えて90℃以上の耐熱性を有し、且つ、意匠性に優れている。
そして、この化粧シートは、耐候性を向上するために、ポリプロピレン樹脂等に紫外線吸収剤や光安定剤等の添加剤の種類や、量を調節する手法等が用いられるとも記載されている。
以下に先行技術文献を示す。
特開2001−353828号公報
上記記載の通り、現在市販されているポリプロピレン樹脂用の添加剤を用いた場合に、添加剤の種類と量の調整により化粧シートの退色や使用樹脂層の脆化に対しては、大きな効果を発揮する。
しかし、化粧シートを構成している、透明樹脂層と印刷柄模様層の積層界面の密着強度は、耐候劣化により著しく低下するという問題がある。そして、添加剤の種類と量の調整による対応だけでは耐候性を向上させることすなわち、耐侯試験において、積層界面の密着強度の低下を抑えることは困難である。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、添加剤の種類や量の調整によらず、透明樹脂層を形成する積層樹脂の選定により、容易に耐候性を向上させることができる化粧シートを提供することである。
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
非ポリ塩化ビニルを主材料とする基材シート上に印刷模様層、接着剤層あるいはアンカーコート層、積層してなる透明樹脂層、表面保護層を順次に積層してなる化粧シートであって、各層全てが非塩化ビニル系材料からなり、更に前記積層してなる透明樹脂層の印刷模様層側から順に引張弾性率10MPa以上600MPa以下の透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層と透明ポリプロピレン樹脂層を積層したものであることを特徴とする化粧シートである。
請求項2に係る発明は、
前記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層が、ポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の化粧シートである。
請求項3に係る発明は、
前記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層が、少なくとも8μm以上の厚みを有していることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の化粧シートである。
請求項4に係る発明は、
前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層と前記透明ポリプロピレン樹脂層とが、加熱溶融共押出法により積層された後、この積層フィルムをドライラミネート法により、接着剤層を設けた印刷模様層の表層に積層する事を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シートである。
請求項5に係る発明は、
前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層と前記透明ポリプロピレン樹脂層とを積層した透明樹脂層のアンカーコート層を設けた印刷模様層の表層へのラミネート
が、加熱溶融共押出ラミネート法によりなされる事を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シートである。
請求項6に係る発明は、
前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層が、無水マレイン酸により変性されている事を特徴とする、請求項1〜5に記載の化粧シートである。
本発明の化粧シートは、以上の構成からなるので、積層界面の応力の集中が緩和される。そして、積層界面の密着強度を向上させることができる。
本発明の化粧シートに用いられる、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂はポリプロピレンを主成分しているために、耐熱性が向上する。そして、耐侯性と耐熱性を両立することができる。
本発明の化粧シートを実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。図1は、本発明の化粧シートの一実施例の断面を示す断面模式図である。
図1に示すようには、本発明の化粧シートは各全層が非ポリ塩化ビニル系の材料からなり、基材シート層1の上面に、印刷模様層2、接着剤層3、積層してなる透明樹脂層7、表面保護層6を順次積層してなる構成の積層体である。
前記積層してなる透明樹脂層7は、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4と透明ポリプロピレン樹脂層5が積層されている。
前記透明ポリプロピレン樹脂層5は、主に化粧シートの印刷模様層2の保護と意匠性の向上および、耐傷性、耐摩耗性、耐薬品性等を発現する為に用いられる。そして、化粧シートの機能性向上の為に、必要に応じて熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒補足剤、造核剤、その他等が適宜添加される。
また、透明ポリプロピレン樹脂層5を形成するポリプロピレン樹脂は、一般的に高剛性であるために応力緩和能力に乏しく、剥離応力が接着剤層3との積層界面に集中してしまう問題がある。
この問題を補うために本発明は、透明ポリプロピレン樹脂層5と接着剤層3と積層界面に引張弾性率が10MPa以上600MPa以下の透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4を設ける。そして、この層は、柔らかいフィルムないしシートで形成されていることにより応力を吸収することができる。
さらに、透明熱可塑性オレフィン系エラストマー樹脂樹脂層4の引張弾性率が600MPaを越えた場合、耐候試験後の剥離応力が透明ポリプロピレン樹脂層5と接着剤層3との積層界面に集中する。そして、接着強度が著しく低下する。
また、引張弾性率が10MPaに満たない場合、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4の凝集力が低下する。
そして、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4の凝集破壊により剥離強度も低下する。このために、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4の引張弾性率は、200MPa以上400MPa以下の範囲が好ましい。
透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4の材質としては、ポリプロピレンをベースに各種軟質成分をアロイ化した系がもっとも一般的に用いられている。
前記軟質成分としては、例えばエチレン・プロピレン共重合ゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブタジエン共重合ゴム(EBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン・αオレフィン共重合ゴム、などが挙げられる。そして、単体または複数を添加して用いられる。
さらに、ポリマー重合技術の発達により、ベース樹脂成分とゴム成分とを同時に重合させる、いわゆるリアクター型と呼ばれる熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂も数多く市販されている。
また、その他の透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂としては、樹脂の結晶化度を低いレベルで制御したものや、プロピレンをメインにエチレンやブテンなどでランダムコポリマー化したものなどが用いられる。
上述した、多くの種類の、熱可塑性エラストマーの中から、物性及び加工性などの点から適宜な材料が選定される。そして、応力緩和能力を向上させるためには、ポリプロピレンと軟質成分とをアロイ化したものが適している。特に、ポリプロピレンとの相溶性の高くない材料が選定される。
また、接着剤層3の材質は、非塩素系の材料が用いられる。そして特に制限するものではないが、例えば、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの反応でウレタン結合を形成する2液硬化型の樹脂が望ましい。
前記イソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネートあるいはイソホロンジイソシアネートのうち、少なくとも一方を含むものが望ましい。
また、接着剤層3の形成方法は、特に限定されるものではないが、グラビアコーティング法が望ましい。また、接着剤層3の膜質は、比較的軟質なものを選定する事により、接着剤層3での応力緩和能力が発現され、剥離強度の向上に繋がる。
さらに、本発明の化粧シートは、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4にポリプロピレンを主成分とすることで耐熱性が向上する。そして、耐候性と耐熱性を両立した化粧シートを得ることができる。
前記、耐候性と耐熱性を両立した化粧シートは、例えば、他の代表的なポリオレフィン樹脂であるポリエチレンやポリブテン−1などと比べて、ポリプロピレンの融点及びビカット軟化点などが高いことによる。
また、前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4は、この層に応力緩和能力を求めている関係で、ある一定量以上の厚みが必要となる。そして、8μm〜30μm程度であることが好ましい。
例えば、8μm以下の厚みになると、透明可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4のみでは応力を吸収しきれず、厚みに比例して剥離強度が低下する。
また、剥離強度は8μm以上になると厚みが厚くなっても、あまり強度の変化が見られ
ない。このために、材料費を考慮すると30μm以下であることが好ましい。
前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂4と透明ポリプロピレン樹脂層5との積層方法は、それぞれの樹脂を加熱溶融し、Tダイから押出す公知の押出し法方法を用いることができる。
前記押し出し方法の中でも、共押出し法が、簡便で、且つ、積層界面の強度を強固に施すことができるので望ましい。そして、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4と透明ポリプロピレン樹脂層5との積層と同時に、印刷模様層と貼り合わせすることができる。
前記共押出し法で透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層4と透明ポリプロピレン樹脂層5が積層されている透明樹脂層7と印刷模様層との貼り合わせは、接着剤層3の代わりに、アンカーコート層を用いても良い。
前記アンカーコート層を形成する材質は、接着剤層3を形成する接着剤の材質と略同様の物でよい。また、その厚みは1μm程度あれば良い。
また共押出法により積層する場合には、溶融樹脂のアンカーコート層側との積層界面に極性基を導入する必要がある。その方法は、前記上述した、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理法等がある。
また、他の方法として、樹脂の溶融温度を上げたり、溶融樹脂が被ラミネート基材に達するまでの距離、即ちエアギャップを長く取るなどして、空気中の酸素を利用して極性基を導入する方法等がある。
しかし、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂自体を無水マレイン酸によって変性することで、予め極性基を導入させておくことが可能となり、前記の様々な処理や溶融温度を上げたりエアギャップを長く取ったりといった事も不用になる。
透明ポリプロピレン樹脂層5に用いるポリプロピレン樹脂は、例えば、耐傷性を重視する場合には、ペンタッド分率の高い高結晶のホモポリプロピレン樹脂を用いることができる。
また、Vカット適性や折り曲げ加工性、真空成形加工性などを重視する場合には、エチレンやブテンなどの成分を含んだランダムポリプロピレン樹脂か、またはペンタッド分率の低い、低結晶なポリプロピレン樹脂か、あるいは軟質成分を添加したポリプロピレン樹脂等が用いられる。
次に、基材シート層1、印刷模様層2、表面保護層6、および本発明の化粧シートの表面加工(凹凸模様加工)等について説明する。
本発明に用いる、非塩化ビニル系の樹脂材料からなる基材シート1の樹脂は特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ABS、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられる。この中でもポリプロピレン樹脂が好ましい。
上記基材シート1に用いられる樹脂中に、無機顔料、酸化防止剤、光安定剤、ブロッキング防止剤などの添加剤の1種もしくは2種以上をその目的に応じて適宜の量を添加することができる。
また、本発明の化粧シートに用いる基材シート1は、隠蔽を施した非塩化ビニル系の材料からなる基材シートを用いることができる。そして、木質系ボード、無機系ボード、金属板などの下地材が、化粧シートの表面から見えないように貼り合わせる。
また、基材シート1の隠蔽は、基材シート1を形成する樹脂に顔料を添加したり、あるいは化粧シートに用いられるフィルムないしシートに顔料等を塗布して塗布層を形成することもできる。
さらに、基材シート1の表面あるいは裏面、あるいはその両方にグラビア印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、静電印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷方法により隠蔽することもできる。
そして、化粧シートの基材シート1やその中間層に隠蔽性を付与しておくことが好ましい。但し、下地材の素材感を活かしたい場合には、その限りではない。
次に、印刷模様層2は、基材シート1の表面あるいは裏面、あるいはその両方にグラビアインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリーンインキ組成物、オフセットインキ組成物、その他等のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、静電印刷、インクジェット印刷、その他等の公知の印刷方法により通常、所望の印刷絵柄が形成される。
また、本発明の化粧シートに用いる基材シート1は、前記公知の印刷方法により印刷模様層2等を形成する以外に転写方法により形成することもできる。
前記転写方法は、通常、転写紙と呼ばれる転写用基材シートに印刷模様層2等を形成する。そして、熱ラミネート法、ドライラミネート法、またはウエットラミネート法、押出ラミネート法等により、基材シート1と貼り合わせた後に、転写用基材シートを剥離することにより、基材シート1上に印刷模様層2等を形成する。
また、基材シート1の製造方法としてTダイによる押出方法を用いる場合には、基材シート1形成する樹脂材料に染料や顔料などの隠蔽性のある着色剤を添加して製膜することにより、基材シート1に隠蔽性の効果を持たせることもできる。
前記Tダイによる押出方法で基材シート1を着色する着色方法として、ドライカラー方法とマスターバッチ方法等が公知であるが、特に限定されるものではない。
ドライカラー法は、基材シート1を製膜する樹脂材料に、顔料を分散助剤や界面活性剤で処理した微粉末状の着色剤等を添加剤として添加する。そして、着色され基材シート1が形成される。
またマスターバッチ法は、基材シート1を製膜する樹脂材料に、マスターバッチペレット(高濃度の顔料を、溶融混練して予備分散したペレット)をドライブレンドする。そして、着色され基材シート1が形成される。
前記顔料は通常用いられ種類のものでよい。特に耐熱性、耐候性を考慮して、酸化チタ
ン、群青、カドミウム顔料、酸化鉄等の無機顔料が好ましい。
また有機顔料でもフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等は使用できる。そして、顔料の対樹脂比率や色は、隠蔽の度合い、意匠性等により適宜決定されるものであり、特に制約されるものではない。
また、基材シート1に印刷模様層2等を施す方法としては、上述したように基材シート1の表面に施す方法と、基材シート1自体を着色させる方法がある。
基材シート1の表面に施す方法としては、印刷方法や転写方法がある。また。基材シート1自体を着色させる方法としては、ドライカラー方法やマスターバッチ方法等がある。さらに、上記マスターバッチ方法で基材シート1を製膜形成する際に、製膜形成する樹脂とスターバッチペレットを添加する以外に木粉やガラス粉末等も添加して製膜形成する方法もある。そして、上述した印刷方法や、転写方法等と併用することもできる。
また、隠蔽性を有する基材シート1の製造方法として、カレンダー法を用いることもできる。そして、上述した基材シート1自体を着色させる方法や、印刷方法あるいは転写方法等と併用して、基材シート1に隠蔽性や印刷模様を形成することもできる。
次に、本発明の化粧シートは、化粧シートが貼り合わされて使用する場所あるいは目的等により、より一層の美粧性あるいは意匠性または高級感等を付与するために、図1に示すように化粧シートの表面に凹陥模様等が施される。そして、図には示していないがその凹陥部内に充填インキを埋め込み(ワイピングし)、最外表面に表面保護層が施される。
前記凹陥模様等を施す方法としては、通常の熱圧エンボス加工法でよく、何ら限定されるものではない。また、上述したTダイによる共押出法またはTダイによる共押出ラミネート法等により凹陥模様等を施すことができる。
前記Tダイによる共押出法またはTダイによる共押出ラミネート法等により凹陥模様等を施す場合には、溶融樹脂を冷却固化させる冷却ロールの表面に凹陥模様等の版板等を設ける。そして、押し出された樹脂を冷却ロールとプレスロールとの間で透明ポリプロピレン樹脂層の表面に凹陥模様等が施される。
さらに、前記凹陥模様等が施された凹陥部内にインキを埋め込み、最外表面に表面保護層を設けることも好適に行われる。これらの方法は、従来の塩化ビニル樹脂製化粧シートで行われているワイピング処理およびグラビアコーティング法で行うことができる。
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。
基材シートとして、ランダムポリプロピレン樹脂に無機顔料を6重量%、フェノール系酸化防止剤を0.2重量%添加した樹脂をカレンダー法によりシートを成形した。そのシート表面にコロナ処理を施した後、グラビア印刷法により絵柄用インキ(東洋インキ製造株式会社製;ラミスター)を使用して木目模様を施し、印刷模様層を形成した。さらに、木目模様の印刷模様層上に2液硬化型の接着剤(三井武田ケミカル株式会社製;タケラック(主剤)、タケネート(硬化剤))を、グラビア印刷法により厚み約5μmで塗工し、接着剤層を形成した。
次に、引っ張り弾性率が約100MPaの透明熱可塑性エチレン系エラストマー樹脂(三井化学社製:タフマーA)と、フェノール系酸化防止剤を0.2重量%、ヒンダードア
ミン系光安定剤を0.5重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量%添加した透明ホモポリプロピレン樹脂と冷却ロールと加圧ロールとの間に、各層の厚みが、透明熱可塑性エチレン系エラストマー樹脂層=8μm、透明ホモポリプロピレン樹脂層=70μmとなるように、Tダイより加熱溶融共押出にてシート成形した。その際、冷却ロールが透明ホモポリプロピレン側になるようにし、更に冷却ロールには、化粧シートに導管を与える為の凹凸模様を施したものを用いた。
また、透明熱可塑性エチレン系エラストマー樹脂層側の最外表層には、コロナ処理を施した。
上記2枚のシーとを、接着剤層と透明熱可塑性エチレン系エラストマー樹脂層が隣り合うように、ドライラミネート法を用いて積層した。
さらに、この積層体の凹陥模様が施された透明ポリプロピレン樹脂層の最外表面に、ヒンダードアミン系光安定剤を1.5重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を2.5重量%添加した。そして、ウレタン系トップコート剤を用いて厚み5μmでトップコート層を施し、化粧シートを作成した。
引っ張り弾性率が約100MPaの透明熱可塑性エチレン系エラストマー樹脂の代わりに、引っ張り弾性率が約200MPaの透明熱可塑性ポリプロピレン系エラストマー樹脂(サンアロマー社製 キャタロイ)を用いた以外は、実施例1と同様にして、化粧シートを作成した。
透明熱可塑性プロピレン系エラストマー樹脂の厚みを5μmにした以外は、実施例2と同様にして、化粧シートを作成した。
接着剤の代わりに、アンカーコート剤(三井武田ケミカル株式会社製;タケラック(主剤)、タケネート(硬化剤))をグラビア印刷法により、厚み約0.8μmで印刷模様層に塗工し、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層と透明ホモポリプロピレン樹脂層を、Tダイによる共押出ラミネート法を用いて、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層のアンカー層との積層界面にオゾン処理を施しながら積層した以外は、実施例2と同様にして、化粧シートを作成した。
透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層に、マレイン酸変性添加剤(三洋化成社製 ユーメックス)を5重量部添加して、オゾン処理を省略した以外は、実施例4と同様にして、化粧シートを作成した。
<比較例1>
透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層の代わりとして、引張弾性率が1000MPaのランダムポリプロピレンを用いた以外は、実施例4と同様にして、比較例1の化粧シートを作成した。
<比較結果>
このようにして実施例1〜5および比較例1で作成したそれぞれの化粧シートについて、23℃雰囲気下での剥離試験、90℃のオーブンで48時間加熱した後の剥離試験、およびサンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)による2000時間の紫外
線照射試験後の剥離試験を行い、各条件における剥離強度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007168217
なお、剥離速度は50mm/minで、25mm巾で測定した数値をN/mに換算した。
表1より、本発明の実施例1〜5の化粧シートは、比較例1の化粧シートと比較して、サンシャインウェザーメーターでの2000時間の紫外線照射試験後の剥離試験結果に優位性が見受けられる。
また、実施例1と2との比較から、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー層をポリプロピレンベースとした事による、耐熱性向上効果がみられ。
さらに、実施例2と3の比較から、透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー層を8μm以上にした事による効果が確認できた。
本発明の化粧シートは、塩化ビニルを一切用いていないために環境問題の心配もない。また、適度な柔軟性、耐磨耗性、耐傷性、耐薬品性、後加工性、耐熱性に加えて実用上充分な耐候性を有するなどの優れた効果を発揮し、意匠性にも優れているなどの他、包装部材、装飾品部材、あるいは広告用等の商業用部材等の広い分野にも利用できる素晴らしい発明である。
本発明の化粧シートの一実施例の断面を示す断面模式図である。
符号の説明
1…基材シート
2…印刷模様層
3…接着剤層(またはアンカーコート層)
4…透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層
5…透明ポリプロピレン樹脂層
6…表面保護層
7…積層してなる透明樹脂層

Claims (6)

  1. 非ポリ塩化ビニルを主材料とする基材シート上に印刷模様層、接着剤層あるいはアンカーコート層、積層してなる透明樹脂層、表面保護層を順次に積層してなる化粧シートであって、各層全てが非塩化ビニル系材料からなり、更に前記積層してなる透明樹脂層の印刷模様層側から順に引張弾性率10MPa以上600MPa以下の透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層と透明ポリプロピレン樹脂層を積層したものであることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層が、ポリプロピレンを主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層が、少なくとも8μm以上の厚みを有していることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の化粧シート。
  4. 前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層と前記透明ポリプロピレン樹脂層とが、加熱溶融共押出法により積層された後、この積層フィルムをドライラミネート法により、接着剤層を設けた印刷模様層の表層に積層する事を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層と前記透明ポリプロピレン樹脂層とを積層した透明樹脂層のアンカーコート層を設けた印刷模様層の表層へのラミネートが、加熱溶融共押出ラミネート法によりなされる事を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 前記透明熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー樹脂層が、無水マレイン酸により変性されている事を特徴とする、請求項1〜5に記載の化粧シート。
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