JP2010163550A - 導電性組成物およびこれを用いる帯電防止材 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、接着性、塗膜の強度に優れ、電気抵抗が低い導電性組成物の提供。
【解決手段】少なくとも導電ポリマーとバインダ樹脂とプラスチック粒子とを含み、前記プラスチック粒子の材料が、アクリル系樹脂であり、前記バインダ樹脂/前記プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90であり、前記導電ポリマー/前記バインダ樹脂の質量の比率が30/70〜80/20であり、得られる塗膜の全光透過率が80%を超える値となる導電性組成物、および基材と、前記基材の上に当該導電性組成物を用いて得られる帯電防止層とを有する帯電防止材。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性組成物およびこれを用いる帯電防止材に関する。
近年、透明性を有する帯電防止用途に導電ポリマーが使われている。このような用途には汎用材料として安価なアニリン系が使用できるが、ポリアニリンは他の導電ポリマー(チオフェン、ピロール系)に比べて導電性がやや低いため、塗膜を厚くしなければならず、そのため光透過率が低下するという問題があった。
一方、金属酸化物をバインダ樹脂に分散して透明性の高い塗膜を作製する技術があるが、無機物の硬さから基材が変形等を受ける場合には、塗膜が破壊する事があった。
導電ポリマーの柔軟性と金属酸化物の透明性、導電性を組合わせて、例えば、5〜50nmの一次粒子径を有する導電性酸化物のコロイド粒子と、導電性ポリマーのコロイド粒子とからなる有機−無機複合導電性ゾル(特許文献1)や、少なくとも、低屈折率微粒子上に導電性物質が付着してなる導電性低屈折率微粒子、およびバインダー成分を含有する低屈折率層用コーティング組成物(金属酸化物粒子上に導電ポリマーをコーティングした粒子をバインダ中に分散させる塗料、特許文献2)、少なくとも、(1)コア微粒子上に該コア微粒子とは異なる屈折率を有する導電性物質が付着してなる透明粒子、及び、(2)バインダー成分、を含有するコーティング組成物(特許文献3)が提案されている。
また、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた帯電防止性背面保護層と、該基材フィルムの他の面に設けた帯電防止性表面光拡散層とからなる光学用光拡散フィルムにおいて、上記背面保護層および表面光拡散層の少なくとも一方が、ポリウレアコロイド粒子(微粒子A)によって被覆されているポリウレタンゲル微粒子(微粒子B1)および/またはポリウレアコロイド粒子(微粒子A)によって被覆されている熱可塑性ポリウレタン微粒子(B2)と、樹脂バインダー(C)と帯電防止剤(D)とを被膜形成成分として形成されていることを特徴とする光学用光拡散フィルムが提案されている(特許文献4)。
特開平11−353934号公報 特開2007−119765号公報 特開2004−300210号公報 特開2007−206375号公報
しかしながら、本発明者の実験からは、金属酸化物粒子上に導電ポリマーをコーティングした粒子をバインダ中に分散させる場合は粒子物の分散であるために、導電パスを形成するためには十分な量の導電ポリマーコーティング粒子を混入しなければならず、透明性の向上にはならないことがわかった。
また、微粒子として金属酸化物粒子を使用する場合、形状が球状であるので導電パスが形成しにくく、導電性を向上させるために、多量の粒子混合が必要でそのためヘーズ(くもり)が大きくなったり、塗膜がもろくなったりするという問題を見出した。
また、微粒子として、ポリウレタンゲル微粒子や熱可塑性ポリウレタン微粒子を使用する場合、微粒子が柔らかいため塗膜も柔らかくなってしまい、フィルムが傷付きやすいという問題を見出した。
そこで、本発明は、透明性、接着性、塗膜の強度に優れ、電気抵抗が低い導電性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、少なくとも導電ポリマーとバインダ樹脂とプラスチック粒子とを含み、前記プラスチック粒子の材料が、アクリル系樹脂であり、前記バインダ樹脂/前記プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90であり、前記導電ポリマー/前記バインダ樹脂の質量の比率が30/70〜80/20であり、得られる塗膜の全光透過率が80%を超える値となる組成物が透明性、接着性、塗膜の強度に優れ電気抵抗が低い塗膜となりうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記1〜4を提供する。
1. 少なくとも導電ポリマーとバインダ樹脂とプラスチック粒子とを含み、前記プラスチック粒子の材料が、アクリル系樹脂であり、前記バインダ樹脂/前記プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90であり、前記導電ポリマー/前記バインダ樹脂の質量の比率が30/70〜80/20であり、得られる塗膜の全光透過率が80%を超える値となる導電性組成物。
2. 前記プラスチック粒子の直径が0.1〜1μmである上記1に記載の導電性組成物。
3. 前記プラスチック粒子と前記バインダ樹脂との屈折率の差が0.07以下である上記1または2に記載の導電性組成物。
4. 基材と、前記基材の上に上記1〜3のいずれかに記載の導電性組成物を用いて得られる帯電防止層とを有する帯電防止材。
本発明の導電性組成物および本発明の帯電防止材は、透明性、接着性、塗膜の強度に優れ、電気抵抗が低い。
図1は、本発明の帯電防止材の一例の断面を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の帯電防止材が有する帯電防止層の一例を模式的に示す概略図である。 図3は、従来の帯電防止材が有する帯電防止層の一例を模式的に示す概略図である。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明の導電性組成物は、
少なくとも導電ポリマーとバインダ樹脂とプラスチック粒子とを含み、
前記プラスチック粒子の材料が、アクリル系樹脂であり、
前記バインダ樹脂/前記プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90であり、
前記導電ポリマー/前記バインダ樹脂の質量の比率が30/70〜80/20であり、
得られる塗膜の全光透過率が80%を超える値となる組成物である。
導電ポリマーについて以下に説明する。
本発明の導電性組成物が含有することができる導電ポリマーは特に制限されない。例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびこれらの誘導体が挙げられる。
なかでも、導電性により優れるという観点から、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体が好ましい。
導電ポリマーはその製造について特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
また、本発明の導電性組成物は導電ポリマーとしてドープ接合導電ポリマーを含有することができる。ドープ接合導電ポリマーは、ドーパントが結合している導電ポリマーである。
ドープ接合導電ポリマーの基本骨格としての導電ポリマーは特に制限されない。例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびこれらの誘導体が挙げられる。
なかでも導電性により優れるという観点から、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体が好ましい。以下、ポリアニリンとポリアニリンの誘導体とを合わせて「ポリアニリン類」ということがある。
また、ドープ接合導電ポリマーがポリアニリン類である場合、バインダ樹脂に均一に分散することができ、電気抵抗を低くすることができる。
ドープ接合導電ポリマーの製造は特に制限されない。以下にドープ接合導電ポリマーがポリアニリン類(以下これを「ドープ接合ポリアニリン」ということがある。)である場合の製造方法について説明する。
ドープ接合ポリアニリンの製造方法としては、例えば、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水と、酸化剤とを含む混合液中で、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリンを得る方法が挙げられる。ドーパントとして、スルホコハク酸とアルキルベンゼンスルホン酸および/またはアルキルナフタレンスルホン酸とを併用したもの、有機スルホン酸を使用するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
ドープ接合ポリアニリンの製造方法としては、具体的には例えば、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水とを混合する混合工程と、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後、酸化剤を添加して撹拌し、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリンを得る重合工程とを具備する製造方法が挙げられる。
まず、混合工程について説明する。
混合工程は、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水とを混合する工程である。混合方法は、上記の各成分の混合液を得ることができる方法であれば特に限定されない。
アニリンモノマーは、アニリン、アニリン誘導体またはこれらの混合物であり、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2010163550
上記式(1)中、nは0〜5の整数を表す。
1は、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、カルボキシ基、ハロゲン基、シアノ基、ハロアルキル基、ニトロアルキル基またはシアノアルキル基であり、アルキル基であるのが好ましい。複数のR1は、同一であっても異なっていてもよい。nは0、1、2であるのが好ましい。
式(1)で表される化合物としては、具体的には、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、o−エチルアニリン、m−エチルアニリン、o−エトキシアニリン、m−ブチルアニリン、m−ヘキシルアニリン、m−オクチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、o−シアノアニリン、2,5−ジクロロアニリン、2−ブロモアニリン、5−クロロ−2−メトキシアニリン、3−フェノキシアニリン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニリンモノマーの他に、更に他のモノマーを本発明の目的を損なわない範囲で用いてもよい。
ドープ接合導電ポリマーの製造の際に使用されるドーパントは特に制限されない。例えば、スルホコハク酸;スルホコハク酸の各種塩;ヨウ素、臭素、塩素、ヨウ素等のハロゲン化合物;硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸等のプロトン酸;これらプロトン酸の各種塩;三塩化アルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン等のルイス酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、ポリエチレンカルボン酸、ギ酸、安息香酸等の有機カルボン酸;これら有機カルボン酸の各種塩;フェノール、ニトロフェノール、シアノフェノール等のフェノール類;これらフェノール類の各種塩;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アルキルスルホン酸(例えば、ドデシルスルホン酸)、樟脳スルホン酸、銅フタロシアニンテトラスルホン酸、ポルフィリンテトラスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸縮合物等の有機スルホン酸;これら有機スルホン酸の各種塩;ポリアクリル酸等の高分子酸;プロピルリン酸エステル、ブチルリン酸エステル、ヘキシルリン酸エステル、ポリエチレンオキシドドデシルエーテルリン酸エステル、ポリエチレンオキシドアルキルエーテルリン酸エステル等のポリアルキレンオキシドリン酸エステル;これらリン酸エステルの各種塩;ラウリル硫酸エステル、セチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル、ラウリルエーテル硫酸エステル等の硫酸エステル;これら硫酸エステルの各種塩等が挙げられる。
ドーパントはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも、バインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)との相溶性に優れ、電気抵抗が低いドープ接合導電ポリマーを得ることができるという観点から、スルホコハク酸と、アルキルベンゼンスルホン酸および/またはアルキルナフタレンスルホン酸との併用、有機スルホン酸が好ましい。特に、導電性に優れる点からスルホコハク酸およびアルキルナフタレンスルホン酸の併用、アルキルベンゼンスルホン酸が好ましい。
スルホコハク酸は、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2010163550
式(2)中、R2およびR3は、それぞれ、アルキル基であり、炭素数は4〜20のアルキル基が好ましく、入手容易性から炭素数6〜12のアルキル基がより好ましい。
スルホコハク酸としては、スルホコハク酸塩(例えば、ナトリウム塩)の形で市販されているものも用いることができる。
アルキルベンゼンスルホン酸は、下記式(3)で表される化合物である。
Figure 2010163550
式(3)中、R4は、炭素数1〜20のアルキル基であり、一般的には炭素数10〜14のアルキル基を持つアルキルベンゼンスルホン酸およびその塩が市販されている。価格面等から最も一般的なドデシル基が好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。ドデシルベンゼンスルホン酸には、直鎖型と分岐型があるがどちらでも同じように用いることができる。ドデシルベンゼンスルホン酸としては、スルホン酸塩の形で市販されているものも用いることができる。
アルキルナフタレンスルホン酸は下記式(4)で表される化合物である。
Figure 2010163550
式(4)中、R5は、炭素数1〜20のアルキル基であり、炭素数2〜12のアルキル基が好ましく、入手が容易であることから炭素数4〜12のアルキル基がより好ましい。通常市販では、塩の形で扱われており、同様に使用可能である。
ドーパントの添加時におけるスルホコハク酸とアルキルベンゼンスルホン酸および/またはアルキルナフタレンスルホン酸とのモル比(スルホコハク酸/アルキルベンゼンスルホン酸とアルキルナフタレンスルホン酸の合計)は、ドープ接合導電ポリマーとバインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)との混合性および電気抵抗のバランスに優れる点から、10/90〜90/10であるのが好ましく、20/80〜80/20であるのがより好ましく、30/70〜50/50であるのが更に好ましい。
ドーパントの含有量は、アニリンモノマーとドーパントとのモル比(アニリンモノマー/ドーパント)が、100/20〜100/200となる量であるのが好ましく、100/40〜100/100となる量であるのがより好ましい。ドーパントの含有量がこの範囲である場合導電性に優れ(表面抵抗値が小さくなる。)、バインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)との混合性に優れる。
プロトン酸としては、ポリアニリンの製造に用いることのできるプロトン酸であれば特に限定されない。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、m−ニトロ安息香酸、トリクロロ酢酸等の有機酸;ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸等のポリマー酸等が挙げられる。
ポリアニリンの合成は酸性側で進行することから、プロトン酸の添加量は、上記混合液がpH0〜4となる量であるのが好ましい。
次に、重合工程について説明する。
重合工程は、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後、酸化剤を添加して撹拌し、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリン(ドープ接合ポリアニリン)を得る工程である。
重合工程において、常温下のような比較的高い温度でも重合を行うことができるが、反応が早く、ゲル粒等が生じやすいので、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後に重合を行うのが好ましい。重合時間は、特に限定されないが、例えば、上記の温度範囲で5〜48時間程度重合を行うことが好ましい。
ドープ接合ポリアニリンの製造の際に使用される酸化剤は、ポリアニリンの製造に用いることのできる酸化剤であれば特に限定されない。例えば、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、第二塩化鉄等が挙げられる。
酸化剤の添加量は、アニリンモノマー1モルに対して0.5〜1.5モルが好ましい。
ドープ接合導電ポリマーの製造方法は、重合工程の後に、更に、洗浄工程を具備するのが好ましい態様である。洗浄によって、酸化剤の残渣、余分のプロトン酸、ドーパントを流し、ドープ接合導電ポリマーを精製することができる。洗浄工程は、公知の方法によって行うことができる。例えば、重合終了後、メタノールやアセトンを加えて、ポリアニリンを析出し、ろ過する方法等が挙げられる。
以上の製造方法によってドープ接合導電ポリマーを製造することができる。
上記のようにドーパントの存在下でモノマーを重合して得られたドープ接合導電ポリマーはバインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)に均一に分散させることができるので好ましい。
ドープ接合導電ポリマーがドープ接合されていない状態の重量平均分子量は、電気抵抗を低くできる(導電性を向上できる)点から、50,000以上であるのが好ましい。高分子の導電ポリマーはフィブリル状の形状を取るため、粒子状の導電性物質に比べて導電性パスが効率よく形成され、そのため導電性を向上できる。電気抵抗を低くできかつバインダ樹脂との混合性に優れる点から、ドープ接合導電ポリマーのドープ接合されていない状態の重量平均分子量は、50,000〜1,000,000であるのがより好ましく、100,000〜300,000であるのが更に好ましい。
なお、本明細書において、ドープ接合していない状態のドープ接合導電ポリマーの重量平均分子量は、製造したドープ接合導電ポリマーをジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、アンモニア水を加えて脱ドープした後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、ドープ接合していない状態のポリアニリンの重量平均分子量をUV検出器で測定、算出した。標準試料としてはポリスチレンを使用した。
導電ポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
バインダ樹脂について以下に説明する。
本発明の導電性組成物に含有されるバインダ樹脂は、特に制限されない。例えば、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、導電ポリマーとの相溶性に優れるという観点から、非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
非晶性ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート骨格に第3成分を加えた、非晶性で有機溶媒に可溶なポリエステル樹脂が挙げられる。具体的には、東洋紡績社製のバイロン等が好適に挙げられる。
バインダ樹脂への導電ポリマーの混合は、例えば、バインダ樹脂と導電ポリマーとに通常のプラスチック配合剤を加えてまたは加えず、2軸混練機、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いることによって行うことができる。プラスチック配合剤は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。バインダ樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合は、非晶性ポリエステル樹脂がメチルエチルケトン(MEK)やトルエン等の溶媒に可溶であるため、溶媒に非晶性ポリエステル樹脂を溶解または分散させ、得られた溶液に導電ポリマーを添加することによってバインダ樹脂を導電ポリマーに混合することができる。
本発明の導電性組成物において、導電ポリマー/バインダ樹脂の質量の比率は、30/70〜80/20である。透明性、導電性、接着性(例えば、基材に対する接着性)により優れるという観点から、30/70〜50/50であるのが好ましい。
プラスチック粒子について以下に説明する。
本発明の導電性組成物に含有されるプラスチック粒子は、その材料が、アクリル系樹脂である。アクリル系樹脂のプラスチック粒子を使用することによって、本発明の導電性組成物は塗膜の強度に優れる。
アクリル系プラスチック粒子は、一般的に、懸濁重合によって製造される。水中に、アクリルモノマーを添加し激しく撹拌する事で懸濁し、非常に小さな液滴ができる。これにモノマーに可溶な重合開始剤、例えば過酸化ベンゾイルやアゾビスイソブチロニトリルなどを加えると、液滴中でモノマーの重合が進行し、粒子状のポリマーが得られる。
帯電防止塗料の添加剤という目的からは塗膜硬さと靭性の両立、バインダ樹脂との相溶性、分散性が特に必要であり、これにはコアシェル型のプラスチック微粒子を用いる事が好ましい。
コアシェル型の例としては、例えば、ガンツ化成社製のスタフィロイド(商品名)のように、コア側が柔軟なゴム状ポリマーであり、シェル側が硬く他材料との相溶性を考慮し例えばヒドロキシ基等の官能基をシェル側に配したものが挙げられる。
プラスチック粒子の直径(平均粒子径)は、導電性、透明性により優れるという観点から、0.1〜1μmであるのが好ましく、0.1〜0.3μmであるのがより好ましい。
組成物(塗料)の透明性を保持するために、プラスチック粒子とバインダ樹脂との屈折率の差はできるだけ一致させることが良く、0.07以下であるのが好ましく、0〜0.02であるのがより好ましい。
本発明において、屈折率の測定方法は、JIS K7142−2008 プラスチックの屈折率測定方法に準拠し、B法(ベッケ線法)によりナトリウムD線を用いて測定した。
プラスチック粒子はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
プラスチック粒子の量は、バインダ樹脂/プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90である。透明性、導電性、接着性(例えば、基材に対する接着性)により優れるという観点から、バインダ樹脂/プラスチック粒子の質量の比率が40/60〜20/80であるのが好ましい。
本発明の導電性組成物は、低粘度化でき、作業性を向上できる点から、更に、溶媒を含有するのが好ましい。溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、他の成分との相溶性および揮発性に優れる点からトルエン、MEKが好ましい。
溶媒の量は、導電性組成物を塗布する際の作業性や、塗膜の性能(抵抗値、強度等)に応じて最適な膜厚にするために、自由に設定することができる。例えば、バインダ樹脂100質量部に対する溶媒の量を100〜100,000質量部とすることができる。
本発明の導電性組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤、分散剤、脱水剤、接着付与剤等の添加剤を含有することができる。
本発明の導電性組成物はその製造について特に限定されない。例えば、バインダ樹脂を予め溶媒に溶解または分散させてバインダ樹脂溶液とし、得られたバインダ樹脂溶液に、導電ポリマーと、プラスチック粒子と、必要に応じて使用することができる添加剤と加えて混合することによって本発明の導電性組成物を製造することができる。
本発明の導電性組成物を例えば、塗料として用いて導電性を有する塗膜を形成することができる。
塗膜を形成する方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。具体的には本発明の帯電防止材の製造方法が挙げられる。
本発明の導電性組成物を用いて得られる塗膜(膜厚0.5μm)の全光透過率は、80%を超えるものであり、透明性により優れるという観点から、90〜100%であるのが好ましい。
本発明の導電性組成物を用いて得られる塗膜の表面抵抗は、1×104Ω/□以上1×1010Ω/□未満であるのが好ましく、1×106〜1×109Ω/□であるのがより好ましい。
本発明において表面抵抗は、抵抗測定器(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスタIPとHRプローブ)を用いて測定された。
次に、本発明の帯電防止材について説明する。
本発明の帯電防止材は、基材と、前記基材の上に本発明の導電性組成物を用いて得られる帯電防止層とを有する帯電防止材(帯電防止用積層体)である。
本発明の帯電防止材に使用される基材は、特に限定されない。例えば、フィルムが挙げられ、透明なフィルムが好ましい。具体的には、例えば、ポリエステル;ナイロン;ポリオレフィン等のフィルムが挙げられる。これらの中でも、帯電防止層との接着性に優れる点からポリエステル系フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)がより好ましい。
本発明の帯電防止材に使用される導電性組成物は本発明の導電性組成物であれば特に制限されない。
本発明の帯電防止材の製造方法としては、例えば、基材に導電性組成物を塗布する塗布工程と、基材に塗布された導電性組成物を乾燥させる乾燥工程とを有するもの、基材と導電性組成物との2層押出方法、射出成形によるサンドイッチ方法、2枚のフィルムの熱融着が挙げられる。
基材に導電性組成物を塗布する塗布工程と、基材に塗布された導電性組成物を乾燥させる乾燥工程とを有する製造方法について以下に説明する。
まず、塗布工程において、基材に導電性組成物を塗布する工程としては、例えば、スピンコート法、グラビア印刷、スクリーン印刷、ハケ塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤバー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法等が挙げられる。
本発明においてスピンコートを採用する場合、1分間当りの回転数を2,000回転と設定し、20秒間回転させるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
塗布工程の後、乾燥工程において、基材に塗布された導電性組成物を乾燥させて帯電防止層とし、本発明の帯電防止材とすることができる。乾燥温度は、導電性組成物(塗料)中の溶媒を十分に乾燥する必要性から80〜120℃で、乾燥時間は1分程度とするのが好ましい。
帯電防止層の厚さは、価格、製造スピードの点から、0.01μm〜2mmであるのが好ましく、0.05μm〜0.5μmであるのがより好ましい。
本発明の帯電防止材について添付の図面を用いて以下に説明する。なお本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明の帯電防止材の一例の断面を模式的に示す断面図である。
図1において、本発明の帯電防止材100は、基材101と、基材101の上の帯電防止層103とを有する。帯電防止層103は本発明の導電性組成物を用いて得ることができる。また、帯電防止材100は、帯電防止層103が設けられている反対側の面に粘着層105を有することができる。
図3は、従来の帯電防止材が有する帯電防止層の一例を模式的に示す概略図である。
図3において、帯電防止層300は、導電ポリマー301とバインダ樹脂302とを有する。導電ポリマー301はバインダ樹脂302に分散している。
導電ポリマーは通常フィブリル状であり、導電ポリマーがつながることによってパスを作って通電することができる。
本願発明者は、図3に示すような導電ポリマー/バインダ樹脂中に微粒子を混合する事によって、塗膜の導電性が向上する(表面抵抗が低下する)事を見出した。
図2は、本発明の帯電防止材が有する帯電防止層の一例を模式的に示す概略図である。
図2において、帯電防止層200は、導電ポリマー201とバインダ樹脂202とプラスチック粒子203とを有する。バインダ樹脂202中の導電ポリマー201はプラスチック粒子203を混入することによってプラスチック粒子203の外側に押しやられ、プラスチック粒子203の周囲に配列する構造をとるようになる。
本発明において、プラスチック粒子を用いる事により、バインダ樹脂量を減らし、バインダ樹脂中の導電ポリマーの濃度を上げる事によって、より、プラスチック粒子の周囲で導電ポリマー同士が接しやすくなり、その結果、本発明の導電性組成物に高い導電性を付与できたと推察している。なお、このようなメカニズムは本願発明者の推察であり、上記のメカニズム以外であっても本願発明の範囲である。
図2において、導電ポリマー201が配列する際、プラスチック粒子203の直径が0.1〜1μmの場合特に導電ポリマー201がプラスチック粒子203の周囲に配列しやすい。また、プラスチック粒子203が例えば、エステル結合、ヒドロキシ基のような官能基(図示せず。)を有する場合官能基が導電ポリマー201に作用することによって導電ポリマー201をプラスチック粒子203の周囲に配列しやすくなる。
このような配列によって導電ポリマーがパス(図示せず。)を形成し帯電防止材200はパス(図示せず。)を通じて図2に示す矢印のように通電をすることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.評価
下記のようにして得られた導電性組成物および帯電防止材について次に示す評価方法によって、接着性、表面平滑性、塗膜傷付き性、表面抵抗、全光透過率およびヘイズを評価した。結果を第2表に示す。
(1)接着性
得られた帯電防止材について、碁盤目テープ剥離試験を行った。
帯電防止材の帯電防止層に、1mmの基盤目100個(縦10個×横10個)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を完全に付着させ、直ちにテープの一端を直角に保ち、瞬間的に引き離し、完全に剥がれないで残った基盤目の個数を調べた。
(2)表面平滑性
得られた導電性組成物をPETフィルム上にスピンコーター(1分間当たり2,000回転の設定で20秒間回転させた。)を用いて、0.5μmの厚みで塗布し、目視にて外観を観察した。
塗膜が平滑なものを「○」、凹凸があり、フィルムにわずかにくもりがあるものを「△」、凹凸が多く見られて平滑でないものを「×」とした。
(3)塗膜傷付き性
下記のようにして得られた帯電防止材の塗膜を乾いたガーゼで強くこすった後、外観変化を目視で観察した。
塗膜の外観に変化のないものを「○」、塗膜が傷付きはがれるものを「×」とした。
(4)表面抵抗
得られた帯電防止材について、抵抗測定器(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスタIPとHRプローブ)を用い、25℃、50%RHの条件下において100Vにおける帯電防止層の表面抵抗を求めた。
表面抵抗の評価基準としては、1×1010Ω/□未満の場合表面抵抗が低く実用的であるとした。
(5)全光透過率/ヘイズ
得られた帯電防止材を用いて、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所社製、HM−150)により、全光透過率およびヘイズ(Haze)を求めた。
全光透過率の評価基準は、80%を超える場合が透明性に優れ実用的であるとした。
ヘイズの評価基準は、1.0以下の場合くもりがなく実用的であるとした。
なお、本実施例において、全光透過率は帯電防止材を用いて測定されているが、帯電防止材において基材として使用されているPETフィルムの全光透過率は、略100%であるので、測定によって得られた全光透過率の値は導電性組成物によって形成された塗膜が有する全光透過率を示すものとする。
また、本実施例において、ヘイズは帯電防止材を用いて測定されているが、帯電防止材において基材として使用されているPETフィルムのヘイズは、略0であるので、測定によって得られたヘイズの値は導電性組成物によって形成された塗膜のヘイズを示すものとする。
2.帯電防止材の製造
下記のようにして得られた導電性組成物をPETフィルム(厚さ25μm)の上にスピンコータ(1分間当たり2,000回転の設定で20秒間回転させた。)を用いて塗布した後、オーブン内で100℃で1分間乾燥して、厚さ0.5μmの帯電防止層を形成し、帯電防止材を得た。
3.導電性組成物の製造
(1)導電ポリマーの製造
(合成例1)
第1表に示す配合1の各成分を同表に示す量(質量部)500mlのフラスコに入れて混合した。この混合液をウォーターバス内で0℃に冷却した後、配合2(過硫酸アンモニウム2.7質量部と水20質量部との混合液)を加えて撹拌し、12時間酸化重合させた。
次に、メタノールを加えてポリアニリンを析出させ、ろ過して得られた固体を多量の蒸留水によって洗浄し、ドープ接合導電ポリマーとしてのスルホン酸基が接合したポリアニリンを得た。得られたポリアニリンをトルエンに分散し、スルホン酸基が接合したポリアニリンを5質量%含む分散液を製造した。得られたドープ接合導電ポリマー分散液を導電ポリマー1とする。
また、得られた導電ポリマー1(ドープ接合導電ポリマー分散液)を0.1g取り、ジメチルホルムアミド10gに溶解させた後、0.1%アンモニア水2滴を加えて脱ドープさせた。その後、フィルタでろ過したポリアニリンをGPCにより重量平均分子量を測定した。
Figure 2010163550
第1表に示す各成分は下記のとおりである。
・アニリンモノマー:試薬、関東化学社製
・ドデシルベンゼンスルホン酸:試薬、アルドリッチ社製
・塩酸:試薬、アルドリッチ社製、6N塩酸
・過硫酸アンモニウム:試薬、アルドリッチ社製
(合成例2)導電ポリマーをコーティングした金属酸化物粒子の合成
合成例1の配合1に酸化スズ粒子(石原産業社製、商品名SN−100、粒子径0.01〜0.03μm)0.6gを加えた他は、合成例1と同様に操作して実験を行い、酸化スズ粒子の表面にポリアニリンをコーティングして、導電ポリマーをコーティングした金属酸化物粒子を含むポリアニリンのドープ接合導電ポリマーを得た。これをトルエンに分散し、金属酸化物とポリアニリンとからなるドープ接合導電ポリマー分散液(5質量%濃度)を作製した。得られたドープ接合導電ポリマー分散液を導電ポリマー2とする。
(2)導電性組成物の調製
第2表に示す成分を同表に示す量(質量部)で用いて均一に混合し、一昼夜、常温で撹拌する事によって導電性組成物を得た。
Figure 2010163550
Figure 2010163550
第2表に示す成分の詳細は以下のとおりである。
・導電ポリマー1:上記のとおり製造したドープ接合導電ポリマー分散液(固形分5質量%)
・導電ポリマー2:上記のとおり製造したドープ接合導電ポリマー分散液(固形分5質量%)
・バインダ樹脂1:非晶性ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績社製、屈折率1.55)
・バインダ樹脂2:ポリメチルメタクリレート(試薬、アルドリッチ社製、屈折率1.49)
・プラスチック粒子1:スタフィロイド AC−3364(粒子径0.1μm、屈折率1.48、ガンツ化成社製)
・プラスチック粒子2:スタフィロイド AC−3816N(粒子径0.5μm、屈折率1.48、ガンツ化成社製)
・プラスチック粒子3:テクポリマー MB30X−5(粒子径5μm、屈折率1.49、積水化成品工業社製)
・プラスチック粒子4:ウレタン系微粒子、商品名アートパールC−800(粒子径6μm、屈折率1.56、根上工業社製)
・溶媒:メチルエチルケトン50質量部とトルエン50質量部との混合物
なお、プラスチック粒子1〜4の粒子径は、プラスチック粒子の直径の平均値である。
第2表に示す結果から明らかなように、プラスチック粒子を含有しない比較例1、バインダ樹脂/プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90ではない比較例2は表面抵抗が1×1010Ω/□以上であり導電性に劣り、透明性が低かった。また、バインダ樹脂/プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90ではなく、導電ポリマー/バインダ樹脂の質量の比率が30/70〜80/20ではない比較例3、バインダ樹脂を含有しない比較例4は接着性に劣った。比較例5では微粒子としてウレタンを用いると塗膜が柔らかくなって傷付き、はがれやすくなってしまい、塗膜の強度が低かった。また、比較例6では、導電性金属酸化物粒子上に導電ポリマーをコーティングしても、抵抗値、全光透過率への影響が小さい事が言える。
一方、実施例1〜7は、表面抵抗が低く導電性に優れ、透明性、接着性、塗膜の強度(塗膜の傷付きにくさ、はがれにくさ)に優れた。
また、プラスチック粒子の粒子径が0.5μm以下である実施例1〜6は表面平滑性に優れた。
100 本発明の帯電防止材 101 基材
103 帯電防止層 105 粘着層
200 本発明の帯電防止材が有する帯電防止層
300 従来の帯電防止材が有する帯電防止層
201 301 導電ポリマー 202 302 バインダ樹脂
203 プラスチック粒子

Claims (4)

  1. 少なくとも導電ポリマーとバインダ樹脂とプラスチック粒子とを含み、
    前記プラスチック粒子の材料が、アクリル系樹脂であり、
    前記バインダ樹脂/前記プラスチック粒子の質量の比率が50/50〜10/90であり、
    前記導電ポリマー/前記バインダ樹脂の質量の比率が30/70〜80/20であり、
    得られる塗膜の全光透過率が80%を超える値となる導電性組成物。
  2. 前記プラスチック粒子の直径が0.1〜1μmである請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 前記プラスチック粒子と前記バインダ樹脂との屈折率の差が0.07以下である請求項1または2に記載の導電性組成物。
  4. 基材と、前記基材の上に請求項1〜3のいずれかに記載の導電性組成物を用いて得られる帯電防止層とを有する帯電防止材。
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