JP2016223154A - 賦形性に優れた床材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床材1は、上側樹脂層2の下面側に下側樹脂層3が積層一体化されてなる。上側樹脂層2は引張弾性率が1MPa〜50MPa、線膨張率が10.0×10−5/K〜15.0×10−5/Kの樹脂シートである。下側樹脂層3は、引張弾性率が10MPa〜100MPa、線膨張率が10.0×10−5/K以下の樹脂シートである。上側樹脂層2の厚さは0.6mm〜3.5mm、下側樹脂層3の厚さは0.3mm〜1.5mm、上側樹脂層側2からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されている。
【選択図】図1
Description
前記上側樹脂層及び前記下側樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、
前記上側樹脂層は、引張弾性率が1MPa〜50MPaであり、線膨張率が10.0×10−5/K〜15.0×10−5/Kである上側樹脂シートが前記下側樹脂層の上面側に積層されたものであり、前記下側樹脂層は、引張弾性率が10MPa〜100MPaであり、線膨張率が10.0×10−5/K以下である下側樹脂シートが前記上側樹脂層の下面側に積層されたものであり、
前記上側樹脂層の厚さは0.6mm〜3.5mmであり、
前記下側樹脂層の厚さは0.3mm〜1.5mmであり、
前記上側樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されていることを特徴とする床材。
前記表面樹脂層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、
前記表面樹脂層は、引張弾性率が1MPa〜50MPaである表面樹脂シートが前記上側樹脂層の上面側に積層されたものであり、前記裏面樹脂層は、引張弾性率が1MPa〜50MPaである裏面樹脂シートが前記下側樹脂層の下面側に積層されたものであり、前記表面樹脂層の厚さは、0.03mm〜1.0mmであり、前記裏面樹脂層の厚さは0.03mm〜1.0mmであり、前記表面樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されている前項1又は2に記載の床材。
オレフィン系樹脂35質量部、オレフィン系エラストマー65質量部、炭酸塩85質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ1.0mmの上側樹脂シート(上側樹脂層2)を作成した。上側樹脂シート(上側樹脂層2)の引張弾性率は20MPa、線膨張率は12×10−5/Kであった。次に、オレフィン系樹脂30質量部、オレフィン系エラストマー70質量部、ケイ酸塩40質量部、炭酸塩110質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ0.5mmの下側樹脂シート(下側樹脂層3)を作成した。下側樹脂シート(下側樹脂層3)の引張弾性率は40MPa、線膨張率は7×10−5/Kであった。
オレフィン系樹脂55質量部、オレフィン系エラストマー45質量部、炭酸塩85質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ1.0mmの上側樹脂シート(上側樹脂層2)を作成し、上側樹脂シート(上側樹脂層2)の引張弾性率を40MPaに設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す厚さ2.0mmの床材1を得た。
オレフィン系樹脂55質量部、オレフィン系エラストマー45質量部、ケイ酸塩40質量部、炭酸塩110質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ0.5mmの下側樹脂シート(下側樹脂層3)を作成し、下側樹脂シートの(下側樹脂層3)の引張弾性率を90MPaに設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す厚さ2.0mmの床材1を得た。
上側樹脂シート(上側樹脂層2)の厚さを0.8mmに設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す厚さ1.8mmの床材1を得た。
オレフィン系樹脂35質量部、オレフィン系エラストマー65質量部、炭酸塩60質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ1.0mmの上側樹脂シート(上側樹脂層2)を作成した。上側樹脂シート(上側樹脂層2)の線膨張率は14×10−5/Kに設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す厚さ2.0mmの床材1を得た。
オレフィン系樹脂30質量部、オレフィン系エラストマー70質量部、ケイ酸塩30質量部、炭酸塩65質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ0.5mmの下側樹脂シート(下側樹脂層3)を作成し、下側樹脂シートの(下側樹脂層3)の線膨張率は9×10−5/Kに設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す厚さ2.0mmの床材1を得た。
下側樹脂シート(下側樹脂層3)の厚さを0.3mmに設定した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す厚さ1.8mmの床材1を得た。
オレフィン系樹脂90質量部、オレフィン系エラストマー10質量部、炭酸塩85質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ1.0mmの上側樹脂シート(上側樹脂層2)を作成し、上側樹脂シート(上側樹脂層2)の引張弾性率を100MPaに設定した以外は、実施例1と同様にして厚さ2.0mmの床材を得た。
オレフィン系樹脂80質量部、オレフィン系エラストマー20質量部、ケイ酸塩40質量部、炭酸塩110質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ0.5mmの下側樹脂シート(下側樹脂層3)を作成し、下側樹脂シートの(下側樹脂層3)の引張弾性率を150MPaに設定した以外は、実施例1と同様にして厚さ2.0mmの床材を得た。
上側樹脂シート(上側樹脂層2)の厚さを0.4mmに設定した以外は、実施例1と同様にして厚さ1.4mmの床材を得た。
オレフィン系樹脂35質量部、オレフィン系エラストマー65質量部、炭酸塩270質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ1.0mmの上側樹脂シート(上側樹脂層2)を作成し、上側樹脂シート(上側樹脂層2)の線膨張率を8×10−5/Kに設定した以外は、実施例1と同様にして厚さ2.0mmの床材を得た。
下側樹脂シート(下側樹脂層3)の厚さを2.0mmに設定した以外は、実施例1と同様にして厚さ3.5mmの床材を得た。
オレフィン系樹脂30質量部、オレフィン系エラストマー70質量部、ケイ酸塩5質量部、炭酸塩30質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ0.5mmの下側樹脂シート(下側樹脂層3)を作成し、下側樹脂シートの(下側樹脂層3)の線膨張率を13×10−5/Kに設定した以外は、実施例1と同様にして厚さ2.0mmの床材を得た。
ミネベア社製の引張試験機(TGE−5kN)を用い、JIS K7161−1:2014に準拠して、各シート(上側樹脂シート、下側樹脂シート)の引張弾性率(MPa)を温度150℃、ダンベル状5号形、引張速度1mm/minの条件下で測定する。
セイコーインスツル社製の熱応力分析装置(TMA)「EXSTAR TMA/SS6000」を用い、JIS K7197−1991に準拠して、各シート(上側樹脂シート、下側樹脂シート)の線膨張率(1/K)を測定する。この線膨張率の測定の際には、温度30℃〜60℃の条件下で線膨張量を測定し、この30〜60℃の範囲での線膨張量の測定データに基づいて線膨張率の平均値(30℃〜60℃の測定温度範囲での線膨張率の平均値)を算出するものである。
実施例1〜7、比較例1〜6で作成した床材を23℃雰囲気下で24時間放置した後、床材の凹部の深さ(mm)をノギスで測定する。次に、下側樹脂シート及び上側樹脂シートを使用せず、大きさ20cm×20cmの15mm角のドーム型のエンボス金型の上にシリコーン系樹脂を塗布し、23℃雰囲気下で24時間放置して硬化させた後、シリコーン系樹脂で作成した床材の凹部の深さ(mm)をノギスで測定する。
下記算出式に基づいて転写率を算出し、転写率が0.9以上を「◎」とし、0.7以上0.9未満を「〇」とし、0.7未満を「×」とし、「〇」以上を合格とした。
転写率=A/B
A=実施例1〜7、比較例1〜6で作成した床材の凹部の深さ(mm)
B=シリコーン系樹脂で作成した床材の凹部の深さ(mm)
JIS A1454−2010 14反り試験に準拠して床材の反り量(mm)を測定し、下記判断基準に基づき評価し、「〇」以上を合格とした。
(判定基準)
「〇」・・・反り量が−1.0mm以上0.0mm以下(例えば−0.5mm)
「△」・・・反り量が0.0mmを超えて0.5mm以下
「×」・・・反り量が0.5mmを超える、または反り量が−1.0mm未満(例えば−2.0mm)
40cm×40cmの大きさの平面視正方形状に切り出した床材を、20℃雰囲気下で表面が平滑な木材製固定板の上にシリコーン系接着剤で接着し、20℃雰囲気下で72時間放置した後、床材の4辺を金具で固定板に固定し、さらに60℃のオーブン内に4時間放置した。しかる後、オーブン内から床材を取り出し、床材の表面を目視観察し、膨れが全く生じていないものを「◎」、膨れがほんの僅かしか認められず実質的に膨れがないと判断できるものを「○」、膨れが少し生じたものを「△」、膨れが目立って生じたものを「×」とし、「〇」以上を合格とした。
40cm×40cmの大きさの平面視正方形状に切り出した床材9枚を、縦3枚、横3枚ずつ碁盤目状に隙間なく整列配置した状態で、20℃雰囲気下で表面が平滑な木材製固定板の上にシリコーン系接着剤で接着し、20℃雰囲気下で72時間放置した後、これら整列配置された9枚の床材の4辺(全体としての4辺)を金具で固定板に固定し、さらに60℃のオーブン内に4時間放置した。しかる後、オーブン内から床材を取り出し、隣り合う床材同士で突き上げが全く発生しなかったものを「◎」、隣り合う床材同士で突き上げがほんの僅かな程度認められたものの実用上問題がないと判断できるものを「〇」、隣り合う床材同士で突き上げが少し発生したものを「△」、隣り合う床材同士で突き上げが目立って発生したものを「×」とし、「〇」以上を合格とした。
JIS A 1454−2005の6.6残留へこみ試験のA法に準拠して残留へこみ率(%)を測定し、残留へこみ率が6.0%未満を「○」とし、6.0%以上8.0%未満を「△」とし、8.0%以上を「×」とし、「○」以上を合格とした。
2・・・上側樹脂層
3・・・下側樹脂層
4・・・表面樹脂層
5・・・裏面樹脂層
6・・・補強層
Claims (6)
- 樹脂層が積層されてなる床材であって、上側樹脂層の下面側に下側樹脂層が積層一体化されてなり、前記上側樹脂層及び前記下側樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記上側樹脂層は、引張弾性率が1MPa〜50MPaであり、線膨張率が10.0×10−5/K〜15.0×10−5/Kである上側樹脂シートが前記下側樹脂層の上面側に積層されたものであり、前記下側樹脂層は、引張弾性率が10MPa〜100MPaであり、線膨張率が10.0×10−5/K以下である下側樹脂シートが前記上側樹脂層の下面側に積層されたものであり、前記上側樹脂層の厚さは0.6mm〜3.5mmであり、前記下側樹脂層の厚さは0.3mm〜1.5mmであり、前記上側樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されていることを特徴とする床材。
- 前記上側樹脂層の引張弾性率が前記下側樹脂層の引張弾性率より小さくなる請求項1に記載の床材。
- 前記上側樹脂層の上面側に表面樹脂層が積層一体化されてなり、前記下面樹脂層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなり、前記表面樹脂層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記表面樹脂層は、引張弾性率が1MPa〜50MPaである表面樹脂シートが前記上側樹脂層の上面側に積層されたものであり、前記裏面樹脂層は、引張弾性率が1MPa〜50MPaである裏面樹脂シートが前記下側樹脂層の下面側に積層されたものであり、前記表面樹脂層の厚さは、0.03mm〜1.0mmであり、前記裏面樹脂層の厚さは0.03mm〜1.0mmであり、前記表面樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されている請求項1又は2に記載の床材。
- 前記上側樹脂層の下面側に補強層が積層一体化されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の床材。
- 前記表面樹脂層の厚さは、前記裏面樹脂層の厚さの0.2倍〜3.0倍であり、前記上側樹脂層の厚さは、前記下側樹脂層の0.8〜5.0倍である請求項1〜4のいずれか1項に記載の床材。
- 前記上側樹脂層は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100質量部に対して、炭酸塩を40〜230質量部含有した樹脂組成物からなり、前記下側樹脂層は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100質量部に対して、ケイ酸塩を10〜70質量部、炭酸塩を40〜230質量部含有した樹脂組成物からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の床材。
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- 2015-05-29 JP JP2015110046A patent/JP2016223154A/ja active Pending
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