JP2013167109A - 帯電防止塗り床 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観や美装性に優れる上、十分な強度と耐久性とを有しており、しかも従来に比べて帯電防止機能に優れた、新規な帯電防止塗り床を提供する。
【解決手段】下地上に、バインダ樹脂、導電性付与剤、およびポリオレフィンビーズを配合した樹脂組成物を塗布して形成された層を少なくとも含むことにより、最表面の表面粗さRaを0.1μm以上、0.5μm以下とした帯電防止塗り床である。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止機能を備えた帯電防止塗り床に関するものである。
工場をはじめとする各種生産設備等の床として、単層の、または多層構造の塗り床が広く採用されている。かかる塗り床は、工場等で使用する薬品や溶剤に対する耐性に優れている必要がある。
また、例えば半導体素子等の電子部品の製造工程に使用するクリーンルーム等の、高度の防塵性能が要求される床や、あるいは有機溶剤やガス等を取り扱うため静電気スパークの発生を高度に防止することが求められる床などに適用する塗り床は、前記耐性に加えて、電気抵抗値(漏洩抵抗値)が低く帯電を防止する機能(帯電防止機能)を有している必要もある。
これは、漏洩抵抗値の高い絶縁体からなる塗り床は、作業者がその上を歩行するだけで帯電しやすい上、帯電によって塗り床それ自体や作業者に蓄積される静電気を漏洩しにくいためである。
そこで、前記電子部品の製造工場等に施工する塗り床には、蓄積された静電気の作用で作業者の体に付着した埃等がクリーンルーム内に持ち込まれたり、電子部品の製造工程に混入したりするのを防止するいわゆる防塵性能を付与するべく、上記のように帯電防止機能を有していることが求められる。
また近年、作業者が床上を歩いたり作業したりした際に発生する静電気それ自体によって電子部品が破壊されることをも防止するため、前記塗り床(帯電防止塗り床)には、これまでに比べてより一層高い帯電防止機能を有していることが求められるようにもなってきている。
例えば100V以下の静電気で破壊される電子部品を扱う工場では、床上を歩いたり作業したりした際の帯電により作業者に蓄積される静電気の電位、いわゆる人体帯電電位を数十V以下に抑えることができる帯電防止機能を有していることが求められる。
これらの要求を満足する帯電防止塗り床を形成しうる塗り床材としては、例えば有機溶剤や水等の溶剤に、ベースとなるバインダ樹脂、導電性付与剤、その他の添加剤を配合して調製される、ペイントタイプの塗り床材が知られている。
前記ペイントタイプの塗り床材とは、比較的低粘度で、例えばローラや刷毛等によって塗布することができ、1回の塗布によって、例えば0.5mm以下程度の厚みに塗布されるタイプの塗り床材を指す。
前記ペイントタイプで、かつ導電性付与剤が配合された塗り床材によれば、溶剤の蒸発による体積減少によって、形成後の帯電防止塗り床中で導電性付与剤同士を密に接触させることでその接点を増加させて、電気が流れる良好な道筋を構成することができる。そのため比較的少量の導電性付与剤の配合によって帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を十分に低下させて、当該帯電防止塗り床に適度な帯電防止機能を付与することができる(例えば特許文献1等参照)。
しかし自動搬送車やフォークリフト、リーチフォークなどの輸送手段を導入している工場の床などでは、特に前記輸送手段のタイヤなどから高い荷重を受けたり、あるいは作業者が頻繁に通行したりする特定の領域で、帯電防止塗り床が局部的に摩耗して帯電防止機能が比較的短期間で失われたり、それによって露出したコンクリート等の下地から埃等が発生したりしやすいという問題がある。特に、前記ペイントタイプの塗り床材からなる帯電防止塗り床は厚みが小さいため、これらの問題を生じやすい。
また近年、特に有機溶剤を多量に含む前記ペイントタイプの塗り床材は、現場施工時の臭気の問題や換気確保の問題等もあって敬遠されつつあるという問題もある。
これに対し、流しのべタイプの塗り床材(以下「流しのべ塗り床材」と記載する場合がある。)を用いれば、強度や耐久性に優れた塗り床を形成することができる。
前記流しのべ塗り床材とは、例えばエポキシ樹脂等の硬化性のバインダ樹脂を主体とし、基本的に溶剤を含まないか、もしくはペイントタイプのものに比べて少量の溶剤しか含まず、比較的高粘度で、通常は金ゴテなどを使用して塗り拡げて塗布(流しのべ塗布)するタイプの塗り床材であって、1回の塗布によって、例えば0.5〜2mm程度の厚みに塗布することができる塗り床材を指す。
前記流しのべ塗り床材によれば、上記のように厚塗りが可能である上、溶剤の蒸発による体積減少が小さいため厚みが大きいことと、硬化性のバインダ樹脂の硬化物からなることとが相まって十分な強度を有し、前記特定の領域において局部的に摩耗したり失われたりしにくい耐久性に優れた塗り床を形成することができる。
また流しのべ塗り床材は、前記のように基本的に溶剤を含まないか、もしくはペイントタイプのものに比べて少量の溶剤しか含まないため、現場施工時の臭気の問題や換気確保の問題等を生じにくいという利点もある。
前記流しのべ塗り床材からなる塗り床に帯電防止機能を付与するべく漏洩抵抗値を低下させるためには、例えば黒鉛、導電性カーボンブラック、金属粉、金属繊維等の導電性付与剤を配合するのが一般的である。
しかし流しのべ塗り床材は、前記のようにペイントタイプのものに比べて溶剤の蒸発による体積減少が小さいため、形成後の帯電防止塗り床中で導電性付与材同士を接触させて形成できる接点の数が少ない。
そのため、導電性付与剤をペイントタイプのものと同等程度の割合で配合しただけでは、電気が流れる良好な道筋を構成して帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を低下させる効果が十分に得られず、前記帯電防止塗り床に適度な帯電防止機能を付与できないという問題がある。
帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を十分に低下させるためには、導電性付与剤の配合割合を増加させて、前記接点の数を増加させることが考えられる。
しかしその場合には、帯電防止塗り床が黒色(黒鉛や導電性カーボンブラックを含有させた場合)、または金属固有の色調(金属粉や金属繊維を含有させた場合)となったり、表面のツヤが失われたりして、その外観や美装性が損なわれるという問題がある。
また導電性付与剤の配合割合を増加させるほど、相対的にバインダ樹脂の配合割合が少なくなるため、前記流しのべ塗り床材によって形成する帯電防止塗り床に特に求められる、先に説明した強度や耐久性が低下するという問題もある。
特許文献2には、流しのべ塗り床材の導電性付与剤として、例えばチタン酸カリウム(ウィスカー)の表面を酸化スズ、アンチモン等の導電性物質でコートしたもの等の、白色導電性繊維を用いること、それによって外観や美装性を損なうことなしに、帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を低下させることが記載されている。
しかし発明者の検討によると、前記白色導電性繊維は、先に説明した従来の導電性付与剤と機能的には変わりがないため、特に人体帯電電位を数十V以下に抑えることができる高い帯電防止機能を有する帯電防止塗り床を形成するには、やはりその配合割合を、ペイントタイプのものよりも増加させる必要がある。そのため、前記白色導電性繊維は白色であるため帯電防止塗り床の色調には影響を生じないものの、その表面のツヤが失われたり、強度や耐久性が低下したりするという問題を解決することはできない。
特許第2573105号公報 特開平4−224858号公報
本発明の目的は、外観や美装性に優れる上、十分な強度と耐久性とを有しており、しかも従来に比べて帯電防止機能に優れた、新規な帯電防止塗り床を提供することにある。
人体帯電電位Pは、発生する静電気の電荷量Q、漏洩する電荷量Q、および人体の静電容量Cと、式(1):
=(Q−Q)/C (1)
に示す関係にある。人体帯電電位Pを小さくするには、人体の静電容量C、または漏洩する電荷量Qを大きくするか、または発生する電荷量Qを小さくすればよい。
ただし人体の静電容量Cは、概ね100〜150PF程度で変えることができない。そのため従来は、漏洩する電荷量Qを大きくするべく、先に説明したように導電性付与剤の配合割合を増加させることで帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を低下させていたが、前記のようにその効果には限界があり、前記配合割合を増加させるほど、帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれたり、強度や耐久性が低下したりするといった問題を生じやすくなる傾向があった。
そこで発明者は、前記電荷量Qを増加させることに代えて、あるいは電荷量Qを増加させることに加えて、発生する電荷量Qを小さくすること、つまり静電気の発生それ自体を抑えることを検討した。
二つの物体が触れるとき、静電気は、接触、剥離、および摩擦によって発生する。前記二つの物体の接触面積を小さくするほど、前記接触、剥離、および摩擦によって発生する静電気の電荷量を小さくすることができる。
発明者は、この理論を帯電防止塗り床に適用し、当該帯電防止塗り床の最表面に微細な凹凸を形成して、作業者の靴底等との接触面積を小さくすることにより、前記式(1)中の電荷量Qを小さくして人体帯電電位Pを低減することを考えた。
その結果、帯電防止塗り床の最表面に微細な凹凸を形成するには、そのもとになる流しのべ塗り床材等の樹脂組成物中に、バインダ樹脂、導電性付与剤等とともにポリオレフィンビーズを配合すればよいことを見出した。
そこで、前記ポリオレフィンビーズの配合によって形成される凹凸の大きさについてさらに検討した結果、前記凹凸の大きさを、帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaで表して0.1μm以上、0.5μm以下の範囲内とすればよいことを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって本発明は、下地上に、バインダ樹脂、導電性付与剤、およびポリオレフィンビーズを配合した樹脂組成物を塗布して形成された層を少なくとも含み、最表面の表面粗さRaが0.1μm以上、0.5μm以下であることを特徴とする帯電防止塗り床である。
前記本発明の帯電防止塗り床において、最表面の表面粗さRaが前記範囲内に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが0.1μm未満では、前記最表面に凹凸を形成することによる、当該最表面と作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、それによって人体帯電電位Pを低減する効果が得られない。
一方、表面粗さRaが0.5μmを超える場合には、前記最表面の凹凸が大きくなりすぎてツヤが失われて、帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれてしまう。
これに対し、帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaを前記範囲内とすることで、帯電防止塗り床の良好な外観や美装性を維持しながら、前記最表面と作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、それによって人体帯電電位Pを低減することが可能となる。
なお本発明では、前記表面粗さRaを、日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」において規定された粗さ曲線の算術平均粗さRaでもって表すこととする。
前記本発明の帯電防止塗り床のもとになる樹脂組成物における、ポリオレフィンビーズの配合割合は、バインダ樹脂100質量部あたり2質量部以上、15質量部以下であるのが好ましい。
ポリオレフィンビーズの配合割合が前記範囲未満では、当該ポリオレフィンビーズの平均粒径や、樹脂組成物の、単位面積あたりの塗布量等によっても異なるものの、前記樹脂組成物を下地上に塗布して形成される層を含む帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが前記範囲未満となって、前記最表面に凹凸を形成することで作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、それによって人体帯電電位Pを低減する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合には、前記帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが前記範囲を超え、前記最表面のツヤが失われて、帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれるおそれがある。また、相対的にバインダ樹脂の配合割合が少なくなるため、帯電防止塗り床の強度や耐久性が低下するおそれもある。
これに対し、ポリオレフィンビーズの配合割合を前記2質量部以上、15質量部以下の範囲内とすることで、帯電防止塗り床の良好な外観や美装性、あるいは十分な強度や耐久性を維持しながら、前記最表面と作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、人体帯電電位Pを低減する効果をさらに向上することが可能となる。
前記本発明の帯電防止塗り床は、漏洩抵抗値が1×10Ω未満であるのが好ましい。
漏洩抵抗値が前記範囲以上では、たとえ帯電防止塗り床の最表面に、前記所定の表面粗さRaの範囲を満足する凹凸を形成して、作業者の靴底等との接触面積を小さくしたとしても、漏洩する電荷量Qが小さすぎるため、人体帯電電位Pを低減する効果が得られないおそれがある。
なお前記電荷量Qを大きくして人体帯電電位Pを小さくするという原理原則からすると、前記漏洩抵抗値は、前記範囲内でも小さければ小さいほど好ましい。ただし、漏電による事故等を防いで安全性を向上することを考慮すると、前記漏洩抵抗値は、前記範囲内でも2.5×10Ω以上であるのが好ましい。この値は、200Vの交流電流が作業者の体を通って帯電防止塗り床に流れる場合を想定し、その際に10mA以下の電流しか流さないための最小の漏洩抵抗値に相当する。体を流れる電流値が10mAを超えると、筋肉が収縮して支配力を失い、危険性が高まるためである。
本発明によれば、外観や美装性に優れる上、十分な強度と耐久性とを有しており、しかも従来に比べて帯電防止機能に優れた、新規な帯電防止塗り床を提供することができる。
本発明は、下地上に、バインダ樹脂、導電性付与剤、およびポリオレフィンビーズを配合した樹脂組成物を塗布して形成された層を少なくとも含み、最表面の表面粗さRaが0.1μm以上、0.5μm以下であることを特徴とする帯電防止塗り床である。
《樹脂組成物》
〈バインダ樹脂〉
バインダ樹脂としては、特に現場施工において、加熱を必要とせずに室温(5〜35℃)程度で硬化反応させることができる2液硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂、ラジカル重合性樹脂等が好ましい。
また樹脂組成物に配合する溶剤の量を極力少なくしたり、溶剤の配合を省略したりすることを考慮すると、前記バインダ樹脂は、硬化前に液状を呈する液状樹脂であるのが好ましい。
かかる硬化性のバインダ樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
特に帯電防止塗り床に高い強度を付与して、先に説明した特定の領域等において局部的に摩耗したり失われたりしにくくすることや、樹脂組成物に配合する溶剤の量を極力少なくしたり、溶剤の配合を省略したりすること等を考慮すると液状のエポキシ樹脂、特に液状で、かつ硬化剤と配合して硬化反応させることができる2液硬化型のエポキシ樹脂が好ましい。
〈導電性付与剤〉
導電性付与剤としては、樹脂組成物に配合されて、帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を、例えば先に説明した2.5×10Ω以上、1×10Ω未満の範囲内に調整しうる従来公知の種々の導電性付与剤が、いずれも使用可能である。特に、導電性付与剤として炭素繊維と導電性酸化亜鉛粉末とを併用するのが好ましい。
(炭素繊維)
炭素繊維としては、その製造原料で分類されるPAN系、PITCH系のいずれの炭素繊維を用いることもできる。
前記炭素繊維は、導電性付与剤として、帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を前記範囲内に調整する機能に加えて、形成した帯電防止塗り床の最表面にその末端を突出させて接点(電極)として機能させて、前記最表面に接する作業者の靴底等との良好な通電を確保する働きもする。そのため、導電性付与剤として前記炭素繊維を用いることにより、帯電防止塗り床の帯電防止性能を、より一層向上することができる。
前記炭素繊維は、平均繊維長が0.1mm以上、1.0mm以下であるのが好ましい。
平均繊維長が前記範囲未満では、炭素繊維を配合することによる、前記メカニズムによって帯電防止塗り床の帯電防止性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。また、炭素繊維の平均繊維長を前記範囲内とするためには、例えば長繊維状の炭素繊維や、前記長繊維状の炭素繊維を短くカットしたチョップドファイバー、ミドルファイバー等を、さらに粉砕するのが一般的であるが、かかる粉砕によって、平均繊維長が前記範囲未満であるごく短い炭素繊維を安定に生産性良く製造するのが容易でないためでもある。
一方、平均繊維長が前記範囲を超える場合には、炭素繊維の黒色が、形成後の帯電防止塗り床の最表面において目立つようになって、当該帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれるおそれがある。
なお、炭素繊維を配合することによる、前述した帯電防止塗り床の帯電防止性能を向上する効果をさらに向上することを考慮すると、炭素繊維の平均繊維長は、前記範囲内でも0.3mm以上であるのが好ましい。また帯電防止塗り床の外観や美装性をさらに向上することを考慮すると、前記平均繊維長は、前記範囲内でも0.9mm以下であるのが好ましい。
前記炭素繊維の配合割合は、バインダ樹脂100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、炭素繊維を配合することによる、前記メカニズムによって帯電防止塗り床の帯電防止性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合には、炭素繊維の黒色が、形成後の帯電防止塗り床の最表面において目立つようになって、当該帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれるおそれがある。また、相対的にバインダ樹脂の配合割合が少なくなるため、帯電防止塗り床の強度や耐久性が低下するおそれもある。
なお、炭素繊維を配合することによる、前述した帯電防止塗り床の帯電防止性能を向上する効果をさらに向上することを考慮すると、炭素繊維の配合割合は、前記範囲内でも0.2質量部以上であるのが好ましい。また帯電防止塗り床の外観や美装性、あるいは強度や耐久性をさらに向上することを考慮すると、前記配合割合は、前記範囲内でも1.5質量部以下、特に0.7質量部以下であるのが好ましい。
(導電性酸化亜鉛粉末)
導電性酸化亜鉛粉末としては、酸化亜鉛に、例えばアルミニウム、ガリウム等の異種元素をドープすることでN型半導体化したもの等、種々の導電性の酸化亜鉛の粉末がいずれも使用可能である。
前記導電性酸化亜鉛粉末としては、例えばハクスイテック(株)製の23−K〔体積抵抗率:100〜500Ω・cm、比表面積4〜10m/g〕、パゼットGK−40〔体積抵抗率:20〜100Ω・cm、比表面積30〜50m/g〕等の1種または2種以上が挙げられる。なお体積抵抗率は、粉体を10MPaで圧縮した状態での測定値である。
前記導電性酸化亜鉛粉末は、導電性付与剤として、帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を前記範囲内に調整する機能に加えて、隣り合う炭素繊維間に介在して、前記炭素繊維間の電気接続を確保する働きもする。そのため、導電性付与剤として前記炭素繊維とともに導電性酸化亜鉛粉末を併用することにより、帯電防止塗り床の帯電防止性能を、より一層向上することができる。
しかも導電性酸化亜鉛粉末は白色で、帯電防止塗り床の外観や美装性を損なうおそれもない。
前記導電性酸化亜鉛粉末の配合割合は、バインダ樹脂100質量部あたり50質量部以上であるのが好ましく、120質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、導電性酸化亜鉛粉末を配合することによる、前記メカニズムによって帯電防止塗り床の帯電防止性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合には、最表面のツヤが失われて、帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれるおそれがある。また、相対的にバインダ樹脂の配合割合が少なくなるため、前記帯電防止塗り床の強度や耐久性が低下するおそれもある。
〈ポリオレフィンビーズ〉
帯電防止塗り床の最表面に凹凸を形成するためのポリオレフィンビーズとしては、塗料、コーティング、およびインキ用の機能性ワックスとして提供されている微細な粒子状のポリエチレンビーズ、ポリプロピレンビーズ、あるいはこれらの変性物等の、各種のポリオレフィンビーズが好適に使用される。
前記ポリオレフィンビーズとしては、例えばビックケミー・ジャパン(株)製の登録商標CERAFLOUR(セラフラワー)シリーズのうち916〔変性高密度ポリエチレンビーズ、D50:46μm〕、929〔変性ポリエチレンビーズ、D50:8μm〕、950〔変性高密度ポリエチレンビーズ、D50:9μm〕、968〔PTFE変性ポリエチレンビーズ、D50:6μm〕、969〔PTFE変性ポリエチレンビーズ、D50:6μm〕、三井化学(株)製のミペロン(登録商標)XM220〔超高分子量ポリエチレンビーズ、平均粒径:25〜30μm〕、三井化学(株)製のハイゼックスミリオン(登録商標)240S〔超高分子量ポリエチレンビーズ、平均粒径:130μm〕等の1種または2種以上が挙げられる。なおD50は、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準の中心粒径を指す。
帯電防止塗り床の、最表面の表面粗さRaは、前記ポリオレフィンビーズの平均粒径や、樹脂組成物への配合割合、さらには樹脂組成物の、単位面積あたりの塗布量等を調整することにより、任意に変化させることができる。そのため所定の配合割合、および塗布量を設定した際に、先に説明した0.1μm以上、0.5μm以下の範囲内の所定の表面粗さRaを有する帯電防止塗り床を形成するのに適した平均粒径を有するポリオレフィンビーズの1種または2種以上を、前記ポリオレフィンビーズの中から選択して使用するのが好ましい。
前記ポリオレフィンビーズの配合割合は、バインダ樹脂100質量部あたり2質量部以上、15質量部以下であるのが好ましい。
ポリオレフィンビーズの配合割合が前記範囲未満では、上記のようにポリオレフィンビーズの平均粒径や、樹脂組成物の、単位面積あたりの塗布量等によっても異なるものの、前記樹脂組成物を下地上に塗布して形成される層を含む帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが前記範囲未満となって、前記最表面に凹凸を形成することで作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、それによって人体帯電電位Pを低減する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合には、前記帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが前記範囲を超え、前記最表面のツヤが失われて、帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれるおそれがある。また、相対的にバインダ樹脂の配合割合が少なくなるため、帯電防止塗り床の強度や耐久性が低下するおそれもある。
これに対し、ポリオレフィンビーズの配合割合を前記2質量部以上、15質量部以下の範囲内とすることで、帯電防止塗り床の良好な外観や美装性、あるいは十分な強度や耐久性を維持しながら、前記帯電防止塗り床の最表面と作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、人体帯電電位Pを低減する効果をさらに向上することが可能となる。
〈その他〉
前記樹脂組成物には、さらにバインダ樹脂を硬化反応させるための硬化剤や、当該樹脂組成物を例えば流しのべ塗り床材として下地上に塗布する際にその粘度、および流動性を調整するための溶剤、反応性希釈剤、形成する帯電防止塗り床を着色するためのトナー等を、適宜の割合で配合することができる。前記トナーは、顔料等の着色剤の、樹脂組成物中への分散性を高めるために、前記着色剤を、バインダ樹脂とともに粉末化したものである。
樹脂組成物は、そのポットライフ等を考慮すると、前記硬化剤を除く各成分を配合した主剤と、前記硬化剤の2液タイプとして供給して施工現場において、前記主剤と硬化剤とを所定の割合で配合するようにするのが好ましい。
《帯電防止塗り床》
本発明の帯電防止塗り床は、前記樹脂組成物を、例えば流しのべ塗り床材として下地上に流しのべ塗布し、硬化させて形成された層を少なくとも含むことを特徴とするものである。例えば前記2液タイプの樹脂組成物の場合は、その主剤と硬化剤とを、前記のように施工現場において、所定の割合で配合して流し延べ塗り床材等を調製し、それを下地上に流しのべ塗布等して硬化させることによって、前記層が形成される。
本発明の構成は単層の、または多層構造を有する種々の帯電防止塗り床に適用可能である。すなわち、前記ポリオレフィンビーズを含む樹脂組成物を塗布し、硬化させた形成した層単層で帯電防止塗り床を形成してもよいし、前記層を含む多層構造の帯電防止塗り床を構成してもよい。前記多層構造の帯電防止塗り床においては、その最表面に位置する層を、前記ポリオレフィンビーズを含む樹脂組成物を塗布し、硬化させて形成した層とするのが好ましい。
いずれの場合にも、前記層の機能、すなわち前記層中に含まれるポリオレフィンビーズの機能により、帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが0.1μm以上、0.5μm以下となる凹凸を形成して、外観や美装性に優れる上、十分な強度と耐久性とを有しており、しかも従来に比べて帯電防止機能に優れた帯電防止塗り床を得ることができる。
前記帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが前記範囲内に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaが0.1μm未満では、前記最表面に凹凸を形成することによる、当該最表面と作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、それによって人体帯電電位Pを低減する効果が得られない。
一方、表面粗さRaが0.5μmを超える場合には、前記最表面の凹凸が大きくなりすぎてツヤが失われて、帯電防止塗り床の外観や美装性が損なわれてしまう。
これに対し、帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaを前記範囲内とすることで、帯電防止塗り床の良好な外観や美装性を維持しながら、前記最表面と作業者の靴底等との接触面積を小さくして、両者間の接触、剥離、および摩擦によって発生する電荷量Qを小さくし、それによって人体帯電電位Pを低減することが可能となる。具体的には、帯電防止塗り床に良好な帯電防止機能を付与して、前記人体帯電電位Pを50V以下、特に好ましくは30V以下に低減することができる。
前記人体帯電電位Pを、本発明では、温度23℃、相対湿度50%の環境下、日本工業規格JIS C61340−4−5:2007「静電気−特定応用のための標準的試験方法−人体と組み合わせた履物及び床システムの静電気防止性能の評価方法」に記載の「6.4 帯電性の測定」に則って測定した値でもって表すこととする。
なお帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaは、その外観や美装性をできるだけ良好な状態に維持しながら、人体帯電電位Pをより一層低下させることを考慮すると、前記範囲内でも0.11μm以上であるのが好ましく、0.45μm以下、特に0.30μm以下であるのが好ましい。
また前記帯電防止塗り床は、漏洩抵抗値が1×10Ω未満であるのが好ましい。
漏洩抵抗値が前記範囲以上では、たとえ帯電防止塗り床の最表面に、前記所定の表面粗さRaの範囲を満足する凹凸を形成して、作業者の靴底等との接触面積を小さくしたとしても、漏洩する電荷量Qが小さすぎるため、人体帯電電位Pを低減する効果が得られないおそれがある。
なお前記電荷量Qを大きくして人体帯電電位Pを小さくするという原理原則からすると、前記漏洩抵抗値は、前記範囲内でも小さければ小さいほど好ましい。ただし、漏電による事故等を防いで安全性を向上することを考慮すると、前記漏洩抵抗値は、前記範囲内でも2.5×10Ω以上であるのが好ましい。この値は、200Vの交流電流が作業者の体を通って帯電防止塗り床に流れる場合を想定し、その際に10mA以下の電流しか流さないための最小の漏洩抵抗値に相当する。体を流れる電流値が10mAを超えると、筋肉が収縮して支配力を失い、危険性が高まるためである。
なお帯電防止塗り床の漏洩抵抗値を、本発明では、温度23℃、相対湿度50%の環境下、絶縁抵抗計と電極とを用いて、日本工業規格JIS C61340−4−1:2008「静電気−第4−1部:特定応用のための標準的な試験方法−床仕上げ材及び施工床の電気抵抗」所載の測定方法に則って測定した値でもって表すこととする。
前記漏洩抵抗値は、導電性付与剤やポリオレフィンビーズの、樹脂組成物への配合割合、あるいは樹脂組成物の、単位面積あたりの塗布量等を調整することにより、任意に変化させることができる。
《実施例1》
〈樹脂組成物の調製〉
(主剤)
バインダ樹脂としては、2液硬化型の液状のエポキシ樹脂〔三菱化学(株)製のjER(登録商標)828、25℃での粘度:12〜15Pa・s、エポキシ当量:184〜194〕を用いた。
導電性付与剤としては、炭素繊維としてのチョップドファイバー〔三菱樹脂(株)製のダイアリード(登録商標)K6371T、繊維長:6mm〕を平均繊維長が0.7mmとなるように粉砕したものと、導電性酸化亜鉛粉末〔前出のハクスイテック(株)製の23−K、体積抵抗率:100〜500Ω、比表面積:4〜10m/g〕とを併用した。
なお炭素繊維の平均繊維長は、デジタルマイクロスコープ〔ライカマイクロシステムズ社製のLeica DVM5000〕を用いて撮影した画像からランダムにn=100のサンプルの繊維長を測定した値の平均値として求めた。
また、ポリオレフィンビーズとしては、前出のビックケミー・ジャパン(株)製のCERAFLOUR916〔変性高密度ポリエチレンビーズ、D50:46μm〕を用いた。
さらにトナーとしては、御国色素(株)製のSET T−26を用いた。
前記エポキシ樹脂100質量部に、炭素繊維0.5質量部、導電性酸化亜鉛粉末100質量部、ポリオレフィンビーズ2質量部、トナー10質量部、および溶剤としてのベンジルアルコール20質量部を配合し、撹拌機〔新東科学(株)製のヘイドン(登録商標)スリーワンモータ〕を用いて1200rpmで混合して、流し延べ塗り床材の主剤を調製した。
(硬化剤)
硬化剤としては、大都産業(株)製の商品名ダイトクラールX−6045を用いた。
〈帯電防止塗り床のサンプルの作製〉
(導電性プライマ)
導電性プライマとして、住友ゴム工業(株)製のSL333A(主剤)とSL333B(硬化剤)とを、質量比4:1で混合したものを用いた。
(下地)
下地としては、スレート板の上に、前記導電性プライマを、ローラを用いて、単位面積あたりの塗布量が110±5g/mとなるように塗布したのち硬化させてプライマ層を形成したものを用意した。
(サンプルの作製)
先に調製した流しのべ塗り床材の主剤と硬化剤とを、前記主剤中のエポキシ樹脂100質量部あたりの硬化剤の配合割合が45質量部となるように配合し、混合して流しのべ塗り床材を調製した。
次いで前記流しのべ塗り床材を、前記下地の、プライマ層を形成した上に、金ゴテを用いて、単位面積あたりの塗布量が1350±10g/mとなるように流し延べ塗布したのち硬化させて、帯電防止塗り床のサンプルを作製した。
《比較例1》
主剤にポリオレフィンビーズを配合しなかったこと以外は、前記実施例1と同様にして流しのべ塗り床材の主剤と硬化剤とを調製し、帯電防止塗り床のサンプルを作製した。
《実施例2〜4、比較例2、3》
主剤におけるポリオレフィンビーズの配合割合を、当該主剤中のエポキシ樹脂100質量部あたり1質量部(比較例2)、4質量部(実施例2)、10質量部(実施例3)、15質量部(実施例4)、および30質量部(比較例3)としたこと以外は、前記実施例1と同様にして流しのべ塗り床材の主剤と硬化剤とを調製し、帯電防止塗り床のサンプルを作製した。
《実施例5、7》
流しのべ塗り床材を、単位面積あたりの塗布量が1000±10g/m(実施例5)、2700±10g/m(実施例7)となるように流し延べ塗布したこと以外は実施例1と同様にして帯電防止塗り床のサンプルを作製した。
《実施例6、8》
流しのべ塗り床材を、単位面積あたりの塗布量が1000±10g/m(実施例6)、2700±10g/m(実施例8)となるように流し延べ塗布したこと以外は実施例4と同様にして帯電防止塗り床のサンプルを作製した。
《表面粗さ測定》
前記各実施例、比較例で作製した帯電防止塗り床のサンプルの表面の表面形状を、表面粗さ計〔(株)東京精密製の表面粗さ形状測定機サーフコム(登録商標)130A〕を用いて、評価長さ:3.2mm、測定速度:0.3mm/秒、カットオフ値:0.8mm、傾斜補正、直線補正、カットオフ比300の条件で測定した結果から、先に説明した粗さ曲線の算術平均粗さRaを求めた。なお測定は、1つのサンプルの表面の任意の10箇所で実施し、その中央値(Median)を、そのサンプルの表面粗さRaとした。
《人体帯電電位測定》
前記各実施例、比較例で作製した帯電防止塗り床のサンプルの人体帯電電位Pを、先に説明した測定方法によって測定した。測定には、春日電機(株)製の人体電位計KSD−4000を用いた。
人体帯電電位Pは、30V以下のものを帯電防止機能極めて良好(◎)、30Vを超え50V以下のものを帯電防止機能良好(○)、50Vを超えるものを帯電防止機能不良(×)として評価した。
《美装性評価》
前記各実施例、比較例で作製した帯電防止塗り床のサンプルの表面の60°光沢度を、光沢度計〔日本電色工業(株)製のPG−1〕を用いて測定した。なお測定は、1つのサンプルの表面の任意の10箇所で実施し、その中央値(Median)を、そのサンプルの光沢度とした。
そして前記光沢度が50以上のものを美装性良好(○)、50未満のものをツヤなし美装性不良(×)として評価した。
《漏洩抵抗値測定》
前記各実施例、比較例で作製した帯電防止塗り床のサンプルの、表面の漏洩抵抗値を、先に説明した測定方法によって測定した。絶縁抵抗計としては、ミドリ安全(株)製の抵抗計テラオームメーターを用いた。
《総合判定》
前記人体帯電電位、および美装性がともに◎であったものを極めて良好(◎)、少なくとも一方が○であったものを良好(○)、少なくとも一方が×であったものを不良(×)として評価した。
以上の結果を表1〜表3に示す。
Figure 2013167109
Figure 2013167109
Figure 2013167109
表1〜表3の実施例1〜8、比較例1〜3の結果より、流し延べ塗り床材にポリオレフィンビーズを配合して帯電防止塗り床の最表面の表面粗さRaを0.1μm以上、0.5μm以下の範囲内とすることにより、前記帯電防止塗り床の良好な外観や美装性を維持しながら、前記最表面と作業者の靴底との接触面積を小さくして人体帯電電位Pを低減できること、すなわち前記帯電防止塗り床に、優れた帯電防止機能を付与できることが判った。
また実施例1〜8の結果より、前記良好な特性を有する帯電防止塗り床を得るためには、ポリオレフィンビーズの配合割合を、エポキシ樹脂100質量部あたり2質量部以上、15質量部以下の範囲内、漏洩抵抗値を2.5×10Ω以上、1×10Ω未満の範囲内とするのが好ましいことが判った。
さらに実施例1〜8の結果より、前記各特性に特に優れた帯電防止塗り床を得るためには、表面粗さRaを、前記範囲内でも0.13μm以上の範囲内とするのが好ましいことが判った。

Claims (3)

  1. 下地上に、バインダ樹脂、導電性付与剤、およびポリオレフィンビーズを配合した樹脂組成物を塗布して形成された層を少なくとも含み、最表面の表面粗さRaが0.1μm以上、0.5μm以下であることを特徴とする帯電防止塗り床。
  2. 前記樹脂組成物におけるポリオレフィンビーズの配合割合は、バインダ樹脂100質量部あたり2質量部以上、15質量部以下である請求項1に記載の帯電防止塗り床。
  3. 漏洩抵抗値が2.5×10Ω以上、1×10Ω未満である請求項1または2に記載の帯電防止塗り床。
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