JP2014208723A - 流しのべ塗料および塗り床 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観や美装性に優れるとともに、強度や耐久性にも優れる上、従来に比べてさらに帯電防止機能に優れた塗り床を形成しうる流しのべ塗料と、かかる流しのべ塗料を塗布して形成された塗り床とを提供する。【解決手段】流しのべ塗料は、エポキシ樹脂に、導電性金属酸化物、および湿潤分散剤としての、酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であるコポリマを配合した。塗り床は、かかる流しのべ塗料からなる層を少なくとも含む。【選択図】なし

Description

本発明は、流しのべ塗料と、それを用いて形成した塗り床に関するものである。
工場をはじめとする各種生産設備の床としては、美観の向上、コンクリート等の下地の保護などを目的として、合成樹脂系の塗り床が広く普及している。
中でも半導体素子等の電子部品の製造工程に使用するクリーンルームの床等の、高い防塵性能が求められる床や、あるいは有機溶剤やガス等を取り扱うため静電気スパークの発生を防止することが求められる床などに適用する塗り床には、抵抗値が低く、静電気を漏洩して帯電を防止する機能(帯電防止機能)を有していることが求められる。
すなわち抵抗値が高い塗り床は、作業者がその上を歩行するだけで帯電しやすい上、帯電によって塗り床それ自体や作業者に蓄積される静電気を漏洩しにくい。そのため、蓄積された静電気の作用で作業者の体に付着した埃等がクリーンルーム内に持ち込まれたり、電子部品の製造工程に侵入したりして、様々な問題を生じるおそれがある。
そこで、これら施設の床に施工する塗り床には、高い帯電防止機能を有していることが求められる。
特に近年では、作業者が床上を歩いたり作業したりした際に発生する静電気それ自体によって電子部品が破壊されることをも防止するため、塗り床には、従来に比べてより一層高い帯電防止機能を有していることが求められるようになってきている。
例えば100V以下の静電気で破壊される電子部品を扱う工場では、塗り床は、その上を歩いたり作業をしたりした際の帯電によって作業者に蓄積される静電気の電位、すなわち人体帯電電位を、マージンを見て50V以下に抑えることができる、高い帯電防止機能を有していることが好ましい。
人体帯電電位を50V以下に抑えるためには、人体−床間の抵抗値を、日本工業規格JIS C61340−4−5:2007「静電気−特定応用のための標準的試験方法−人体と組み合わせた履物及び床システムの静電気防止性能の評価方法」記載の6.3「電気抵抗の測定」所載の測定方法に則って測定した値でもって表して3.5×10Ω以下にしなければならないという研究結果がある(非特許文献1)。
かかる抵抗値を満足する良好な帯電防止機能を有する塗り床を形成しうる塗料としては、例えば有機溶剤や水等の溶剤に、ベースとなるバインダ樹脂、導電性付与剤その他を配合して調製されるペイントタイプの、塗り床用の塗料が知られている。
ペイントタイプの塗料とは、比較的低粘度で、例えばローラや刷毛等によって塗布でき、1回の塗布によって、例えば0.5mm以下程度の厚みに塗布されるタイプの塗料を指す。
かかるペイントタイプの塗料によれば、溶剤の蒸発による体積減少によって、形成後の塗り床中で導電性付与剤同士を密に接触させることでその接点を増加させて、電気が流れる良好な道筋を構成できるため、塗り床に良好な帯電防止機能を付与することができる(例えば特許文献1等参照)。
しかし自動搬送車やフォークリフト、リーチフォークなどの輸送手段を導入している工場の床などでは、特にこれらの輸送手段のタイヤなどから高い荷重を受けたり、あるいは作業者が頻繁に通行したりする特定の領域で、塗り床が局部的に摩耗して帯電防止機能が比較的短期間で失われたり、それによって露出したコンクリート等の下地から埃等が発生したりしやすいという問題がある。特にペイントタイプの塗料からなる塗り床は厚みが小さいため、かかる問題を生じやすい。
また近年、特に有機溶剤を多量に含むペイントタイプの塗料は、現場施工時の臭気の問題や換気確保の問題等もあって敬遠されつつあるという問題もある。
これに対し、流しのべタイプの塗料(流しのべ塗料)を用いれば、強度や耐久性に優れるため局部的に摩耗したり失われたりしにくい塗り床を形成できる。
流しのべ塗料とは、例えば硬化性のバインダ樹脂を主体とし、基本的に溶剤を含まないか、もしくはペイントタイプの塗料に比べて少量の溶剤しか含まず、比較的高粘度で、通常は金ゴテなどを使用して塗り拡げて塗布(流しのべ塗布)され、1回の塗布によって、例えば0.5〜2mm程度の厚みに塗布できる塗料を指す。
この流しのべ塗料によれば、上記のように厚塗りが可能である上、溶剤の蒸発による体積減少が小さいため厚みが大きいこと、および硬化性のバインダ樹脂の硬化物からなることが相まって十分な強度を有し、局部的に摩耗したり失われたりしにくい塗り床を形成できる。
また流しのべ塗料は、先に説明したように基本的に溶剤を含まないか、もしくはペイントタイプのものに比べて少量の溶剤しか含まないため、現場施工時の臭気の問題や換気確保の問題等を生じにくいという利点もある。
流しのべ塗料からなる塗り床に帯電防止機能を付与するためには、当該流しのべ塗料に、例えば黒鉛、導電性カーボンブラック、金属粉、金属繊維等の、通常の導電性付与剤を配合するのが一般的である。
しかし流しのべ塗料は、ペイントタイプの塗料に比べて溶剤の蒸発による体積減少が小さいため、形成後の塗り床中で導電性付与剤同士を接触させて形成できる接点の数が少ない。
そのため導電性付与剤を、ペイントタイプの塗料と同等程度の割合で配合しただけでは、電気が流れる良好な道筋を構成して塗り床の抵抗値を低下させる効果が十分に得られず、塗り床に良好な帯電防止機能を付与できないという問題がある。
塗り床の抵抗値を十分に低下させるためには、導電性付与剤の配合割合を増加させて、接点の数を増加させることが考えられる。
しかしその場合には、塗り床が黒色(黒鉛や導電性カーボンブラックを含有させた場合)、または金属固有の色調(金属粉や金属繊維を含有させた場合)となったり、表面のツヤが失われたりして外観や美装性が損なわれるという問題がある。
また導電性付与剤の配合割合を増加させるほど、相対的にバインダ樹脂の配合割合が少なくなるため、先に説明した塗り床の強度や耐久性が低下するという問題もある。
特許文献2には、導電性付与剤として、例えばチタン酸カリウム(ウィスカー)の表面を酸化スズ、アンチモン等の導電性物質でコートしたもの等の、白色導電性繊維を用いること、それによって外観や美装性を損なうことなしに塗り床の抵抗値を低下させることが記載されている。
しかし発明者の検討によると、これら白色導電性繊維は、先に説明した従来の導電性付与剤と機能的には変わりがないため、特に人体帯電電位を50V以下に抑えることができる良好な帯電防止機能を有する塗り床を形成するためには、やはりその配合割合を、ペイントタイプの塗料よりも増加させる必要がある。したがって、白色導電性繊維は白色であって塗り床の色調には影響を生じないものの、表面のツヤが失われたり、強度や耐久性が低下したりするという問題を解決することはできない。
特許第2573105号公報 特開平4−224858号公報
「静電気管理技術の基礎−増補改訂版−」二澤正行著、株式会社プラスチック・エージ刊、2009年4月30日増補版第1刷発行
本発明の目的は、外観や美装性に優れるとともに、強度や耐久性にも優れる上、従来に比べてさらに帯電防止機能に優れた塗り床を形成しうる流しのべ塗料と、かかる流しのべ塗料を塗布して形成された塗り床とを提供することにある。
本発明は、エポキシ樹脂に、導電性金属酸化物、および湿潤分散剤としての、酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であるコポリマを配合したことを特徴とするものである。
本発明によれば、導電性付与剤として導電性金属酸化物を用いるとともに、湿潤分散剤として、酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であるコポリマを配合することにより、当該導電性金属酸化物を、エポキシ樹脂によって良好に湿潤させるとともに、当該エポキシ樹脂中にできるだけ均等に分散させることができる。
これは、かかるコポリマが酸性を呈し、基本的に塩基性である導電性金属酸化物に対してより強く吸着することが原因と考えられる。
そのため体積減少の小さい流しのべ塗料において、導電性金属酸化物の配合割合を増加させることなしに抵抗値を低下させて、良好な帯電防止機能を有する塗り床を形成することができる。
また導電性金属酸化物が、通常は白色ないしは淡色を呈すること、および上記のようにその配合割合を増加させなくてもよいことに加えて、さらに湿潤分散剤としてのコポリマが基本的に無色透明であることが相まって、塗り床の外観や美装性を向上することもできる。
さらに導電性金属酸化物の配合割合を増加させなくてもよいこと、バインダ樹脂として、硬化性樹脂の中でも高い強度と耐久性を有する硬化物を形成しうるエポキシ樹脂を用いていること、および厚みを大きく取ることができる流しのべ塗料としたことが相まって、塗り床の強度や耐久性を向上することもできる。
前記コポリマの配合割合は、前記エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.1質量部以上、10質量部以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、湿潤分散剤としてコポリマを配合することによる、先に説明した効果が得られないおそれがある。すなわち、塗り床の外観や美装性、あるいは強度や耐久性に影響を及ぼさない導電性金属酸化物の少量の配合で、当該塗り床に、良好な帯電防止機能を付与する効果が得られないおそれがある。のみならず、導電性金属酸化物がエポキシ樹脂中に均等に分散されずに凝集を生じやすくなり、凝集を生じると塗り床の強度や耐有性が低下するおそれもある。
一方、範囲を超える場合には、過剰のコポリマが塗り床の表面にブリードして、当該塗り床の外観や美装性をそこなうおそれがある。
これに対し、湿潤分散剤としてのコポリマの配合割合を先に説明した範囲に設定することにより、ブリード等を生じることなく外観や美装性に優れるとともに、導電性金属酸化物の凝集を生じず強度や耐久性に優れる上、帯電防止機能に優れた塗り床を形成できる。
本発明は、前記本発明の流しのべ塗料からなる層を少なくとも含むことを特徴とする塗り床である。
本発明の構成は単層の、または2層以上の多層構造を有する種々の塗り床に適用可能である。すなわち本発明の流しのべ塗料を流しのべ塗布し、エポキシ樹脂を硬化反応させて形成した層単層で塗り床を構成してもよいし、かかる層を含む2層以上で多層構造の塗り床を構成してもよい。
いずれの場合にも、先に説明した本発明の流しのべ塗料の機能により、外観や美装性に優れるとともに、強度や耐久性にも優れる上、従来に比べてさらに帯電防止機能に優れた塗り床を形成できる。
なお多層構造の塗り床においては、その最表面に位置する層を、本発明の流しのべ塗料を流しのべ塗布し、エポキシ樹脂を硬化反応させて形成した層とするのが好ましい。
これにより、先に説明した、本発明の流しのべ塗料からなる層による良好な帯電防止機能、並びに当該層の良好な外観や美装性を最大限に発現させることができる。
本発明の塗り床の、前述した測定方法によって測定される人体−床間の抵抗値は、3.5×10Ω以下であるのが好ましい。これによって塗り床に、先に説明した、人体帯電電位を50V以下に抑えることができる良好な帯電防止機能を付与できる。
本発明によれば、外観や美装性に優れるとともに、強度や耐久性にも優れる上、従来に比べてさらに帯電防止機能に優れた塗り床を形成しうる流しのべ塗料と、かかる流しのべ塗料を塗布して形成された塗り床とを提供することができる。
〈流しのべ塗料〉
本発明は、エポキシ樹脂に、導電性金属酸化物、および湿潤分散剤としての、酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であるコポリマを配合したことを特徴とするものである。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、特に施工現場において、加熱を必要とせずに室温(5〜35℃)程度で硬化反応させることができる、2液硬化型、湿気硬化型等のエポキシ樹脂が好ましい。
また流しのべ塗料に配合する溶剤の量を極力少なくしたり、溶剤の配合を省略したりすることを考慮すると、エポキシ樹脂としては、硬化前に液状を呈する液状のエポキシ樹脂、特に硬化剤と配合して硬化反応させることができる2液硬化型の液状エポキシ樹脂が好ましい。
(導電性金属酸化物)
導電性金属酸化物としては、例えば酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)などの金属酸化物の1種または2種以上、あるいはこれら金属酸化物とチタン酸カリウムなどとの複合物に、アンチモン(Sb)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)等の異種元素をドープすることでn型半導体化したもの等の、種々の導電性金属酸化物の粉末がいずれも使用可能である。
かかる導電性金属酸化物の具体例としては、例えばSbドープSnO、SnドープIn、AlドープZnO、SbドープSnO/TiO、SbドープSnO/チタン酸カリウム等の粉末の1種または2種以上が挙げられる。
導電性金属酸化物の配合割合は、エポキシ樹脂100質量部あたり10質量部以上、特に20質量部以上であるのが好ましく、100質量部以下、特に80質量部以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、塗り床に良好な帯電防止機能を付与できないおそれがある。
一方、範囲を超える場合には、相対的にエポキシ樹脂の配合割合が少なくなるため、塗り床の強度や耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、導電性金属酸化物の配合割合を先に説明した範囲に設定することにより、強度や耐久性の低下を防止しながら、塗り床にさらに良好な帯電防止機能を付与できる。
(湿潤分散剤)
湿潤分散剤としては、導電性金属酸化物をエポキシ樹脂によって湿潤させる湿潤剤としての機能と、当該導電性金属酸化物をエポキシ樹脂中に分散させる分散剤としての機能とを兼ね備えた種々の湿潤分散剤の中から、分子中に酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であるコポリマが選択して使用される。
かかるコポリマは酸性を呈し、酸価がこの範囲未満であるコポリマなどの他の湿潤分散剤と比べて、基本的に塩基性である導電性金属酸化物に対してより強く吸着するため、湿潤剤としての機能、および分散剤としての機能の両方に優れており、導電性金属酸化物をエポキシ樹脂によって良好に湿潤させるとともに、当該エポキシ樹脂中にできるだけ均等に分散させることができる。
そのため体積減少の小さい流しのべ塗料において、導電性金属酸化物の配合割合を増加させることなしに抵抗値を低下させて、良好な帯電防止機能を有する塗り床を形成することができる。
また導電性金属酸化物が、通常は白色ないしは淡色を呈すること、および上記のようにその配合割合を増加させなくてもよいことに加えて、さらに湿潤分散剤としてのコポリマが基本的に無色透明であることが相まって、塗り床の外観や美装性を向上することもできる。
さらに導電性金属酸化物の配合割合を増加させなくてもよいこと、バインダ樹脂として、硬化性樹脂の中でも高い強度と耐久性を有する硬化物を形成しうるエポキシ樹脂を用いていること、および厚みを大きく取ることができる流しのべタイプとしたことが相まって、塗り床の強度や耐久性を向上することもできる。
酸基としては、例えばリン酸基、カルボン酸基等が挙げられる。
なおコポリマは、先に説明した効果をさらに向上することを考慮すると、酸価が70mgKOH/g以上、特に120mgKOH/g以上であるのが好ましい。酸価の上限は特に限定されないが、140mgKOH/g以下、特に130mgKOH/g以下であるのが好ましい。
かかるコポリマとしては、例えばビックケミー・ジャパン(株)製のBYK(登録商標)−W9010〔酸基:リン酸基、酸価:129mgKOH/g、不揮発分:100%〕、BYK−W995〔酸基:リン酸基、酸価:53mgKOH/g、不揮発分:53%〕、BYK−W996〔酸基:リン酸基、酸価:71mgKOH/g、不揮発分:52%〕、DISPERBYK(登録商標)−110〔酸基:リン酸基、酸価:53mgKOH/g、不揮発分:52%〕、DISPERBYK−111〔酸基:リン酸基、酸価:129mgKOH/g、不揮発分:95%〕等の1種または2種以上が挙げられる。
コポリマの配合割合は、エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、当該コポリマを配合することによる、先に説明した効果が得られないおそれがある。すなわち、塗り床の外観や美装性、あるいは強度や耐久性に影響を及ぼさない導電性金属酸化物の少量の配合で、当該塗り床に良好な帯電防止機能を付与する効果が得られないおそれがある。のみならず、導電性金属酸化物がエポキシ樹脂中に均等に分散されずに凝集を生じやすくなり、凝集を生じると塗り床の強度や耐有性が低下するおそれもある。
一方、範囲を超える場合には、過剰のコポリマが塗り床の表面にブリードして、当該塗り床の外観や美装性をそこなうおそれがある。
これに対し、湿潤分散剤としてのコポリマの配合割合を先に説明した範囲に設定することにより、ブリード等を生じることなく外観や美装性に優れるとともに、導電性金属酸化物の凝集を生じず強度や耐久性に優れる上、帯電防止機能に優れた塗り床を形成できる。
なおコポリマの配合割合(質量部)は、例えばコポリマが溶剤に溶解した溶液等として供給される場合、当該溶液中の不揮発分(有効成分としてのコポリマ)の、エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたりの質量部でもって表すこととする。
(その他)
流しのべ塗料には、さらにエポキシ樹脂を硬化反応させるための硬化剤や、当該流しのべ塗料を下地上に流しのべ塗布する際にその粘度、および流動性を調整するための溶剤、反応性希釈剤、形成する塗り床を着色するためのトナー等を、適宜の割合で配合できる。
このうち硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化反応させることができる種々の硬化剤が使用可能である。
かかる硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類、およびその変成品、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミン類、およびその変成品、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ピロメリット酸無水物等の酸無水物類、ポリサルファイド、酸アミド、チオコール等の1種または2種以上が挙げられる。
またトナーは、顔料等の着色剤の、流しのべ塗料中への分散性を高めるために、着色剤をエポキシ樹脂とともに粉末化したものである。
溶剤は、先に説明したように極力含まないのが好ましいが、流しのべ塗料の粘度や流動性を調整するために少量の溶剤を配合してもよい。溶剤の配合割合は特に限定されないが、エポキシ樹脂100質量部あたり0.01質量部以上、特に0.05質量部以上であるのが好ましく、20質量部以下、特に10質量部以下であるのが好ましい。
なお、かかる溶剤の量には、先に説明した、コポリマの溶液中に含まれる溶剤の量をも含むこととする。
(流しのべ塗料)
エポキシ樹脂が、先に説明したように硬化剤との反応によって硬化する2液硬化タイプである場合、流しのべ塗料は、エポキシ樹脂に導電性金属酸化物、およびコポリマを配合した主剤と、硬化剤の2液タイプとして構成し、主剤と硬化剤とを施工現場において所定の割合で配合して下地上に流しのべ塗布するのが好ましい。
主剤と硬化剤の配合割合は、通常通り、エポキシ樹脂のエポキシ当量と、硬化剤の官能基の当量とが略等しくなるように設定すればよい。
〈塗り床〉
本発明の塗り床は、以上で説明した本発明の流しのべ塗料からなる層を少なくとも含むことを特徴とするものである。
本発明の構成は単層の、または2層以上の多層構造を有する種々の塗り床に適用可能である。すなわち本発明の流しのべ塗料を流しのべ塗布し、エポキシ樹脂を硬化反応させて形成した層単層で塗り床を構成してもよいし、かかる層を含む2層以上で多層構造の塗り床を構成してもよい。
いずれの場合にも、先に説明した本発明の流しのべ塗料の機能により、外観や美装性に優れるとともに、強度や耐久性にも優れる上、従来に比べてさらに帯電防止機能に優れた塗り床を形成できる。
なお多層構造の塗り床においては、その最表面に位置する層を、本発明の流しのべ塗料を流しのべ塗布し、エポキシ樹脂を硬化反応させて形成した層とするのが好ましい。
これにより、先に説明した、本発明の流しのべ塗料からなる層による良好な帯電防止機能、並びに当該層の良好な外観や美装性を最大限に発現させることができる。
多層構造の塗り床を構成する他の層としては、例えば本発明の流しのべ塗料を塗布する際に下地となるプライマ層や、本発明の流しのべ塗料を塗布した上を被覆するトップコート層等が挙げられる。
これらの層は、塗り床に帯電防止機能を付与するために、いずれも導電性を有しているのが好ましい。
本発明の塗り床は、先に説明した日本工業規格JIS C61340−4−5:2007「静電気−特定応用のための標準的試験方法−人体と組み合わせた履物及び床システムの静電気防止性能の評価方法」記載の6.3「電気抵抗の測定」所載の測定方法に則って測定した人体−床間の抵抗値が3.5×10Ω以下であるのが好ましい。これによって塗り床に、人体帯電電位を50V以下に抑えることができる良好な帯電防止機能を付与できる。
なお抵抗値の下限値は特に限定されないが、漏電による事故を防いで安全性を向上すること等を考慮すると1.0×10Ω以上であるのが好ましい。
《実施例1》
〈流しのべ塗料の調製〉
(主剤)
エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物としては、2液硬化型でかつ無溶剤型の液状のエポキシ樹脂100質量部に、導電性金属酸化物として、30質量部のAlドープZnOを配合した帯電防止床塗料主剤を用いた。
かかる帯電防止床塗料主剤100質量部に、湿潤分散剤としての、酸基を有するコポリマ〔前出のビックケミー・ジャパン(株)製のBYK−W9010、酸基:リン酸基、酸価:129mgKOH/g、不揮発分:100%〕0.1質量部を配合し、攪拌機〔新東科学(株)製のヘイドン(登録商標)スリーワンモータ〕を用いて1200rpmで混合して、流しのべ塗料の主剤を調製した。
有効成分としてのコポリマの配合割合は、エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.1質量部であった。
(硬化剤)
硬化剤としては住友ゴム工業(株)製のH506Sを用いた。
〈塗り床のサンプルの作製〉
(下地)
下地としては、ベニヤ板(縦90cm×横90cm)の上に、住友ゴム工業(株)製のSL333A(主剤)とSL333B(硬化剤)とを、質量比4:1で混合した導電性プライマを、単位面積あたりの塗布量が110±5g/mとなるように塗布したのち硬化させてプライマ層を形成したものを用意した。
(サンプルの作製)
先に調製した流しのべ塗料の主剤と硬化剤とを、主剤中のエポキシ樹脂100質量部あたりの硬化剤の量が25質量部となるように配合し、混合して流しのべ塗料を調製した。
次いでこの流しのべ塗料を、先に形成したプライマ層上に、単位面積あたりの塗布量が1350±10g/mとなるように流しのべ塗布したのち硬化させて、塗り床のサンプルを作製した。
《比較例1》
酸基を有するコポリマを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、流しのべ塗料の主剤を調製し、塗り床のサンプルを作製した。
《実施例2〜4》
酸基を有するコポリマの配合割合を、帯電防止床塗料主剤100質量部あたり0.5質量部(実施例2)、1質量部(実施例3)、および10質量部(実施例4)としたこと以外は実施例1と同様にして、流しのべ塗料の主剤を調製し、塗り床のサンプルを作製した。
有効成分としてのコポリマの配合割合は、エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.5質量部(実施例2)、1質量部(実施例3)、および10質量部(実施例4)であった。
《実施例5》
酸基を有するコポリマとして、前出のビックケミー・ジャパン(株)製のBYK−W995〔酸基:リン酸基、酸価:53mgKOH/g、不揮発分:53%〕を、帯電防止床塗料主剤100質量部あたり1質量部の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして、流しのべ塗料の主剤を調製し、塗り床のサンプルを作製した。
有効成分としてのコポリマの配合割合は、エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.5質量部であった。
《比較例2》
湿潤分散剤として、酸基を有するコポリマに代えて、顔料に親和性のある基を有する高分子量共重合物のリン酸エステル塩の溶液〔ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)−142、アミン価:43mgKOH/g、酸価:46mgKOH/g、不揮発分:60%〕を、帯電防止床塗料主剤100質量部あたり1質量部の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして、流しのべ塗料の主剤を調製し、塗り床のサンプルを作製した。
有効成分としてのリン酸エステル塩の配合割合は、エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.6質量部であった。
《人体−床間の抵抗値測定》
実施例、比較例で作製した塗り床のサンプルにおける、人体−床間の抵抗値を、日本工業規格JIS C61340−4−5:2007「静電気−特定応用のための標準的試験方法−人体と組み合わせた履物及び床システムの静電気防止性能の評価方法」記載の6.3「電気抵抗の測定」所載の測定方法に則って測定した。
測定器としてはミドリ安全(株)製の抵抗計テラオームメータを用い、実施例、比較例で作製した塗り床のサンプルのプライマ層を、測定器のアース側に接続した。
また測定器のチャージ側のケーブル先端にはワニ口クリップを接続し、φ8mmの鉄製シャフトを挟んだ。
次いで被験者に、鉄製シャフトを片手で握った状態で、裸足になって、塗り床のサンプルの上に立ってもらい、この状態で人体−床間の抵抗値を測定した。
そして測定値が3.5×10Ωを超えたものを抵抗値不良(×)3.5×10Ω以下であったものを抵抗値良好(○)、1×10Ω以下であったものを抵抗値極めて良好(◎)と評価した。
《表面性状の評価》
実施例、比較例で作製した塗り床のサンプルの表面を、被験者5人に評価してもらい、そのうち1人でも湿潤分散剤が表面にブリードしていると評価したものを表面性状不良(×)、5人ともブリードしていないと評価したものを表面性状良好(○)と評価した。
《総合評価》
抵抗値、および表面性状のうちのいずれか一方でも不良(×)であったものを総合評価不良(×)、両方とも良好(○)であったものを総合評価良好(○)、表面性状が良好(○)で抵抗値が極めて良好(◎)であったものを総合評価極めて良好(◎)として評価した。
以上の結果を表1に示す。なお表中、コポリマ、およびリン酸エステルの欄のカッコ内の数値は、それぞれの有効成分のエポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたりの配合割合(質量部)である。
Figure 2014208723
表1の実施例1〜5、比較例1の結果より、エポキシ樹脂と導電性金属酸化物に、さらに湿潤分散剤として、酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であるコポリマを配合すると、抵抗値を低下させて、塗り床に良好な帯電防止機能を付与できることが判った。
これに対し実施例1〜5、比較例2の結果より、かかるコポリマ以外の他の湿潤分散剤を配合したのでは、これらの効果は得られないことが判った。
また実施例1〜4の結果より、コポリマ(有効成分)の配合割合は、エポキシ樹脂と導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1〜4、実施例5の結果より、コポリマとしては、酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であって、湿潤分散剤として機能しうる種々のコポリマが使用可能であることが判った。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂に、導電性金属酸化物、および湿潤分散剤としての、酸基を有し、酸価が50mgKOH/g以上であるコポリマを配合したことを特徴とする流しのべ塗料。
  2. 前記コポリマの配合割合は、前記エポキシ樹脂、および導電性金属酸化物の総量100質量部あたり0.1質量部以上、10質量部以下である請求項1に記載の流しのべ塗料。
  3. 前記請求項1または2に記載の流しのべ塗料からなる層を少なくとも含むことを特徴とする塗り床。
  4. 抵抗値が3.5×10Ω以下である請求項3に記載の塗り床。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019183004A (ja) * 2018-04-10 2019-10-24 アトミクス株式会社 エポキシ樹脂塗料組成物及びその製造方法、ならびに、塗料補強剤及びその製造方法

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