JP2006168321A - 生分解性積層発泡シート及びその成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表裏2層の表面層と、前記表面層の間に配置された中間層との生分解性樹脂からなる積層体であって、前記中間層が、発泡倍率1.1〜30倍、平均気泡径が30〜300μmの生分解性樹脂発泡層からなることを特徴とする生分解性積層発泡シート及びその成形体。
【選択図】なし
Description
一方、最近は脂肪族ポリエステル、多糖類、その他多くの生分解性樹脂が実用化されて来ており、発泡シートとしての検討が試みられているが、とりわり実用化が先行している脂肪族ポリエステルは、一般に融点が低く、耐熱性や発泡適性がポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂に比べ劣っているため、材料あるいは成形加工からの改良が必要である状況にある。
−O−R1−O− …(1)
(式(1)中、R1は、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の鎖状脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示す。)
−OC−(R2)n−CO− …(2)
(式(2)中、R2は脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示し、nは0又は1を示す。)
(1)表面層の構成成分
(i)生分解性樹脂
本発明の生分解性積層発泡シートの表面層に用いられる生分解性樹脂の種類は、特に制約はないが、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート等の脂肪族ポリエステル及びその誘導体、ポリシクロヘキシレンジメチルアジペートの如き脂環式ポリエステル及びその誘導体、ヒドロキシブチレートーヒドロキシバリレート共重合体の如き脂肪酸エステル共重合体、ポリ乳酸等が挙げられ、樹脂の種類は複数であっても良い。
これらの中では、脂肪族ポリエステルが好ましく、特に、下記一般式(1)
−O−R1−O− …(1)
(式(1)中、R1は、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の鎖状脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示す。)
で表される分子構造を有する脂肪族または脂環式ジオール単位、及び下記一般式(2)
−OC−(R2)n−CO− …(2)
(式(2)中、R2は脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示し、nは0又は1を示す。)
で表される分子構造単位を有する脂肪族または脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とするホモポリマー、コポリマー(ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互コポリマー等)の何れでもよい。
HO−R1−OH …(4)
(式(4)中、R1は、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の鎖状脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示す。)
で表されるジオール化合物が挙げられる。R1における鎖状脂肪族炭化水素基の炭素数は、通常2〜10、好ましくは2〜6である。また、R1における脂環式炭化水素基の炭素数は、通常3〜10、好ましくは4〜8である。鎖状脂肪族または脂環式ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。これらの中では得られる重合体の物性の面から1,4−ブタンジオールが好ましい。
HOOC−(R2)n−COOH …(5)
(式(5)中、R2は脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示し、nは0又は1を示す。)
で表されるジカルボン酸またはその誘導体が挙げられる。これらの中では、上記の一般式(5)において、nが0または1でありかつR2が−(CH2)m−(mは1〜10の整数を示す。)で表される鎖状脂肪族炭化水素基もしくは炭素数3〜10の2価の脂環式炭化水素基であるジカルボン酸、その低級アルキルエステル若しくは酸無水物が好ましい。特に、上記の一般式(5)において、nが0または1でありかつR2が−(CH2)m−(mは1〜6の整数を示す。)で表される鎖状脂肪族炭化水素基もしくは炭素数4〜8の2価の脂環式炭化水素基であるジカルボン酸、その炭素数1〜4の低級アルキルエステル若しくは酸無水物が好ましい。上記のジカルボン酸またはその誘導体の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、これらの低級アルキルエステル(例えば、ジメチルエステル、ジエチルエステル等)、これらの酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水アジピン酸など)等が挙げられる。得られる共重合体の物性面から、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、これらの低級アルキルエステル、これらの酸無水物が好ましく、特に、コハク酸、無水コハク酸またはこれらの混合物が好ましい。
−O−R3−CO− …(3)
(式(3)中、R3は2価の脂肪族炭化水素基を示す。)
で表される分子構造を有する脂肪族オキシカルボン酸単位を含んでいてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルボン酸などが挙げられる。更に、これらの低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル等)や分子内エステルなどの誘導体であってもよい。これらのオキシカルボン酸またはその誘導体は、単独の他、混合物で使用してもよい。また、これらに光学異性体が存在する場合は、D体、L体、ラセミ体の何れでもよく、また、その使用形態は、固体、液体、水溶液の何れであってもよい。これらの中では乳酸またはグリコール酸が好ましい。特に、乳酸は、重合速度が大きく且つ入手が容易である点で好ましい。乳酸は、濃度30〜95重量%の水溶液として容易に入手することが出来る。
これらの中では、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムを含む金属化合物、並びにそれらの混合物が好ましく、その中でも、特に、チタン化合物及びゲルマニウム化合物が好ましい。また、触媒は、重合時に溶融或いは溶解した状態であると重合速度が高くなる理由から、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物が好ましい。
本発明の生分解性積層発泡シートの表面層は、シートの剛性向上および熱成形性の向上の効果から、必要に応じて、生分解性樹脂に充填剤を配合した組成物からの層とすることができる。充填剤としては、無機充填剤と有機充填剤とに大別される。
無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、焼成パーライト、カオリン、カオリナイト、ガラス、石灰石、珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム等の珪酸塩、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸第二鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、リン酸アルミニウム、硫酸バリウム等の塩類、などが挙げられる。
有機系充填剤としては、木粉、デンプン、セルロース、セルロース誘導体などが挙げられる。
これら充填剤は無機系及び有機系を問わず単独または二種以上を併用して使用することができる。これらの中でも、タルク、炭酸カルシウムが性能面および価格面から好ましい。タルクがより好ましい。
充填剤の粒径は、特に限定されないが、好ましくは平均粒径が0.1〜50μmである。特に好ましくは平均粒径が0.1〜20μmのタルク、炭酸カルシウムであり、最も好ましくは平均粒径が0.1〜20μmのタルクである。
本発明の生分解性積層発泡シートの表面層においては、本発明の目的を損なわない限り、従来公知の各種の添加剤を配合することも出来る。添加剤としては、例えば、結晶核剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤や各種界面活性剤などの樹脂用添加剤が挙げられる。
(i)生分解性樹脂
本発明の生分解性積層発泡シートの中間層に用いられる生分解性樹脂の種類としては、表面層に用いる生分解性樹脂を用いることができる。なお、中間層の生分解性樹脂は、表面層と異なった生分解性樹脂を用いてもよいが、同じ生分解性樹脂を用いる方が好ましい。
(ii)発泡
中間層の生分解性樹脂層は、発泡している必要があり、発泡倍率は1.1倍〜30倍、好ましくは3〜20倍である。発泡倍率が1.1倍未満では発泡化による軽量化等の実質的な効果が発揮されず、また発泡倍率が30倍を超える場合には連続気泡が増大し容器成形時のドローダウン性や容器の賦形性が低下してしまう。
また、本発明の中間発泡層の平均気泡径は、30〜300μm、好ましくは50〜100μmである。平均気泡径が300μmを超えると容器成形の際に気泡膜が破けやすく容器の賦形が得られ難い。
なお、平均気泡径の制御は、公知の方法、例えば、発泡核材の粒径や配合量、またはダイスから大気放出されるまでの圧力、発泡体が固化するまでの距離や樹脂温度を制御することにより行なうことができる。
ここで使用される発泡剤としては、公知の分解性発泡剤または気体もしくは揮発性の発泡剤が使用できる。
一方、揮発性の発泡剤としては、水、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン、各種アルコール、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチルクロライド)、等が挙げられる。
気体もしくは揮発性の発泡剤の使用割合は、生分解性樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部とすることが好ましい。発泡剤としては、窒素、炭酸ガス、もしくは、水を、単独もしくはそれらの混合物として、発泡剤全量に対し5重量%の割合で含めることが好ましい。5重量%を下回ると、発泡剤の逸散にバラツキを生じ、得られる発泡体の安定性に乏しい。また、押出工程における加熱によって分解し、窒素、炭酸ガス、もしくは、水を発生することが可能な分解性発泡剤として配合してもよい。
本発明の積層発泡シートの層構成は、少なくとも表裏2層の表面層と該表面層の間に配置された中間層とを含むものであり、かかる中間層を表面層で挟むサンドイッチ構造としたのは、中間層である発泡層の発泡段階におけるガス保持、セルの破泡・連続気泡化抑制効果と積層発泡シートとしての剛性や熱成形性、表面平滑性の維持の効果が極めて大きいためである。
本発明の積層発泡シートの層構成は、少なくとも上記サンドイッチ構造を有するものであればその層の種類、数、配置等に特に制限はない。例えば、前記2層の表面層及び中間層のみからなる2種3層のものであってもよく、また前記表面層の外側にさらに新たな層を設けた3種5層構造、あるいは前記表面層と中間層との間に新たな層を設けた3種5層もしくは4種7層構造等の種々の構造をとることもできる。
また、積層発泡シートの全厚みは、特に制限されず、使用目的等に応じた厚みを調整すればよいが、通常0.4〜3.0mm、特に一般の食品用容器では0.5〜2.5mmが好ましい。
中間層用には、発泡剤を配合した組成物を用い、温度250〜100℃、好ましくは230〜80℃、圧力35〜3MPa、好ましくは15〜10MPa(以降、P1と称す。)の条件下で溶融混合し、得られた溶融混合物を、Tダイから、P1より低圧の工程領域へ押出し、次にTダイまたはサーキュラーダイから押出された溶融混合物を冷却ロールまたは冷却筒で冷却する。
押出機内で溶融混合された溶融混合物がダイス出口から押出されて冷却ロールまたは冷却筒に接触するまでの距離は、ダイから溶融混合物が押出されたときの発泡による体積膨張等によるコルゲートマークを解消する目的で、0.05〜5mmが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3mmである。また、前記冷却ロールまたは冷却筒の表面温度は、緻密で、発泡体中に方向性を有しない気泡形状を形成する目的で、120℃以下、好ましくは、90℃以下であるような条件下で行うことが好ましい。
上記のようにして得られた生分解性積層発泡シートは、熱成形により各種容器、カップ、トレーに賦形される。容器成形は、一般に、プラスチックシートを加熱軟化して所望の型に押し当て、型と材料の間隙にある空気を排除し大気圧により型に密着させて成形する真空成形、及び大気圧以上の圧縮エアか、あるいは真空を併用して成形する圧空成形等の総称であり、方法としては、真空あるいは圧空を用い、必要により、更にプラグを併せて用いて金型形状に成形する方法(ストレート法、ドレープ法、エアスリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法、プラグアシストリバースドロー成形法、マッチモールド成形法など)や固相プレス成形、スタンピング成形が挙げられる。これらの熱成形法の組み合わせ等による成形法であれば特に限定されない。熱成形温度や真空度、圧空の圧力または成形速度等の各種条件は、プラグ形状や金型形状または原料シートの性質等により適宜設定される。
(1)シート密度(g/cm3):積層発泡シートを10cm角に切り取り、その重量と厚みからシート全体の密度を求めた。
(2)中間層の発泡倍率(倍):積層発泡シートの全体の密度をもとに中間層密度を算出し、下式により計算した。
中間層発泡倍率=(発泡時の中間層密度)÷(未発泡時の中間層密度)
(3)中間層の平均気泡径(μm):積層発泡シートの押出方向に対し断面を切出し、ASTM−D3576に準拠し断面を顕微鏡などを用いて拡大投影をする。投影画像上にてシートの厚さ方向、シートの押出方向、およびそれらに直交する方向のそれぞれに相当する方向に直線を引いて、直線と交差する気泡数をカウントする。上記直線の真の長さを気泡数で除して得られた値を、シートの厚さ方向、シートの押出方向およびそれらに対し直交する方向のそれぞれを平均気泡径とし、更にこれを算術平均することで得られた値を発泡層の平均気泡径とした。
(4)中間層の気泡状態:ミクロトームで積層発泡シート断面(流れ方向に直角の方向)を10〜20μm程度にスライスして光学顕微鏡で観察、写真撮影し、以下の基準で評価した。
◎:独立気泡で気泡が均一、微細である。
○:独立気泡
△:若干連続気泡が存在
×:大半が連続気泡
(5)シート外観:目視により積層発泡シート表面を観察し、以下の基準で評価した。
◎:平滑
○:ほぼ平滑
×:凸凹がある
(6)容器成形性:得られた積層発泡シートを、間接加熱式圧空成形機((株)浅野研究所製、コスミック成形機)を使用して、シートから20cm離れた位置にある上下ヒータを325℃に保持して加熱した。シートは、加熱時間を12秒で、圧空圧力2kg/cm2の条件で、縦24cm、横18cm、深さ4cmのリブ付き弁当容器を成形した。得られた容器を目視によって形状および外観を観察し、下記の評価基準にて判定した。
◎:容器の表面状態が良好で、細部にわたり賦形が完了している。
○:容器の表面状態が良好で、リブ形状部分や底コーナー部にて若干賦形があまいが略実用上は問題がない。
×:容器の表面のばたつき、曇り等があり、光沢が損なわれている又は、細部にわたり賦形が完了していない。
(7)生分解性試験:腐葉土と堆肥を1:1で混合した土壌を用いた圃場を屋外に設定し、各々得られたシートから打ち抜いたJIS2号ダンベル片を深さ約7cmの場所に埋設した。埋設開始より所定期間圃場中に放置した後に試験片を取り出し、付着した土を落とした後に重量測定を行い、重量残存率を測定した。試験中に圃場に与えた水分は自然降雨のみであり、人為的な水分の供給は行わなかった。
(製造例1)
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、温度計および助剤添加口を備えた容量1m3の反応容器に、コハク酸134kg、1,4−ブタンジオール121L、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間20分重合を行い、脂肪族ポリエステル(A1)を得た。得られた脂肪族ポリエステル(A1)のメルトフローレート(JIS−K7210、温度190℃、荷重2.16kgf)は4.2g/10分であった。
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、温度計および助剤添加口を備えた容量1m3の反応容器に、コハク酸134kg、1,4−ブタンジオール116L、DLリンゴ酸0.24kg、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間20分重合を行い、脂肪族ポリエステル(A2)を得た。得られた脂肪族ポリエステル(A2)のメルトフローレート(JIS−K7210、温度190℃、荷重2.16kgf)は3.8g/10分であった。
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、温度計および助剤添加口を備えた容量1m3の反応容器に、コハク酸122kg、アジピン酸22.2kg、1,4−ブタンジオール115L、DLリンゴ酸0.23kg、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間重合を行い、脂肪族ポリエステル(A3)を得た。得られた脂肪族ポリエステル(A3)のメルトフローレート(JIS−K7210、温度190℃、荷重2.16kgf)は4.0g/10分であった。
生分解性樹脂として製造例1〜3で得られた脂肪族ポリエステル(A1)〜(A3)、(A4:ポリブチレンサクシネート(昭和高分子社製「ビオノーレ1001」、メルトフローレート1.5g/10分))及びポリ乳酸(PLA:三井化学社製、商品名レイシア「H400」)を用いた。表層材は、あらかじめ生分解性樹脂と所定量の充填剤(タルク:富士タルク社製、粒径10μm)を配合し、200℃で二軸混練機にて混練しペレットとした。
中間層の発泡剤としてクエン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリウムの1:1の混合物の無機系分解性発泡剤を用いた。
次に各実施例につき表1に示した各層配合にて、表面層用、中間層用それぞれ口径40mmφの押出機にて溶融しフィードブロック方式で共押出の後、Tダイより中間層が発泡した2種3層の積層発泡シートの溶融押出を行った。ダイスから出た溶融シートを40℃の温度調節を施した冷却水を流した小径ロールによりシートの冷却およびコルゲート抑制を行い、幅400mm、全厚900μm厚の生分解性積層発泡シートを作製した。このようにして得られた各積層シートについて、シート物性、容器成形性、および生分解性をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
表1における実施例1において、表面層を設けず同じ全厚の単層発泡シートとしたもの、および表層から充填剤タルクを配合しないものをそれぞれ比較例1、2として、実施例と同様にシート成形及び測定を行った。その結果を表1に示す。
実施例1および2の積層発泡シート構成において、中間層の発泡剤として気体発泡剤(n−ブタンガス)および気泡調整剤としてクエン酸モノモノナトリウムを用い、口径65mmφの押出機にて発泡層を形成し、共押出サーキュラーダイおよび冷却筒を備えた発泡シート装置により中間層が発泡した2種3層の積層発泡シートを得た。得られた積層発泡シートについて、シート物性、容器成形性、および生分解性をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
比較例2の積層発泡シート構成において、発泡剤として気体発泡剤(n−ブタンガス)および気泡調整剤としてクエン酸モノナトリウムを用い、実施例8と同様の積層発泡シートの製造を実施したが、気体発泡剤の膨張率に対し、表面層には充填剤が配合されていないため表面層材の中間層の気体発泡剤の膨張力に対する溶融張力が不足し、中間層の気体が表面層を貫通して発泡体を得ることができなかった。
Claims (8)
- 表裏2層の表面層と、前記表面層の間に配置された中間層との生分解性樹脂からなる積層体であって、前記中間層が発泡倍率1.1〜30倍、平均気泡径が30〜300μmの生分解性樹脂発泡層からなることを特徴とする生分解性積層発泡シート。
- 前記表面層が、生分解性樹脂100重量部に対し、充填剤5〜400重量部を配合した生分解性樹脂組成物からなる層であることを特徴とする請求項1記載の生分解性積層発泡シート。
- 前記表面層及び中間層に用いられる生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の生分解性積層発泡シート。
- 前記脂肪族ポリエステルが、下記一般式(1)で表される分子構造単位を有する脂肪族または脂環式ジオール単位、および下記一般式(2)で表される分子構造単位を有する脂肪族または脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とすることを特徴とする、請求項3に記載の生分解性積層発泡シート。
−O−R1−O− …(1)
(式(1)中、R1は、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の鎖状脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示す。)
−OC−(R2)n−CO− …(2)
(式(2)中、R2は脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基を示し、nは0又は1を示す。) - 前記脂肪族ポリエステルの脂肪族または脂環式ジオール単位が1,4−ブタンジオール単位、脂肪族または脂環式ジカルボン酸単位がコハク酸単位であることを特徴とする、請求項4に記載の生分解性積層発泡シート。
- 前記表面層各層の厚み比が、前記生分解性積層発泡シートの全厚みの5%以上、かつ30%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の生分解性積層発泡シート。
- 前記表面層の外側に、厚み比率が全厚みの10%以下であるスキン層が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生分解性積層発泡シート。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の生分解性積層発泡シートを用いてなる成形体。
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