JP3451243B2 - ノンハロゲン系床材 - Google Patents
ノンハロゲン系床材Info
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Description
ンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄
道、バス等の車輌の床材等として用いられる、燃焼時に
有毒ガスを発生しにくく、また耐摩耗性、耐汚染性、寸
法安定性、施工性に優れたノンハロゲン系床材に関す
る。
設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材
(タイル状床材、シート状床材)としては、塩化ビニル
樹脂(PVC)からなるものが多く採用されていた。P
VC製床材は、耐摩耗性に優れると共に、充填剤を多量
に含有せしめることができるので寸法安定性に優れてい
るし、多量含有によりコストの低減を図ることができて
経済的である。
おいて多量の発煙と共に塩化水素等の有毒ガスを発生す
ることから、火災時において避難者が該有毒ガス等を吸
入してしまう等の防災上の問題、また焼却廃棄処理によ
って環境汚染をもたらすという問題があった。また、P
VC製床材は可塑剤を多量に含有しているので、特有の
臭気があるし、長年の使用により可塑剤が揮発減量して
床材としての柔軟性が低下するという問題や、長年の使
用により可塑剤が表面にブリードして曇りを生じやすく
外観体裁が悪くなるという問題もあった。
燃焼時に有毒ガスの発生が少ない次のような材料を床材
の構成材として用いることが提案されている。例えばポ
リプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−エチ
ルアクリレートコポリマー、エチレン−メチルメタクリ
レートコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー等
のエチレン系コポリマー、ポリブテン−1等のオレフィ
ン系熱可塑性樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリメ
チルメタクリレートとアクリルゴムとのコポリマー等の
アクリル系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹
脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱
可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー
等を床材の構成材として用いることが提案されている。
これらの樹脂を床材の構成材として用いることで、燃焼
時の有毒ガスの発生の問題や、可塑剤由来の特有の臭
気、曇り発生の問題はほぼ解決される。
者の従来技術では、いずれも充填剤を多量に含有せしめ
ることができないために、寸法安定性において従来のP
VC製床材よりも劣るという問題があり、また充填剤を
多量含有できないので、従来のPVC製床材よりもコス
トが増大するという問題もあった。更に、柔軟性が不足
しており、施工性に劣るという難点もあった。
されたものであって、燃焼時に有毒ガスを発生しにく
く、低コストであると共に、耐摩耗性、耐汚染性、寸法
安定性、施工性に優れたノンハロゲン系床材を提供する
ことを目的とする。
有し、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂(数平均分
子量が20000以下の非晶性ポリα−オレフィン樹脂
を除く)を樹脂成分の主成分として含有し、数平均分子
量が20000以下の非晶性プロピレン−エチレン共重
合体樹脂を樹脂成分全体に対して5〜40重量%含有し
てなる中間樹脂層の上面側に、化学構造中に塩素原子を
有しない樹脂を含有してなる厚さ30〜1000μmの
表面樹脂層が積層一体化されると共に、前記中間樹脂層
の下面側に、ポリプロピレンスパンボンド不織布が加熱
溶融により積層一体化されて裏打層が形成されてなるノ
ンハロゲン系床材であって、前記表面樹脂層が、ポリプ
ロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層か
らなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹
脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造であ るこ
とを特徴とするノンハロゲン系床材によって達成され
る。
構造中に塩素原子を有しない樹脂(数平均分子量が20
000以下の非晶性ポリα−オレフィン樹脂を除く)を
樹脂成分の主成分として含有し、数平均分子量が200
00以下の非晶性ポリプロピレン樹脂を樹脂成分全体に
対して5〜40重量%含有してなる中間樹脂層の上面側
に、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を含有してな
る厚さ30〜1000μmの表面樹脂層が積層一体化さ
れると共に、前記中間樹脂層の下面側に、ポリプロピレ
ンスパンボンド不織布が加熱溶融により積層一体化され
て裏打層が形成されてなるノンハロゲン系床材であっ
て、前記表面樹脂層が、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分
の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なく
とも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分と
して含有する積層構造であることを特徴とするノンハロ
ゲン系床材によっても達成される。
して、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が用いられ
ているから、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安
全性に優れて防災面で好都合であると共に環境保全にも
十分に資することができる。また、表面層が樹脂で構成
されているので、床材表面における耐摩耗性、耐汚染性
に優れ、かつこの表面樹脂層の厚さが30〜1000μ
mに規定されているので、十分に優れた耐摩耗性を確保
しつつ、寸法安定性、上反り発生防止性に優れたものと
なし得る。また、中間樹脂層には充填剤を含有せしめて
いるので、床材として寸法安定性に優れたものとなる。
更に、中間樹脂層を構成する樹脂として数平均分子量が
20000以下の非晶性プロピレン−エチレン共重合体
樹脂または非晶性ポリプロピレン樹脂を、中間樹脂層の
樹脂成分全体に対して5〜40重量%含有せしめている
ので、前記充填剤の多量含有が可能となって寸法安定性
を一段と向上しうると共に、柔軟性に優れたものとなし
得、ひいては床材の施工性を向上させることができる。
更に、中間樹脂層の下面側に、ポリプロピレンスパンボ
ンド不織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層が
形成されており、積層時の加熱によって布に収縮しよう
とする歪みを残存せしめた状態で積層一体化されるの
で、床材の上反りを効果的に防止することができる。加
えて、可塑剤を含有させる必要がないので、これ特有の
臭気が発生することもなく、また長年使用しても表面に
曇りが発生することもなく耐久性にも優れている。更
に、表面樹脂層の少なくとも最表層がポリプロピレン樹
脂を樹脂成分の主成分とするので、耐汚染性を一層向上
できると共に、耐摩耗性も一層向上させることができ
る。そして、積層構造を採用する場合において、この最
表層に接する層がポリエチレン樹脂またはエチレン−酢
酸ビニル樹脂を樹脂成分の主成分とする場合には、上記
特性(優れた耐汚染性及び耐摩耗性)を具備させつつ、
十分な柔軟性をも付与させることができる利点がある。
間樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して100〜
400重量部とするのが好ましい。これにより十分に優
れた寸法安定性を確保しつつ床材として一層優れた柔軟
性を確保できる。
るのが、床材の上反りを効果的に防止しつつ敷設安定性
をより向上し得る点で、好ましい。
ン系床材の一実施形態を図面に基づいて説明する。この
実施形態のノンハロゲン系床材(1)は、充填剤を含有
し、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を樹脂成分の
主成分として含有し、数平均分子量が20000以下の
非晶性プロピレン−エチレン共重合体樹脂または非晶性
ポリプロピレン樹脂を樹脂成分全体に対して5〜40重
量%含有してなる中間樹脂層(3)の上面側に、化学構
造中に塩素原子を有しない樹脂を含有してなる表面樹脂
層(2)が積層一体化されると共に、前記中間樹脂層
(3)の下面側に、ポリプロピレンスパンボンド不織布
が加熱溶融により積層一体化されて裏打層(4)が形成
された積層構造を有するものである(図1参照)。
素原子を有しない樹脂を含有してなる樹脂組成物で構成
される。ここで、前記「樹脂組成物」には樹脂単体のみ
で構成されるものも包含される。表面層がこのような樹
脂で構成されているので、床材(1)表面における耐摩
耗性、耐汚染性に優れたものとなる。また、化学構造中
に塩素原子を有しない樹脂であるから、燃焼時に有毒ガ
スを発生しにくい。
としては、特に限定されるものではないが、例えばポリ
プロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、
オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑
性エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどが挙げら
れる。
を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、
又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分
の主成分として含有する積層構造である。表面樹脂層の
少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主
成分とするので、汚れが表面に付着しても容易に拭き取
って除去することができて耐汚染性を一層向上できると
共に、耐摩耗性も一層向上させることができる。そし
て、積層構造を採用する場合において、この最表層に接
する層がポリエチレン樹脂またはエチレン−酢酸ビニル
樹脂を樹脂成分の主成分とする場合には、上記特性(優
れた耐汚染性及び耐摩耗性)を具備させつつ、十分な柔
軟性をも付与させることができる。具体的には、ポリプ
ロピレン樹脂からなる単層構造、最表層がポリプロピレ
ン樹脂からなり、該最表層に接する層がポリエチレン樹
脂からなる2層構造、或いは図1に示されるように最表
層(2a)がポリプロピレン樹脂からなり、該最表層に
接する中間層(2b)がポリエチレン樹脂からなり、最
下層(2c)がポリプロピレン樹脂からなる3層積層構
造等が挙げられる。前記3層積層構造を採用する場合に
は、最表層(2a)と最下層(2c)は同種の樹脂で構
成するのが、反りを十分に防止できる点で、望ましい。
段としては、表面樹脂層(2)の上面、下面または表面
樹脂層中等に印刷模様を付与する手段等が挙げられる
が、いずれにせよ、床材(1)の表面側から見て印刷模
様が視認される形態となされていれば良く、上記構成の
ものに特に限定されるものではない。これらの中でも、
図1に示されるように、表面樹脂層(2)の下面に柄印
刷等の印刷層(8)を積層するのがより好ましく、この
ように印刷層(8)が表面樹脂層(2)の下に配置され
ていることで、使用時の接触等によって印刷層(8)が
擦れて傷付いたり、剥離するようなことが防止され、ひ
いては優れた意匠性を長期にわたり確保することができ
る。なお、印刷模様付与のための印刷方法としては、特
に限定されず、例えばインクジェット法、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法、転写印刷法等が挙げられる。
て、表面樹脂層(2)に柄材を混入する手段が挙げられ
る。表面樹脂層(2)にこのような柄材を混入すること
により、柄材が透明ないしは半透明な表面樹脂層(2)
中にランダムに混在し、深みのある柄模様を表出するこ
とができる。
ことができ、特に限定されるものではないが、例えば熱
硬化性尿素樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂からなる粒
状物、セルロースやアルミニウムを主原料とした角状な
いしフレーク状の柄チップ、あるいはセルロースを主原
料とした針状物からなるもの等が好適に用いられる。こ
れらの柄材は、単独で用いても良いし、あるいは複数種
併用して用いても良い。
は、表面樹脂層(2)の全重量に対して30重量%以下
とするのが良く、より好ましくは10重量%以下であ
る。柄材の混入量が30重量%を超えると、表面樹脂層
(2)に深みのある外観美良好な柄模様を表出させるこ
とが困難になる恐れがあるので、好ましくない。
用して、表面樹脂層(2)に着色顔料を混入しても良
い。この顔料を混入する場合、その混入量は、表面樹脂
層(2)の全重量に対して0.1〜5重量%に設定する
のが好ましい。0.1重量%未満では、着色が不十分と
なるし、5重量%を超えると表面樹脂層(2)の物性が
低下する恐れがあるので、好ましくない。
合せしめた着色層との組み合わせにより、即ちこれら層
の多層構造により表面樹脂層(2)を構成しても良い。
もちろん、前記印刷層(8)と、柄材層または/および
着色層を併用する構成としても良い。更に意匠性を向上
させるために、表面樹脂層(2)の表面に凹凸柄を形成
せしめた構成とすることもできる。
ち表面樹脂層(2)の上面に処理剤を塗工する等して皮
膜を形成しても良い。例えば耐摩耗性を向上させる観点
から、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を主成分とする
皮膜を表面樹脂層(2)上面に形成しても良い。なお、
このような皮膜は50μm以下の厚さに形成するのが一
般的である。
000μmとする必要がある。30μm未満では耐摩耗
性が低下するし、一方1000μmを超えると床材
(1)に上反りが発生しやすくなるし、寸法安定性が低
下する。中でも、表面樹脂層(2)の厚さは200〜6
00μmとするのが好ましい。
含有し、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂(数平均
分子量が20000以下の非晶性ポリα−オレフィン樹
脂を除く)を樹脂成分の主成分として含有し、数平均分
子量が20000以下の非晶性プロピレン−エチレン共
重合体樹脂を中間樹脂層の樹脂成分全体に対して5〜4
0重量%含有してなる樹脂組成物、或いは、充填剤を含
有し、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂(数平均分
子量が20000以下の非晶性ポリα−オレフィン樹脂
を除く)を樹脂成分の主成分として含有し、数平均分子
量が20000以下の非晶性ポリプロピレン樹脂を中間
樹脂層の樹脂成分全体に対して5〜40重量%含有して
なる樹脂組成物で構成される。
とで、床材(1)として寸法安定性に優れたものとなる
し、多量含有によりコストの低減を図ることができる。
また、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を樹脂成分
の主成分として含有するから、燃焼時に有毒ガスを発生
しにくい。また、数平均分子量が20000以下の非晶
性プロピレン−エチレン共重合体樹脂または非晶性ポリ
プロピレン樹脂を、中間樹脂層の樹脂成分全体に対して
5〜40重量%含有せしめているので、充填剤を多量に
含有させることが可能となり、これにより寸法安定性を
顕著に向上できると共に、床材(1)としての柔軟性を
十分に付与することができ、ひいては床材の施工性を向
上させることができる。なお、5重量%未満では充填剤
の多量含有が困難となるし、柔軟性向上効果が殆ど得ら
れなくなる。また、40重量%を超えると、加工性、耐
熱性、強度、寸法安定性が低下するので床材として不適
なものとなる。中でも、数平均分子量が20000以下
の非晶性プロピレン−エチレン共重合体樹脂または非晶
性ポリプロピレン樹脂を、中間樹脂層の樹脂成分全体に
対して15〜25重量%含有せしめるのが、好ましい。
更に、前記非晶性プロピレン−エチレン共重合体樹脂ま
たは非晶性ポリプロピレン樹脂の数平均分子量は、10
00〜10000の範囲にあるのが、好ましい。このよ
うな分子量とすることで、床材(1)として柔軟性を一
層向上させることができるので、床材(1)としての施
工性を一層向上させることができる。
中に塩素原子を有しない樹脂としては、特に限定される
ものではないが、例えばホモポリプロピレン樹脂、ブロ
ックポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹
脂、低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹
脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状ポリエチレン樹
脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−αオ
レフィン共重合体等のエチレン系コポリマー等の熱可塑
性樹脂、あるいは軟質層がエチレン−プロピレンゴム、
硬質層がポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂から
なるオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱
可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、あるい
はまたスチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム等のゴム系成分等が挙げられる。中でも、
中間樹脂層(3)を構成する化学構造中に塩素原子を有
しない樹脂としてはオレフィン系樹脂が好適である。
ではないが、従来床材の充填剤として公知のものが使用
でき、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、ア
ルミナ、シリカ等が挙げられる。水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウムを用いる場合には難燃性を付与させ
ることができる。
を構成する樹脂100重量部に対して100〜400重
量部とするのが、好ましい。100重量部未満では、寸
法安定性が低下するし、コスト面でも不利であるので、
好ましくない。400重量部を超えると、硬く、脆くな
るし、加工性も低下するので、好ましくない。中でも、
充填剤の配合量は、中間樹脂層を構成する樹脂100重
量部に対して150〜300重量部とするのが、より好
ましい。
mとするのが好ましい。1mm未満では十分な寸法安定
性が得られなくなるので好ましくないし、一方5mmを
超えると重量が増大してハンドリングが悪くなると共に
施工性も低下するので、好ましくない。中でも、1.5
〜3mmとするのがより好ましい。
(3)のいずれにも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑
剤、安定剤、光安定剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、
柄剤(意匠性向上目的等)等の各種添加剤を適宜含有せ
しめても良い。
ンボンド不織布が加熱溶融により中間樹脂層(3)の下
面側に積層一体化されて形成されたものである。ポリプ
ロピレンスパンボンド不織布を用いていることで、積層
時の加熱によって布に収縮しようとする歪みを残存せし
めた状態で裏打層(4)が一体的に積層されるので、床
材(1)の上反りが効果的に防止される。
50g/m2 であるのが好ましい。20g/m2 未満で
は床材の上反り防止効果が低下するので好ましくない
し、150g/m2 を超えると下反り傾向が顕著になっ
て敷設安定性が低下するので、好ましくない。
さは、特に限定されないが、通常2〜5mmが一般的で
ある。また、タイル状床材として構成しても良いし、シ
ート状床材(例えば幅600〜2500mm程度の長尺
シート等)として構成しても良く、特に限定されない。
(1)の製造方法としては、特に限定されず、例えば押
出機等の公知の装置や、その他の公知の積層技術を用い
て積層することにより製造することができる。また、そ
の積層順序も特に限定されない。
する。
ロピレン−エチレン共重合体(非晶性ポリα−オレフィ
ン樹脂)10重量部、数平均分子量が160000のエ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂55重量部、ポリ
プロピレン35重量部、炭酸カルシウム150重量部、
酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.
4重量部、滑剤(リン酸エステル系のもの)1.2重量
部からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレ
ンダー成形機を用いて厚さ1.8mmの中間シート(中
間樹脂層)を作成した。
ピレン(PP)樹脂層/ポリエチレン(PE)樹脂層/
ポリプロピレン(PP)樹脂層の3層構造(各層は同厚
さ)からなる厚さ200μmのシート(表面樹脂層)を
共押出加工機を用いて作成し、同時に裏面にグラビア印
刷により所定の柄を印刷して、上層シートを得た。
ピレンスパンボンド不織布(目付40g/m2 、加熱溶
融前の不織布形態での熱収縮率が2%のもの)を、ホッ
トラミネート加工機を用いてこの順にラミネートし、厚
さ2.0mmの床材を得た。
以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
共重合体に代えて数平均分子量が4000の非晶性ポリ
プロピレン樹脂を用いた以外は、実施例3と同様にして
床材を得た。
り)とした以外は、実施例3と同様にして床材を得た。
は、実施例1と同様にして床材を得た。
平均分子量6000)の配合量を表5に示す少量とし
て、混練したが、炭酸カルシウムが完全に混ざらず、良
好な中間シートが得られなかった。即ち、非晶性ポリα
−オレフィン樹脂の配合量が少なすぎると充填剤を高充
填することができなかった。
を完全に混ざる量まで減量し、これら以外は実施例3と
同様にして床材を得た。
平均分子量6000)などの配合量を表6に示す多量と
した以外は、実施例3と同様にして床材を得た。
例3と同様にして床材を得た。
て、下記の試験を行った。これらの試験結果を表8に示
す。
摩擦試験方法に準じて、各床材の表面に、所定の研磨紙
を巻き付けた摩耗輪を使用し、テーパ摩耗試験機にて1
000回転させ、摩耗減量(g)を測定した。摩耗減量
が0.25g以下のものを「◎」とし、0.25〜0.
30gのものを「○」とし、0.30gを超えるものを
「×」とした。
準じて、各床材の表面に汚染材料を2mL滴下し、24
時間静置して、中性洗剤を含む水で洗浄し、更にアルコ
ールで洗浄した後、ガーゼで拭き取って、1時間放置
後、目視により滴下部分の色、光沢及び膨れの変化を観
察した。観察によりいずれも変化のないものを「◎」と
し、少なくともいずれか1つ変化のあるものを「×」と
した。
さ変化試験に準じて、各床材を80℃で6時間加熱した
後、室内に1時間静置し、加熱前の長さに対する変化率
を測定した。長さ変化率が1.0%未満のものを「◎」
とし、同1.0〜1.5%のものを「○」とし、同1.
5%を超えるものを「×」とした。
工床面)との馴染みの良いものを「◎」とし、柔軟性が
良好で施工作業性が良く、下地との馴染みの良いものを
「○」とし、柔軟性が不十分で施工作業性が悪く、下地
との馴染みも悪いものを「×」とした。
拠して、JIS G4305に規定する厚さ3mmのス
テンレス鋼板の上に床材試験片(50cm×50cmサ
イズに裁断されたもの)を置き、水平にして標準状態
(20±2℃、65±2%RH)で24時間放置した
後、水平な試験台の上に載置し、各試験片の四隅と試験
台の隙間の大きさを測定した。各試験片四隅における試
験台との隙間の合計が、1.0mm以下のものを「◎」
とし、1.0mmを超え1.5mm以下のものを「○」
とし、1.5mmを超えるものを「×」とした。
例1〜8の床材は、耐摩耗性、耐汚染性、寸法安定性、
施工性、反り防止性のいずれにも優れていた。
子量20000以下の非晶性ポリα−オレフィン樹脂の
含有率がこの発明の規定範囲を下回って逸脱し、炭酸カ
ルシウムを高充填できなかった比較例2の床材は、寸法
安定性、施工性ともに劣っていた。また、中間樹脂層に
おける数平均分子量20000以下の非晶性ポリα−オ
レフィン樹脂の含有率がこの発明の規定範囲を上回って
逸脱する比較例3の床材は、寸法安定性に劣っていた
し、耐熱性も悪かった。また、表面樹脂層の厚さがこの
発明の規定範囲を下回って逸脱する比較例4の床材は、
耐摩耗性が不十分であった。更に、表面樹脂層の厚さが
この発明の規定範囲を上回って逸脱する比較例5の床材
は、施工性、反り防止性のいずれにも劣っていた。
焼試験、防炎試験(消防法)を行った。これらの結果を
表9に示す。
煙箱の中に試料を垂直に置き、その正面にあるヒーター
から輻射熱を当てながらバーナーの炎も当て有炎燃焼さ
せ、発煙箱中に発生した煙に対して光電管により光透過
率を測定し、この光透過率(T)から下記算出式に基づ
いて煙濃度(Ds)を算出するものである。
に、発煙箱中のガスをテフロンバッグに採取し、発生ガ
ス分析を行った。
は、燃焼時の発煙性が低く、有毒ガスも殆ど発生しない
ことを確認できた。
層の構成材料として、化学構造中に塩素原子を有しない
樹脂が用いられているから、低発煙性であり、燃焼時の
有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れて防災面で
好都合であると共に環境保全にも十分に資することがで
きる。また、表面層が樹脂で構成され、かつこの表面樹
脂層の厚さが30μm以上に規定されているので、耐摩
耗性、耐汚染性に優れている。また、表面樹脂層の厚さ
が1000μm以下に規定され、かつ中間樹脂層に充填
剤を含有せしめているので、寸法安定性、上反り発生防
止性に優れたものとなる。更に、中間樹脂層を構成する
樹脂として数平均分子量が20000以下の非晶性プロ
ピレン−エチレン共重合体樹脂または非晶性ポリプロピ
レン樹脂を、中間樹脂層の樹脂成分全体に対して5〜4
0重量%含有せしめているので、前記充填剤の多量含有
が可能となって寸法安定性を一段と向上しうると共に、
柔軟性に優れたものとなし得て床材の施工性を向上させ
ることができる。このように寸法安定性に非常に優れて
いるので、ホモジニアスタイルのような特に優れた寸法
安定性が要求される床材として用いる場合であっても、
ガラス不織布等の挿入配置を要することなく十分に対応
できる利点がある。更に、中間樹脂層の下面側に、ポリ
プロピレンスパンボンド不織布が加熱溶融により積層一
体化されて裏打層が形成されているので、床材の上反り
を効果的に防止することができる。加えて、可塑剤を含
有させる必要がないので、これ特有の臭気が発生するこ
ともなく、また長年使用しても表面に曇りが発生するこ
ともなく耐久性にも優れている。更に、表面樹脂層が、
ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する
単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピ
レン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造で
あるから、耐摩耗性、耐汚染性をより一層向上させるこ
とができる。
間樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して100〜
400重量部である場合には、十分に優れた寸法安定性
を確保しつつ施工性を一層向上させることができる。
る場合には、床材の上反りを十分に防止しつつ敷設安定
性をより一層向上できる利点がある。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 充填剤を含有し、化学構造中に塩素原子
を有しない樹脂(数平均分子量が20000以下の非晶
性ポリα−オレフィン樹脂を除く)を樹脂成分の主成分
として含有し、数平均分子量が20000以下の非晶性
プロピレン−エチレン共重合体樹脂を樹脂成分全体に対
して5〜40重量%含有してなる中間樹脂層の上面側
に、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を含有してな
る厚さ30〜1000μmの表面樹脂層が積層一体化さ
れると共に、前記中間樹脂層の下面側に、ポリプロピレ
ンスパンボンド不織布が加熱溶融により積層一体化され
て裏打層が形成されてなるノンハロゲン系床材であっ
て、前記表面樹脂層が、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分
の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なく
とも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分と
して含有する積層構造であることを特徴とするノンハロ
ゲン系床材。 - 【請求項2】 充填剤を含有し、化学構造中に塩素原子
を有しない樹脂(数平均分子量が20000以下の非晶
性ポリα−オレフィン樹脂を除く)を樹脂成分の主成分
として含有し、数平均分子量が20000以下の非晶性
ポリプロピレン樹脂を樹脂成分全体に対して5〜40重
量%含有してなる中間樹脂層の上面側に、化学構造中に
塩素原子を有しない樹脂を含有してなる厚さ30〜10
00μmの表面樹脂層が積層一体化されると共に、前記
中間樹脂層の下面側に、ポリプロピレンスパンボンド不
織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層が形成さ
れてなるノンハロゲン系床材であって、前記表面樹脂層
が、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有
する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプ
ロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構
造であることを特徴とするノンハロゲン系床材。 - 【請求項3】 前記中間樹脂層における充填剤の配合量
が、中間樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して1
00〜400重量部である請求項1または2に記載のノ
ンハロゲン系床材。 - 【請求項4】 前記裏打層の目付が20〜150g/m
2 である請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンハロ
ゲン系床材。
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