JP3145073B2 - 装飾シート及びその製造方法 - Google Patents

装飾シート及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系重合
体を主体とした発泡層を有する装飾シートに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、家具表装材、車輌用内装材、
靴胛被材、鞄・袋物等の素材として、一般に塩ビレザー
と呼ばれる、基布の表面にポリ塩化ビニルによる層を形
成したものや、一般にTPOレザーと呼ばれる、基布の
表面にオレフィン系熱可塑性エラストマーによる層を形
成したもの等の装飾シートが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した塩
ビレザーは非発泡タイプのものと発泡タイプのものが市
販されているが、上記したTPOレザーは、その殆ど
が、基布の表面に非発泡のオレフィン系熱可塑性エラス
トマーによる層を形成した非発泡タイプのものである。
発泡タイプの装飾シートは、軽量で、風合いが柔らかい
等の利点があるが、素材がオレフィン系熱可塑性エラス
トマーであるTPOレザーにおいては、このオレフィン
系熱可塑性エラストマーの発泡層を得ることが難しく、
製造するのに特殊な技術が必要とされるため、塩ビレザ
ーの発泡タイプの装飾シートのように広く使用されるに
は至っていない。
【0004】本発明は、TPOレザーと同様、オレフィ
ン系重合体を主な素材とする、発泡タイプの装飾シート
でありながら、製造するのに特殊な技術を要しない装飾
シート及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の装飾シートは、少なくとも、架橋エ
チレン系ポリマーからなる発泡層及びその表面上に形成
されたオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる表皮
層を備えることを特徴とするものである。
【0006】上記の架橋エチレン系ポリマーからなる発
泡層は、電子線、ベータ線、ガンマ線等の高エネルギー
放射線を照射することにより、エチレン系ポリマーを架
橋させ、これを発泡させることにより、得られるもので
ある。
【0007】上記のエチレン系ポリマーは、低密度ポリ
エチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−
LDPE)、超低密度ポリエチレン(V−LDPE)等
のポリエチレン;エチレンを主体とする他のモノマーと
の共重合体、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
エチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチ
レン/α−オレフィン系共重合体等のエチレン系共重合
体(グラフトコポリマーも含む);これらから選ばれる
二種以上のエチレン系ポリマーの混合物;これらのエチ
レン系ポリマーを主体とする他のポリマー、例えば、ポ
リ酢酸ビニル、ポリプロピレン(プロピレンとエチレン
のランダムもしくはブロック共重合体、すなわちランダ
ムポリプロピレンやブロックポリプロピレン等も含
む)、ポリブテン、ブテン/α−オレフィン共重合体、
オレフィン系ゴム(イソプレンゴム、ブチルゴム、エチ
レン/プロピレンゴム、エチレン/ブテンゴム、エチレ
ン/ヘキセンゴム、エチレン/オクテンゴム等)、アイ
オノマー等との混合物;等である。
【0008】上記のエチレン系ポリマーには、発泡さ
せ、架橋エチレン系ポリマー発泡層を形成するための発
泡剤が添加される。この発泡剤としては、アゾジカルボ
アミド、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、
ベンゼンスルフォニルヒドラジド、p−トルエンスルフ
ォニルヒドラジド、ジアゾアミノベンゼン、アゾビスイ
ソブチロニトリル等から選ばれる一種又は二種以上の熱
分解型有機系発泡剤が使用できる。これらの発泡剤の添
加量は、所望の発泡倍率、使用する発泡剤の種類等によ
って異なり一概には決められないが、目安としては、エ
チレン系ポリマー100重量部当たり0.5〜10重量
部程度である。
【0009】また、上記のエチレン系ポリマーには、必
要に応じて、発泡助剤、パラフィン系オイルやオレフィ
ン系ワックス等の軟化剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、無機充
填剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0010】上記した架橋エチレン系ポリマー発泡層
は、上記のエチレン系ポリマー、発泡剤及び必要に応じ
て添加される各種添加剤からなる組成物を、例えば、押
出機のTダイから押出すなどしてシート化した後、電子
線等を照射して架橋反応させ、その後、加熱して発泡さ
せることにより得られるものである。
【0011】尚、架橋エチレン系ポリマー発泡層の厚さ
は、0.1〜2.0mm程度、特に0.5〜1.5mm
程度とするのが望ましい。架橋エチレン系ポリマー発泡
層の厚さが薄すぎると、従来のTPOレザー等(すなわ
ち、非発泡のオレフィン系熱可塑性エラストマー層のみ
を形成した装飾シート)と大差ない装飾シートしか得ら
れず、架橋エチレン系ポリマー発泡層の厚さが厚くなり
すぎると、風合いが硬くなる等の問題がある他、装飾シ
ート全体の厚さが厚くなりすぎ、従来より使用されてい
る塩ビレザーやTPOレザー等と同様に用途に使用する
ものとして不適当なものとなる。
【0012】このようにして、シート化し、発泡させた
架橋エチレン系ポリマーは、それ単独(すなわち、架橋
エチレン系ポリマー発泡シート)でも、本発明の装飾シ
ートの基体シートとなり得るが、一般的には、これと基
布等とを積層して、本発明の装飾シートの基体シートと
される。基布等と架橋エチレン系ポリマー発泡層と基布
等との積層は、上記のようにして得られた架橋エチレン
系ポリマー発泡層(シート)と基布とを、後工程により
ラミネートする方法や、エチレン系ポリマー、発泡剤及
び必要に応じて添加される各種添加剤からなる組成物
を、押出機のTダイから基布上に押出したり、いわゆる
カレンダートッピング法等によって、基布上に未発泡、
未架橋状態のエチレン系ポリマーからなる層を形成し、
その後、架橋・発泡させる方法、等により行なわれる。
勿論、このとき適宜の接着剤を使用することも可能であ
る。
【0013】上記の基布としては、従来よりTPOレザ
ーにおいて使用されている、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリビニ
ルアルコール等の合成繊維;綿、絹、羊毛、麻等の天然
繊維;レーヨン、スフ、アセテート等の再生繊維;等の
単独もしくは混紡繊維、或いは、海島型構造から少なく
とも一成分を溶解除去したり、芯鞘型もしくは交互配列
による蜜柑型構造の二成分繊維を分割したりすることに
より極細繊維に変性された多成分繊維、等からなる、必
要に応じて起毛処理された織布、編布、不織布等が使用
できる。中でも、ポリオレフィン繊維からなる織布、編
布、不織布等を基布として使用した場合、全てオレフィ
ン系重合体から構成されていることになるので、得られ
た装飾シートを加熱・溶融させてリサイクルする場合
に、わざわざ基布を剥離する必要がないという利点があ
る。
【0014】上記の基体となるシートの架橋エチレン系
ポリマー発泡層の表面には、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーからなる表皮層が形成される。
【0015】オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、従来よりTPOレザー等において使用されている市
販のものをそのまま使用することができ、例えば、エチ
レン/α−オレフィン共重合ゴムの部分架橋物とオレフ
ィン系樹脂との混合物、エチレン/α−オレフィン共重
合体とオレフィン系樹脂との部分架橋物、エチレン/α
−オレフィン共重合ゴムとエチレン系樹脂との部分架橋
物、天然ゴムや合成ゴム等のゴム状物とオレフィン系樹
脂との混合物等が使用できる。また、このオレフィン系
熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、パラフィン
系オイル、オレフィン系ワックス等の軟化剤、炭酸カル
シウムやタルク等の無機充填剤、酸化防止剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤等の各種
添加剤を添加することができる。
【0016】この表皮層の形成は、例えば、カレンダー
ロールによって圧延された溶融状態のオレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を架橋エチレン系ポリマー発泡
層表面にトッピングする方法(カレンダートッピング
法)、溶融状態のオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物を、押出機のTダイより架橋エチレン系ポリマー発
泡層表面上に押し出し積層する方法、カレンダー法や押
出法等によってシート化されたオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーシートを、架橋エチレン系ポリマー発泡層表
面上に熱ラミネートする方法、等により行なわれる。ま
た、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が液状物
である場合には、架橋エチレン系ポリマー発泡層表面上
に適宜の手段でコーティングすることにより、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーによる表皮層を形成すること
もできる。
【0017】本発明の装飾シートは、オレフィン系熱可
塑性エラストマーによる表皮層を、上記のような手段に
よって、架橋エチレン系ポリマー発泡層表面に接着剤を
介さず直接形成するようにして製造するのが望ましい
が、別々に製造したオレフィン系熱可塑性エラストマー
による表皮層と架橋エチレン系ポリマー発泡層とを、適
宜の接着剤を用いて接着することにより製造することも
可能である。
【0018】尚、架橋エチレン系ポリマー発泡層上にオ
レフィン系熱可塑性エラストマーによる表皮層を形成す
るにあたっては、架橋エチレン系ポリマー発泡層とオレ
フィン系熱可塑性エラストマーによる表皮層との接着性
を向上させるため、オレフィン系熱可塑性エラストマー
による表皮層を形成するのに先立ち、架橋エチレン系ポ
リマー発泡層の表面にコロナ放電処理を施すこともでき
る。
【0019】このようにして得られた本発明の装飾シー
トは、表面にエンボス加工による絞模様を形成すること
もできる。特に、本発明の装飾シートにおいては、発泡
層が架橋エチレン系ポリマーにより形成されているもの
であるので、エンボス加工時に発泡層が潰れてしまうよ
うなことがなく、エンボス加工後も、エンボス加工前と
略同じ厚さ、物性が保たれる。しかも、エンボス加工に
よって形成した絞模様はしっかりと固定され、一般的な
発泡層にエンボス加工した場合に見られるような、経時
による絞模様の消失(経時につれて凹凸が戻ってしま
い、模様が消失する現象)は見られない。このように、
本発明の装飾シートは、エンボス加工による絞模様を形
成するのに適したものであるといった利点もある。
【0020】尚、本発明の装飾シートは、表皮層がオレ
フィン系熱可塑性エラストマーからなるため、塩ビレザ
ー等に比べると、表面の耐傷性、耐摩耗性及び耐オレイ
ン酸性に劣る。これを改善するためには、オレフィン系
熱可塑性エラストマーからなる表皮層上に、シリコン変
性ポリカーボネート系ポリウレタン溶液をコーティング
し、被膜を形成するのが望ましい。
【0021】上記のシリコン変性ポリカーボネート系ポ
リウレタンとは、ポリカーボネートジオール、ジイソシ
アネート化合物、低分子鎖伸長剤及びオルガノポリシロ
キシル基を有するシリコーン化合物を所望の割合で反応
させることにより得られる、分子鎖中にオルガノポリシ
ロキシル基を有するポリウレタン、もしくは、末端がイ
ソシアネート基と非反応性の官能基で封止されたオルガ
ノポリシロキシル基を有するポリウレタンである。
【0022】上記のポリカーボネートジオールとして
は、例えば、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリ
ブチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカ
ーボネートジオール等の中から選ばれる一種又は二種以
上のポリアルキレンカーボネートジオールを使用するこ
とができる。
【0023】上記のジイソシアネート化合物としては、
例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネ
ート、脂環族ジイソシアネート、環状基を有する脂肪族
ジイソシアネート等から選ばれる一種又は二種以上のジ
イソシアネート化合物が使用できる。このジイソシアネ
ート化合物は、いわゆる無黄変型のジイソシアネート化
合物であっても、難黄変型のジイソシアネート化合物で
あっても差し支えないが、難黄変型のジイソシアネート
化合物を使用した方が、耐傷性、耐摩耗性及び耐オレイ
ン酸性により優れたものが得られる。尚、用途によって
は、無黄変型のジイソシアネート化合物を使用せざるを
得ないような場合もあるが、このような場合にあって
は、イソホロンジイソシアネート、或いはこれを主体と
したシクロヘキシルジイソシアネート又は/及びジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネートとの混合物を使用す
ることにより、それ以外の無黄変型ジイソシアネートを
使用した場合よりも、耐オレイン酸性を向上させること
ができる。
【0024】低分子鎖伸長剤としては、例えば、脂肪族
ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジ
アミン、ヒドラジン誘導体等から選ばれる一種又は二種
以上の、活性水素原子を少なくとも二個有する化合物が
使用できる。
【0025】シリコーン化合物中のオルガノポリシロキ
シル基は、ポリアルキルシロキシル基とポリアリールシ
ロキシル基とが、ランダム或いはブロック状に共重合し
たものであってもよい。また、末端がイソシアネート基
と非反応性の官能基で封止されたオルガノポリシロキシ
ル基として具体的には、トリアルキルシリル基やトリア
リールシロキシル基で封止されたオルガノポリシロキシ
ル基が挙げられる。
【0026】以上のポリカーボネートジオール、ジイソ
シアネート化合物、低分子鎖伸長剤及びシリコーン化合
物を反応させて得られるシリコン変性ポリカーボネート
系ポリウレタンとしては、オルガノポリシロキシル基の
含有量が、1〜50重量%の範囲であるものを使用する
のが望ましい。オルガノポリシロキシル基の含有量が少
なすぎると、耐摩耗性が充分に向上せず、オルガノポリ
シロキシル基の含有量が多すぎると、オレフィン系熱可
塑性エラストマーからなる表皮層との接着性が悪化する
といった問題が生じる。
【0027】本発明の装飾シートにおいては、以上のポ
リカーボネートジオール、ジイソシアネート化合物、低
分子鎖伸長剤及びシリコーン化合物を反応させて得られ
るシリコン変性ポリカーボネート系ポリウレタンとし
て、100%モジュラスが40〜150kg/cm2
ものを使用するのが望ましい。100%モジュラスが低
すぎると、機械的強度や耐摩耗性が低下し、100%モ
ジュラスが高すぎると、風合いが硬くなる。
【0028】上記のシリコン変性ポリカーボネート系ポ
リウレタンは、適宜の有機溶媒に溶解され、ポリウレタ
ン溶液とされる。このポリウレタン溶液には、必要に応
じて、着色剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、難
燃剤、天然粉末、充填剤、等の各種添加剤を添加するこ
ともできる。また、耐傷性、耐摩耗性及び耐オレイン酸
性を損なわない範囲であれば、上記のシリコン変性ポリ
カーボネート系ポリウレタン以外のポリウレタンを併用
して使用することも可能である。
【0029】上記のシリコン変性ポリカーボネート系ポ
リウレタンを溶解させる有機溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチル
−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエ
チルケトン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セ
ロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロ
リドン等から選ばれる有機溶媒もしくはこれらから選ば
れる二種以上の有機溶媒の混合溶媒等が使用できる。
【0030】上記のようにして得られたシリコン変性ポ
リカーボネート系ポリウレタン溶液は、ナイフコータ
ー、コンマドクター、ロールコーター等の適宜の手段に
より、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなる表皮
層上にコーティングされ、加熱・乾燥されて、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーからなる表皮層上にシリコン
変性ポリカーボネート系ポリウレタンの被膜が形成され
る。このシリコン変性ポリカーボネート系ポリウレタン
溶液による被膜の厚さは、10〜100μm程度とする
のが望ましい。
【0031】尚、オレフィン系熱可塑性エラストマーか
らなる表皮層上に、シリコン変性ポリカーボネート系ポ
リウレタン溶液による被膜を形成するに当たっては、被
膜の接着性を向上させるため、ポリウレタン溶液をコー
ティングするに先立って、表皮層上に、コロナ放電処理
を施したり、公知のプライマーを用いてのプライマー処
理を施しておくのが望ましい。このような処理を施さず
に被膜を形成した場合、摩擦等によって、オレフィン系
熱可塑性エラストマーからなる表皮層から被膜が剥離し
てしまい、見栄えが悪化するのみならず、耐摩耗性が充
分に向上しない。
【0032】上記のようにして得られた本発明の装飾シ
ートには、従来の装飾シートと同様に、エンボス加工を
施してもよいし、表面強度の更なる向上や艶調整等を目
的とした表面処理を施すこともできる。尚、エンボス加
工は、シリコン変性ポリカーボネート系ポリウレタン溶
液による被膜を形成する前に施してもよい。
【0033】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の装飾シートの
実施例について説明するが、本発明は、以下に示す実施
例に限定されるものではない。
【0034】図1に示す装飾シート1は、ポリオレフィ
ン繊維からなる基布13の上に、厚さ1.0mmの市販
の架橋ポリエチレン発泡体11を積層し、架橋ポリエチ
レン発泡体11の表面にコロナ放電処理を施した後、そ
のコロナ放電処理面に、オレフィン系熱可塑性エラスト
マーからなる厚さ0.5mmの表皮層12を、カレンダ
ートッピング法により形成したものである。また、図1
に示す装飾シートは、上記の層構成となるように積層し
た後、表皮層側から加熱して、エンボス加工を施し、絞
模様14が形成されている。
【0035】図2に示す装飾シート2は、図1に示すも
のと同様の、基布23/架橋ポリエチレン発泡体21/
オレフィン系熱可塑性エラストマーからなる表皮層2
2、といった層構成からなるシートの表皮層22の表面
に、シリコン変性ポリカーボネート系ポリウレタン溶液
による被膜25を形成したものである。また、図2に示
す装飾シート2にも、図1に示す装飾シート1と同様、
エンボス加工による絞模様24が形成されている。この
エンボス加工は、上記の被膜25を形成した後で施して
もよいし、エンボス加工を施した後、上記の被膜25を
形成してもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明の装飾シートは、架橋エチレン系
ポリマー発泡層の表面にオレフィン系熱可塑性エラスト
マーからなる表皮層を形成するといった構成を採用した
ため、製造するのに特別な技術を要せず、安価に提供し
得るものである。
【0037】また、発泡層が架橋エチレン系ポリマーか
らなるため、エンボス加工による絞模様を形成しても、
発泡層が潰れてしまうようなこともなく、エンボス加工
後であっても、エンボス加工前と略同じ厚さ、物性が保
たれる。しかも、エンボス加工によって形成した絞模様
はしっかりと固定され、経時による絞模様の消失も見ら
れないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装飾シートの一実施例を示す部分拡大
断面図である。
【図2】本発明の装飾シートの他の一実施例(ポリウレ
タン被膜を形成した例)を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1,2 装飾シート 11,21 架橋ポリエチレン発泡層 12,22 オレフィン系熱可塑性エラストマーによる
表皮層 13,23 基布

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、架橋エチレン系ポリマーか
    らなる発泡層及びその表面上に形成されたオレフィン系
    熱可塑性エラストマーからなる表皮層を備える装飾シー
    ト。
  2. 【請求項2】 オレフィン系熱可塑性エラストマーから
    なる表皮層の表面に、シリコン変性ポリカーボネート系
    ポリウレタン溶液による被膜が形成されてなる請求項
    記載の装飾シート。
  3. 【請求項3】 表面に、エンボス加工による縞模様が形
    成されてなる請求項1又は2記載の装飾シート。
  4. 【請求項4】 少なくとも、表面側が架橋エチレン系ポ
    リマーからなる発泡層が形成された基体シートの表面
    に、接着剤層を介さずに、直接オレフィン系熱可塑性エ
    ラストマーからなる表皮層を形成することを特徴とする
    装飾シートの製造方法。
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