JP2010234765A - 化粧シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂フィルム層の一方の面に、着色層及び絵柄層から選ばれる少なくとも1層からなる意匠層を積層する工程と、該樹脂フィルム層の他方の面又は該意匠層の表面に、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層を積層する工程と、該表面保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して積層体を形成する工程と、該積層体の該表面保護層とは反対側の面とポリ乳酸樹脂からなる基材の表面とを貼着する工程とを含むことを特徴とする化粧シートの製造方法である。
【選択図】図1
Description
一方、耐熱性や表面の耐汚染性を向上させる目的で、ポリ塩化ビニル系樹脂に代わる素材としてスチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリアミド系、エステル系等の熱可塑性エラストマーやEVA(エチレンビニルアルコール共重合体)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、アクリル樹脂等を用いた化粧シートが用いられてきた。
このような植物由来の樹脂のうち、各種物性と量産化の可能性等を考慮すると上記ポリ乳酸樹脂が有望であり、ポリ乳酸樹脂又はポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を用いた化粧シート等が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
しかし、表面保護層を架橋硬化する際に、ポリ乳酸樹脂からなる基材にも電離放射線が照射されると、ポリ乳酸樹脂が劣化し、化粧シートの耐加水分解性が低下することが知見された。
本発明は、このような状況下で、ポリ乳酸樹脂からなる基材に電離放射線が照射されることのない化粧シートの製造方法を提供することを課題とする。
(1)樹脂フィルム層の一方の面に、着色層及び絵柄層から選ばれる少なくとも1層からなる意匠層を積層する工程と、
該樹脂フィルム層の他方の面又は該意匠層の表面に、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層を積層する工程と、
該表面保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して積層体を形成する工程と、
該積層体の該表面保護層とは反対側の面とポリ乳酸樹脂からなる基材の表面とを貼着する工程とを含むことを特徴とする化粧シートの製造方法、及び
(2)前記樹脂フィルム層表面と前記基材表面とを接着剤層を介して貼着する上記(1)に記載の化粧シートの製造方法
を提供するものである。
(1)樹脂フィルム層の一方の面に、着色層及び絵柄層から選ばれる少なくとも1層からなる意匠層を積層する工程
(2)該樹脂フィルム層の他方の面又は該意匠層の表面に、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層を積層する工程
(3)該表面保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して積層体を形成する工程
(4)該積層体の該表面保護層とは反対側の面とポリ乳酸樹脂からなる基材の表面とを貼着する工程
(態様1)前記樹脂フィルム層の一方の面に、前記意匠層と前記表面保護層とを順次積層する工程、及び
(態様2)前記樹脂フィルム層の一方の面に前記意匠層を、該樹脂フィルム層の他方の面に前記表面保護層を、順次又は逆順に積層する工程
を包含する。
ここで、前記樹脂フィルム層の一方の面に前記表面保護層を積層する工程の後、該表面保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化する工程を経た後、該樹脂フィルム層の他方の面に前記意匠層を積層して、前記積層体を形成する工程を行なう製造方法も上記態様2に含まれる。すなわち、上記態様2の場合は、工程(2)及び(3)の後で工程(1)が行なわれて積層体が形成されても良い。
さらに、上記態様1の場合の工程(4)において、該樹脂フィルム層表面と該基材とを接着剤層を介して貼着することが好ましい。樹脂フィルム層と基材との接着を強固にするためである。また、所望により、上記態様2の場合の工程(4)において、該樹脂フィルム層表面と該基材とを接着剤層を介して貼着しても良い。
また、所望により、工程(4)の前又は後に該基材の裏面にプライマー層を積層する工程(5)を付加することが好ましい。後述するように、化粧シートと基板との接着を強固にするためである。
このようにして、ポリ乳酸樹脂からなる基材6上に、所望により積層された接着剤層7と、樹脂フィルム層3と、意匠層4と、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものからなる表面保護層5とを有する化粧シート1が得られる。
上記態様1の場合は、樹脂フィルム層3の一方の面に順次積層していくので、インライン工程で製造することができ、生産性向上の観点から好ましい。
また、所望によりなされる上記工程(5)のプライマー層8の積層は、化粧シート1製造後の基材6の裏面になされても良く、上記工程(4)の前に基材6の裏面になされても良い。
上記態様1の場合であって意匠層4が着色層41及び絵柄層42から構成される場合は、通常、樹脂フィルム層の一方の面に、着色層41、絵柄層42、表面保護層5の順に積層体2の各層が積層される。
このようにして、ポリ乳酸樹脂からなる基材6上に、所望により積層された接着剤層7と、意匠層4と、樹脂フィルム層3と、電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものからなる表面保護層5とを有する化粧シート1が得られる。
上記態様2の場合において、樹脂フィルム層3の下(表面保護層5とは反対側)に意匠層4を積層することが好ましいのは、意匠面が表面保護層5及び樹脂フィルム層3の下(内側)にあることにより奥行き感等の意匠の向上効果があると共に、意匠層4、特に絵柄層42が積層体2表面から遠くなることで摩耗等による柄取られのリスクが軽減できるからである。
また、所望によりなされる上記工程(5)のプライマー層8の積層は、上記態様1と同様になされる。
上記態様2の場合であって意匠層4が着色層41及び絵柄層42から構成される場合は、通常、樹脂フィルム層の一方の面に、絵柄層42、着色層41の順に積層される。
なお、本発明方法においては、所望により、積層体2の各層の層間にさらに他の層が積層される工程が付加されても良い。
本発明において使用されるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸又はDL−乳酸単位を主成分とする重合体又はこれらの重合体の混合物であり、乳酸の光学異性体を共重合したものであってもよい。すなわち、L−乳酸に対してD−乳酸を、D−乳酸に対してL−乳酸を共重合したものでもよい。また、該ポリ乳酸は、少量の共重合成分として他のヒドロキシカルボン酸等を含んでいてもよい。
なお、本発明における基材6はポリ乳酸樹脂から本質的になり、他の樹脂を含まないものであるが、耐加水分解性を低下させることなく、炭酸ガスの排出量を抑制し得る、環境保護の観点から好適な化粧シートを得るという目的を阻害しない範囲で少量の他の樹脂が混入することを妨げるものではない。
また、ポリ乳酸樹脂には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、加水分解抑制剤等の各種の添加剤を加えることができる。
本発明で使用する基材6の厚さは、通常20〜100μm程度であり、加工性等を考慮すると30〜50μmの範囲が好ましい。
また染料としては、天然染料と合成染料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、インジゴイド染料、硫化染料、ニトロ染料、ニトロソ染料等が挙げられる。これらの顔料及び染料は、1種又は2種以上併用して使用することができ、耐光性に優れ、基材に隠蔽性を持たせるようにするためには、無機顔料が最適である。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理のうち、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
樹脂フィルム層3に用いられる樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等のポリエステル樹脂;アクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の内、ポリプロピレン樹脂及びPET樹脂が好ましい。
PET樹脂としては、いわゆるA−PET、PETG等の非晶性ポリエチレンテレフタレートをも用いられ得るが、透湿度を抑える観点から結晶性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリプロピレン樹脂やPET樹脂は通常無色透明なものが用いられるが、有色透明や不透明であっても良い。
上記ポリプロピレン樹脂やPET樹脂は、延伸しても、また無延伸でもよい。延伸する場合は1軸延伸のもの及び2軸延伸のもののいずれも用いることができるが、通常は2軸延伸したものが、耐久性の観点から好ましい。
樹脂フィルム層3の厚さは上記の化粧シート1の透湿度を抑え、耐加水分解性を向上させる観点から適宜選択されれば良いが、通常5〜50μm、好ましくは10〜40μm程度である。
本発明における着色層41は基材6及び/又は樹脂フィルム層3の色を隠蔽する隠蔽層や、化粧シート1に意匠性を与える装飾層として機能するものである。着色層41は、隠蔽層、あるいは全面ベタ層とも称される。
着色層41は樹脂フィルム層3上の表面の色を整えることで、基材6及び/又は樹脂フィルム層3が着色している場合や色ムラがある場合に形成して、樹脂フィルム層3の表面に意図した色彩を与えるものである。通常、不透明色で形成することが多いが、着色透明色で形成し、下地が持っている模様を活かす場合もある。基材6及び/又は樹脂フィルム層3が白色であることを活かす場合や、基材6及び/又は樹脂フィルム層3が適切に着色されている場合には着色層41の形成を行う必要はない。
着色層41は、グラビアコート、バーコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーン等の公知の塗工方法、又はグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法により形成される。
絵柄層42は、種々の模様をインキと印刷機を使用してグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法により形成される。模様としては、オーク、チーク、ウォルナット等の柾目又は板目状の木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。特に木目の「照り」をよく表現するためには、パール顔料や金属顔料等の光輝性顔料を添加することが好ましい。
ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
本発明において、後に詳述するように、表面保護層を構成する未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等を好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステル等が挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等が、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等が用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が用いられる。
着色剤としては、例えばキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラック等の公知の着色用顔料等が用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、樹脂フィルム層3の表面あるいは意匠層4(着色層41及び/又は絵柄層42)の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する硬化樹脂層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜20μm程度である。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等を付与することもできる。
プライマー層の厚さは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.5〜5μm程度である。
裏面フィルム層としては、樹脂フィルム層3に用いられる上述の各種樹脂が用いられる。また、裏面フィルム層は樹脂フィルム層3と同じ樹脂であっても良いし、異なっていても良い。
窯業系素材としては、石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板等の窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル、火山灰を主原料とした板等が例示される。
これらの他、繊維強化プラスチック(FRP)の板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂を挟んだもの等、各種の素材の複合体も基材として使用できる。
金属板としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等からなるものを用いることができ、またこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。
化粧シート1の基板上への貼着は、通常、本発明の化粧シートの裏面に接着剤層を形成し、基板を貼着するか基板の上に接着剤を塗布し、化粧シートを貼着する等の方法による。
(評価方法)
実施例、比較例及び参考例で得られた化粧シートについて、以下の方法で評価した。
(1)透湿度
JIS Z 0208に準拠し、40℃、相対湿度90%、24時間にて透湿度(g/m2・24h)を測定した。
◎: 透湿度が0以上であり12以下であった。
○: 透湿度が12を超え30以下であった。
×: 透湿度が30を超えていた。
(2)耐加水分解性
供試サンプルを70℃温水中に浸漬し、以下の評価基準により評価した。
◎: 500時間浸漬後の破断点伸度が20%以上であった。
○: 400時間浸漬後の破断点伸度が20%以上であり、且つ500時間浸漬後の破断点伸度が20%未満であった。
△: 300時間浸漬後の破断点伸度が20%以上であり、且つ400時間浸漬後の破断点伸度が20%未満であった。
×: 300時間浸漬後の破断点伸度が20%未満であった。
なお、破断点伸度は、浸漬後の供試サンプルから引張試験用試験片(JIS−K 7127 試験片タイプ1Bサイズ)を採取し、引張試験にて、100mm/minの速度で強度を測定し、いずれかの層が破断した時点で測定を中断し、その時の伸度を破断点伸度とした。
(3)平貼り性
供試サンプルを以下の評価基準により評価した。
◎: 化粧シートと基板表面との間で浮きが発生しない。
×: 化粧シートと基板表面との間で浮きが発生する。
(4)曲げラッピング加工性
供試サンプルを以下の評価基準により評価した。
◎: ラッピング加工部分で化粧シートと基板表面との間で浮きが発生しない。
×: ラッピング加工部分で化粧シートと基板表面との間で浮きが発生する。
厚さ40μmの白色ポリ乳酸樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュSW」)よりなる基材の裏面にアクリル変性ウレタン樹脂からなるプライマー剤を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー層を形成し、基材の表面に透明ポリエステル系ウレタン樹脂を5〜10g/m2(ドライ)塗布することにより接着剤層を形成し、基材積層シートを得た。
別途、2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルム(フタムラ化学(株)製、商品名「FOR−BT」、厚さ20μm)からなる樹脂フィルム層の上に、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して木目模様の絵柄層をグラビア印刷した。
次いで、絵柄層の上に3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径5μmのシリカ粒子15質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部よりなる電子線硬化性樹脂組成物を5g/m2 でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層を形成した。次いで、40℃で72時間の養生を行い、積層体を得た。
次に、得られた基材積層シートの接着剤層表面と積層体の樹脂フィルム層表面とをドライラミネーションにより貼着し、化粧シートを得た。
この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
実施例1の2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルムを2軸延伸処理された
透明PET樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T600E25N」、厚さ25μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
厚さ40μmの白色ポリ乳酸樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュSW」)よりなる基材の裏面にアクリル変性ウレタン樹脂からなるプライマー剤を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー層を形成し、基材の表面に透明ポリエステル系ウレタン樹脂を5〜10g/m2(ドライ)塗布することにより接着剤層を形成し、基材積層シートを得た。
別途、2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルム(フタムラ化学(株)製、商品名「FOR−BT」、厚さ20μm)からなる樹脂フィルム層の一方の面に、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して木目模様の絵柄層をグラビア印刷した。
次いで、該透明ポリオレフィン樹脂フィルムの他方の面に3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径5μmのシリカ粒子15質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部よりなる電子線硬化性樹脂組成物を5g/m2 でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層を形成した。次いで、40℃で72時間の養生を行い、積層体を得た。
次に、得られた基材積層シートの接着剤層表面と積層体の樹脂フィルム層の絵柄層の印刷面とをドライラミネーションにより貼着し、化粧シートを得た。
この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
実施例3の2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルムを2軸延伸処理された透明PET樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T600E25N」、厚さ25μm)に変更した以外は、実施例3と同様にして化粧シートを得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
厚さ40μmの白色ポリ乳酸樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュSW」)よりなる基材の表面に、透明ポリエステル系ウレタン樹脂を5〜10g/m2(ドライ)塗布することにより接着剤層を形成した後、2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルム(フタムラ化学(株)製、商品名「FOR−BT」、厚さ20μm)をドライラミネートし樹脂フィルム層を形成した。次いで、基材の裏面にアクリル変性ウレタン樹脂からなるプライマー剤を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー層を形成した。
次に、樹脂フィルム層の上に、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して木目模様の絵柄層をグラビア印刷した。
次いで、絵柄層の上に3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径5μmのシリカ粒子15質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部よりなる電子線硬化性樹脂組成物を5g/m2 でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層を形成した。次いで、40℃で72時間の養生を行って、化粧シートを得た。
この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
比較例1の2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルムを2軸延伸処理された
透明PET樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T600E25N」に変更した以外は、比較例1と同様にして化粧シートを得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
比較例1の化粧シートから樹脂フィルム層及び接着剤層を除去した層構成の化粧シートを比較例1と同様にして得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
厚さ40μmの白色ポリ乳酸樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュSW」)よりなる基材の裏面にアクリル変性ウレタン樹脂からなるプライマー剤を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー層を形成し、基材の表面に透明ポリエステル系ウレタン樹脂を5〜10g/m2(ドライ)塗布することにより接着剤層を形成し、基材積層シートを得た。
別途、2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルム(フタムラ化学(株)製、商品名「FOR−BT」、厚さ20μm)の一方の面にニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して木目模様の絵柄層をグラビア印刷した。
次に、得られた基材積層シートの接着剤層表面と、樹脂フィルム裏面(絵柄層側)とをドライラミネーションにより貼着した。次いで、樹脂フィルム層表面(絵柄層形成側の他方の面)に、3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径5μmのシリカ粒子15質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部よりなる電子線硬化性樹脂組成物を5g/m2 でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層を形成した。次いで、40℃で72時間の養生を行って、化粧シートを得た。
この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
比較例4の2軸延伸処理された透明ポリプロピレン樹脂フィルムを2軸延伸処理された
透明PET樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T600E25N」に変更した以外は、比較例4と同様にして化粧シートを得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
厚さ40μmの白色ポリ乳酸樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュSW」)よりなる基材の裏面にアクリル変性ウレタン樹脂からなるプライマー剤を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー層を形成し、基材の表面にニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して木目模様の絵柄層をグラビア印刷した。次いで、40℃で72時間の養生を行って、化粧シートを得た。
この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
A法: 基材の表面に接着剤層及び裏面にプライマー層を積層して得た基材積層シートの接着剤層表面と、樹脂フィルム層の一方の面に絵柄層及び表面保護層をその順に積層し表面保護層を架橋硬化して得た積層体の樹脂フィルム層の他方の面とをドライラミネートした。
B法: 基材の表面に接着剤層及び裏面にプライマー層を積層して得た基材積層シートの接着剤層表面と、樹脂フィルム層の一方の面に絵柄層を積層し該樹脂フィルム層の他方の面に表面保護層を積層し表面保護層を架橋硬化して得た積層体の絵柄層側の面とをドライラミネートした。
C法: 基材の上に、接着剤層、樹脂フィルム層を順次積層して得られた積層シートの裏面に、プライマー層を積層した。その積層シートの表面(樹脂フィルム層の上)に、絵柄層、表面保護層の順に積層し、表面保護層を架橋硬化した。
D法: 基材の表面に接着剤層及び裏面にプライマー層を積層して得た基材積層シートの接着剤層表面と、樹脂フィルム層の一方の面に絵柄層を積層し得た積層体の絵柄層側の面とをドライラミネートした。得られた積層シートの樹脂フィルム層表面に表面保護層を積層し表面保護層を架橋硬化した。
2.積層体
3.樹脂フィルム層
4.意匠層
41.着色層
42.絵柄層
5.表面保護層
6.基材
7.接着剤層
8.プライマー層
Claims (2)
- 樹脂フィルム層の一方の面に、着色層及び絵柄層から選ばれる少なくとも1層からなる意匠層を積層する工程と、
該樹脂フィルム層の他方の面又は該意匠層の表面に、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層を積層する工程と、
該表面保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して積層体を形成する工程と、
該積層体の該表面保護層とは反対側の面とポリ乳酸樹脂からなる基材の表面とを貼着する工程とを含むことを特徴とする化粧シートの製造方法。 - 前記樹脂フィルム層表面と前記基材表面とを接着剤層を介して貼着する請求項1に記載の化粧シートの製造方法。
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