JP5515371B2 - 化粧シート及び該化粧シートを用いた化粧板 - Google Patents
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一方、耐熱性や表面の耐汚染性を向上させる目的で、ポリ塩化ビニル系樹脂に代わる素材としてスチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリアミド系、エステル系等の熱可塑性エラストマーやエチレンビニルアルコール共重合体(EVA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリル樹脂等を用いた化粧シートが用いられてきた。
このような植物由来の樹脂のうち、各種物性と量産化の可能性等を考慮すると上記ポリ乳酸樹脂が有望であり、ポリ乳酸樹脂又はポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を用いた化粧シート等が提案されている。(例えば、特許文献3〜5参照)
本発明は、このような状況下で、透湿度を抑え、耐加水分解性を低下させることなく、炭酸ガスの排出量を抑制し得る、環境保護の観点から好適な化粧シートを提供することを課題とする。
(1)基材上に中間層を、中間層上に着色層及び/又は絵柄層を、着色層及び/又は絵柄層上に表面保護層を積層してなる化粧シートであって、基材がポリ乳酸樹脂からなり、中間層がポリエステル樹脂からなり、且つ表面保護層が表面保護層が架橋硬化した樹脂層からなることを特徴とする化粧シート、
(2)前記基材の厚さが20〜100μmであり、前記中間層の厚さが8〜100μmである上記(1)に記載の化粧シート、
(3)前記基材と前記中間層との間に接着剤層を有する上記(1)又は(2)に記載の化粧シート、及び
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧シートを基板に貼付した化粧板、
を提供するものである。
さらに、本発明の化粧シートにおいては、着色層及び/又は絵柄層が表面保護層に隣接又は近接しているので、着色層及び/又は絵柄層が表面保護層の緩和層として機能し、化粧シートの曲げ加工性、特に曲げラッピング加工性が向上する効果を奏する。
本発明の化粧シートの典型的な構造を、図1を用いて説明する。図1は本発明の化粧シート1の一例を示す断面模式図である。図1に示す例では、基材2上に、所望により基材2全面を被覆する一様均一な接着剤層7、接着剤層7全面を被覆する一様均一な中間層3、着色層4、絵柄層5、架橋硬化した樹脂層からなる表面保護層6がこの順に積層されたものである。また、基材1の裏面には所望によりプライマー層8が積層される。
本発明において使用されるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸又はDL−乳酸単位を主成分とする重合体又はこれらの重合体の混合物であり、乳酸の光学異性体を共重合したものであっても良い。すなわち、L−乳酸に対してD−乳酸を、D−乳酸に対してL−乳酸を共重合したものでも良い。また、該ポリ乳酸は、少量の共重合成分として他のヒドロキシカルボン酸等を含んでいても良い。
なお、本発明における基材2はポリ乳酸樹脂から本質的になり、他の樹脂を含まないものであるが、本発明の効果を阻害しない範囲で少量の他の樹脂が混入することを妨げるものではない。
また、ポリ乳酸樹脂には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、加水分解抑制剤等の各種の添加剤を加えることができる。
本発明で使用する基材2の厚さは、通常20〜100μm程度であり、加工性等を考慮すると30〜50μmの範囲が好ましい。
また染料としては、天然染料と合成染料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、インジゴイド染料、硫化染料、ニトロ染料、ニトロソ染料等が挙げられる。これらの顔料及び染料は、1種又は2種以上併用して使用することができ、耐光性に優れ、基材に隠蔽性を持たせるようにするためには、無機顔料が最適である。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理のうち、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等が挙げられ、特にポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
このポリエステル樹脂としては、いわゆるA−PET、PETG等の非晶性ポリエチレンテレフタレートをも用いられ得るが、透湿度を抑える観点から結晶性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエチレンテレフタレート樹脂は通常無色透明なものが用いられるが、有色透明や不透明であっても良い。
上記ポリエステル樹脂は、延伸しても、また無延伸でも良い。延伸する場合は1軸延伸のもの及び2軸延伸のもののいずれも用いることができるが、通常は2軸延伸したものが、耐久性の観点から好ましい。
中間層3の厚さは上記の化粧シート1の透湿度を抑え、耐加水分解性を向上させるものであれば特に制限はないが、中間層3の厚みはラッピング加工における化粧シートと基板表面をとの間の浮きに影響しているため、100μm以下が好ましく、50μm以下であればなお好ましく、8μm以上が透湿度を低く抑える点で好ましい。
また、基材2は、化粧シートの全質量に対して25%以上の植物度であることが好ましいため、基材2と中間層3との厚さの比(基材の厚さ/中間層の厚さ)が、0.4以上であることが好ましい。中間層3が100μmであれば基材2は約42μm以上、中間層3が50μmであれば、基材2は約20μm以上が好ましい。
本発明における着色層4は基材2及び/又は中間層3の色を隠蔽する隠蔽層や、化粧シート1に意匠性を与える装飾層として機能するものである。着色層4は、隠蔽層、あるいは全面ベタ層とも称される。
着色層4は中間層3上の表面の色を整えることで、基材2及び/又は中間層3が着色している場合や色ムラがある場合に形成して、中間層3の表面に意図した色彩を与えるものである。通常、不透明色で形成することが多いが、着色透明色で形成し、下地が持っている模様を活かす場合もある。基材2及び/又は中間層3が白色であることを活かす場合や、基材2及び/又は中間層3が適切に着色されている場合には着色層4の形成を行う必要はない。
着色層4は、グラビアコート、バーコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーン等の公知の塗工方法、又はグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷方法により形成される。
本発明の化粧シート1において、絵柄層5を着色層4と共に設ける場合は、通常中間層3の上に着色層4、絵柄層5の順に設ける。
絵柄層5は、種々の模様をインキと印刷機を使用してグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法により形成される。模様としては、オーク、チーク、ウォルナット等の柾目又は板目状の木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。特に木目の「照り」をよく表現するためには、パール顔料や金属顔料等の光輝性顔料を添加することが好ましい。
架橋硬化した樹脂層からなる表面保護層6を中間層3上に、着色層及び/又は絵柄層に隣接又は近接した状態で積層させることで、化粧シートの曲げ加工時、特に曲げラッピング加工に発生する応力を緩和することができる。
上記の熱硬化性樹脂組成物としては、2液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
また、上記の電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
本発明において、後に詳述するように、表面保護層を構成する未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでも良く、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等を好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステル等が挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等が、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等が用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が用いられる。
着色剤としては、例えばキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラック等の公知の着色用顔料等が用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、着色層4及び/又は絵柄層5の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する硬化樹脂層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜20μm程度である。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等を付与することもできる。
プライマー層の厚さは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.5〜5μm程度である。
フィルム層としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等が挙げられ、特にポリプロピレン樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、PET樹脂、PBT樹脂、PTT樹脂、PEN樹脂等があげられ、特にポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
窯業系素材としては、石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板等の窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル、火山灰を主原料とした板等が例示される。
これらの他、繊維強化プラスチック(FRP)の板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂を挟んだもの等、各種の素材の複合体も基材として使用できる。
金属板としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等からなるものを用いることができ、またこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。
化粧シートの基板上への貼着は、通常、本発明の化粧シートの裏面に接着剤層を形成し、基板を貼着するか基板の上に接着剤を塗布し、化粧シートを貼着する等の方法による。
(評価方法)
実施例、比較例及び参考例で得られた化粧シートについて、以下の方法で評価した。
(1)透湿度
JIS Z 0208に準拠し、40℃、相対湿度90%、24時間にて透湿度(g/m2・24h)を測定した。
◎: 透湿度が0以上であり12以下であった。
○: 透湿度が12を超え30以下であった。
×: 透湿度が30を超えていた。
(2)耐加水分解性
供試サンプルを70℃温水中に浸漬し、以下の評価基準により評価した。
◎: 300時間浸漬後の破断点伸度が20%以上であった。
○: 200時間浸漬後の破断点伸度が20%以上であり、且つ300時間浸漬後の破断点伸度が20%未満であった。
△: 100時間浸漬後の破断点伸度が20%以上であり、且つ200時間浸漬後の破断点伸度が20%未満であった。
×: 100時間浸漬後の破断点伸度が20%未満であった。
なお、破断点伸度は、浸漬後の供試サンプルから引張試験用試験片(JIS−K 7127 試験片タイプ1Bサイズ)を採取し、引張試験にて、100mm/minの速度で強度を測定し、いずれかの層が破断した時点で測定を中断し、その時の伸度を破断点伸度とした。
(3)平貼り性
供試サンプルを以下の評価基準により評価した。
◎: 化粧シートと基板表面との間で浮きが発生しない。
×: 化粧シートと基板表面との間で浮きが発生する。
(4)曲げラッピング加工性
供試サンプルを以下の評価基準により評価した。
◎: ラッピング加工部分で化粧シートと基板表面との間で浮きが発生しない。
×: ラッピング加工部分で化粧シートと基板表面との間で浮きが発生する。
厚さ40μmの白色ポリ乳酸樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「エコロージュSW」)よりなる基材の表面に、透明ポリエステル系ウレタン樹脂を10g/m2(ドライ)塗布することにより接着剤層を形成した後、2軸延伸処理された透明ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「T600E25N」、厚さ25μm)をドライラミネートし中間層を形成した。
次に、中間層の上に、ポリウレタン樹脂(重量平均分子量(Mw);55000、Tg;−30℃)に白色顔料としてチタニアをPV比(顔料の固形分の質量/樹脂の固形分の質量)が2.4となるように加え、硬化剤としてヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネートを加えたポリウレタン樹脂組成物を、乾燥重量で10g/m2塗布することにより着色層を形成した。着色層の上に、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、商品名「KL−MAX」)からなるインキを使用して木目模様の絵柄層をグラビア印刷した。
次いで、絵柄層の上に3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径5μmのシリカ粒子15質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部よりなる電子線硬化性樹脂組成物を5g/m2 でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層を形成した。次いで、40℃で72時間の養生を行った。その後、得られた積層シートの基材の裏面にアクリル変性ウレタン樹脂からなるプライマー剤を3g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー層を形成し、化粧シートを得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
まず、木目柄の基調色に予め着色された、ポリ乳酸及びポリブチレンサクシネートを混合してなる厚さ70μmの樹脂シートである基材に、ウレタン系2液硬化型印刷インキを用いてグラビア印刷により木目絵柄の印刷を行って厚さ0〜1μmの絵柄層を形成した。この絵柄層の上に、ウレタン系2液硬化型接着剤をドライラミネートして厚さ10μmの接着剤層を積層した。
次に、接着剤層の上に、厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレートシートをドライラミネート法により貼り合せて中間層を積層した。さらに、中間層の上に表面保護層としてウレタン系コート剤を、乾燥硬化後の厚さが6μmとなるようグラビアコーティングにて塗工した。その後、得られた積層シートの基材の裏面にアクリル変性ウレタン樹脂からなるプライマー剤を3g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー層を形成して、比較例1の木目調の化粧シートを得た。このウレタン系コート剤には紫外線吸収剤と光安定剤、及び光沢調整のためのマット剤を添加して用いた。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
実施例1の化粧シートから中間層及び接着剤層を除去した層構成の化粧シートを得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
基材として、厚さ45μmの白色ポリエステル樹脂フィルム(ダイヤホイル(株)製ポリエチレンテレフタレート、商品名「Z210」)を用いたこと以外は比較例2と同様にして化粧シートを得た。この化粧シートについて上記方法にて評価した。その結果を第1表に示す。
2.基材
3.中間層
4.着色層
5.絵柄層
6.表面保護層
7.接着剤層
8.プライマー層
Claims (5)
- 基材上に接着剤層を、接着剤層上に中間層を、中間層上に着色層及び/又は絵柄層を、着色層及び/又は絵柄層上に表面保護層を積層してなる化粧シートであって、基材がポリ乳酸樹脂からなり、接着剤層が、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル/ウレタン共重合系樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択されてなるものであり、中間層がポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンナフタレート樹脂からなる群より選択されてなるものであり、且つ表面保護層が架橋硬化した樹脂層からなることを特徴とする化粧シート。
- 前記基材の厚さが20〜100μmであり、前記中間層の厚さが8〜100μmである請求項1に記載の化粧シート。
- 前記基材と前記接着剤層、及び前記接着剤層と前記中間層とを直接接するように積層してなる、請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記中間層が結晶性ポリエチレンテレフタレートからなる請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シートを基板に貼付した化粧板。
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