JP2001162744A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2001162744A
JP2001162744A JP34737199A JP34737199A JP2001162744A JP 2001162744 A JP2001162744 A JP 2001162744A JP 34737199 A JP34737199 A JP 34737199A JP 34737199 A JP34737199 A JP 34737199A JP 2001162744 A JP2001162744 A JP 2001162744A
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mpa
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sheet
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Takashi Ikeda
尚 池田
Ikumasa Nishimura
生眞 西村
Tetsuo Aizawa
哲生 相澤
Katsuyuki Niina
勝之 新名
Shigemiki Kato
茂幹 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐傷付き性に優れ、しかもVカット加工時に破
断や白化などを発生することのない化粧シートを提供す
る。 【解決手段】曲げ初期弾性率が1000MPa以上20
00MPa以下、引張破断伸びが300%以上、且つ分
子量分布MWDが4以下の高結晶化ポリプロピレン樹脂
50〜95重量%に対して,曲げ初期弾性率が2000
MPa以上2500MPa以下の高結晶化ポリプロピレ
ン樹脂5〜50重量%を,ブレンドした樹脂によって主
に構成される曲げ初期弾性率が1500MPa以上23
00MPa以下、引張破断伸びが200%以上600%
以下の高結晶化ポリプロピレン樹脂組成物による透明樹
脂層1を少なくとも具備している化粧シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築内装材、建具の
表面、家電品の表面材等に用いられる化粧シートに関す
るもので木質ボード類、無機系ボード類、金属板等に貼
り合わせて化粧板として用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ビニル製化粧シートに替わる
化粧シートとしてオレフィン系樹脂を使用した化粧シー
トが数多く(特開平2ー128843号、特開平4ー8
3664号、特開平6ー1881号、特開平6ー198
831号、特開平9ー328562号等で)提案されて
いる。しかし、これらの方法では塩化ビニル樹脂を使用
しないことにより、焼却時の有毒ガス等の発生は無くな
るが、一般的なポリプロピレンシートもしくは軟質ポリ
プロピレンシートを使用しているため表面の耐傷付き性
が悪く、従来の塩化ビニル化粧シートより表面の耐傷付
き性が劣っているものであった。
【0003】本発明者らは、曲げ初期弾性率が1000
MPa以上である高結晶性ポリプロピレンを検討し傷付
き性で優れた利点を見いだしたが、後加工でVカット等
を行った場合、フィルムの破断や外周部の割れが生じる
ことがあった。また、製膜性の改良の目的でポリエチレ
ンを5%以上添加したものは、ポリエチレンとポリプロ
ピレンとの相溶性が悪いため、Vカットを行ったときに
白化も生じることがあった。
【0004】これに対してさらに本発明者らは,曲げ初
期弾性率が1000MPa以上2200MPa以下、引
張破断伸びが200%以上、且つ分子量分布(Mole
cular Weight Distribution
以下MWDと記す)が5以下の高結晶化ポリプロピレ
ン樹脂を90〜100重量%を主として構成される樹脂
組成物による透明樹脂層を少なくとも具備してなり、且
つ総厚が80μm以上250μm以下の化粧シートによ
って大幅にVカット適性を改善し表面傷付き性との両立
を成し遂げたが、MWDが低いことにより引張破断伸び
が600%を超えてしまうことがあり、重荷重で引きず
り傷が、シートの伸びが大きいために目立ちやすいとい
う欠点があった。
【0005】このMWDは、重量平均分子量(Mw )と
数平均分子量(Mn )の比(Mw /Mn )であり分子量
分布の広がりを示すものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題とすると
ころは耐傷付き性に優れ、しかもVカット加工時に破断
や白化などを発生することのない化粧シートを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、曲げ初期弾性率が1000MPa
以上2000MPa以下、引張破断伸びが300%以
上、且つ分子量分布MWDが4以下の高結晶化ポリプロ
ピレン樹脂50〜95重量%に対して,曲げ初期弾性率
が2000MPa以上2500MPa以下の高結晶化ポ
リプロピレン樹脂5〜50重量%をブレンドした樹脂に
よって主に構成される曲げ初期弾性率が1500MPa
以上2300MPa以下、引張破断伸びが200%以上
600%以下の高結晶化ポリプロピレン樹脂組成物によ
る透明樹脂層を少なくとも具備していることを特徴とす
る化粧シートであり、また、この化粧シートの総厚が8
0μm以上250μm以下であることを特徴とする化粧
シートである。尚、本発明において透明とは半透明をも
包含するものとする。
【0008】
【発明の実施形態】本発明の化粧シートは、透明樹脂層
を少なくとも具備する化粧シートであって、該透明樹脂
層を構成する樹脂組成物が曲げ初期弾性率が1000M
Pa以上2000MPa以下、引張破断伸びが300%
以上、且つ分子量分布MWDが4以下の高結晶化ポリプ
ロピレン樹脂50〜95重量%に対して,曲げ初期弾性
率が2000MPa以上2500MPa以下の高結晶化
ポリプロピレン樹脂5〜50重量%をブレンドした樹脂
によって主に構成される曲げ初期弾性率が1500MP
a以上2300MPa以下、より好ましくは1500M
Pa以上2200MPa以下、引張破断伸びが200%
以上600%以下、より好ましくは200%以上500
%以下の高結晶化ポリプロピレン樹脂組成物による透明
樹脂層を少なくとも具備してなり、且つ総厚が80μm
以上250μm以下、より好ましくは100μm以上1
60μm以下であることが重要である。
【0009】上記高結晶性ポリプロピレンはプロピレン
の単独重合体すなわちホモポリマーでも良いし、あるい
は、エチレン、ブテン等と共重合した2元、3元のラン
ダム共重合体でも良い。尚、本発明において高結晶性ポ
リプロピレンとは沸騰ヘプタン可溶残分が95%以上の
ポリプロピレンを指す。
【0010】また、透明樹脂層を構成する高結晶化ポリ
プロピレン以外の樹脂は高結晶化ポリプロピレンの物性
に著しく悪影響を与えないならばその配合の目的によっ
て適宜選定が可能である。
【0011】以下に本発明による高結晶性ポリプロピレ
ンを用いた化粧シートの構成の具体例を図に従って詳細
に説明する。
【0012】図1は本発明に係わる透明樹脂層を用いた
単層化粧シートの一例であり、必要に応じて片面又は両
面をコロナ処理、プラズマ処理、電子線処理、紫外線処
理、重クロム酸処理等で活性にした透明樹脂層(1)の
一方の面に絵柄層(2)及び隠蔽層(3)を設け、シー
ト1の反対の面にトップコート層(4)を設けた構成の
化粧シートである。
【0013】隠蔽層(3)の基材に対する接着性に問題
があれば重ねてプライマー層(5)を適宜設けてもかま
わない。また、意匠性を向上させるためにトップコート
層(4)側にエンボス模様を適宜設けてもよい。
【0014】図1の構成において、エンボス模様は透明
樹脂層(1)の高結晶性ポリプロピレンシートに直接付
与されるもので、その方法は製膜されたシートを熱及び
圧力により凹凸模様を有するエンボス版を用いてエンボ
ス模様を付与する方法や、押出機を用いて製膜する際に
凹凸模様を有する冷却ロールを用いて冷却と同時にエン
ボスを設ける方法などが有る。ここではエンボス部にイ
ンキを埋め込みさらに意匠性を向上させることも可能で
ある。
【0015】高結晶性ポリプロピレンよりなるシートの
成形方法は特に製膜できれば問題なく規定されるもので
は無いが、押出機を用いる方法が最も一般的である。
【0016】図1において絵柄層(2)、隠蔽層(3)
を設ける方法は、透明樹脂層(1)の高結晶性ポリプロ
ピレンシートに直接グラビア印刷、オフセット印刷、ス
クリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェッ
ト印刷等が有る。また特に隠蔽層(3)を施す場合はコ
ンマコーター、ナイフコーター、リップコーター、金属
蒸着あるいはスパッタ法等を用いてもよい。
【0017】トップコート層(4)を設ける方法も隠蔽
層(3)や絵柄層(2)等を設ける方法と同様で何ら規
定されるものではない。
【0018】ここで使用される高結晶性ポリプロピレン
シートには必要に応じて熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、核剤、触媒捕捉
剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のため
の光散乱剤、艶調整剤等を添加することもできる。熱安
定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、ヒドラ
ジン系等、難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾ
ール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジ
ン系等、光安定剤としてはヒンダードアミン系等を任意
の組み合わせで添加するのが一般的である。特に本用途
に用いる場合は耐候性を考慮する必要があり、紫外線吸
収剤と光安定剤は必須となり添加量はそれぞれ0.1〜
1.0%が適量である。
【0019】絵柄層(2)にインキを使用する場合はバ
インダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニルー酢
酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタ
ン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性
物の中から適宜選定すればよい。これらは水性、溶剤
系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1
液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選
定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりイ
ンキを硬化させることも可能である。中でも最も一般的
な方法はウレタン系のインキでイソシアネートで硬化さ
せる方法である。
【0020】これらバインダー以外には通常のインキに
含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、
各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料
には縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインド
リン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタ
ロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等の
パール顔料等がある。また、インキの塗布とは別に各種
金属の蒸着やスパッタリングで意匠を施すことも可能で
ある。
【0021】隠蔽層(3)に使用される材料も基本的に
は絵柄層(2)と同じものでよいが、目的として隠蔽性
を持たせる必要があるために顔料としては不透明な顔
料、酸化チタン、酸化鉄等を使用する。また隠蔽性を上
げるために金、銀、銅、アルミ等の金属を添加すること
も可能である。一般的にはフレーク状のアルミを添加さ
せることが多い。塗布厚みは2μ以下では隠蔽性を付与
しにくく、10μ以上では樹脂層の凝集力が弱くなるた
め2μ〜10μが妥当である。
【0022】トップコート層(4)に使用される材料も
特に規定されるものではないがポリウレタン系、アクリ
ル系、アクリルシリコン系、フッソ系、エポキシ系、ビ
ニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッ
ド系、尿素系等から適宜選択できる。形態も水性、エマ
ルジョン、溶剤系いずれでも可能でかつ硬化も1液タイ
プでも硬化剤を用いた2液タイプでも良い。中でもイソ
シア反応を利用したウレタン系のトップコートが作業
性、価格、樹脂自体の凝集力等の観点からも望ましい。
【0023】イソシアネートにはトリレンジイソシアネ
ート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
メタジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネ
ート(LDI)、イソホロジイソシアネート(IPD
I)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、
メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXD
I)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(T
MDI)等から適宜選定できるが耐候性を考慮すると2
重結合をもつタイプよりも直鎖状の構造を持つタイプ、
特にヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が最
適である。
【0024】表面の硬度をさらに向上させるためには紫
外線や電子線照射で硬化する樹脂の使用も可能である。
さらに耐候性を向上させるために紫外線吸収材及び光安
定材を適宜添加してもよい。また各種機能を付与するた
めに抗菌材、防カビ材等の機能性添加材の添加も任意に
行える。さらに、表面の意匠性から艶の調整のためある
いはさらに耐磨耗性を付与するためにアルミナ、シリ
カ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等の添加も任意
に行える。塗布厚みは通常2μ〜10μが妥当である。
【0025】プライマー層(5)に使用される材料も基
本的には絵柄層(2)、隠蔽層(3)と同じものでよい
が、シート裏面に施されるためにウエブ状で巻取りを行
うことを考慮するとブロッキングを避けてかつ接着剤と
の密着を高めるために、シリカ、アルミナ、マグネシ
ア、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加さ
せても良い。塗布厚みは基材との密着を確保することが
目的であるので0.1μm〜3.0μmが妥当である。
【0026】図2には絵柄の施された各種基材と高結晶
性ポリプロピレンとの積層タイプの構成の一例を示す。
ここで積層方法及び透明層の層数は任意に選択できる。
重要なことは複数の合成樹脂シートを積層した多層構成
の化粧シートの内、少なくとも最表面の合成樹脂シート
を本発明の高結晶性ポリプロピレン樹脂シートで構成す
ることである。
【0027】以下に図にそって詳細に説明する。図2は
上から順にトップコート層(4)、透明樹脂層(1)、
接着層(6)、絵柄層(2)、基材シート(7)、プラ
イマー層(5)と積層された化粧シートの構成の一例で
ある。ここで、トップコート層(4)、エンボスは必要
とあれば設ければよく、プライマー層(5)も基材シー
トがオレフィン系材料のように表面不活性な場合には必
要であるが表面が活性な基材シートの場合は特に必要な
ものではない。
【0028】また、基材シートにオレフィン系基材のよ
うな表面が不活性な基材を用いる場合は、基材シートの
表裏にコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線
処理、紫外線処理、重クロム酸処理等を行うことが望ま
しい。さらには絵柄との密着を確保させるためにはプラ
イマー層を設けることもある。また、化粧シートに隠蔽
性を付与したい場合には、基材シート(7)として隠蔽
性の着色シートを使用しても良いし、隠蔽層を設けても
良い。
【0029】図2で基材シート(7)としては薄葉紙、
チタン紙、樹脂含浸紙等の紙、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリアミド、エチレンー酢酸ビニル
共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の合成樹
脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレンープロ
ピレン共重合ゴム、エチレンープロピレンージエン共重
合ゴム、スチレンーブタジエン共重合ゴム、スチレンー
イソプレンースチレンブロック共重合ゴム、スチレンー
ブタジエンースチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタ
ン等のゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、ア
ルミニウム、鉄、金、銀等の金属箔等から任意に選定可
能である。また、基材シート(7)は透明樹脂層(1)
と同一の樹脂組成物からなるシートであってもかまわな
い。
【0030】図2の構成で透明樹脂層(1)、絵柄層
(2)、トップコート層(4)、プライマー層(5)は
図1のそれと同一でよい。
【0031】接着層(6)は接着方法に依存した任意の
材料選定が可能であり、積層方法として熱ラミネート、
押し出しラミネート、ドライラミネート等が採用されて
いる。接着材は、アクリル系、ポリエステル系、ポリウ
レタン系等の材料から選定できる。通常はその凝集力か
らイソシアネートを用いたポリオールとの反応の2液硬
化タイプのウレタン系が望ましい。
【0032】積層方法にも特に規制はないが熱圧を応用
した方法、押し出しラミネート法及びドライラミネート
法等が一般的である。またエンボス模様を施す場合に
は、一旦各種方法でラミネートしたシートに後から熱圧
によりエンボスを入れる方法、冷却ロールに凹凸模様を
設け押し出しラミネートと同時にエンボスを施す方法が
有る。また、押し出し同時エンボスを施した透明樹脂層
(1)と基材シート(7)を熱あるいはドライラミネー
トで貼り合わせる方法等がある。絵柄層(2)及び接着
層(6)を施す位置は通常通り基材シート(7)側でも
よいし、透明樹脂層(1)側でもよい。
【0033】さらに、エンボスの中にインキを埋め込ん
で意匠性を向上させることも可能である。
【0034】図3には図2とは異なる積層タイプの構成
の一例を示す。プライマー層(5)、基材シート
(7)、絵柄層(2)、透明樹脂層(1)、トップコー
ト層(4)、接着剤層(6)等は図2と全く同様である
が異なるところは接着剤層(6)と透明樹脂層(1)の
間に接着性樹脂層(8)が設けられているところであ
る。これは、特に押し出しラミネート方法でさらなるラ
ミネート強度を求める場合に行うが透明樹脂層と接着性
樹脂との共押し出し法でラミネートを行う。
【0035】上記接着性樹脂層(8)はポリプロピレ
ン、ポリエチレン、アクリル系等樹脂に酸変性を施した
もので厚みは接着力向上目的から2μ以上、また厚すぎ
るとせっかく高結晶性の透明樹脂層で表面硬度を向上さ
せたにもかかわらず接着性樹脂自体の柔らかさの影響を
受けるため20μ以下が望ましい。
【0036】耐候性の面から絵柄及び基材を守るために
前記のようにトップコート層(4)及び透明樹脂層
(1)に耐候性処方を施すだけではなく、接着剤層
(6)に紫外線吸収剤及び光安定剤を添加する方法もあ
る。
【0037】図2及び図3の例に示した積層タイプの厚
みは、基材シート(7)としては印刷作業性、コストを
考慮して30μ〜150μ、透明樹脂層(1)としては
意匠性、後加工性、コストを考慮して30μ〜150μ
にすることが望ましいが、積層品としての総厚みは80
μ〜250μの範囲にすることが必要である。
【0038】
【実施例】〈実施例1〉曲げ初期弾性率1650MP
a、引張破断伸びが650%、分子量分布MWDが3の
高結晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分9
6%)80重量%に、曲げ初期弾性率2200MPaの
高結晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分9
9%)を20重量%ブレンドした樹脂によって構成され
る曲げ初期弾性率1950MPa、引張破断伸びが30
0%の樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤(イル
ガノックス1010:チバスペシャリティケミカルズ社
製)を500PPM、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤(チヌビン328:チバスペシャリティケミカルズ社
製)2000PPM、ヒンダードアミン系光安定剤(キ
マソーブ944:チバスペシャリティケミカルズ社製)
2000PPMを添加した樹脂を押し出し機を用いて溶
融押し出しを行い、厚さ80μの高結晶性透明樹脂シー
トを製膜し、シートの両面にコロナ処理を施し、表面の
濡れを40μN/cm以上とした。
【0039】一方隠蔽性のある70μmのシートに2液
型ウレタンインキ(V180:東洋インキ社製)にて絵
柄印刷を施し、また、裏面にプライマーコートを施して
基材シートを用意した。しかる後、前記基材シートの絵
柄印刷面に前記高結晶性透明シートをドライラミネート
用接着剤(タケラックA540:武田薬品工業製 塗布
量2g/m2 )を介してドライラミネート法にて貼り合
わせた。このシートの高結晶性透明ポリエチレンシート
の面にエンボスを施した後、2液型ウレタントップコー
ト(W184:大日本インキ社製)を3g/m2 塗布し
て総厚154μmの図2の化粧シートを得た。
【0040】〈実施例2〉曲げ初期弾性率1650MP
a、引張破断伸びが650%、分子量分布MWDが3の
高結晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分9
6%)80重量%に、曲げ初期弾性率2200MPaの
高結晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分9
9%)を20重量%ブレンドした樹脂によって構成され
る曲げ初期弾性率1950MPa、引張破断伸びが30
0%の樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤(イル
ガノックス1010:チバスペシャリティケミカルズ社
製)を500PPM、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤(チヌビン328:チバスペシャリティケミカルズ社
製)2000PPM、ヒンダードアミン系光安定剤(キ
マソーブ944:チバスペシャリティケミカルズ社製)
2000PPMを添加した樹脂をポリエチレン系の易接
着樹脂と押し出し機を用いて共押出しにて80μmの厚
みで、隠蔽性のある70μmの基材シートに2液型ウレ
タンインキ(V180:東洋インキ社製)にて絵柄印刷
を施し、また、裏面にプライマーコートをした基材シー
トとエクストルージョンラミネートにて貼り合わせた。
【0041】このシートの高結晶性ポリプロピレンシー
トの面にエンボスを施した後、2液型ウレタントップコ
ート(W184:大日本インキ社製)を3g/m2 塗布
して総厚155μmの図3の化粧シートを得た。
【0042】〈実施例3〉曲げ初期弾性率1650MP
a、引張破断伸びが650%、分子量分布MWDが3の
高結晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分9
6%)80重量%に,曲げ初期弾性率2200MPaの
高結晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分9
9%)を20重量%ブレンドした樹脂によって構成され
る曲げ初期弾性率1950MPa、引張破断伸びが30
0%の樹脂にヒンダードフェノール系酸化防止剤(イル
ガノックス1010:チバスペシャリティケミカルズ社
製)を500PPM、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤(チヌビン328:チバスペシャリティケミカルズ社
製)2000PPM、ヒンダードアミン系光安定剤(キ
マソーブ944:チバスペシャリティケミカルズ社製)
2000PPMを添加した樹脂を押し出し機を用いて溶
融押し出しを行い、厚さ100μの透明な高結晶性ポリ
プロピレンシートを得た。
【0043】得られたシートの両面にコロナ処理を施
し、表面の濡れを40μN/cm以上に保ち、2液型ウ
レタンインキ(V180:東洋インキ社製)にて絵柄印
刷を施し、重ねて2液型ウレタンインキ(V180:東
洋インキ社製)隠蔽層を6g/m2 塗布し、またこれに
重ねてプライマーとして2液型ウレタンインキ(PET
−E レジウサー:大日精化製)を1g/m2 塗布し
た。このシートの高結晶性ポリプロピレンシートの面に
エンボスを施した後2液型ウレタントップコート(W1
84:大日本インキ社製)を3g/m2 塗布して総厚1
10μmの図1の化粧シートを得た。
【0044】〈比較例1〉上記実施例2において、曲げ
初期弾性率1650MPa、引張破断伸びが650%、
分子量分布MWDが3の高結晶性ポリプロピレン樹脂
(沸騰ヘプタン可溶残分96%)80重量%に、曲げ初
期弾性率2200MPaの高結晶性ポリプロピレン樹脂
(沸騰ヘプタン可溶残分99%)を20重量%ブレンド
した樹脂によって構成される曲げ初期弾性率1950M
Pa、引張破断伸びが300%の樹脂のかわりに曲げ初
期弾性率1950MPa、引張破断伸びが600%の高
結晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分98
%)を使用し、その他は同様の方法で比較例1の化粧シ
ートを得た。
【0045】〈比較例2〉上記実施例2において、曲げ
初期弾性率1650MPa、引張破断伸びが650%、
分子量分布MWDが3の高結晶性ポリプロピレン樹脂
(沸騰ヘプタン可溶残分96%)80重量%に、曲げ初
期弾性率2200MPaの高結晶性ポリプロピレン樹脂
(沸騰ヘプタン可溶残分99%)を20重量%ブレンド
した樹脂によって構成される曲げ初期弾性率1950M
Pa、引張破断伸びが300%の樹脂のかわりに曲げ初
期弾性率1950MPa、引張破断伸びが20%の高結
晶性ポリプロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分98
%)を使用し、その他は同様の方法で比較例2の化粧シ
ートを得た。
【0046】〈比較例3〉上記実施例2において、曲げ
初期弾性率1650MPa、引張破断伸びが650%、
分子量分布MWDが3の高結晶性ポリプロピレン樹脂
(沸騰ヘプタン可溶残分96%)80重量%に曲げ初期
弾性率2200MPaの高結晶性ポリプロピレン樹脂
(沸騰ヘプタン可溶残分99%)を20重量%ブレンド
した樹脂によって構成される曲げ初期弾性率1950M
Pa、引張破断伸びが300%の樹脂のかわりに曲げ初
期弾性率900MPa、引張破断伸びが700%のポリ
プロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分80%)80重
量%に曲げ初期弾性率1950MPaの高結晶性ポリプ
ロピレン樹脂(沸騰ヘプタン可溶残分98%)を20重
量%ブレンドした樹脂によって構成される曲げ初期弾性
率1300MPa、引張破断伸びが600%の樹脂を使
用し、その他は同様の方法で比較例3の化粧シートを得
た。
【0047】〈比較例4〉上記実施例2において、共押
出を行う樹脂の厚みを200μmとして、シート総厚を
275μmとし、その他は同様の方法で比較例4の化粧
シートを得た。
【0048】実施例、比較例で得られた化粧シートをウ
レタン系の接着剤を用いて木質基材に貼り合わせた後、
鉛筆硬度試験にて表面硬度を、Vカット試験にてVカッ
ト適性の有無を評価した。結果が下表1である。尚、V
カット試験は加工機や加工時の環境に左右されないよう
に、低温、高速折り曲げ条件にて実施している。
【0049】
【表1】
【0050】破断:Vカット時に折り部が破断する現象 破れ:Vカット時に折り部が外周で割れる現象 Vカット試験環境:5℃ 直角までの折り曲げスピード
0.2秒 引きずり傷:5Hの鉛筆硬度試験を行い、傷の目立ち具
合を目視判定
【0051】結果の表から明らかなように本発明による
高結晶ポリプロピレンを使用した化粧シートは従来の化
粧シートに比べて表面傷付き性に優れ、且つVカット加
工適性が良好な化粧シートと言える。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば塩化ビニル
樹脂を一切使用していないために、環境に優しいだけで
なく、表面の耐傷付き性に優れ、Vカット加工性も優秀
な化粧シートが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【図2】本発明の他の化粧シートの実施の形態を示す側
断面図である。
【図3】本発明の他の化粧シートの実施の形態を示す側
断面図である。
【符号の説明】
1…透明樹脂層 2…絵柄層 3…隠蔽層 4…トップコート層 5…プライマー層 6…接着層 7…基材シート層 8…接着性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新名 勝之 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 加藤 茂幹 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA20 AA81 AF20Y AF21Y AF30 AH03 AH12 BA01 BB06 BC02 BC12 4F100 AK07A AK51A AL05A AT00B BA01 BA02 CA05 CA06 GB48 GB81 HB00A HB31A JA07A JA14A JA20 JK07A JK08A YY00A 4J002 BB121 BB122 BB141 BB142 GF00 GL00 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】曲げ初期弾性率が1000MPa以上20
    00MPa以下、引張破断伸びが300%以上、且つ分
    子量分布MWDが4以下の高結晶化ポリプロピレン樹脂
    50〜95重量%に対して,曲げ初期弾性率が2000
    MPa以上2500MPa以下の高結晶化ポリプロピレ
    ン樹脂5〜50重量%をブレンドした樹脂によって主に
    構成される曲げ初期弾性率が1500MPa以上230
    0MPa以下、引張破断伸びが200%以上600%以
    下の高結晶化ポリプロピレン樹脂組成物による透明樹脂
    層を少なくとも具備していることを特徴とする化粧シー
    ト。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化粧シートの総厚が80
    μm以上250μm以下であることを特徴とする化粧シ
    ート。
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