JP4978226B2 - 化粧シート - Google Patents

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本発明は曲げ加工性が改良されると共に、表面の耐久性に優れた化粧シートに関する。
家具や台所製品のキャビネット等の表面化粧板としては、一般に木質系材料、無機系材料、合成樹脂系材料、鋼板等の金属系材料等に、例えば木目調柄等を印刷した化粧シートを接着剤で貼り合わせた構造のものが用いられている。
このような表面化粧板に使用される化粧シートには、ラミネート加工、ラッピング加工、Vカット加工等の二次加工のための適度な曲げ加工性、切削性、耐破断性等の加工適性、使用状態における耐汚染性、耐候性、耐光性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、表面硬度、耐摩耗性、スクラッチ性等、種々の特性が要求される。
こうした要求を満たすために、上記加工適性を十分に満足する基材を用い、該基材の表面に表面保護層を施すことが行われており、表面保護層としては電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましく用いられている。
例えば、特許文献1には、基材の表面に塗膜層、模様層、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面保護層を有しており、模様層が塗膜層に比較して、電離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性を高く構成した化粧シートが提案されている(特許文献1、特許請求の範囲、図1及び図2参照)。
また、化粧シートが適度な曲げ加工性を有するのは重要であるが、化粧シートの基材に接する層としてのプライマー層を改良することにより、化粧シートの曲げ加工性を改善する試みは未だ十分になされてはいないのが実情である。
例えば、プライマー層を改良するものとして基材と装飾層となる絵柄層との間に熱可塑性アクリルウレタン樹脂を配設することにより基材と絵柄層との密着性を向上する方法が提案されている。(特許文献2、特許請求の範囲、段落0017参照) しかしながら、プライマー層を特定の破断時伸びを有する弾性プライマー層とする観点がなかったので、曲げ加工性を改良することをなし得なかった。従って、化粧シートの曲げ加工性、耐摩耗性及びスクラッチ性をバランスよく改良することが望まれている。
特開2001−199028号公報 特開2001−80293号公報
本発明は、このような状況下で、プライマーが印刷時又は塗工時にロールに取られないようにすること、すなわちプライマー層の生産適性を確保しつつ、プライマー層を改良することにより、曲げ加工性、耐摩耗性及びスクラッチ性に優れる化粧シートを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材上に特定の破断時伸び特性を有する弾性プライマーを配設し、かつ表面保護層として電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものを用いることにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1. 基材と、該基材上に配設される弾性プライマー層と、該弾性プライマー層上の一部又は全面に設けられる絵柄層と、該絵柄層上を含め表面の一部又は全面を被覆する表面保護層とを有する化粧シートであって、該弾性プライマー層の破断時伸び(25℃)が、100〜500%であり、かつ該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものである化粧シート、
2. 電離放射線硬化性樹脂組成物が電子線硬化性樹脂組成物である上記1に記載の化粧シート、
3. 電離放射線硬化性樹脂組成物が(メタ)アクリレート系モノマーを含有してなる上記1又は2に記載の化粧シート、
4. (メタ)アクリレート系モノマーが多官能性(メタ)アクリレート系モノマーである上記3に記載の化粧シート、
5. 電離放射線硬化性樹脂組成物がさらに重合性オリゴマーを含有してなる上記3又は4に記載の化粧シート、
6. 絵柄層と表面保護層との間に、さらに低艶絵柄インキ層を有する上記1〜5のいずれかに記載の化粧シート、
7. 表面保護層中であって、低艶絵柄インキ層の直上部及びその近傍に視覚的に凹部として認識される低光沢領域が形成されてなる上記6に記載の化粧シート、
8. 低光沢領域の上部に位置する表面保護層の表面が凸形状を有する上記7に記載の化粧シート、
9. 絵柄層と低艶絵柄インキ層の間にさらに浸透防止層を有する上記6〜8のいずれかに記載の化粧シート、
10. 弾性プライマー層と絵柄層の間にさらに隠蔽層を有する上記1〜9のいずれかに記載の化粧シート、
11. 絵柄層が木目模様を形成するものであり、低艶絵柄インキ層が導管部の低艶部分を形成するものである請求項7〜10のいずれかに記載の化粧シート、
12. 基材がポリエステル樹脂フイルムからなる上記1〜11のいずれかに記載の化粧シート、
13. ポリエステル樹脂フイルムが着色ポリエステル樹脂フイルムである上記12に記載の化粧シート、及び
14. 上記1〜13のいずれかに記載の化粧シートを基板に貼付した化粧板、
を提供するものである。
本発明によれば、プライマー層の生産適性を確保しつつ、曲げ加工性、耐摩耗性及びスクラッチ性に優れる化粧シートを提供することができる。
本発明の化粧シートの典型的な構造を、図1及び2を用いて説明する。図1及び2は本発明の化粧シート1の断面を示す模式図である。図1に示す例では、本発明の化粧シート1を構成する必須の層である、基材2、弾性プライマー層3、絵柄層4及び電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面保護層5に加え、必要に応じ配設される、低艶絵柄インキ層6、一様均一な浸透防止層8、一様均一な隠蔽層9が積層されたものである。
弾性プライマー層3は、基材2に隣接して一様均一に配設され、基材2と、絵柄層4、隠蔽層9又は浸透防止層8との接着を強固にする。絵柄層4は、弾性プライマー層3上の一部又は全面に設けられるが、弾性プライマー層3と絵柄層4との間に、隠蔽層9が配設されていてもよい。表面保護層5は、該絵柄層4上を含め化粧シート表面の一部又は全面を被覆する。所望により配設される低艶絵柄インキ層6は部分的に存在し、その直上部及びその近傍における表面保護層には低光沢領域7が形成される。表面保護層5側から本発明の化粧シートを見ると、低光沢領域7は視覚的に凹部として認識されるため、全体として、この低光沢領域7によって視覚的に凹凸模様として認識される。なお、低光沢領域7は図中で点の集合により表現されている。
また、表面保護層5の最表面における、低光沢領域7の上部は、低艶絵柄インキ層6の形成に伴って隆起し、凸形状10を有していてもよい。表面保護層5の表面がこのように凸形状を有することによって、この部分で光が散乱されるため、また表面積が増加し、かつ低艶が認識できる視野角も広がるため、上記低光沢領域7の効果と協調してさらに視覚的な凹凸感が強調される。なお、該凸形状の高さについては、本発明の効果を奏する範囲で特に限定されないが、通常2〜3μmの範囲である。
また、所望により、図1のように、絵柄層4と低艶絵柄インキ層6との間に、浸透防止層8が配設されていてもよい。
次に、図2に示す例では、図1と同じ順序で、同じ層が積層されている。図1で示したのと同様に、低艶絵柄インキ層6の直上部及びその近傍における表面保護層中に低光沢領域7が形成される。表面保護層5側から本発明の化粧シートを見ると、部分的に存在する低光沢領域7は視覚的に凹部として認識され、全体として凹凸模様が認識されるものである。
表面保護層5中に形成される低光沢領域7の広がりの程度については、本発明の効果を奏する範囲内であれば特に限定されず、図1に示す如く、低艶絵柄インキ層6の表面から表面保護層5の厚み方向の途中で留まっていてもよく、また図2に示すように表面保護層5の最表面に達するものであってもよい。さらには図2に示すように表面保護層5の最表面に凸形状を形成してもよい。
以下、本発明の好ましい実施形態の一つを示した図1に基づいて、詳細に説明する。
本発明で用いられる基材2としては、通常化粧シートとして用いられるものであれば、特に限定されず、各種の紙類、プラスチックフィルム、プラスチックシート、金属箔、金属シート、金属板、木材等の木質系の板、窯業系素材等を用途に応じて適宜選択することができる。これらの材料はそれぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や紙とプラスチックフィルムの複合体等、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
これらの基材、特にプラスチックフィルムやプラスチックシートを基材として用いる場合には、その上に配設される層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また該基材はプライマー層を形成する等の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様があらかじめ形成されていてもよい。
基材として用いられる各種の紙類としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等が使用できる。これらの紙基材は、紙基材の繊維間ないしは他層と紙基材との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、これら紙基材に、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙等である。
これらの他、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、又は紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各種紙が挙げられる。さらには、事務分野や通常の印刷、包装等に用いられるコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、又は和紙等を用いることもできる。また、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布や不織布も基材として使用することができる。各種繊維としてはガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊維、アクリル繊維、若しくはビニロン繊維等の合成樹脂繊維が挙げられる。
基材として用いられるプラスチックフィルム又はプラスチックシートとしては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等が挙げられる。
金属箔、金属シート、又は金属板としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等からなるものを用いることができ、またこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。各種の木質系の板としては、木材の単板、合板、集成材、パーチクルボード、又はMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板が挙げられる。窯業系素材としては、石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板等の窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル等が例示される。これらの他、繊維強化プラスチック(FRP)の板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂を挟んだもの等、各種の素材の複合体も基材として使用できる。
上述の基材として用いられる各種材料のうち、ポリエステル樹脂フイルムが好ましい。
ここで、ポリエステル樹脂フイルムは、いわゆる押出口金から溶融押し出されたポリエステル樹脂フイルムであって、通常、縦方向及び横方向の二軸方向に配向させたフイルムであるが、無延伸フィルムであってもよい。このポリエステル樹脂フイルムには、ジカルボン酸とグリコールとから縮重合によって得られたポリマーが用いられる。ここで、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられ、またグリコールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられる。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステル樹脂等の樹脂フイルムの厚みとしては20〜100μm、コスト及び使用上の取扱の良さから40〜50μmが好ましい。紙基材を用いる場合には、坪量は、通常20〜150g/m2程度、好ましくは30〜100g/m2の範囲である。
基材2に用いられるポリエステル樹脂フイルムとしては、着色ポリエステル樹脂フイルムが好ましい。そして、着色されるためには、顔料及び/又は染料が配合されていることが必要である。顔料としては、無機顔料と有機顔料とに分類することができ、無機顔料としては、酸化チタン白、亜鉛華、鉛白、カーボンブラック、弁柄、朱、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメート等が挙げられる。有機顔料としては、フタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系等の顔料が挙げられ、代表的なものとして、キナクリドン、ウォッチアングレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。また染料としては、天然染料と合成染料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、インジゴイド染料、硫化染料、ニトロ染料、ニトロソ染料等が挙げられる。これらの顔料及び染料は、1種又は2種以上併用して使用することができ、耐光性に優れ、基材シートに隠蔽性を持たすようにするためには、無機顔料が最適である。ポリエステル樹脂フイルムに着色される色は白色であることが絵柄層4等の色調を変えにくいので好ましい。また、必要に応じ、蛍光増白剤をポリエステル樹脂フイルムに含有させると、絵柄層4等の美感が増し好ましい。
図1に示される全面にわたって被覆される一様均一な弾性プライマー層3の破断時伸び(25℃)が、100〜500%であることが肝要である。弾性プライマー層3の破断時伸びが100%未満であると、化粧板の曲げ加工性が低下し、500%を超える印刷時の生産性が低下するからである。これらの観点から、弾性プライマー層3の破断時伸び(25℃)が、300〜500%であることがより好ましく、400〜500%であることが特に好ましい。
ところで、弾性プライマー層3に採用する樹脂の破断時伸び(25℃)を所定の範囲にするには、一般的には、樹脂の分子量(重合度)を低くしたり、樹脂の分子鎖構造に脂肪族系を採用すれば、破断時伸び(25℃)は高くなり、樹脂の分子量(重合度)を高くしたり、芳香族系を採用すれば、破断時伸び(25℃)は低くなる。この様に、破断時伸び(25℃)は、樹脂の分子鎖構造を適宜なものに分子設計する事で、所望のものに制御することができる。
また、必要に応じ、複数の樹脂を混合した混合樹脂を使用することにより破断時伸び(25℃)を制御しても良い。
本発明における弾性プライマー層3の材料は、上述の破断時伸び(25℃)範囲を満足するものであれば、特に制限はない。アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、熱可塑性ウレタン樹脂等の各種熱可塑性樹脂が用いられる。これらの樹脂のなかでも、熱可塑性ポリエステルウレタン系樹脂が特に好ましい。熱可塑性ポリエステルウレタン系樹脂としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ヘキサングリコール等のグリコール類とアジピン酸、イソフタール酸、テレフタール酸等の2塩基酸との重縮合反応によって得られるポリエステルポリオールとトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートとの反応により得られる線状ブロック共重合体よりなる。
図1に示される絵柄層4は基材2に装飾性を与えるものであり、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
絵柄層4に用いる絵柄インキとしては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂(例えば、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂)、酢酸セルロース系樹脂等の中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、本発明の化粧シートにおいては、所望により、後に詳述する低艶絵柄インキ層6及び低光沢領域7により、さらに優れた化粧を施すことができる。
次に、表面保護層5は上述のように電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化したもので構成される。ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における表面保護層の電離放射線硬化性樹脂組成物に用いられる単官能性(メタ)アクリレート及び多官能性(メタ)アクリレートとして、1乃至2官能シリコーンメタクリレート及び多官能シリコーンアクリレートが好ましい。そして、該電離放射線硬化性樹脂が1乃至2官能シリコーンメタクリレート及び多官能シリコーンアクリレートを含有すると、化粧シートの耐汚染性、マジック消去性、耐セロファンテープ性、レベリング性、表面平滑性、くもり性(透明度)が向上し、かつ、すべり性がおさえられる。
ここで、表面保護層の電離放射線硬化性樹脂に含有される1乃至2官能シリコーンメタクリレートは主に耐汚染性、マジック消去性、耐セロファンテープ性を付与し、多官能シリコーンアクリレートは主にレベリング性、表面平滑性、くもり性(透明度)の向上及びすべり性を減じる特性を付与するものである。
上述のシリコーンメタクリレートは、ポリシロキサンからなるシリコーンオイルのうち、又は片方乃至両方の末端にメタクリル基を導入した変性シリコーンオイルの中の一つである。シリコーンメタクリレートに用いる1乃至2官能シリコーンメタクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基がメタクリル基であり、該有機基を1乃至2つ有する変性シリコーンオイルであれば、特に限定されない。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。
このようなシリコーンメタクリレートとしては、好ましくは分子量1000〜6000、より好ましくは3000〜6000、官能基当量(分子量/官能基数)好ましくは500〜3000、より好ましくは1500〜3000の条件を有するものが用いられる。
また、シリコーンアクリレートに用いる多官能シリコーンアクリレートとしては、従来公知のものが使用でき、有機基がアクリル基であって該有機基を複数、好ましくは4つ以上を、さらには4〜6つ有する変性シリコーンオイルであれば、特に限定されない。また、変性シリコーンオイルの構造は、置換される有機基の結合位置によって、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型に大別されるが、有機基の結合位置には、特に制限はない。
このようなシリコーンアクリレートとしては、好ましくは分子量3000〜100000、より好ましくは10000〜30000、官能基当量(分子量/官能基数)好ましくは750〜25000、より好ましくは3000〜6000の条件を有するものが用いられる。
上記1乃至2官能シリコーンメタクリレートの含有量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して好ましくは1.5〜20質量部、より好ましくは2〜4質量部である。また、上記多官能シリコーンアクリレートの含有量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して好ましくは1〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。
また、シリコーンメタクリレートとシリコーンアクリレートとの含有量の比は、好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:2〜1:3(いずれも質量比)である。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
本発明においては、上述のように低艶絵柄インキ層6を構成する低艶絵柄インキと表面保護層5を構成する電離放射線硬化性樹脂組成物とが相互作用することが重要であり、この観点から適当なインキと電離放射線硬化性樹脂組成物が選定されるが、電離放射線硬化性樹脂組成物としては、多官能性(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等が挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
また本発明における電離放射線硬化性樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。
ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等を好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステル等が挙げられる。一方、光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
耐摩耗性向上剤としては、例えば無機物ではα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の球状粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。有機物では架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。粒径は、通常膜厚の30〜200%程度とする。これらの中でも球状のα−アルミナは、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいこと、また、球状の粒子を比較的得やすい点で特に好ましいものである。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等が、架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物等が用いられる。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が用いられる。
着色剤としては、例えばキナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、カーボンブラック等の公知の着色用顔料等が用いられる。
赤外線吸収剤としては、例えば、ジチオール系金属錯体、フタロシアニン系化合物、ジインモニウム化合物等が用いられる。
本発明においては、前記の電離放射線硬化成分である重合性モノマーや重合性オリゴマー及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合し、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液を調製する。この塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
本発明においては、このようにして調製された塗工液を、基材の表面に、硬化後の厚さが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。硬化後の厚さが1μm以上であると所望の機能を有する硬化樹脂層が得られる。硬化後の表面保護層の厚さは、好ましくは2〜20μm程度である。
本発明においては、このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させる。電子線で硬化させることが特に好ましい。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
このようにして、形成された硬化樹脂層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度でスクラッチ性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等を付与することもできる。
本発明の化粧シートにおいて所望により配設される低艶絵柄インキ層6は、絵柄層4上に直接積層されてもよいが、図1及び2に示すように、必要に応じて配設される浸透防止層8等の上に積層されてもよく、模様の艶差を生じさせる層である。通常、絵柄層4と同調して配置される。
本発明における艶差発生の機構については、十分解明されるには至っていないが、各種実験と観察、測定の結果から、低艶絵柄インキ層6の表面に表面保護層5を形成するための電離放射線硬化性樹脂の未硬化物を塗工した際に、各材料の組合せ、塗工条件の適当な選択によって、低艶絵柄インキ層6の樹脂成分と表面保護層が、一部溶出、分散、混合等の相互作用を発現することによるものと推測される。この際、低艶絵柄インキ層6のインキと電離放射線硬化性樹脂の未硬化物におけるそれぞれの樹脂成分は、短時間には完全相溶状態にならずに懸濁状態となって、低艶絵柄インキ層6の直上部及びその近傍に存在し、該懸濁状態となった部分が光を散乱して低光沢領域をなすものと考えられる。この懸濁状態を有したまま、表面保護層を架橋硬化せしめることにより、かかる状態が固定されると、表面保護層中に低光沢領域7が部分的に形成され、目の錯覚により、その部分が凹部であるかの如く認知されるものと推測される。
低艶絵柄インキ層6を形成する低艶絵柄インキは表面保護層5を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物との相互作用を起こす性質を有するものであり、該電離放射線硬化性樹脂組成物(未硬化物)との関連で適宜選定されるものである。具体的には、バインダー樹脂として非架橋性樹脂を有するインキであることが好ましく、例えば熱可塑性(非架橋型)ウレタン樹脂等が好適である。また、必要に応じて、低光沢領域の発現の程度、低艶領域とその周囲との艶差のコントラストを調整するため、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を混合することができる。
低艶絵柄インキ層6を形成する低艶絵柄インキは絵柄層4や隠蔽層9で用いるインキ組成物と同様に、着色剤を有し、それ自体でも絵柄模様を与えることができるが、図1及び2に示すように絵柄層4により色彩や模様を与えているので、低艶絵柄インキ層6を形成するための低艶絵柄インキ組成物には、必ずしも着色剤を添加して着色する必要はない。すなわち、絵柄層4が表現しようとする模様のうち、艶を消して、視覚的に凹部を表現したい部分と低艶絵柄インキ層6を同調させることによって艶差による視覚的凹部を有する模様が得られる。例えば、絵柄層4によって木目模様を表現しようとする場合には、木目の導管部分に低艶絵柄インキ層6のインキ部分を同調させることにより、艶差により導管部分が視覚的に凹部となった模様が得られる。あるいは絵柄層4によって、タイル貼模様を表現しようとする場合には、タイル貼の目地溝部分に低艶絵柄インキ層6のインキ部分を同調させることにより、艶差によって、目地溝部分が視覚的に凹部となった模様が得られる。
本発明の化粧シートは、所望により低艶絵柄インキ層6が配設される場合は、その上に電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面保護層5が配設されるが、低艶絵柄インキ層6を構成する低艶絵柄インキと表面保護層5を構成する電離放射線硬化性樹脂組成物との相互作用によって、部分的に存在する低艶絵柄インキ層6の直上部及びその近傍に低光沢領域が発現し、表面保護層中の厚み方向の少なくとも一部に低光沢領域7が形成されることとなる。該化粧シート1を表面保護層5側から見ると、低光沢領域7は視覚的に凹部として認識され、この低光沢領域7によって凹凸模様が視覚的に認識されるものである。
低艶絵柄インキ層6を形成する低艶絵柄インキの塗布量については、2〜20g/m2の範囲であることが好ましい。2g/m2以上であると、上述した低艶絵柄インキと電離放射線硬化性樹脂組成物との相互作用が起こり、低光沢領域が十分得られるため、化粧シート表面の十分な艶差が得られる。一方20g/m2以下であると、低艶絵柄インキの印刷に際して機械的制約がなく、また経済的にも有利である。以上の観点から、低艶絵柄インキの塗布量はさらに5〜10g/m2の範囲であることが好ましい。
また、低艶絵柄インキ層6を形成するための低艶絵柄インキ組成物中に体質顔料を含有することが好ましい。体質顔料を含有することによって、低艶絵柄インキ組成物にチキソ性を付与することができ、版を用いて低艶絵柄インキ層6を印刷する際に、低艶絵柄インキ組成物の形状が維持される。このことにより、凸部から凹部に移行する端部における凹凸の鮮映性(シャープネス)を強調することができ、メリハリのある意匠表現が可能となる。
本発明で用いる体質顔料としては特に限定されず、例えばシリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等から適宜選択される。これらのうち吸油度、粒径、細孔容積等の材料設計の自由度が高く、意匠性、白さ、インキとしての塗工安定性に優れた材料であるシリカが好ましく、特に微粉末のシリカが好ましい。シリカの粒径としては、0.1〜5μmの範囲が好ましい。0.1μm以上であるとインキに添加した際にインキのチキソ性が極端に高くならず、またインキの粘性が上がりすぎず印刷のコントロールがしやすい。また、導管模様部分の艶消しを表現しようとした場合、導管模様部分のインキの塗布厚みが通常5μm以下であり、シリカの粒径が塗布厚みよりも小さければ粒子の頭だしが比較的押えられ目立たないことから、視覚的な違和感がおこりにくい。
これらの体質顔料の低艶絵柄インキ組成物における含有量は、5〜15質量%の範囲であることが好ましい。5質量%以上であると低艶絵柄インキ組成物に十分なチキソ性を付与することができ、15質量%以下であると低艶を付与する効果の低下が全く見られず好ましい。
図1及び2に示される浸透防止層8は、所望により配設される層であって、後述する低艶絵柄インキ層6を構成する低艶絵柄インキ及び表面保護層5を構成する電離放射線硬化性樹脂が、基材2中に浸透することを抑制する機能を持つものであり、基材2が紙や不織布等の浸透性基材である場合に特に効果を発揮する。従って、浸透防止層8は基材2と低艶絵柄インキ層6の間に位置すればよく、例えば、弾性プライマー層3と隠蔽層9の間、隠蔽層9と絵柄層4の間又は図1に示されるように絵柄層4と低艶絵柄インキ層6の間に配設される。通常は、表面保護層5を構成する電離放射線硬化性樹脂と密着性がある、硬化性樹脂が架橋硬化した一様均一な層を、図1に示すように絵柄層4と低艶絵柄インキ層6の間に設ける。このことにより、基材2上に隠蔽層9、絵柄層4等がある場合には、これらの表面をならし、これらと低艶絵柄インキ層6及び表面保護層5との接着性を高める機能をも併せて果たすものである。
図1及び2に示される全面にわたって被覆される一様均一な隠蔽層9は、本発明の化粧シートの意匠性を高める目的で所望により配設される、全面ベタ層とも称されるものである。隠蔽層9は基材2上の表面の色を整えることで、基材2自身が着色していたり、色ムラがあるときに形成して、基材2の表面に意図した色彩を与えるものである。通常不透明色で形成することが多いが、着色透明色で形成し、下地が持っている模様を活かす場合もある。基材2自身が適切に着色されている場合や、特に基材2が白色であることを活かす場合には隠蔽層9の形成を行う必要はない。隠蔽層9に用いる絵柄インキとしては、絵柄層4に用いるインキと同様のものを用いることができる。
隠蔽層としては、上述の弾性プライマー層3と同様に、弾性層とすることが好ましい。弾性隠蔽層とする場合は、破断時伸び(25℃)が、100〜500%であることが好ましく、200〜500%であることがより好ましい。この弾性隠蔽層に用いる樹脂としては、上述の樹脂のなかでも、熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂が特に好ましい。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
この隠蔽層9は厚さ1〜20μm程度の、いわゆるベタ印刷層が好適に用いられる。
本発明の化粧シートは、各種基板に貼着して化粧板として使用することができる。即ち、基板に接着剤層を介して本発明の化粧シートを貼着するものである。
被着体となる基板は、特に限定されず、プラスチックシート、金属板、木材等の木質系の板、窯業系素材等を用途に応じて適宜選択することができる。これらの基板、特にプラスチックシートを基板として用いる場合には、化粧シートとの密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
プラスチックシートとしては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等が挙げられる。
金属板としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等からなるものを用いることができ、またこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。
木質系の板としては、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等各種素材の突板、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質材等が挙げられる。これらは単独で、又は積層して用いることもできる。なお、木質系の板には、木質板に限らず、紙粉入りのプラスチック板や、補強され強度を有する紙類も包含される。
窯業系素材としては、石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板等の窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル、火山灰を主原料とした板等が例示される。
これらの他、繊維強化プラスチック(FRP)の板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂を挟んだもの等、各種の素材の複合体も基材として使用できる。
また該基板はプライマー層を形成する等の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様があらかじめ形成されていてもよい。被着体となる基板としては各種素材の平板、曲面板等の板材、或いは上記素材が単体か或いは複合された立体形状物品(成形品)が対象となる。
化粧シートに、和紙、洋紙、合成紙、不織布、織布、寒冷紗、含浸紙、合成樹脂シート等の裏打ち材を貼着して用いてもよい。裏打ち材を貼着することにより、化粧シート自体の補強、化粧シートの割れや破け防止、接着剤の化粧シート表面への染み出し防止等の作用がなされ、不良品の発生が防止されると共に、取り扱いが容易となることとなり、生産性を向上することができる。
このようにして接着剤を介して毎葉ごとにあるいは連続して化粧シートが載置された基板を、コールドプレス、ホットプレス、ロールプレス、ラミネーター、ラッピング、縁貼り機,真空プレス等の貼着装置を用いて圧締して、化粧シートを基板表面に接着し、化粧板とする。
接着剤はスプレー、スプレッダー、バーコーター等の塗布装置を用いて塗布する。この接着剤には、酢酸ビニル樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、イソシアネート系等の接着剤を、単独であるいは任意混合した混合型接着剤として用いられる。接着剤には、必要に応じてタルク、炭酸カルシウム、クレー、チタン白等の無機質粉末、小麦粉、木粉、プラスチック粉、着色剤、防虫剤、防カビ剤等を添加混合して用いることができる。一般に、接着剤は固形分を35〜80質量%とし、塗布量50〜300g/m2の範囲で基板表面に塗布される。
化粧シートの基板上への貼着は、通常、本発明の化粧シートの裏面に接着剤層を形成し、基板を貼着するか基板の上に接着剤を塗布し、化粧シートを貼着する等の方法による。
以上のようにして製造される化粧板は、また、該化粧板を任意切断し、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を用いて溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。そして種々の用途、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装又は外装材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の表面化粧板、キッチン、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装、外装等に用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例に用いた弾性プライマーの破断時伸び並びに得られた化粧シートの曲げ加工性、生産適性、耐摩耗性及びスクラッチ性を以下の方法で評価した。
(1)破断時伸び
JIS K 7161−1994に準拠して以下のように測定した。
長さ100mm×幅10mm×厚さ1mmの形状に試験片を調整し5mm/minの速度で引張試験を実施し、試験片が破断したときの伸度(%)を25℃で測定した。
(2)曲げ加工性
下記仕様の化粧シート(*)を長さ100mm×幅30mmの形状に切り抜き試験片とし、これを1000mm/minの速度で15%の伸度となるまで引っ張った。その後、このシートの化粧面の表面状態を顕微鏡で観察し(100倍)、試験片のクラック発生状態を確認した。
評価基準は、クラック発生0%のものを◎、クラック発生0%超かつ5%以下のものを○、クラック発生5%超のものを×とした。
化粧シート(*
45μm厚みの2軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(三菱化学ポリエステルW410)に、各弾性プライマー層を6g/m2、電子線硬化型インキ(大日精化工業 REB−GE)を4g/m2順次積層したものを使用した。
(3)生産適性
45μm厚みの2軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(三菱化学ポリエステルW410)に、各弾性プライマー層を塗工し100℃×30秒間乾燥したものを作成し、直後にアルミ箔をこの上に乗せ、5kgf/cm2荷重で80℃×60秒間熱圧をかけた。これを室温になるまで冷却した後、アルミ箔を剥離し、弾性プライマーの箔側への取られを確認した。
評価基準は、取られのないものを○、取られのあるものを×とした。
(4)耐摩耗性
JAS特殊合板 摩耗B試験に準拠(S42研摩紙 総荷重500g 50回転)した。試験部分の絵柄が50%以上残れば合格である。
評価基準は、絵柄取られ30%以下のものを◎、絵柄取られ30%超かつ50%以下のものを○、絵柄取られ50%超のものを×とした。
(5)スクラッチ性
ASTM D2197 ホフマン・スクラッチ試験法(Hoffman scratch test)に準拠し、ガラス板上で評価した。
実施例1
厚さ50μmの白色ポリエステル樹脂フイルム(ダイヤホイル(株)製、Z−210と同一仕様で、白色とし、蛍光増白剤であるKyaphor NV liquid(日本化薬カラーズ製)を0.01%添加したもの)よりなる基材2の表面に破断時伸び(25℃)100%のポリエステルウレタン系樹脂を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー処理を行い、弾性プライマー層3を形成した後、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂(ザ・インクテック(株)製、KL−MAX)からなるインキを使用して隠蔽層9となる着色ベタインキ層と木目模様の絵柄層4をグラビア印刷し、次いで、プライマーインキ((株)昭和インク工業所製アクリル系インキ「EBF同調プライマー」)をグラビア印刷して浸透防止層8を形成した。次に、数平均分子量30,000、ガラス転移温度(Tg)−62.8℃のポリエステルウレタン系樹脂をバインダーとした透明インキ100質量部に対して、平均粒子径1.5μmのシリカ粒子を10質量部配合したインキ組成物を用いて木目模様の絵柄層4の導管部分に位置同調するようにグラビア印刷にて低艶絵柄インキ層6を形成した。
これらインキ層の上に3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60質量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40質量部、平均粒子径5μmのシリカ粒子2質量部及びシリコーンアクリレートプレポリマー1質量部よりなる電子線硬化性樹脂組成物を5g/m2でグラビアオフセットコータ法により塗工した。塗工後、加速電圧175kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面保護層5とした。次いで、70℃で24時間の養生を行い、化粧シートを得た。
この化粧シートについて、曲げ加工性、生産適性、耐摩耗性及びスクラッチ性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例2〜4
実施例1と同じ基材2の表面に、破断時伸び(25℃)250%のポリエステルウレタン系樹脂、破断時伸び(25℃)400%のポリエステルウレタン系樹脂又は破断時伸び(25℃)500%のポリエステルウレタン系樹脂を、それぞれ3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー処理を行い、弾性プライマー層3を形成した以外は実施例1と同様にして実施例2、実施例3又は実施例4の化粧シートを得た。
これらの化粧シートについて、曲げ加工性、生産適性、耐摩耗性及びスクラッチ性を評価した。その結果を表1に示す。
実施例5
実施例1〜4で作製した化粧シートの裏面と基板として厚さ2.5mmのラワン合板10とを、中央理化(株)製の水性エマルジョンであるエチレン・酢酸ビニル系接着剤「BA−820」で木材合板に塗布量60g/m2(wet)の条件で塗工して形成した接着剤層を介して接着せしめることにより、4種の木質化粧板を作製した。実施例1〜4の化粧シートはいずれもラミネート加工、ラッピング加工、Vカット加工等の二次加工のための適度な柔軟性、切削性、耐破断性等の加工適性を具備しており、木質化粧板としての使用状態における耐摩耗性、スクラッチ性において優れていた。
比較例1
破断時伸び(25℃)50%のニトロセルロース系樹脂を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー処理を行い、弾性プライマー層3を形成した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
この化粧シートについて、曲げ加工性、生産適性、耐摩耗性及びスクラッチ性を評価した。その結果を表1に示す。
比較例2
破断時伸び(25℃)600%のウレタン系樹脂を3〜5g/m2(ドライ)塗布することによりプライマー処理を行い、弾性プライマー層3を形成した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
この化粧シートについて、曲げ加工性、生産適性、耐摩耗性及びスクラッチ性を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0004978226
実施例1〜4の化粧シートは、比較例1及び2の化粧シートと比べ、曲げ加工性、生産適性、耐摩耗性及びスクラッチ性のいずれにもバランスよく優れていた。
本発明の化粧シートは、壁、天井、床等の建築物の内装又は外装材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の表面化粧板、キッチン、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装、外装等に好適に使用される。
本発明の化粧シートの断面を示す模式図である。 本発明の別の化粧シートの断面を示す模式図である。
符号の説明
1.化粧シート
2.基材
3.弾性プライマー層
4.絵柄層
5.表面保護層
6.低艶絵柄インキ層
7.低光沢領域
8.浸透防止層
9.隠蔽層
10.凸形状

Claims (13)

  1. 基材と、該基材上に配設される弾性プライマー層と、隠蔽層と該隠蔽層上の一部又は全面に設けられる絵柄層と、該絵柄層上を含め表面の一部又は全面を被覆する表面保護層とを有する化粧シートであって、該弾性プライマー層の破断時伸び(25℃)が、100〜500%であり、かつ該表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものである化粧シート。
  2. 電離放射線硬化性樹脂組成物が電子線硬化性樹脂組成物である請求項1に記載の化粧シート。
  3. 電離放射線硬化性樹脂組成物が(メタ)アクリレート系モノマーを含有してなる請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. (メタ)アクリレート系モノマーが多官能性(メタ)アクリレート系モノマーである請求項3に記載の化粧シート。
  5. 電離放射線硬化性樹脂組成物がさらに重合性オリゴマーを含有してなる請求項3又は4に記載の化粧シート。
  6. 絵柄層と表面保護層との間に、さらに低艶絵柄インキ層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 表面保護層中であって、低艶絵柄インキ層の直上部及びその近傍に視覚的に凹部として認識される低光沢領域が形成されてなる請求項6に記載の化粧シート。
  8. 低光沢領域の上部に位置する表面保護層の表面が凸形状を有する請求項7に記載の化粧シート。
  9. 絵柄層と低艶絵柄インキ層の間にさらに浸透防止層を有する請求項6〜8のいずれか1項に記載の化粧シート。
  10. 絵柄層が木目模様を形成するものであり、低艶絵柄インキ層が導管部の低艶部分を形成するものである請求項7〜のいずれか1項に記載の化粧シート。
  11. 基材がポリエステル樹脂フイルムからなる請求項1〜10のいずれか1項に記載の化粧シート。
  12. ポリエステル樹脂フイルムが着色ポリエステル樹脂フイルムである請求項11に記載の化粧シート。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化粧シートを基板に貼付した化粧板。
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