JP2010133219A - オレフィン系床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄道車両のように、温度変化の激しい環境下においても、床との接着強度が十分で、寸法安定性に優れ、膨れや突き上げの発生しないオレフィン系床材を提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂組成物からなる床材1であって、オレフィン系樹脂を含有してなる表面樹脂層2と、前記表面樹脂層の下面に印刷層4が積層されると共に、該印刷層の下面に接着剤層5を介してオレフィン系樹脂を含有してなる基材層3が積層一体化されてなり、前記表面樹脂層の引っ張り弾性率を70〜700MPaにし、基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下とすることにより、膨れ突き上げの現象を防いだ床材とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えばビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材等として用いられるオレフィン系床材に関する。
従来、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材としては、塩化ビニル樹脂(PVC)からなるものが多く採用されているが、このPVC製床材は、燃焼時に多量の発煙と共に塩化水素等の有毒ガスを発生することから防災上問題があり、また、焼却廃棄処理した場合には環境汚染をもたらすという問題もあることから、近年ではオレフィン系の床材が多く用いられるようになってきている。
このような床材には、通常、模様、図柄、文字等の意匠が印刷等により付与され、例えば、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層、印刷層、及びポリオレフィン系樹脂からなる表面層がこの順に積層されてなる積層シートの各層間を、反応性ホットメルト接着剤で接着した構成のオレフィン系床材が公知となっている。(特許文献1参照)
また、特許文献2では、オレフィン系樹脂を主成分とする、二層以上の積層構造を備えた床材であって、表面層にはワックスを均一に含有させ、裏面層には、無機充填材とロジンを均一に含有させるとともに、繊維層を埋設して繊維層を裏面層の下面に露出させた構成の床材を開示し、接着性及び寸法安定性が良好で、膨れや剥離の心配のないオレフィン系床材としている。
また、出願人は特許文献3として、耐摩耗性、耐汚染性、寸法安定性、施工性に優れたノンハロゲン系床材を出願している。
特開2000−229390号公報 特開平9−151595号公報 特開2002−52654号公報
しかしながら、これらの特許文献の床材では、鉄道車両のように、温度変化の激しい環境下においては、床材自身の熱膨張を床との接着強度によって抑えきれずに、使用しているうちに膨れや突き上げを生じたり、剥離を発現したりして、床材として十分なものといえるものではなかった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、床との接着強度が十分で、寸法安定性に優れ、温度変化の激しい環境下でも膨れや突き上げの発生しないオレフィン系床材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]オレフィン系樹脂組成物からなる床材であって、オレフィン系樹脂を含有してなる表面樹脂層と、前記表面樹脂層の下面に印刷層が積層されると共に、該印刷層の下面に接着剤層を介してオレフィン系樹脂を含有してなる基材層が積層一体化されてなり、前記表面樹脂層の引っ張り弾性率を70〜700MPaにし、前記基材層に鱗片状の無機物を添加し、前記基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下としたことを特徴とするオレフィン系床材。
[2]前記基材層は、前記印刷層に近い第1基材層と、第1基材層に積層する第2基材層の二層構造からなり、前記第1基材層は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第2基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層からなることを特徴とする前項1に記載のオレフィン系床材。
[3]前記基材層は、前記印刷層に近い第1基材層と、第1基材層に積層する第2基材層と、第2基材層に積層する第3基材層の三層構造からなり、前記第1基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとし、前記第2基材層は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第3基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層からなることを特徴とする前項1に記載のオレフィン系床材。
[4]前記鱗片状の無機物の添加量が基材層の樹脂重量100重量部に対して1〜20重量部添加したことを特徴とする前項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
[5]前記鱗片状の無機物が、ガラス及び/またはタルクの鱗片状の無機物であることを特徴とする前項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
[6]前記鱗片状の無機物の厚さは10μm以下で、長径が100〜600μmであることを特徴とする前項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
[7]前記オレフィン系床材の曲げ弾性率が200MPa以下であり、残留へこみ率が8.0%以下であることを特徴とする前項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
[8]前記基材層の最下層に繊維層を埋設し、該繊維層の少なくとも一部が基材層の最下層裏面に露出していることを特徴とする前項1〜7のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
[1]の発明では、オレフィン系樹脂組成物からなる床材であって、オレフィン系樹脂を含有してなる表面樹脂層と、前記表面樹脂層の下面に印刷層が積層されると共に、該印刷層の下面に接着剤層を介してオレフィン系樹脂を含有してなる基材層が積層一体化されてなり、前記表面樹脂層の引っ張り弾性率を70〜700MPaにし、前記基材層に鱗片状の無機物を添加し、前記基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下に制限することで、膨れの要因となる熱応力をさげることとなり、膨れや突き上げといった現象の発現が防止されたオレフィン系床材とすることができる。
[2]の発明では、前記基材層は前記印刷層に近い第1基材層と、第1基材層に積層する第2基材層の二層構造からなり、前記第1基材層は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、そして前記第2基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層とするので、第1基材層は、第2基材層より線膨張率が小さいので第2基材層が膨張して伸びるのを第1基材層の側面から妨げるので、膨れや突き上げ、反りの現象を防ぐことができる。さらに、鱗片状の無機物を添加する層を前記第1基材層に限るため、鱗片状の無機物の使用量を減らすことができ経済的である。
[3]の発明では、前記基材層は前記印刷層に近い第1基材層と、第1基材層に積層する第2基材層と、第2基材層に積層する第3基材層の三層構造からなり、前記第1基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとし、前記第2基材層は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第3基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層とするので、第1基材層と第3基材層より線膨張率が小さい第2基材層が、第1基材層と第3基材層が膨張して伸びるのを積層面の両面から妨げるので、膨れや突き上げ、反りの現象を防ぐことができる。さらに、鱗片状の無機物を添加する層を前記第2基材層に限るため、鱗片状の無機物の使用量を減らすことができ経済的である。
[4]の発明では、前記鱗片状の無機物の添加量が基材層の樹脂重量100重量部に対して1〜20重量部添加しているので、鱗片状の無機物が平面方向に配向し基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下にすることができ、温度変化に対して寸法安定性に優れた基材層となり、膨れや突き上げといった現象の発現が防止されたオレフィン系床材とすることができる。また、固く脆い基材層でなく、柔軟なオレフィン系床材を得ることができる。
[5]の発明では、前記鱗片状の無機物が、ガラス及び/またはタルクの鱗片状の無機物であるので、基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下にすることができ、温度変化に対して寸法安定性に優れた基材層とすることができる。
[6]の発明では、前記鱗片状の無機物の厚さは10μm以下で、長径が100〜600μmであるので、基材層の樹脂に混練しやすく、安定して基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下に確保でき、温度変化に対して寸法安定性に優れた基材層とすることができる。
[7]の発明では、前記オレフィン系床材の曲げ弾性率が200MPa以下であり、残留へこみ率が8.0%以下であるので、床材の施工性がよく、耐摩耗性やヒール等による耐残留へこみ性に優れたオレフィン系床材とすることができる。
[8]の発明では、前記基材層の最下層に繊維層を埋設し、該繊維層の少なくとも一部が基材層の最下層裏面に露出しているので、繊維層のアンカー効果により床との接着強度を増すことができ、使用中に膨れや突き上げといった床との接着強度の不足による不具合のないオレフィン系床材とすることができる。
この発明に係るオレフィン系床材の一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態のオレフィン系床材(1)は、オレフィン系樹脂を含有してなる表面樹脂層(2)の下面に印刷層(4)が積層されると共に、該印刷層(4)の下面に接着剤層(5)を介してオレフィン系樹脂を含有してなる基材層(3)が積層一体化された積層構造で、前記表面樹脂層(2)の引っ張り弾性率を70〜700MPaにし、前記基材層(3)に鱗片状の無機物を添加し、基材層(3)の線膨張率を5×10−5×K−1以下としたものである(図1参照)。
膨れや突き上げといった現象を説明すると、例えば温度変化の激しい鉄道車両の場合、床板であるアルミニウム板等の線膨張率に較べ樹脂製床材の線膨張率が非常に大きく、温度変化に伴ってアルミニウム板等より多く変形しようとし、樹脂製床材の周辺が金具等で固定されている場合には熱応力が発現する。該熱応力が、樹脂製床材と床板との接着力や樹脂製床材の自重を超えたときに、樹脂製床材が膨れ上がる
ことになり、膨れや突き上げといった現象が起こるものと考えられる。熱応力は引っ張り弾性率と、線膨張係数と、温度の変化量との積で近似的に示されるので、熱応力を少なくするためには、樹脂製床材の引っ張り弾性率と線膨張係数を下げればよいことになる。しかしながら、本発明の床材は、表面樹脂層と印刷層と接着剤層と基材層とからなっており、各層に引っ張り弾性率と線膨張係数の低い材料を使用すれば、熱応力の少ない床材を得られるものの、床材としての性能を確保できないことから、表面樹脂層の引っ張り弾性率を70〜700MPaに制限することと、基材層に鱗片状の無機物を添加して基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下とすることにより熱応力をおさえ、膨れや突き上げの現象を防ぐことができる。
さらに、図2においては、前記基材層(3)は、前記印刷層(4)に近い第1基材層(3−1)と、第1基材層(3−1)に積層する第2基材層(3−2)の二層構造からなり、前記第1基材層(3−1)は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、そして前記第2基材層(3−2)は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層とするので、第1基材層(3−1)は、第2基材層(3−2)より線膨張率が小さいので第2基材層(3−2)が膨張して伸びるのを妨げるので、膨れや突き上げ、反りの現象を防ぐことができる。
また、図3においては、前記基材層(3)は、前記印刷層(4)に近い第1基材層(3−2)と、第1基材層(3−2)に積層する第2基材層(3−1)と、第2基材層(3−1)に積層する第3基材層(3−3)の三層構造からなり、前記第1基材層(3−2)は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとし、前記第2基材層(3−1)は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第3基材層(3−3)は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層とするので、第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)より線膨張率が小さい第2基材層(3−1)が、第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)が膨張して伸びるのを積層面の両面から妨げるので、膨れや突き上げ、反りの現象を防ぐことができる。
前記表面樹脂層(2)はオレフィン系樹脂を含有してなる。このように表面樹脂層(2)がオレフィン系樹脂を含有しているので、床材(1)は表面における耐摩耗性、耐汚染性に優れたものとなる。但し該表面樹脂層の引っ張り弾性率が70〜700MPaに制限されるので、前記オレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、常にエラストマー系の樹脂を含む構成となる。この表面樹脂層(2)は、単層からなる構造であっても良いし、複数層が積層された積層構造であっても良い。例えば表層、中間層、下層の3層構造にして、摩耗や耐薬品性能に優れたPP(ポリプロピレン)を表層、下層に配置し、中間層にHSBR(水添スチレン−ブタジエン−ラバー)を用いた構造の表面樹脂層(2)を挙げることができる。但し該表面樹脂層(2)の引っ張り弾性率は、70〜700MPaに制限される。表面樹脂層の引っ張り弾性率が70MPa未満では、表面樹脂層が柔軟になりへこみ量が大きくなるので好ましくない。また、表面樹脂層の引っ張り弾性率が700MPaを超えても、膨れの要因となる熱応力が大きくなるので好ましくない。より好ましい表面樹脂層の引っ張り弾性率は、100〜500MPaである。
表面樹脂層(2)の厚さは、特に限定されないが、100〜1000μmに設定されるのが好ましい。100μm以上であることで十分な耐摩耗性が得られると共に1000μm以下であることで床材(1)の谷反り発生を効果的に防止することができる。
次に、前記印刷層(4)は、表面樹脂層(2)の下面に積層され、特に限定されないが、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、インクジェット印刷等の印刷手法によって形成されるものである。この印刷に用いられる印刷インキとしては、特に限定されるものではないが、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの合成樹脂に、顔料、染料、着色剤、充填剤等が添加混合されたもの等を例示できる。通常、溶剤などで希釈化されているものを用いる。
次に、前記印刷層(4)の下面に、前記接着剤層(5)を構成する接着剤としては、カルボン酸変性プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂及びカルボン酸変性プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体樹脂を含有し、かつカルボン酸変性プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂/カルボン酸変性プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体樹脂の質量比が55/45〜95/5の範囲である接着剤が好ましく用いられ、表面樹脂層(2)下面の印刷層(4)と基材層(3)とが十分な接着強度で接着一体化され、各層間で剥離することのないオレフィン系床材となる。
前記カルボン酸変性プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂としては、マレイン酸変性プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂を用いるのが好ましく、この場合には印刷層(4)と基材層(3)との接着強度をさらに向上させることができる。また、前記カルボン酸変性プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体樹脂としては、マレイン酸変性プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体樹脂を用いるのが好ましく、この場合には印刷層(4)と基材層(3)との接着強度をさらに向上させることができる。前記カルボン酸変性に用いられるカルボン酸としては、マレイン酸以外に、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸等を例示できる。
前記接着剤層(5)の付与量(目付量)は1〜10g/m(固形分)に設定されるのが好ましい。1g/m以上であることで十分な接着強度を確保できると共に10g/m以下であることで軽量性を維持できる。中でも、前記接着剤層(5)の付与量は2〜5g/m(固形分)に設定されるのが特に好ましい。また、前記接着剤層(5)の形成手法は、特に限定されるものではないが、例えば印刷法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法などが挙げられる。
前記基材層(3)はオレフィン系樹脂と鱗片状の無機物を含有してなる。前記オレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、無機物を樹脂中に混合し寸法安定性を得ることはよく知られる技術であるが、本発明では特に、平面方向に配向性があり、平面方向の線膨張率に影響の大きい鱗片状の無機物が好ましい。本発明では該基材層(3)の線膨張率は、5×10−5×K−1以下に制限される。5×10−5×K−1を超えると、膨れの要因となる熱応力が大きくなるので好ましくない。より好ましい基材層の線膨張率は、2×10−5×K−1以下であって、鱗片状の無機物や炭酸カルシウム等の充填材の配合量の調整で線膨張率を調整することができる。
さらに、前記基材層(3)は、単層からなる構造であっても良いし、複数層が積層された積層構造であっても良い。例えば、図2において、前記基材層(3)を前記印刷層(4)に近い第1基材層(3−1)と、第1基材層(3−1)に積層する第2基材層(3−2)の二層構造からなり、前記第1基材層(3−1)は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第2基材層(3−2)は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層を積層一体化するので、第1基材層(3−1)は、第2基材層(3−2)よりも線膨張率が小さく、第2基材層(3−2)が膨張し伸びるのを第1基材層(3−1)が妨げるので膨れや突き上げ、反りの現象を防ぐことができる。第1基材層(3−1)の線膨張率が5×10−5×K−1を超えると、第2基材層(3−2)の線膨張率が10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとしても、第1基材層(3−1)と第2基材層(3−2)との線膨張率の差が小さくなるので、第2基材層(3−2)が膨張するのを第1基材層(3−1)が妨げる力が弱くなり、反りが発生するので好ましくなく、第1基材層(3−1)の線膨張率が5×10−5×K−1を超え、かつ第2基材層(3−2)の線膨張率が12×10−5×K−1を超えると膨れの要因となる熱応力が大きくなるので好ましくない。
また、例えば、図3において、前記基材層(3)を前記印刷層(4)に近い第1基材層(3−2)と、第1基材層(3−2)に積層する第2基材層(3−1)と、第2基材層(3−1)に積層する第3基材層(3−3)の三層構造からなり、前記第1基材層(3−2)は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとし、前記第2基材層(3−1)は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第3基材層(3−3)は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層を積層一体化するので、第2基材層(3−1)は、第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)より線膨張率が小さく、第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)が膨張して伸びるのを積層面の両面から妨げるので膨れや突き上げ、反りの現象を防ぐことができる。第2基材層(3−1)の線膨張率が5×10−5×K−1を超えると、第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)の線膨張率が10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとしても、第2基材層(3−1)と第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)との線膨張率の差が小さくなるので、第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)が膨張するのを第2基材層(3−1)が妨げる力が弱くなり、反りが発生するので好ましくなく、第2基材層(3−1)の線膨張率が5×10−5×K−1を超え、かつ第1基材層(3−2)と第3基材層(3−3)との線膨張率が12×10−5×K−1を超えると膨れの要因となる熱応力が大きくなるので好ましくない。
なお、鱗片状の無機物を添加するときに、オレフィン系樹脂との密着性をよくするために、アミノシランで鱗片状の無機物の表面処理を施すことが好ましい。アミノシラン溶液に鱗片状の無機物を浸漬し、取り出した後110〜120℃の温度で5〜10分乾燥すればよい。
鱗片状の無機物としては、ガラス及び/またはタルクの鱗片状の無機物であるのが好ましい。中でも鱗片状のガラスは線膨張率が特に小さいので好ましい。また、前記鱗片状の無機物の添加量は、基材層の樹脂重量100重量部に対して1〜20重量部添加するのが好ましい。1重量部を下回る添加量では基材層(3)の線膨張率が大きくなり好ましくない。また、20重量部を上回る添加量では基材層(3)が、固く、脆くなり、床材として使用できないものとなってしまう。
また、鱗片状の無機物の形状としての厚さは10μm以下で、長径が100〜600μmであることが好ましい。厚さが10μmを超えると径と厚みとの比(アスペクト比)が小さくなり、目的の線膨張率が得られなくなるので好ましくない。また、鱗片状の無機物の長径が100μmを下回ると基材層(3)の線膨張率が5×10−5×K−1を超え、600μmを上回ると樹脂との混練時に砕けやすくなり好ましくない。
さらに別の形態として(図5参照)、基材層(3)を二層以上の積層構造とし、少なくとも一の層間にガラス繊維からなる布帛(ガラス繊維層3−6)が積層されている構成を挙げることができる。ガラス繊維は、熱に対する変化が特に少ない素材で、基材層(3)中に積層することによってさらに熱に対する挙動の安定した線膨張率の低い床材(1)とすることができる。ガラス繊維からなる布帛としては、織物、編物、不織布等特に限定されない。
前記基材層(3)は、単層からなる構造であっても良いし、複数層が積層された積層構造であっても良いし、前記基材層(3)における表面側の位置には隠蔽樹脂層(3−4)が設けられるのが好ましく、このような隠蔽樹脂層(3−4)が印刷層(4)の背面側に配置されることで、印刷層(4)の模様、図柄等が鮮明に且つコントラスト良く視認することができる。前記隠蔽樹脂層(3−4)としては、例えば、オレフィン系樹脂に着色顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤が混合された組成物からなる隠蔽樹脂層を例示できるが、特にこのような構成に限定されるものではない。(図4、5参照)
また、別の実施形態では(図4、5参照)、繊維層(3−5)として繊維層が前記基材層(3)に含浸された状態に積層されたものを挙げることができる。該繊維層(3−5)の繊維の少なくとも一部を基材層(3)の最下層裏面に露出させることで、繊維のアンカー効果により床との接着強度を増すことができる。繊維層(3−5)としては、織物、編物、不織布、あるいは繊維の種類等特に限定されないが、価格や基材層への含浸のしやすさからポリエステル織布が好ましく使用される。
前記基材層(3)の厚さは、特に限定されないが、1〜5mmに設定されるのが好ましい。1mm以上であることで寸法安定性が得られると共に、5mm以下であることで床材(1)としての軽量性を維持し良好なハンドリング性を確保することができる。さらに、前記基材層(3)の厚さは、特に限定されないが、床材(1)の総厚の60〜85%に設定されるのが好ましく、65〜75%に設定されるのがさらに好ましい。また、図2においては、第1基材層の厚さは、床材(1)の総厚の10〜25%に設定されるのが好ましく、15〜20%に設定されるのがさらに好ましい。第2基材層の厚さは、床材(1)の総厚の50〜60%に設定されるのが好ましく、53〜58%に設定されるのがさらに好ましい。図3においては、第1基材層の厚さは、床材(1)の総厚の5%以下に設定されるのが好ましく、3%以下に設定されるのがさらに好ましい。第2基材層の厚さは、床材(1)の総厚の10〜20%に設定されるのが好ましく、15〜17%に設定されるのがさらに好ましい。第3基材層の厚さは、床材(1)の総厚の50〜60%に設定されるのが好ましく、51〜 53%に設定されるのがさらに好ましい。このように設定することで、床材(1)の膨れや突き上げ、反りの発生を効果的に防止することができる。
なお、前記表面樹脂層(2)、基材層(3)および接着剤層(5)のいずれにも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、安定剤、光安定剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、充填剤等の各種添加剤を適宜含有せしめても良い。
この発明のオレフィン系床材(1)の厚さは、特に限定されないが、通常2〜5mmが一般的である。また、タイル状床材として構成しても良いし、シート状床材(例えば幅600〜2500mm程度の長尺シート等)として構成しても良く、特に限定されない。
また、本発明のオレフィン系床材(1)の曲げ弾性率が200MPa以下であることが好ましい。曲げ弾性率が200MPaを超えると床材が硬くなり施工性が低下し好ましくない。さらに、本発明のオレフィン系床材(1)の残留へこみ率が8.0%以下であることが好ましい。残留へこみ率が8.0%を超えるとヒール跡が目視で確認できるようになり好ましくない。さらに好ましい床材の曲げ弾性率は150MPa以下で、残留へこみ率は6%以下である。
上記構成に係るオレフィン系床材(1)は、例えば次のようにして製造される。まず、オレフィン系樹脂を含有してなり、引っ張り弾性率を70〜700MPaとした表面樹脂層(2)の下面に合成樹脂を含有してなる印刷インキを印刷して印刷層(4)を形成する。印刷インキとして、例えばウレタン系樹脂に顔料が添加混合されたインキを用いる。
次に、前記印刷層(4)の下面に、カルボン酸変性プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂/カルボン酸変性プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体樹脂が55/45〜95/5の質量比範囲で混合されてなる接着剤層(5)を塗布する。この接着剤層(5)は、通常、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、エタノール、キシレン等の有機溶媒で希釈されて溶液状態で塗布される。
次いで、前記接着剤層(5)の塗布面に、オレフィン系樹脂を含有してなる線膨張率5×10−5×K−1以下の基材層(3)を重ね合わせて接着して積層体を得る。通常、加熱加圧することにより接着せしめる。
しかる後、前記積層体を加熱してアニール処理する。このようなアニール処理を施すことによって、床材(1)に内在する歪みを十分に取り除くことができる。前記加熱の温度は80〜120℃に設定するのが好ましい。また加熱時間(アニール処理時間)は2〜48時間に設定するのが好ましい。
なお、この発明に係る床材(1)は、上記例示の製造方法で製造されるものに特に限定されるものではない。
さらに具体的に本発明に係る床材の製造方法を記す。 <実施例1> 表1に示すように、数平均分子量が6000の非晶性プロピレン−エチレン共重合体(非晶性ポリα−オレフィン樹脂)10重量部、数平均分子量が160000のスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(SEBS)55重量部、ポリプロピレン35重量部、鱗片状のガラス(厚さ5μm、長径300μm)5重量部、炭酸カルシウム200重量部、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.4重量部、滑剤(リン酸エステル系のもの)1.2重量部からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー成形機を用いて厚さ1.8mmの基材層(3)を作成した。基材層(3)の線膨張率は2×10−5×K−1であった。
一方、表面樹脂層(2)として、最表層/中間層/最下層=ポリプロピレン(PP)樹脂層/水添スチレン−ブタジエン−ラバー(HSBR)樹脂層/ポリプロピレン(PP)樹脂層の3層構造(各層は同厚さ)からなり、厚さ600μmで、引っ張り弾性率が600MPaの表面樹脂層(2)を用意し、裏面にグラビア印刷により所定の柄を印刷して、印刷層(4)を形成し、さらにその下面に、接着剤(マレイン酸変性プロピレン−1−ブテン共重合体樹脂/マレイン酸変性プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体樹脂=90/10)を3g/m塗布し接着剤層(5)を形成させた。
次に、前記接着剤層(5)を形成した表面樹脂層(2)に基材層(3)を重ねて接着させて、厚さ2.4mmの床材を得た。こうして得られた床材の曲げ弾性率が100MPaで、残留へこみ率が4.0%であった。さらに、後述する方法で各種性能試験を行い、その評価結果を表3に記した。
<実施例2> 実施例1と同様にして、厚さ0.5mmの図2における基材層(3−1)を作成した。基材層(3−1)の線膨張率は2×10−5×K−1、引っ張り弾性率は400MPaであった。次に、基材層(3−1)の組成で鱗片状のガラス(厚さ5μm、長径300μm)を添加せずに作成した以外は基材層(3−1)と同様に作成し、厚さ1.3mmの図2における基材層(3−2)を作成した。基材層(3−2)の線膨張率は12×10−5×K−1、引っ張り弾性率は150MPaであった。次に、基材層(3−1)と基材層(3−2)とをカレンダー成形機を用いて積層させ厚さ1.8mmの図2における基材層(3)を得た。
一方、表面樹脂層(2)、印刷層(4)、接着剤層(5)は実施例1と同様にして形成させた。次に、前記接着剤層(5)を形成した表面樹脂層(2)に基材層(3−1)側が表面樹脂層(2)側となるように基材層(3)を重ねて接着させて、厚さ2.4mmの床材を得た。こうして得られた床材の曲げ弾性率が80MPaで、残留へこみ率が6.0%であった。さらに、後述する方法で各種性能試験を行い、その評価結果を表3に記した。
<実施例3> 実施例1と同様にして、厚さ0.5mmの図3における基材層(3−1)を作成した。基材層(3−1)の線膨張率は2×10−5×K−1、引っ張り弾性率は400MPaであった。次に、基材層(3−1)の組成で鱗片状のガラス(厚さ5μm、長径300μm)を添加せずに作成した以外は基材層(3−1)と同様に作成し、厚さ0.3mmの図3における基材層(3−2)と厚さ1.0mmの図3における基材層(3−3)とをそれぞれ作成した。基材層(3−2)と基材層(3−3)の線膨張率はともに12×10−5×K−1、引っ張り弾性率は150MPaであった。次に、基材層(3−2)、基材層(3−1)と基材層(3−3)とをこの積層順にカレンダー成形機を用いて積層させ厚さ1.8mmの図3における基材層(3)を得た。
一方、表面樹脂層(2)、印刷層(4)、接着剤層(5)は実施例1と同様にして形成させた。次に、前記接着剤層(5)を形成した表面樹脂層(2)に基材層(3−1)側が表面樹脂層(2)側となるように基材層(3)を重ねて接着させて、厚さ2.4mmの床材を得た。こうして得られた床材の曲げ弾性率が70MPaで、残留へこみ率が6.0%であった。さらに、後述する方法で各種性能試験を行い、その評価結果を表3に記した。
<実施例4〜8> 各層の組成、厚さ等の条件を表1に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして床材を得、各種性能試験を行い、その評価結果を表3に記した。なお、実施例6、7では、隠蔽層を基材層上面に積層している。また、実施例4、5、6、8では、繊維層として寒冷紗(ポリエステル織布、目付40g/m)を基材層に含浸させて積層し、繊維の少なくとも一部を基材層の最下層裏面に露出させ床との接着強度を増した構成にした。さらに、実施例8では、基材層にガラス繊維からなる不織布(目付40g/m
)を挿入し、線膨張率の低い(線膨張率=1×10−5×K−1)基材層としている。
<比較例1> 実施例1において基材層(3)として、鱗片状のガラス(厚さ5μm、長径300μm)0.5重量部とし線膨張率を8×10−5×K−1とした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。各種性能試験を行い、その結果を表3に記した。
<比較例2> 実施例2において基材層(3−1)を、鱗片状のガラス(厚さ5μm、長径300μm)0.5重量部とした以外は、実施例2と同様にして床材を得た。基材層(3−1)の線膨張率は8×10−5×K−1、引っ張り弾性率は200MPaであった。各種性能試験を行い、その結果を表3に記した。
<比較例3> 実施例3において基材層(3−1)を、鱗片状のガラス(厚さ5μm、長径300μm)0.5重量部とした以外は、実施例3と同様にして床材を得た。基材層(3−1)の線膨張率は8×10−5×K−1、引っ張り弾性率は200MPaであった。各種性能試験を行い、その結果を表3に記した。
<比較例4〜7> 各層の組成、厚さ等の条件を表2に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして床材を得、各種性能試験を行い、その評価結果を表3に記した。
表1〜3からわかるように、表面樹脂層の引張弾性率と線膨張率の規定範囲にある実施例1〜8の床材は、膨れ防止性、耐摩耗性、耐汚染性、寸法安定性、施工性、のいずれにも優れていた。これに対し、引張弾性率の規定範囲を上回っていた比較例6および7では、膨れ防止性に問題があり、曲げ弾性率も大きくなっていた。また、引張弾性率の規定範囲を下回っていた比較例5では、残留へこみ率が基準を満足することができなかった。なお、上記のようにして得られた各床材に対する各種性能試験の方法は以下のように行った。
<引っ張り弾性率測定方法>JIS K6251に準じて測定した。引っ張り速度は、100mm/minとした。
<曲げ弾性率測定方法>JISK7171に準じて測定した。試験速度は、1.0mm/minとした。
<線膨張率測定方法>10cm角サイズに切り出した試料を、TMA(熱機械分析装置)にセットし、25℃〜80℃まで昇温(5℃/min)させて測定した。
<残留へこみ率測定方法>JISA1454に準じて測定した。残留へこみ率が3%以下のものを「◎」とし、3〜8%のものを「○」とし、8%を超えるものを「×」とした。
<膨れ防止性試験>40cm角サイズに切り出した試料を、平滑なアルミニウム板にゴム系接着剤で接着し(23℃の雰囲気下)、試料の四辺を金具で固定し24時間放置後、40℃、50℃、60℃と順に2時間づつ加熱し、6時間後に膨れが発生しないものを「◎」とし、膨れが発生したものを「×」とした。
<耐摩耗性試験>JIS A1453による建築材料及び建築構成部分の摩擦試験方法に準じて、各床材の表面に、所定の研磨紙を巻き付けた摩耗輪を使用し、テーパ摩耗試験機にて1000回転させ、摩耗減量(g)を測定した。摩耗減量が0.25g以下のものを「◎」とし、0.25〜0.30gのものを「○」とし、0.30gを超えるものを「×」とした。
<耐汚染性試験> JIS A5705によるビニル系床材の汚染性試験に準じて、各床材の表面に汚染材料を2mL滴下し、24時間静置して、中性洗剤を含む水で洗浄し、更にアルコールで洗浄した後、ガーゼで拭き取って、1時間放置後、目視により滴下部分の色、光沢及び膨れの変化を観察した。観察によりいずれも変化のないものを「◎」とし、少なくともいずれか1つ変化のあるものを「×」とした。
<寸法安定性試験>JIS A5705によるビニル系床材の加熱による長さ変化試験に準じて、各床材を80℃で6時間加熱した後、室内に1時間静置し、加熱前の長さに対する変化率を測定した。長さ変化率が1.0%未満のものを「◎」とし、同1.0〜1.5%のものを「○」とし、同1.5%を超えるものを「×」とした。
<施工性試験>柔軟性に優れて施工作業性に特に優れると共に下地(施工床面)との馴染みの良いものを「◎」とし、柔軟性が良好で施工作業性が良く、下地との馴染みの良いものを「○」とし、柔軟性が不十分で施工作業性が悪く、下地との馴染みも悪いものを「×」とした。
更に、実施例1の床材について、NBS燃焼試験、防炎試験(車材燃試)を行った。これらの結果を表4に示す。
なお、NBS燃焼試験法とは、密閉した発煙箱の中に試料を垂直に置き、その正面にあるヒーターから輻射熱を当てながらバーナーの炎も当て有炎燃焼させ、発煙箱中に発生した煙に対して光電管により光透過率を測定し、この光透過率(T)から下記算出式に基づいて煙濃度(Ds)を算出するものである。
Ds=132log(100/T) 試験開始後4分のDs値および最大Ds値を求めた。更に、発煙箱中のガスをテフロン(登録商標)バッグに採取し、発生ガス分析を行った。
表4から明らかなように、この発明の床材は、発煙性が低く有毒ガスもほとんど発生するものではないことが確認できた。
車両等に限らず、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物においても、温度変化の激しい環境下で使われる床材としても十分使用することができる。
この発明の一実施形態に係る床材を示す説明図である。(実施例1) この発明の一実施形態に係る床材を示す説明図である。(実施例2) この発明の一実施形態に係る床材を示す説明図である。(実施例3) この発明の別の実施形態に係る床材を示す説明図である。(実施例6の基材層部分) この発明の別の実施形態に係る床材を示す説明図である。(実施例8の基材層部分)
1・・・オレフィン系床材 2・・・表面樹脂層 3・・・基材層 3−1・・・無機物添加基材層 3−2・・・無機物無添加基材層 3−3・・・無機物無添加基材層 3−4・・・隠蔽層 3−5・・・繊維層 3−6・・・ガラス繊維層 4・・・印刷層 5・・・接着剤層

Claims (8)

  1. オレフィン系樹脂組成物からなる床材であって、オレフィン系樹脂を含有してなる表面樹脂層と、前記表面樹脂層の下面に印刷層が積層されると共に、該印刷層の下面に接着剤層を介してオレフィン系樹脂を含有してなる基材層が積層一体化されてなり、前記表面樹脂層の引っ張り弾性率を70〜700MPaにし、前記基材層に鱗片状の無機物を添加し、前記基材層の線膨張率を5×10−5×K−1以下としたことを特徴とするオレフィン系床材。
  2. 前記基材層は、前記印刷層に近い第1基材層と、第1基材層に積層する第2基材層の二層構造からなり、前記第1基材層は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第2基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層からなることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系床材。
  3. 前記基材層は、前記印刷層に近い第1基材層と、第1基材層に積層する第2基材層と、第2基材層に積層する第3基材層の三層構造からなり、前記第1基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとし、前記第2基材層は、鱗片状の無機物を添加して線膨張率を5×10−5×K−1以下、引っ張り弾性率を100〜600MPaとし、前記第3基材層は、線膨張率を10×10−5×K−1〜12×10−5×K−1、引っ張り弾性率を100〜200MPaとした層からなることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系床材。
  4. 前記鱗片状の無機物の添加量が基材層の樹脂重量100重量部に対して1〜20重量部添加したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
  5. 前記鱗片状の無機物が、ガラス及び/またはタルクの鱗片状の無機物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
  6. 前記鱗片状の無機物の厚さは10μm以下で、長径が100〜600μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
  7. 前記オレフィン系床材の曲げ弾性率が200MPa以下であり、残留へこみ率が8.0%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
  8. 前記基材層の最下層に繊維層を埋設し、該繊維層の少なくとも一部が基材層の最下層裏面に露出していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のオレフィン系床材。
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