JP5042537B2 - 樹脂シート及びこれを用いた床材 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、床材の基材樹脂層又は床材として用いられる柔軟性のある樹脂シート及び該樹脂シートを用いて構成された床材に関する。
従来、ビル、マンション、家屋、商業施設等の建築物の床材、或いは鉄道、バス等の車輌の床材としては、難燃性、耐摩耗性、耐熱性に優れることから、可塑剤を多量に含有せしめた塩化ビニル樹脂(PVC)、或いは加硫ゴムからなる床材が多く採用されていた。これら床材は、一定の性能を発揮する上に、加工が容易で経済的にも優れている。
しかしながら、加硫ゴム製床材は、表面が汚染されやすく耐汚染性に劣っている上に、透明性に劣るために意匠上の制約が大きいし、さらに硬いために施工性に劣るというような諸問題を抱えていた。
また、PVC製床材は、燃焼時において多量の発煙と共に塩化水素等の有害ガスを発生することから、火災時において避難者が該有害ガス等を吸入してしまう等の防災上の問題、また焼却廃棄処理によって環境汚染をもたらすという問題があった。また、PVC製床材は、可塑剤を多量に含有しているので、特有の臭気があるし、このような可塑剤による臭気はシックハウス症候群の原因の1つとも言われている。また、長年の使用により可塑剤が揮発減量して床材としての柔軟性が低下するという問題や、長年の使用により可塑剤が表面にブリードしてきて曇りを生じやすく外観体裁が悪くなるという問題もあった。
そこで、近年では、次のような材料を床材の構成材料として用いることが提案されている。
例えば、特許文献1では、上地層と下地層を備えた床材であって、上地層は、ポリオレフィン30〜70重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体69〜5重量部、酸変性オレフィン系樹脂1〜25重量部及び無機充填材50〜300重量部からなる樹脂層であり、下地層は、ポリオレフィン25〜70重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体74〜15重量部、酸変性オレフィン系樹脂1〜15重量部及び無機充填材50〜300重量部からなる樹脂層である構成からなる床材を用いることが提案されている。
また、特許文献2では、実質的にハロゲンを含有しない材料からなるバッカー材の上面に、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリエステルエラストマーフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム及びポリウレタン樹脂フィルムからなる群より選ばれたフィルムが積層されてなる床材を用いることが提案されている。
これら提案された床材では、燃焼時における有害ガス発生の問題、可塑剤由来の特有の臭気の発生と曇り発生の問題、及び表面が汚染されやすいという問題は、ほぼ解決されている。
特開平11−48416号公報 特開2000−110339号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の床材は、硬いものであって柔軟性に乏しく、このために施工性に劣るという問題があった。更に、床材の上をハイヒールのような細い踵の靴で歩行した際に体重が細い踵に集中することによって床材に靴跡が残りやすいという問題もあった。即ち、特許文献1、2に記載の床材は、耐ヒールマーク性が不十分であった。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、燃焼時に有害ガスを発生しにくく、臭気発生もなく、耐摩耗性、耐汚染性に優れると共に、十分な柔軟性があって施工性に優れ、かつ耐ヒールマーク性にも優れた樹脂シート及び床材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]化学構造中に塩素原子を有しない樹脂に充填剤が混合されてなる樹脂組成物からなる樹脂シートであって、
前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂として、少なくともスチレン系エラストマー及び酸変性樹脂が用いられ、
前記スチレン系エラストマーを樹脂成分全体に対して30〜99.9質量%含有し、前記酸変性樹脂を樹脂成分全体に対して0.1〜20質量%含有することを特徴とする樹脂シート。
[2]化学構造中に塩素原子を有しない樹脂に充填剤が混合されてなる樹脂組成物からなる樹脂シートであって、
前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂として、少なくとも下記第1樹脂成分、第2樹脂成分及び第3樹脂成分が用いられ、
第1樹脂成分:スチレン系エラストマー
第2樹脂成分:酸変性樹脂
第3樹脂成分:脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル及びパラフィン系オイルからなる群より選ばれる1種または2種以上の樹脂
前記第1樹脂成分を樹脂成分全体に対して30〜98.9質量%含有し、前記第2樹脂成分を樹脂成分全体に対して0.1〜20質量%含有し、前記第3樹脂成分を樹脂成分全体に対して1〜20質量%含有することを特徴とする樹脂シート。
[3]前記スチレン系エラストマーとして、水素添加したスチレン系エラストマーが用いられている前項1または2に記載の樹脂シート。
[4]前記酸変性樹脂として、酸変性エラストマーが用いられている前項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂シート。
[5]前記酸変性樹脂として、カルボン酸変性スチレン系エラストマーが用いられている前項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂シート。
[6]前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂100質量部に対して前記充填剤が50〜400質量部混合されている前項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂シート。
[7]前記スチレン系エラストマーとして、動的粘弾性測定を行うことによって得られた、縦軸が損失正接(tanδ)で横軸が測定温度(℃)である粘弾性スペクトルにおいて損失正接のピーク値が1.0以上であり且つ20℃での損失正接が0.1以上であるスチレン系エラストマーが用いられている前項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂シート。
[8]前記樹脂シートのJIS K6251−2004(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に準拠して測定された歪み100%時の引張応力が5.0MPa以上であり、前記樹脂シートのJIS K6253−1997(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に準拠して測定されたデュロメータ硬さAが60〜85である前項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂シート。
[9]前項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂シートからなる基材樹脂層と、前記基材樹脂層の片面に積層され、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を含有してなる表面樹脂層とを備えていることを特徴とする床材。
[10]前記表面樹脂層は、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造である前項9に記載の床材。
[11]床材のJIS K7171−1994(プラスチック曲げ特性の試験方法)に準拠して測定された曲げ弾性率が300MPa以下であり、床材のJIS A1454−2005の6.6残留へこみ試験のA法に準拠して測定された残留へこみ率が8.0%以下である前項9または10に記載の床材。
[1]の発明では、構成材料として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が用いられているから、燃焼時の有害ガスの発生が少なく燃焼安全性に優れて防災面で好都合であると共に環境保全にも十分に貢献できるし、耐摩耗性、耐汚染性にも優れている。また、充填剤を含有しているので、シートとして寸法安定性に優れたものとなる。また、スチレン系エラストマーを樹脂成分全体に対して30〜99.9質量%含有するので、シートとして十分な柔軟性が得られ、例えば床材として用いられた場合には床材の施工性を向上させることができる。かつ酸変性樹脂を樹脂成分全体に対して0.1〜20質量%含有するので、シートの強度を十分に確保することができ、例えば床材として用いられた場合には耐ヒールマーク性に優れたものとなる。更に、可塑剤を含有させる必要がないので、これ特有の臭気が発生することもなく、また長年使用しても表面に曇りが発生することもない。
[2]の発明では、構成材料として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が用いられているから、燃焼時の有害ガスの発生が少なく燃焼安全性に優れて防災面で好都合であると共に環境保全にも十分に貢献できるし、耐摩耗性、耐汚染性にも優れている。また、充填剤を含有しているので、シートとして寸法安定性に優れたものとなる。また、スチレン系エラストマーを樹脂成分全体に対して30〜98.9質量%含有するので、シートとして十分な柔軟性が得られ、例えば床材として用いられた場合には床材の施工性を向上させることができる。かつ酸変性樹脂を樹脂成分全体に対して0.1〜20質量%含有するので、シートの強度を十分に確保することができ、例えば床材として用いられた場合には耐ヒールマーク性に優れたものとなる。更に、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル及びパラフィン系オイルからなる群より選ばれる1種または2種以上の樹脂を含有し、該樹脂を樹脂成分全体に対して1〜20質量%含有するので、シートの柔軟性や耐ヒールマーク性を損なうことなく、充填剤の分散性を向上させることができて、これにより充填剤の多量含有が可能となって寸法安定性を一段と向上できる。加えて、可塑剤を含有させる必要がないので、これ特有の臭気が発生することもなく、また長年使用しても表面に曇りが発生することもない。
[3]の発明では、スチレン系エラストマーとして、水素添加したスチレン系エラストマーを用いているから、シートの耐熱性を十分に向上させることができ、これによりリサイクル適性に優れた樹脂シートを提供することができる。
[4]の発明では、酸変性樹脂として、酸変性エラストマーが用いられているから、シートの柔軟性をより一層向上させることができる。
[5]の発明では、酸変性樹脂として、カルボン酸変性スチレン系エラストマーが用いられているから、シートの柔軟性をより一層向上させることができると共に、シートの強度もより向上させることができて耐ヒールマーク性がさらに向上する。
[6]の発明では、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂100質量部に対して充填剤が50〜400質量部混合されているから、十分に優れた寸法安定性を確保しつつ一層優れた柔軟性を確保できる。
[7]の発明では、スチレン系エラストマーとして、動的粘弾性測定を行うことによって得られた、縦軸が損失正接(tanδ)で横軸が測定温度(℃)である粘弾性スペクトルにおいて損失正接のピーク値が1.0以上であり且つ20℃での損失正接が0.1以上であるスチレン系エラストマーが用いられているから、振動吸収性や衝撃吸収性に優れるだけでなく、反発弾性が小さく、馴染み性に優れ、巻き癖の付き難い樹脂シートを提供できる。
[8]の発明では、樹脂シートの歪み100%時の引張応力が5.0MPa以上であり、樹脂シートのデュロメータ硬さAが60〜85であるから、柔軟性を維持しつつ、耐ヒールマーク性をさらに向上させることができる。
[9]の発明に係る床材は、構成材料として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が用いられているから、燃焼時の有害ガスの発生が少なく燃焼安全性に優れて防災面で好都合であると共に環境保全にも十分に貢献できるし、耐摩耗性、耐汚染性にも優れている。また、充填剤を含有しているので、床材として寸法安定性に優れたものとなる。また、スチレン系エラストマーを樹脂成分全体に対して特定範囲の割合で含有するので、十分な柔軟性が得られ、床材の施工性を向上させることができる。かつ酸変性樹脂を樹脂成分全体に対して特定範囲の割合で含有するので、床材の強度を十分に確保することができ、耐ヒールマーク性に優れたものとなる。更に、可塑剤を含有させる必要がないので、これ特有の臭気が発生することもなく、また長年使用しても表面に曇りが発生することもない。
[10]の発明では、表面樹脂層は、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造であり、表面樹脂層の少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分とするので、耐汚染性を一層向上できると共に、耐摩耗性も一層向上させることができる。
[11]の発明では、床材の曲げ弾性率が300MPa以下であるから、柔軟性をさらに向上し得て施工性をより向上させることができると共に、床材の残留へこみ率が8.0%以下であるから、耐ヒールマーク性をより向上させることができる。
次に、この発明に係る樹脂シート(1)の一実施形態について説明する。この樹脂シート(1)は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂に充填剤が混合されてなる樹脂組成物からなり、前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂として、少なくともスチレン系エラストマー及び酸変性樹脂が用いられ、前記スチレン系エラストマーを樹脂成分全体に対して30〜99.9質量%含有し、前記酸変性樹脂を樹脂成分全体に対して0.1〜20質量%含有することを特徴とする。
前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂としては、少なくともスチレン系エラストマー(第1樹脂成分)及び酸変性樹脂(第2樹脂成分)を用いる。
前記第1樹脂成分としてのスチレン系エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。なお、前記第1樹脂成分としてのスチレン系エラストマーには、酸変性スチレン系エラストマーは包含されない。
前記第1樹脂成分としてのスチレン系エラストマーとしては、水素添加したスチレン系エラストマーを用いるのが好ましい。この水素添加したスチレン系エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、例えばスチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、水素添加スチレン−ブタジエンゴム(HSBR)等が挙げられる。前記水素添加は、二重結合部分の全てになされたものであっても良いし、二重結合部分の一部になされたものであっても良い。
また、前記第1樹脂成分としてのスチレン系エラストマーとしては、動的粘弾性測定を行うことによって得られた、縦軸が損失正接(tanδ)で横軸が測定温度(℃)である粘弾性スペクトルにおいて損失正接のピーク値が1.0以上であり且つ20℃での損失正接が0.1以上であるスチレン系エラストマーを用いるのが好ましい。このような構成を採用すれば、振動吸収性や衝撃吸収性に優れるだけでなく、反発弾性が小さく、馴染み性に優れ、巻き癖の付き難い樹脂シートを提供できる。中でも、前記粘弾性スペクトルにおいて損失正接のピーク値が1.2以上であり且つ20℃での損失正接が0.2以上であるスチレン系エラストマーを用いるのがより好ましい。前記粘弾性スペクトルは、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の粘弾性スペクトロメーターEXSTAR6000DMS6100を用いて動的粘弾性測定を行うことによって得られたものである。測定条件は、引張りモードで、測定周波数:正弦波振動11Hz、昇温速度3℃/分である。また、測定試料寸法は、長さ30mm×幅10mm×厚さ1mmである。なお、前記損失正接(損失係数)は、貯蔵剪断弾性率(G’)(ジープライム)と損失剪断弾性率(G”)(ジーダブルプライム)の比G”/G’で定義される値である。
前記第1樹脂成分としてのスチレン系エラストマーは、樹脂成分全体に対して30〜99.9質量%含有せしめる。30質量%未満では十分な柔軟性が得られなくなる。中でも、前記第1樹脂成分としてのスチレン系エラストマーは、樹脂成分全体に対して50〜99.9質量%含有せしめるのが好ましく、特に好ましい範囲は70〜99.9質量%である。
前記第2樹脂成分としての酸変性樹脂(酸で変性した樹脂)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム等に、マレイン酸、オレイン酸等の酸や、酸無水物をグラフトしたもの等が挙げられる。具体的には、例えば、マレイン酸をグラフトしたポリプロピレン、マレイン酸をグラフトしたポリエチレン、マレイン酸をグラフトしたスチレン−ブタジエンゴム、無水マレイン酸をグラフトしたポリプロピレン、無水マレイン酸をグラフトしたポリエチレン、無水マレイン酸をグラフトしたスチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。
前記酸変性樹脂としては、酸変性エラストマーを用いるのが好ましく、この場合には、シートの柔軟性をより一層向上させることができる利点がある。中でも、酸変性スチレン系エラストマーを用いるのがより好ましく、特に好ましいのはカルボン酸変性スチレン系エラストマーである。なお、前記「カルボン酸」の語は、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、酸無水物等を含む意味で用いている。
前記第2樹脂成分としての酸変性樹脂は、樹脂成分全体に対して0.1〜20質量%含有せしめる。0.1質量%未満では充填剤の凝集防止効果が得られ難くなってシートの強度が低下して耐ヒールマーク性が低下するし、20質量%を超えると十分な柔軟性が得られなくなる。中でも、前記第2樹脂成分としての酸変性樹脂は、樹脂成分全体に対して0.1〜10質量%含有せしめるのが好ましく、より好ましいのは0.5〜5質量%である。
前記樹脂組成物には、前記第1樹脂成分及び前記第2樹脂成分以外に、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂として、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル及びパラフィン系オイルからなる群より選ばれる1種または2種以上の樹脂(第3樹脂成分)を含有せしめるのが好ましい。この場合には、樹脂組成物を可塑化することができて、これにより充填剤の多量含有が可能となって寸法安定性を一段と向上できる。前記第3樹脂成分を含有せしめる場合には、第3樹脂成分を樹脂成分全体に対して1〜20質量%含有せしめる。1質量%以上とすることで可塑化効果を十分に得ることができると共に充填剤の分散性も向上させることができ、20質量%以下とすることでシート(1)の柔軟性、強度、伸び、耐ヒールマーク性が低下することがないし、樹脂組成物の成形加工性も良好なものとなる。中でも、前記第3樹脂成分を樹脂成分全体に対して3〜15質量%含有せしめるのが好ましい。
前記テルペン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばテルペン樹脂、水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂(芳香族化合物で変性したテルペン樹脂)等が挙げられる。
なお、前記第3樹脂成分には、酸変性樹脂は包含されない。
前記樹脂組成物には、前記第1樹脂成分及び前記第2樹脂成分以外に、又は前記第1樹脂成分及び前記第2樹脂成分並びに前記第3樹脂成分以外に、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を1種又は2種以上含有せしめても良い。前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー等が挙げられる。中でも、ポリプロピレン樹脂又は/及びポリエチレン樹脂を用いるのが好ましい。
前記樹脂組成物の組成は、次のような構成であるのが特に好ましい。即ち、前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂として、少なくとも下記第1樹脂成分、第2樹脂成分及び第3樹脂成分が用いられ、
第1樹脂成分:スチレン系エラストマー
第2樹脂成分:酸変性樹脂
第3樹脂成分:脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル及びパラフィン系オイルからなる群より選ばれる1種または2種以上の樹脂
前記第1樹脂成分を樹脂成分全体に対して30〜98.9質量%含有し、前記第2樹脂成分を樹脂成分全体に対して0.1〜10質量%含有し、前記第3樹脂成分を樹脂成分全体に対して1〜20質量%含有し、
前記第1樹脂成分、前記第2樹脂成分及び前記第3樹脂成分の合計が樹脂成分全体に対して50質量%以上である構成が特に好ましい。
また、前記第1樹脂成分、前記第2樹脂成分及び前記第3樹脂成分の合計は、樹脂成分全体に対して65質量%以上であるのがさらに好ましい。
前記充填剤としては、特に限定されないが、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、シリカ等が挙げられる。水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを用いる場合には難燃性を付与することもできる。前記充填剤の配合量は、前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂100質量部に対して50〜400質量部とするのが好ましい。50質量部以上とすることで十分な寸法安定性を確保できる。また400質量部以下とすることで十分な柔軟性及び優れた耐ヒールマーク性を確保できる。中でも、前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂100質量部に対して前記充填剤が100〜300質量部混合されているのがより好ましい。
前記樹脂シート(1)は、上記好適な構成が適宜組み合わされることにより、該樹脂シートのJIS K6251−2004(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に準拠して測定された歪み100%時の引張応力が5.0MPa以上になるように構成されているのが好ましく、この場合にはシート(1)の強度をさらに向上させることができる。
また、前記樹脂シート(1)は、上記好適な構成が適宜組み合わされることにより、該樹脂シートのJIS K6253−1997(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に準拠して測定されたデュロメータ硬さAが60〜85であるように構成されているのが好ましい。85以下であることで柔軟性を損なうことがないと共に、60以上であることで樹脂シート(1)の耐ヒールマーク性をさらに向上させることができる。中でも、前記デュロメータ硬さAが65〜85であるように構成されているのがより好ましい。
この発明の樹脂シート(1)は、そのまま床材(10)として使用することもできるが(図1参照)、該樹脂シート(1)からなる基材樹脂層(6)の片面に、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を含有してなる表面樹脂層(2)を積層して床材(10)を構成することもできる(図2参照)。このように表面樹脂層(2)を積層することにより、耐摩耗性と耐汚染性の向上した床材(10)を提供することができる。
前記表面樹脂層(2)を構成する化学構造中に塩素原子を有しない樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー等が挙げられる。
前記表面樹脂層(2)は、単層で構成されていても良いし、多層で構成されていても良い。中でも、表面樹脂層(2)は、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する(樹脂成分全体に対して50質量%以上含有する)単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する(樹脂成分全体に対して50質量%以上含有する)積層構造であるのが、好ましい。表面樹脂層(2)の少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分とするので、汚れが表面に付着しても容易に拭き取って除去することができて耐汚染性を一層向上できると共に、耐摩耗性も一層向上させることができる。
前記床材(10)の意匠性等を向上させるために、例えば、前記表面樹脂層(2)の下面又は/及び前記基材樹脂層(6)の上面に印刷層が形成されていても良い。前記印刷層形成のための印刷方法としては、特に限定されるものではないが、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、転写印刷法等が挙げられる。
なお、前記表面樹脂層(2)および前記基材樹脂層(6)のいずれにも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、抗菌防黴剤、柄剤(意匠性向上目的等)等の各種添加剤を適宜含有せしめても良い。
また、必要に応じて、床材(10)表面に処理剤を塗工する等して皮膜を形成しても良い。図2の構成を例にすれば、表面樹脂層(2)の上面に処理剤を塗工する等して皮膜を形成しても良い。例えば耐摩耗性を向上させる観点から、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を主成分とする皮膜を前記表面樹脂層(2)上面に形成しても良い。なお、このような皮膜は50μm以下の厚さに形成するのが一般的である。
また、図3に示すように、上面に表面樹脂層(2)が積層された基材樹脂層(6)の下面に、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂からなる布が加熱溶融により積層一体化されて裏打繊維層(3)が形成された構成を採用しても良い。前記布としては、特に限定されないが、例えば編布、織布、不織布等が挙げられる。前記裏打繊維層(3)が設けられていることで、床材(10)の施工時に接着剤が裏打繊維層(3)に含浸されるものとなり、このアンカー効果によって床材(10)が敷設面に十分に固定されるものとなる。前記編織布としては例えば寒冷紗が挙げられ、前記不織布としては例えばポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ナイロン不織布等が挙げられる。中でも、薄層化しうるスパンボンドタイプ不織布が好ましく、特に好適なのはポリプロピレンスパンボンド不織布である。
前記床材(10)のJIS K7171−1994(プラスチック曲げ特性の試験方法)に準拠して測定された曲げ弾性率は300MPa以下であるのが好ましく、この場合には柔軟性をさらに向上し得て床材の施工性をさらに向上できる。
また、床材(10)のJIS A1454−2005の6.6残留へこみ試験のA法に準拠して測定された残留へこみ率は8.0%以下であるのが好ましく、この場合には耐ヒールマーク性をより一層向上させることができる。
この発明の床材(10)の厚さは、特に限定されないが、通常2〜6mmが一般的である。また、タイル状床材(例えば500mm角のタイル等)として構成しても良いし、シート状床材(例えば幅600〜2500mm程度の長尺シート等)として構成しても良く、特に限定されない。また、床材(10)の表面に凹凸模様を形成することにより滑り止め機能を付与しても良い。
なお、この発明に係る樹脂シート(1)及び床材(10)の製造方法としては、特に限定されず、例えばカレンダ加工機、押出加工機等の公知の装置により製造することができる。
次に、この発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体60質量部、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体25質量部、マレイン酸変性ポリエチレン5質量部、水素添加テルペン樹脂10質量部、水酸化マグネシウム200質量部からなる樹脂組成物をバンバリーミキサーで混練し、設定温度160℃、直径25cmの2本ロール試験機を用いて厚さ2.0mmの樹脂シートを作成した。
次に、前記樹脂シート(基材樹脂層)の上面にNBR系接着剤を塗布し、さらにこの上に、片面に柄印刷が施された厚さ300μmのポリプロピレン(PP)単層フィルム(表面樹脂層)を印刷面を下側にして重ね合わせて接着して、厚さ2.3mmの床材を得た。
<実施例2、比較例6、実施例3実施例4〜7、9、比較例1〜5>
樹脂組成物の組成を表1〜3に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
参考例1実施例8
樹脂組成物の組成を表1、2に示す構成とすると共に、ポリプロピレン単層フィルムに代えて最表層/中間層/最下層=ポリプロピレン樹脂層/オレフィン系エラストマー(エチレン−プロピレンラバー)(TPO)/ポリプロピレン樹脂層の3層構造(各層は同厚さ)からなる厚さ300μmのシート(表面樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして床材を得た。
なお、前記スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体について、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の粘弾性スペクトロメーターEXSTAR6000DMS6100を用いて動的粘弾性測定を行うことによって得られた、縦軸が損失正接(tanδ)で横軸が測定温度(℃)である粘弾性スペクトルにおいて、損失正接のピーク値は1.3であり、20℃での損失正接は0.4であった。測定された粘弾性スペクトルを図4に示す。
また、前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体について、上記同様にして動的粘弾性測定を行うことによって得られた、縦軸が損失正接(tanδ)で横軸が測定温度(℃)である粘弾性スペクトルにおいて、損失正接のピーク値は0.5であり、20℃での損失正接は0.03であった。測定された粘弾性スペクトルを図5に示す。
また、水素添加スチレン−ブタジエンゴム(参考例1、実施例4〜8と比較例1〜4で使用)について、上記同様にして動的粘弾性測定を行うことによって得られた、縦軸が損失正接(tanδ)で横軸が測定温度(℃)である粘弾性スペクトルにおいて、損失正接のピーク値は1.5であり、20℃での損失正接は0.6であった。測定された粘弾性スペクトルを図6に示す。
上記のようにして得られた各床材に対して、下記の試験を行った。これらの試験結果を表1〜3に示す。
Figure 0005042537
Figure 0005042537
Figure 0005042537
<耐摩耗性試験>
JIS A1453−1973による建築材料及び建築構成部分の摩擦試験方法に準じて、各床材の表面に、所定の研磨紙を巻き付けた摩耗輪を使用し、テーパ摩耗試験機にて1000回転させ、摩耗減量(mg)を測定した。摩耗減量が300mg未満を「○」とし、300mgを超えるものを「×」とした。
<耐汚染性試験>
JIS A1454−2005による高分子系張り床材試験方法の汚染性試験方法に準じて、各床材の表面に汚染材料を2mL滴下し、24時間静置して、中性洗剤を含む水で洗浄し、更にアルコールで洗浄した後、ガーゼで拭き取って、1時間放置後、目視により滴下部分の色、光沢及び膨れの変化を観察した。観察によりいずれも変化のないものを「○」とし、少なくともいずれか1つ変化のあるものを「×」とした。
<柔軟性試験>
JIS K7171−1994(プラスチック曲げ特性の試験方法)に準拠して3点曲げ試験を行って曲げ弾性率(MPa)を測定した。試料サイズは20mm×40mmとし、支点間距離L=34mm、クロスヘッド速度V=10mm/分の条件で曲げ弾性率を測定し、300MPa以下のものを「○」とし、300MPaを超えるものを「×」とした。
<耐ヒールマーク性試験>
床材の表面に対して直径5mmの圧縮子を用いて800Nの荷重を負荷した後、直ちに(負荷時間1〜2秒程度)荷重を取り除いてから1時間経過後の床材の厚さ(圧縮子で押した位置での厚さ)を測定し、この厚さが床材の初期厚さ(元の厚さ)の95%以上であるものを「○」とし、95%未満であるものを「×」とした。
<残留へこみ率の測定>
JIS A1454−2005の6.6残留へこみ試験のA法に準拠して残留へこみ率(%)を測定した。
また、樹脂シート(基材樹脂層)の歪み100%時の引張応力及びデュロメータ硬さAは次のようにして測定した。
<歪み100%時の引張応力測定法>
JIS K6251−2004(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)に準拠して歪み100%時の引張応力(MPa)を測定した。
<デュロメータ硬さA測定法>
JIS K6253−1997(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に準拠してデュロメータ硬さAを測定した。高分子計器株式会社製のゴム硬度計A型を用いてJIS K6253に準拠してデュロメータ硬さAを測定した。但し、加圧面が密着してから1分後のデュロメータ硬さAを測定するものとした。
<ロール加工適性の評価>
樹脂組成物を2本ロール試験機を用いてシート成形する際のロール加工適性を調べた。均一な厚さで良好にシート化できたものを「○」とし、ロールから離型しなかったもの又は/及び表面状態が均一でなかったものを「×」とした。
表1、2から明らかなように、この発明の実施例1〜9、参考例1の床材は、耐摩耗性、耐汚染性に優れると共に、十分な柔軟性を備え、かつ耐ヒールマーク性にも優れていた。

これに対し、スチレン系エラストマー(第1樹脂成分)の含有率がこの発明の規定範囲を下回っている比較例1の床材では、十分な柔軟性が得られなかった。また、酸変性樹脂(第2樹脂成分)の含有率がこの発明の規定範囲を下回っている比較例2の床材では、耐ヒールマーク性に劣っていた。また、酸変性樹脂(第2樹脂成分)の含有率がこの発明の規定範囲を上回っている比較例3では、ロール加工適性が悪い上に、十分な柔軟性が得られなかった。また、充填剤を多量に含有した比較例4では、ロール加工適性が悪く、柔軟性が不十分で耐ヒールマーク性にも劣っていた。また、第3樹脂成分の含有率がこの発明の規定範囲を上回っている比較例5では、ロール加工適性が悪く、耐ヒールマーク性にも劣っていた。
更に、実施例1の床材について、NBS燃焼試験、防炎試験(消防法)を行った。これらの結果を表4に示す。
なお、NBS燃焼試験法とは、密閉した発煙箱の中に試料を垂直に置き、その正面にあるヒーターから輻射熱を当てながらバーナーの炎も当て有炎燃焼させ、発煙箱中に発生した煙に対して光電管により光透過率を測定し、この光透過率(T)から下記算出式に基づいて煙濃度(Ds)を算出するものである。
Ds=132log(100/T)
試験開始後4分のDs値および最大Ds値を求めた。更に、発煙箱中のガスを回収バッグに採取し、検知管により発生ガス分析を行った。
Figure 0005042537
表4から明らかなように、この発明の床材は、燃焼時の発煙性が低く、有害ガスも殆ど発生しないことを確認できた。
この発明に係る樹脂シートは、燃焼時に有害ガスを発生しにくく、臭気発生もなく、耐摩耗性、耐汚染性に優れると共に、十分な柔軟性があって施工性に優れ、かつ耐ヒールマーク性にも優れているので、例えば、床材として好適に用いられる。また、この発明に係る床材は、例えば建築物の床材、車輌(鉄道、バス等)の床材等として好適である。
この発明の床材の一実施形態を示す断面図である。 この発明の床材の他の実施形態を示す断面図である。 この発明の床材のさらに他の実施形態を示す断面図である。 実施例で使用したスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の粘弾性スペクトルである。 実施例と比較例で使用したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の粘弾性スペクトルである。 実施例と比較例で使用した水素添加スチレン−ブタジエンゴムの粘弾性スペクトルである。
符号の説明
1…樹脂シート
2…表面樹脂層
3…裏打繊維層
6…基材樹脂層
10…床材

Claims (9)

  1. 化学構造中に塩素原子を有しない樹脂に充填剤が混合されてなる樹脂組成物からなる樹脂シートであって、
    前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂として、少なくとも下記第1樹脂成分、第2樹脂成分及び第3樹脂成分が用いられ、
    前記第1樹脂成分を樹脂成分全体に対して30〜98.9質量%含有し、前記第2樹脂成分を樹脂成分全体に対して0.1〜20質量%含有し、前記第3樹脂成分を樹脂成分全体に対して1〜20質量%含有し、
    前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂100質量部に対して前記充填剤が50〜400質量部混合されていることを特徴とする樹脂シート。
    第1樹脂成分:スチレン系エラストマー
    第2樹脂成分:酸変性樹脂
    第3樹脂成分:テルペン系樹
  2. 前記スチレン系エラストマーとして、水素添加したスチレン系エラストマーが用いられている請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 前記酸変性樹脂として、酸変性エラストマーが用いられている請求項1または2に記載の樹脂シート。
  4. 前記酸変性樹脂として、カルボン酸変性スチレン系エラストマーが用いられている請求項1または2に記載の樹脂シート。
  5. 前記スチレン系エラストマーとして、動的粘弾性測定を行うことによって得られた、縦軸が損失正接(tanδ)で横軸が測定温度(℃)である粘弾性スペクトルにおいて損失正接のピーク値が1.0以上であり且つ20℃での損失正接が0.1以上であるスチレン系エラストマーが用いられている請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂シート。
  6. 前記樹脂シートのJIS K6251−2004に準拠して測定された歪み100%時の引張応力が5.0MPa以上であり、前記樹脂シートのJIS K6253−1997に準拠して測定されたデュロメータ硬さAが60〜85である請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂シート。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂シートからなる基材樹脂層と、
    前記基材樹脂層の片面に積層され、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を含有してなる表面樹脂層とを備えていることを特徴とする床材。
  8. 前記表面樹脂層は、ポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する単層からなる構造、又は少なくとも最表層がポリプロピレン樹脂を樹脂成分の主成分として含有する積層構造である請求項に記載の床材。
  9. 床材のJIS K7171−1994に準拠して測定された曲げ弾性率が300MPa以下であり、床材のJIS A1454−2005の6.6残留へこみ試験のA法に準拠して測定された残留へこみ率が8.0%以下である請求項またはに記載の床材。
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