JP3545246B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡体シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文具用、各種ケース類用、包装用、家具用等として使用されるオレフィン系樹脂からなる発泡シート及び積層体、詳しくは、柔軟性のあるオレフィン系樹脂発泡シート及び積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、文具用、各種ケース類用、包装用、家具等として、いろいろな合成樹脂からなる発泡体シート及び積層体が使用されている。従来、ポリ塩化ビニル樹脂やポリウレタン樹脂からなる発泡体シート及び積層体が主に使用されていた。これらのシートは、表面に凹凸模様付して立体的な意匠を施したり、表面にプリント柄等を施したりして、擬皮革として使用されている。
【0003】
しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂を用いた場合、含有する可塑剤がシミだしてきて黄変したり、べとつきが発生したりする問題があるほか、耐寒性や耐油性に劣るという問題がある。また、可塑剤を多量に使うために、シートの表面が汚れやすく、汚れを落としにくいという問題があった。
【0004】
また、ポリウレタン樹脂を使用した場合、可塑剤のシミだしなどの問題はないが、長時間使用していたり、高温多湿の条件下で使用していると加水分解反応が進んでしまい、脆くなりやすく、耐久性に問題があった。
そこで、さらに、このような発泡体シート及び積層体の使用用途が広がり、従来にない物性や特性を有したものが必要とされてきている。
そこで、オレフィン系樹脂よりなる発泡体シート及び積層体がが注目されるようになってきている。使用されるオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンープロピレン共重合体などの使用がされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなオレフィン系樹脂よりなる発泡体シート及び積層体は、肌触り感等において、硬さを感じてしまいうために、従来のポリ塩化ビニル樹脂やポリウレタン樹脂を使用したものと比較して、風合いの劣るものであり、用途的にも制限されるものであった。
【0006】
また、発泡シートが硬いために、表面に凹凸模様などの加工をした場合に、凹凸が入り難く、加工時間が長くかかってしまい作業性が悪く、得られた凹凸模様もポリ塩化ビニル樹脂やポリウレタン樹脂を使用した場合より劣るものであった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、ポリオレフィン樹脂を使用したポリオレフィン系樹脂発泡体シート及びそのシートを使用した積層体において、風合い等において従来のポリ塩化ビニル樹脂やポリウレタン樹脂を使用したと同等なもので、経時変化が少なく、耐光性及び耐久性の面で優れた発泡体シート及びそのシートを使用した積層体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体シートは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対してJIS A 硬度計にて60以下のポリオレフィン系ゴム50〜300重量部を添加した基材樹脂を使用し、その後発泡倍率を3〜15倍にしたポリオレフィン系樹脂発泡体シートに、基布層及び表皮層の少なくといずれか1層を設けることを特徴とするものである。

【0008】
また、本発明のポリオレフィン系樹脂として、柔軟性が良く、発泡性の良いため共重合体樹脂が好ましく、更に好ましくは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−ハイアルファオレフィン共重合体樹脂の少なくとも1種類を使用することが望ましい。
【0009】
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、酢酸ビニル成分が5〜30重量%のもの、特に得られる発泡体シートの発泡性及び風合い(軟らかさ)を考慮すると15〜30重量%のものが好適である。30重量%を越えると、熱変形性が大きくなる傾向があり、また、コスト面でも好ましくない。
勿論、このエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、酢酸ビニル含有量が異なるものを混合したものであってもよい。また、得られる発泡体シートの特性を損なわない範囲であれば、エチレン及び酢酸ビニル以外の単量体成分が共重合したものであっても差し支えない。
【0010】
また、このエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂としては、例えば、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂等であり、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル成分が5〜30重量%のもの、特に得られる発泡体シートの発泡性及び風合い(軟らかさ)を考慮すると15〜30重量%のものが好適である。30重量%を越えると、熱変形性が大きくなる傾向があり、また、コスト面でも好ましくない。
勿論、このエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂としては、エチレンと共重合する(メタ)アクリル酸エステルの種類やその含有量等が異なるものを混合したものであってもよい。
また、得られる発泡体シートの特性を損なわない範囲であれば、エチレン及び(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体成分が共重合したものであっても差し支えない。
【0011】
また、エチレン−ハイアルファオレフィン共重合体樹脂としては、例えば、エチレン−ヘキセン共重合体樹脂、エチレン−オクテン共重合体樹脂等があり、好ましくは、炭素数が6以上のハイアルファオレフィンが5〜30重量%のもの、特に得られる発泡体シートの発泡性及び風合い(軟らかさ)を考慮すると15〜30重量%のものが好適である。30重量%を越えると、熱変形性が大きくなる傾向があり、また、コスト面でも好ましくない。
勿論、このエチレン−ハイアルファオレフィン共重合体樹脂としては、エチレンと共重合するハイアルファオレフィン樹脂の種類やその含有量等が異なるものを混合したものであってもよく、炭素数が6未満のものが含まれていても、6以上のものが5〜30重量%であればよい。
また、得られる発泡体シートの特性を損なわない範囲であれば、エチレン及びハイアルファオレフィン樹脂以外の単量体成分が共重合したものであっても差し支えない。
【0012】
発泡体シートを形成するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−ハイアルファオレフィン共重合体樹脂から選ばれる一種以上のポリオレフィン系樹脂に、JIS A 硬度計で測定して、硬度が60以下のオレフィン系ゴムを添加する。硬度が60を越えるものであると、風合いの良い軟らかな発泡体シートを得ることが難しくなる。オレフィン系ゴムとしては、エチレン−プロピレン系、エチレン−ブテン系、プロピレン−エチレン系、プロピレン−ブテン系ゴム等を使用することができる。添加量としては、ポリオレフィン系共重合体樹脂100重量部に対して50〜300重量部が好ましい。添加量が50重量部未満であると、風合いの良い軟らかな発泡体シートを得ることが難しくなり、300重量部を越えると、作業性、また、品質特性の面で好ましくない。
【0013】
ポリオレフィン系樹脂にポリオレフィン系ゴムを添加した基材樹脂を発泡させるために発泡剤が添加される。使用される発泡剤として、アゾジカルボアミド、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ベンゼンスルフォニルヒドラジド、P−トルエンスルフォニルヒドラジド、ジアゾアミノベンゼン、アゾビスイソブチロニトリル等の熱分解型化学発泡剤から選ばれる一種または2種以上を併用して使用することができる。
上記の発泡剤の添加量は、所望発泡体シートの発泡倍率によって適宜選択される。例えば、発泡倍率が3〜15倍程度にする場合は、基材樹脂100重量部あたり、2〜20重量部程度である。
【0014】
必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、顔料等の着色剤、等の各種添加剤を添加してもよい。
【0015】
ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系ゴム、発泡剤及び所望の添加剤を配合し、周知の各手段によって、混練すればよい。例えば、加圧ニーダー、ロール、バンバリーミキサー、スタティックミキサー、スクリュウー式押出機等を用いる方法等が挙げられる。場合によっては、予め各成分をドライブレンドしておいたものを混練しても良い。
混練した後に、カレンダーロール、ナイフコーティング法等にて所望の厚みの発泡性シートをえる。例えば、この時のカレンダーロールの温度としては、発泡剤が発泡しない100〜150℃が望ましい。
この得られた発泡性シートを加熱して、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体シートが得られる。この加熱温度としては、発泡剤の熱分解温度以上であることが必要であり、通常160〜220℃程度である。
【0016】
また、所望により発泡性シートに、表皮層、基布層のいずれか一方又は両方を発泡性シートのそれぞれの面に積層、貼り合わせて、2層又は3層構造とした後に、加熱して発泡させて本発明の積層ポリオレフィン系樹脂発泡体シートを得られる。表皮層や基布層を設けることにより、本発明の発泡体シートの物性等を向上させることが可能になり、使用できる用途の拡大を図ることができる。
【0017】
表皮層としては、通常において非発泡の合成樹脂層が使用される。本発明の積層ポリオレフィン系樹脂発泡体シートとしては、オレフィン系樹脂の表皮層であることが望ましく、発泡性シートと同じ樹脂組成で発泡剤を除いたものを使用してもよい。発泡体シートと同じオレフィン系樹脂であれば、耐久性等の物性面で好ましく、廃棄処理においても容易に行うことができる。
表皮層の作成は、上記の発泡性シートと同様に、通常の合成樹脂シート作成方法で行えばよい。
【0018】
基布層としては、通常の合成樹脂レザーや合成皮革に使用される織布、編布、不織布等の種々のものを使用することができ、例えば、綿、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド等の織布や編布、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂繊維等の各種不織布が挙げられる。
【0019】
発泡体シートと表皮層及び基布層との貼り合わせ方法は、通常実施されている方法であれば、如何なるものでも適用でき、発泡体シートと表皮層や基布層の特性を考えて適宜選択される。例えば、発泡体シートと表皮層を貼り合わせるのに、積層した状態で加熱ロール等を通して貼り合わせることがきる。またこの貼り合わせる時に必要に応じて、二層の間に接着層やプライマー層を設けて貼り合わせて層間の接着力を向上させてもよく、例えば、エチレン−ビニルエステル共重合樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、ウレタン樹脂系等のホットメルトタイプや反応タイプのものを使用することができる。
【0020】
また、貼り合わせる時期としては、発泡性シートを加熱して発泡させて、本願発明の発泡シートとした後でも、発泡前の発泡性シートの状態で貼り合わせてその後に発泡させてもよく、例えば、使用する表皮層や基布層に耐熱性のないものを使用する場合は、発泡後に貼り合わせた方が表皮層や基布層の特性を損ねる可能性が少なくるために好ましい。
さらにまた、表皮層や基布層に直接、ナイフコーティング法等により、発泡性シート層を設けた後、必要に応じて発泡性シート層面に表皮層又は基布層を貼り合わせて三層構造としてもよく、その後に発泡をおこなってもよい。勿論発泡後に三層構造としてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の具体的な実施例に基づき説明するが、本発明は以下に挙げる実施例に限定されるものではない。
【0022】
【実施例】
表1に示す配合からなる発泡性シート用組成物をバンバリーミキサーで混練を行った。
【0023】
【表1】
Figure 0003545246
※ウルトラセン 634(東ソー社製):エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
※アクリフトWH−202(住友化学社製):エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂
※エンゲージ8100(デュポンダウエラストマー社製)エチレン−オクテン共重合体樹脂
※タフマー(三井化学社製):オレフィン系ゴムでJIS A 硬度の41,55、65の3種類を使用
【0024】
表1の配合1〜10を使用して、下記の製造方法1により本発明の発泡体シートを作成して、それぞれを発泡体シート1〜10としてそれぞれの評価を実施した。
(製造方法1)
表1の各配合をバンバリーミキサ−によって混合し、120℃のカレンダーロールを使用して、厚さ0.5mm×幅820mmの発泡性シートを作成し、このシートを190℃に加熱されたオーブンで2分間通して、厚さ1.5mmの発泡体シートを得た。
【0025】
【表2】
Figure 0003545246
発泡シート10は、オレフィン系ゴムの添加量に伴う、風合いの向上がみられなっかった。
【0026】
(製造方法2)
下記の表3の配合11〜13をバンバリーミキサ−によって混合し、120℃のカレンダーロールを使用して、厚さ0.2mm×幅820mmのシート作成し、製造方法1で作成した配合1の発泡性シートに熱ラミネートした後に、この各シートを190℃に加熱されたオーブンで2分間通して、厚さ1.7mmの表皮層を有する発泡体シートを得た。それぞれの表皮層を有する発泡体シートは、風合い良好なものであった。
【0027】
【表3】
Figure 0003545246
【0028】
(製造方法3)
配合1を製造方法1と同様にして、厚さ0.3mm×幅820mmの発泡性シートを作成し、これに幅910mmのメリヤス布を貼り合わせた後に、配合11を製造方法2と同様にして、厚さ0.1mm×幅820mmのシートを作成し、このシートを発泡体シートのメリアス布を貼り合わせた面でない方に、カレンダートッピングして、表皮層及び基布層を有する発泡性シートとし、このシートを190℃に加熱されたオーブンで2分間通して、表皮層及び基布層を有する厚さ1.2mmの発泡レザーを得た。
この発泡レザーは、従来のオレフィン系レザーと比較して風合いの優れるものであった。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体シート、表皮層又は基布層を有するポリオレフィン系樹脂発泡体シート、表皮層及び基布層を有するポリオレフィン系樹脂発泡体シートは、従来のオレフィン系樹脂製発泡体シートと比較して、風合いの優れたものである。また、ポリ塩化ビニルやポリウレタン性の発泡体シートと比較しても、風合いの面では同等の性能を有し、しかも、その他の耐久性等においては、優れたものである。

Claims (2)

  1. ポリオレフィン系樹脂100重量部に対してJIS A 硬度計にて60以下のポリオレフィン系ゴム50〜300重量部を添加した基材樹脂を使用し、カレンダーロールにて発泡性シートを作成し、その後発泡倍率を3〜15倍にしたポリオレフィン系樹脂発泡体シートに、基布層及び表皮層の少なくともいずれか1層を積層させたことを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
  2. ポリオレフィン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−ハイアルファオレフィン共重合体樹脂の少なくとも1種類を使用することを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シート。
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