JP2008063810A - 制電性床材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂からなる床材であって、床材は板状の基体からなり、該基体の全表面に凹凸を有しており、基体の単位面積にしめる凸部の上面面積合計値の比率(接触面積率)が、10〜70%であることを特徴とする制電性床材。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、このような導電性繊維が配置されている床材では、構造が複雑であるため、製造の工程が煩雑であることから、製造コストが高い等、経済性が劣っている。
〔1〕合成樹脂からなる床材であって、床材は板状の基体からなり、該基体の表面は全面に微細な凹凸を有しており、基体の単位面積にしめる凸部の上面面積合計値の比率(接触面積率)が、10〜70%であることを特徴とする制電性床材。
〔2〕凸部一個当りの上面面積が、0.1〜5mm2である前記〔1〕項記載の制電性床材。
〔3〕基体の厚さが2.0〜10mmである前記〔1〕または〔2〕項記載の制電性床材。
〔4〕基体の表面の凹凸の高低差が、0.1〜1.5mmである前記〔1〕〜〔3〕項のいずれか1項記載の制電性床材。
〔5〕合成樹脂が、熱可塑性樹脂である前記〔1〕〜〔4〕項のいずれか1項記載の制電性床材。
〔6〕熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種である前記〔5〕項記載の制電性床材。
〔7〕ポリエチレンが、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種である前記〔6〕項記載の制電性床材。
〔8〕ポリエチレンが、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとの混合物、または高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合物である前記〔6〕項記載の制電性床材。
〔9〕制電性床材が、更に基体の下に支持体を有し、該支持体が一定の間隔をおいて設けられた支柱を有する構造を有する前記〔1〕〜〔8〕項のいずれか1項記載の制電性床材。
〔10〕基体と支柱を有する支持体とが一体成形され、基体と支持体とを貫通する通気・透水用の間隙部を有する前記〔9〕項記載の制電性床材。
本発明の制電性床材は、合成樹脂からなる板状の基体からなり、該基体は表面の全面に微細な凹凸を有する。本発明において、床材の基体は人が床材を歩くときに該基材の表面が履物が接触しうる板状の部材である。尚、本発明において板状の部材とは、その表面が全面に微細な凹凸を有する完全な平面をなすものだけでなく、その表面が全面に微細な凹凸を有していれば雨水等が流去しやすいように緩やかな曲面をなすものであっても構わない。
この凹凸は、基体を貫通する開口部として設けることも可能であるが、この場合には、基体の強度が著しく低下する恐れがあるため、基体表面の凹凸のみとすることが好ましい。
尚、開口部をもうける場合には、その面積は、板状の基体の全表面積の20%以下が好ましい。
また、凸部一個当りの上面面積は、好ましくは0.1〜5mm2、より好ましくは0.1〜1.5mm2であり、更に好ましくは0.5〜1.5mm2である。
接触面積率、及び凸部一個当りの上面面積が上記の範囲内であれば、歩行時の履物と基体の接触面積が小さくなり、静電気の帯電が低下しやすい。基体の接触面積率が上記の範囲内であっても、基材表面に微細な凹凸のある部分と平坦で微細な凹凸のない部分が混在すると、静電気の発生を抑制する効果、すなわち制電性が著しく低下するおそれがある。
尚、基体表面の単位面積当りの凸部の数は、特に限定はされず、接触面積率や凸部一個当りの上面面積等により適宜調整できるが、基体表面の単位面積当り、好ましくは5〜100個、より好ましくは35〜65個/cm2を例示することができる。
また、基体の厚さは、凹凸の高低差や耐久性等の観点から、好ましくは2.0〜10mm、より好ましくは2.5〜5.0mmである。基体の厚さは基体裏面から基材表面の凸部上面までの厚さをいう。
本発明において、基体における熱可塑性樹脂の含有率は、物理的強度等の観点から、好ましくは70〜100重量%であり、より好ましくは、80〜100重量%である。
合成樹脂が熱可塑性樹脂の場合、製造方法としては、通常、熱可塑性樹脂の加工に用いられる方法が利用でき、例えば、熱可塑性樹脂に必要に応じて上記の、添加剤を高速ミキサーやブレンダー等を用いて均一に混合し、更に必要に応じて押出機等で溶融混練してペレットにして成形材料にする。得られた成形材料を公知の成形方法を用いて制電性床材に成形する。
成形方法としては、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、カレンダー加工法等を挙げることができる。成形設備としては、通常、熱可塑性樹脂組成物の加工に用いられる設備であれば利用でき、例えば射出成形機、押出機、プレス機、カレンダー加工機等を挙げることができる。
また、バルコニー、屋外廊下等のように雨水の排出や土埃の水洗除去が必要な個所に敷設する場合は、基体の裏面下に一定の間隔をおいて設けられた支柱を有する支持体を取り付けたり、更に雨水等の流去を容易にするため、基体と支持体とを貫通する通気・透水用の間隙部を設けた床材の形で用いることもできる。これら基体に支持体や間隙部を設けた床材は、射出成形により一体成形してユニット床材の形で製造することができる。一例を図1に示す。
尚、ユニット床材の場合、歩行個所での敷設を容易にするため、該床材の端に連接用の部材を一体成形することもできる。
a)床材の基材表面における単位面積当りの凸部の数
(実施例の場合)
基材の任意の10個所から面積約1cm2のサンプルを切り取り、その凹凸面をスタンプ用インク台に押し当てて、凸部上面にインクを付着させ、それを捺印の要領で紙に転写し、転写面から拡大投影機を用いてインク付着個数を計測し、各サンプルの単位投影面積当りの数値を求め、更に10個所の平均値を求め)床材の基材表面における単位投影面積当りの凸部の数とした。
(比較例の場合)
基材上面全体にスタンプ用インクを付着させ、それを版画の刷りの要領で紙に転写し、転写面から投影機を用いてインク付着個所の数を計測し、床材の基材表面における単位投影面積当りの凸部の数とした。
(実施例の場合)
基材の任意の10個所から約面積1cm2を切り取り、その凹凸面をスタンプ用インク台に押し当てて、凸部上面にインクを付着させ、それを捺印の要領で紙に転写し、転写面から拡大投影機を用いて10サンプル中のインク付着個所の最小面積、及び最大面積を求めた。
(比較例の場合)
基材上面全体にスタンプ用インクを付着させ、それを版画の刷りの要領で紙に転写し、転写面から投影機を用いてインク付着個所の最小面積、及び最大面積を求めた。
(実施例の場合)
基材の任意の10個所から面積1cm2を切り取り、その凹凸面をスタンプ用インク台に押し当てて、凸部上面にインクを付着させ、それを捺印の要領で紙に転写し、転写面から拡大投影機を用いて各サンプルの単位面積当りのインク付着個所の合計面積を求め、更に10個所の平均値を求め接触面積率とした。
(比較例の場合)
基材上面全体にスタンプ用インクを付着させ、それを版画の刷りの要領で紙に転写し、転写面から投影機を用いてインク付着個所の合計面積を求め接触面積率とした。
市販黄色ゴム草履を履いた実験者が、床材サンプルの上で3分間歩行した後、人体電位計NK−3002を用いて、人体に蓄積した静電気の人体電位を測定した。尚、同時に、床材サンプルの表面湿度、表面温度を下記機器を用いて測定した。
機器を用いた。
(測定に用いた機器)
静電気測定装置:春日電機(株)製 人体電位計NK−3002
表面温度計(非接触):HORIBA社製 型式IT330
湿度計:室内乾湿度計
(成形材料の作成)
高密度ポリエチレン(商品名:ノバテックHD、日本ポリエチレン(株))と低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックLD、日本ポリエチレン(株))との4:6(重量比)の混合物に、成形材料の重量基準で、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量%、ステアリン酸カルシウムを0.1重量%、炭酸カルシウム(商品名SST−40、(株)同和カルファイン製、平均粒径1.1μm)を15重量%の割合となるように添加し、それをヘンシェルミキサー(商品名)に投入し、混合攪拌した後に同方向回転型二軸押出機に供給し200℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状の成形材料を得た。
上記成形材料を日精樹脂工業(株)製の床材製造機(射出成形機、型式:ES7000、口径50mmの2軸押出機装備)のホッパーに供給し、シリンダーの温度を200℃、金型温度15〜20℃で上面用形状の異なる金型を用いて床材を成形した。
成形品は、外形寸法がタテ300×ヨコ300×厚さ4mmの板状で、表面(歩行時に履物と接触しうる面)が下記の形状の床材であった。これを屋外及び屋内に敷設して、前記d)の方法に従い、歩行時に発生する静電気を表1の条件で測定した。評価結果は、表2に示した。
尚、実施例及び比較例のサンプル上面形状(模様)の特徴は次の通りである。
実施例1:全面が細かい凹凸の多い石目調上面形状、凹凸の高低差は約0.5mm。
実施例2:全面が細かい凹凸の多いタイル(1mm角、角面取仕上げ)調上面形状、
凹凸の高低差は約0.5mm。
比較例1:凹凸が少なく接触面積率が不均一な木目調上面形状、連続する平坦部(年輪 相当部で幅1〜4mm、長さ約30cm)と凹凸部(年輪間相当部で幅1〜 10mm、長さ約10〜約30cm)とが交互にかつほぼ平行に混在。凹凸 の高低差は約0.5mm。
比較例2:凹部は目地のみの大きいタイル(9cm角、角面取仕上げ)調上面形状、
凹凸の高低差は約0.5mm。
2 支持体
3 支持体の支柱
4 間隙部
Claims (10)
- 合成樹脂からなる床材であって、床材は板状の基体からなり、該基体の表面は全面に微細な凹凸を有しており、基体の単位面積にしめる凸部の上面面積合計値の比率(接触面積率)が、10〜70%であることを特徴とする制電性床材。
- 凸部一個当りの上面面積が、0.1〜5mm2である請求項1記載の制電性床材。
- 基体の厚さが2.0〜10mmである請求項1または2記載の制電性床材。
- 基体の表面の凹凸の高低差が、0.1〜1.5mmである請求項1〜3のいずれか1項記載の制電性床材。
- 合成樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれか1項記載の制電性床材。
- 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の制電性床材。
- ポリエチレンが、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び高密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の制電性床材。
- ポリエチレンが、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとの混合物、または高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合物である請求項6記載の制電性床材。
- 制電性床材が、更に基体の下に支持体を有し、該支持体が一定の間隔をおいて設けられた支柱を有する構造を有する請求項1〜8のいずれか1項記載の制電性床材。
- 基体と支柱を有する支持体とが一体成形され、基体と支持体とを貫通する通気・透水用の間隙部を有する請求項9記載の制電性床材。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2006-09-07 JP JP2006242412A patent/JP2008063810A/ja active Pending
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