JP3929540B2 - オレフィンレザーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリオレフィンを用いた擬皮革の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
靴、鞄、ベルト、手帳等の装丁や壁装材などとして、種々の織布にポリ塩化ビニルやポリウレタン等の樹脂層を設けた多層シート材が広く使用されている。これらのシート材は、表面に凹凸模様(以下、エンボスという)を付すことにより、立体的な意匠を施したり、特に靴や鞄等に用いる場合には擬皮革として本革らしさを醸し出して用いられる。
【0003】
しかしながら、樹脂層にポリ塩化ビニルやポリウレタン樹脂を用いた場合、比重が大きく(1.2〜1.4g/cm3)、特に鞄などに用いると重くなってしまったり、色移りしやすいなどの不都合があった。
また、ポリ塩化ビニルを用いた場合、含有されている可塑剤がしみ出てきて黄ばんだりする問題があるほか、耐寒性や耐油性に劣るという問題がある。さらに、燃焼したときに、有毒な塩素ガスが生じるので廃棄処分にも不都合で、特に、壁装材として用いた場合には、火災時に有毒ガスが発生する恐れがある。また、多量の可塑剤を用いているために、落書きされたときに汚れを落としにくいというなどの欠点がある。
また、鞄や腕時計のベルトなどのように肌に直接触れるものにポリ塩化ビニルを使用することは疑問視されるむきもあった。
【0004】
他方、ポリウレタン樹脂を用いた場合、可塑剤がしみ出たり、塩素ガスが発生することなどはないが、長時間経過すると、加水分解反応が起きて脆化しやすく、耐久性に劣るという問題があった。また、ポリ塩化ビニルとは異なり、高周波ウェルダーによる加工が行えないという欠点がある。
そこで、こうしたポリ塩化ビニルやポリウレタン樹脂の抱える不具合を解決するものとして、ポリオレフィン系樹脂の適用が研究されている。例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体などの使用が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、綿や合成繊維などからなる織布または不織布などの基材に、ポリオレフィン系樹脂をラミネートしてオレフィンレザーを製造する場合、ポリオレフィン系樹脂と基材の間の接着強度は必ずしも十分ではなく、剥離することがあった。そこで、接着強度を高める為に、基材にプライマー処理を施すことが考えられるが、一般的なプライマー処理を施し、ラミネート加工して製造したオレフィンレザーであると、ごわごわになって風合いが劣り、擬皮革としての商品価値が低下することがあった。
また、プライマー処理の有無とは別に、基材の毛羽に起因して表面にピンホールが表れたり、基材自体の模様が表面に浮き出てしまい、任意に表面に付与したエンボス模様が活かされなくなってしまうこともあった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、ポリオレフィン系樹脂と基材とからなるオレフィンレザーにおいて、その接着強度を高めつつ、風合い等の品質を損なうことのない製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のオレフィンレザーの製造方法は、オレフィン系組成物からなるオレフィン系組成物層が基材上にラミネートされたオレフィンレザーの製造方法であって、基材表面に、ナイフコーティング法によるプライマー処理を施した後に、基材とオレフィン系組成物層とをラミネートすることを特徴とするものである。
オレフィンレザーにおいては、そのオレフィン系組成物は、(A)キシレンに不溶なエチレンとプロピレンとの共重合体であって、130〜160℃に少なくとも1つの融点ピークを有する成分を50〜10重量%と、キシレンに可溶なエチレンとプロピレンとの共重合体であって、エチレンが40重量%未満の成分を50〜90重量%とからなるポリオレフィン系樹脂と、(B)スチレン系ブロック共重合体と、(C)スリップ剤とを含有してなるものが特に好適である。
また、プライマー剤としては、その粘度が10000cps以上であるものが好ましい。
さらには、発泡したプライマー剤が好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明でのオレフィンレザーとは、基材にオレフィン系組成物からなる層がラミネートした積層体を意味している。
そのようなオレフィンレザーにおいて、オレフィン系組成物としては種々のものが考えられるが、下記(A)成分と(B)成分と(C)成分とを共に含有するものがオレフィンレザーとして特に優れている。
(A)成分:キシレンに不溶なエチレンとプロピレンとの共重合体であって、130〜160℃に少なくとも1つの融点ピークを有する成分(以下、A1成分とする)を50〜10重量%と、キシレンに可溶なエチレンとプロピレンとの共重合体であって、エチレンが40重量%未満の成分(以下、A2成分とする)を50〜90重量%とからなるポリオレフィン系樹脂。
(B)成分:スチレン系ブロック共重合体。
(C)成分:スリップ剤。
【0008】
上記A1成分の共重合体におけるエチレンには種々のものが適用され得るが、室温(25℃)のキシレンに不溶であることが必要である。また、このA1成分は130〜160℃に少なくとも1つの融点ピークを有することが必要とされる。この共重合体A1においては、エチレンが1〜8重量%のものが好ましい。
A2成分の共重合体においては、室温のキシレンに可溶なエチレンが用いられ、かつ、そのエチレンが40重量%未満とされる。20〜38重量%であればより好ましい。エチレンが40重量%以上であると柔軟性が損なわれるので好ましくない。
この(A)成分において、その割合は、A1成分が50〜10重量%、A2成分が50〜90重量%であることが好ましい。A1成分が50重量%よりも多く、A2成分が50重量%未満になると、柔軟性が不十分となり、A1成分が10重量%よりも少なく、A2成分が90重量%よりも多くなると、成形性、耐熱性が不十分となって好ましくない。
また、この(A)成分のポリオレフィン系樹脂は、そのメルトフローレート(MFR)(JIS-K7210,表1,条件4、230℃、試験荷重:2.16kg)は、0.6〜30g/10分であることが好ましい。
【0009】
(B)成分のスチレン系ブロック共重合体は、スチレン系重合体ブロックを有するブロック共重合体である。そのようなスチレン系重合体ブロックと共重合する重合体ブロックとしては、ブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、またはそれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックからなる群から選択される重合体ブロック(以下、「Tブロック成分」と称する)等が挙げられる。
この(B)成分のスチレン系ブロック共重合体には、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、もしくはそれ以上のブロックからなるブロック共重合体が適用される。例えば、スチレン系重合体ブロックをS、これと共重合する重合体ブロック(Tブロック成分)をTで表わしたときに、ジブロック共重合体のS−T、トリブロック共重合体のS−T−Sで示されるものが適用される。
このようなものとしては例えば、スチレン系重合体ブロックとイソプレン重合体ブロックがS−T−S型に共重合したSIS、この共重合体においてイソプレン重合体ブロックをブタジエン重合体ブロックに置き換えたSBS、同様に、エチレン−プロピレン重合体ブロックに置き換えたSEPS、また、エチレン−ブチレン重合体ブロックに置き換えたSEBS、スチレン系重合体ブロックとブタジエン重合体ブロックがS−T型に共重合したSB等が挙げられる。中でも、SEPS、SEBSが好ましい。
【0010】
Tブロック成分は、平均分子量が20000〜450000のものが好ましく、50000〜300000であればより好ましい。また、ガラス転移温度は−20℃以下のものが好ましい。
スチレン系重合体ブロックとTブロック成分の割合は、重量比で、2〜50:98〜50が好ましく、5〜30:95〜70がより好ましい。
また、上述したスチレン系ブロック共重合体は、単一種で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、トリブロック共重合体(S−T−S)とジブロック共重合体(S−T)とを混合して使用してもよい。この場合、トリブロック共重合体とジブロック共重合体の混合比は、重量比で、100〜20:0〜80が好ましく、100〜50:0〜50がより好ましい。
【0011】
(C)成分のスリップ剤には、従来公知の種々のものを適用でき、例えば、シリカ、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ブチル、低分子量ポリエチレン、流動パラフィン、その他の脂肪酸誘導体、ポリエチレンワックス、高融点ワックスが挙げられるが、アミド系が優れている。脂肪酸アミドとしては、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、オレイン酸アミド、ビス脂肪酸アミド(ビスアマイド)等が挙げられる。
スリップ剤は、低密度ポリプロピレン等と共にマスターバッチとして配合することが望ましい。
【0012】
これらの成分の配合量は、(A)成分を95〜5重量%、(B)成分を5〜95重量%とすることが好ましく、より好ましくは、(A)成分を90〜50重量%、(B)成分を10〜50重量%、さらに好ましくは、(A)成分を90〜70重量%、(B)成分を10〜30重量%とすることである。
(A)成分が5重量%未満または95重量%よりも多い場合のいずれであっても、風合いが低下する傾向にある。
また、(B)成分が60重量%よりも多いと、焼却処分した際に多量の黒煙が生じてしまう。
また、(C)成分は(A)成分と(B)成分の合計に対して、0.5〜5重量%であることが好ましく、約1重量%が最適である。0.5重量%よりも少ないと、スリップ剤による効果が小さく、5重量%よりも多いと、混練性が悪化したり、成形物の表面に滲み出してくるおそれがある。この(C)成分の添加量は、(A)成分を多くするにしたがって低減することができる。
【0013】
このオレフィン系組成物には、これらの必須成分に加えて、その特性を本質的に阻害しない範囲で各種の添加剤、例えば、有機あるいは無機フィラー、粘着付与剤、酸化防止剤(耐熱安定剤)、防曇剤、分散剤、核剤、発泡剤、難燃剤、架橋剤、紫外線防止剤(光安定剤)、帯電防止剤、有機あるいは無機系着色剤(染料、顔料)、香料、抗菌剤、消臭剤等を用途に応じて添加することができる。
【0014】
このオレフィン系組成物を製造するには、上述した各成分を周知の各種手段によって混練すれば良い。例えば、各成分を高温のトルエンのような溶媒に溶解、再沈させる方法、各成分を溶融状態で混合する方法、すなわち一般的に用いられている加圧ニーダー、ロール、バンバリーミキサー、スタティックミキサー、スクリュー式押出機等を用いる方法等が挙げられる。また、場合によっては、各成分をドライブレンドし成形時に組成物化することも可能である。
このオレフィン系組成物を使用してなるオレフィンレザーであると、安価かつ軽量でありながら、可塑剤のしみ出しによる黄ばみ、色移行、燃焼時の塩素ガスの発生のおそれがなく、製造時に生じるバリ等の処分も容易である。また、耐薬品性が高い上に、成形物の表面の清掃も容易である。さらに、触感が柔らかくかつしっとりとして風合いに優れ、耐摩耗性、耐スクラッチ性も高く、傷がつきにくい。上述した特殊なオレフィン系組成物であれば、他の種類のオレフィン系組成物よりは種々の基材との接着性が良好である。したがって、このオレフィン系組成物を用いたオレフィンレザーは、良好な風合いや高い耐スクラッチ性の求められるもの、例えば、鞄、靴、ベルト、手帳等の装丁や壁装材、椅子の表皮材などに特に好適である。
【0015】
本発明におけるオレフィンレザーは、上述したようなものをはじめとするオレフィン系組成物からなる層と基材とをラミネートしてなるものである。
基材としては、種々のものを適用でき、織物や編み物、不織布等が適用でき、例えば、綿、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド等の各種の織布や編み物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、再生セルロース等の各種不織布、スフ入り布、ナイロンタフタ等の他、ポリプロピレンシート、ポリエチレンシート等のポリオレフィン系シートやポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム等の各種発泡シートが挙げられる。
基材上へのオレフィン系組成物のラミネートは、溶融押出ラミネート法等の通常の製法を適用することができる。
押出成形時の温度は、その溶融樹脂の融点以上であることが必要であり、具体的には130℃以上の温度であり、好ましくは150〜300℃の範囲、より好ましくは180〜250℃の範囲である。
【0016】
本発明の製造方法においては、そのラミネート加工前に、基材に対してプライマー処理を施しておく。
そのようなプライマー処理としては、プライマー剤が基材中にできるだけ滲み込むことなく表層上にのるようにすることが良く、5〜500μmのプライマー層を成膜させるようにプライマー処理を施す。膜厚は5〜100μmであればより好ましい。5μmよりも薄いと、プライマー処理による接着強度向上効果が小さく、500μmよりも厚くしても接着強度の増加があまり望めず、コスト増加を招く他、オレフィンレザーが硬質化するからである。プライマー剤が基材中に滲み込むと、基材がごわごわに硬質化し、所謂ペーパーライク状となって、風合いが低下してしまう。また、プライマー剤からなる層が表層上にのるように形成されることで、基材の毛羽が起たず、表面へのピンホールの発生を防止することができる。さらに、基材自体の模様がオレフィンレザーの表面に浮き出てしまうのを防ぐことができる。また、基材の布目が粗いと接着強度が低下する上に品質が低下しやすいが、本発明によれば、プライマー層による目止め効果が生じ、基材の影響を殆ど受けることなくオレフィンレザーを製造することができる。したがって、本発明の製造方法であると、基材の制約が小さく、適用範囲を拡大することができる。
【0017】
そのようなプライマー処理を容易に施すため、本発明では、ナイフコーティング法を用いる。
通常、エキストルージョンによりオレフィン系組成物層を形成する場合、プライマー処理としては、グラビアコーティング法やスプレーコーティング法が適用されるが、本発明者等は、オレフィンレザーの製造におけるプライマー処理においては、グラビアコーティング法やスプレーコーティング法であると、充分な接着力と共に、良好な風合いやピンホールの防止を発揮させることが困難であるのに対し、ナイフコーティング法であれば、プライマー剤を基材にあまり滲み込まさせることなく基材上に容易に成膜することができ、上記諸課題を解決できることを見い出した。
ナイフコーティング法とは、コーティングナイフの先端と僅かに隙間を設けて基材を移送させ、そのコーティングナイフの上流部での基材上にプライマー剤を供給する方法であり、例えば、フローティングナイフコーティング法、ナイフオーバーロールコーティング法、ナイフオーバーブランケットコーティング法、逆ナイフコーティング法、直列ナイフコーティング法等がある。
例えば、フローティングナイフコーティング法とは、図1に示すように、基材10を移送させておいて、その基材10と所定間隔の隙間を設けてコーティングナイフ12を配置し、そのコーティングナイフ12の上流部において、基材10上にプライマー剤14を供給する方法である。この際、基材10を挟んでコーティングナイフ12に対向する位置には、何も配置しないことに特徴がある。基材10上に供給されたプライマー剤14は、基材10の移送につれて移動するが、コーティングナイフ12において必要量のプライマー剤のみが基材10上に残され、プライマー層16が形成され、余剰分は除去される。
また、ナイフオーバーロールコーティング法は、図2に示すように、コーティングナイフ12に対向する位置にバックアップロール18を配置するものであり、ナイフオーバーブランケットコーティング法はコーティングナイフ12に対向する位置にベルト(図示例では、エンドレスラバーブランケット)20を配置するものである。これらのなかでも、フローティングナイフコーティング法が特に好ましい。
【0018】
また、プライマー剤としては粘度が10000cps以上のものを使用することが良い。より望ましくは12000〜15000cpsである。粘度が10000cps以上であると、プライマー剤が基材中に滲み込みにくくなる。また、粘度が15000cpsを超えると、作業性が低下してくる。
プライマー剤の粘度は、増粘剤の使用により容易に調整することができる。増粘剤としては、例えば、アクリル酸エステル、水溶性セルロースエーテル、アクリル酸ソーダ塩などが挙げられる。
さらに、プライマー剤としては、発泡させておくことが望ましい。プライマー剤を発泡させておくことにより、プライマー剤の基材への滲み込みを防止することができ、少ない塗布量で十分な接着強度と良好な風合いを発揮させることができる。発泡倍率としては、3倍以下であることが良く、2倍が最適である。発泡倍率が3倍以上であると、かえって風合いが悪化するからである。発泡手段としては、機械発泡や発泡剤の添加によるもの等が適用できる。
【0019】
プライマー剤の種類としては特に制限されるものではなく、基材やオレフィン系組成物層の種類に応じ、十分な接着強度や耐候性等を発揮する周知のものがコストを考慮して適宜選択される。例えば、オレフィン系組成物がポリプロピレンエラストマーを主成分とするならば、エチレン・ビニルエステル共重合樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、塩素化ポリプロピレン樹脂系、ウレタン樹脂系等が有効である。ウレタン樹脂としてはポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等が挙げられる。また、オレフィン系組成物がSEBSを主成分とするならば、ブタジエン−スチレンゴム系、天然ゴム系が有効である。オレフィン系組成物がポリプロピレンエラストマーとSEBSの両方を含んでなる場合には、その配合比率に応じて、プライマー剤の配合を行なえばよい。さらに、必要に応じてエポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系樹脂等の各種の硬化剤が配合される。
【0020】
また、必要に応じて種々の革しぼ等のエンボス加工を施すこともできる。エンボス加工には、表面にエンボス模様の刻まれたプレス板やロールを押圧したり、または、特に生産量の少ない小ロット生産が必要である場合には、エンボスつきの工程紙と称される副資材を用いて押圧する方法が便利である。
表面にエンボスの形成されたプレス板やロールを使用する方法では、それらの寿命がきたり、エンボスの変更をするときには、大型なプレス板やロールを交換しなければならず、労力やコストが大きくなる上、エンボス押圧後、樹脂を乾燥させて安定させる必要があり、製造に長時間を要するが、工程紙を用いる方法であると、工程紙を取り替えるのみで種々のエンボス加工が可能となり、また樹脂は瞬時に冷却固化するので、非常に簡易かつ短時間で安価に多層擬皮革を製造することができる。
以上のようにして製造される、本発明のオレフィンレザーの各層の厚みは、用途によって異なるため一義的に決められるものではない。しかし、オレフィン系組成物層の厚みは、エンボス加工を行うのであれば、少なくとも40μm以上の厚みであることが好ましい。また、最大厚みは、成形加工性の点から最大500μmまでの範囲である。一方、基材層の厚みは、10μmから500μmの範囲である。
また、用途によっては、本発明の基材とオレフィン系組成物層以外の層、例えば保護層等をさらに設けて、3層以上の積層体とすることも可能である。
また、擬皮革としての風合いをより高めるために、艶消し剤を塗布したり、コラーゲン処理を施すこと等も望ましい。
【0021】
【実施例】
(A)成分として、キシレンに不溶なエチレンとプロピレンとの共重合体(143℃に融点ピーク)を30重量%と、キシレンに可溶なエチレンとプロピレンとの共重合体を70重量%とからなるポリオレフィン系樹脂を80重量%と、(B)成分としてSEBSを20重量%を混練し、その混合物に対してスリップ剤を1.7重量%(シリカを1重量%とアマイドを0.7重量%)(スリップ剤を17%含有したマスターバッチとして10重量%)添加してドライブレンドし、オレフィン系組成物を調製した。
また、綿織物からなる基材に対して、図4に示すように、プライマー処理装置22及びプライマー乾燥器24を通過させて、プライマー処理を施した。このプライマー処理は、フローティングナイフコーティング法により行なったもので、プライマー剤としては、下記表2に示すプライマー剤A(粘度:12000cps)を使用した。
そして、図5に示すように、このプライマー処理を予め施した基材10を繰出しロール26から繰出し、複数のガイドロール28で誘導してニップロール30と冷却ロール32の間に導入した。
同時に、Tダイを備えた押出機34から、上記調製したオレフィン系組成物の溶融樹脂36を、ニップロール30と冷却ロール32との間に導入した。この際の樹脂の押出成形温度は、160〜250℃とした。
さらに、表面に所定のエンボス加工がされている工程紙38を繰出しロール40から繰り出して、ニップロール30と冷却ロール32の間に導入した。工程紙38には、紙にポリプロピレンをラミネートし、シリコーン系離型剤などで処理したものを用いた。
【0022】
そして、これら工程紙38/溶融樹脂36/プライマー層/基材10をニップロール30と冷却ロール32との間で圧着し、かつ溶融樹脂をエンボス加工すると同時に冷却固化し、基材10にオレフィン系組成物層をラミネートしてオレフィンレザー42を連続的に製造した。
得られたオレフィンレザー42は、巻取りロール44で巻取った。工程紙38はその後、剥離除去した。得られたオレフィンレザーは、オレフィン系組成物層の厚みが100μm、基材の厚みが300μmであった。
尚、上述した実施例では予めプライマー処理を施した後に、ラミネート加工を施しているが、プライマー剤が速やかに乾燥するのであれば、図6に示すように、繰出しロール26から繰出した基材10をプライマー処理装置46で処理して直ちにラミネート加工を施してもよい。
【0023】
[試験例1]
下記試料a〜fについて、接着性、風合い、ピンホール、シボ目について、評価した。接着性についてはオレフィン系組成物層と基材との間の接着強度が実用に耐え得るかどうかを、風合いについては触感で評価した。ピンホールについては、基材の毛羽が表面に表れているかどうかを目視で評価した。シボ目については基材自体の模様が表面に表れているかどうかを目視で評価したものである。
試料a:上記実施例で製造したオレフィンレザー。
試料b:上記実施例において、発泡処理(発泡倍率:2倍)したプライマー剤を使用したもの
試料c:上記実施例において、ナイフコーティング法ではなく、グラビアコーティング法によりプライマー処理を施したもの。
試料d:上記実施例において、布目の粗い基材を用いたもの。
試料e:上記実施例において、布目の粗い基材を用い、かつ、グラビアコーティング法によりプライマー処理を施したもの。
比較試料f:プライマー処理を施さなかったもの。
各評価結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から、プライマー処理を施すことにより接着強度が高まることがわかる。しかし、プライマー処理を施した試料a〜eにおいても、グラビアコーティング法によりプライマー処理を施した試料c,eであると、風合いが悪い上に、ピンホールが生じ、シボ目も不良であることがわかる。対して、試料a,b,dであると、接着強度が高い上に風合いが良好で、かつ、ピンホールが生じず、シボ目も良好である。このように、ナイフコーティング法によるものであると、同じプライマー剤を使用しながらも、プライマー剤の基材への滲み込みを抑制することができ、基材の硬質化を防いで風合いの低下を防ぎ、また、プライマー層によって基材の毛羽を抑えてピンホールの発生を防ぐと共に、基材模様が浮き出てくるのを防ぐことができる。しかも、布目の粗い基材に対しても十分に高い接着強度を発揮することができた。
【0026】
[試験例2]
表3に示す各基材およびプライマーを用いて上記実施例と同様にして数種のオレフィンレザーを製造した。尚、プライマー剤は表2に示す成分を配合(固形分比)したものを用い、発泡は機械発泡によった。また、プライマー処理を施すことなく製造したオレフィンレザーを比較例▲1▼〜▲3▼とした。
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
各オレフィンレザーについて、接着力と応力を測定した。測定結果を表4に示す。
接着力は、基材とオレフィン組成物層の間の剥離強度を測定したもので、剥離速度300mm/分の90゜剥離にて行なったものである。
応力は、図7に示すように、試料片(20×50mm)48をその中心がスリット(幅10mm)上になるように試験台の上に固定することなく載置し、上方から、厚さが0.5mmの鉄板50を100mm/minで押し下げた際の応力を測定したものである。したがって、応力は小さい方が、硬質化されておらず、柔軟で風合いが良いことを示す。
【0029】
【表4】
表3,4から、プライマー剤の粘度が高くなることによって、接着強度が向上すると共に、風合いが向上することがわかる。また、プライマー剤を発泡させておくことによって、少ない塗布量でありながら接着強度を低下させることなく(寧ろ、接着強度を向上させる上に)、風合いが向上することがわかる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の方法により得られたオレフィンレザーは、層間剥離のおそれが小さく、耐久性に優れる上に、触感が柔らかく、かつ、しっとりとして風合いが良好で、しかも、品質の高いものである。さらには、安価かつ軽量でありながら、可塑剤のしみ出しによる黄ばみ、色移り、燃焼時の塩素ガスの発生のおそれがなく、焼却処分や表面の清掃も容易である。また、耐薬品性、耐摩耗性、耐スクラッチ性も高く、傷がつきにくい。また、加水分解などが起きにくく、耐久性にも優れている。
その上、基材の選択の幅が広く、鞄、靴、ベルト、手帳等の装丁や壁装材、椅子の表皮材などの材料に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フローティングナイフコーティング法を示す側面図である。
【図2】 ナイフオーバーロールコーティング法を示す側面図である。
【図3】 ナイフオーバーブランケットコーティング法を示す側面図である。
【図4】 実施例でのプライマー処理過程を示す概略工程図である。
【図5】 実施例でのラミネート加工過程を示す概略工程図である。
【図6】 実施例でのプライマー処理およびラミネート加工過程を示す概略工程図である。
【図7】 応力試験方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 基材
12 コーティングナイフ
14 プライマー剤
16 プライマー層
22 プライマー処理装置
46 プライマー処理装置
Claims (3)
- 基材表面にナイフコーティング法によるプライマー処理を施した後に、基材と、(A)キシレンに不溶なエチレンとプロピレンとの共重合体であり、130〜160℃に少なくとも1つの融点ピークを有する成分を50〜10重量%と、キシレンに可溶なエチレンとプロピレンとの共重合体であり、エチレンが40重量%未満の成分を50〜90重量%とからなるポリオレフィン系樹脂と、(B)スチレン系ブロック共重合体と、(C)スリップ剤とを含有したオレフィン系組成物からなるオレフィン系組成物層とをラミネートすることを特徴とするオレフィンレザーの製造方法。
- プライマー剤の粘度が10000cps以上であることを特徴とする請求項1記載のオレフィンレザーの製造方法。
- 発泡したプライマー剤を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のオレフィンレザーの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP05661697A JP3929540B2 (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | オレフィンレザーの製造方法 |
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JP05661697A JP3929540B2 (ja) | 1997-03-11 | 1997-03-11 | オレフィンレザーの製造方法 |
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