JP2008080703A - 化粧シートおよび化粧材 - Google Patents

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JP2008080703A JP2006264638A JP2006264638A JP2008080703A JP 2008080703 A JP2008080703 A JP 2008080703A JP 2006264638 A JP2006264638 A JP 2006264638A JP 2006264638 A JP2006264638 A JP 2006264638A JP 2008080703 A JP2008080703 A JP 2008080703A
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Abstract

【課題】高度な表面強度が得られ、意匠性や後加工性に優れるのみならず、厚手であっても燃焼エネルギーが小さく、難燃性のため、火災に対する安全性に優れ、且つ廃棄焼却時も燃焼エネルギーが小さく有害ガスの発生がないことから、焼却設備や自然環境に優しく且つバイオマス原料から構成された環境に配慮した化粧シートを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂シート基材1上に、少なくとも絵柄インキ層2、透明熱可塑性樹脂層3、表面保護層4がこの順に積層された化粧シートにおいて、熱可塑性樹脂シート基材1がポリエステル系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂、あるいはこれらの混合物からなり、透明熱可塑性樹脂層3がポリ乳酸樹脂、又は該ポリ乳酸樹脂を含有してなるポリエステル系樹脂からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、分解性を有する樹脂基材に表面保護層を積層して耐久消費材として使用される樹脂成形体に関するもので、床材、壁材、天井材等の建築材、建具、家電品の表面材等に用いられる化粧シート、あるいはその化粧シートを表面に貼合した化粧材に関し、特に賃貸マンション、アパート、オフィスビル、店舗、公共施設、等の、耐傷性や耐候性に併せて難燃性が要求される用途に好適な化粧シートおよび化粧材に関するものである。
従来、建築物の内装等には、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルムを使用した化粧シートが用いられていた(特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、これらの化粧シートは廃棄処分した際に樹脂層がそのままゴミとして永久に残ってしまい、自然環境保護の観点から好ましくない。従って、通常廃棄処分された化粧シートは焼却されるが、ポリ塩化ビニルフィルムでは焼却時に発生する可能性のあるダイオキシンが問題であり、また、ポリオレフィン系フィルムにおいても焼成により発生する炭酸ガスによる地球温暖化の問題がある。
これらの問題から、ポリ乳酸樹脂は、地球上で最も大量に生産されるバイオマス材料の一つになり、また生分解性ポリマーであることから大きな注目を集めている。ポリ乳酸は炭酸ガスと水とから光合成により作られる澱粉を原料とするバイオマス材料であり、また生分解性樹脂でもあり、しかも土中や水中で自然に加水分解し、次いで微生物により無害な分解物となるため、さらには燃焼により発生する熱量も少なく、燃焼時に発生する炭酸ガスは元々光合成で吸収した炭酸ガスであり、大気中環境に優しい最も有望な生分解性バイオマス樹脂であるといわれている。
こうした問題点を踏まえて、廃棄物として埋め立て処分することで分解する生分解性又は光分解性および耐久性を有するシートを用いた化粧シートが提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。さらに建材では難燃性が要求されることもあり、難燃性を有する化粧シートが提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら特許文献3ではその材料構成や難燃化の方法についての開示がなされておらず、用途によっては上記提案された化粧シートは、意匠性と表面強度と難燃性を兼ね備える点においては必ずしも満足のいくものではなかった。
以下に、本発明に関連する公知の特許文献を記載する。
特開平10−119227号公報 特開平11−129426号公報 特開2006−7728号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成された化粧シートおよび化粧材であり、本発明の目的は、高度な表面強度が得られ、意匠性や後加工性に優れるのみならず、シートが厚手であっても燃焼エネルギーが小さく、難燃化粧材とすることができるため、安全性に優れ、且つ廃棄焼却時も燃焼エネルギーが小さく有害ガスの発生がないことから、焼却設備や自然環境に優しく、且つバイオマス原料から構成された環境に配慮した化粧シートを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、熱可塑性樹脂シート基材1上に、少なくとも絵柄インキ層2、透明熱可塑性樹脂層3、表面保護層4がこの順に積層された化粧シートにおいて、熱可塑性樹脂シート基材1がポリエステル系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂、あるいはこれらの混合物からなり、透明熱可塑性樹脂層3がポリ乳酸樹脂、又は該ポリ乳酸樹脂を含有してなるポリエステル系樹脂からなることを特徴とする化粧シートである。
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る化粧シートにおいて前記熱可塑性樹脂シート基材1がポリ乳酸樹脂を含有していることを特徴とする化粧シートである。
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は請求項3に係る化粧シートにおいて燃焼時の総発熱量が8MJ/m2 未満で、化粧シートの厚みが150μm以上320μm以下であることを特徴とする化粧シートである。
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る化粧シートが、鋼板基材又はアルミ基材又は木質基材に貼合されていることを特徴とする化粧材である。
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る化粧シートを、鋼板基材又はアルミ基材に貼合した化粧材であって、該化粧材の燃焼時の総発熱量が8MJ/m2 未満であることを特徴とする化粧材である。
本発明の化粧シートは、熱可塑性樹脂シート基材上に、少なくとも絵柄インキ層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層がこの順に積層されてなる化粧シートにおいて、熱可塑性樹脂シート基材1が、ポリエステル系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂、あるいはこれらの混合物からなり、透明熱可塑性樹脂層が、少なくともポリ乳酸樹脂又は該ポリ乳酸樹脂を含有してなるポリエステル系樹脂からなる。
これらのポリエステル系樹脂の燃焼エネルギーは、一般的に、ポリオレフィン系樹脂の燃焼エネルギーより小さいことが知られており、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂の44〜46MJ/kgに対して、ポリエチレンテレフタレート(飽和脂肪酸ポリエステル樹脂)PET樹脂の21〜23MJ/kg、ポリ乳酸樹脂(飽和脂肪酸ポリエステル樹脂)の19MJ/kgと、約2分の1もしくはそれ以下である。
このため、燃焼エネルギーを抑えつつ従来の厚みを維持した化粧シートとして形成できるため、薄くなることによる意匠性を損なうことや後加工性を損なうことがなく、化粧シートを得ることができる。さらには、ポリエステル系樹脂とすることにより表面高度に優れ、耐傷性にも優れる化粧シートとすることができる。さらには、透明熱可塑性樹脂層をポリ乳酸樹脂又はポリ乳酸樹脂を含有するポリエステル系樹脂とすることにより、その軟化点の低さから、熱エンボスによる凹凸の表面加飾性に優れるだけでなく、高度な表面強度が得られ、且つバイオマス原料から構成された環境に配慮した化粧シートとすることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の化粧シートは、図1に示すように熱可塑性樹脂シート基材1上に、少なくとも絵柄インキ層2、透明熱可塑性樹脂層3、表面保護層4が、この順に積層されてなる化粧シートであり、熱可塑性樹脂シート基材1は、ポリエステル系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂、あるいはこれらの混合物からなり、透明熱可
塑性樹脂層3は、少なくともポリ乳酸樹脂(飽和脂肪酸ポリエステル系樹脂)又は該ポリ乳酸樹脂を含有してなるポリエステル系樹脂からなる。
熱可塑性シート基材1としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイト、ポリエーテルサルファイト、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリフェニレンエーテル等が使用されてきたが、その燃焼エネルギーと燃焼時の発生ガスの問題から、本発明では、ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリペンタンサクシネート、ポリヘキサンサクシネートなどのポリサクシネート樹脂などが使用可能である。
これらの樹脂は、それぞれ単一の材料での使用が可能であるが、これらの樹脂の混合物やアロイとしても使用が可能である。化粧シートが使用される条件や製造工程で求められる加工性の中で必要な物性が得られるように混合して使用することが可能である。
例えば、化粧シートとして、平面部材(鋼板基材、アルミ基材、木質基材等の化粧材用基材)への貼合性(貼着性)を良くするためや、加工時のウェブの搬送性を良くするなどのために、コシ強度を大きくしたい場合には、高強度なポリエチレンテレフタレート(飽和脂肪酸ポリエステル樹脂、PET)樹脂やポリ乳酸樹脂を、単一若しくは、その他の樹脂への混合物として使用できる。また化粧シートとして曲面部材への貼合性を良くするためなどでコシ強度を小さくしたい場合には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート樹脂などが使用可能である。
さらには、前記透明熱可塑性樹脂層がポリ乳酸樹脂(飽和脂肪酸ポリエステル系樹脂)又は該ポリ乳酸樹脂を含有してなるポリエステル系樹脂からなるが、ポリエステル系樹脂としては、前述と同様に、一般的に使用されるポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリペンタンサクシネート、ポリヘキサンサクシネート等のポリサクシネート樹脂、カプロラクトン―ブチレンサクシレート、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペート変性、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートカーボネート変性、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリヒドロキシブチレートなどがある。
透明熱可塑性樹脂層3においても、熱可塑性シート基材と同様に、それぞれ単一の材料での使用が可能であるが、これらの樹脂の混合物やアロイとしても使用が可能である。化粧シートが使用される条件や製造工程で求められる加工性の中で必要な物性が得られるよう混合して使用することが可能である。
例えば、化粧シートとして耐傷性や耐凹み性などを向上するためなどで表面強度を大きくしたい場合には、ポリ乳酸樹脂を単一もしくは、ポリサクシネート樹脂やその他の樹脂への混合物として使用できる。ポリ乳酸の非晶性シートは、ガラス転移温度が約60℃であるが、これ以下の温度では非常に剛性(弾性率)が大きく、表面強度に優れるものである。またポリ乳酸樹脂が透明性に優れることから、表面加飾表現の自由度が大きくなり、高い光沢感が得られる表面加飾が可能となる。
また化粧シートとしてエンボス加工による表面加飾が求められる場合には、熱可塑性樹
脂シート基材1又は/及び透明熱可塑性樹脂層3を、ポリ乳酸樹脂又は該ポリ乳酸樹脂を含有するポリエステル系樹脂とすることにより、そのポリ乳酸樹脂による非晶性シートはガラス転移温度が約60℃であることから、図1に示すように表面保護層4側からの熱エンボス加工により、表面保護層4および透明熱可塑性樹脂層3に凹凸部5による凹凸の表面加飾が可能であり、またポリ乳酸樹脂の熱変形温度が比較的小さいことから、エンボス加工性を改善することができ、優れた表面加飾性を付与することも可能となる。
また、熱可塑性樹脂シート基材1には、好ましくは、透明熱可塑性樹脂層3として用いるポリ乳酸樹脂又は該ポリ乳酸樹脂を含有する樹脂材料よりも軟化点(樹脂変形温度)が高い材料を選択する。さらに好ましくは熱可塑性樹脂シート基材1の軟化点(熱変形温度)が、前記透明熱可塑性樹脂層3の軟化点(熱変形温度)よりも15℃以上高いものを選択し、それにより熱可塑性樹脂シート基材1と透明熱可塑性樹脂層3をラミネート加工する際の熱可塑性樹脂シート基材1の変形や溶融を防止するようにする。
また化粧シートとして耐熱性が求められる場合には、前記熱可塑性樹脂シート基材1や透明熱可塑性樹脂層3として、ポリ乳酸樹脂とポリサクシネート樹脂の混合物や、ポリ乳酸樹脂とポリブチレンアジペート・テレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペート変性体などの混合物をポリエステル系樹脂として使用可能である。
これらのポリエステル系樹脂の燃焼エネルギーは、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などポリオレフィン系樹脂の44〜46MJ/kgに対して、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の21〜23MJ/kg、ポリ乳酸樹脂の19MJ/kgと、約2分の1であることが一般的に知られている。
従来のオレフィン樹脂系の化粧シートの熱可塑性シート基材層1と透明熱可塑性樹脂層3の少なくとも一方もしくは一部をポリエステル系樹脂の化粧シートとすることにより、燃焼エネルギーを低減できることから、火災時の燃焼の継続を低減させることができ、安全性に優れる化粧シートとすることができる。また廃棄時においては焼却時の発熱量を抑えることができ、焼却炉への負荷を軽減でき、環境的にも優れる化粧シートとすることができる。中でも燃焼エネルギーが最も小さいポリエステル樹脂としてポリ乳酸樹脂、又はポリ乳酸樹脂を含有させたポリエステル樹脂を使用することにより、化粧シート全体の燃焼エネルギーを著しく低下させることができる。
さらに、従来のオレフィン系樹脂による化粧シートの厚さは150μm〜320μmであり、このオレフィン系樹脂による化粧シートを難燃部材、不燃部材に使用するには、前述した燃焼エネルギーが大きいことから、その燃焼エネルギーを抑制するため、薄手の化粧シートとせざるを得なかった。このため、表面凹凸のエンボス表現が深くできなかったり、透明樹脂層の厚みを小さくしなければならず、そのために艶表現やマット感の表現が十分にできなかった。しかし、本発明のように化粧シートをポリエステル系樹脂とすることにより、従来と同等の150μm〜320μmの厚みを保持したまま、燃焼エネルギーを抑えることができるため、意匠表現に優れる化粧シートとすることができる。
また本発明の化粧シートには、意匠性付与を主な目的として印刷による意匠絵柄の絵柄インキ層2が設けられる。絵柄インキ層2は通常のグラビア印刷等により所定の印刷インキにて設けることができる。熱可塑性樹脂シート基材1層若しくは透明熱可塑性樹脂層3に絵柄インキ層2を設ける方法としては、周知の任意の印刷方法により製造可能である。熱可塑性樹脂シート基材1層と透明熱可塑性樹脂層3のラミネート加工方法にも因るが、少なくとも熱可塑性樹脂シート基材1層には、周知の任意の印刷方法により製造が可能であり、表面又は裏面、あるいはその両方にグラビア印刷、オフセット印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷技法を用
いるのが一般的である。特には調子再現性、生産性の点でグラビア印刷法が特に好適である。
化粧シートの絵柄インキ層2における木目柄等のパターン、絵柄、彩色等の印刷に用いるインキは、バインダーとしては、硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独、若しくは各変性物の中から適宜選択すればよい。これらは、水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1液タイプでも、硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。
最も一般的な印刷方法は、ウレタン系のインキでイソシアネートで硬化させる方法である。これらバインダー以外には、通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。また用いられるインキも公知のもの、すなわちビヒクルに染料または顔料等の着色剤、体質顔剤を添加し、さらに可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、硬化剤、増粘剤、分散剤、充填剤等を任意に添加して、溶剤、希釈剤等で充分に希釈、攪拌してなるものでよい。
熱可塑性樹脂シート基材1上の印刷による絵柄インキ層2上に、透明熱可塑性樹脂層3を設ける方法としては、接着材や接着助剤を使用してもよく、押し出しラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート、ウェットラミネート法など、周知の任意のラミネート方法により製造可能であり、意匠性により透明もしくは任意に着色又は/及び印刷インキにより印刷された熱可塑性樹脂シートによる熱可塑性樹脂層3、あるいは透明熱可塑性樹脂層3として使用する透明熱可塑性樹脂材料により適宜に選択することができる。
また熱可塑性樹脂シート基材1上の前記絵柄インキ層2上に、透明熱可塑性樹脂層3を設ける方法としては、表面加飾のエンボス加工にもよるが、ラミネート同時エンボス加工の点では、押し出しラミネート法が好適である。エンボス加工の表現を豊かにするためのラミネート後のエンボス加工を選択し、且つ透明熱可塑性樹脂層3が予めシートもしくはフィルム状に成形してあるものを使用する場合であればドライラミネート法が好ましく選択される。
熱可塑性樹脂シート基材1上に透明熱可塑性樹脂層3を押し出しラミネート法により積層する場合においては、熱可塑性樹脂シート基材1又は/及び絵柄インキ層2と、透明熱可塑性樹脂層3との十分な接着強度を得るために、ラミネート対向間にアンカーコート層を塗布したり、接着性樹脂層を介して透明熱可塑性樹脂層3となるポリ乳酸樹脂を共押出したり、なお且つ接着性樹脂層にオゾンガスを吹き付けながら該接着性樹脂層を介して透明熱可塑性樹脂層3となるポリ乳酸樹脂を共押出したりする方法がある。
また一般的に化粧シートには耐候性が求められるため、特に透明熱可塑性樹脂層3には紫外線吸収剤及び光安定剤の添加は必須条件である。紫外線吸収剤としては、所望する紫外線吸収効果を有する範囲内で、且つ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はないが、例えば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾー
ル等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等の中から1種あるいは1種以上を任意に組み合わせて添加することが可能である。
光安定剤も所望する紫外線吸収効果を有する範囲内で、且つ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はない。例えばコハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等のヒンダードアミン系光安定剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルキシ)−4−ピペリジニル)エステル等のアミノエーテル型の光安定剤等の中から1種あるいは1種以上を任意に組み合わせて使用することが可能である。
その他にも必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等が添加される。熱安定剤は、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]−プロピオネート、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等の中から1種、あるは1種以上組み合わせて使用可能である。
難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等があり、特に成分に限定は無い。但し、化粧シートが環境を考慮した非塩化ビニル製シートであるならば、ハロゲン系の難燃剤の使用は考慮する必要がある。
ブロッキング防止剤は珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミドのような有機系ブロッキング防止剤等が任意に添加される。
これらの、紫外線吸収剤、光安定化剤、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤などの添加剤は、透明熱可塑性樹脂層3の所望する透明性を損なわない範囲で添加することができる。
また場合によっては、化粧シートの表面の手触り感や、より一層の意匠感を得るため、図2に示すように、化粧シート表面の表面保護層5(例えば透明なポリプロピレン樹脂層)に凹陥模様である凹凸部5を施し、その凹陥部5a内に絵柄インキ層2として充填インキ2aを埋め込み(ワイピングし)、その透明熱可塑性樹脂層3の最外表面に表面保護層5を設けることも好適に行われる。
凹陥模様である凹凸部5を施す方法としては、通常の熱圧エンボス加工法でよく、何ら限定されるものではない。また、熱可塑性樹脂シート基材1に前記透明熱可塑性樹脂層3を積層形成する方法としてTダイによる押し出しラミネート法を用いる場合には、透明熱可塑性樹脂層3形成用の押し出し溶融樹脂を冷却固化させるチルロールの表面に凹凸部2を形成するための凹陥模様型を施しておき、押し出された溶融樹脂をチルロールとプレスロールとの間で加圧エンボスして、透明熱可塑性樹脂層3の表面に凹凸部5の凹陥模様を施す方法が一般的である。また、図2に示すように、施された凹陥模様の凹凸部5の凹陥部5a内に絵柄インキ層2としてインキ2aを埋め込み、表面保護層5(例えばポリプロピレン樹脂層)の最外表面にトップコート層(図示せず)を設けることも好適に行われる。これらの方法は、従来の塩化ビニル樹脂製の化粧シートで行われているワイピング処理およびトップコート処理と同様の方法で実施可能である。
また、いずれの化粧シートにおいても、合板や鋼板あるいは木質板などの化粧材用基材に貼り合わせるためのプライマーコートや、表面保護や、艶調整のためのトップコート、あるいはエンボス法やグロスマット法等による導管表現等が施されていても構わない。
次に、熱可塑性樹脂シート基材1として、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂を使用することにより、得られる化粧シートは比較的柔軟で折り曲げ加工性やラッピング加工性に優れる化粧シートを得ることができる。
前記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上の目的で酸変性したもの、あるいはアイオノマー等から適宜選択が可能で、単一でも複数種の混合でも構わない。
熱可塑性樹脂シート基材1上への透明熱可塑性樹脂層3の押し出しラミネート法において、該シート基材1と樹脂層3との間に介在させる接着性樹脂層に用いる接着性樹脂材料としては、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂や、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体樹脂などが一般的であるが、化粧シートに高温が掛かった場合においても充分なラミネート強度を保持するために、接着性樹脂として、不飽和カルボン酸あるいはその無水物(例えば無水マレイン酸をグラフト重合したランダムポリプロピレン樹脂)を用いることにより解決できる。
不飽和カルボン酸あるいはその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フタル酸、シトラコン酸、イタコン酸およびそれらの無水物が挙げられるが、これらの中で無水マレイン酸が特に好ましい。
また、前記接着性樹脂層にオゾンガスを吹き付けるオゾン処理装置は、一般的なものでよく、特に制約されるものではない。オゾン処理量としては、オゾン濃度20〜50g/Nm3 、オゾン流量1〜10Nm3 /時間が良好である。
さらに本発明の化粧シートにおいては、前記接着性樹脂層にアンカーコート層を設けて
もよい。このアンカーコート層としては、ポリオールとイソシアネートとの反応でウレタン結合を形成するイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂が望ましい。さらに好ましくは、イソシアネート成分として少なくともへキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートを少なくとも含む混合物を使用することにより常温及び高温において最も優れたラミネート強度を得ることができる。
各イソシアネート成分の配合量としては、イソシアネート成分の全体量のうち、へキサメチレンジイソシアネート2〜30重量部、イソホロンジイソシアネートを30〜98重量部、及びその両者以外のイソシアネート成分0〜68重量部とするのが良い。その他のイソシアネート成分として、例えば4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メシチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等から選ばれる1種以上を添加することもできる。
また、アンカーコート層の形成方法はグラビア法(グラビア印刷法、グラビア塗布法)が好適に用いられるが何ら限定されるものではない。
さらには、本発明の化粧シートは、木質基材やアルミ基材、鋼板などに貼合されて使用される。本発明の化粧シートは、その材料構成から化粧シート自身の燃焼エネルギーが従来の化粧シートに比較して極めて小さい。その中でも建築基準法第2条第7号(令第107条)に基づく防耐火性能試験により、不燃、準不燃、難燃などの規格が求められる場合には、本発明の化粧シートをアルミ基材若しくは鋼板基材にラッピング法などにより貼り合された化粧材は、前述の防耐火性能試験において、燃焼エネルギーが小さく抑えられることから、不燃、準不燃、難燃の規格をクリアすることができる。
以下に、本発明の化粧シートおよび化粧材の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
下記の層構成からなる木目調の化粧シートを作成した。まず熱可塑性樹脂シート基材1として木目柄の基調色に予め着色された、ポリ乳酸樹脂90%とポリブチレンサクシネート樹脂10%からなる厚み120μmの熱可塑性樹脂シートに、グラビア印刷により木目絵柄の印刷を行って絵柄インキ層2を形成した。この絵柄インキ層2の印刷が施された前記熱可塑性樹脂シート基材1に、透明熱可塑性樹脂としてポリ乳酸100%からなる厚み100μmの透明樹脂シートをドライラミネート法により貼り合せ、透明熱可塑性樹脂層3を形成した。さらに、その透明熱可塑性樹脂層3側に表面保護層4としてウレタン系コート剤を乾燥硬化後の厚みが6μmとなるようグラビアコーティングにて塗工した。尚、このウレタン系コート剤には紫外線吸収剤と光安定剤、および光沢調整のためのマット剤を添加して用いた。さらに最終工程として、この表面保護層4上から熱エンボス加工を施して凹凸部5を施して凹凸模様の表面加飾を行い、図1に示すような本発明の化粧シートを作成した。
<実施例1の化粧シートの層構成>
熱可塑性樹脂シート基材層:ポリ乳酸+ポリブチレンサクシネート 120μm
絵柄インキ層:印刷インキ:ウレタン系2液硬化型 0〜1μm
接着性樹脂層:ドライラミネート接着剤:ウレタン系2液硬化型 10μm
透明熱可塑性樹脂層:ポリ乳酸樹脂 100μm
表面保護層:ウレタン系コート剤 6μm
<実施例2>
下記の層構成からなる木目調の化粧シートを作成した。まず熱可塑性樹脂シート基材1として木目柄の基調色に予め着色された、厚み70μmのポリプロピレン樹脂シートに、
グラビア印刷により木目絵柄の印刷を行って絵柄インキ層2を形成した。この絵柄インキ層2の印刷が施された熱可塑性樹脂シート基材1に、アンカーコート剤を乾燥厚み1μmとなるようグラビアコーティング法にて塗工してアンカーコート層を形成した後、該アンカーコート層上に接着性樹脂層を介して透明熱可塑性樹脂が積層されるよう共押し出し製膜ラミネート法により透明熱可塑性樹脂層3を積層製膜した。前記接着性樹脂層の厚みは15μmとし、前記透明熱可塑性樹脂としてポリ乳酸80%とポリブチレンサクシネート20%の混合体からなる樹脂を用い、接着性樹脂層の厚み15μmと、透明熱可塑性樹脂層の厚み65μmの合計厚み80μmの透明熱可塑性樹脂層3とした。また、この透明熱可塑性樹脂層3を共押し出し製膜するのと同時に、冷却ロール(チルロール)表面のエンボス型によるエンボス加工により、透明熱可塑性樹脂層3の表面に凹凸部5をエンボス形成して凹凸模様の表面加飾を施した。さらに最終工程として、その透明熱可塑性樹脂層3側に表面保護層4としてウレタン系コート剤を乾燥硬化後の厚みが6μmとなるようグラビアコーティングにて塗工して、図1に示すような本発明の化粧シートを作成した。尚、透明熱可塑性樹脂層には紫外線吸収剤と光安定剤、表面保護層には紫外線吸収剤と光安定剤および光沢調整のためのマット剤を添加している。
<実施例2の化粧シートの層構成>
熱可塑性樹脂シート基材:ポリプロピレン 70μm
絵柄インキ層:印刷インキ:ウレタン系2液硬化型 0〜1μm
アンカーコート層:アンカーコート剤:ウレタン系2液硬化型 1μm
接着性樹脂層:接着性樹脂:マレイン酸グラフト変性オレフィン系樹脂 12μm
透明熱可塑性樹脂層:ポリ乳酸樹脂+ポリブチレンサクシネート樹脂 100μm
表面保護層:ウレタン系コート剤 6μm
<比較例1>
下記の層構成からなる木目調の化粧シートを作成した。まず熱可塑性樹脂シート基材1として木目柄の基調色に予め着色された、厚み70μmのポリプロピレン樹脂シートに、グラビア印刷により木目絵柄の印刷を行って絵柄インキ層2を形成した。この絵柄インキ層2の印刷が施された熱可塑性樹脂シート基材1に、透明熱可塑性樹脂として厚み100μmの透明なポリエチレンテレフタレートシートをドライラミネート法により貼り合せて透明熱可塑性樹脂層3を積層した。さらに、その透明熱可塑性樹脂層3側に表面保護層4としてウレタン系コート剤を、乾燥硬化後の厚みが9μmとなるようグラビアコーティングにて塗工して、比較例1の化粧シートを作成した。このウレタン系コート剤には紫外線吸収剤と光安定剤、および光沢調整のためのマット剤を添加して用いた。尚、本比較例による構成の化粧シートは、透明熱可塑性樹脂層3として使用したポリエチレンテレフタレート樹脂の熱変形温度(軟化点)が熱可塑性樹脂シート基材1のポリプロピレン樹脂の熱変形温度(軟化点)より高いため、表面保護層4側からの熱エンボス加工を施すことができず、化粧シート表面に凹凸部をエンボス成形することができなかった。
<比較例1の化粧シートの層構成>
熱可塑性樹脂シート基材層:ポリ乳酸+ポリブチレンサクシネート 70μm
絵柄インキ層:印刷インキ:ウレタン系2液硬化型 0〜1μm
接着性樹脂層:ドライラミネート接着剤:ウレタン系2液硬化型 10μm
透明熱塑性樹脂層:ポリエチレンテレフタレート樹脂シート 100μm
表面保護層:ウレタン系コート剤 6μm
<比較例2>
下記の層構成からなる木目調の化粧シートを作成した。まず熱可塑性樹脂シート基材1として木目柄の基調色に予め着色された、厚み70μmのポリプロピレン樹脂シートに、グラビア印刷により木目絵柄の印刷を行って絵柄インキ層2を形成した。この絵柄インキ層2の印刷が施されたシートに、アンカーコート剤を乾燥厚み1μmとなるようグラビアコーティング法にて塗工してアンカーコート層を形成した後、該アンカーコート層上に接
着性樹脂層を介して透明熱可塑性樹脂が積層されるよう共押し出し製膜ラミネート法によりポリプロピレン樹脂による透明熱可塑性樹脂層3を積層製膜した。この接着性樹脂層の厚み15μmと、透明熱可塑性樹脂層3の厚み65μmの合計厚み80μmの透明熱可塑性樹脂層3とした。また、この透明熱可塑性樹脂層3を共押し出し製膜するのと同時に冷却ロール(チルロール)の表面に形成されたエンボス型により透明熱可塑性樹脂層3の表面にエンボス加工を施して凹凸部5を形成して凹凸模様の表面加飾を施した。さらに最終工程として、その透明熱可塑性樹脂層3側に表面保護層4としてウレタン系コート剤を乾燥硬化後の厚みが9μmとなるようグラビアコーティングにて塗工して、比較例2の化粧シートを作成した。尚、透明熱可塑性樹脂層3には紫外線吸収剤と光安定剤、表面保護層4には紫外線吸収剤と光安定剤および光沢調整のためのマット剤を添加して用いた。
<比較例2の化粧シートの層構成>
熱可塑性樹脂シート基材層:ポリプロピレン 70μm
絵柄インキ層:印刷インキ:ウレタン系2液硬化型 0〜1μm
アンカーコート層:アンカーコート剤:ウレタン系2液硬化型 1μm
接着性樹脂層:接着性樹脂:マレイン酸グラフト変性オレフィン系樹脂 15μm
透明熱可塑性樹脂層:ポリプロピレン樹脂 65μm
表面保護層:ウレタン系コート剤 6μm
<評価項目>
上記実施例1および2の本発明による各々化粧シートと、比較例1および2による各々化粧シートとを、厚さ3mmの木質樹脂組成物からなる化粧材用基板(MDF)と化粧材用アルミ板材(ラッピング加工用)とにそれぞれ貼合して化粧ボードの状態にし、以下の評価項目について各々化粧シートの評価を行った。
・エンボス加工性:各々化粧ボードの化粧シート表面にエンボス加工された凹凸模様(凹凸部5)の外観形状、深さ、意匠性について、その良否(良◎、やや良○、不良×)を目視検査した。
・耐久性:化粧シートをMDFと化粧材用アルミ板材とに貼合せた各々化粧ボードを、促進試験として60℃オーブンに10日間投入し、化粧シートの層間のデラミネーションや変色の有無(有→不良、無→良)を目視検査し、且つMDFに貼り合せた化粧シートをサンシャインウェザーメータ1000時間投入(照射は化粧シート貼合面側)し、その化粧シート表面の劣化および化粧シート内部の劣化の有無(有→不良、無→良)を目視検査して、いずれも良の場合は良○とし、いずれか一つでも不良の場合は不良×とした。
・表面強度:鉛筆硬度(H(硬)〜HB〜B〜2B(軟))により比較した。硬度HB以上を良◎、硬度HB未満2B(軟)以上を○、硬度2B(軟)未満を×とした。
・難燃性:化粧シートをアルミ板材に貼合せた(ラッピング加工した)化粧ボードについて、建築基準法第2条第7号(令第107条)に基づく防耐火性能試験を実施し、総発熱量を測定した。併せて、不燃認定の可否判定(不燃◎、否不燃×)を行った。
・バイオマス度:各々化粧シートを構成する材料のうち、化粧シート全体に対してバイオマスプラスチックが占める重量比率(%)を、各材質の厚みと比重より算出した。実施例1および2のポリ乳酸樹脂およびポリブチレンサクシネート樹脂が対象となる。その他の接着性樹脂およびポリプロピレン樹脂、ウレタン系コート剤などは対象とならない。
<評価結果>
上記評価項目について評価したところ、実施例1、実施例2の各々化粧シートは、評価が◎〜○を示し、総合評価は良好であった。比較例1、比較例2の各々化粧シートは、評価が◎〜×を示し、総合評価は不良であった。
以下に評価結果を示す。
エンボス加工性 耐久性 表面強度 難 燃 性 バイオマス度
実施例1 ◎ ○ ◎ 6.2MJ/m2 不燃◎ 90%◎
実施例2 ○ ○ ○ 6.6MJ/m2 不燃◎ 52%○
比較例1 × ○ ◎ 5.8MJ/m2 不燃◎ 37%△
比較例2 ◎ ○ ○ 8.6MJ/m2 否 × 0%×
本発明の化粧シートの一例を示す側面図。 本発明の化粧シートの他の例を示す側面図。
符号の説明
1…熱可塑性樹脂シート基材
2…絵柄インキ層
2a…充填されたインキ
3…透明熱可塑性樹脂層
4…表面保護層
5…エンボス凹凸部
5a…凹陥部

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂シート基材1上に、少なくとも絵柄インキ層2、透明熱可塑性樹脂層3、表面保護層4がこの順に積層された化粧シートにおいて、熱可塑性樹脂シート基材1がポリエステル系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂、あるいはこれらの混合物からなり、透明熱可塑性樹脂層3がポリ乳酸樹脂、又は該ポリ乳酸樹脂を含有してなるポリエステル系樹脂からなることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記熱可塑性樹脂シート基材1が、ポリ乳酸樹脂を含有していることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
  3. 燃焼時の総発熱量が8MJ/m2 未満で、化粧シートの厚みが150μm以上320μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の化粧シート。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の化粧シートが、鋼板基材又はアルミ基材又は木質基材に貼合されていることを特徴とする化粧材。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の化粧シートを、鋼板基材又はアルミ基材に貼合した化粧材であって、該化粧材の燃焼時の総発熱量が8MJ/m2 未満であることを特徴とする化粧材。
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