JP2020084558A - 床材及びその製造方法並びにエンボス加工床材 - Google Patents

床材及びその製造方法並びにエンボス加工床材 Download PDF

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誉宏 柴山
Takahiro Shibayama
誉宏 柴山
西谷 浩二
Koji Nishitani
浩二 西谷
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Abstract

【課題】2本ロールにおける混練時の加工性向上及びカレンダーロールにおけるバンク回りの加工性向上、かつ、床材表面に凹凸形状を形成するための賦形性に優れた床材を提供する。【解決手段】床材1は、上から、表面樹脂層2、上側中間樹脂組成物層6、下側中間樹脂組成物層7、裏面樹脂層5の順番に積層され、上側中間樹脂組成物層6及び下側中間樹脂組成物層7は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、上側中間樹脂組成物層6及び下側中間樹脂組成物層7は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材として好適に用いられる床材に関する。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、「メルトマスフローレート」の語は、JIS−K−7210−2014に準拠して試験温度190℃、試験荷重2.16kgで測定されたメルトマスフローレート(MFR)を意味する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「結晶化度」の語は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minの条件下で測定した結晶化度を意味する。
従来、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材としては、難燃性、耐摩耗性、耐熱性に優れることから、可塑剤を多量に含有せしめた塩化ビニル樹脂(PVC)からなる床材が多く採用されていた。
しかしながら、PVC製床材は、燃焼時において多量の発煙と共に塩化水素等の有害ガスを発生することから、火災時において避難者が該有害ガス等を吸入してしまう等の防災上の問題、また焼却廃棄処理によって環境汚染をもたらすという問題があった。また、PVC製床材は、可塑剤を多量に含有しているので、特有の臭気があるし、このような可塑剤による臭気はシックハウス症候群の原因の1つとも言われている。また、長年の使用により可塑剤が揮発減量し床材としての柔軟性が低下するという問題や、長年の使用により可塑剤が表面にブリードしてきて曇りが生じ外観が悪くなるという問題もあった。
そこで、近年では、PVC材料に代えて、燃焼時に有害ガスの発生が少ない次のような材料を床材の構成材として用いることが提案されている。例えば、特許文献1では、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレンなどの結晶性ポリオレフィン系樹脂等を床材の構成材として用いることが提案されている。特許文献2では、オレフィン系樹脂を主成分とする二層以上の積層体で構成された床材が提案されている。これらの樹脂を床材の構成材として用いることで、燃焼時の有害ガスの発生の問題や、可塑剤由来の特有の臭気、曇り発生の問題はほぼ解決される。
なお、出願人は特許文献3を出願しており、樹脂層が積層されてなる床材であって、上側樹脂層の下面側に下側樹脂層が積層一体化されてなり、前記上側樹脂層及び前記下側樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記上側樹脂層は、引張弾性率が1MPa〜50MPaであり、線膨張率が10.0×10−5/K〜15.0×10−5/Kである上側樹脂シートが前記下側樹脂層の上面側に積層されたものであり、前記下側樹脂層は、引張弾性率が10MPa〜100MPaであり、線膨張率が10.0×10−5/K以下である下側樹脂シートが前記上側樹脂層の下面側に積層されたものであり、前記上側樹脂層の厚さは0.6mm〜3.5mmであり、前記下側樹脂層の厚さは0.3mm〜1.5mmであり、前記上側樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されていることを特徴とする床材を開示している。
特開2002−145942号公報 特開平9−151595号公報 特開2016−223154号公報
しかしながら、上記の従来技術では、床材表面に凹凸形状を形成するための賦形性に優れ、しかも燃焼時に有害ガスを発生しにくく、強度に優れ、上反り発生(中央部に対して縁部側が上方に反る状態)を十分に防止でき、施工性に優れると共に、膨れ発生を抑制することができ、施工後の突き上げ発生も防止できる床材を提供することができる。しかしながら、2本ロールにおける混練時の加工性向上及びカレンダーロールにおけるバンク回りの加工性向上が求められると共に、賦形性の向上が求められるようになってきた。
本発明は、かかる技術的背景を鑑みてなされたものであって、2本ロールにおける混練時の加工性向上、及び、カレンダーロールにおけるバンク回りの加工性向上、かつ、床材表面に凹凸形状を形成するための賦形性に優れた床材を提供することが目的である。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1] 中間樹脂組成物層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、
前記中間樹脂組成物層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材であって、
前記表面樹脂層、前記中間樹脂組成物層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、
前記中間樹脂組成物層は上側中間樹脂組成物層と、該上側中間樹脂組成物層の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層と、を含み、
前記上側中間樹脂組成物層及び前記下側中間樹脂組成物層は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、
前記上側中間樹脂組成物層及び前記下側中間樹脂組成物層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられていることを特徴とする床材。
[2] 前記低結晶性樹脂が樹脂成分全体に対して4%〜25%用いられている前項1に記載の床材。
[3] 前項1又は2に記載の床材を前記表面樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されているエンボス加工床材。
[4] 中間樹脂組成物層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、
前記中間樹脂組成物層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材の製造方法であって、
前記表面樹脂層、前記中間樹脂組成物層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、
前記中間樹脂組成物層は上側中間樹脂組成物層と、該上側中間樹脂組成物層の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層と、を含み、
前記上側中間樹脂組成物層及び下側中間樹脂組成物層は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、
前記上側中間樹脂組成物層及び前記下側中間樹脂組成物層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられていることを特徴とする床材の製造方法。
[1]の発明では、中間樹脂組成物層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、中間樹脂組成物層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材であって、表面樹脂層、中間樹脂組成物層及び裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であるから、環境保全に優れている。また、中間樹脂組成物層は、上側中間樹脂組成物層と、上側中間樹脂組成物層の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層と、を含み、上側中間樹脂組成物層及び下側中間樹脂組成物層は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであるため、2本ロールにおける混練時の加工性を向上することができ、賦形性に優れた床材を得ることができる。
加えて、上側中間樹脂組成物層及び下側中間樹脂組成物層は、樹脂成分として、オレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられているため、カレンダーロールにおけるバンク回りの加工性を向上できると共に、床材としての柔軟性も向上させることができ、施工性をさらに向上できる。
[2]の発明では、低結晶性樹脂が樹脂成分全体に対して4%〜25%用いられているため、カレンダーロールにおけるバンク回りの加工性をさらに向上することができる。
[3]の発明では、前項1又は2に記載の床材を表面樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されているため、賦形性に優れたエンボス加工された床材を得ることができる。
[4]の発明では、中間樹脂組成物層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、中間樹脂組成物層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材の製造方法であって、表面樹脂層、中間樹脂組成物層及び裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、中間樹脂組成物層は上側中間樹脂組成物層と、上側中間樹脂組成物層の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層と、を含み、上側中間樹脂組成物層及び下側中間樹脂組成物層は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、上側中間樹脂組成物層及び下側中間樹脂組成物層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられているため、2本ロールにおける混練時の加工性向上、及び、カレンダーロールにおけるバンク回りの加工性向上、かつ、床材表面に凹凸形状を形成するための賦形性に優れた床材の製造方法を提供することができる。
本発明に係る床材の一実施形態を示す断面図である。 本発明に係るエンボス加工床材の一実施形態を示す断面図である。
本発明に係る床材の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の床材1は、中間樹脂組成物層3の上面側に表面樹脂層2が積層一体化され、前記中間樹脂組成物層3の下面側に裏面樹脂層5が積層一体化されてなる床材1であって、前記表面樹脂層2、前記中間樹脂組成物層3及び前記裏面樹脂層5は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記中間樹脂組成物層3は上側中間樹脂組成物層6と、上側中間樹脂組成物層6の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層7と、を含み、前記上側中間樹脂組成物層6及び下側中間樹脂組成物層7は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、前記上側中間樹脂層6及び前記下側中間樹脂層7は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられていることを特徴とする。
前記床材1は、中間樹脂組成物層3の上面側に表面樹脂層2が積層一体化され、前記中間樹脂組成物層3の下面側に裏面樹脂層5が積層一体化されてなる必要がある。
前記表面樹脂層2、前記中間樹脂組成物層3及び前記裏面樹脂層5は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層である。化学構造中に塩素原子を有しない樹脂からなるため、環境保全に優れている。
前記表面樹脂層2を構成する樹脂成分としては、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、ホモポリプロピレン樹脂がより好ましい。この場合、表面樹脂層2側からエンボス加工を施す場合に、エンボスの凹凸に前記表面樹脂層2及び前記上側中間樹脂組成物層6が追従して凹凸形状を付与することができる。
前記中間樹脂組成物層3は上側中間樹脂組成物層6と、上側中間樹脂組成物層6の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層7と、を含んでいることが必要であり、上側中間樹脂組成物層6と下側中間樹脂組成物層7の間に補強層を含んでいることがより好ましい。補強層を含んでいることで床材の寸法安定性を向上させることができる。
前記上側中間樹脂組成物層6を構成する樹脂成分としては、オレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられている。
前記下側中間樹脂組成物層7を構成する樹脂成分としては、オレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられている。
前記上側中間樹脂組成物層6は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minである上側中間樹脂組成物シートが前記表面樹脂層2の下面側に積層された層である必要がある。メルトマスフローレートが0.5g/10min未満では流動性が低いため賦形性が悪くなり、3g/10minを超えると流動性が高くなり、ロール加工時の離形性と溶融張力が悪化してしまうので、好ましくない。中でも1.0g/10min〜1.2g/10minであることが好ましい。
前記下側中間樹脂組成物層7は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minである下側中間樹脂組成物シートが前記上側中間樹脂組成物層6の下面側に積層された層である必要がある。メルトマスフローレートが0.5g/10min未満では流動性が低いため賦形性が悪くなり、3g/10minを超えると流動性が高くなり、ロール加工時の離形性と溶融張力が悪化してしまうので、好ましくない。中でも1.0g/10min〜1.2g/10minであることが好ましい。
前記上側中間樹脂組成物層6のメルトマスフローレートと前記下側中間樹脂組成物層7のメルトマスフローレートとが共に、1.0g/10min〜1.2g/10minであることがより好ましい。
結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂としては、例えば、低立体規則性ポリオレフィン、エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)等が挙げられる。中でも、低立体規則性ポリオレフィンであることが好ましく、低立体規則性ポリプロピレンであることが特に好ましい。結晶化度が10%未満では、炭酸塩及びケイ酸塩などのフィラー分散性が悪くなり、かつ、カレンダーロールにおけるバンク回りの加工性が悪くなり、40%を超えてもカレンダーロールにおけるバンク回りの加工性が悪くなるため、好ましくない。中でも15%〜25%であることがより好ましい。なお、カレンダーロールにおけるバンク回りとは、カレンダーロール上における樹脂の回り方を意味する。
前記低結晶性樹脂は、樹脂成分全体に対して4%〜25%用いられていることが好ましい。4%以上であることで炭酸塩及びケイ酸塩などのフィラー分散性を向上させることができると共に、カレンダーロールにおけるバンク回りを向上させることができ、25%以下であることで2本ロールにおける混練時の加工性を向上させることができる。中でも8%〜18%用いることがより好ましい。
前記裏面樹脂層5を構成する樹脂成分としては、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、ホモポリプロピレン樹脂がより好ましい。
前記表面樹脂層2の厚さは、0.03mm〜0.7mmであることが好ましく、0.03mm未満では耐摩耗性が悪くなり、0.7mmを超えると重くなりコスト的にも好ましくない。中でも0.05mm〜0.5mmがより好ましい。
前記裏面樹脂層5の厚さは、0.03mm〜0.7mmであることが好ましく、0.03mm未満では反りが悪くなり、0.7mmを超えると重くなりコスト的にも好ましくない。中でも0.05mm〜0.5mmがより好ましい。
前記上側中間樹脂組成物層6の厚さは、0.6mm〜3.5mmであることが好ましく、0.6mm未満では十分な賦形性を付与することができず、3.5mmを超えると重くなりコスト的にも好ましくない。中でも1.0mm〜1.5mmがより好ましい。
前記下側中間樹脂組成物層7の厚さは、0.3mm〜1.5mmであることが好ましく、0.3mm未満では十分な賦形性を付与することができず、1.5mmを超えると重くなりコスト的にも好ましくない。中でも0.4mm〜0.8mmがより好ましい。
前記上側中間樹脂組成物層6は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100質量部に対して炭酸塩40〜230質量部を含有せしめることが好ましい。40質量部未満では施工後の床材の膨れ発生を抑制することができず、突き上げ発生も防止できないので好ましくなく、230質量部を超えると分散性が悪化し物性を維持できないため、好ましくない。中でも70〜130質量部であることがより好ましく、床材としての物性を維持することができる。さらに、表面樹脂層側からエンボス加工を施す場合に、エンボスの凹凸に前記表面樹脂層2、前記上側中間樹脂組成物層6が追従して凹凸形状を付与することができる。
前記上側中間樹脂組成物層6は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100質量部に対してケイ酸塩7〜70質量部を含有せしめることが好ましい。7質量部未満では施工後の床材の膨れ発生を抑制することができず、突き上げ発生も防止できないので好ましくなく、70質量部を超えると重くなるので好ましくない。中でも35〜60質量部であることがより好ましい。
前記下側中間樹脂組成物層7は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100質量部に対して炭酸塩40〜230質量部を含有せしめることが好ましい。40質量部未満では施工後の床材の膨れ発生を抑制することができず、突き上げ発生も防止できないので好ましくなく、230質量部を超えると混練性が悪化し物性を維持できず、好ましくない。中でも70〜130質量部であることがより好ましい。
前記下側中間樹脂組成物層7は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100質量部に対してケイ酸塩7〜70質量部を含有せしめることが好ましい。7質量部未満では施工後の床材の膨れ発生を抑制することができず、突き上げ発生も防止できないので好ましくなく、70質量部を超えると重くなるので好ましくない。中でも35〜60質量部であることがより好ましい。
前記上側中間樹脂組成物層6は、線膨張率が10.0×10−5/K以下である上側中間樹脂組成物シートが前記表面樹脂層2の下面側に積層されたものであるのが好ましい。線膨張率が10.0×10−5/Kを超えると施工後の床材の膨れ発生を抑制することができず、突き上げ発生も防止できないので好ましくない。中でも5×10−5/K〜8×10−5/Kがより好ましい。
前記下側中間樹脂組成物層7は、線膨張率が10.0×10−5/K以下である下側中間樹脂組成物シートが前記上側中間樹脂組成物層6の下面側に積層されたものであるのが好ましい。線膨張率が10.0×10−5/Kを超えると施工後の床材の膨れ発生を抑制することができず、突き上げ発生も防止できないので好ましくない。中でも5.0×10−5/K〜8.0×10−5/Kがより好ましい。
前記補強層としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス不織布、ガラス織布、ガラスネットなどが挙げられる。中でも、ガラスネットを用いるのが好ましく、この場合には、前記上側中間樹脂組成物層6及び前記下側中間樹脂組成物層7が前記補強層に含浸しやすく層間剥離強度を向上させることができると共に、床材の寸法安定性を向上させることができる。
前記補強層の目付としては、20g/m〜100g/mに設定されるのが好ましい。20g/m以上とすることで熱寸法安定性を向上させることができると共に、100g/m以下とすることで接着性試験(JIS A 5536 5.3.3 はくり接着強さに準拠)でこの補強層の材料破壊が生じないようにすることができる。中でも、前記補強層の目付は、30g/m〜70g/mに設定されるのがより好ましい。
前記表面樹脂層2の下面に印刷層を積層してもよい。この場合、前記印刷層の下面にプライマー塗布層が形成されているのが好ましい。このようなプライマー塗布層を形成することによって、前記表面樹脂層2と前記上側中間樹脂組成物層6との接着強度を向上させることができる。前記プライマー塗布層は、変性ポリオレフィン樹脂を含有してなるプライマー塗布層であるのが好ましい。前記印刷層は、例えば、インクジェット法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、転写印刷法等により形成することができる。
前記表面樹脂層2、前記上側中間樹脂組成物層6、前記下側中間樹脂組成物層7及び前記裏面樹脂層5には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、熱安定剤、難燃剤、耐候剤、着色剤、帯電防止剤などの各種添加剤を適宜含有せしめてもよい。
前記裏面樹脂層5の下面にプライマー塗布層が形成されているのが好ましい。これにより、施工時の敷設対象面に塗布される接着剤との接着性を向上させることができる。
床材1は、エンボス型を用いて、エンボス加工を施すことで凹凸形状が付与されたエンボス加工床材8を得ることができる。エンボス型としては特に限定されないが、フラットエンボス型、ロールエンボス型を挙げることができる。エンボス加工を施すには、エンボス型を加熱昇温し、温度を120℃〜200℃の範囲にするのが好ましい。温度が200℃を上回ると表面樹脂層2が溶融してしまう懸念があるので好ましくなく、一方温度が120℃を下回ると前記表面樹脂層2を通して前記上側中間樹脂組成物層6まで十分熱量が伝わらず凹凸形状が不足する懸念があるので好ましくない。中でも、140℃〜160℃の範囲にするのがより好ましい。
床材1にエンボス加工が施されることで付与された凹凸形状の凹部の深さは0.2mm〜1.5mmの範囲が好ましい。中でも0.5mm〜1.2mmがより好ましい。
本発明の床材1及びエンボス加工床材8の厚さは、特に限定されないものの、1.0mm〜8.0mmに設定されるのが好ましい。中でも1.5mm〜3.0mmがより好ましい。
本実施形態の床材1の製造方法は、中間樹脂組成物層3の上面側に表面樹脂層2が積層一体化され、前記中間樹脂組成物層3の下面側に裏面樹脂層5が積層一体化されてなる床材1であって、前記表面樹脂層2、前記中間樹脂組成物層3及び前記裏面樹脂層5は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、前記中間樹脂組成物層3は上側中間樹脂組成物層6と、上側中間樹脂組成物層6の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層7と、を含み、前記上側中間樹脂組成物層6及び前記下側中間樹脂層7は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、前記上側中間樹脂組成物層6及び前記下側中間樹脂組成物層7は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられていることを特徴とする。
床材1を製造した後に、前記床材1の前記表面樹脂層側からエンボス加工を施し、表面に凹凸形状を形成させて、エンボス加工床材7を得ることもできる。
本発明の床材1及びエンボス加工床材8はタイル状床材として構成しても良いし、シート状床材(例えば幅600mm〜2500mm程度の長尺シート等)として構成しても良く、特に限定されない。
本発明に係る床材1の製造方法としては、特に限定されず、例えばラミネート加工機の公知の積層技術を用いて積層することにより製造することができる。また、その積層順序も特に限定されない。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
オレフィン系樹脂55質量部、オレフィン系エラストマー35質量部、結晶化度が18%である低結晶性樹脂10質量部、炭酸塩120質量部、ケイ酸塩15質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、2本ロールで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ1.0mmの上側中間樹脂組成物シート(上側中間中間樹脂組成物層6)を作製した。なお、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)のメルトマスフローレートは0.8g/10minであり、線膨張率は8×10−5/Kであった。
次に、オレフィン系樹脂55質量部、オレフィン系エラストマー35質量部、結晶化度が18%である低結晶性樹脂10質量部)10質量部、炭酸塩120質量部、ケイ酸塩15質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、2本ロールで混練し、カレンダー加工機を用いて厚さ0.6mmの下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)を作製した。なお、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)のメルトマスフローレートは0.8g/10minであり、線膨張率は8×10−5/Kであった。
また、表面樹脂シート(表面樹脂層2)として、厚さ0.03mmのホモポリプロピレン樹脂フィルムを準備し、裏面樹脂シート(裏面樹脂層5)として、厚さ0.03mmのホモポリプロピレン樹脂フィルムを準備した。
下側から、裏面樹脂シート、下側中間樹脂組成物シート、上側中間樹脂組成物シート、表面樹脂シートをこの順に重ねて、さらに表面樹脂シートの上に大きさ20cm×20cmの15mm角のドーム型のエンボス金型を置いて、熱プレス機を用いて160℃、1.0MPaの条件で10分間圧縮成形を行うことによって、図2に示す厚さ2.0mmのエンボス加工床材8を得た。
<実施例2>
結晶化度が12%である低結晶性樹脂を用い、表面樹脂シート(表面樹脂層2)の厚みを0.05mm、裏面樹脂シート(裏面樹脂層5)の厚みを0.05mm、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の厚みを1.2mm、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層6)の厚みを0.8mmに変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。
<実施例3>
結晶化度が35%である低結晶性樹脂を用い、表面樹脂シート(表面樹脂層2)の厚みを0.06mm、裏面樹脂シート(裏面樹脂層5)の厚みを0.06mm、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の厚みを1.4mm、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層6)の厚みを1.0mmに変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。
<実施例4>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の配合比率のうち、炭酸塩を90質量部に、ケイ酸塩を10質量部に変更し、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の配合比率のうち、炭酸塩を90質量部に、ケイ酸塩を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。なお、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)のメルトマスフローレートは1.0g/10minであり、線膨張率9×10−5/Kであった。下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)のメルトマスフローレートは1.0g/10minであり、線膨張率9×10−5/Kであった。
<実施例5>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の配合比率のうち、炭酸塩を70質量部に、ケイ酸塩を7質量部に変更し、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の配合のうち、オレフィン系樹脂を55質量部、オレフィン系エラストマーを40質量部、低結晶性樹脂5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。なお、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)のメルトマスフローレートは1.2g/10minであり、線膨張率9.5×10−5/Kであった。下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)のメルトマスフローレートは0.7g/10minであった。
<実施例6>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の配合比率のうち、オレフィン系樹脂を50質量部、オレフィン系エラストマーを35質量部、低結晶性樹脂を20質量部に変更し、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)に用いる低結晶性樹脂を12%に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。なお、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)のメルトマスフローレートは2.0g/10minであった。
<実施例7>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の配合比率のうち、オレフィン系樹脂を55質量部、オレフィン系エラストマーを40質量部、低結晶性樹脂を5質量部に変更し、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)に用いる低結晶性樹脂を35%に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。なお、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)のメルトマスフローレートは0.7g/10minであった。
<実施例8>
下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の配合比率のうち、炭酸塩を90質量部、ケイ酸塩を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。なお、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)のメルトマスフローレートは1.0g/10minであり、線膨張率は9.0×10−5/Kであった。
<実施例9>
下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の配合比率のうち、炭酸塩を70質量部、ケイ酸塩を7質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材8を得た。なお、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)のメルトマスフローレートは1.2g/10minであり、線膨張率は9.5×10−5/Kであった。
<比較例1>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)に用いる低結晶性樹脂の結晶化度を8%にした以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。
<比較例2>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)に用いる低結晶性樹脂の結晶化度を45%にした以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。
<比較例3>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の配合比率のうち、炭酸塩を160質量部に、ケイ酸塩を25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。なお、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)のメルトマスフローレートは0.3g/10minであり、線膨張率7.0×10−5/Kであった。
<比較例4>
上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の配合比率のうち、炭酸塩を10質量部に、ケイ酸塩を3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。なお、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)のメルトマスフローレートは5.0g/10minであり、線膨張率13.0×10−5/Kであった。
<比較例5>
下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)に用いる低結晶性樹脂の結晶化度を8%にした以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。
<比較例6>
下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)に用いる低結晶性樹脂の結晶化度を45%にした以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。
<比較例7>
下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の配合比率のうち、炭酸塩を160質量部に、ケイ酸塩を25質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。なお、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)のメルトマスフローレートは0.3g/10minであり、線膨張率7.0×10−5/Kであった。
<比較例8>
下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の配合比率のうち、炭酸塩を10質量部に、ケイ酸塩を3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エンボス加工床材を得た。なお、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)のメルトマスフローレートは5.0g/10minであり、線膨張率13.0×10−5/Kであった。
なお、低結晶性樹脂の結晶化度は、下記結晶化度測定法により測定された結晶化度である。
<結晶化度測定法>
示差走査熱量系(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minの条件下で、融解熱量(J/g)を測定した。次に、融解熱量を各樹脂それぞれに定められている完全結晶体融解熱量(J/g)で割り算した値に100を掛けた値を結晶化度(%)とした。
また、上側中間樹脂組成物シート、下側中間樹脂組成物シートのメルトマスフローレートは、下記メルトマスフローレート測定法により測定されたメルトマスフローレートである。
<メルトマスフローレート測定方法>
JIS−K−7210−2014に準拠して、押出形プラストメータを用いて、試験温度190℃、試験荷重2.16kgの条件下でメルトマスフローレート(MFR)を測定した。
上記のようにして得られた各床材に対して、下記評価方法に基づいて評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
<賦形性評価法>
実施例1〜9、比較例1〜8で作製した床材を23℃雰囲気下で24時間放置した後、床材の凹部の深さ(mm)をノギスで測定する。次に、裏面樹脂シート、下側中間樹脂組成物シート、上側中間中間樹脂組成物シート及び表面樹脂シートを使用せず、大きさ20cm×20cmの15mm角のドーム型のエンボス金型の上にシリコーン系樹脂を塗布し、23℃雰囲気下で24時間放置して硬化させた後、シリコーン系樹脂で作製した床材の凹部の深さ(mm)をノギスで測定する。
下記算出式に基づいて転写率を算出し、転写率が0.9以上を「◎」とし、0.7以上0.9未満を「〇」とし、0.7未満を「×」とし、「〇」以上を合格とした。
転写率=A/B
A=実施例1〜9、比較例1〜8で作成した床材の凹部の深さ(mm)
B=シリコーン系樹脂で作成した床材の凹部の深さ(mm)
<加工性(カレンダーロールにおけるバンク回り)評価法>
実施例1〜9、比較例1〜8において、2本ロールで混練した後の上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の樹脂組成物と、実施例1〜9、比較例1〜8において、2本ロールで混練した後の下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の樹脂組成物とを用いてカレンダーロールにおけるバンク回り性を評価した。カレンダー装置としては、上下のタテ方向に3本のカレンダーロール(直径800mm)が配置され、一番上のカレンダーロールのヨコ方向に1本のカレンダーロール(直径800mm)が配置されている逆L字型のカレンダーロール装置を用いて評価を行った。ここで、上下のタテ方向に並んでいるカレンダーロールを下から第4ロール、第3ロール、第2ロールとした。次に、一番上の第2ロールのヨコ方向に配置されているカレンダーロールを第1ロールとした。第1ロールと第2ロールとの間(クリアランス設定1.2mm)に、実施例1〜9、比較例1〜8において、2本ロールで混練した後の上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の樹脂組成物を1000g投入し、混練スタートした。第1ロールの加熱温度は180℃、第2ロールの加熱温度は180℃、第3ロールの加熱温度は180℃、第4ロールの加熱温度は170℃。第1ロールの回転速度は37rpm、第2ロールの回転速度は38rpm、第3ロールの回転速度は39rpm、第4ロールの回転速度は40rpmであった。次に、第2ロールと第3ロールとの間のクリアランス設定は1.1mm、第3ロールと第4ロールとの間のクリアランス設定は1.0mmとし、第3ロールと第4ロールとの間での樹脂の回り方を目視で確認し、上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の樹脂組成物が溶融している状態を「○」とし、それ以外の状態を「×」とし、「○」以上を合格とした。また、下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の樹脂組成物も上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の樹脂組成物と同様にして確認した。
<加工性(2本ロールにおける混練性)評価法>
実施例1〜9、比較例1〜8において、バンバリーミキサーで混練した後の上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の樹脂組成物と、実施例1〜9、比較例1〜8において、バンバリーミキサーで混練した後の下側中間樹脂組成物シート(下側中間樹脂組成物層7)の樹脂組成物とを用いて2本ロールでの混練性を評価した。2本ロールとしては、ヨコ方向(上下方向と垂直な方向)に2本配置されている2本ロール(直径200mm)を用いて、2本ロールでの混練性を評価した。ヨコ方向に隣り合う2本ロールのクリアランス設定は1.0mmであり、2本ロールのうち、一方のロールの温度は160℃(回転速度7rpm)、他方のロールの温度は170℃(回転速度7rpm)であった。ヨコ方向に隣り合う2本ロールの間に、実施例1〜9、比較例1〜8において、2本ロールで混練した後の上側中間樹脂組成物シート(上側中間樹脂組成物層6)の樹脂組成物を200g投入し、混練スタートした。1分後、2本のロールの内、温度が高い方のロールから樹脂組成物が剥離できる状態かどうかを実際に剥離してみて確認し、剥離できる状態であれば「○」、剥離できない状態を「×」とし、「○」以上を合格とした。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜9のエンボス加工床材8は、賦形性、カレンダーロールにおけるバンク回りの加工性及び2本ロールにおける混練性にも優れていた。
これに対して、比較例1の床材は、上側中間樹脂組成物シートのカレンダーロールにおけるバンク回りの加工性が劣っていた。比較例2の床材は、上側中間樹脂組成物シートのカレンダーロールにおけるバンク回りの加工性が劣っていた。比較例3の床材は、賦形性が劣っていた。比較例4の床材は、上側中間樹脂組成物シートの2本ロールにおける混練性が劣っていた。比較例5の床材は、下側中間樹脂組成物シートのカレンダーロールにおけるバンク回りの加工性が劣っていた。比較例6の床材は、下側中間樹脂組成物シートのカレンダーロールにおけるバンク回りの加工性が劣っていた。比較例7の床材は、賦形性が劣っていた。比較例8の床材は、下側中間樹脂組成物シートの2本ロールにおける混練性が劣っていた。
本発明に係る床材及びエンボス加工床材は、例えば、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、鉄道、バス、船舶、介護施設、地下施設、病院、浴室、トイレ、洗面室等の床材等として好適である。
1・・・床材
2・・・表面樹脂層
3・・・中間樹脂組成物層
5・・・裏面樹脂層
6・・・上側中間樹脂組成物層
7・・・下側中間樹脂組成物層
8・・・エンボス加工床材
9・・・凸部
10・・・凹部

Claims (4)

  1. 中間樹脂組成物層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、
    前記中間樹脂組成物層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材であって、
    前記表面樹脂層、前記中間樹脂組成物層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、
    前記中間樹脂組成物層は上側中間樹脂組成物層と、該上側中間樹脂組成物層の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層と、を含み、
    前記上側中間樹脂組成物層及び前記下側中間樹脂組成物層は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、
    前記上側中間樹脂組成物層及び前記下側中間樹脂組成物層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられていることを特徴とする床材。
  2. 前記低結晶性樹脂が樹脂成分全体に対して4%〜25%用いられている請求項1に記載の床材。
  3. 請求項1又は2に記載の床材を前記表面樹脂層側からエンボス加工が施されて凹凸形状が形成されているエンボス加工床材。
  4. 中間樹脂組成物層の上面側に表面樹脂層が積層一体化され、
    前記中間樹脂組成物層の下面側に裏面樹脂層が積層一体化されてなる床材の製造方法であって、
    前記表面樹脂層、前記中間樹脂組成物層及び前記裏面樹脂層は、樹脂成分として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが実質的に用いられてなる樹脂層であり、
    前記中間樹脂組成物層は上側中間樹脂組成物層と、該上側中間樹脂組成物層の下面側に積層された下側中間樹脂組成物層と、を含み、
    前記上側中間樹脂組成物層及び下側中間樹脂組成物層は、メルトマスフローレートが0.5g/10min〜3g/10minであり、
    前記上側中間樹脂組成物層及び前記下側中間樹脂組成物層は、樹脂成分としてオレフィン系樹脂及びオレフィン系エラストマー及び結晶化度が10%〜40%である低結晶性樹脂が用いられていることを特徴とする床材の製造方法。
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