JP2011006510A - トップコート用組成物およびこれを用いる帯電防止積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電防止層の優れた導電性の維持を図ることができるトップコート用組成物及び、これを用いたトップコート層、帯電防止層、基材からなる帯電防止積層体の提供。
【解決手段】バインダ樹脂と酸とを含有するトップコート用組成物。更に前記酸の含有量が、前記バインダ樹脂100質量部に対して2〜30質量部である前記トップコート用組成物。さらに基材101に帯電防止層103を設け、その上に前記トップコート組成物からなるトップコート層107を設けた帯電防止積層体100。
【選択図】図1
【解決手段】バインダ樹脂と酸とを含有するトップコート用組成物。更に前記酸の含有量が、前記バインダ樹脂100質量部に対して2〜30質量部である前記トップコート用組成物。さらに基材101に帯電防止層103を設け、その上に前記トップコート組成物からなるトップコート層107を設けた帯電防止積層体100。
【選択図】図1
Description
本発明は、トップコート用組成物およびこれを用いる帯電防止積層体に関する。
偏光板等に使用される保護フィルム(プロテクトフィルム)としては、例えば、基材としてのPETフィルム等の上に帯電防止層およびトップコートを有するものが知られている。
そして、帯電防止層には、バインダ樹脂に第四級アンモニウム塩を混合した塗料が一般的に用いられている。
しかしながら、このような塗料は透明性が優れているものの環境依存性が大きいため、乾燥状態での抵抗値が増大し、帯電防止性が劣ってくるという問題があった。
そのため、近年、透明かつ環境依存性の小さい導電ポリマーをバインダ樹脂に混ぜた帯電防止塗料の検討が進められている。
そして、帯電防止層には、バインダ樹脂に第四級アンモニウム塩を混合した塗料が一般的に用いられている。
しかしながら、このような塗料は透明性が優れているものの環境依存性が大きいため、乾燥状態での抵抗値が増大し、帯電防止性が劣ってくるという問題があった。
そのため、近年、透明かつ環境依存性の小さい導電ポリマーをバインダ樹脂に混ぜた帯電防止塗料の検討が進められている。
しかしながら、本願発明者らは、導電ポリマーを含有する帯電防止塗料の導電性が空気中の不純物イオン(例えば、アンモニウムイオン)や活性酸素によってしばしば失活されることを見出した。
特に、帯電防止塗料が0.1μm以下の厚みである場合には、その傾向が顕著に現れ、経時的に抵抗値が上昇してしまう現象が見られた。
そこで、本発明は、帯電防止層の優れた導電性の維持を図ることができるトップコート用組成物を提供することを目的とする。
特に、帯電防止塗料が0.1μm以下の厚みである場合には、その傾向が顕著に現れ、経時的に抵抗値が上昇してしまう現象が見られた。
そこで、本発明は、帯電防止層の優れた導電性の維持を図ることができるトップコート用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、バインダ樹脂と酸とを含有するトップコート用組成物が帯電防止層の優れた導電性の維持を図ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(5)を提供する。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(5)を提供する。
(1)バインダ樹脂と酸とを含有するトップコート用組成物。
(2)上記酸の含有量が、上記バインダ樹脂100質量部に対して2〜30質量部である上記(1)に記載のトップコート用組成物。
(3)上記酸が、下記式(I)で表されるリン酸エステル化合物である上記(1)または(2)に記載のトップコート用組成物。
(CnH2n+1O)mP(O)(OH)3-m ・・・ (I)
(式中、nは1〜24の整数であり、mは1または2である。)
(CnH2n+1O)mP(O)(OH)3-m ・・・ (I)
(式中、nは1〜24の整数であり、mは1または2である。)
(4)上記nが、1〜4の整数である上記(3)に記載のトップコート用組成物。
(5)基材と、上記基材上に設けられる帯電防止層と、上記帯電防止層上に設けられるトップコートとを有する帯電防止積層体であって、
上記帯電防止層が、導電ポリマーを含有し、
上記トップコートが、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトップコート用組成物を用いて得られる帯電防止積層体。
上記帯電防止層が、導電ポリマーを含有し、
上記トップコートが、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトップコート用組成物を用いて得られる帯電防止積層体。
以下に示すように、本発明によれば、帯電防止層の優れた導電性の維持を図ることができるトップコート用組成物を提供することができる。
本発明の第1の態様に係るトップコート用組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、バインダ樹脂と酸とを含有するトップコート用組成物である。
次に、バインダ樹脂および酸ならびに所望により含有してもよい他の成分について詳述する。
次に、バインダ樹脂および酸ならびに所望により含有してもよい他の成分について詳述する。
(バインダ樹脂)
本発明の組成物に含有されるバインダ樹脂は、特に制限されず、一般的な熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、トップコートは通常、溶剤に溶解した材料を塗布し、乾燥して使用することから、溶剤可溶性があり、かつ、乾燥後に表面タックが残らず、更に汚れ等を拭き取る際に使用されるエタノールに対する耐性が必要であることから、熱可塑性の環状オレフィン樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂等が好適に例示される。
本発明の組成物に含有されるバインダ樹脂は、特に制限されず、一般的な熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、トップコートは通常、溶剤に溶解した材料を塗布し、乾燥して使用することから、溶剤可溶性があり、かつ、乾燥後に表面タックが残らず、更に汚れ等を拭き取る際に使用されるエタノールに対する耐性が必要であることから、熱可塑性の環状オレフィン樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂等が好適に例示される。
バインダ樹脂の含有量は、作業性が良好となり、均一なトップコート層を形成しやすい理由から、本発明の組成物の質量に対して、0.5〜50質量%であるのが好ましく、1〜30質量%であるのがより好ましい。
(酸)
本発明の組成物に用いられる酸は特に限定されず、有機酸であっても無機酸であってもよく、これらを併用するものであってもよい。
本発明においては、酸を含有することにより、導電ポリマーを含有する帯電防止層の優れた導電性の維持を図ることができる。
これは、本発明の組成物を用いて得られるトップコート中の酸が、本発明の帯電防止積層体が置かれる環境(例えば、大気中)に存在するイオン性不純物(例えば、アンモニウムイオン等)をトラップし、イオン性不純物が帯電防止層中のドーパントと結合して導電ポリマーまたはドープ接合導電ポリマーの導電性が失活するのを防ぐ機能を有するためであると考えられる。
本発明の組成物に用いられる酸は特に限定されず、有機酸であっても無機酸であってもよく、これらを併用するものであってもよい。
本発明においては、酸を含有することにより、導電ポリマーを含有する帯電防止層の優れた導電性の維持を図ることができる。
これは、本発明の組成物を用いて得られるトップコート中の酸が、本発明の帯電防止積層体が置かれる環境(例えば、大気中)に存在するイオン性不純物(例えば、アンモニウムイオン等)をトラップし、イオン性不純物が帯電防止層中のドーパントと結合して導電ポリマーまたはドープ接合導電ポリマーの導電性が失活するのを防ぐ機能を有するためであると考えられる。
上記有機酸としては、具体的には、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ポリエチレンカルボン酸、プロピオン酸、ギ酸、酪酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、スルホコハク酸などの有機カルボン酸;
ポリエチレンスルホン酸、アルキルスルホン酸(例えば、ドデシルスルホン酸等)、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、樟脳スルホン酸、銅フタロシアニンテトラスルホン酸、ポルフィリンテトラスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸縮合物などの有機スルホン酸;
ポリアクリル酸などの高分子酸;
ポリエチレンオキシドドデシルエーテルリン酸エステル、ポリエチレンオキシドアルキルエーテルリン酸エステルなどのポリアルキレンオキシドリン酸エステル;
ラウリル硫酸エステル、セチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル、ラウリルエーテル硫酸エステルなどの硫酸エステル;リン酸エステル;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレンスルホン酸、アルキルスルホン酸(例えば、ドデシルスルホン酸等)、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、樟脳スルホン酸、銅フタロシアニンテトラスルホン酸、ポルフィリンテトラスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸縮合物などの有機スルホン酸;
ポリアクリル酸などの高分子酸;
ポリエチレンオキシドドデシルエーテルリン酸エステル、ポリエチレンオキシドアルキルエーテルリン酸エステルなどのポリアルキレンオキシドリン酸エステル;
ラウリル硫酸エステル、セチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル、ラウリルエーテル硫酸エステルなどの硫酸エステル;リン酸エステル;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一方、上記無機酸としては、具体的には、例えば、塩酸、硝酸、燐酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸等が挙げられるが、無機酸は一般に酸性が強く、バインダ樹脂を分解する場合もあるため、有機酸を用いるのが好ましい。
これらの酸うち、リン酸エステルであるのが、比較的酸性が弱く、揮発性が小さいため、アンモニアイオン等の不純物をトラップする性能が長く持続する理由から好ましい。
リン酸エステルとしては、下記式(I)で表されるリン酸エステル化合物であるのが、入手が容易である理由から好ましい。
(CnH2n+1O)mP(O)(OH)3-m ・・・ (I)
(式中、nは1〜24の整数であり、mは1または2である。)
リン酸エステルとしては、下記式(I)で表されるリン酸エステル化合物であるのが、入手が容易である理由から好ましい。
(CnH2n+1O)mP(O)(OH)3-m ・・・ (I)
(式中、nは1〜24の整数であり、mは1または2である。)
上記式(I)で表されるリン酸エステル化合物としては、具体的には、例えば、リン酸メチル、リン酸ジメチル、リン酸エチル、リン酸ジエチル、リン酸プロピル、リン酸イソプロピル、リン酸ジプロピル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸−2−エチルヘキシル、リン酸イソデシル、リン酸ブトキシエチル、リン酸オレイル、リン酸テトラコシル、リン酸エチレングリコール、リン酸(2−ヒドロキシエチル)メタクリレート等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、上記式(I)中のnが1〜4の整数で表されるリン酸エステル化合物が、単位質量あたりの酸性分が多く、アンモニアイオン等の不純物をトラップする性能が長く持続する理由からより好ましい。
なかでも、上記式(I)中のnが1〜4の整数で表されるリン酸エステル化合物が、単位質量あたりの酸性分が多く、アンモニアイオン等の不純物をトラップする性能が長く持続する理由からより好ましい。
本発明においては、上記酸の含有量は、上記バインダ樹脂100質量部に対して2〜30質量部であるのが好ましく、5〜20質量部であるのがより好ましい。
上記酸の含有量がこの範囲であると、帯電防止層の優れた導電性をより良好に維持することができる。
上記酸の含有量がこの範囲であると、帯電防止層の優れた導電性をより良好に維持することができる。
本発明の組成物は、帯電防止層の抵抗値を安定させる観点から、更に、ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤を含有するのが好ましい。
上記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、アミン系化合物、チオエステル系ラジカルトラップ剤、含硫黄金属錯体ラジカルトラップ剤、リン系ラジカルトラップ剤等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、アミン系化合物、チオエステル系ラジカルトラップ剤、含硫黄金属錯体ラジカルトラップ剤、リン系ラジカルトラップ剤等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系化合物としては、具体的には、例えば、ノニルフェノール、モノ−t−ブチル−p−クレゾール、モノ−t−ブチル−m−クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルカテコール(TBC)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、プロピルガレート等のフェノール系ラジカルトラップ剤;4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、ポリブチル化ビスフェノール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のビスフェノール型ラジカルトラップ剤;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3′−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(Tetrakis[methylene(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyhydrocinnamate)]methane)等のポリフェノール型ラジカルトラップ剤等が挙げられる。
また、ヒンダードフェノール系化合物の市販品として、例えば、商品名イルガノックス1010(チバスペシャリティケミカル社製)を使用することができる。
また、ヒンダードフェノール系化合物の市販品として、例えば、商品名イルガノックス1010(チバスペシャリティケミカル社製)を使用することができる。
また、上記アミン系化合物としては、酸素ラジカルトラップ効果のある酸化防止剤として、例えば、アミン系酸化防止剤が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、アニリン・アセトン縮合生成物(一般名RD)、p−フェネジン・アセトン縮合生成物(一般名AW)、ジフェニルアミン・アセトン縮合生成物(一般名BLE)などのアミン・ケトン縮合生成物;芳香族第二級アミン;等が挙げられる。
芳香族第二級アミンとしては、具体的には、例えば、オクチル化ジフェニルアミン(一般名AD)、アルキル化ジフェニルアミン(一般名ODA)、4,4′−ビス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(一般名CD)、フェニル−α−ナフチルアミン(一般名PA)などのジアリールアミン系化合物;ジフェニル−p−フェニレンジアミン(一般名DP)、混合ジアリール−p−フェニレンアミン(一般名TP、630)、ジナフチル−p−フェニレンジアミン(一般名White)などのジアリール−p−フェニレンジアミン系化合物;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(一般名BIONA、3C)、N−1,3−ジメチルブチル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(一般名6C)、N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(一般名G−1)、N−(メタクリロイル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのアルキル・アリール−p−フェニレンジアミン;等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、アニリン・アセトン縮合生成物(一般名RD)、p−フェネジン・アセトン縮合生成物(一般名AW)、ジフェニルアミン・アセトン縮合生成物(一般名BLE)などのアミン・ケトン縮合生成物;芳香族第二級アミン;等が挙げられる。
芳香族第二級アミンとしては、具体的には、例えば、オクチル化ジフェニルアミン(一般名AD)、アルキル化ジフェニルアミン(一般名ODA)、4,4′−ビス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(一般名CD)、フェニル−α−ナフチルアミン(一般名PA)などのジアリールアミン系化合物;ジフェニル−p−フェニレンジアミン(一般名DP)、混合ジアリール−p−フェニレンアミン(一般名TP、630)、ジナフチル−p−フェニレンジアミン(一般名White)などのジアリール−p−フェニレンジアミン系化合物;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(一般名BIONA、3C)、N−1,3−ジメチルブチル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(一般名6C)、N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(一般名G−1)、N−(メタクリロイル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのアルキル・アリール−p−フェニレンジアミン;等が挙げられる。
これらのうち、ラジカル捕捉機能に優れ、導電性の維持により優れるという観点から、ヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
なかでも、ポリフェノール型ラジカルトラップ剤がより好ましい。
上記酸化防止剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせても使用することができる。
なかでも、ポリフェノール型ラジカルトラップ剤がより好ましい。
上記酸化防止剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明においては、上記酸化防止剤を含有する場合の含有量は、上記バインダ樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部であるのが好ましく、1〜5質量部であるのがより好ましい。
上記酸化防止剤の含有量がこの範囲であると、帯電防止層の優れた導電性をより良好に維持することができる。
上記酸化防止剤の含有量がこの範囲であると、帯電防止層の優れた導電性をより良好に維持することができる。
本発明の組成物は、低粘度化でき、作業性を向上できる観点から、更に、溶媒を含有するのが好ましい。
上記溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、他の成分との相溶性および揮発性に優れる点からトルエン、MEKが好ましい。
上記溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、他の成分との相溶性および揮発性に優れる点からトルエン、MEKが好ましい。
上記溶媒の含有量は、本発明の組成物を塗布する際の作業性や、塗膜の性能(抵抗値、強度等)に応じて最適な膜厚にするために、自由に設定することができる。例えば、上記バインダ樹脂100質量部に対して、100〜100,000質量部とすることができる。
本発明の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤以外の酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤、分散剤、脱水剤、接着付与剤等の添加剤を含有することができる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上述したバインダ樹脂および酸ならびに所望により含有するラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤、溶剤および添加剤等を容器に投入し、混合し、撹拌することにより製造することができる。
混合し、撹拌する方法としては、一般的な羽根式の混合機、ホモジナイザー、スターラー等が挙げられる。
バインダ樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合は、予め溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させ、得られた溶液に酸、添加剤等を加えて混合する方法であるのが好ましい。
混合し、撹拌する方法としては、一般的な羽根式の混合機、ホモジナイザー、スターラー等が挙げられる。
バインダ樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合は、予め溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させ、得られた溶液に酸、添加剤等を加えて混合する方法であるのが好ましい。
本発明の第2の態様に係る帯電防止積層体(以下、「本発明の帯電防止積層体」ともいう。)は、基材と、上記基材上に設けられる帯電防止層と、上記帯電防止層上に設けられるトップコートとを有する帯電防止積層体であって、
上記帯電防止層が、導電ポリマーを含有し、
上記トップコートが、上述した本発明の組成物を用いて得られる帯電防止積層体である。
次に、基材、帯電防止層およびトップコートについて詳述する。
上記帯電防止層が、導電ポリマーを含有し、
上記トップコートが、上述した本発明の組成物を用いて得られる帯電防止積層体である。
次に、基材、帯電防止層およびトップコートについて詳述する。
(基材)
本発明の帯電防止積層体に使用される基材は、特に限定されない。
上記基材としては、例えば、フィルムが挙げられ、透明なフィルムが好ましい。具体的には、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン等のフィルムが挙げられる。
これらうち、透明性、フィルム剛性、帯電防止層との接着性に優れる観点からポリエステル系フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)がより好ましい。
本発明の帯電防止積層体に使用される基材は、特に限定されない。
上記基材としては、例えば、フィルムが挙げられ、透明なフィルムが好ましい。具体的には、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン等のフィルムが挙げられる。
これらうち、透明性、フィルム剛性、帯電防止層との接着性に優れる観点からポリエステル系フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)がより好ましい。
(帯電防止層)
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層は、導電ポリマーを含有するものであれば特に限定されない。
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層は、導電ポリマーを含有するものであれば特に限定されない。
上記導電ポリマーは特に限定されず、その具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびこれらの誘導体等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、導電性の維持により優れるという理由から、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体が好ましい。
また、上記導電ポリマーの製造は特に限定されず、例えば、従来公知の方法により製造することができる。
これらのうち、導電性の維持により優れるという理由から、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体が好ましい。
また、上記導電ポリマーの製造は特に限定されず、例えば、従来公知の方法により製造することができる。
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層は、透明性、環境変化に対する抵抗安定性の観点から、ドープ接合導電ポリマーを含有するのが好ましい。
上記ドープ接合導電ポリマーは、ドーパントが結合している導電ポリマーである。
上記ドープ接合導電ポリマーの基本骨格としての導電ポリマーは特に限定されず、その具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびこれらの誘導体等が挙げられる。
これらのうち、合成時の取扱の易しさ、安価である理由から、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体が好ましい。以下、ポリアニリンとポリアニリンの誘導体とを合わせて「ポリアニリン類」ということがある。
また、上記ドープ接合導電ポリマーがポリアニリン類である場合、バインダ樹脂に均一に分散することができ、乾燥後の電気抵抗を低くすることができる。
上記ドープ接合導電ポリマーは、ドーパントが結合している導電ポリマーである。
上記ドープ接合導電ポリマーの基本骨格としての導電ポリマーは特に限定されず、その具体例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびこれらの誘導体等が挙げられる。
これらのうち、合成時の取扱の易しさ、安価である理由から、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体が好ましい。以下、ポリアニリンとポリアニリンの誘導体とを合わせて「ポリアニリン類」ということがある。
また、上記ドープ接合導電ポリマーがポリアニリン類である場合、バインダ樹脂に均一に分散することができ、乾燥後の電気抵抗を低くすることができる。
上記ドープ接合導電ポリマーの製造は特に限定されない。
以下に上記ドープ接合導電ポリマーがポリアニリン類(以下これを「ドープ接合ポリアニリン」ということがある。)である場合の製造方法について説明する。
上記ドープ接合ポリアニリンの製造方法としては、例えば、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水と、酸化剤とを含む混合液中で、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリンを得る方法が挙げられる。
具体的には、例えば、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水とを混合する混合工程と、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後、酸化剤を添加して撹拌し、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリンを得る重合工程とを具備する製造方法が挙げられる。
以下に上記ドープ接合導電ポリマーがポリアニリン類(以下これを「ドープ接合ポリアニリン」ということがある。)である場合の製造方法について説明する。
上記ドープ接合ポリアニリンの製造方法としては、例えば、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水と、酸化剤とを含む混合液中で、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリンを得る方法が挙げられる。
具体的には、例えば、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水とを混合する混合工程と、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後、酸化剤を添加して撹拌し、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリンを得る重合工程とを具備する製造方法が挙げられる。
まず、混合工程について説明する。
上記混合工程は、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水とを混合する工程である。混合方法は、上記の各成分の混合液を得ることができる方法であれば特に限定されない。
アニリンモノマーは、アニリン、アニリン誘導体またはこれらの混合物であり、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
上記混合工程は、アニリンモノマーと、ドーパントと、プロトン酸と、水とを混合する工程である。混合方法は、上記の各成分の混合液を得ることができる方法であれば特に限定されない。
アニリンモノマーは、アニリン、アニリン誘導体またはこれらの混合物であり、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
上記式(1)中、nは0〜5の整数を表す。
また、上記式(1)中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、カルボキシ基、ハロゲン基、シアノ基、ハロアルキル基、ニトロアルキル基またはシアノアルキル基であり、水素原子、アルキル基であるのが好ましい。複数のR1は、同一であっても異なっていてもよい。
また、上記式(1)中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、アルキルスルホニル基、カルボキシ基、ハロゲン基、シアノ基、ハロアルキル基、ニトロアルキル基またはシアノアルキル基であり、水素原子、アルキル基であるのが好ましい。複数のR1は、同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)で表される化合物としては、具体的には、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、o−エチルアニリン、m−エチルアニリン、o−エトキシアニリン、m−ブチルアニリン、m−ヘキシルアニリン、m−オクチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、o−シアノアニリン、2,5−ジクロロアニリン、2−ブロモアニリン、5−クロロ−2−メトキシアニリン、3−フェノキシアニリン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニリンモノマーの他に、更に他のモノマーを本発明の目的を損なわない範囲で用いてもよい。
アニリンモノマーの他に、更に他のモノマーを本発明の目的を損なわない範囲で用いてもよい。
上記ドープ接合導電ポリマーの製造の際に使用されるドーパントは特に限定されない。
上記ドーパントとしては、具体的には、例えば、スルホコハク酸;アルキルベンゼンスルホン酸;アルキルナフタレンスルホン酸;ヨウ素、臭素、塩素、ヨウ素などのハロゲン化合物;硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸などのプロトン酸;これらプロトン酸の各種塩;三塩化アルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモンなどのルイス酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、ポリエチレンカルボン酸、ギ酸、安息香酸などの有機カルボン酸;これら有機カルボン酸の各種塩;フェノール、ニトロフェノール、シアノフェノールなどのフェノール類;これらフェノール類の各種塩;ベンゼンスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アルキルスルホン酸(例えば、ドデシルスルホン酸等)、樟脳スルホン酸、銅フタロシアニンテトラスルホン酸、ポルフィリンテトラスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸縮合物などの有機スルホン酸;これら有機スルホン酸の各種塩;ポリアクリル酸などの高分子酸;ポリエチレンオキシドドデシルエーテルリン酸エステル、ポリエチレンオキシドアルキルエーテルリン酸エステルなどのポリアルキレンオキシドリン酸エステル;これらリン酸エステルの各種塩;ラウリル硫酸エステル、セチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル、ラウリルエーテル硫酸エステルなどの硫酸エステル;これら硫酸エステルの各種塩;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ドーパントとしては、具体的には、例えば、スルホコハク酸;アルキルベンゼンスルホン酸;アルキルナフタレンスルホン酸;ヨウ素、臭素、塩素、ヨウ素などのハロゲン化合物;硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸などのプロトン酸;これらプロトン酸の各種塩;三塩化アルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモンなどのルイス酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、ポリエチレンカルボン酸、ギ酸、安息香酸などの有機カルボン酸;これら有機カルボン酸の各種塩;フェノール、ニトロフェノール、シアノフェノールなどのフェノール類;これらフェノール類の各種塩;ベンゼンスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、アルキルスルホン酸(例えば、ドデシルスルホン酸等)、樟脳スルホン酸、銅フタロシアニンテトラスルホン酸、ポルフィリンテトラスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ナフタレンスルホン酸縮合物などの有機スルホン酸;これら有機スルホン酸の各種塩;ポリアクリル酸などの高分子酸;ポリエチレンオキシドドデシルエーテルリン酸エステル、ポリエチレンオキシドアルキルエーテルリン酸エステルなどのポリアルキレンオキシドリン酸エステル;これらリン酸エステルの各種塩;ラウリル硫酸エステル、セチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル、ラウリルエーテル硫酸エステルなどの硫酸エステル;これら硫酸エステルの各種塩;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、バインダ樹脂(特に、ポリエステル樹脂)との相溶性に優れ、電気抵抗が低いドープ接合導電ポリマーを得ることができるという観点から、スルホコハク酸と、アルキルベンゼンスルホン酸および/またはアルキルナフタレンスルホン酸との併用が好ましい。特に、導電性に優れる点からスルホコハク酸およびアルキルナフタレンスルホン酸からなるのが好ましい。
上記式(2)中、R2およびR3は、それぞれ、アルキル基であり、炭素数は4〜20のアルキル基が好ましく、入手容易性から炭素数6〜12のアルキル基がより好ましい。
スルホコハク酸としては、スルホコハク酸塩(例えば、ナトリウム塩)の形で市販されているものも用いることができる。
スルホコハク酸としては、スルホコハク酸塩(例えば、ナトリウム塩)の形で市販されているものも用いることができる。
上記式(3)中、R4は、炭素数1〜20のアルキル基であり、一般的には炭素数10〜14のアルキル基を持つアルキルベンゼンスルホン酸およびその塩が市販されている。価格面等から最も一般的なドデシル基が好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。ドデシルベンゼンスルホン酸には、直鎖型と分岐型があるがどちらでも同じように用いることができる。ドデシルベンゼンスルホン酸としては、スルホン酸塩の形で市販されているものも用いることができる。
上記式(4)中、R5は、炭素数1〜20のアルキル基であり、炭素数2〜12のアルキル基が好ましく、入手が容易であることから炭素数4〜12のアルキル基がより好ましい。通常市販では、塩の形で扱われており、同様に使用可能である。
ドーパントの添加時におけるスルホコハク酸とアルキルベンゼンスルホン酸および/またはアルキルナフタレンスルホン酸とのモル比(スルホコハク酸/アルキルベンゼンスルホン酸とアルキルナフタレンスルホン酸の合計)は、ドープ接合導電ポリマーとバインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)との混合性および電気抵抗のバランスに優れる理由から、10/90〜90/10であるのが好ましく、20/80〜80/20であるのがより好ましく、30/70〜50/50であるのが更に好ましい。
上記ドーパントの含有量は、アニリンモノマーとドーパントとのモル比(アニリンモノマー/ドーパント)が、100/20〜100/200となる量であるのが好ましく、100/40〜100/100となる量であるのがより好ましい。ドーパントの含有量がこの範囲である場合導電性に優れ(表面抵抗値が小さくなる。)、バインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)との混合性に優れる。
上記ドープ接合導電ポリマーの製造の際に使用されるプロトン酸としては、ポリアニリンの製造に用いることのできるプロトン酸であれば特に限定されない。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、m−ニトロ安息香酸、トリクロロ酢酸等の有機酸;ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸等のポリマー酸等が挙げられる。
ポリアニリンの合成は酸性側で進行することから、プロトン酸の添加量は、上記混合液がpH0〜4となる量であるのが好ましい。
ポリアニリンの合成は酸性側で進行することから、プロトン酸の添加量は、上記混合液がpH0〜4となる量であるのが好ましい。
次に、重合工程について説明する。
上記重合工程は、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後、酸化剤を添加して撹拌し、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリン(ドープ接合ポリアニリン)を得る工程である。
重合工程において、常温下のような比較的高い温度でも重合を行うことができるが、反応が早く、ゲル粒等が生じやすいので、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後に重合を行うのが好ましい。重合時間は、特に限定されないが、例えば、上記の温度範囲で5〜48時間程度重合を行うことが好ましい。
冷却方法は、特に限定されず、例えば、通常のウォーターバスにエチレングリコール等を加えれば、0℃以下の冷却も可能となる。
上記重合工程は、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後、酸化剤を添加して撹拌し、アニリンモノマーを重合させて、ドーパントによってドープ接合されているポリアニリン(ドープ接合ポリアニリン)を得る工程である。
重合工程において、常温下のような比較的高い温度でも重合を行うことができるが、反応が早く、ゲル粒等が生じやすいので、混合工程で得られた混合液を−20〜5℃にした後に重合を行うのが好ましい。重合時間は、特に限定されないが、例えば、上記の温度範囲で5〜48時間程度重合を行うことが好ましい。
冷却方法は、特に限定されず、例えば、通常のウォーターバスにエチレングリコール等を加えれば、0℃以下の冷却も可能となる。
上記ドープ接合導電ポリマーの製造の際に使用される酸化剤は、ポリアニリンの製造に用いることのできる酸化剤であれば特に限定されない。例えば、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、第二塩化鉄等が挙げられる。
上記酸化剤の添加量は、アニリンモノマー1モルに対して0.5〜1.5モルが好ましい。
上記酸化剤の添加量は、アニリンモノマー1モルに対して0.5〜1.5モルが好ましい。
上記ドープ接合導電ポリマーの製造方法は、上記重合工程の後に、更に、洗浄工程を具備するのが好ましい態様である。洗浄によって、酸化剤の残渣、余分のプロトン酸、ドーパントを流し、ドープ接合導電ポリマーを精製することができる。洗浄工程は、公知の方法によって行うことができる。例えば、重合終了後、メタノールやアセトンを加えて、ポリアニリンを析出し、ろ過する方法等が挙げられる。
以上の製造方法によってドープ接合導電ポリマーを製造することができる。
上記のようにドーパントの存在下でモノマーを重合して得られたドープ接合導電ポリマーはバインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)に均一に分散させることができるので好ましい。
以上の製造方法によってドープ接合導電ポリマーを製造することができる。
上記のようにドーパントの存在下でモノマーを重合して得られたドープ接合導電ポリマーはバインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)に均一に分散させることができるので好ましい。
上記ドープ接合導電ポリマーがドープ接合されていない状態の重量平均分子量は、電気抵抗を低くできる(導電性を向上できる)理由から、50,000以上であるのが好ましい。また、電気抵抗を低くできかつバインダ樹脂との混合性に優れる理由から、上記ドープ接合導電ポリマーのドープ接合されていない状態の重量平均分子量は、50,000〜1,000,000であるのがより好ましく、100,000〜300,000であるのが更に好ましい。
なお、本明細書において、ドープ接合していない状態のドープ接合導電ポリマーの重量平均分子量は、製造したドープ接合導電ポリマーをジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、アンモニア水を加えて脱ドープした後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、ドープ接合していない状態のポリアニリンの重量平均分子量をUV検出器で測定、算出した。標準試料としてはポリスチレンを使用した。
上記ドープ接合導電ポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、導電ポリマーとドープ接合導電ポリマーとを併用することができる。
なお、本明細書において、ドープ接合していない状態のドープ接合導電ポリマーの重量平均分子量は、製造したドープ接合導電ポリマーをジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、アンモニア水を加えて脱ドープした後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、ドープ接合していない状態のポリアニリンの重量平均分子量をUV検出器で測定、算出した。標準試料としてはポリスチレンを使用した。
上記ドープ接合導電ポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、導電ポリマーとドープ接合導電ポリマーとを併用することができる。
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層は、透明性、環境変化に対する抵抗安定性の観点から、ドープ接合導電ポリマーに換えてまたは共にドーパントを含有するのが好ましい。
上記ドーパントは特に限定されず、上記ドープ接合導電ポリマーの製造の際に使用されるものと同義のものが挙げられる。
なかでも、導電性の維持により優れ、バインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)との相溶性に優れ、電気抵抗が低くなり導電性に優れるという理由から、スルホコハク酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸が好ましく、スルホコハク酸とアルキルベンゼンスルホン酸および/またはアルキルナフタレンスルホン酸との併用がより好ましい。ドーパントはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、ドーパントは導電ポリマーに対して使用される。ドーパントの含有量は、導電性に優れるという理由から、導電ポリマー100質量部に対して、20〜200質量部であるのが好ましく、40〜100質量部であるのがより好ましい。
またドーパントはドープ接合導電ポリマーに対して使用することができる。
上記ドーパントは特に限定されず、上記ドープ接合導電ポリマーの製造の際に使用されるものと同義のものが挙げられる。
なかでも、導電性の維持により優れ、バインダ樹脂(特にポリエステル樹脂)との相溶性に優れ、電気抵抗が低くなり導電性に優れるという理由から、スルホコハク酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸が好ましく、スルホコハク酸とアルキルベンゼンスルホン酸および/またはアルキルナフタレンスルホン酸との併用がより好ましい。ドーパントはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、ドーパントは導電ポリマーに対して使用される。ドーパントの含有量は、導電性に優れるという理由から、導電ポリマー100質量部に対して、20〜200質量部であるのが好ましく、40〜100質量部であるのがより好ましい。
またドーパントはドープ接合導電ポリマーに対して使用することができる。
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層は、優れた導電性をより良好に維持する観点から、リン酸エステル化合物を含有するのが好ましい。
上記リン酸エステル化合物は、上述した本発明の組成物に使用されるものと同義のものが挙げられる。
上記リン酸エステル化合物は、上述した本発明の組成物に使用されるものと同義のものが挙げられる。
上記リン酸エステル化合物の含有量は、導電ポリマー、ドーパントおよびドープ接合導電ポリマーの合計量/リン酸エステル化合物の質量比が、導電性の維持により優れるという理由から、100/5〜100/500であるのが好ましく、100/10〜100/200であるのがより好ましい。
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層は、優れた導電性をより良好に維持する観点から、ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤を含有するのが好ましい。
上記ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤は、上述した本発明の組成物に所望により使用されるものと同義のものが挙げられる。
上記ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤は、上述した本発明の組成物に所望により使用されるものと同義のものが挙げられる。
上記ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤の含有量は、導電ポリマー、ドーパントおよびドープ接合導電ポリマーの合計量/酸化防止剤の質量比が、導電性の維持により優れるという観点から、100/1〜100/10であるのが好ましく、100/2〜100/5であるのがより好ましい。
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層は、基材への接着性を高める観点から、バインダ樹脂を含有するのが好ましい。
上記バインダ樹脂は、上述した本発明の組成物に使用されるものと同義のものが挙げられる。なかでも、基材に使用されるPETフィルムへの接着性、および、ドープ結合含有導電ポリマーとの相溶性の観点から、非結晶性ポリエステル樹脂またはポリアクリル樹脂を使用することが好ましい。
上記バインダ樹脂は、上述した本発明の組成物に使用されるものと同義のものが挙げられる。なかでも、基材に使用されるPETフィルムへの接着性、および、ドープ結合含有導電ポリマーとの相溶性の観点から、非結晶性ポリエステル樹脂またはポリアクリル樹脂を使用することが好ましい。
上記バインダ樹脂の含有量は、基材への接着性に優れ、導電性の維持により優れるという観点から、導電ポリマー、ドーパントおよびドープ接合導電ポリマーの合計量/バインダ樹脂の質量比が、100/2,000〜100/50であるのが好ましく、100/1,000〜100/100であるのがより好ましい。
本発明においては、上述した導電ポリマー、ドーパント、ドープ接合導電ポリマー、リン酸エステル化合物、ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤およびバインダー等を含有する帯電防止塗料を用いて帯電防止層を形成するのが好ましい。
上記帯電防止塗料は、低粘度化でき、作業性を向上できる点から、更に、溶媒を含有するのが好ましい。
上記溶媒としては、上述した本発明の組成物に使用されるものと同義のものが挙げられる。
上記溶媒としては、上述した本発明の組成物に使用されるものと同義のものが挙げられる。
上記溶媒の含有量は、帯電防止塗料を塗布する際の作業性や、塗膜の性能(抵抗値、強度等)に応じて最適な膜厚にするために、自由に設定することができる。例えば、バインダ樹脂100質量部に対する溶媒の量を100〜100,000質量部とすることができる。
また、上記帯電防止塗料は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、ラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤以外の酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤、分散剤、脱水剤、接着付与剤等の添加剤を含有することができる。
更に、上記帯電防止塗料の製造方法は特に限定されず、例えば、バインダ樹脂を予め溶媒に溶解または分散させてバインダ樹脂溶液とし、得られたバインダ樹脂溶液に、導電ポリマーおよびドーパント、またはドープ接合導電ポリマーと、リン酸エステル化合物および/またはラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤と、必要に応じて使用することができる添加剤と加えて混合することによって製造することができる。
本発明の帯電防止積層体に使用される帯電防止層の表面抵抗は、1×104〜1×1012Ω/□であるのが好ましく、1×106〜1×1010Ω/□であるのがより好ましい。
本発明において表面抵抗は、抵抗測定器(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスタIPとHRプローブ)を用いて測定された。
本発明において表面抵抗は、抵抗測定器(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスタIPとHRプローブ)を用いて測定された。
(トップコート)
本発明の帯電防止積層体に使用されるトップコートは、本発明の組成物を用いて形成されるものであれば特に限定されない。
本発明の帯電防止積層体に使用されるトップコートは、本発明の組成物を用いて形成されるものであれば特に限定されない。
本発明の帯電防止積層体の製造方法としては、例えば、基材上に帯電防止塗料を塗布する塗布工程と、基材上に塗布された帯電防止塗料を乾燥させて帯電防止層を得る乾燥工程と、帯電防止層の上に本発明の組成物を塗布する工程と、帯電防止層上に塗布された本発明の組成物を乾燥させてトップコートを得る乾燥工程とを有するもの等が挙げられる。
上記塗布工程において、帯電防止塗料または本発明の組成物を塗布する方法としては、具体的には、例えば、スピンコート法、グラビア印刷、スクリーン印刷、ハケ塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤバー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法等が挙げられる。
本発明においてスピンコートを採用する場合、1分間当りの回転数を2,000回転と設定し、20秒間回転させるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明においてスピンコートを採用する場合、1分間当りの回転数を2,000回転と設定し、20秒間回転させるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
また、上記乾燥工程における乾燥温度は、80〜100℃であるのが好ましい。
帯電防止層の厚さは、価格、製造スピードの観点から、0.01μm〜2mmであるのが好ましく、0.05μm〜0.5μmであるのがより好ましい。
また、トップコートの厚さは、帯電防止層の傷付きの防止や表面抵抗の観点から、0.01〜2μmであるのが好ましく、0.05〜0.5μmであるのがより好ましい。
帯電防止層の厚さは、価格、製造スピードの観点から、0.01μm〜2mmであるのが好ましく、0.05μm〜0.5μmであるのがより好ましい。
また、トップコートの厚さは、帯電防止層の傷付きの防止や表面抵抗の観点から、0.01〜2μmであるのが好ましく、0.05〜0.5μmであるのがより好ましい。
本発明の帯電防止積層体について添付の図面を用いて以下に説明する。なお、本発明は添付の図面に制限されない。
図1は、本発明の帯電防止積層体の一例の断面を模式的に示す。
図1において、帯電防止積層体100は、基材101と、基材101の上の帯電防止層103と、帯電防止層103上のトップコート107とを有する。
また、図1に示すように、帯電防止積層体100は、帯電防止層103の反対側に粘着層111を有することができる。
図1は、本発明の帯電防止積層体の一例の断面を模式的に示す。
図1において、帯電防止積層体100は、基材101と、基材101の上の帯電防止層103と、帯電防止層103上のトップコート107とを有する。
また、図1に示すように、帯電防止積層体100は、帯電防止層103の反対側に粘着層111を有することができる。
図1には、トップコート107において、本発明の帯電防止積層体100が置かれる環境下における外因109からの影響を受けることが示されている。
トップコート107がない場合、外因109からの影響によって帯電防止層103が劣化することが導電性の経時的な低下の原因であると本願発明者らは推察している。また帯電防止層103が薄くなると、帯電防止層103全体が外因109からの影響を受け帯電防止層103が劣化しやすくなると考えられる。
外因としては、例えば、アンモニウムイオンのようなイオン性不純物、酸素ラジカルのようなラジカルが挙げられる。
トップコート107がない場合、外因109からの影響によって帯電防止層103が劣化することが導電性の経時的な低下の原因であると本願発明者らは推察している。また帯電防止層103が薄くなると、帯電防止層103全体が外因109からの影響を受け帯電防止層103が劣化しやすくなると考えられる。
外因としては、例えば、アンモニウムイオンのようなイオン性不純物、酸素ラジカルのようなラジカルが挙げられる。
導電ポリマーは、ポリマーにドーパントが接合することによってラジカルを発生し、その移動で導電性を示す。この導電ポリマーを主成分とした帯電防止積層体が置かれる環境は、一般的な場所であり、空気中の酸素や各種不純物が存在している。帯電防止層の劣化のメカニズムは、導電ポリマーのラジカルが酸素ラジカルと結合して、消失してしまうこと、また、空気中の微量のアンモニウムイオンなどの塩基性イオンと酸素を有するドーパントが結合し、脱ドープしてしまうことに起因すると推察している。特に、帯電防止層の厚みが薄いときには外因の影響を受けやすくなるため、劣化防止対策が必要となる。
なお、上記のメカニズムは本願発明者らの推察であり、異なるメカニズムであっても本発明の範囲内である。
なお、上記のメカニズムは本願発明者らの推察であり、異なるメカニズムであっても本発明の範囲内である。
これに対して、本発明の帯電防止積層体は、酸および/またはラジカル捕捉機能を有する酸化防止剤を含有するトップコートを有することによって、帯電防止層の厚さを0.1μm以下と薄くする場合も導電性が経時的に失活することはなく導電性の維持に優れる。
本発明の帯電防止積層体は、例えば、電子部品、電子材料等の包装材、保護フィルム;医療機関、クリーンルーム等の埃の存在が問題とされる場所等で使用される化粧材またはカーテン等の内装材;家電製品のハウジング等として好適に使用される。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.ドープ接合導電ポリマーの製造(合成例1)
第1表に示す配合1の各成分を同表に示す量(質量部)500mlのフラスコに入れて混合した。この混合液をウォーターバス内で0℃に冷却した後、配合2(過硫酸アンモニウム2.7質量部と水20質量部との混合液)を加えて撹拌し、12時間酸化重合させた。
次に、メタノールを加えてポリアニリンを析出させ、ろ過して得られた固体を多量の蒸留水によって洗浄し、ドープ接合導電ポリマーとしてのスルホン酸基が接合したポリアニリンを得た。得られたポリアニリンをトルエンに分散し、スルホン酸基が接合したポリアニリンを5質量%含む分散液を製造した。得られた分散液をドープ接合導電ポリマー分散液とする。
第1表に示す配合1の各成分を同表に示す量(質量部)500mlのフラスコに入れて混合した。この混合液をウォーターバス内で0℃に冷却した後、配合2(過硫酸アンモニウム2.7質量部と水20質量部との混合液)を加えて撹拌し、12時間酸化重合させた。
次に、メタノールを加えてポリアニリンを析出させ、ろ過して得られた固体を多量の蒸留水によって洗浄し、ドープ接合導電ポリマーとしてのスルホン酸基が接合したポリアニリンを得た。得られたポリアニリンをトルエンに分散し、スルホン酸基が接合したポリアニリンを5質量%含む分散液を製造した。得られた分散液をドープ接合導電ポリマー分散液とする。
また、得られたドープ接合導電ポリマー分散液を0.1g取り、ジメチルホルムアミド10gに溶解させた後、0.1%アンモニア水2滴を加えて脱ドープさせた。その後、フィルタでろ過したポリアニリンをGPCにより重量平均分子量を測定した。
第1表に示す各成分は下記のとおりである。
・アニリンモノマー:試薬、関東化学社製
・スルホコハク酸ナトリウム:ジ−2−エチルへキシルスルホコハク酸ナトリウム、リパール860K、ライオンアクゾ社製、固形分35質量%
・ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム:ペレックスNBL、花王社製、固形分35質量%
・塩酸:試薬、アルドリッチ社製、6N塩酸
・過硫酸アンモニウム:試薬、アルドリッチ社製
・アニリンモノマー:試薬、関東化学社製
・スルホコハク酸ナトリウム:ジ−2−エチルへキシルスルホコハク酸ナトリウム、リパール860K、ライオンアクゾ社製、固形分35質量%
・ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム:ペレックスNBL、花王社製、固形分35質量%
・塩酸:試薬、アルドリッチ社製、6N塩酸
・過硫酸アンモニウム:試薬、アルドリッチ社製
2.帯電防止塗料の調製
第2表に示す成分を同表に示す量(質量部)で用いて均一に混合し、帯電防止塗料を調製した。
第2表に示す成分を同表に示す量(質量部)で用いて均一に混合し、帯電防止塗料を調製した。
第2表に示す各成分は下記のとおりである。
・バインダ樹脂溶液:非晶性ポリエステル樹脂(バイロン240、東洋紡績社製)30質量部をメチルエチルケトン70質量部に溶解または分散させて得た溶液
・バインダ樹脂溶液:非晶性ポリエステル樹脂(バイロン240、東洋紡績社製)30質量部をメチルエチルケトン70質量部に溶解または分散させて得た溶液
3.トップコート用組成物の調製
第3表に示す成分を同表に示す量(質量部)で用いて均一に混合し、トップコート用組成物を調製した。
第3表に示す成分を同表に示す量(質量部)で用いて均一に混合し、トップコート用組成物を調製した。
4.帯電防止積層体の製造(実施例1〜7、比較例1および2)
PETフィルム(厚さ25μm)をスピンコータに設置し、上記で調製した帯電防止塗料1.0gをPETフィルム上に付与し、スピンコータを1分間当たり2,000回転の設定で20秒間回転させて、帯電防止塗料をPETフィルムに塗布し、帯電防止塗料の塗膜(帯電防止層)を有するフィルムを得た。
次いで、上記で調製したトップコート用組成物1.0gを帯電防止層上に付与し、スピンコータを1分間当たり2,000回転の設定で20秒間回転させて、トップコートを有する帯電防止積層体を得た。
なお、比較例1は、トップコート用組成物を付与しない態様の実験例である。
PETフィルム(厚さ25μm)をスピンコータに設置し、上記で調製した帯電防止塗料1.0gをPETフィルム上に付与し、スピンコータを1分間当たり2,000回転の設定で20秒間回転させて、帯電防止塗料をPETフィルムに塗布し、帯電防止塗料の塗膜(帯電防止層)を有するフィルムを得た。
次いで、上記で調製したトップコート用組成物1.0gを帯電防止層上に付与し、スピンコータを1分間当たり2,000回転の設定で20秒間回転させて、トップコートを有する帯電防止積層体を得た。
なお、比較例1は、トップコート用組成物を付与しない態様の実験例である。
5.評価
得られた帯電防止積層体について、以下に示す評価方法により外観、全光透過率、表面抵抗および耐性を評価した。結果を第3表に示す。
得られた帯電防止積層体について、以下に示す評価方法により外観、全光透過率、表面抵抗および耐性を評価した。結果を第3表に示す。
(1)外観
得られた帯電防止積層体を目視にて観察し、塗膜が透明で均一に塗布されているものを「○」、塗膜は均一であるがくもりのあるものを「△」とした。
得られた帯電防止積層体を目視にて観察し、塗膜が透明で均一に塗布されているものを「○」、塗膜は均一であるがくもりのあるものを「△」とした。
(2)全光透過率
得られた帯電防止積層体について、ヘーズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)により全光透過率を求めた。
全光透過率が70%以上であると実用範囲であると評価できる。
得られた帯電防止積層体について、ヘーズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)により全光透過率を求めた。
全光透過率が70%以上であると実用範囲であると評価できる。
(3)表面抵抗
得られた帯電防止積層体について、抵抗測定器(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスタIPとHRプローブ)を用い、25℃、50%RHの条件下において100Vにおける帯電防止層の表面抵抗を測定した。得られた表面抵抗値を表面抵抗1とする。
また、得られた帯電防止積層体を2週間放置した後の帯電防止層の表面抵抗を上記と同様に測定した。得られた表面抵抗値を表面抵抗2とする。
得られた表面抵抗値1、2の対数を取り、対数の差を抵抗値差として示した。
抵抗値差の評価基準は抵抗値差が1乗以内の場合、導電性の維持が良好であるとした。
得られた帯電防止積層体について、抵抗測定器(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスタIPとHRプローブ)を用い、25℃、50%RHの条件下において100Vにおける帯電防止層の表面抵抗を測定した。得られた表面抵抗値を表面抵抗1とする。
また、得られた帯電防止積層体を2週間放置した後の帯電防止層の表面抵抗を上記と同様に測定した。得られた表面抵抗値を表面抵抗2とする。
得られた表面抵抗値1、2の対数を取り、対数の差を抵抗値差として示した。
抵抗値差の評価基準は抵抗値差が1乗以内の場合、導電性の維持が良好であるとした。
(4)耐性
得られた帯電防止積層体の表面を、エタノールを含ませた脱脂綿で3回往復し、乾燥後の外観で評価した。
その結果、表面に変化がないものを耐性に優れるものとして「○」と評価し、表面が白化するもの耐性にやや劣るが実用上問題がないものとして「△」と評価し、表面が溶解して脱脂綿に付着するものを耐性に劣るものとして「×」と評価した。
得られた帯電防止積層体の表面を、エタノールを含ませた脱脂綿で3回往復し、乾燥後の外観で評価した。
その結果、表面に変化がないものを耐性に優れるものとして「○」と評価し、表面が白化するもの耐性にやや劣るが実用上問題がないものとして「△」と評価し、表面が溶解して脱脂綿に付着するものを耐性に劣るものとして「×」と評価した。
第3表に示す成分の詳細は以下のとおりである。
・バインダ樹脂溶液A:環状オレフィン(アートン、JSR社製)30質量部をトルエン70質量部に溶解または分散させて得た溶液
・バインダ樹脂溶液B−主剤:アクリル樹脂(A−808、固形分:50%、アクリディック社製)
・バインダ樹脂溶液B−硬化剤:イソシアネート化合物(コロネートL、固形分:75%、日本ポリエレタン社製)
・メチルエチルケトン:試薬、関東化学社製
・トルエン:試薬、関東化学社製
・リン酸メチル:試薬、アルドリッチ社製
・リン酸ジブチル:JP−504A、城北化学工業社製
・リン酸2エチルヘキシル:JP−508、城北化学社製
・無水マレイン酸:試薬、アルドリッチ社製
・バインダ樹脂溶液A:環状オレフィン(アートン、JSR社製)30質量部をトルエン70質量部に溶解または分散させて得た溶液
・バインダ樹脂溶液B−主剤:アクリル樹脂(A−808、固形分:50%、アクリディック社製)
・バインダ樹脂溶液B−硬化剤:イソシアネート化合物(コロネートL、固形分:75%、日本ポリエレタン社製)
・メチルエチルケトン:試薬、関東化学社製
・トルエン:試薬、関東化学社製
・リン酸メチル:試薬、アルドリッチ社製
・リン酸ジブチル:JP−504A、城北化学工業社製
・リン酸2エチルヘキシル:JP−508、城北化学社製
・無水マレイン酸:試薬、アルドリッチ社製
第3表に示す結果から明らかなように、トップコートを有しない比較例1および酸を含有しないトップコート用組成物を用いた比較例2は導電性の維持に劣ることが分かった。
一方、酸を含有するトップコート用組成物を用いた実施例1〜7は、表面抵抗が低く、初期の表面抵抗に対する2週間後の表面抵抗の増加が小さく導電性に維持に優れることが分かり、全光透過率および耐性についても実用上問題がないことが分かった。
一方、酸を含有するトップコート用組成物を用いた実施例1〜7は、表面抵抗が低く、初期の表面抵抗に対する2週間後の表面抵抗の増加が小さく導電性に維持に優れることが分かり、全光透過率および耐性についても実用上問題がないことが分かった。
100 帯電防止積層体
101 基材
103 帯電防止層
107 トップコート
109 外因
111 粘着層
101 基材
103 帯電防止層
107 トップコート
109 外因
111 粘着層
Claims (5)
- バインダ樹脂と酸とを含有するトップコート用組成物。
- 前記酸の含有量が、前記バインダ樹脂100質量部に対して2〜30質量部である請求項1に記載のトップコート用組成物。
- 前記酸が、下記式(I)で表されるリン酸エステル化合物である請求項1または2に記載のトップコート用組成物。
(CnH2n+1O)mP(O)(OH)3-m ・・・ (I)
(式中、nは1〜24の整数であり、mは1または2である。) - 前記nが、1〜4の整数である請求項3に記載のトップコート用組成物。
- 基材と、前記基材上に設けられる帯電防止層と、前記帯電防止層上に設けられるトップコートとを有する帯電防止積層体であって、
前記帯電防止層が、導電ポリマーを含有し、
前記トップコートが、請求項1〜4のいずれかに記載のトップコート用組成物を用いて得られる帯電防止積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009148637A JP2011006510A (ja) | 2009-06-23 | 2009-06-23 | トップコート用組成物およびこれを用いる帯電防止積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013237481A (ja) * | 2012-05-17 | 2013-11-28 | Achilles Corp | カバーテープ |
JP2017040921A (ja) * | 2013-01-31 | 2017-02-23 | 日東電工株式会社 | 赤外線反射フィルム |
US10288782B2 (en) | 2013-01-31 | 2019-05-14 | Nitto Denko Corporation | Infrared reflective film |
JP2019527152A (ja) * | 2016-06-30 | 2019-09-26 | コーロン インダストリーズ インク | ポリエステル多層フィルム |
JP2021048044A (ja) * | 2019-09-18 | 2021-03-25 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性フィルム及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-06-23 JP JP2009148637A patent/JP2011006510A/ja not_active Withdrawn
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