JPH10250013A - 帯電防止性化粧シート - Google Patents

帯電防止性化粧シート

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JPH10250013A
JPH10250013A JP7469697A JP7469697A JPH10250013A JP H10250013 A JPH10250013 A JP H10250013A JP 7469697 A JP7469697 A JP 7469697A JP 7469697 A JP7469697 A JP 7469697A JP H10250013 A JPH10250013 A JP H10250013A
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JP
Japan
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sheet
antistatic
resin
decorative
decorative sheet
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JP7469697A
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English (en)
Inventor
Masayuki Shibata
雅之 柴田
Toshikazu Nishio
俊和 西尾
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂を使用した化粧シート
は、表面抵抗が大きく、帯電し易いため、ワイピング加
工やオーバープリント等の後工程において、静電気の発
生により、火災発生の原因となることがある。また、帯
電した化粧シートは塵埃が付着し易く、不良品の発生原
因となると共に衛生上の問題も生じる。 【解決手段】 着色剤、無機充填剤等をブレンドしたポ
リオレフィン系樹脂を用いて、押し出し加工法等により
着色シート基材11を作製し、この着色シート基材11に印
刷等により装飾層12を設ける。次に、この着色シート基
材11の装飾層12側に、界面活性剤等の帯電防止剤14を0.
1 〜1 重量%含有する透明POシート13をラミネートし
て、帯電防止性化粧シート1 を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装等に用いる表面化粧シートとし
て利用可能な化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基材シートの表面に熱可塑性樹脂
からなる表面樹脂層を設けた化粧シートが公知である。
例えば、特開昭51ー34967号公報には、任意の模
様を印刷した紙や不織布等の多孔性基材の表面に、塩化
ビニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹
脂を溶融押し出ししてラミネートした化粧シートが開示
されている。
【0003】また、近年、塩化ビニル樹脂に代わるもの
として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系シートを使用した化粧シートが提案されている
(特開昭54ー62255号公報参照)。例えば、隠蔽
性を有するポリオレフィン系樹脂からなるシート基材の
表面に、絵柄印刷層、接着剤層、熱可塑性透明エラスト
マーフィルムを順次積層し、積層と同時にエンボス加工
を施して表面にエンボス模様を設けたエンボス化粧シー
ト(特開平6ー79830号公報)や、隠蔽性を有する
ポリオレフィン系樹脂からなるシート基材に絵柄層を設
け、これにポリオレフィン系の透明樹脂を押し出しラミ
ネートすると同時にエンボス加工によりエンボス凹部を
設け、該エンボス凹部にワイピング加工により、着色イ
ンキを充填した化粧シート(特開平6ー79850号公
報)等が提案されている。更に、前記ポリオレフィン系
樹脂シートの改良仕様として、極性官能基をグラフト重
合させたポリオレフィン系樹脂に、オレフィン系熱可塑
性エラストマーを混合させたもの(特開平6ー2108
0号公報、特開平4ー504384号公報)、或いは、
ポリオレフィン系樹脂に相溶化剤を用いてポリウレタン
樹脂を混合させたもの(特開平7ー26038号公
報)、等も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリ塩化ビニ
ルやポリオレフィン系樹脂を使用した化粧シートは、静
電気が発生し易く塵埃やゴミが付着し易い。特に、ポリ
オレフィン系樹脂を使用した化粧シートは、表面抵抗が
大きいため帯電し易く、ワイピング加工やオーバープリ
ントコート(以下OPコートとする)等の後工程におい
て、静電気が発生し、その静電気のスパークにより火災
発生の原因となることがある。また、帯電した化粧シー
トは、塵埃やほこりが付着し易くなり、衛生的問題が生
じると共に、不良品の発生の原因となる。通常、空気中
の細菌やカビ等の微生物は、単独で存在することは殆ど
なく、ゴミ又は塵に付着して存在することが多いため、
帯電し易い従来の化粧シートは細菌やカビ等に汚染され
易くなる。
【0005】本発明は、これらの問題を解決するため
に、化粧シートの表面に帯電防止剤を含有する樹脂層を
形成して化粧シートの表面抵抗を減少し、静電気のスパ
ークによる火災発生を防止すると共に、ゴミや塵の付着
を防止する。更に、付着したゴミや塵は拭き取りや水洗
等により容易に除去できるようになるので、化粧シート
の表面は長期間にわたって清潔な状態を維持できるよう
になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、化粧シートの構成を以下のようにした。着色シート
基材、装飾層、透明樹脂層を積層した化粧シートにおい
て、該透明樹脂層がオレフィン系樹脂からなり、且つ帯
電防止剤を0.1〜1重量%含有し、該化粧シートの表
面抵抗値が1014Ω以下であることを特徴とする帯電防
止性化粧シートとした。また、前記着色シート基材が、
オレフィン系樹脂からなり、且つ少なくとも、着色剤、
帯電防止剤を含有している帯電防止性化粧シートとし
た。更に、前記帯電防止剤として界面活性剤を用い、該
界面活性剤が前記オレフィン系樹脂と適度の相溶性を有
し、オレフィン系樹脂内を移動できる性質を有するもの
を選定した。
【0007】即ち、化粧シートの表面の樹脂層を、帯電
防止剤を0.1〜1重量%含有する透明なオレフィン系
樹脂を用いて形成し、化粧シート表面の表面抵抗値が1
14Ω以下になるようにして、帯電防止性能を有する化
粧シートとしたものである。また、化粧シートの表面だ
けでなく、着色シート基材にも帯電防止剤を含有するオ
レフィン系樹脂を用いて化粧シートを作製し、帯電防止
性能を有する化粧シートとしたものである。そして、帯
電防止剤として、オレフィン系樹脂と適度の相溶性を有
し、オレフィン系樹脂内を自由に移動できる性質を有す
る界面活性剤を選定することにより、オレフィン系樹脂
に混練された界面活性剤が化粧シート表面にブリードア
ウトして、表面の帯電を防止できるようにしたものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照にしながら本
発明を詳細に説明する。図1は本発明の帯電防止性化粧
シートの一例を示した模式断面図である。図2は本発明
の帯電防止性化粧シートの別の態様で、表面の透明な樹
脂シートと着色シート基材の両方に帯電防止剤を含有す
る帯電防止性化粧シートの模式断面図である。図3は本
発明の帯電防止性化粧シートの更に別の態様で、帯電防
止剤を含有する透明な樹脂シートにエンボス模様を形成
した帯電防止性化粧シートの模式断面図である。図4は
帯電防止剤を含有する透明な樹脂シートと着色シート基
材を、接着剤を介して積層したときの帯電防止性化粧シ
ートの模式断面図である。図5は透明な樹脂シートと着
色シート基材の両方に帯電防止剤を含有させて、この両
方のシートを接着剤を介して積層したときの帯電防止性
化粧シートの模式断面図である。図6は本発明の帯電防
止性化粧シートを作製するときの一例を示した説明図で
ある。図7は実施例1により本発明の帯電防止性化粧シ
ートを作製するときの説明図である。図8は実施例2に
より本発明の帯電防止性化粧シートを作製するときの説
明図である。図9は実施例3により本発明の帯電防止性
化粧シートを作製するときの説明図である。図10は界
面活性剤をアニオン系、カチオン系、非イオン系、両性
系に分類した表である。
【0009】本発明の帯電防止性能を有する化粧シート
(以下単に帯電防止性化粧シートとする)1は、図1に
示すように、着色シート基材11、装飾層12、及び帯
電防止剤14を含有する透明なポリオレフィン系樹脂シ
ート(以下透明POシートとする)13から構成され
る。また、図2に示すように、着色シート基材にも帯電
防止剤を含有したものとして、帯電防止剤14を含有す
る着色したポリオレフィン系樹脂シート(以下着色PO
シートとする)11a、装飾層12、及び帯電防止剤1
4を含有する透明POシート13から構成される帯電防
止性化粧シート1とすることもある。更に、図3に示す
ように、帯電防止剤14を含有する透明POシートにエ
ンボス模様15を形成して帯電防止性化粧シート1とす
る場合もある。
【0010】また、図4に示すように、着色シート基材
と帯電防止剤を含有する透明POシートを接着剤を用い
てラミネートする仕様として、着色シート基材11、装
飾層12、接着剤層15、及び帯電防止剤14を含有す
る透明POシート13から構成される場合もある。更
に、接着剤を用いた仕様として、図5に示すように、帯
電防止剤14を含有した着色シート基材11、装飾層1
2、接着剤層15、及び帯電防止剤14を含有する透明
POシート13から構成されることもある。
【0011】以下に、本発明の帯電防止性化粧シートの
製造方法について説明する。先ず、図6(a)に示すよ
うに、着色シート基材11として、着色剤及び無機充填
剤等をブレンドした熱可塑性樹脂を用いて、押し出し加
工法、カレンダー法等により着色シートを作製する。次
いで、この着色シート基材11に、グラビア印刷等によ
り木目柄等を印刷して、図6(b)に示すように、装飾
層12を形成する。一方、図6(c)に示すように、ポ
リエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂
に帯電防止剤14を0.1〜1重量%の範囲で添加し、
この帯電防止剤を含有したポリオレフィン系樹脂を用い
て、押し出し加工法等によりシート化し、帯電防止剤1
4を含有した透明POシート13を作製する。次に、図
4(d)に示すように、前記装飾層12を設けた着色シ
ート基材11と帯電防止剤14を含有した透明POシー
ト13を、接着剤層16を介してドライラミネーション
法等により貼り合わせて、帯電防止性化粧シート1を作
製する。
【0012】また、前記と同様に、装飾層12を設けた
着色シート基材11と帯電防止剤14を含有した透明P
Oシート13を作製した後、この両者のシートをエンボ
スロールを用いてダブリングエンボス法によって積層
し、図3に示すように、表面にエンボス模様を形成した
帯電防止性化粧シート1を作製することもできる。
【0013】更に、本発明の別の態様として、前述のよ
うに、帯電防止剤と着色剤を添加したポリオレフィン系
樹脂を用いて、押し出し加工法等により、図6(a)に
示すように、着色POシート11aを作製し、この帯電
防止剤を含有した着色POシート基材11aに、図6
(b)に示すように、装飾層12を設ける。この着色P
Oシート11aの装飾層12側に、帯電防止剤14を含
有するポリオレフィン系樹脂を溶融押し出ししてラミネ
ートし、図2に示すような帯電防止性化粧シートを作製
することもできる。また、帯電防止剤14を含有した着
色POシート11aと帯電防止剤14を含有した透明P
Oシート13を別々に作製し、着色POシート11aに
装飾層12を設けた後、この両者のシートを接着剤層1
6を介して積層して、図5に示すような帯電防止性化粧
シート1を作製することもできる。
【0014】本発明における着色シート基材は、ポリオ
レフィン系樹脂シート又はフィルム(以下本発明におい
てシートという場合はフィルムも含むものとする)、或
いは紙等の繊維質シートが用いられる。ポリオレフィン
系樹脂シートの樹脂としては、ポリエチレン(以下PE
とする)、ポリプロピレンン(以下PPとする)、エチ
レン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテンー1共重
合体、プロピレン・ブテンー1共重合体、ポリブテンー
1、ブテンー1・プロピレン・エチレンの3元共重合
体、ブテンー1・ヘキセンー1・オクテンー1の3元共
重合体、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマー等が挙げられる。これらの樹脂は、単独
でも、二種以上混合してもよい。
【0015】本発明においては、上記ポリオレフィン系
樹脂に顔料又は染料からなる着色剤をブレンドし、この
着色樹脂を用いて押し出し加工等によりシートを作製
し、着色シートとして使用する。シートの厚さは50〜
500μm程度で、延伸シート、未延伸シートのいずれ
も使用可能であるが、Vカット加工等化粧シートの後加
工において、未延伸シートの方が成形適性等の点で優れ
ている。シートの着色は、用途に応じて、透明着色、不
透明(隠蔽)着色いずれでも使用可能であるが、一般的
には、被着体の表面を隠蔽する必要があり、不透明着色
が好ましい。
【0016】また、着色シート基材には、必要に応じ
て、炭酸カルシウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、
硫酸バリウム等の体質顔料(充填剤)、又は発泡剤、難
燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等を添加する場合があ
る。上記着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、
朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラッ
ク等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエロー
A、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシ
アニンブルー等の有機顔料或いは染料、アルミニウム、
真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸
亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。
【0017】上記ポリオレフィン系樹脂は、それ自体で
も使用されるが、ポリオレフィン樹脂に柔軟性、耐衝撃
性、易接着性を付与するために、好ましくは各種ゴム類
を添加する場合がある。ゴム類としては、ジエン系ゴ
ム、水素添加ゴム、ポリオレフィン系エラストマー等で
あるが、中でも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。
【0018】水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分
子の二重結合の少なくとも一部に水素原子を付加させて
なるもので、ポリオレフィン系樹脂の改質剤として使用
され、ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、
透明性をアップさせる役割がある。一般に、ポリオレフ
ィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの
二重結合のために、耐候性、耐熱性は無添加のポリオレ
フィン系樹脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴ
ムの二重結合を水素添加で飽和させるため、ポリオレフ
ィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下もなく良好なものと
なる。
【0019】上記ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴ
ム等がある。本発明の目的からは、スチレン・ブタジエ
ンゴムが好ましい。添加量としては、ポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、1〜90重量部程度がよ
い。添加量が1重量部未満だと、ゴム添加による弾性、
伸び率、耐衝撃性が不足し、Vカット加工、絞り加工等
の折り曲げ加工の際に、亀裂、割れを生じ易くなり、ジ
エン系ゴムの添加効果が出ない。また、添加量が90重
量部を超えると、弾性、伸び率が大きくなり過ぎて、印
刷時の見当合わせが困難となり好ましくない。
【0020】ポリオレフィン系エラストマーとしては、
2種類又は3種以上のオレフィンと共重合しうるポリエ
ンを少なくとも1種加えた弾性共重合体であり、オレフ
ィンはエチレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用
され、ポリエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジ
エン、ノルボルネン等が使用される。好ましいオレフィ
ン系共重合体としては、例えば、エチレン・プロピレン
共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴ
ム、エチレン・ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィン
を主成分とする弾性共重合体が挙げられる。ポリオレフ
ィン系エラストマーの添加量としては、基材中に10〜
60重量%、好ましくは30重量%程度である。10重
量%未満では、一定荷重時伸度の変化が急峻になり過
ぎ、また破断時伸度、耐衝撃性の低下が生じる。添加量
が60重量%を超えると透明性、耐候性及び耐クリープ
性が低下する。
【0021】更に、本発明の基材シートとして好ましも
のは、高密度ポリエチレン樹脂、熱可塑性性エラストマ
ー、着色剤及び無機充填剤からなるシートが挙げられ
る。上記高密度ポリエチレントしては、比重が0.94
〜0.96のポリエチレンであって、低圧法で製造され
て結晶化度が高く、分子に枝分かれの少ない分子構造の
ものが用いられる。また、上記熱可塑性エラストマーと
しては、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、ポリオ
レフィン系エラストマー等が用いられる。熱可塑性エラ
ストマーの添加量としては、基材中に10〜60重量
%、好ましくは30重量%程度である。10重量%未満
では、一定荷重時伸度の変化が急峻になり過ぎ、また、
破断時伸度、耐衝撃性の低下が生じる。添加量が60重
量%を超えると透明性、耐候性及び耐クリープ性が低下
する。
【0022】高密度ポリエチレンに添加する無機充填剤
としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タ
ルク等の粉末が用いられる。添加量としては、基材シー
ト中に5〜60重量%、好ましくは30重量%程度であ
る。5重量%未満では耐クリープ変形性及び易接着性が
低下し、60重量%を超えると破断時伸度、耐衝撃性の
低下が生じる。着色剤としては、前記と同様のものが用
いられる。
【0023】前記ポリオレフィン系樹脂には、着色剤、
各種ゴム類又はポリオレフィン系エラストマー、無機充
填剤等を添加して樹脂混合物とし、この樹脂混合物を用
いて押し出し法、又はカレンダー法等の公知の方法に従
ってシート化し、不透明な着色POシートを作製する。
着色POシートの厚さは50〜500μmの範囲で使用
されるが、好ましくは100〜200μm程度である。
【0024】本発明に用いられる上記着色POシートの
表面には、印刷インキ、透明なPOシート、接着剤との
接着力を向上するために、コロナ放電処理、プラズマ処
理、易接着層の形成等の易接着性処理が施される。易接
着層(プライマー層或いはアンカー層ともいう)として
は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン
等の樹脂を溶媒に溶解した塗工液が使用されるが、特に
ポリウレタン樹脂を用いたものが望ましい。上記樹脂を
溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布、乾燥して
易接着層とする。
【0025】基材シートとして用いられる繊維質シート
としては、坪量50〜150g/m2 の紙、織布、又は
不織布からなるシートが挙げられる。その厚さは用途に
応じて、50〜300μmの範囲から選択することがで
きる。繊維質シートを構成する繊維質素材としては、セ
ルロースパルプ、麻、木綿、等の天然繊維、ナイロン、
ポリプロピレン、ポリエステル等の有機質系の合成繊
維、石綿、ガラス、石英、カーボン、チタン酸カリウム
等からなる無機系の繊維が挙げられる。尚、セルロース
パルプ繊維を用いた繊維質基材シートは、所謂、紙であ
り、具体的には、上質紙、クラフト紙、和紙等が挙げら
れる。基材シートが有機質繊維シートの場合は、難燃剤
として、水酸化アルミニウム粉末、又はアジリジニルホ
スフィンオキシド等のリン酸化合物等を混抄して、難燃
処理が施される。
【0026】着色シート基材には、片面に印刷等により
装飾層が形成される。装飾層としては、印刷による印刷
模様、エンボス加工によるエンボス模様、ヘアライン加
工による凹凸模様があり、更に、凹凸模様の凹部に公知
のワイピング加工法によって着色インキを充填して装飾
層を形成することもできる。印刷模様としては、木目
柄、石目柄、布目柄、皮絞模様、幾何学図形、文字、記
号、各種抽象模様、或いは全面ベタ印刷等がある。全面
ベタ印刷の隠蔽層は化粧シートを貼付する被着体の表面
状態によって省略されることがある。
【0027】模様印刷のインキとしては、印刷基材(着
色POシート又は透明なPOシート)の材質や形態によ
って異なるが、一般的には、硝化綿、酢酸セルロース、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等
の単独重合体、又は他のモノマーとの重合体をビヒクル
とし、これと通常の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、
硬化剤、添加剤、溶剤等からなるインキが使用される。
特に、本発明の化粧シートには、耐熱性、耐候性に優れ
たインキが、用途に応じて適宜選定される。
【0028】模様の印刷としては、グラビア印刷、凹版
印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シル
クスクリーン印刷、静電印刷、インクジェット印刷等通
常の印刷方式が使用できる。もしくは、別に離型性シー
ト上に一旦絵柄模様を形成して転写シートを作成し、得
られた転写シートからの転写印刷方式によって模様印刷
を転写して設けてもよい。また、印刷模様の代りに、ア
ルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を真空蒸着、
スパッタリング等によって、着色シート基材又は透明な
POシートに、金属薄膜を全面又は部分的に形成して装
飾層とすることもできる。
【0029】本発明における透明なオレフィン系樹脂層
(透明POシート)としては、ポリオレフィン樹脂を主
成分とするものが使用される。透明POシートの樹脂と
しては、ポリエチレン(以下PEとする)、ポリプロピ
レンン(以下PPとする)、エチレン・プロピレン共重
合体、エチレン・ブテンー1共重合体、プロピレン・ブ
テンー1共重合体、ポリブテンー1、ブテンー1・プロ
ピレン・エチレン3元共重合体、ブテンー1・ヘキセン
ー1・オクテンー13元共重合体、ポリメチルペンテ
ン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げら
れる。これらの樹脂は、単独でも、二種以上混合しても
よい。
【0030】上記ポリオレフィン系樹脂は、それ自体で
も使用されるが、ポリオレフィン樹脂に柔軟性、耐衝撃
性、易接着性を付与するために、好ましくは各種ゴム類
を添加する場合がある。ゴム類としては、ジエン系ゴ
ム、水素添加ゴム、オレフィンエラストマー等である
が、中でも水素添加ジエンゴムが好ましい。水素添加ジ
エン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくと
も一部に水素原子を付加させてなるもので、ポリオレフ
ィン系樹脂の改質剤として使用され、 オレフィン樹脂
の結晶化を抑え、柔軟性、透明性をアップさせる役割が
ある。
【0031】一般に、ポリオレフィン系樹脂にジエン系
ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合のために、耐
候性、耐熱性は無添加のポリオレフィン系樹脂より低下
するが、本発明では、ジエン系ゴムの二重結合を水素添
加で飽和させるため、ポリオレフィン系樹脂の耐候性、
耐熱性の低下もなく良好なものとなる。ポリオレフィン
系樹脂に添加する各種ゴム類、及びポリオレフィン系熱
可塑性エラストマーとしては、着色シート基材に用いら
れる前述の各種ゴム類、及びポリオレフィン系エラスト
マーが使用できる。
【0032】本発明における透明POシートの好ましい
樹脂としては、アタクティックポリプロピレンとアイソ
タクティックポリプロピレンとの混合系からなる複合構
造を有する無色又は着色透明な軟質ポリプロピレン樹脂
が使用される。アタクティックポリプロピレンは、公知
の方法(特開昭63ー243106号公報)によって製
造することができる。具体的には、(イ)マグネシウ
ム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分と
して含有する固体触媒成分、(ロ)有機アルミニウム化
合物、及び(ハ)下記の一般式
【0033】
【化1】 〔式中のR1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 は1
〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基、mは1〜6
の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数である〕で表
されるアルコキシ基含有芳香族化合物の組み合わせから
なる触媒の存在下で、プロピレンを重合させることによ
り、所望のアタクティックポリプロピレンを得ることが
できる。
【0034】そして、アタクティックポリプロピレン
は、沸騰ヘプタンに可溶性であり、数平均分子量(M
n)が25,000以上、好ましくは30,000〜6
0,000の範囲にあり、且つ重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以
下、好ましくは2〜6の範囲のものが用いられる。ま
た、アイソタクティックポリプロピレンは、メルトフロ
ーレイト(MFR)が0.1〜4g/10分で、沸騰ヘ
プタンに不溶性であるものが使用される。
【0035】上記アタクティックポリプロピレンとアイ
ソタクティックポリプロピレンの混合物からなる軟質ポ
リプロピレンシート(以下軟質PPシートとする)は、
破断伸び(TB )が400%以上、好ましくは500〜
700%、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が8
0%以下、好ましくは50〜75%、及び破断時応力
(MB )と降伏時応力(MY )との比MB /MY が1.
0以上、好ましくは1.5〜3.5の範囲にあることが
望ましい。これらの力学的特性が前記範囲を逸脱すると
本発明の目的が十分に達成されなくなる。
【0036】上記軟質PPシートを構成するアタクティ
ックポリプロピレンは、数平均分子量(Mn)が25,
000未満のものやMw/Mn比が7を超えるものは、
該アタクティックポリプロピレンの力学的特性が十分発
揮されず、得られたPPシートの破断時応力(MB )と
降伏時応力(MY )との比MB /MY が1.0未満とな
り、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が80%を
超えたりして、本発明の目的が達成されない。また、ア
イソタクティックポリプロピレンのMFRが0.1未満
では溶融特性が低く、シート成形が困難になる。また、
MFRが4g/10分を超えると機械的強度が不十分と
なってVカット加工適性が低下する。
【0037】上記アタクティックポリプロピレンは、プ
ロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンの単
量体と40重量%以下の他の炭素数2〜30のα−オレ
フィン単位とを含有するプロピレン共重合体であっても
よい。また、アタクティックポリプロピレンは1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0038】また、上記アイソタクティックポリプロピ
レンは、立体規則性を有するプロピレンの単独重合体で
あってもよく、該立体規則性を有するプロピレンと他の
α−オレフィンとの共重合体であってもよい。この共重
合体に用いられる他のα−オレフィンとしては、例え
ば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1、ヘプテン−1、オクテン−1等が好ましく、中で
も、エチレン及びブテン−1が好適である。また、共重
合体としては、前記の他のα−オレフィン単位を通常4
0重量%以下、好ましくは30重量%以下含有するブロ
ック共重合体やランダム共重合体が用いられる。アイソ
タクティックポリプロピレンの好ましいものとしては、
プロピレン単独重合体、及びエチレン単位1〜30重量
%、好ましくは3〜25重量%を含有するプロピレンと
エチレンとのランダム共重合体又はブロック共重合体が
挙げられる。このようなアイソタクティックポリプロピ
レンの製造方法については特に制限はなく、従来、結晶
性ポリプロピレンの製造と同様に行うことができる。
【0039】本発明に使用される透明な軟質PPシート
において、アイソタクティックポリプロピレンとアタク
ティックポリプロピレンの混合割合は、アタクティック
ポリプロピレンが10〜90重量%、好ましくは25〜
80重量%であり、これに対してアイソクタティクポリ
プロピレンは90〜10重量%、好ましくは75〜20
重量%である。(詳細には、例えば、特公平6ー232
78号公報に記載されている。) アタクティックポリプロピレンが10重量%未満では、
樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなり過ぎて、破断時
応力(MB )と降伏時応力(MY )との比MB/MY
1.0未満となり、且つ100%伸長後の残留伸び(P
100 )も80%より大きくなって、本発明の目的が達
成されない。一方、アタクティックポリプロピレンが9
0重量%を超えると、破断時応力(MB )が小さくなり
過ぎて、破断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との
比MB /MY が1.0未満となり、且つ機械的強度が低
下し、やはり本発明の目的が達成されない。
【0040】軟質PPシートにおけるアタクティックポ
リプロピレンとアイソタクティックポリプロピレンとの
特に好ましい混合比率はは1:1であり、アイソタクテ
ィックポリプロピレン成分の比率が高くすると、得られ
る軟質ポリプロピレンのヤング率が高くなる。このブレ
ンドポリプロピレンには、化粧シートの表面層として求
められる機能を補強するために、各種添加剤、補強材、
充填剤、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等が添加される。
【0041】紫外線吸収剤、光安定剤は、樹脂により耐
候性(耐光性)を付与するためのものであり、その添加
量は紫外線吸収剤、光安定剤、共に0.01〜1.5重
量%程度である。一般的に、紫外線吸収剤と光安定剤と
を併用するのが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベン
ゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル
等の有機物、又は、0.2μm以下の微粒子状の酸化亜
鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いること
もできる。安定剤としては、ビス−(2,2,6,6,
−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒ
ンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカ
ル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0042】上記アイソタクティックポリプロピレンと
アタクティックポリプロピレンの混合系からなる軟質ポ
リプロピレンに紫外線吸収剤、光安定剤等各種添加剤を
添加した混合物をカレンダー法等の公知の方法に従って
製膜して、無色又は着色透明な軟質PPシートを作製す
る。軟質PPシートの厚さは50〜200μmの範囲で
使用されるが、好ましくは80〜100μm程度であ
る。この透明PPシートの着色シート基材(着色POシ
ート)との接触面には、好ましくは、着色POシートの
場合と同様に、コロナ放電処理、プラズマ処理、易接着
層の形成等の易接着性処理が施される。
【0043】上記の着色POシートと透明な軟質PPシ
ートは、一般的には、ドライラミネーション法により接
着剤によって積層される。ドライラミネーション法によ
る代表的な接着剤としては、イソシアネートを硬化剤と
する二液硬化型ポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂が
使用されるが、その他に、ゴム系樹脂やポリエステル樹
脂等も使用される。また、溶融押し出し法(エクストル
ージョン法)や熱プレスによる熱融着法等によりラミネ
ートすることもできる。装飾処理が着色POシートに設
けられた場合は、表面の透明PPシート側から接着層を
通して装飾層が見える必要があり、接着層に透明性が要
求される。しかし、装飾処理が透明な軟質PPシートの
裏面に設けられた場合は、接着層は透明でも、不透明で
もどちらでもよい。
【0044】エンボス加工は、従来公知のエンボス加工
法がすべて利用できるが、例えば、通常の熱プレス方式
の枚葉又は輪転式エンボス機が用いられる。また、印刷
した着色POシートと透明PPシートを熱ラミネートす
るときに、エンボス版を用いて同時に表面の透明PPシ
ートにエンボス加工を施す、所謂ダブリングエンボス方
式により凹凸を形成することもできる。エンボス凹部の
深さは、エンボスによって表現される模様等によって異
なるが、化粧シート表面に良好な凹凸感を表現するに
は、30〜80μm程度が好ましい。
【0045】エンボス模様は木目の導管溝、浮造木目板
の年輪凹凸等の木材表面のテクスチュアーを表現したも
の、塗装板の艶状態を再現したもの、又はそれらを組み
合わせたもの、その他、ヘアライン、砂地、梨地、抽象
パターンや、御影石板等の石材板表面のテクスチュアー
を表現する石目パターン、布帛の表面テクスチュアーを
表現する布目パターン、皮革面のテクスチュアーを表現
する皮絞パターン等を用いることができる。
【0046】前記エンボス凹部に充填されるワイピング
インキとして使用される着色インキは、ウレタン樹脂、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、その他常用のインキ
のビヒクルに、通常の顔料、染料等の着色剤、体質顔
料、硬化剤、添加剤、溶剤等からなるインキの中から、
用途に応じて選定されるが、二液硬化型のインキが密着
性、耐溶剤性の点で好ましい。また、ワイピング法は、
ドクターブレード法、ロールコート法等、従来から使用
されている公知のワイピング法のいずれによってもよ
い。
【0047】本発明に使用する帯電防止剤は、これを樹
脂に使用する際の選択基準として以下のようなことが考
慮される。帯電防止能に持続性があること、成形加
工温度(140〜350℃)で安定であること、樹脂
の熱分解を助長しないこと、樹脂と適度に相溶し、成
形後しみ出しが少ないこと、少量(0.1〜3.0P
HR)で効果があること、毒性が少なく、安価である
こと、耐水性であること、その他印刷性、接着性等
の性能を損なわないこと等であり、その他必要に応じ
て、色調、透明性等も考慮する。代表的な帯電防止剤と
しては、界面活性剤、導電性物質(固体)の箔粉からな
る導電性充填剤がある。
【0048】通常、界面活性剤の場合、水溶性の帯電防
止剤が多く、そのため水洗すると表面の帯電防止剤が消
失するが、時間の経過とともに再び表面にしみ出すの
で、持続性のある防止能が得られる。このしみ出し性は
帯電防止剤とプラスチックとの相溶性、及びプラスチッ
クのガラス転移温度(Tg)に最も大きく影響される。
相溶性が良好であれば、表面へのしみ出しが少なく、均
一に分散するため、帯電防止能が現れる濃度に達しにく
い。
【0049】一方、相溶性が悪い場合は、表面へのベタ
ツキ及び粉吹き現象を引起こすことになる。また、極端
に相溶性の悪い場合は練り込みが不可能となる。従っ
て、帯電防止剤とプラスチックとの適度な相溶性が帯電
防止能の決め手となる。この相溶性のバランスは、一般
に溶解パラメータ(SP値)を用いて予測されている。
即ち、SP値の近いもの同士は相互に溶解し、SP値の
差の大きいものほど互いの溶解性は低下すると考えら
れ、一応の目安として使用している。
【0050】表面へのしみ出し速度はプラスチックのT
gを境に大きく変化する。Tgが室温より低いポリオレ
フィンやフッ素系樹脂の場合、ポリマー分子は室温でも
セグメントが熱運動をしており、この運動によって帯電
防止剤の表面への移行は容易になる。一方、Tgが室温
より高い硬質ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、
ABS樹脂等は室温においてセグメント運動は凍結され
ており、帯電防止剤の表面への移行は非常に困難であ
る。前者の場合、表面洗浄、摩擦等により帯電防止剤が
消失しても短時間に帯電防止能が回復するが、後者の場
合、帯電防止剤が除去されると内部からのしみ出しが殆
どなく帯電防止能の回復は期待できない。
【0051】帯電防止剤(界面活性剤)は、図10に示
すように、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性
系に分類される。その中でもカチオン系帯電防止剤は最
も有効なものであるが、ポリ塩化ビニルの分解を促進す
るので、その使用には注意を要する。非イオン系帯電防
止剤はカチオン系に比して効果が劣り、同等の効果を得
るには2倍近く用いなければならないが、問題が少ない
ので多用される。しかし、使用量が多い場合には物性の
低下とともに表面へのしみ出しがひどく、二次汚染を生
じることがあるので注意を要する。内部用帯電防止剤は
プラスチックの種類、他の配合剤の種類、成形方法(射
出成形、押出し成形、ブロー成形、真空成形、カレンダ
ー加工等)、及び成形条件等によっても効果が異なるの
で、使用にあたっては帯電防止剤の種類及び量の選択が
重要である。
【0052】また、導電性充填剤としては、アルミニウ
ム、ニッケル、銀、銅等の金属、ITO(酸化インジウ
ム錫)、黒鉛等の物質からなり、形状は、鱗片状、箔
片、略球状粒子、或いは短繊維等である。但し、これら
の導電性充填剤は、一般に着色しており、透明性も低い
ため、成形物の外観意匠を問題にする場合は、その点を
考慮して選択する必要がある。
【0053】本発明の帯電防止性化粧シートは、他の被
着体(裏打材)に積層することもできる。被着体として
は各種素材の平板、曲面板等の板材、シート(或いはフ
ィルム)、或いは各種立体形状物品(成形品)が対象と
なる。本発明の帯電防止性化粧シートは、各種被着体に
積層し、所定の成形加工等を施して、各種の用途に使用
される。例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、浴
室、洗面所、厨房等で用いる住設機器、窓枠、扉、手す
り等の建具の表面化粧、机、食卓、箪笥等の家具又は弱
電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車
等の車両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に利用
できる。そのために、帯電防止性化粧シートが直接素材
等に接着できない場合は、適当な易接着層又は接着剤層
を介して被着体に接着する。しかし、帯電防止性化粧シ
ートが熱融着等で被着体に接着可能な場合は、易接着層
又は接着剤層は省略してもよい。
【0054】被着体として、板材或いはシート(フィル
ム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニ
ウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、
フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、
ゴム等の樹脂が挙げられる。被着体として専ら板材、或
いは立体形状物品として用いられる素材としては、ガラ
ス、陶磁器等のセラミックス、ALC(発砲軽量コンク
リート)等のセメント、硅酸カルシウム、石膏等の被セ
メント窯業系材料が挙げられる。被着体として専らシー
ト(或いはフィルム)として用いられる素材としては、
上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、
ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等が
挙げられる。
【0055】これら各種被着体への積層方法としては、
例えば、次の〜の方法を挙げることができる。即
ち、 接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加
圧して積層する方法、 特公昭50−19132号公報、特公昭43−27
488号公報等に記載されるように、化粧シートを射出
成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型の
ゲートから溶融樹脂を射出充填した後、冷却して樹脂成
形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層す
る、いわゆる射出成形同時ラミネート法、 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58
014号公報等に記載されるように、化粧シートを成形
品の表面に接着剤を介して対向なしいは載置し、成形品
側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形
品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法、 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666
号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基
材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供
給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状体
を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して
積層してゆく、いわゆるラッピング加工方法、 実公大15−31122号公報、特開昭48−47
972号公報等に記載されるように、先ず化粧シートを
板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の
化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材と
の界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削
し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り
曲げ、箱体又は柱状体を成形するいわゆる、Vカット又
はUカット加工方法等が挙げられる。
【0056】特に、本発明の帯電防止性化粧シートを凹
凸立体物に貼り合わせる方法としては、前記方法の中
で、ラッピング加工法、Vカット加工法、射出成形同時
ラミネート法、真空成形同時ラミネート法等が好まし
い。
【0057】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明する。 (実施例1)図7(a)に示すように、着色シート基材
11として、坪量30g/m2 の紙間強化紙(三興製紙
(株)製「FIX30」)を使用し、これに、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体とアクリル系樹脂からなるイン
キ(昭和インク工業(株)製)を用いてグラビア印刷
し、図7(a)に示すように、装飾層12を形成して印
刷着色シートを作製した。一方、ポリオレフィン系樹脂
(住友化学(株)製「VL200」)にアルキルアミン
誘導体を主成分とする界面活性剤(松本油脂製薬(株)
製「TB−104」)を0.7重量%添加した樹脂を用
いて、押し出し機にてTダイ法によりシートを作製し
て、図7(b)に示すように、厚さ500μmの界面活
性剤14aを含有する透明POシート13を得た。
【0058】次に、図7(c)に示すように、上記着色
シート基材11の装飾層12側と透明POシート13を
ウレタン系接着剤16を用いて積層し、帯電防止性化粧
シート1を作製した。この帯電防止性化粧シート1の表
面抵抗値は5×1011Ωであった。そのため、上記帯電
防止性化粧シート1を用いて、グラビア印刷機にて透明
保護層を印刷した場合、約800Vにしか帯電しなかっ
た。
【0059】(実施例2)着色POシート11aとし
て、厚さ100μmの着色ポリオレフィン系樹脂シート
(タツノ化学(株)製「タフパー」)を使用し、これに
ウレタン系インキ(昭和インク工業(株)製)を用いて
グラビア印刷して装飾層12を形成し、図8(a)に示
すように、印刷着色POシートを作製した。その着色P
Oシート11aの装飾層12側に、界面活性剤(花王
(株)製「エレクトロストリッパーTS」を0.3重量
%添加したポリオレフィン系樹脂(出光石油化学(株)
製「E−940」)を、押し出し機にてTダイ法により
押し出しラミネートし、図8(b)に示すように、表面
に界面活性剤を含有する透明POシートを有する積層シ
ートを作製した。更に、木目導管のエンボス模様を形成
したエンボスロールを用いて、上記積層シートを加熱、
加圧して、図8(c)に示すように、積層シートの透明
POシート13側にエンボス模様15を形成して、エン
ボス模様15を有する帯電防止性化粧シート1を作製し
た。この帯電防止性化粧シートの表面抵抗値は3×10
13Ωであった。
【0060】(実施例3)着色シート基材として、高密
度ポリエチレンをベースにして、これに熱可塑性エラス
トマー、無機充填剤、着色顔料等を添加した樹脂混合物
に、実施例2で用いた界面活性剤を0.5重量%添加
し、これを押し出し機にてTダイ法により押し出し、図
9(a)に示すように、厚さ200μmの着色POシー
ト11aを作製した。この界面活性剤14aを含有した
着色POシート11aに、コロナ放電処理を施した後、
ウレタン系インキ(昭和インク工業(株)製)を用いて
グラビア印刷して装飾層12を形成し、図9(b)に示
すように、印刷着色POシートを作製した。
【0061】一方、実施例2と同様に、ポリオレフィン
系樹脂に界面活性剤を0.7重量%添加した樹脂を用い
て、厚さ100μmの界面活性剤14aを含有する透明
POシート13を作製した。次に、図9(d)に示すよ
うに、上記着色POシート11aと透明POシート13
をウレタン系接着剤を用いて積層し、着色POシート1
1aと透明POシート13の両方に界面活性剤を含有す
る帯電防止性化粧シート1を作製した。この帯電防止性
化粧シート1の表面抵抗値は5×1011Ωであった。
【0062】(比較例1)透明POシートに帯電防止剤
を添加しない以外は、実施例1と同様に化粧シートを作
製して比較例1とした。 (比較例2)透明POシートに帯電防止剤を添加しない
以外は、実施例2と同様に化粧シートを作製して比較例
2とした。
【0063】(帯電防止性能試験)実施例1、2、3及
び比較例1、2で作製した化粧シートについて、表面抵
抗値及びゴミの付着量を測定した。表面抵抗はJIS−
K−6911に準拠して測定し、ゴミの付着量は、各実
施例及び各比較例で作製した化粧シートを5cm×5c
mの寸法に裁断して試験片とし、各試験片の透明POシ
ート13(実施例の場合、帯電防止剤を含有する透明P
Oシートを示す)側を、紙((株)クレシヤ製造のJK
ワイパー(商標))にて10往復擦り、煙草の灰を一面
に敷き詰めたガラス板表面に、各試験片の透明POシー
ト13側を漸次接近させ、灰の付着状況を目視で観察し
た。試験は20℃、60%RHの雰囲気で行った。ま
た、実施例1、2、3及び比較例1、2で作製した化粧
シートの巻き取りを用いて、グラビア印刷機にて化粧シ
ートの透明POシート側にオーバープリントコートを行
う際に、ウェッブに発生した帯電電圧を測定した。
【0064】(試験結果)結果は表2に示すとおりで、
実施例で作製した帯電防止性化粧シートはいずれも帯電
防止効果が優れており、作業工程中のトラブルもなく、
また、ゴミの付着量も少なかった。従って、本発明の帯
電防止性化粧シートは、ウェッブ状態でグラビア印刷す
る場合、帯電防止効果により、帯電電圧が少なくなり、
印刷工程中にスパークする恐れがなく、高速で印刷する
ことができた。また、ゴミの付着量が少なく、且つ付着
したゴミも容易に取り除くことができることから、ゴミ
の付着に起因する不良品の発生を殆どなくすることがで
きた。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の帯電防止性化粧シートは、表面
抵抗が少なく、且つウェッブによる印刷工程中において
も帯電電圧が小さいため、ワイピング加工やオーバープ
リント等の後工程において、静電気による火災の発生の
恐れがなくなり、作業能率が向上する。また、本発明の
帯電防止性化粧シートは、プラスチック、紙、木材、金
属板、無機系素材等あらゆる基材に貼付することによ
り、その表面に帯電防止性能を付与することができるの
で、衛生的な環境を必要とする場所で使用される各種備
品(電気製品、キャビネット、各種器具等)に対し、帯
電防止性能を付与するには非常に有効な手段である。例
えば、本発明の帯電防止性化粧シートを用いて化粧鋼板
を作製し、この化粧鋼板を、病院の間仕切り、衝立、手
摺等に利用した場合は、ゴミの付着量を少なくすること
ができると共に、拭き取り等で容易に付着したゴミを除
去することができるので、何時も清潔な状態を維持する
ことができる。更に、着色ポリオレフィン系樹脂よりな
る基材シートに、無色又は着色透明な軟質ポリプロピレ
ン系樹脂よりなる表面シートを積層した本発明の帯電防
止性化粧シートは、これを被着体に積層し、該化粧材に
Vカット加工を施しても、表面シートに亀裂が生じた
り、白化したりする虞れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止性化粧シートの一例を示した
模式断面図である。
【図2】本発明の別の態様で、表面の透明樹脂シートと
着色シート基材の両方に帯電防止剤を含有する帯電防止
性化粧シートの模式断面図である。
【図3】本発明の更に別の態様で、帯電防止剤を含有す
る透明な樹脂シートにエンボス模様を形成した帯電防止
性化粧シートの模式断面図である。
【図4】帯電防止剤を含有する透明な樹脂シートと着色
シート基材を、接着剤を介して積層したときの帯電防止
性化粧シートの模式断面図である。
【図5】透明な樹脂シートと着色シート基材の両方に帯
電防止剤を含有させて、この両方のシートを接着剤を介
して積層したときの帯電防止性化粧シートの模式断面図
である。
【図6】本発明の帯電防止性化粧シートを作製するとき
の説明図である。
【図7】実施例1により帯電防止性化粧シートを作製す
るときの説明図である。
【図8】実施例2により帯電防止性化粧シートを作製す
るときの説明図である。
【図9】実施例3により帯電防止性化粧シートを作製す
るときの説明図である。
【図10】界面活性剤をアニオン系、カチオン系、非イ
オン系、両性系に分類した表である。
【符号の説明】
1 帯電防止性化粧シート 11 着色シート基材 11a 着色POシート 12 装飾層 13 透明POシート 14 帯電防止剤 14a 界面活性剤 15 エンボス模様 16 接着剤層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色シート基材、装飾層、透明樹脂層を
    積層した化粧シートにおいて、該透明樹脂層がオレフィ
    ン系樹脂からなり、且つ帯電防止剤を0.1〜1重量%
    含有し、該化粧シートの表面抵抗値が1014Ω以下であ
    ることを特徴とする帯電防止性化粧シート。
  2. 【請求項2】 前記着色シート基材が、オレフィン系樹
    脂からなり、且つ少なくとも、着色剤、帯電防止剤を含
    有していることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止
    性化粧シート。
  3. 【請求項3】 前記帯電防止剤が界面活性剤であり、該
    界面活性剤が前記オレフィン系樹脂と適度の相溶性を有
    し、オレフィン系樹脂内を移動できる性質を有すること
    を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の帯電防止性
    化粧シート。
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Cited By (6)

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