JP2012045911A - 複合板及びその製造方法 - Google Patents

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Shosuke Kawamorita
祥介 川守田
Hironori Kobayashi
弘典 小林
Kazuma Kimura
和真 木村
Masao Kunimura
昌生 国村
Atsushi Yasuda
淳 安田
Makoto Koide
誠 小出
Takuya Ito
拓也 井藤
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Abstract

【課題】 本発明は、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される不燃性規格に合格し、更に、軽量性に優れ且つ何れの方向にも優れた機械的強度を有する複合板を提供する。
【解決手段】 本発明の複合板は、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートが積層一体化されてなることを特徴とするので、ポリエステル系樹脂発泡シートを高発泡倍率化させ或いは難燃剤を含有させることなく、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される不燃性規格に合格し、更に、軽量性に優れ且つ何れの方向にも優れた機械的強度を有し、建築物の内外装材や看板用途などに好適に用いることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、軽量性、不燃性及び機械的強度に優れた複合板及びその製造方法に関する。
合成樹脂板と金属シートとを積層一体化してなる複合板は、合成樹脂板に比較して極めて高い機械的強度及び弾性率を有しつつ、金属シートと比較して軽量性及び加工性に優れていることから広く用いられている。
上記複合板は、合成樹脂板に金属シートが積層一体化されていることから、合成樹脂板単体と比較すると燃焼しにくい材料であるが、一部に合成樹脂板を有しているために、複合板の端面から着火して燃焼することがある。
このような問題点を解決するために、合成樹脂板に金属水酸化物や難燃剤を配合することによって、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される難燃性又は不燃性を有する複合板が提案されている。
具体的には、特許文献1には、ポリエチレン系樹脂30〜50重量%及びエチレン−酢酸ビニル共重合体70〜50重量%からなるマトリクス樹脂100重量部に対して水酸化アルミニウム250〜500重量部を添加することによって難燃性を付与してなる難燃性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、比重2.4である水酸化アルミニウムを高濃度添加すると、難燃性樹脂組成物を用いて得られた複合板の重量が増加して、複合板の施工性が低下するという問題点を生じる。
又、特許文献2には、複数の棒状発泡体を束ねて発泡体シートを用いることが提案され、この構造によれば、樹脂量を減少させることによって燃焼熱量を減少可能であることが開示されている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は発熱量が非常に高いため、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される不燃性の規格を合格するためには、棒状発泡体を非常に高発泡倍率にする必要があり、発泡体シートの機械的強度が不足するという問題点を有する。
更に、発泡体シートは、棒状発泡体を束ねた構造をなしているので、棒状発泡体の長さ方向の機械的強度は高いものの、棒状発泡体の長さ方向に直交する方向の機械的強度が弱いという問題点を有している。
又、発泡シートとしてポリスチレン系樹脂発泡シートも種々の用途に用いられているが、ポリスチレン系樹脂も発熱量が非常に高いため、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される不燃性の規格を合格するためには、発泡シートを非常に高発泡倍率にするか或いは発泡シートに難燃剤を高濃度で含有させる必要があり、前者の場合には発泡シートの機械的強度が不足し、後者の場合には発泡シートの軽量性が低下するという問題点を有する。
特開平8−109291 特開2008−238557
本発明は、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される不燃性規格に合格し、更に、軽量性に優れ且つ何れの方向にも優れた機械的強度を有する複合板及びその製造方法を提供する。
本発明の複合板は、坪量が280g/m2以下であるポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートが積層一体化されてなることを特徴とする。
本発明の複合板は、発熱量の少ないポリエステル系樹脂発泡シートを用いることによって、機械的強度を維持しつつ、優れた軽量性及び不燃性を有している。
ポリエステル系樹脂発泡シートを構成しているポリエステル系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートエラストマー、非晶性ポリエステル、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリ乳酸系樹脂などが挙げられ、地球環境の保護の観点から、ポリ乳酸系樹脂が好ましく、結晶性ポリ乳酸系樹脂がより好ましい。ポリエステル系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリ乳酸系樹脂としては、一般に市販されているポリ乳酸系樹脂を用いることができ、具体的には、D−乳酸及びL−乳酸をモノマーとして共重合させるか、D−乳酸又はL−乳酸の何れか一方をモノマーとして重合させるか、或いは、D−ラクチド、L−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドを開環重合させることによって得ることができ、何れのポリ乳酸系樹脂であってもよい。
上記ポリ乳酸系樹脂が、その構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満であるか、或いは、構成モノマー成分としてD体又はL体のうちの何れか一方の光学異性体のみを含有している場合、得られるポリ乳酸系樹脂は、その結晶性が高くなり融点が高くなる一方、モノマーとしてD体とL体とを併用した場合においてD体又はL体のうちの少ない方の割合が5モル%以上である時は、少ない方の光学異性体が増加するにしたがって、得られるポリ乳酸系樹脂は、その結晶性が低くなり、耐熱性が低下する。
従って、ポリ乳酸系樹脂は、構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満である結晶性ポリ乳酸樹脂か、或いは、構成モノマー成分としてD体又はL体のうちの何れか一方の光学異性体のみを含有している結晶性ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
ここで、ポリ乳酸系樹脂中におけるD体又はL体の含有量は以下の方法によって測定することができる。ポリ乳酸系樹脂を凍結粉砕し、ポリ乳酸系樹脂の粉末200mgを三角フラスコ内に供給した後、三角フラスコ内に1Nの水酸化ナトリウム水溶液30ミリリットルを加える。そして、三角フラスコを振りながら65℃に加熱してポリ乳酸系樹脂を完全に溶解させる。しかる後、1N塩酸を三角フラスコ内に供給して中和し、pHが4〜7の分解溶液を作製し、メスフラスコを用いて所定の体積とする。
次に、分解溶液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した後、液体クロマトグラフを用いて分析し、得られたチャートに基づいてD体及びL体由来のピーク面積から面積比を存在比としてD体量及びL体量を算出する。そして、上述と同様の要領を5回繰り返して行い、得られたD体量及びL体量をそれぞれ相加平均して、ポリ乳酸系樹脂のD体量及びL体量とした。
HPLC装置(液体クロマトグラフ):日本分光社製 商品名「PU-2085 Plus型システム」
カラム:住友分析センター社製 商品名「SUMICHIRAL OA5000」(4.6mmφ×250mm)
カラム温度:25℃
移動相:2mMCuSO4水溶液と2-プロパノールとの混合液
(CuSO4水溶液:2-プロパノール(体積比)=95:5)
移動相流量:1.0ミリリットル/分
検出器:UV 254nm
注入量:20マイクロリットル
ポリエステル系樹脂発泡シートを構成しているポリエステル系樹脂は架橋剤を用いて架橋されていてもよい。架橋剤としては、2個以上の酸無水物基を含んだ酸無水物、ジグリシジルフタレート、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル−スチレン系樹脂が好ましい。更に、ポリエステル系樹脂に周期律表の第1、第2又は第3族に属する金属の化合物を架橋反応の促進のために含有させてもよい。周期律表の第1、第2又は第3族に属する金属の化合物としては、例えば、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
2個以上の酸無水物基を含んだ酸無水物としては、芳香族、脂環族、脂肪族の何れに属するものであってもよく、又、ハロゲン化酸無水物であってもよい。酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル−スチレン系樹脂を構成しているエポキシ官能性(メタ)アクリル系モノマー成分としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの1,2−エポキシ基を含有するモノマーが挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル−スチレン系樹脂を構成しているスチレン系モノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
又、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ官能性(メタ)アクリル−スチレン系樹脂にはエポキシ基を含有しない(メタ)アクリル系モノマー成分が含有されていてもよい。このような(メタ)アクリル系モノマー成分としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
又、ポリエステル系樹脂発泡シートの坪量は280g/m2以下に限定され、150〜280g/m2が好ましい。これは、ポリエステル系樹脂発泡シートの坪量を280g/m2以下とすることによって、複合板の機械的強度を優れたものに維持しつつ、複合板における下記発熱性試験にて20分間で測定される総発熱量を8MJ/m2以下とし、複合板を建築基準法第2条第9号に規定される不燃性となるように調整することができる。
ここで、上述した発熱量及び総発熱量とは下記の要領で測定された値をいう。建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験には不燃性試験と発熱性試験があり、本発明においては不燃性能試験の発熱性試験に基づいて「不燃性」の評価を行っている。
上記発熱性試験は、指定性能評価機関が業務方法書に定めた発熱性試験方法(ISO5660 発熱性能試験方法に準拠したもの)に準拠して行われる。具体的には、対象となる複合板から一辺が約100mmの平面正方形状に切り出した平板を試験体とし、この試験体の加熱面に輻射電気ヒーターで50kW/m2の輻射熱を与え、試験体から発生したガスに点火プラグにより空気中で着火し燃焼させ、燃焼排気ガス中の酸素濃度から酸素消費法に基づいて発熱量を測定する。そして、輻射熱照射開始から20分が経過するまでの間に測定された総発熱量が8MJ/m2以下である場合、複合板は「不燃性」を有すると判断される。なお、建築基準法第2条第9号に規定される「不燃性」とは、上述のように、上記総発熱量が8MJ/m2以下である場合をいうが、本発明では、建築基準法第2条第9号よりも厳しい条件を用いており、「不燃性」とは上記総発熱量が7.2MJ/m2以下である場合とする。なお、試験体の加熱面とは、ポリエステル系樹脂発泡シートの一面にのみ金属シートが積層一体化されている場合には試験体の金属シート面をいう。ポリエステル系樹脂発泡シートの両面に金属シートが積層一体化されている場合には、試験体の両面のそれぞれを加熱面として測定を行い、輻射熱照射開始から20分が経過するまでの間に測定された総発熱量のうちの多い方の総発熱量を採用する。
又、ポリエステル系樹脂発泡シートは下記式1を満たすことが好ましく、式2を満たすことが好ましい。ポリエステル系樹脂発泡シートが下記式1を満たすことによって、複合板における上記発熱性試験にて輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間に測定される総発熱量を8MJ/m2以下とし、複合板を建築基準法第2条第9号に規定される不燃性となるように容易に調整することができる。
G≦5040/HgM・・・式1
G≦4040/HgM・・・式2
(但し、Gは、ポリエステル系樹脂発泡シートの坪量(g/m2)を意味し、HgMは、JIS K2279で定義されたポンプ熱量計により測定されたポリエステル系樹脂の総発熱量(MJ/kg)を意味する。)
なお、ポリエステル系樹脂発泡シート中に後述するような添加剤が含有されている場合、HgMは、添加剤を含有した状態のポリエステル系樹脂の総発熱量を意味する。
ポリエステル系樹脂発泡シートには、その物性を損なわない範囲内において、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、帯電防止剤、充填材などの添加剤が含有されていてもよい。
本発明の複合板を構成しているポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法としては、特に限定されず、例えば、(1)ポリエステル系樹脂を押出機に供給して揮発性発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機の先端に取り付けた金型から押出発泡させてポリエステル系樹脂発泡シートを製造する方法、(2)ポリエステル系樹脂及び化学発泡剤を押出機に供給して溶融混練して押出機の先端に取り付けた金型から押出発泡させてポリエステル系樹脂発泡シートを製造する方法などが挙げられる。押出機としては、特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機、複数の押出機を接続してなるタンデム型押出機などが挙げられ、発泡剤をポリエステル系樹脂中に均一に混合させることができると共に、ポリエステル系樹脂を所定温度に容易に冷却、維持することができて押出発泡を安定的に行うことができるので、タンデム型押出機が好ましい。又、押出機と金型との間にギアポンプなどを必要に応じて介在させてもよい。
押出機からポリエステル系樹脂を押出発泡させる際のポリエステル系樹脂の温度は、低いと、ポリエステル系樹脂が結晶化して押出発泡させることができなくなることがあり、高いと、ポリエステル系樹脂が発泡時の溶融粘度が低くなり過ぎて破泡し押出発泡ができなくなることがある。例えば、ポリエステル系樹脂がポリ乳酸系樹脂である場合、150 〜180℃が好ましく、155〜170℃がより好ましい。
ここで、押出機の先端に取り付ける金型としては、例えば、Tダイやサーキュラダイが挙げられ、押出発泡性に優れているのでサーキュラダイが好ましい。そして、金型としてTダイを用いる場合には、Tダイからシート状に押出発泡させることによってポリエステル系樹脂発泡シートを製造することができる。金型としてサーキュラダイを用いる場合には、サーキュラダイから円環状に押出発泡させて筒状発泡体を製造し、この筒状発泡体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断し展開することによってポリエステル系樹脂発泡シートを製造することができる。
又、揮発性発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ヘキサンのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテルのようなエーテル類、塩化メチル、フレオン(登録商標)のようなハロゲン化炭化水素類、空気、窒素、二酸化炭素などの不活性ガスが挙げられる。化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ヘキサメチレンテトラミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸との混合物などが挙げられる。なお、発泡剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
押出機に圧入する発泡剤の量は、少ないと、ポリエステル系樹脂発泡シートの厚みが不充分となり、ポリエステル系樹脂発泡シートの二次発泡倍率が不充分となり、或いは、押出機の吐出圧力が上がり過ぎて押出発泡ができないことがあり、多いと、ポリエステル系樹脂発泡シートの表面に波打ち現象が発生して複合板の外観が低下することがあるので、ポリエステル系樹脂100重量部に対して1〜7.5重量部が好ましく、2〜6.5重量部がより好ましい。
なお、押出機には、ポリエステル系樹脂発泡シートの気泡径の調整又はポリエステル系樹脂の発泡性を調整するために必要に応じて気泡核剤を供給してもよい。気泡核剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。気泡核剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。気泡核剤は、ポリエステル系樹脂などでマスターバッチ化してもよい。
押出機に圧入する気泡核剤の量は、少ないと、ポリエステル系樹脂発泡シートの気泡が粗大化してポリエステル系樹脂発泡シートの表面が荒れてしまったり、ポリエステル系樹脂発泡シートの発泡倍率が低下したり、或いは、ポリエステル系樹脂発泡シートを得ることができないことがあり、多いと、ポリエステル系樹脂発泡シート中に凝集物が発生し、或いは、ポリエステル系樹脂発泡シートの表面に波打ち現象が生じることがあるので、ポリエステル系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
又、本発明の複合板は、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートを積層一体化することによって製造されるがこの製造工程中にポリエステル系樹脂発泡シートを二次発泡させることによって、複合板の厚みを充分なものとすることができる。
従って、ポリエステル系樹脂発泡シートは、このポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に金属シートを積層一体化させる工程中において二次発泡可能であることが好ましい。
ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に金属シートを積層一体化させる前のポリエステル系樹脂発泡シートにおいて、後述するように、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に金属シートをホットメルト接着剤を介して積層一体化させるために積層シートを加熱する際におけるポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度(以下、単に「ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度」という)での二次発泡倍率は、小さいと、ポリエステル系樹脂発泡シートに金属シートを積層一体化させる際にポリエステル系樹脂発泡シートがその厚み方向に潰れてしまい、複合板の厚みが充分に厚くならないことがあり、大きいと、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に金属シートを積層一体化する際に金属シートに皺が発生することがあるので、1.1〜1.8倍が好ましく、1.2〜1.7倍がより好ましい。
上述したポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に金属シートを積層一体化させるために積層シートを加熱する際のポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度でのポリエステル系樹脂発泡シートの二次発泡倍率は、ポリエステル系樹脂発泡シートを製造工程において、発泡剤の使用量、金型から押出発泡する際のポリエステル系樹脂の温度、気泡核剤の使用量を調整することによって制御することができる。
具体的には、発泡剤の使用量を増加させると共に金型から押出発泡する際のポリエステル系樹脂の温度を低くすることによって、ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度でのポリエステル系樹脂発泡シートの二次発泡倍率は高くなる傾向にあり、金型から押出発泡する際のポリエステル系樹脂の温度を高くすると、ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度でのポリエステル系樹脂発泡シートの二次発泡倍率は低くなる傾向にあり、気泡核剤の使用量を増加させると、ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度でのポリエステル系樹脂発泡シートの二次発泡倍率は低くなる傾向にある。
なお、「ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度」とは、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートを積層一体化させるために積層シートを加熱する際において、ポリエステル系樹脂発泡シートの表面温度のうちの最低温度と最高温度とを相加平均した温度をいう。
ここで、ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度でのポリエステル系樹脂発泡シートの二次発泡倍率は下記の要領で測定される。先ず、ポリエステル系樹脂発泡シートから一辺が10cmの平面正方形状の試験片を切り出す。この試験片の見掛け上の体積V1を測定する。次に、試験片をポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度と同一の温度に保持した恒温槽に供給して2分30秒間に亘って放置する。しかる後、試験片の見掛け上の体積V2を測定し、下記式に基づいて、ポリエステル系樹脂発泡シートにおける該ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度での二次発泡倍率を算出する。
二次発泡倍率(倍)=V2/V1
次に、本発明の複合板は、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に、好ましくは両面にホットメルト接着剤を介して金属シートが積層一体化されている。
上記ホットメルト接着剤としては、ポリエステル系樹脂発泡シートと金属シートとを一体化することができればよく、例えば、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤が挙げられる。なお、ホットメルト接着剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオレフィン系ホットメルト接着剤は、例えば、クラボウ社から商品名「クランベターX−2300」にて市販されている。ポリエステル系ホットメルト接着剤は、例えば、東亞合成社から商品名「アロンメルトPES−111EE」にて市販されている。
ホットメルト接着剤の厚みは、薄いと、ポリエステル系樹脂発泡シートと金属シートとの一体化が不充分となることがあり、厚いと、複合板の発熱量が高くなり、複合板が建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される不燃性規格に合格しないことがあるので、10〜50μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
又、上記金属シートとしては、特に限定されず、例えば、アルミニウムシート、ステンレスシート、鉄シート、鋼シート、チタニウムシートなどが挙げられ、アルミニウムシートが好ましい。金属シートの厚みは、薄いと、複合板の機械的強度が低下することがあり、厚いと、複合板の軽量性が低下することがあるので、0.1〜0.5mmが好ましい。
そして、複合板の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に、好ましくは両面にホットメルト接着剤を介して金属シートを積層して積層シートを製造し、好ましくは積層シートの製造と同時に、この積層シートを加熱してホットメルト接着剤を溶融させ、必要に応じて積層シートにその厚み方向に圧縮力を加えて、しかる後、積層シートを冷却することによって、ポリエステル系樹脂発泡シートと金属シートとをホットメルト接着剤を介して一体化させて複合板を製造することができる。なお、ポリエステル系樹脂発泡シート及び金属シートは、ロール状に巻回した状態から連続的に巻き出し、或いは、所望形状に予め切断してあってもよい。
ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートを積層して積層シートを製造する要領としては、例えば、(1)ポリエステル系樹脂発泡シートにおける金属シートの積層面にホットメルト接着剤を積層一体化させておき、このホットメルト接着剤上に金属シートを積層させて積層シートを製造する方法、(2)金属シートの片面にホットメルト接着剤を積層一体化しておき、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に金属シートをホットメルト接着剤がポリエステル系樹脂発泡シートに対向した状態となるように積層して積層シートを製造する方法などが挙げられる。なお、ポリエステル系樹脂発泡シート及び金属シートは、その後の製造工程において支障をきたさない程度において、予め加熱されていてもよい。
ポリエステル系樹脂発泡シートにおける金属シートの積層面にホットメルト接着剤を積層一体化する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)ポリエステル系樹脂発泡シートとホットメルト接着剤とを共押出する方法、(2)ポリエステル系樹脂発泡シートにおける金属シートの積層面にホットメルト接着剤を押出ラミネートする方法、(3)押出発泡した直後のポリエステル系樹脂発泡シート上にホットメルト接着剤からなるフィルムを積層一体化する方法、(4)ポリエステル系樹脂発泡シートにおける金属シートの積層面にホットメルト接着剤からなるフィルムを積層して加熱圧着させる方法などが挙げられる。
金属シートの片面にホットメルト接着剤を積層一体化する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)溶媒に溶かしたホットメルト接着剤を金属シートに塗布した後に溶剤を蒸発、除去する方法、(2)金属シートの片面にホットメルト接着剤からなるフィルムを加熱圧着させる方法などが挙げられる。
又、積層シートを加熱しながら積層シートにその厚み方向に圧縮力を加える方法としては、特に限定されず、例えば、所定温度に加熱された一対のロール又は一対の加圧板間に積層シートを供給し、一対のロール又は一対の加圧板によって積層シートを加熱しながら厚み方向に圧縮する方法が挙げられる。なお、ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度は、低いと、ポリエステル系樹脂発泡シートと金属シートとの一体化が不充分となることがあり、高いと、ポリエステル系樹脂発泡シートに収縮が生じる虞れがあるので、100〜180℃が好ましく、110〜170℃がより好ましい。
そして、複合板の坪量は、高いと、複合板の軽量性が低下して、複合板の施工性、運搬性、取扱い性などが低下することがあるので、4kg/m2以下が好ましく、3.6kg/m2以下がより好ましい。
本発明の複合板は、ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートを積層一体化してなるので、ポリエステル系樹脂発泡シートを高発泡倍率化させ或いは難燃剤を含有させることなく、建築基準法第2条第9号に規定される不燃性能試験により定義される不燃性規格に合格し、更に、軽量性に優れ且つ何れの方向にも優れた機械的強度を有し、建築物の内外装材、看板用途、サイン看板用途、鉄道やバスなどの車両の内装パネルなどに好適に用いることができる。
そして、本発明の複合板は、ポリエステル系樹脂発泡シートを有しているので、厚み方向に潰れ或いは亀裂を生じることなく、所望形状に折り曲げ加工することができ、優れた加工性を有している。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本実施例に何ら限定されるものでない。
(実施例1)
第一段目の押出機の先端部に第二段目の押出機が接続してなるタンデム型の押出機を用意した。そして、結晶性ポリ乳酸(ユニチカ社製 商品名「テラマックHV−6250H」、D体含有量:1.2モル%、L体含有量:98.8モル%)100重量部とポリテトラフルオロエチレン(旭硝子社製 商品名「フルオンL167J」)0.2重量部を均一に混合してなる結晶性ポリ乳酸組成物を露点温度が−30℃の乾燥空気を用いて80℃にて4時間に亘って乾燥させた。JIS K2279で定義されたポンプ熱量計により測定された結晶性ポリ乳酸組成物の総発熱量(HgM)は17.91MJ/kgであった。
結晶性ポリ乳酸組成物を第一段目の押出機に供給し溶融混錬した後、第一段目の押出機中に発泡剤として液化ブタン3.6重量部を圧入して結晶性ポリ乳酸組成物を溶融混練した。
しかる後、第一段目の押出機の先端に接続した第二段目の押出機に溶融状態のポリ乳酸組成物を連続的に供給して樹脂温度が167℃となるように調整した上で、第二段目の押出機の先端に取り付けたサーキュラダイから円筒状に押出発泡させて円筒状発泡体を製造し、この円筒状発泡体を徐々に拡径させた上でマンドレルに供給して冷却した後、円筒状発泡体をその任意の箇所にて内外面間に亘って押出方向に連続的に切断、展開することによって長尺状の結晶性ポリ乳酸発泡シートを製造し、結晶性ポリ乳酸発泡シートをロール状に巻き取った。なお、結晶性ポリ乳酸発泡シートの製造時の吐出量は32kg/時間で引取速度は3.4m/分であった。得られた結晶性ポリ乳酸発泡シートは、その厚みが1.56mm、坪量が205g/m2、110℃における二次発泡倍率は1.40倍であった。又、結晶性ポリ乳酸発泡シートにおいて、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量は3.1MJ/m2であった。
ロール状に巻回した結晶性ポリ乳酸発泡シートを巻き出しながら、結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面全面に誘電加熱ロールを用いて加熱温度150℃、ライン速度8m/分の条件下にて厚み30μmのポリオレフィン系ホットメルト接着剤フィルム(クラボウ社製 商品名「クランベターX−2300」)を連続的に積層一体化した後、結晶性ポリ乳酸発泡シートをロール状に巻き取った。
次に、両面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤フィルムを積層一体化した結晶性ポリ乳酸発泡シートを巻き出し、この結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面全面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介して長尺状の厚みが0.2mmのアルミニウムシートを連続的に積層して長尺状の積層シートとすると同時に、長尺状の積層シートを130℃に加熱した一対の加熱圧着ロール間に連続的に供給し、積層シートを一対の加熱圧着ロールによって表面温度が全面的に110℃となるように加熱してポリオレフィン系ホットメルト接着剤を溶融させると共に積層シートにその厚み方向に圧縮力を加えた後、長尺状の積層シートを34℃に冷却することによって、結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面にアルミニウムシートをポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介して連続的に積層一体化して長尺状の厚みが2.30mmの複合板を得た。なお、複合板の引取速度は5m/分であった。
得られた複合板は、その坪量が1.28kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が5.9MJ/m2であった。複合板には波うちは発生しておらず、複合板の表面を指先で押圧しても、複合板の表面に凹みは生じなかった。
(実施例2)
アルミニウムシートの厚みを0.5mmとしたこと以外は実施例1と同様にして厚みが3.90mmの複合板を得た。
得られた複合板は、その坪量が2.90kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が5.7MJ/m2であった。複合板には波うちは発生しておらず、複合板の表面を指先で押圧しても、複合板の表面に凹みは生じなかった。
(実施例3)
アルミニウムシートの厚みを0.1mmとしたこと以外は実施例1と同様にして厚みが2.00mmの複合板を得た。
得られた複合板は、その坪量が0.75kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が5.9MJ/m2であった。複合板には波うちは発生しておらず、複合板の表面を指先で押圧しても、複合板の表面に凹みは生じなかった。
(実施例4)
結晶性ポリ乳酸発泡シートの引取速度を2.5m/分としたこと以外は実施例1と同様にして厚みが3.20mmの複合板を得た。
得られた結晶性ポリ乳酸発泡シートは、その厚みが2.30mm、坪量が277g/m2、110℃における二次発泡倍率は1.39倍であった。又、結晶性ポリ乳酸発泡シートにおいて、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量は4.15MJ/m2であった。
得られた複合板は、その坪量が1.37kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が7.1MJ/m2であった。複合板には波うちは発生しておらず、複合板の表面を指先で押圧しても、複合板の表面に凹みは生じなかった。
(実施例5)
結晶性ポリ乳酸発泡シートの引取速度を4m/分としたこと、アルミニウムシートの厚みを0.5mmとしたこと以外は実施例1と同様にして厚みが2.45mmの複合板を得た。
得られた結晶性ポリ乳酸発泡シートは、その厚みが1.20mm、坪量が171g/m2、110℃における二次発泡倍率は1.30倍であった。又、結晶性ポリ乳酸発泡シートにおいて、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量は2.50MJ/m2であった。
得られた複合板は、その坪量が2.88kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が5.3MJ/m2であった。複合板には波うちは発生しておらず、複合板の表面を指先で押圧しても、複合板の表面に凹みは生じなかった。
(実施例6)
両面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤フィルムを積層一体化した結晶性ポリ乳酸発泡シートを巻き出し、この結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面全面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介して長尺状の厚みが0.2mmのアルミニウムシートを連続的に積層して長尺状の積層シートとすると同時に、長尺状の積層シートを195℃に加熱した一対の加熱圧着ロール間に連続的に供給し、積層シートを一対の加熱圧着ロールによって表面温度が全面的に170℃となるように加熱してポリオレフィン系ホットメルト接着剤を溶融させると共に積層シートにその厚み方向に圧縮力を加えた後、長尺状の積層シートを40℃に冷却したこと以外は実施例1と同様にすることによって、結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面にアルミニウムシートをポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介して連続的に積層一体化して長尺状の厚みが3.12mmの複合板を得た。なお、複合板の引取速度は5m/分であった。得られたポリ乳酸発泡シートは、170℃における二次発泡倍率が1.60倍であった。
得られた複合板は、その坪量が1.28kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が5.9MJ/m2であった。複合板には波うちは発生しておらず、複合板の表面を指先で押圧しても、複合板の表面に凹みは生じなかった。
(実施例7)
結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面全面に誘電加熱ロールを用いてポリオレフィン系ホットメルト接着剤の代わりに130℃で厚み50μmにてポリエステル系ホットメルト接着剤(東亞合成社製 商品名「アロンメルトPES−111EE」)を積層一体化したこと以外は実施例4と同様にして厚みが3.30mmの複合板を得た。
得られた複合板は、その坪量が1.26kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が6.2MJ/m2であった。複合板には波うちは発生しておらず、複合板の表面を指先で押圧しても、複合板の表面に凹みは生じなかった。
(比較例1)
結晶性ポリ乳酸発泡シートの引取速度を2.2m/分としたこと以外は実施例1と同様にして厚みが2.90mmの複合板を得た。
得られた結晶性ポリ乳酸発泡シートは、その厚みが2.30mm、坪量が300g/m2、110℃における二次発泡倍率は1.43倍であった。又、結晶性ポリ乳酸発泡シートにおいて、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量は4.60MJ/m2であった。
得られた複合板は、その坪量が1.37kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が7.4MJ/m2であった。
(比較例2)
両面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤フィルムを積層一体化した結晶性ポリ乳酸発泡シートを巻き出し、この結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面全面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介して長尺状の厚みが0.2mmのアルミニウムシートを連続的に積層して長尺状の積層シートとすると同時に、長尺状の積層シートを110℃に加熱した一対の加熱圧着ロール間に連続的に供給し、積層シートを一対の加熱圧着ロールによって表面温度が全面的に90℃となるように加熱してポリオレフィン系ホットメルト接着剤を溶融させると共に積層シートにその厚み方向に圧縮力を加えた後、長尺状の積層シートを30℃に冷却したこと以外は実施例1と同様にすることによって、結晶性ポリ乳酸発泡シートの両面全面にアルミニウムシートをポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介して積層一体化しようとしたが、結晶性ポリ乳酸発泡シートの表面にアルミニウムシートを積層一体化させることができず複合板を得ることができなかった。なお、得られたポリ乳酸発泡シートは、90℃における二次発泡倍率が1.20倍であった。
(比較例3)
結晶性ポリ乳酸の代わりにポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)を第一段目の押出機に供給したこと、第二段目の押出機に溶融状態のポリスチレンを連続的に供給して樹脂温度が155℃となるように調整したこと以外は実施例1と同様にしてポリスチレン発泡シートを得た。JIS K2279で定義されたポンプ熱量計により測定されたポリスチレンの総発熱量(HgM)は39.93MJ/kgであった。得られたポリスチレン発泡シートは、110℃における二次発泡倍率が1.30倍であった。
得られたポリスチレン発泡シートは、その厚みが2.30mm、坪量が207g/m2であった。ポリスチレン発泡シートにおいて、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量は8.26MJ/m2であった。
上記ポリスチレン発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様の要領でポリスチレン発泡シートの両面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介してアルミニウムシートを積層一体化して厚みが2.90mmの複合板を得た。
得られた複合板は、その坪量が1.28kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が10.6MJ/m2であった。
(比較例4)
結晶性ポリ乳酸の代わりにポリプロピレン(ボレアレス社製 商品名「DAPLOY WB135」)を第一押出機に供給すると共に、気泡核剤として粉末タルクの代わりに化学発泡剤(大日精化社製 商品名「ファインセルマスターPO410K」)をポリプロピレン100重量部に対して0.01重量部の割合で第一段目の押出機に供給したこと、第一段目の押出機に圧入する液化ブタンの量をポリプロピレン100重量部に対して10重量部としたこと、第二段目の押出機に溶融状態のポリプロピレンを連続的に供給して樹脂温度が150℃となるように調整したこと以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン発泡シートを得た。JIS K2279で定義されたポンプ熱量計により測定されたポリプロピレンの総発熱量(HgM)は44.49MJ/kgであった。
得られたポリプロピレン発泡シートは、その厚みが3.60mm、坪量が130g/m2であった。ポリプロピレン発泡シートにおいて、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量は7.40MJ/m2であった。得られたポリプロピレン発泡シートは、110℃における二次発泡倍率が1.16倍であった。
上記ポリプロピレン発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様の要領でポリプロピレン発泡シートの両面にポリオレフィン系ホットメルト接着剤を介してアルミニウムシートを積層一体化して厚みが4.00mmの複合板を得た。
得られた複合板は、その坪量が1.21kg/m2、発熱性試験に準拠して測定された輻射熱照射開始から20分を経過するまでの間の総発熱量が9.2MJ/m2であった。
得られた複合板について、下記の要領で表面性を測定し、その結果を表1に示した。得られた複合板について、発泡シートの厚みを測定し、その結果を表1に示した。なお、複合板の発泡シートの両面に積層一体化したホットメルト接着剤は厚みが同一であった。
(表面性)
複合板の両面を目視観察し、複合板の両面の何れにも皺が発生していなかった場合を「○」、複合板の両面のうちの何れか一方又は双方の表面に皺が発生していた場合を「×」とした。
Figure 2012045911

Claims (7)

  1. 坪量が280g/m2以下であるポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートが積層一体化されてなることを特徴とする複合板。
  2. ポリエステル系樹脂発泡シートがポリ乳酸系樹脂発泡シートであることを特徴とする請求項1に記載の複合板。
  3. ホットメルト接着剤がポリオレフィン系ホットメルト接着剤又はポリエステル系ホットメルト接着剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合板。
  4. 坪量が4kg/m2以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の複合板。
  5. ポリエステル系樹脂発泡シートが下記式1を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の複合板。
    G≦5040/HgM・・・式1
    (但し、Gは、ポリエステル系樹脂発泡シートの坪量(g/m2)を意味し、HgMは、JIS K2279で定義されたポンプ熱量計により測定されたポリエステル系樹脂の総発熱量(MJ/kg)を意味する。)
  6. ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートを積層してなる積層シートを加熱して上記ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面に上記金属シートを上記ホットメルト接着剤を介して積層一体化することを特徴とする複合板の製造方法。
  7. 加熱前のポリエステル系樹脂発泡シートについて、上記ポリエステル系樹脂発泡シートの少なくとも一面にホットメルト接着剤を介して金属シートを積層一体化させるために積層シートを加熱する際の上記ポリエステル系樹脂発泡シートの加熱温度における二次発泡倍率が1.1〜1.8倍であることを特徴とする請求項6に記載の複合板の製造方法。
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