JP4737722B2 - 積層体及びシート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂層とハードコート層を含む積層体及びシートに関し、例えば化粧シートやポスター、バーコード、標識等、主に屋外で使用される印刷物の印刷模様を、太陽光からの紫外線や風雨、気温などによる影響から保護するための耐候保護フィルムに好適な積層体及びシートに関するものである。
従来より、一般的な印刷物は、紫外線や水などに対する耐性が高くないため、これらに対する高い耐性が要求されるような用途、例えば屋外用途向けの化粧シートや屋外掲示のポスターなどにおいては、その表層にアクリル系或いはフッ素系の材料を用いた透明フィルムを印刷物の表層に貼り合わせる事によって、印刷物の経時劣化を抑制している。
この透明フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフィン系材料も、価格が安価である事などから好適に用いられているが、一般的には前述のアクリルやフッ素系の材料と比較すると、耐紫外線の面で劣る。
そこで、このような欠点を補うために、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフィン樹脂中に、紫外線吸収剤や光安定剤などを適宜添加したり、紫外線吸収剤や光安定剤などを高濃度で添加したハードコート層を積層するなどの手法が用いられている(例えば化粧シートの例として特許文献1〜3参照)。
特開2001−040113号公報 特開2001−181420号公報 特開2001−315270号公報
しかしながら、上述のような手法も、その種類や添加量によっては、ハードコート層自身が紫外線などの影響により早期にて劣化してしまい、結果として耐紫外線機能が充分には発揮できずに、印刷物の劣化を長期間にわたり抑制する事ができない場合もある。
そこで本発明は、ポリオレフィン樹脂層とハードコート層の2層以上の積層体において、積層体自身の耐候劣化を抑制させる事で、例えば印刷物の耐候性能を向上させることが可能な積層体およびシートを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の積層体は、少なくとも紫外線吸収剤を含む透明ポリオレフィン樹脂層と、イソシアネート硬化型樹脂を主成分とするハードコート層を積層してなり、化学構造中に水酸基を含む光安定剤を含有し、かつ前記ハードコート層中にベンゾトリアゾール或いはヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする。
また本発明のシートは、積層体と基材とを接合したシートであって、前記積層体は、少なくとも紫外線吸収剤を含む透明ポリオレフィン樹脂層と、イソシアネート硬化型樹脂を主成分とするハードコート層を積層してなり、化学構造中に水酸基を含む光安定剤を含有し、かつ前記ハードコート層中にベンゾトリアゾール或いはヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする。
また、光安定剤を重量比で1〜20パーセント含有しており、さらに紫外線吸収剤を重量比で1〜10パーセント含有していることを特徴とする。
また、ハードコート層は、その構造式中に水酸基を含む光安定剤と、水酸基を含まない光安定剤を共に含み、さらに光安定剤と光安定剤の存在比が、20/80〜80/20の範囲内にあることを特徴とする。
本発明の積層体及びシートによれば、化学構造中に水酸基を含む光安定剤の水酸基と、イソシアネートとがウレタン結合を起こすことにより、ハードコート層中に光安定剤がより安定した状態で存在し続けられる。これにより、光安定剤の経時ブリードによるハードコート層の耐候劣化が抑制され、ハードコート層中のヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤もその層内で紫外線吸収効果を発揮し続けられる。この結果、印刷物への紫外線の進入を長期間に渡り継続的に遮断し続ける事がで、印刷物を長期間に渡って保護する事が可能になる。
また、水酸基を含まない光安定剤とのブレンドにより、ハードコート層から透明ポリプロピレン樹脂層への光安定剤の適度な移行が行なわれ、ハードコート層と透明ポリプロピレン樹脂層との積層面における、その密着性の紫外線による耐性が継続的に保たれる。
この結果、例えば本発明の積層体を木目調の印刷模様を施した印刷物の表面保護層に用いれば、印刷模様層の耐候経時劣化を抑制する化粧シートを得る事ができる。
請求項1に記載の発明は、少なくとも紫外線吸収剤を含む透明ポリオレフィン樹脂層と、イソシアネート硬化型樹脂を主成分とするハードコート層を積層してなり、前記ハードコート層が、化学構造中に水酸基を含む光安定剤を含有し、かつ前記ハードコート層が、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする積層体である
請求項2に記載の発明は、前記ハードコート層が、前記光安定剤を重量比で1〜20パーセント含有していることを特徴とする請求項1記載の積層体である
請求項3に記載の発明は、前記ハードコート層が、前記紫外線吸収剤を重量比で1〜10パーセント含有していることを特徴とする請求項1記載の積層体である。
請求項4に記載の発明は、前記ハードコート層は、その化学構造中に水酸基を含む光安定剤と、水酸基を含まない光安定剤を共に含むことを特徴とする請求項1記載の積層体である。
請求項5に記載の発明は、前記化学構造中に水酸基を含む光安定剤と水酸基を含まない光安定剤の存在比が、20/80〜80/20の範囲内にあることを特徴とする請求項4記載の積層体である。
請求項6に記載の発明は、積層体と基材とを接合したシートであって、前記積層体は、少なくとも紫外線吸収剤を含む透明ポリオレフィン樹脂層と、イソシアネート硬化型樹脂を主成分とするハードコート層を積層してなり、前記ハードコート層が、化学構造中に水酸基を含む光安定剤を含有し、かつ前記ハードコート層が、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を含有していることを特徴とするシートである
請求項7に記載の発明は、前記ハードコート層が、前記光安定剤を重量比で1〜20パーセント含有していることを特徴とする請求項6記載のシートである
請求項8に記載の発明は、前記ハードコート層が、前記紫外線吸収剤を重量比で1〜10パーセント含有していることを特徴とする請求項6記載のシートである
請求項9に記載の発明は、前記ハードコート層は、その化学構造中に水酸基を含む光安定剤と、水酸基を含まない光安定剤を共に含むことを特徴とする請求項6記載のシートである。
請求項10に記載の発明は、前記化学構造中に水酸基を含む光安定剤と水酸基を含まない光安定剤の存在比が、20/80〜80/20の範囲内にあることを特徴とする請求項9記載のシートである
ハードコート層1は、まず印刷物及び透明ポリオレフィン樹脂層を様々な外乱から保護する役割をもっており、耐傷付性や耐汚染性、耐紫外線性などが求められ、それ以外にも必要に応じて、耐水性や表面艶を調整する効果なども求められる。
使用される透明(または半透明)材料としては、ポリウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系などが好適に用いられるが、本発明の積層体においては、上記の材料系の一部に水酸基を有するプレポリマーと、イソシアネートプレポリマーによるウレタン反応を用いたものが望ましい。
また、ハードコート層1は最表面に存在するため、太陽光からの紫外線はもちろんのこと、熱や降雨などの影響を直接受ける。そのためにハードコート層1には、耐候性による影響を充分に考慮しなければならず、光安定剤や紫外線吸収剤などの添加は必須である。しかしながら、熱、光、降雨等の影響で光安定剤や紫外線吸収剤などが経時でブリードしたり洗い流されたりするなどして樹脂劣化が生じてしまい、その樹脂劣化が原因となって、紫外線吸収剤や光安定剤などのハードコート層外への放出を加速させてしまう。
そこで本例の積層体においては、その化学構造中に水酸基を含むような光安定剤を使用する事により、ハードコート層のウレタン反応による硬化の過程において、耐候剤の水酸基とハードコート層の硬化剤中のイソシアネート基との反応により架橋構造が得られ、経時でブリードしたり洗い流されたりするなどの問題をほぼ払拭できる。
その結果、ハードコート層は長期間に渡って原型を留めたまま存在し続けるため、同じくハードコート層に含有している紫外線吸収剤の層外への放出も抑制され、ハードコート層の耐紫外線をはじめとする耐候性能が長期間に渡って持続する。
ハードコート層中に添加する紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系のものが良く、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤は、前記2種類と比較して機能の低下が早いので、あまり適さない。
なお、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は、初期の段階では少量であっても、充分な紫外線吸収能力を有するが、経時での昇華などにより吸収効率が低下しやすい傾向にある。
一方、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤は、初期と経時での紫外線吸収機能の変化が少なく保持力が高く、安定性としては最も優れているが、比較的高価なため、他紫外線吸収剤と同等量の使用であっても最終製品の価格が高くなりやすく、多く添加することは難しい現状にある。
このように、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤はそれぞれ特徴を持っているので、これらを併用する事で、それぞれの優位性を活かすような手法を用いても良い。
光安定剤及び紫外線吸収剤のハードコート層中の含有量としては、特に規定されるものではなく、一般的には添加量が多いほど効果も強く、長期間に渡って持続するが、光安定剤は重量比1〜20パーセント、より好ましくは2〜10パーセント程度含有し、かつ紫外線吸収剤は重量比で1〜10パーセント、より好ましくは2〜8%程度の含有が好適に用いられる。重量比でこの範囲より低い場合には、充分な耐候性能を発揮する事ができず、逆に高い場合には、ハードコート層の色変化や物性変化を起こし易くなってしまう。
ハードコート層の厚みに関しては、1〜40μm程度が適当であるが、その用途や要求品質のレベル、及び使用樹脂などによって異なり、硬化条件やコスト、耐候性、表面物性、後加工性等々を鑑みて適宜決定すればよい。一例として、高い耐傷付き性や耐候性を要求するような用途においては、20〜40μm程度が望ましく、またラッピング適性などを要求するような用途においては、1〜10μmの範囲内が望ましい。
また、ハードコート層の積層方法も、その塗液の性状や粘度、塗布量に合わせ選択すると良い。グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコート等々の一般的な塗工方法より選択するとよい。また、別途用意したキャリアシート上に予めコーティングを施しておいた後、転写法を用いて透明ポリオレフィン樹脂層に積層するような手法を用いてもよい。
ハードコートの塗液は、溶剤系、無溶剤系、水系、エマルジョン系、ホットメルト系等、乾燥性とシートの耐熱性、乾燥後のブロッキング性、また、シートとの密着性等々を考慮して適宜選択すると良い。
上記ハードコート層中の光安定剤について、水酸基を有する光安定剤と水酸基を有しない光安定剤との混合物とする事で、本発明の積層物の耐候安定性を更に向上させる事が可能となる。水酸基を有していない光安定剤は、水酸基を有している光安定剤と比較すると、透明ポリオレフィン樹脂層へ経時で移行しやすいため、この効果が、積層界面の樹脂劣化を抑制する効果を生み出す。
一般にポリオレフィン樹脂は無極性のために異種材料との接着力に乏しく、それを補うために、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理などの各種の酸化処理が施されるが、これらの処理は、ポリオレフィン樹脂最表層の劣化を引き起こしてしまう。ハードコート層に水酸基を有しない光安定剤が含まれていれば、該光安定剤の透明ポリオレフィン樹脂層への移行の過程において、その最表層の酸化処理部へも光安定剤が移行するため、この部分の光による劣化を抑制する効果が得られる。
水酸基を有する光安定剤と水酸基を有しない光安定剤との混合比は、両方の効果を充分に引き出すためには20/80〜80/20の範囲内にある事が必要である。この範囲外の配合比の場合には、両者の効果を共に発揮させる事が難しくなる。
光安定剤の移行による積層界面付近の保護とほぼ同様の効果を得るために、透明ポリオレフィン樹脂に予め光安定剤を添加しておく事も実現可能な方法のひとつであるが、その場合には、必要とされる積層界面付近だけでなくポリオレフィン樹脂層全体に添加する事になり経済的ではないほか、透明ポリオレフィン樹脂に予め光安定剤を添加しておく方法においては、樹脂層の機械物性や透明性能などを考えると、光安定剤はハードコート層にあまり高濃度では添加できないため、その効果は限定的なものになってしまう。
引き続き、透明ポリオレフィン樹脂層2について説明を行う。
透明ポリオレフィン樹脂層2は、単独重合体すなわちホモポリマーでもよく、エチレンやブテン等と共重合されたランダムポリマー共重合体あるいはブロックポリマー共重合体や、ポリマーアロイにより生成された2種類以上の樹脂成分からなる混合物であってもよい。
例えば、耐傷性能を持たせる場合には、透明ポリオレフィン樹脂層2として、高結晶なホモポリプロピレンを用いるのが好ましく、印刷物の再現性を高める場合には、エチレンをコンテントしたランダムポリプロピレンを使用すると、ポリオレフィン樹脂の透明性が向上するためによい。また、印刷物の形状が平面でなく、複雑な形状をしているような場合や、複雑な形状に対してラッピングを行うような場合には、エチレンコンテント量を増やして軟質化させたランダムポリプロピレン、結晶化度を低くしたホモポリプロピレン、ポリマーアロイなどによって任意のポリプロピレンにエラストマー成分を添加した材料を用いるなどの方法が挙げられる。
ここで使用する透明ポリオレフィン樹脂2には、必要に応じて熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒補捉剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することができる。
なお、この透明ポリオレフィン樹脂層2中に、切削性やその他物性の向上も考慮して、樹脂、添加剤分の他に、フィラー成分の添加が可能である。フィラー成分としては、有機成分フィラーとして、ウレタン架橋粒子、アクリル架橋粒子、メラミン樹脂、天然コラーゲン等があり、また、無機フィラーとしては、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ、水酸化アルミ、炭酸カルシウム、等々が挙げられる。
また、印刷物などの被保護面と積層体との密着力を付与するために、(a)粘着材料を透明ポリプロピレン樹脂層の印刷物側の最表層に積層する、(b)接着剤層を透明ポリプロピレン樹脂層と印刷物層の中間に設ける、などの方法が好適にもちいられる。
(a)の方法では、長期間にわたる紫外線や雨風などの影響により、密着力が低下したり、最悪の場合には剥離してしまう事が起きてしまうが、表層の積層物を比較的容易に貼り替える事ができる。
(b)の方法では、表層の積層物を貼り替える事は容易ではなく、事実上不可能であるが、その代わり密着力の経時変化は(a)の方法と比較して小さい。
以上のような特徴を踏まえて、それぞれの用途に適した手法を用いればよい。
上記(a)の粘着材料としては、例えばアクリル系、ポリウレタン系、シリコーン系、オレフィン系(コポリマーを含む)、ロジン系、テルペン系等々が一般的に用いられている。また上記(b)の接着剤層としては、例えばアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等種々の材料が使用できるが、一般的には、塗膜凝集力の高い2液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いることが多い。
また、これら粘着材料及び接着材料の積層方法としては、グラビアコート法に代表される塗工技術を用いた方法と、熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート、サンドラミネート等々のラミネート技術を用いた方法が主に用いられる。塗工及びラミネートは、印刷物側及び透明ポリオレフィン層のどちら側に先に積層させてもよく、無論、サンドラミネートのように、同時でもよい。
また、透明ポリオレフィン樹脂層2に、意匠性を付与するために凹凸模様(図示せず)を施してもよい。その場合には、一旦各種方法で透明ポリオレフィン樹脂層2をシート成形した後に、熱圧により凹凸模様を入れる方法や、冷却ロールに凹凸模様を設けておき、押出シート成形と同時に凹凸模様を施す方法がある。さらに、凹部2aに印刷インキや樹脂などを埋め込み、意匠性や耐候性を向上させることも可能である。
上記の様にして得られた積層体の有効な用途として、化粧シートの印刷保護層としての用途が挙げられる。この用途の場合には、凹凸模様が化粧シートの意匠感を向上させ、より自然な風合いを持たせる事が可能になる。
以下、化粧シートに本実施の形態による積層体を使用した場合について、図2の図面に従って説明を行う。図2は、本実施の形態による積層体を化粧シートに使用した場合の側断面図の例である。
ハードコート層1と透明ポリオレフィン樹脂層2からなる積層体を、接着剤層3を介して、印刷模様層4及びプライマー層6を設けた基材層5と貼り合わせる事によって本例の化粧シートが構成される。ただし、必ずしもこの構成に限定するものではない。
上記基材層5は薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等の紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の合成樹脂、あるいは、これら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀等の金属箔等から任意で選定可能である。
また、隠蔽性を出すために、顔料等の添加も可能である。
印刷模様層4のバインダーとしては、硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変成物の中から適宜選択すればよい。これらは、水性、溶剤系、エマルジョン系で問題はなく、1液タイプでも、硬化剤を利用した2液タイプでも任意での選択が可能である。さらに、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射によりインキを硬化させることも可能であるが着色の場合電子線硬化の方が厚み方向には紫外線硬化よりも有効な場合もある。
印刷模様層4を設ける方法は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェット印刷等がある。またさらに隠蔽層を設ける場合は、コンマコーター、ナイフコーター、リップコーター、金属蒸着あるいはスパッタ法等を用いてもよい。
なお、図2中の、基材層5の裏面に設けたプライマー層6は、化粧シートと木質等の化粧板用基材との接着性が不足している場合に用いられるもので、この層がなくとも、密着性が十分である場合は特に必要とするものではない。
以下、本実施の形態の具体的な実施例とその効果について説明する。
<実施例1>
透明なホモタイプのポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製:プライムPP)に対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:チヌビン326)0.5重量部と、フェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:イルガノックス1010)を0.3重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:キマソープ944)0.5重量部が添加されている樹脂を、キャスト法を用いて押出機より溶融押出を行い、その両面にコロナ処理を施して、厚さ約80μmの透明樹脂シートを得た。
そして、このシート最表面には、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:チヌビン400)を5重量部と、化学構造中に水酸基を含むヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:チヌビン152)を5重量部含有するイソシアネート硬化型ウレタン変性アクリル樹脂(大日本インキ工業社製:UCクリヤー)をグラビアコーティング法により塗工してハードコート層を設け、実施例1の積層体を得た。
<実施例2>
ハードコート層中の光安定剤として、水酸基を含むヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:チヌビン152)を3重量部と水酸基を含まないヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:チヌビン292)を2重量部用いた他は、実施例1と同様の手法を用いて、実施例2の積層体を得た。
<実施例3>
ランダムポリプロピレン樹脂に酸化チタン系顔料を6重量部添加した樹脂をカレンダー法によって厚み70μmに成形したシートを用いて、そのシート表面にコロナ処理を施した後、グラビア印刷法により絵柄用インキ(東洋インキ製造株式会社製;ラミスター)を使用して木目模様を施し、模様層を形成して印刷シートを作製しておく。
該印刷シートにイソシアネート硬化型の接着剤(三井武田ケミカル社製:タケラック及びタケネート)をグラビアコート法を用いて厚み5μmで塗布し、接着剤上に、実施例2において作製された積層体を、ドライラミネート法を用いて積層して、実施例3の化粧シートを得た。
<比較例1>
ハードコート層中の光安定剤として、水酸基を含まないヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ社製:チヌビン292)を5重量部添加した他は実施例1と同様の手法を用いて、比較例1の積層体を得た。
<比較例2>
実施例2において作製された積層体の代わりに、比較例1において作製された積層体を積層したほかは、実施例3と同様の手法を用いて、比較例2の化粧シートを得た。
<評価方法>
実施例及び比較例として上述したように作製された積層体及び化粧シートに対し、耐候性試験機(ダイプラメタルウェザー:ダイプラウインテス社製)に入庫し、以下(A)から(D)を1サイクルとして8サイクルの耐候試験を行なった。
(A)温度53°C、湿度50%、照度650W/平方mで20時間
(B)シャワー噴霧30秒(光照射停止)
(C)温度30°C、湿度90%で4時間(光照射停止)
(D)シャワー噴霧30秒(光照射停止)
評価は、目視による積層体の脆化の程度(官能検査による順位付け)、及び粘着テープ剥離試験によるハードコート層の密着力のチェックにより行なった。
評価結果の表を、図3に示す。
図3の結果を見て明らかなように、ハードコート層に、水酸基を含む光安定剤を使用しているもの(実施例1〜3)は、水酸基を含まない光安定剤のみを使用しているもの(比較例1〜2)と比べて、同じ耐候試験を行なっても、脆化の程度が軽減されている事がわかる。これは、耐候試験中も水酸基を含む光安定剤はハードコート層中に高い割合で残存したのに対して、水酸基を含まない光安定剤はハードコート層外へ移行していってしまったため、該ハードコート層の脆化が相対的に顕著に現れてしまったものと思われる。
また、粘着テープ剥離試験によるハードコート層の密着性評価においては、水酸基を含む光安定剤のみを使用しているもの(実施例1)は相対的に密着性が悪く、水酸基を含まない光安定剤のみを使用しているもの(比較例1〜2)もほぼ同程度に悪い、水酸基を含む光安定剤と水酸基を含まない光安定剤を併用したもの(実施例2〜3)がもっとも密着性が良い結果であった。
これは逆に、水酸基を含む光安定剤のみの場合では、積層界面付近への光安定剤の移行が充分に行なわれず、また水酸基を含まない光安定剤のみの場合では、積層界面への移行は行なわれるものの、その半面として、前記のようにハードコート層自体の脆化が進行するために、密着性はあまりよくない。
これらに対して、水酸基を含む光安定剤と水酸基を含まない光安定剤を併用したもの(実施例2〜3)が、シート脆化及び粘着テープ密着性の面から総合的に判断して、最も良い物性を有しており、水酸基を含む光安定剤のみを使用したもの(実施例1)も、ハードコート層の外観の面では、併用系に次ぐ能力を有している。
本発明は、マーキングオーバーラミネートフィルム、写真のバインダー、建築内外装用、建具の表面や枠材、家電製品の表面材、床材等々の建築用資材表層の化粧シートなどに用いられる。
本発明の実施の形態による積層体を示す断面図である。 図1に示す積層体を用いた化粧シートの例を示す断面図である。 本発明の実施例と比較例との特性測定結果を示す表である。
符号の説明
1……ハードコート層層、2……透明ポリオレフィン樹脂層、3……接着層、4……インキ層、5……基材層、6……プライマー層。

Claims (10)

  1. 少なくとも紫外線吸収剤を含む透明ポリオレフィン樹脂層と、イソシアネート硬化型樹脂を主成分とするハードコート層を積層してなり、
    前記ハードコート層が、化学構造中に水酸基を含む光安定剤を含有し、かつ前記ハードコート層が、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を含有している、
    ことを特徴とする積層体。
  2. 前記ハードコート層が、前記光安定剤を重量比で1〜20パーセント含有していることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 前記ハードコート層が、前記紫外線吸収剤を重量比で1〜10パーセント含有していることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  4. 前記ハードコート層は、その化学構造中に水酸基を含む光安定剤と、水酸基を含まない光安定剤を共に含むことを特徴とする請求項1記載の積層体。
  5. 前記化学構造中に水酸基を含む光安定剤と水酸基を含まない光安定剤の存在比が、20/80〜80/20の範囲内にあることを特徴とする請求項4記載の積層体。
  6. 積層体と基材とを接合したシートであって、
    前記積層体は、少なくとも紫外線吸収剤を含む透明ポリオレフィン樹脂層と、イソシアネート硬化型樹脂を主成分とするハードコート層を積層してなり、
    前記ハードコート層が、化学構造中に水酸基を含む光安定剤を含有し、かつ前記ハードコート層が、ヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を含有している、
    ことを特徴とするシート。
  7. 前記ハードコート層が、前記光安定剤を重量比で1〜20パーセント含有していることを特徴とする請求項6記載のシート。
  8. 前記ハードコート層が、前記紫外線吸収剤を重量比で1〜10パーセント含有していることを特徴とする請求項6記載のシート。
  9. 前記ハードコート層は、その化学構造中に水酸基を含む光安定剤と、水酸基を含まない光安定剤を共に含むことを特徴とする請求項6記載のシート。
  10. 前記化学構造中に水酸基を含む光安定剤と水酸基を含まない光安定剤の存在比が、20/80〜80/20の範囲内にあることを特徴とする請求項9記載のシート。
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