JP4073263B2 - 化粧床材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、化粧床材に関し、塩化ビニル樹脂の使用による環境問題等を解消すると同時に、これまでと同様に施工して仕上げることができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧床材としては、塩化ビニル樹脂を用いたものが一般的であるが、塩化ビニル樹脂は燃焼時に塩素を含有するため有毒ガスを発生することから、近年の環境問題等の対象となっており、塩化ビニル樹脂を使用しない化粧床材の開発の要求が高まっている。
【0003】
このため、塩化ビニル樹脂を使用しない化粧床材が種々提案されており、例えば登録実用新案第3029029号の登録公報(平成8年9月17日発行)には、ハロゲンを含有しない内装材として、図2(a)に示すように、ハロゲンを含有しない樹脂透明表面層1にエンボス2が形成され、表面層1の裏面に印刷層3が形成され、印刷層3直下にガラス繊維織布または不織布層4を設け、当該ガラス繊維層4下にハロゲンを含有しない樹脂発泡層5が設けられ、さらに不織布6が設けられて構成されており、上記表面層1および発泡層5中に可塑剤が含有されていないものが開示されている。
【0004】
また、特開平10−280284号公報には、図2(b)に示すように、基材6上に、成分中に塩素を含まない樹脂と発泡剤を含有した組成物を加熱して得られた発泡層5を有し、発泡層5の上に模様層3および表面層1を有する床材が開示されている。
【0005】
このような内装材や床材によれば、成分中に塩素を含まないことから従来の塩化ビニル樹脂による床材による環境問題を解消することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような塩化ビニル樹脂を使わない床材では、表面の素材としてアクリル樹脂やポリオレフィン樹脂などを使用しているため、塩化ビニル樹脂との樹脂素材の特性の違いにより、これまでの塩化ビニル樹脂の床材(クッションフロア)と同様の施工を行うと、仕上がりうまく行かないという問題がある。
【0007】
この施工上の問題は、オレフィン樹脂などでは、表面の素材の剛性・反発力から突っ張った状態になり、保管時や施工時などに折れジワ等のシワが入ると、そのまま残ってしまい仕上がりが悪くなって美観を損ねるというものである。
【0008】
この発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、塩化ビニル樹脂による環境問題を解消すると同時に、施工時などに生じるシワの影響を極力なくすことで施工上の問題も解消することができる化粧床材を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
これまでの塩化ビニル樹脂を使用しない床材では、環境問題の解消、すなわち成分中に塩素を含有しない樹脂を用い、塩化ビニル樹脂と同等の表面特性とクッション性などを備えるようにすることに開発課題が集中しており、施工上や仕上がり上の問題まで考慮することは行われていないのが現状である。
【0010】
そこで、ポリオレフィン樹脂を使用した化粧床材で施工等によって生じるシワの影響を極力なくすようにするため鋭意研究を重ねた結果、この発明を完成したもので、その具体的な構成は以下に記載の通りである。
【0011】
すなわち、上記従来技術が有する課題を解決するため、この発明の請求項1記載の化粧床材は、基材層上に発泡層、印刷層、透明樹脂層を設けた化粧床材であって、前記透明樹脂層を、ポリオレフィン系樹脂を1種もしくは2種以上の混合層あるいは複数層で構成するとともに、その厚さを25〜500μmのフィルムで構成し、前記印刷層を、前記透明樹脂層の裏面のコロナ放電処理面に設けて構成し、前記発泡層を、EVAを50〜90重量部、ポリエチレンを50〜10重量部、炭酸カルシウムを5〜30重量部、発泡剤を2〜5重量部、発泡助剤を0.1〜5重量部を混合して構成する一方、前記透明樹脂層、印刷層、発泡層、基材層からなる複合体をエンボス加工してなり、当該複合体のエンボス加工による加工深さを、前記透明樹脂層の厚さより大きくして発泡層にまでおよぶものとしたことを特徴とするものである。
【0012】
この化粧床材によれば、基材層上に発泡層、印刷層、透明樹脂層を設けた化粧床材で、前記透明樹脂層を、ポリオレフィン系樹脂を1種もしくは2種以上の混合層あるいは複数層で構成するとともに、その厚さを25〜500μmのフィルムで構成し、前記印刷層を、前記透明樹脂層の裏面のコロナ放電処理面に設けて構成し、前記発泡層を、EVAを50〜90重量部、ポリエチレンを50〜10重量部、炭酸カルシウムを5〜30重量部、発泡剤を2〜5重量部、発泡助剤を0.1〜5重量部を混合して構成する一方、前記透明樹脂層、印刷層、発泡層、基材層からなる複合体をエンボス加工してなり、当該複合体のエンボス加工による加工深さを、前記透明樹脂層の厚さより大きくして発泡層にまでおよぶものとしており、塩化ビニル樹脂を使用せずに同等の表面特性やクッション性を確保しながらエンボス加工によって表面が引っ張られた状態となることを防止するとともに、エンボス加工による凹凸によってシワの影響を極力なくし、これまでと同様の施工によっても仕上がり状態を美しくできるようにしている。
また、複合体のエンボス加工による加工深さを、前記透明樹脂層の厚さよりも大きくするようにしており、発泡層にまでおよぶ深いエンボス加工によって一層表面が引っ張られた状態となることを防止するとともに、深いエンボス加工による凹凸によってシワの影響を極力なくし、これまでと同様の施工によっても一層仕上がり状態を美しくできるようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の化粧床板の一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、この発明の化粧床板の一実施の形態にかかり、(a)はエンボス加工前の複合体の概略断面図、(b)はエンボス加工した化粧床材の概略断面図である。
【0016】
この化粧床板10は、図1(a)に示すように、基材層11上に発泡層12、印刷層13、および透明樹脂層14を順に設けて表面が透明樹脂層14とされた複合体15とされ、さらにこれら複合体15を、図1(b)に示すように、エンボス加工して構成されている。
【0017】
この化粧床材10の構成する基材層11は、これまでの塩化ビニル樹脂を用いる床材と同様に、繊維質基材が用いられ、例えばガラスやパルプ等の混抄紙やガラス繊維織布、あるいは不織布など一般に使われているものが使用できる。
【0018】
この基材層11上に設けられる発泡層12は、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)を50〜90重量部、ポリエチレンを50〜10重量部、炭酸カルシウムを5〜30重量部、発泡剤を2〜5重量部、発泡助剤を0.1〜5重量部を混合した組成のものを発泡することで構成してある。
【0019】
EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)としては、VA(酢酸ビニルが10〜50重量部)含まれるものを50〜90重量部配合しており、発泡層12にEVAを多く含有することで、印刷プライマーとの接着性を向上すると同時に、床材としての風合いを柔らかくする。
【0020】
また、ポリエチレンとしては、メタロセン触媒による重合ポリエチレンが用いられ、50〜10重量部配合することで、熱に対する形状維持性、加熱時のセル安定性の向上を図るようにしており、その配合量が50重量部を超えると、風合いが硬くなり、施工性が悪くなる一方、10重量部より少なくなると、配合による特性向上効果を得ることができなくなってしまう。
【0021】
発泡剤としては、例えばADCA(アゾジカーボンアミド系発泡剤)などが用いられ、2〜5重量部添加され、発泡倍率を3〜4倍程度とする。発泡剤の添加量が2重量部より少ないと、必要な発泡倍率まで発泡することが出来ず、発泡剤の添加量が5重量部を越えて多くなると、安定した発泡セルを得ることができなくなってしまう。
【0022】
また、発泡助剤として、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、オクチル酸亜鉛等の1種もしくは2種以上を混合して0.1〜5重量部添加するようにしている。
【0023】
このような発泡助剤を用いることで、発泡温度条件等を変えることができ、次工程でのカレンダー加工等によってシート化する場合に、発泡剤の反応を抑えた状態(温度条件)で加工する必要があるが、これに必要な温度条件に対応できるようにする。
【0024】
なお、発泡層12としては、上記処方に加え、抗菌剤等の従来から使用されている添加剤を併せて使用することができる。
【0025】
このような発泡層12の上面には、透明樹脂層14が設けられ、その裏面に印刷層13が設けられることから、化粧床材10としては、発泡層12の上面に印刷層13が配置され、その上の最上表面に透明樹脂層14が配置されて構成されている。
【0026】
透明樹脂層14は、ポリオレフィン系樹脂を1種もしくは2種以上の混合層あるいは複数層で構成するとともに、その厚さを25〜500μmのフィルムで構成される。
【0027】
ポリオレフィン系樹脂としては、EVA(エチレン−酢酸ビニルコポリマー)、ポリエチレン、ポリフォレフィンアイオノマー、偏性ポリオレフィン等を用いることができ、これらを1種または2種以上混合した混合体(単層)としたり、同様にこれらを1種または2種以上混合した混合体を複数重ねて積層した複数層としたフィルムが用いられ、その厚さは透明樹脂層14全体で25〜500μmとする。
【0028】
このような透明樹脂層14によって耐摩耗性を付与するようにしている。
この透明樹脂層14の裏面には、コロナ放電処理が施され、印刷層13が設けられる。
【0029】
この印刷層13は、グラビア、オフセットなどの一般に使われる印刷機で印刷することで形成され、印刷後プライマー処理が施される。
【0030】
そして、これら透明樹脂層14、印刷層13、発泡層12、基材層11からなる複合体15をエンボス加工して化粧床材10が構成される。
【0031】
この複合体15のエンボス加工は、表面となる透明樹脂層14に絞などの凹凸が付けられ、これによって表面フィルムの剛性・反発力から突っ張った状態になることを防止するとともに、この凹凸によってシワ自体を入り難くすると同時に、例え施工時などにシワが入ってもこれを目立たなくすることで仕上がりを綺麗に見せるようにするものである。
【0032】
このため表面の透明樹脂層14だけにエンボス加工を施すだけでは足りず、発泡層12を含む複合体15全体にエンボス加工を施すようにしている。
【0033】
このエンボス加工による加工深さDは、深い方が望ましく、透明樹脂層14の厚さTより深く、透明樹脂層14から印刷層13および発泡層12に至る深さとなるように(D>T)するが、この加工深さが深くなり過ぎると、化粧床材10として使用した場合にごみや埃などが入り易く汚れが落ち難くなってしまう。
【0034】
このような化粧床材10の具体的な製造法について説明する。
まず、透明樹脂層14としてポリオレフィン系樹脂を1種もしくは2種以上の混合層あるいは複数層で構成するとともに、その厚さが25〜500μmのフィルム状のもの、例えば表面側からポリオレフィンアイオノマー/EVA/特殊EVAの3種3層の厚さ120μmのフィルム(商品名:シルキーハイミラン:三井デュポンケミカル社製)を用意し、裏面にコロナ放電処理を施し、印刷を施して印刷層13を形成した後、プライマー処理をする。
【0035】
次に、発泡層12を構成する処方の樹脂を混合したものをカレンダーロールでシート化すると同時に、印刷層13を備えた透明樹脂層14と基材層11とをラミネートとする。
【0036】
あるいは、発泡層12を構成する処方の樹脂を混合したものをカレンダーロールでシート化した後、印刷層13を備えた透明樹脂層14と基材層11との間にシート化した発泡層12を挾み、これらを加熱ラミネートとする。
【0037】
このような発泡層12のカレンダーロールでのシート化においては、発泡剤が反応しない温度条件で加工してシート化する。この場合に発泡助剤の種類や添加量によって発泡剤が反応しない温度をある程度調整することができる。
【0038】
こうして基材層11、発泡層12、印刷層13および透明樹脂層14の各層をラミネートした後、発泡層12を発泡させるため、加熱して常圧で発泡させ、例えば3〜4倍程度に発泡させ、複合体15を得る。
【0039】
次いで、得られた複合体15の表面の透明樹脂層14を加熱して柔軟化させ、エンボスロール(絞ロール)によって表面にエンボス加工を施し、凹凸(絞)を付けることで、化粧床材10が完成する。
【0040】
このようにして製造される化粧床材10によれば、透明樹脂層14等の樹脂材料としてポリオレフィン系樹脂を主原料として可塑剤を使用していないので、燃焼による有害ガスの発生の問題がなく、環境に悪影響を及ぼすことがなく、使用中の表面に環境ホルモンの原因物質が出現するなどの問題もない。
【0041】
また、この化粧床材10では、透明樹脂層14の厚さより深いエンボス加工による凹凸(絞)を付けるようにしているので、表面の剛性・反発力から突っ張った状態になることもなく、エンボス加工によってシワが入り難く、施工性を向上することができ、従来の塩化ビニル樹脂を用いた床材と同様に施工して仕上げることができる。
【0042】
さらに、この化粧床材では、ポリオレフィン系樹脂を使用しているので、従来の塩化ビニル樹脂を用いる床材に比べ、軽量化を図ることができ、運搬などの取り扱いが容易となる。
【0043】
また、この化粧床材では、印刷層とエンボス加工による凹凸(絞)とを組み合わせることで、塩化ビニル樹脂を使用しない床材であっても、意匠性に優れ、これまでと同様の多種多様な意匠表現ができる。
【0044】
【実施例】
次に、この発明の化粧床材の実施例について具体的に説明するが、この発明はこれら実施例に何等限定するものでない。
【0045】
まず、発泡層の発泡樹脂材料の処方による製造工程ので成形性および化粧床材として施工した場合の仕上がりによる施工性について評価した。
【0046】
(実施例1)
透明樹脂層として、表面側からポリオレフィンアイオノマー/EVA/特殊EVAの3種3層の厚さ120μmのフィルム(商品名:シルキーハイミラン:三井デュポンケミカル社製)を用意し、裏面にコロナ放電処理を施してグラビア印刷をした後、プライマー処理を行った。
【0047】
発泡層として、表1に示す処方の発泡樹脂材料を用意した。
基材層として、150g/m2 のガラス/パルプ混抄紙を用意した。
そして、発泡層の樹脂材料を混合したものをカレンダーロールでシート化すると同時に、印刷層を備えた透明樹脂層と基材層とをラミネートとした。
【0048】
各層をラミネートした後、加熱して常圧で発泡させ、4倍程度に発泡させ、複合体を得た。
【0049】
次いで、得られた複合体の表面の透明樹脂層を加熱して柔軟化させ、絞ロールによって表面に深さ150μmのエンボス加工を施し、絞を付けた厚さ2mmの化粧床材を得た。
得られた化粧床材は製造工程の成形性も効率良く行うことができた。
また、得られた化粧床材をこれまでと同様の施工法で床面を仕上げたところ、シワの発生も抑えられ、仕上がりも良好であった。
【0050】
(実施例2)
実施例1の発泡層の発泡樹脂材料の処方のうち、発泡助剤を表1に示すように替えた以外は実施例1と同様にして化粧床材を得た。
この化粧床材も製造工程の成形性も効率良く行うことができた。
また、得られた化粧床材をこれまでと同様の施工法で床面を仕上げたところ、シワの発生も抑えられ、仕上がりも良好であった。
【0051】
(実施例3)
実施例1の発泡層の発泡樹脂材料の処方のうち、EVA樹脂(50PHR)とポリエチレン(50PHR)の配合を表1に示すように替えた以外は実施例1と同様にして化粧床材を得た。
この化粧床材も製造工程の成形性も効率良く行うことができた。
また、得られた化粧床材をこれまでと同様の施工法で床面を仕上げたところ、シワの発生も抑えられ、仕上がりも良好であった。
【0052】
(実施例4)
実施例1の発泡層の発泡樹脂材料の処方のうち、EVA樹脂(90PHR)とポリエチレン(10PHR)の配合を表1に示すように替えた以外は実施例1と同様にして化粧床材を得た。
この化粧床材も製造工程の成形性も効率良く行うことができた。
また、得られた化粧床材をこれまでと同様の施工法で床面を仕上げたところ、シワの発生も抑えられ、仕上がりも良好であった。
【0053】
(比較例1)
実施例1の発泡層の発泡樹脂材料の処方のうち、配合を表1に示すようにEVA樹脂(100PHR)とし、ポリエチレンを配合しないように替えた以外は実施例1と同様にして化粧床材を得た。
この化粧床材では、製造工程での成形性が悪く成形することができなかった。
(比較例2)
実施例1の発泡層の発泡樹脂材料の処方のうち、配合を表1に示すようにEVA樹脂(40PHR)とし、ポリエチレン(60PHR)に替えた以外は実施例1と同様にして化粧床材を得た。
この化粧床材では、製造工程での成形性が悪く、風合いが硬いものであった。また、得られた化粧床材をこれまでと同様の施工法で床面を仕上げたところ、シワの発生があり、仕上がりも悪くなった。
【0054】
【表 1】
Figure 0004073263
【0055】
次に、エンボス加工の加工深さによる化粧床材として施工した場合の仕上がりによる施工性について表2に示すように評価した。
【0057】
(比較例3)
実施例5と同様にして得られた複合体の表面の透明樹脂層を加熱して柔軟化させ、絞ロールによって表面に深さ50μmのエンボス加工を施し、絞を付けた厚さ2mmの化粧床材を得た。
得られた化粧床材をこれまでと同様の施工法で床面を仕上げたところ、シワの発生があり、仕上がりも良くなかった。
【0058】
(比較例4)
実施例5と同様にして得られた複合体にエンボス加工を施さず、厚さ2mmの化粧床材を得た。
得られた化粧床材をこれまでと同様の施工法で床面を仕上げたところ、シワの発生が目立ち、仕上がりが悪かった。
【0059】
【表2】
Figure 0004073263
【0060】
【発明の効果】
以上、一実施の形態とともに具体的に説明したようにこの発明の請求項1記載の化粧床材によれば、基材層上に発泡層、印刷層、透明樹脂層を設けた化粧床材で、前記透明樹脂層を、ポリオレフィン系樹脂を1種もしくは2種以上の混合層あるいは複数層で構成するとともに、その厚さを25〜500μmのフィルムで構成し、前記印刷層を、前記透明樹脂層の裏面のコロナ放電処理面に設けて構成し、前記発泡層を、EVAを50〜90重量部、ポリエチレンを50〜10重量部、炭酸カルシウムを5〜30重量部、発泡剤を2〜5重量部、発泡助剤を0.1〜5重量部を混合して構成する一方、前記透明樹脂層、印刷層、発泡層、基材層からなる複合体をエンボス加工してなり、当該複合体のエンボス加工による加工深さを、前記透明樹脂層の厚さより大きくして発泡層にまでおよぶものとしたので、塩化ビニル樹脂を使用せずに同等の表面特性やクッション性を確保しながらエンボス加工によって表面が引っ張られた状態となることを防止することができるとともに、エンボス加工による凹凸によってシワの影響を極力なくすことができ、これまでと同様の施工によっても仕上がり状態を美しくすることができる。
【0061】
また、この発明によれば、複合体のエンボス加工による加工深さを、前記透明樹脂層の厚さよりも大きくするようにしたので、発泡層にまでおよぶ深いエンボス加工によって一層表面が引っ張られた状態となることを防止することができるとともに、深いエンボス加工による凹凸によってシワの影響を極力なくすことができ、これまでと同様の施工によっても一層仕上がり状態を美しくすることができる。
【0062】
さらに、この発明によれば、透明樹脂層等の樹脂材料としてポリオレフィン系樹脂を主原料として可塑剤を使用していないので、燃焼による有害ガスの発生の問題がなく、環境に悪影響を及ぼすことがなく、使用中の表面に環境ホルモンの原因物質が出現するなどの問題をなくすことができる。
【0063】
また、この化粧床材によれば、ポリオレフィン系樹脂を使用しているので、従来の塩化ビニル樹脂を用いる床材に比べ、軽量化を図ることができ、運搬などの取り扱いが容易となる。
【0064】
また、この化粧床材によれば、印刷層とエンボス加工による凹凸(絞)とを組み合わせることで、塩化ビニル樹脂を使用しない床材であっても、意匠性に優れ、これまでと同様の多種多様な意匠表現ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の化粧床板の一実施の形態にかかり、(a)はエンボス加工前の複合体の概略断面図、(b)はエンボス加工した化粧床材の概略断面図である。
【図2】従来の塩化ビニル樹脂を使用しない内装材および床材の概略断面図である。
【符号の説明】
10 化粧床剤
11 基材層
12 発泡層
13 印刷層
14 透明樹脂層
15 複合体
D エンボス加工深さ
T 透明樹脂層の厚さ

Claims (1)

  1. 基材層上に発泡層、印刷層、透明樹脂層を設けた化粧床材であって、
    前記透明樹脂層を、ポリオレフィン系樹脂を1種もしくは2種以上の混合層あるいは複数層で構成するとともに、その厚さを25〜500μmのフィルムで構成し、
    前記印刷層を、前記透明樹脂層の裏面のコロナ放電処理面に設けて構成し、
    前記発泡層を、EVAを50〜90重量部、ポリエチレンを50〜10重量部、炭酸カルシウムを5〜30重量部、発泡剤を2〜5重量部、発泡助剤を0.1〜5重量部を混合して構成する一方、
    前記透明樹脂層、印刷層、発泡層、基材層からなる複合体をエンボス加工してなり、当該複合体のエンボス加工による加工深さを、前記透明樹脂層の厚さより大きくして発泡層にまでおよぶものとしたことを特徴とする化粧床材。
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