JP4123902B2 - 化粧シート - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の化粧基板の表面に接着剤で貼り合わせて化粧版として用いる化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、主に建築物の内装、建具、家具等の表面装飾等に用いられてきた、木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の化粧基板の表面に接着剤で貼り合わせて化粧版として用いる化粧シートは、塩化ビニル樹脂シートに木目柄や抽象柄等を印刷したタイプのものが広く一般的に使用されてきた。この塩化ビニル樹脂系化粧シートは、印刷適性が良く、可塑剤添加により硬軟の度合いの調節が可能で用途に合わせた固さを選択でき、エンボス加工性が良く、ラミネート時の層間の接着強度が強く、さらには切削加工性が良く、これらの利点により従来から広く使われてきていた。
【0003】
しかしながら、上述の塩化ビニル樹脂系化粧シートは、燃焼した場合に有害なガスが発生する恐れがあり、廃棄物として燃焼処理する時の人的影響や環境保全への影響が指摘されており、最近では、塩化ビニル樹脂系化粧シートに代わる化粧シート、特に燃焼した場合にも有毒なガスが発生しない材料を用いた化粧シートの開発がユーザーから強く求められていた。
【0004】
そこで近年では、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、アクリル樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等の共重合体樹脂、さらには紙等からなる単層または複層の基材シートを有する非塩化ビニル樹脂系化粧シートが、塩化ビニル樹脂系化粧シートの代替品として使用されるようになってきている。その中でも特に、化粧シートに要求される適度な柔軟性、耐磨耗性、耐熱性、耐薬品性等を備え、なおかつ安価で提供できるポリプロピレン樹脂を用いた化粧シートは数多く使用されるようになってきている。
【0005】
一方、化粧シートを木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の化粧基板に貼り合わせて化粧板を作製する工程においては、人的影響等への配慮から無溶剤型のホットメルト接着剤等の使用が増加している。しかし、無溶剤型のホットメルト接着剤等を使用した化粧板の作製においては、90〜150℃の熱が化粧シートにかかることがあり、また、化粧基板に金属板を使用した場合などにおいては120〜150℃程度の熱が、極わずかの間ではあるが化粧シートにかかることがある。従って、上述した塩化ビニル樹脂系化粧シートやポリプロピレン樹脂系化粧シートにおいては、その作製の際に加わる高温によりラミネート強度が著しく低下してしまうという問題があった。
【0006】
上記問題点を解決する為の方法として、化粧シートの接着性樹脂層を構成する接着性樹脂に、耐熱性に優れるマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を採用することを本発明者等は提案している(特許文献1参照)。しかし、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂は、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂等の接着性樹脂と比較すれば剛性が高く、柔軟性や界面粘着力に劣るので、化粧シートに過度の応力が加わった時の変形にこのマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂からなる接着性樹脂層が追従しきれずに界面剥離を引き起こしやすいといった傾向がある。従って、接着性樹脂に単にマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を使用したのみでは、充分な高温ラミネート強度を得ることはできない場合もある。
【0007】
【特許文献1】
特願2000−108641号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、係る従来技術の種々の状況に鑑みなされたもので、塩化ビニル樹脂系材料以外の材料を用いて、適度な柔軟性、耐磨耗性、耐傷性、耐薬品性、高耐熱性等を有し、なおかつ従来よりも高温ラミネート強度の高い化粧シートを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされ、ポリプロピレン樹脂シートからなる基材シート上に、イソシアネート硬化型ウレタン系アンカーコート剤からなるアンカーコート層と不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したポリプロピレン樹脂からなる接着性樹脂層とポリプロピレン樹脂層とがこの相対的順序で少なくとも積層されてなる化粧シートであって、前記イソシアネート硬化型ウレタン系アンカーコート剤は、ウレタン変性ポリエステルポリオール100重量部に対してエポキシ系樹脂5重量部が添加された主剤と、イソシアネート成分としてヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートを1:1の割合で混合した硬化剤とを、4:1の割合で混合してなることを特徴とする化粧シートである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、図面を参照にしながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る化粧シートの一実施形態を示す概略断面構成図である。
この化粧シートは、基本的には、非塩化ビニル樹脂系材料からなる基材シート1の表面に、アンカーコート層3と接着性樹脂層4とポリプロピレン樹脂層5とがこの相対的順序で少なくとも積層されてなるものである。図中、2は模様層、5aは凹陥模様、6は表面保護層、7はプライマー層をそれぞれ示している。
【0012】
基材シート1として用いられる材料としては、塩化ビニル樹脂系材料以外の材料であれば、化粧シートの用途や価格、使い勝手等を勘案して任意のものを選んで構わないが、例えば化粧シートの基材シートとして広く使用されているポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
【0013】
上記以外では、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン6、ナイロン66等の樹脂材料や紙等を挙げることができる。
基材シート1は、これらの材料を単層で構成しても、多層に積層して積層構造としても良い。
【0014】
このような構成になる基材シート1の上に設けてあるのが模様層2である。この模様層2は、化粧シートを木質系ボード、無機質系ボード、金属板等の化粧基板に接着剤で貼り付ける時に下地の表面の影響を受けないように、さらには意匠性を付与するために設ける層であり、木目柄、石目柄、砂地柄、抽象柄等の任意の模様が付されている。
【0015】
模様層2は、グラビア印刷、オフセット印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、シルク印刷、静電印刷、インクジェット印刷等の一般的な印刷方法や転写方法等により形成すればよい。また、模様の形成の際に使用されるインキ等の画像形成用材料も従来から使用されているもので良い。例えば、ビヒクルに染料または顔料等の着色剤、体質顔料を添加し、さらに可塑剤、安定剤、ワックス、グリース、乾燥剤、硬化剤、増粘剤、分散剤、充填剤等を任意に添加して溶剤、希釈剤等で充分に希釈、攪拌してなる印刷インキを使用すれば良い。
【0016】
模様層2はこのような構成になるものであり、化粧シートに模様や隠蔽性を付与することになる。模様付与や隠蔽性付与の役割は模様層2のみに課せられるものではなく、基材シート1に模様や隠蔽性を付与するようにしても良い。
例えば、基材シート1を構成する樹脂を直接着色し、押出し製膜して基材シートとし、隠蔽性を持たせることもできる。
この際の着色方法としては、顔料を分散助剤や界面活性剤で処理した微粉末状の着色剤を使用するドライカラー法、樹脂と高濃度の顔料を溶融混練して予備分散したマスターバッチペレットを作製し、押出しホッパー内で着色のされていない通常の樹脂とドライブレンドするマスターバッチ法等がある。
【0017】
着色に際して使用する着色剤も、通常用いられているもので良いが、特に耐候性、耐熱性を考慮して、酸化チタン、群青、カドミウム顔料、酸化鉄等の無機顔料が好適に用いられる。また、無機顔料以外のフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料を使用しても良い。着色剤の色や配合比率は隠蔽の度合いや意匠性等を考慮して任意に決められるものであり、特に制約はない。
【0018】
また基材シートに模様を施す方法として、基材シートを主として構成する樹脂とは流動特性が異なる樹脂に高濃度の顔料を溶融混練して予備分散せしめたマスターバッチペレット、あるいは木紛、ガラス粉末等を添加して、基材シートを主として構成する樹脂と共に押出して製膜し、基材シートを形成することにより、基材シート自体に模様を付す方法もある。
【0019】
無論、上記した基材シート1自体に隠蔽性や模様を付与する方法と、前記印刷方法や転写方法等を併用することも可能である。また、基材シートの製造方法としてカレンダー法を採用した場合、上述の方法とほぼ同様の手法を用いて、隠蔽性と模様を付与することもできる。
【0020】
一方、本発明の化粧シートにおいては、上述したようにその一部にポリプロピレン層5を積層させるが、ここで問題となるのが模様層2を設けた基材シート1とポリプロピレン層5間のラミネート強度である。特に一般的なポリプロピレン樹脂は同種または異種の樹脂との接着性に乏しい。従って、本発明においては、模様層2を設けた基材シート1の上に、イソシアネート硬化型ウレタン系アンカーコート剤からなるアンカーコート層3を設け、さらにその上に不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したポリプロピレン樹脂からなる接着性樹脂層4を設けた上にポリプロピレン層5を積層させることにより、高いラミネート強度を発現させる。
【0021】
具体的には、模様層2を設けた基材シート1の上にアンカーコート層3を塗布し、しかる後、接着性樹脂層4を構成する接着性樹脂にオゾンガスを吹き付けつつ(オゾン濃度20〜50g/Nm3、オゾン流量1〜10Nm3/時間程度の処理量)、透明ポリプロピレン樹脂5を共押し出しラミネートすることにより、基材シート1/模様層2/アンカーコート層3/接着性樹脂層4/透明ポリプロピレン層5からなる積層体(化粧シート)を得ることができる。
【0022】
基材シート1の上側に設けるアンカーコート層3は、ラミネート強度を向上させる為に設けるものであり、それを構成するイソシアネート硬化型ウレタン系アンカーコート剤としては、ポリオールとイソシアネートとの反応でウレタン結合を形成するイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂を用いる。このウレタン系アンカーコート剤には、エポキシ系樹脂をさらに添加することにより、エポキシ系樹脂を添加していないものと比較して、ラミネート強度をさらに向上させることが可能となる。これはエポキシ系樹脂を添加することにより、接着性樹脂層4のポリプロピレン系の接着性樹脂の第2成分として一般的に用いられている、エチレン−プロピレン−ラバーやスチレン−ブタジエン−ラバー等のゴム成分との密着力がより強固になる為である。
【0023】
さらに、前記アンカーコート剤のイソシアネート成分として、イソホロンジイソシアネートを用いることにより、接着性樹脂層4を構成する接着性樹脂のポリプロピレン成分との密着がより強固になる。その結果、従来の化粧シートと比較して、よりラミネート強度の高い化粧シートを得ることができる。
【0024】
アンカーコート層を以上のような組成のものにすることにより、常態でのラミネート強度が高いのは勿論であるが、耐候性試験を行った後のラミネート強度低下の程度が従来のアンカーコート剤を使用したものよりも少ないことが判明した。化粧シートは建築部材として数年から数10年にわたり使用されるものであるから、長期間に渡る品質の安定化の実証実験でラミネート強度の低下の低減が認められたことは、非常に重要な項目である。
【0025】
他方、本発明においては、接着性樹脂層4に用いる材料としては、不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したポリプロピレン樹脂を適用する。
これにより、耐熱性、特に90℃以上のでの安定したラミネート強度をも確保することが可能となる。
【0026】
本発明の化粧シートにおいては、意匠性、耐磨耗性、耐薬品性、耐傷性等のさらなる向上を目的として、さらには化粧シートに所定の艶を持たせる為に、表面保護層6をポリプロピレン層5の上へ積層しても良い。表面保護層6を構成する材料は、前記諸物性の向上硬化が期待され、また透明ポリプロピレン層5との良好な密着性を有するものであれば良く、特に特定な材料に制限されるものではないが、その中ではウレタン系樹脂がより好適に用いられる。
【0027】
また、化粧シートへの耐候性の付与のため、ポリプロピレン層5や表面保護層6へ紫外線吸収剤や光安定剤等を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、所望の紫外線吸収効果を奏する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はない。
例えば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等の中から1種あるいは1種以上を任意に組み合わせて添加することが可能である。
【0028】
光安定剤も所望の紫外線吸収効果を奏する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はない。
例えばコハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等のヒンダードアミン系光安定剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルキシ)−4−ピペリジニル)エステル等のアミノエーテル型の光安定剤等から1種あるいは1種以上を任意に組み合わせて使用することが可能である。
【0029】
その他にも必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等を添加しても良い。
熱安定剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]−プロピオネート、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等の中から1種、あるは1種以上組み合わせて使用することが可能である。
【0030】
また、難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等があるが、本発明に適用し得るものはその種類を限定しない。但し、環境に配慮しハロゲン系の難燃剤の使用は考慮する必要がある。
【0031】
さらにまた、ブロッキング防止剤としては、珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミドのような有機系ブロッキング防止剤等が任意に添加され得る。
【0032】
さらにまた、表面の凹陥模様5aを施す方法としては、通常の熱圧エンボス加工法で良いが、何らこれに限定されるものではない。例えば、前記ポリプロピレン樹脂層5の形成方法としてTダイ押出法(接着性樹脂層4とポリプロピレン樹脂層5との2層共押出し製膜法)を用いる場合には、溶融樹脂を冷却固化させるチルロールの表面に凹陥模様を施しておき、押し出された樹脂をチルロールとプレスロールとの間でエンボスして、ポリプロピレン樹脂層5の表面に凹陥模様5aを施すようにしても良い。
【0033】
そのほかに、本発明の化粧シートにおいては、木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の化粧基材との密着強度を向上させるために、必要に応じて、基材シート1の裏面にプライマー層7を設けても良い。このプライマー層7は、基材シート1との充分な密着強度が得られ、かつ積層時の基材シート1と木質系ボード類、無機系ボード類、金属板等の化粧基材との間でのシートの浮きを発生させないもので形成すれば良く、例えばポリウレタン系の樹脂材料を使用するのが好適である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
【0035】
参考例
まず、厚さ70μmのポリプロピレン樹脂シートからなる基材シートの一方の面に、グラビア印刷法により印刷を施して模様層を形成し、さらにこの模様層の上に、ウレタン変成ポリエステルポリオール100重量部に対してエポキシ系樹脂を5重量部添加した主剤と、イソシアネート成分としてヘキサメチレンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネートを1:1の割合で混合した硬化剤とを、4:1の割合で混合してなるアンカーコート剤を、厚み1μmで、グラビアコート法を用いて塗布し、アンカーコート層を形成した。
【0036】
次に、フェノール系酸化防止剤を0.2重量部、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量部、ブロッキング防止剤を0.2重量部それぞれ添加した、アイソタクティシティ(沸騰デカン抽出残量)が95%以上、JIS K6760に規定されるMFR(メルトフローレート)が12g/min以上20g/min以下の高結晶ホモポリプロピレン樹脂と、不飽和カルボン酸で変性したランダムポリプロピレン樹脂70重量部にエチレンプロピレンラバーを30重量部添加した、MFRが12g/min以上20g/min以下の接着性樹脂とを使用し、共押出しラミネーション法により接着性樹脂層とポリプロピレン層を前記模様層を形成した基材シート上に積層、一体化した。この際、密着力を高める為にラミネート直前の接着性樹脂層とアンカーコート層の間にはオゾンガスを吹き付けた。オゾンガス吹き付けの条件は、オゾン濃度が30〜40g/Nm3、オゾン流量が1〜3Nm3/時間であった。
【0037】
そして最後に、得られたラミネートシートの最外表面に、光安定剤と紫外線吸収剤を添加した2液硬化型ウレタン系表面保護剤を塗布し、表面保護層を形成し、参考例の化粧シートを得た。
【0038】
[実施例
アンカーコート剤のイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネートの替わりにイソホロンジイソシアネートを使用した他は、上記参考例と同じ手順で化粧シートを作製し、実施例の化粧シートを得た。
【0039】
〔比較例1〕
アンカーコート剤の主剤中にエポキシ系樹脂を添加しない他は、上記実施例1と同じ手順で化粧シートを作製し、比較例1の化粧シートを得た。
【0040】
〔比較例2〕
アンカーコート剤の主剤中にエポキシ系樹脂を添加せず、さらにイソシアネート成分としてトリレンジイソシアネートの替わりにイソホロンジイソシアネートを使用した他は、上記実施例1と同じ手順で化粧シートを作製し、比較例2の化粧シートを得た。
【0041】
<性能比較>
上記の様にして得た参考例、実施例1及び比較例1〜2の化粧シートについて、23℃雰囲気下でのラミネート強度測定を行った。また、ダイプラウインテス(株)社製のメタルウェザーメーターを用いて、照度6.5W/m、波長が295〜780nmの光を60時間照射して耐候性試験を行い、その後のラミネート強度測定を行った。さらに、90℃及び100℃環境下で120時間加熱し、ラミネート強度測定も行った。その結果を下記表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004123902
【0043】
表1からも分かるように、本発明のアンカーコート剤にエポキシ系樹脂を添加してある化粧シート(参考例及び実施例)は、添加していない化粧シート(比較例1及び比較例2)と比べて同等以上の耐熱性を保持しており、23℃環境下及び6.5W/m・60時間の光照射後においては、より高いラミネート強度が認められる。さらに、アンカーコート層中のイソシアネート成分として、イソホロンジイソシアネートを使用した化粧シート(実施例)は、イソホロンジイソシアネートを使用していない化粧シートと比べてラミネート強度のさらなる向上の効果が認められる。
【0044】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の化粧シートは、高温時におけるラミネート強度が一段と向上し、化粧板作製時に高温雰囲気に曝されたとしても、ラミネート強度の低下を最小限に抑えることができる。
また、その耐候性も優れたものであり、屋外等で長期に渡って使用されたとしてもラミネート強度の低下を最小限に抑えることができる。
さらに塩化ビニル樹脂系材料を一切使用していないため、環境問題の心配もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シートの一例を示す概略断面構成説明図である。
【符号の説明】
1…基材シート 2…模様層
3…アンカーコート層 4…接着性樹脂層
5…透明ポリプロピレン樹脂層 5a…凹陥模様
6…表面保護層 7…プライマー層

Claims (1)

  1. ポリプロピレン樹脂シートからなる基材シート上に、イソシアネート硬化型ウレタン系アンカーコート剤からなるアンカーコート層と不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性したポリプロピレン樹脂からなる接着性樹脂層とポリプロピレン樹脂層とがこの相対的順序で少なくとも積層されてなる化粧シートであって、前記イソシアネート硬化型ウレタン系アンカーコート剤は、ウレタン変性ポリエステルポリオール100重量部に対してエポキシ系樹脂5重量部が添加された主剤と、イソシアネート成分としてヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートを1:1の割合で混合した硬化剤とを、4:1の割合で混合してなることを特徴とする化粧シート。
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