JP2002256686A - 非ハロゲン系発泡床材 - Google Patents

非ハロゲン系発泡床材

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JP2002256686A
JP2002256686A JP2001054430A JP2001054430A JP2002256686A JP 2002256686 A JP2002256686 A JP 2002256686A JP 2001054430 A JP2001054430 A JP 2001054430A JP 2001054430 A JP2001054430 A JP 2001054430A JP 2002256686 A JP2002256686 A JP 2002256686A
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foamed
styrene
foam
halogen
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JP2001054430A
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Taketo Takori
武人 田古里
Takeshi Ishii
武史 石井
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Lonseal Corp
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Lonseal Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 折り曲げたり巻き取った時に、巻しわの発生
がなくひずみ回復性に優れた非ハロゲン系発泡床材を提
供すること。 【解決手段】 表面層、発泡層、基材を順次積層し、上
記基材の引張弾性率を1〜80N/mmにすると共
に、表面層と発泡層との間に中間層を介在させ、該中間
層の引張弾性率が5〜500N/mmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ハロゲン系発泡
床材に関し、更に詳しくは、保管・搬送時において巻き
取られたものを敷設施工時等において巻き返した際に、
巻しわの発生がなく、ひずみ回復性が良好な非ハロゲン
系発泡床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、歩行感及び防音性に優れた発
泡床材として、ポリ塩化ビニルを主原料とし、その構造
中に表面保護と意匠性が付与された化粧層とクッション
性を持つ発泡層を備えた発泡床材が知られている。しか
し、ポリ塩化ビニルを主原料とした発泡床材は、廃棄焼
却時に昨今問題になっている塩素ガスを発生する恐れが
あるため、塩素ガスを発生しない非ハロゲン系材料を主
原料とする発泡床材の開発が希求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】非ハロゲン系材料から
なる発泡床材としては種々の構造のものが知られている
が、その中で、表面層と発泡層と基材とを順次積層して
なるものは、折り曲げた時あるいは巻き取り巻き返した
時に、折りしわや巻しわが発生し、施工性に劣ると共に
施工後の仕上げの外観が悪いという問題があった。これ
は、発泡床材を折り曲げたり巻き取り巻き返した時に、
曲げの内側と外側で円周方向の長さに微妙な差が生じ
て、曲げの内側には収縮方向に曲げの外側には伸長方向
にそれぞれ応力が発生し、曲げの内側と外側で生じる応
力によって構造中の発泡層が変形して、折りしわや巻し
わとなって現れることに起因する。この様な折りしわや
巻しわの発生は、外側に伸縮の少ない基材があった場合
に顕著となる。係る課題を解決するために従来では、発
泡床材裏面に格子状等各種のエンボス加工を施す等の加
工を行っていたが、加工工数の増加とエンボス加工によ
る接着面積の低下をきたすという問題があった。
【0004】一方、発泡床材には良好なひずみ回復性が
要求されるため、発泡倍率を変えた複数の発砲層を積層
したもの(例えば、特開平8‐49398公報参照)
や、発砲層に発泡体粒子を混在させたもの(例えば、特
開平11‐117514公報参照)等が提案されたが、
これらはいずれも加工工数の増加とそれに伴う製造コス
トの悪化並びに生産性の低下を招いてしまう。また、ひ
ずみ回復性を改善するべく、発泡層の発泡倍率を下げた
り(例えば、特開昭58‐24060公報参照)、発泡
層に強固な表面層を積層すること(例えば、特開平11
‐229597公報参照)が提案されたが、いずれも発
泡床材としての歩行性能(クッション性)が悪くなって
しまう不具合があった。
【0005】本発明は、この様な従来の不具合に鑑みて
なされたものであり、発泡床材裏面にエンボス加工を施
さずとも、折りしわや巻き取り時の巻しわの発生を抑制
することができ、発泡床材としての歩行性能(クッショ
ン性)及びひずみ回復性を共に満足させることができる
非ハロゲン系発泡床材を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成する本
発明の請求項1記載の非ハロゲン系発泡床材は、少なく
とも表面層と発泡層と基材を備えてなる非ハロゲン系発
泡床材において、基材の引張弾性率を1N/mm〜8
0N/mmとしたことを特徴としたものである。これ
により、発泡床材を巻き取り巻き返した時に表裏の円周
方向に発生する長さの差を基材の伸縮で解消し、もっ
て、巻きしわの発生を無くすことが可能となる。また、
本発明請求項2記載の非ハロゲン系発泡床材は、前記表
面層と発泡層との間に中間層を介在させ、その中間層の
引張弾性率を5N/mm〜500N/mmとしたこ
とを特徴としたものである。これにより、巻きしわの発
生を抑制すると共に、ひずみ回復性に優れたものとな
る。この際、前記中間層としては、スチレン系エラスト
マーまたはスチレン系ゴムを含有する合成樹脂シートか
らなるものを用いることが好ましい(請求項3)。そう
すれば、発泡床材として柔軟性及びクッション性に優れ
且つ良好なひずみ回復性を両立させることができるよう
になる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に係る非ハロゲン系発泡床材Aは、基本的
には図1に示す通り、表面層1と発泡層2と基材3を順
次積層して構成されるが、表面層1と発泡層2との間に
中間層4を介在させることが好ましい。
【0008】表面層1は、床材としての意匠を凝らした
り耐摩耗性や耐久性、耐防汚性等を付与させるためのも
のであり、合成樹脂シートまたは合成樹脂の積層シート
が好適に用いられる。表面層1として用いられる合成樹
脂としては、例えば、高密度ポリエチレン,低密度ポリ
エチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,ホモポリプロピ
レン,ランダムポリプロピレン,ブロックポリプロピレ
ン,ポリブテン−1,エチレンと炭素数3以上のαオレ
フィンとの共重合樹脂,エチレンとカルボキシル基含有
モノマーとの共重合体,オレフィン系熱可塑性エラスト
マー,スチレン−オレフィンブロック共重合体,スチレ
ン系エラストマー,非結晶のαオレフィン樹脂,ポリア
ミド,ポリカーボネート,ポリスチレン,ポリオキシメ
チレン,ポリフェニレンオキサイド,ポリスルホン,ポ
リアクリレート,アクリル樹脂,メタクリル樹脂,ポリ
エステル,ポリウレタン,ポリエステル系エラストマ
ー,ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性樹脂や熱
可塑性エラストマー、または、ブチルゴム,アクリルゴ
ム,イソプレンゴム,スチレン−ブタジエンゴム,アク
リロニトリル−ブタジエンゴム,アクリル−スチレンゴ
ム等の合成ゴムや天然ゴム及びその水素添加物等の一種
類または二種類以上の合成樹脂混合物などを挙げること
ができる。これらの中でも、耐摩耗性や耐久性、耐防汚
性及び柔軟性のバランスが良いオレフィン系樹脂、特
に、高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,直鎖状
低密度ポリエチレン,ホモポリプロピレン,ランダムポ
リプロピレン,ブロックポリプロピレン等を表面層1と
して用いることが好ましい。
【0009】この際、表面層1の厚みとしては、この種
の床材として通常に適用される厚さ、すなわち0.05
mm〜1.0mm程度とすることができるが、耐摩耗性
等の床材として求められる物性及びクッション性のバラ
ンスを考慮すると、0.08mm〜0.5mm程度の厚
みとすることが好ましい。また、表面層1の引張弾性率
は80N/mm〜500N/mmのものが通常使用
できるが、引張弾性率が高くなるとクッション性に影響
し、引張弾性率が低くなると耐久性に影響するので、ク
ッション性と耐久性のバランスを考慮すると200N/
mm〜500N/mmの引張弾性率とすることが好
ましい。ここで、表面層1の引張弾性率は、JIS規格
のK7113に従い1号型試験片を用いて初期試料長6
0mm、試験速度600mm/分、伸び率3%にて測定
したものである。
【0010】表面層1は、耐摩耗性,艶調整,耐シガレ
ット性,抗菌性,耐防汚性の付与、等を目的とした表面
処理を施したものであっても良い。表面処理を施すこと
によって耐摩耗性を向上させる方法としては、例えば処
理剤を使用することが考えられる。その処理剤として
は、紫外線硬化型処理剤,電子線硬化型処理剤,アクリ
ル系処理剤,ウレタン系処理剤,等が好適である。これ
らの処理剤は公知のものが使用可能であり、紫外線硬化
型処理剤や電子線硬化型処理剤としては、ウレタン系,
エポキシ系,アクリル系,ポリアミド系,ポリエステル
系及びこれらの共重合や混合物等が一般的である。そし
て、アクリル系処理剤及びウレタン系処理剤としては、
硬化型のものが好ましい。これらの処理剤の中には、耐
摩耗性向上や意匠の付与を目的として、ガラスビーズや
ガラス粉末,シリカ,ケイ砂等の無機充填剤や、合成繊
維,天然繊維,各種樹脂粉末や粉砕物を添加することも
可能である。これらの処理剤は、公知の各種塗工機を用
いて床材表面に塗布することができる。ちなみに、処理
剤の厚みには特に制限はないが、1μm〜200μm程
度とすることが好ましい。
【0011】また、表面層1と中間層2との間、表面層
と発泡層2との間に模様層を設けることもできる。模様
層として、印刷を施す場合には、インキ密着性を向上さ
せるため印刷面にコロナ放電処理を行うことが好まし
い。印刷インキのビヒクルとしては公知のものが使用で
き、例えばバインダーとしてメチルセルロース,アセチ
ルセルロース,ニトロセルロース等のセルロース誘導
体、ポリメタクリル酸メチル,ポリアクリル酸エチル,
ポリアクリル酸ブチル等のアクリルまたはメタクリル酸
エステルの単独または共重合体、ロジン,ロジン変性フ
ェノール樹脂,ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン系
樹脂、ポリスチレン,ポリαメチルスチレン等のスチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル,塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体等のビニル系樹脂、マレイン樹脂,アルキッド樹
脂,ポリアミド系樹脂,エポキシ系樹脂,ポリウレタン
系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリ酢酸ビニル、等が使
用できる。これらバインダーのなかでも、ポリウレタン
系樹脂やポリエステル系樹脂を用いたものは、高密度ポ
リエチレン,低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエ
チレン,ホモポリプロピレン,ランダムポリプロピレ
ン,ブロックポリプロピレン等からなる表面層1に好適
に使用でき、後述する中間層4との積層性も良い。
【0012】発泡層2は、床材としてのクッション性
(歩行感)を向上させるためのものであり、合成樹脂ま
たはゴムを発泡させたもの、またはそれらの発泡体を積
層したもの等が使用できる。発泡層2を形成する合成樹
脂としては、例えば、高密度ポリエチレン,低密度ポリ
エチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,ホモポリプロピ
レン,ランダムポリプロピレン,ブロックポリプロピレ
ン,ポリブテン−1,エチレンと炭素数3以上のαオレ
フィンとの共重合樹脂,エチレン−プロピレンゴム,エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム,エチレン−ブテンゴ
ム,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂,エチレン−アク
リル酸エステル共重合樹脂,エチレン−メタクリル酸共
重合樹脂等のエチレンとビニルモノマーの共重合体,オ
レフィン系熱可塑性エラストマー,非結晶のαオレフィ
ン樹脂等の一種類または二種類以上の合成樹脂混合物が
使用できる。その発泡倍率としては、1.5倍〜30倍
程度が好ましく、発泡倍率が低いとクッション性が低下
し、発泡倍率が高いと強度が低下するので、クッション
性と発泡層強度のバランスから2倍〜15倍程度が更に
好ましい。発泡の形態としては、連続気泡でも独立気泡
でもどちらでも良いが、ひずみの回復性を考慮すると独
立気泡のものが好ましい。また、発泡層2の厚さは、発
泡倍率すなわちクッション性に応じて決定されるが、
0.5mm〜10.0mm程度が適当であり、実験の結
果では床材としてのクッション性(歩行感)のバランス
から1.0mm〜3.0mm程度の厚みが最適であっ
た。
【0013】基材3は、発泡床材としての強度を持たせ
て巻しわの発生を抑制すると同時に敷設する床面との接
着性を持たせるためのものであり、織布や不織布或いは
編布等、従来から床材として使用されているものが使用
可能であるが、その引張弾性率が1N/mm〜80N
/mmのものを用いることが好ましい。基材3の引張
弾性率が1N/mmに満たないと基材としての補強効
果を奏し得なくなり、引張弾性率が80N/mmより
高くなると巻しわの発生を抑制することが難しくなる。
そこで、本願発明者等が鋭意研究した結果、基材3の引
張弾性率が5N/mm〜70N/mmの範囲であれ
ば、巻しわの発生を確実に抑制することができることを
確認した。また、基材3の伸び率は5%以上が好まし
く、10%以上がより好ましい。伸び率が5%に満たない
と、巻き戻したとき、巻きぐせが回復しづらく施工性に
影響する。ここで、基材3の伸び率は、JIS規格のK
7113に従い1号型試験片を用いて初期試料長60m
m、試験速度50mm/分で測定し、また引張弾性率
は、上記条件の伸び率1%にて測定したものである。
【0014】また、基材3として使用される材料として
は、綿,パルプ等の天然繊維や、ポリプロピレン,ポリ
エステル,ポリオレフィン等の合成繊維、又はこれらか
ら選ばれる2種以上の混合材料よりなる織布や不織布或
いは編布等がある。不織布としては、伸縮性に富むもの
が好適に用いられる。そのため、繊維が拘束されない製
法のものが望ましく、乾式工法やスパンボンド工法,ス
パンレース工法,ニードルパンチ工法等のものが好適に
用いられる。また、製法に関わらずエンボス加工や孔開
け加工により基材に伸縮性を付与させたものでも使用可
能である。その中で特に、綿やポリエステルが主体の不
織布や、これにオレフィン系繊維が混紡された不織布が
好適に用いられる。尚、基材3の厚さ及び目付け量は、
その引張弾性率が1〜80N/mmの範囲にあれば特
に制限はないが、従来と同様0.05mm〜1mm程の
厚さとし、20g/m〜500g/m程度の目付け
量とすることが好ましい。
【0015】中間層4は、表面層1と発泡層2との間に
積層介在させて発泡床材が荷重によりひずみを受けた際
のひずみ回復性を向上させるためのものであり、その引
張弾性率が5N/mm〜500N/mmの範囲にあ
るものを用いることが好ましい。中間層4の引張弾性率
が5N/mmに満たないと所要のひずみ回復性及び機
械的強度を発揮し得なくなり、引張弾性率が500N/
mmより大きくなるとクッション性を向上させる効果
を奏し得なくなる。そこでクッション性やひずみ回復性
及び機械的強度のバランスを考慮すると、中間層4の引
張弾性率は10N/mm〜100N/mmの範囲と
することが好ましい。そうすれば、中間層4としてクッ
ション性とひずみ回復性及び機械的強度のバランスがと
れたものとなる。尚、中間層4の引張弾性率は、JIS
規格のK7113に従い1号型試験片を用いて初期試料
長60mm、試験速度600mm/分、伸び率3%にて
測定したものである。
【0016】中間層4の材料としては、合成樹脂シート
が好適に用いられる。具体的には、高密度ポリエチレ
ン,低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,
ホモポリプロピレン,ランダムポリプロピレン,ブロッ
クポリプロピレン,ポリブテン−1,エチレンと炭素数
3以上のαオレフィンとの共重合樹脂,エチレンとカル
ボキシル基含有モノマーとの共重合体,オレフィン系熱
可塑性エラストマー,スチレン−オレフィンブロック共
重合体,スチレン系エラストマー,非結晶のαオレフィ
ン樹脂,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリスチレ
ン,ポリオキシメチレン,ポリフェニレンオキサイド,
ポリスルホン,ポリアクリレート,アクリル樹脂,メタ
クリル樹脂,ポリエステル,ポリウレタン,ポリエステ
ル系エラストマー,ポリウレタン系エラストマー等の熱
可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー、または、ブチルゴ
ム,アクリルゴム,イソプレンゴム,スチレン−ブタジ
エンゴム,アクリロニトリル−ブタジエンゴム,アクリ
ル−スチレンゴム,等の合成ゴムや天然ゴム及びその水
素添加物等から選ばれる樹脂や、これらから選ばれる二
種以上の樹脂の混合物、これらの合成樹脂と相溶性のあ
る他の合成樹脂との混合物、等からなる合成樹脂シート
が使用可能である。
【0017】しかし、前記した合成樹脂シートの中で
も、柔軟性とひずみ回復性のバランスが良く且つインク
密着性に優れたスチレン系エラストマーまたはスチレン
系ゴムを含有したものを中間層4として用いることが好
ましい。スチレン系エラストマーとしては、スチレンと
エチレンプロピレンのブロックコポリマーやスチレンと
エチレンブテンのブロックコポリマー等が好ましく、ス
チレン系ゴムとしてはスチレンとブタジエンのブロック
コポリマーやスチレンとイソプレンのブロックコポリマ
ー及びこれらの水素添加物等が好ましく、さらにこれら
に微架橋を施したものが好適である。そして、中間層4
の厚さとしては、求められるひずみ回復性や機械的強度
に応じて決定されるが、実験の結果では0.1mm〜
2.0mm程度が適当であり、更に0.2mm〜1.0
mmの厚みが好ましかった。
【0018】また、前記した表面層1と発泡層2及び中
間層4には、その性能を害さない範囲で、充填剤,顔
料,安定剤,可塑剤,酸化防止剤,光安定剤,紫外線吸
収剤,紫外線遮蔽材,加工助剤,滑剤,帯電防止剤,難
燃剤,抗菌剤,防カビ剤、等の各種の添加剤を使用する
ことができる。
【0019】例えば、充填剤としては、水酸化マグネシ
ウム,水酸化アルミニウム,水酸化カルシウム,ほう酸
亜鉛,ハイドロタルサイト等の水和金属化合物,炭酸カ
ルシウム,炭酸マグネシウム,炭酸リチウム,タルク,
マイカ,雲母,クレー,硫酸バリウム,ガラス粉末,ガ
ラス繊維,珪酸マグネシウム,シリカ,シラス,カオリ
ン,各種金属繊維,金属粉末,炭素繊維等の無機充填剤
や、木粉,籾殻,植物繊維,合成繊維等の有機充填剤、
或いはカーボンブラック等の導電性の各種充填剤、等が
例示される。更にこれらの充填剤に、アルコール,パラ
フィン,有機酸,有機酸塩,カップリング剤等の表面処
理を施したものを使用ができる。ちなみに、充填剤とし
ての添加量は、樹脂100重量部に対し0〜300重量
部の範囲が好ましい。特に、充填剤として炭酸カルシウ
ムを樹脂100重量部に対し30〜100重量部添加す
ると、インク密着性が向上する。
【0020】また、表面層1と中間層4と発泡層2及び
基材3との積層方法としては、通常の熱ラミネートによ
る方法や、各層同士を接着させる作用を有する合成樹脂
組成物層を介在させる方法、或いは基材3と発泡層2を
加熱圧着して発泡層2に基材3表面をめり込ませる方
法、等が考えられる。上記した各層同士を接着させる組
成物層を構成する合成樹脂としては、オレフィン系樹
脂,アクリル系樹脂,ウレタン系樹脂,スチレン系樹脂
等の合成樹脂、或いはこれらから選ばれる二種類以上の
合成樹脂混合物や各種合成ゴム、各種接着剤等が使用で
きる。更に、積層した表面層1には、滑り止めや意匠の
付与等を目的としたエンボス加工を施しても良い。
【0021】本発明に係る非ハロゲン系発泡床材Aは、
敷設される床面との接着性を向上させることを目的とし
て、床材Aの裏面に各種処理剤による処理を施すことが
可能である。用いる処理剤としては、アクリル系,ウレ
タン系,酢酸ビニル系,エポキシ系,スチレン系或いは
ゴム系等の処理剤が好適であり、これら処理剤の1種単
独又は2種以上を混合したものが用いられる。また、こ
れら処理剤の使用形態としては、溶剤系,エマルジョン
系,ラテックス系,水分散系等いずれの形態でも可能で
あり、いずれの形態の場合も、公知の各種塗工機を用い
て塗布することが可能である。更に、上記処理剤による
処理を行う前に、コロナ放電処理または電子線処理或い
はプラズマ処理等の前処理を行うことも可能である。処
理剤の厚みに特に制限はないが、1μm〜200μm程
度が好ましい。
【0022】本発明に係る非ハロゲン系発泡床材Aは、
全体としてこの種の床材として通常に適用される厚み、
すなわち0.7mm〜14mm程度の厚みに形成しても
良いが、好ましくは1.0mm〜4.0mm程度の厚み
に形成され、コンクリート,スレート,モルタル等のコ
ンクリート下地や木質下地、或いは鉄板,アルミ板等の
金属下地等の床面上に、接着剤や粘着剤及び粘着テープ
等を用いて敷設施工される。また、床材A同士の隣接部
分は、溶接棒,各種溶剤,シーリング材,接着剤,瞬間
接着剤,目地材等で接合することができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 [実施例1]基材3として、引張り弾性率が33.1N/
mm、伸び率が33%、厚さが0.2mmの綿不織布
を用い、この基材3に下記の表1に示す配合成分のエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)(MFR=2.
0/ 酢酸ビニル含有量=25%)からなる発泡層2を
加熱、圧着して積層せしめると共に、表面層1として接
着面にコロナ放電処理を施した厚さ0.09mmのポリ
プロピレンフィルムを用い、加熱圧着して積層した。こ
れをオーブンにて200℃の温度下で2分間加熱し、発
泡層を3倍発泡させて、非ハロゲン系発泡床材Aを得
た。
【表1】
【0024】[実施例2]基材3として、引張り弾性率
が2.4N/mm、伸び率68%、厚さ0.2mmの
綿不織布を使用した以外は実施例1と同様にして、非ハ
ロゲン系発泡床材Aを得た。
【0025】[比較例1]基材3として、引張り弾性率
が176.6N/mm、伸び率が31%、厚さ0.2
mmのポリエステル不織布を使用した以外は実施例1と
同様にして、非ハロゲン系発泡床材Aを得た。
【0026】上記のようにして得られた各非ハロゲン系
発泡床材について、一般的な紙管としてφ3インチ(φ
76.2mm)のものを選び、この紙管に対する巻き取
り性(巻きしわの発生状況)を評価した。その結果を、
下記の表2に示す。
【表2】 実施例 基材の引張り弾性率 巻しわの発生 実施例1 33.1N/mm なし 実施例2 2.4N/mm なし 比較例1 176.6N/mm あり
【0027】[実施例3]表面層1として裏面にコロナ
処理を行い、ポリウレタン系樹脂インクで印刷を施した
厚さ0.09mmのポリプロピレンフィルムを用い、中
間層4として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、
以下同じ)とスチレン系エラストマーとしてスチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体(SBS、以下同じ)を
含む下記の表3に示す配合成分のものを190℃ロール
にて混練してなる厚さ0.7mm、引張弾性率11.0
N/mmのシートとしたものを用い、また発泡層2と
して低密度ポリエチレン(LDPE、以下同じ)にLL
DPEを加えた電子線架橋発泡体(10倍発泡、厚さ1
mm)を用い、そして、基材3として引張り弾性率が3
3.1N/mmで厚さが0.2mmの綿不織布を用
い、これらを順次積層し、加熱圧着して一体化し、層間
が強固に接着された非ハロゲン系発泡床材Aを得た。
【表3】 配 合 成 分 配合割合 LLDPE(MFR=0.5 / 密度=0.868) 80重量部 SBS(スチレン分=32%/オイル含量=45重量部) 20重量部 充填剤(CaCO3) 50重量部 酸化防止剤(リン系) 0.2重量部 酸化防止剤(フェノール系) 0.2重量部 滑剤 1重量部
【0028】[実施例4]中間層4として、下記表4に
示す配合成分の、引張弾性率が190N/mmのLL
DPEシートを用いた以外は実施例3と同様にして、層
間の接着強度が実用に耐えうる非ハロゲン系発泡床材A
を得た。
【表4】 配 合 成 分 配合割合 LLDPE(MFR=1.5 / 密度=0.916) 100重量部 充填剤(CaCO3) 50重量部 酸化防止剤(リン系) 0.2重量部 酸化防止剤(フェノール系) 0.2重量部 滑剤 1重量部
【0029】上記のようにして得られた各非ハロゲン系
発泡床材について、一般的なひずみ回復試験として残留
へこみ率(JIS規格のA1454)の測定を行った。
その結果を下記の表6に示す。
【表5】 実施例 残留へこみ率 巻しわの発生 層間剥離強度 実施例3 10.0% なし ◎ 実施例4 8.5% なし ○ 層間剥離強度は、表面層と中間層との間におけるもの
であり、JIS規格のA1454に従って測定し、◎;
30N以上、○;20〜30N、△;20N以下、とし
て判定した。上記の評価及び測定結果から明らかなよう
に、本発明に係る非ハロゲン系発泡床材は、曲げや、巻
き取りに対して優れた柔軟性を持ち、且つひずみに対し
て良好な回復性を持つことが理解される。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る非ハロゲン系発泡床材によ
れば、発泡床材裏面にエンボス加工を施さずとも、折り
しわや巻取り時の巻しわの発生を抑制することができ
る。しかも、特に本発明請求項2記載の非ハロゲン系発
泡床材によれば、上記の効果に加えて、発泡床材として
の歩行性能(クッション性)とひずみ回復性を共に満足
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る発泡床材の断面を示す。
【符号の説明】
A:発泡床材 1:表面層 2:発泡層 3:基材 4:中間層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面層と発泡層と基材を備え
    てなる非ハロゲン系発泡床材であって、上記基材の引張
    弾性率が1〜80N/mmであることを特徴とする非
    ハロゲン系発泡床材。
  2. 【請求項2】 前記表面層と発泡層との間に中間層を介
    在させ、該中間層の引張弾性率が5〜500N/mm
    であることを特徴とする請求項1記載の非ハロゲン系発
    泡床材。
  3. 【請求項3】 前記中間層が、スチレン系エラストマー
    またはスチレン系ゴムを含有する合成樹脂シートからな
    る請求項2記載の非ハロゲン系発泡床材。
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