JP2000108268A - 工程シート及びその製造方法 - Google Patents

工程シート及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000108268A
JP2000108268A JP10279207A JP27920798A JP2000108268A JP 2000108268 A JP2000108268 A JP 2000108268A JP 10279207 A JP10279207 A JP 10279207A JP 27920798 A JP27920798 A JP 27920798A JP 2000108268 A JP2000108268 A JP 2000108268A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
process sheet
resin
layer
weight
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10279207A
Other languages
English (en)
Inventor
Takumi Araki
工 荒木
Kuniaki Yokoyama
邦明 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polyolefins Co Ltd filed Critical Japan Polyolefins Co Ltd
Priority to JP10279207A priority Critical patent/JP2000108268A/ja
Publication of JP2000108268A publication Critical patent/JP2000108268A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面上の剥離性をより高めた安価な工程シー
ト及びその製造方法。 【解決手段】 基材13上に工程層15が形成された工
程シート14において、工程層は、(A)4−メチル−
1−ペンテン系樹脂を2〜50重量%と、(B)ポリプ
ロピレンを98〜50重量%、(C)他のポリオレフィ
ン系樹脂を0〜48重量%含むプロピレン系重合体組成
物からなる層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば合成皮革等
の製造に用いられる工程シート及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】靴、鞄、ベルト、手帳等の装丁や壁装材
などとして、種々の織布にポリ塩化ビニルやポリウレタ
ン等の樹脂からなる表皮材を設けた多層シート材が広く
使用されている。これらのシート材は、表面に凹凸模様
(以下、エンボスという)を付すことにより、立体的な
意匠を施したり、特に靴や鞄等に用いる場合には合成皮
革として本革らしさを醸し出して用いられる。エンボス
を付与するには、表面にエンボス模様の刻まれたプレス
板やロールを押圧して転写する方法が一般的であるが、
特に生産量に限りのある小ロット生産が必要である場合
等には、エンボスが表面に付与されている工程シート
(工程紙とも称される)を用いて成形する方法が採られ
る。
【0003】例えば、工程シート上に、表皮材となるポ
リ塩化ビニルやポリウレタンを主成分とした溶液を塗布
し、乾燥させた後に、接着剤を塗布して基布を貼り合わ
せて加熱乾燥した後に工程シートと剥離することによ
り、図1に示すような表皮材10及び基布12からなる
多層合成皮革11となる。この工程シート14は、複数
回の使用が可能である。ここで用いられる工程シート1
4には、通常、エンボスが強固に形成され、かつ、エン
ボス加工工程での熱に耐え得る耐熱性を有し、表皮材と
容易に剥離する樹脂からなる工程層15が、坪量200
g/cm2程度の紙製基材13上にラミネートされたも
のが使用されている。具体的には、工程層15として安
価なポリプロピレンを押出機により300℃程度に溶融
し、冷却ロールとニップロールの間で基材上に挟み込ん
で貼り合わせたものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年特
に、より高品質な合成皮革を目的として、表皮材をより
軟質なものとすることが図られるようになった。その結
果、表皮材と工程シートがくっつき、剥離しにくくなっ
てきており、生産性が低下したり、または、不良が生じ
ることもあった。本発明は前記課題を解決するためにな
されたもので、表面上の剥離性をより高めた安価な工程
シート及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定の構造を有
する化合物からなる工程層を設けることにより上記課題
を解決し得ることを見い出し、本発明を完成させた。す
なわち、本発明の工程シートは、基材上に工程層が形成
された工程シートにおいて、その工程層が、(A)4−
メチル−1−ペンテン系樹脂を2〜50重量%と、
(B)ポリプロピレンを98〜50重量%、(C)他の
ポリオレフィン系樹脂を0〜48重量%含むプロピレン
系重合体組成物からなる層を有することを特徴とするも
のである。この際、基材と接する位置に接着層が設けら
れていることが望ましい。 (A)4−メチル−1−ペンテン系樹脂は、荷重5.0
kg、260℃で測定したメルトフローレートが20〜
500g/10minであるものが望ましく、(B)ポリプ
ロピレンは、荷重2.16kg、230℃で測定したメ
ルトフローレートが10〜50g/10minであるものが
望ましい。 (B)ポリプロピレンには、低密度ポリエチレンが5〜
30重量%含まれていることが望ましい。 本発明の工程シートの製造方法は、4−メチル−1−ペ
ンテン系樹脂と、ポリプロピレンとを含むプロピレン系
重合体組成物を基材上に押出ラミネーションする積層工
程を有することを特徴とするものである。または、4−
メチル−1−ペンテン系樹脂と、ポリプロピレンとを含
むプロピレン系重合体組成物をポリオレフィン系樹脂を
介して基材上に共押出ラミネーションする積層工程を有
するものも望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における工程シートは、例
えば図1に示す工程シート14のように、少なくとも、
基材13と工程層15を有するものである。基材は、用
途に応じて適宜選択され、限定されるものではないが、
一般に、紙、織布、不織布が適用される。紙としては、
板紙、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、無機繊維混抄
紙、合成樹脂混抄紙等が挙げられる。
【0007】工程層としては、(A)成分として4−メ
チル−1−ペンテン系樹脂と、(B)成分としてポリプ
ロピレンとを含むプロピレン系重合体組成物からなる層
を有する。4−メチル−1−ペンテン系樹脂としては、
4−メチル−1−ペンテン単独、または、これと1種ま
たは複数種の他の炭素数2〜16のα−オレフィンとの
共重合体等が挙げられる。
【0008】また、本発明の(A)成分の荷重5.0k
gでのメルトフローレート(260℃)は20〜500
g/10分であることが好ましく、より好ましくは50〜
300g/10分である。該メルトフローレートが低すぎ
ても高すぎても成形性が劣る。
【0009】本発明の(B)成分は、ポリプロピレンで
ある。(B)成分の化合物として、具体的には、プロピ
レン単独重合体(ホモポリプロピレン)の他、ブロック
共重合体、ランダム共重合体のいずれか、あるいはこれ
らの2種以上を組み合わせて使用することができる。ブ
ロック共重合体またはランダム共重合体のコモノマーと
しては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1等のプロピレン以外のα−オレフィン類が用いら
れるが、なかでもエチレンが特に好ましい。これらの共
重合体中のプロピレン含量は60〜100モル%が好ま
しく、80〜99モル%が特に好ましい。α−オレフィ
ンとしてエチレンを用いたブロック共重合体にあって
は、分子内のエチレン−プロピレンブロックがホモポリ
プロピレンブロックに分散してゴム弾性を示し、ゴム成
分として機能する。このゴム成分の含量としては、ブロ
ック共重合体の10〜25重量%が好ましい。(B)成
分の化合物は、荷重2.16kgでのメルトフローレー
ト(230℃)が10〜50g/10分であることが好ま
しい。メルトフローレートが低すぎても高すぎても成形
性が劣る。
【0010】本発明の樹脂層には、必須成分ではないも
のの、(C)成分として他のポリオレフィン系樹脂を含
むことが望ましい。そのような他のポリオレフィン系樹
脂としては、プロピレン系樹脂等の炭素数3〜12の単
独重合体またはそれらとエチレンとの共重合体、相互共
重合体等が挙げられる。
【0011】本発明におけるプロピレン系重合体組成物
は、上記の(A)成分が2〜50重量%、(B)成分が
98〜50重量%、(C)成分が0〜48重量%の範囲
で配合されることが望まれる。より好ましくは、(A)
成分が5〜45重量%、(B)成分が95〜55重量%
である。(A)成分が2重量%未満では剥離性または耐
熱性が向上せず、50重量%を超えるとコスト高になる
ばかりでなく、基材との接着性が低下し、また、成形性
が悪化するからである。また、本発明におけるプロピレ
ン系重合体組成物全体としては、その荷重2.16kg
でのメルトフローレート(230℃)が0.001〜1
000g/10分であることが望ましい。より好ましくは
0.1〜100g/10分であり、さらに好ましくは1.0
〜50g/10分である。メルトフローレートが低すぎて
も高すぎても成形性が劣る。また、プロピレン系重合体
組成物は、その融点が220〜250℃のものが好まし
く、230〜240℃であればより好ましい。
【0012】該組成物を得るためのブレンド方法として
は、通常の混合操作、たとえばタンブラーミキサー法、
ヘンシェルミキサー法、バンバリーミキサー法、または
押出造粒法などにより行うことができる。該組成物を得
るにあたっては、中和剤、分散剤、酸化防止剤、滑材、
耐候性改良剤、帯電防止剤、顔料、フィラーなどの他の
付加的成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合する
ことができる。
【0013】このプロピレン系重合体組成物からなる工
程層であると、耐熱性がきわめて高く、一旦付与したエ
ンボスの残存性に優れ上に、表面の剥離性にきわめて優
れており、工程シートとして優れているものである。
尚、上述した工程シートは、基材、工程層の2層構成か
らなる積層体について説明したが、本発明はこれに限ら
れるものではなく、本発明の作用効果を損なうことのな
い範囲内で、他の層を設けてよい。例えば、基材の工程
層の形成されていない側の面に他の任意の層を設けた
り、工程層を複数層で構成してもよい。例えば、工程層
を上述した(A)成分と(B)成分を含むプロピレン系
重合体組成物からなる表面層と、(B)成分のポリプロ
ピレンからなる接着層とを有する複数層で構成すること
もでき、また、この例のものであると、高い剥離性を維
持しつつ、基材との接着性の向上を図ることができる。
また、基材と工程層の間には接着剤やアンカーコート剤
を介在させておくことが好ましい。尚、工程層や基材等
の各層の層厚は、限定されるものではなく、各層の機能
を果たす範囲内で適宜設定される。
【0014】本発明の工程シートは、各層間の接着強度
が高くなるように積層する方法であれば特にその製造方
法は限定されるものではないが、押出ラミネーションに
より積層して製造する方法が好適である。例えば、図2
に示すように、紙等からなる基材13を繰出機40から
所定速度で繰り出し、ニップロール34と冷却ロール3
2の間に送給すると共に、工程層となる溶融樹脂膜状態
の樹脂を押出機30からニップロール34と冷却ロール
32との間の冷却ロール32側に供給することで、基材
13上に工程層15がラミネートされた積層体が製造さ
れる。その後、得られた基材13と工程層15からなる
工程シートは、巻取機42に巻き取られる。押出成形時
の樹脂温度は、一般に、280〜350℃である。尚、
工程シートとしては、工程層にエンボスを付与するのは
必ずしも必須ではないが、エンボス等の転写シートとし
て利用する場合には、所定のエンボスが形成されている
プレス板やロールを押圧すればよい。工程層の表面に
は、必要に応じて、シリコーン系離型剤などで表面処理
しておくことが好ましい。
【0015】本発明においては、工程層の(A)4−メ
チル−1−ペンテン系樹脂と、(B)ポリプロピレンと
は結晶化温度が異なることから、押出ラミネーションす
ることにより、粘度の低い4−メチル−1−ペンテン系
樹脂が表面に偏析するようになる。その結果、得られる
工程層においては、4−メチル−1−ペンテン系樹脂の
割合はその表面において多くなり、4−メチル−1−ペ
ンテン系樹脂を少量配合しておくだけで、4−メチル−
1−ペンテン系樹脂による高い剥離性と耐熱性が工程層
において高効率に発揮されるようになる。
【0016】また、工程層15にはオゾン処理を施して
おくことが望ましい。オゾン処理は、Tダイから出た溶
融樹脂膜の、基材と接着する側の面に、オゾン供給器3
6からオゾンを吹きつければよく、オゾン処理条件とし
ては、5〜1000g/hr、好ましくは100〜50
0g/hrの範囲である。また、基材に対しても、プレ
ヒート処理、コロナ処理、火炎処理、UV処理等の表面
処理を行うことができるが、中でもコロナ処理を施して
おくことが望ましく、コロナ処理を施した基材とオゾン
処理を施した工程層との層間接着強度はきわめて高くな
る。コロナ処理としては、コロナ放電器38を用いて、
1〜300W分/m2が好ましく、10〜100W分/
2の範囲がより好適である。また、工程層の押出ラミ
ネーション工程時のラミネート温度を調整することによ
り、転写面の濡れ性を制御することができ、表面の接着
性を調整できる。
【0017】この工程シートを用いてエンボス加工に用
いるには、例えば、合成皮革を製造するには、図3に示
すように、まず、表面に所定のエンボスが付与されてい
る工程シート14を繰出しロール16から繰り出して、
ガイドロール20等を経てピンチロール22と冷却ロー
ル24の間に導入する。また、基布12を繰出しロール
18から繰出し、同様にピンチロール22と冷却ロール
24の間に導入する。さらに、Tダイ等を備えた押出機
28からウレタン樹脂やPVC等の溶融状態の表皮材1
0を、ピンチロール22と冷却ロール24との間であっ
て、工程シート14と基布12との間に導入する。この
際の樹脂の押出成形温度は、100〜250℃の範囲で
ある。
【0018】そして、これら工程シート14/表皮材1
0/基布12はピンチロール22と冷却ロール24との
間で圧着され、かつ表皮材10はエンボス加工されると
同時に冷却固化され、図1に示すような表皮材10及び
基布12からなる多層合成皮革11が製造される。その
後、表皮材10と基布12とからなる多層合成皮革11
は、巻取りロール19に巻取られると共に、工程シート
14は多層合成皮革用巻取りロール19とは異なる方向
に引き出されて巻取りロール17に巻取られる。この工
程シート14は、複数回の使用が可能である。こうし
て、多層合成皮革が連続的に製造される。また、平坦に
広げた工程シート上に、ウレタン樹脂やPVC等を塗布
し、加熱し、硬化して樹脂膜を形成した後に、その樹脂
膜を工程シートから剥離することによっても、表面にエ
ンボスが形成された樹脂膜からなる合成皮革を製造する
ことができる。
【0019】合成皮革を製造するにあたって、表面にエ
ンボスの形成されたプレス板やロールを使用する方法で
は、それらの寿命がきたり、エンボスの変更をするとき
には、大型なプレス板やロールを交換しなければなら
ず、大変な労力を要するばかりか、コストも高くなる。
その上、エンボス押圧後に樹脂を乾燥させて安定させる
必要があり、製造に長時間を要する。しかしながら、上
述した図3に示した方法等のように工程シートを用いれ
ば、工程シート14を取り替えるのみで種々のエンボス
加工が可能となり、また樹脂は瞬時に冷却固化するの
で、非常に簡易かつ短時間で安価に多層合成皮革を製造
することができる。以上のようにして製造される多層合
成皮革の各層の厚みは、用途によって異なるため一義的
に決められるものではない。しかし、表皮材の厚みは、
エンボス加工を行うことから、少なくとも40μm以上
の厚みであることが好ましい。また、最大厚みは、成形
加工性の点から最大500μmまでの範囲である。一
方、基布の厚みは、10μmから500μmの範囲であ
る。また、用途によっては、基布と表皮材以外の層、例
えば保護層等をさらに設けて、3層以上の積層体とする
ことも可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。 [実施例1]荷重2.16kg、230℃で測定したメ
ルトフローレートが40g/10minのポリプロピレンが
75重量%、荷重5.0kg、260℃で測定したメル
トフローレートが100g/10minである4−メチル−
1−ペンテン系樹脂が10重量%、荷重2.16kg、
190℃で測定したメルトフローレートが7g/10min
の低密度ポリエチレンが15重量%のプロピレン系重合
体組成物を調製した。90mm押出機を備えた幅110
0mmのラミネート成形機を使用し、図2に示すよう
に、得られたプロピレン系重合体組成物をコロナ処理を
施した板紙(150g/m2)13上に表1に示す条件
でラミネートして積層体を製造した。この積層体の表面
上に、ウレタンペーストを厚さ100μmに塗布し、1
30℃で1分間の熱処理後に常温に冷却し、得られたウ
レタン被膜の剥離強度(g/30mm幅)を引張試験機
で測定した。また、基材と工程層の間の剥離強度も測定
した。また、この積層体の工程層に所定のエンボスを付
与して工程シートを製造した。得られた工程シートは、
エンボス加工に供することが十分な程度に、エンボスが
残存し、耐熱性が十分であった。
【0021】[実施例2]実施例1において、ポリプロ
ピレン65重量%、4−メチル−1−ペンテン系樹脂が
20重量%、低密度ポリエチレンが15重量%としたこ
と以外は実施例1と同様にしてプロピレン系重合体組成
物を調製し、表1に示す条件で、ラミネートして積層体
を製造した。さらに実施例1と同様にして、ウレタン被
膜の剥離強度を測定した。また、この積層体の工程層に
所定のエンボスを付与して工程シートを製造した。得ら
れた工程シートは、エンボス加工に供することが十分な
程度に、エンボスが残存し、耐熱性が十分であった。
【0022】[実施例3]実施例1において、ポリプロ
ピレンが82重量%、4−メチル−1−ペンテン系樹脂
が3重量%、低密度ポリエチレンが15重量%としたこ
と以外は実施例1と同様にしてプロピレン系重合体組成
物を調製し、表1に示す条件で、ラミネートして積層体
を製造した。さらに実施例1と同様にして、ウレタン被
膜の剥離強度を測定した。また、この積層体の工程層に
所定のエンボスを付与して工程シートを製造した。得ら
れた工程シートは、エンボス加工に供することが十分な
程度に、エンボスが残存し、耐熱性が十分であった。
【0023】[実施例4]実施例1において、ポリプロ
ピレンが80重量%、4−メチル−1−ペンテン系樹脂
が20重量%としたこと以外は実施例1と同様にしてプ
ロピレン系重合体組成物(I)を調製した。また、同様
に、ポリプロピレンが80重量%、低密度ポリエチレン
が20重量%としたプロピレン系重合体組成物(II)を
調製した。これらプロピレン系重合体組成物(I)とプ
ロピレン系重合体組成物(II)を用いて、プロピレン系
重合体組成物(II)が基材13側に、プロピレン系重合
体組成物(I)が冷却ロール32側になるようにして、
実施例1と同様に表1に示す条件で、共押出ラミネート
して積層体を製造した。さらに実施例1と同様にして、
ウレタン被膜の剥離強度を測定した。また、この積層体
の工程層に所定のエンボスを付与して工程シートを製造
した。得られた工程シートは、エンボス加工に供するこ
とが十分な程度に、エンボスが残存し、耐熱性が十分で
あった。
【0024】[比較例1]上記実施例4でのプロピレン
系重合体組成物(II)のみを用いて90mm押出機を備
えた幅1100mmのラミネート成形機を用いて表1に
示す条件で実施例1と同様にして押出ラミネートして積
層体を製造した。実施例1と同様にして、ポリウレタン
被膜の剥離強度を測定した。
【0025】[比較例2]上記実施例1での4−メチル
−1−ペンテン系樹脂のみを用いて、90mm押出機を
備えた幅1100mmのラミネート成形機を使用し、表
1に示す条件で板紙上にラミネートして積層体を製造し
た。実施例1と同様に、得られた積層体についてポリウ
レタン被膜の剥離強度の測定を行なった。評価結果を表
1に示した。
【0026】[比較例3]実施例1において、ポリプロ
ピレンが84重量%、4−メチル−1−ペンテン系樹脂
が1重量%、低密度ポリエチレンが15重量%としたこ
と以外は実施例1と同様にしてプロピレン系重合体組成
物を調製し、表1に示す条件で、ラミネートして積層体
を製造した。さらに実施例1と同様にして、ウレタン被
膜の剥離強度を測定した。
【0027】[剥離強度測定方法] 〔ウレタン被膜との剥離強度〕幅30mmの短冊状に切
断し、万能引張試験機(オリエンテック(株)製)を用
いて、ウレタン被膜との界面で剥離(剥離速度300m
m/分)して剥離強度(g/30mm)を調べた。 〔基材との剥離強度〕板紙製基材との接着強度は、層間
剥離作業を行った時の状況から以下の3段階の評価基準
で評価した。 A:板紙と工程層が強固に一体化し、樹脂の糸引きもな
し B:それほど丁寧でなくとも剥離可能 C:容易に剥がれる
【0028】
【表1】
【0029】以上から、本実施例の工程シートは、4−
メチル−1−ペンテン系樹脂を少量しか用いないにも拘
らず、ポリウレタン被膜と剥離し易いものである。これ
に対して、4−メチル−1−ペンテン系樹脂成分を欠く
比較例1、または、4−メチル−1−ペンテン系樹脂成
分の配合量が過少の比較例3では、ウレタン被膜の剥離
強度が高くなってしまっている。他方、4−メチル−1
−ペンテン系樹脂成分のみの比較例2では基材との接着
強度が小さかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の工程シートは、その表面の剥離
性と耐熱性がきわめて高く、軟質なポリウレタンやポリ
塩化ビニル等からなる被膜等とも良好に剥離し、この工
程シートを用いることにより、高品質な合成皮革の生産
性を高めることができる。また、少量の4−メチル−1
−ペンテン系樹脂の使用量で高効率に効果が発揮される
ので、コスト増加も僅かである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 工程シートの層構成の一例を示す側断面図で
ある。
【図2】 ラミネート成形機の一例を示す概略構成図で
ある。
【図3】 合成皮革の製造例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 表皮材 11 合成皮革 12 基布 13 基材 14 工程シート 15 工程層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA01 BA10 FA15 GA12 4F100 AK03B AK03C AK07B AK08B AK64B AL05B AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CB00 DG10 EH232 EJ392 EJ551 GB51 GB74 HB21 JA06B JJ03 JL02 JL14 YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に工程層が形成された工程シート
    において、 前記工程層は、(A)4−メチル−1−ペンテン系樹脂
    を2〜50重量%と、(B)ポリプロピレンを98〜5
    0重量%、(C)他のポリオレフィン系樹脂を0〜48
    重量%含むプロピレン系重合体組成物からなる層を有す
    ることを特徴とする工程シート。
  2. 【請求項2】 前記基材と接する位置に接着層が設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の工程シート。
  3. 【請求項3】 前記(A)4−メチル−1−ペンテン系
    樹脂は、荷重5.0kg、260℃で測定したメルトフ
    ローレートが20〜500g/10minであることを特徴
    とする請求項1記載の工程シート。
  4. 【請求項4】 前記(B)ポリプロピレンは、荷重2.
    16kg、230℃で測定したメルトフローレートが1
    0〜50g/10minであることを特徴とする請求項1、
    2、3のいずれかに記載の工程シート。
  5. 【請求項5】 前記(B)ポリプロピレンには、低密度
    ポリエチレンが5〜30重量%含まれていることを特徴
    とする請求項1記載の工程シート。
  6. 【請求項6】 4−メチル−1−ペンテン系樹脂と、ポ
    リプロピレンとを含むプロピレン系重合体組成物を基材
    上に押出ラミネーションする積層工程を有することを特
    徴とする工程シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 4−メチル−1−ペンテン系樹脂と、ポ
    リプロピレンとを含むプロピレン系重合体組成物をポリ
    オレフィン系樹脂を介して基材上に共押出ラミネーショ
    ンする積層工程を有することを特徴とする工程シートの
    製造方法。
JP10279207A 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法 Pending JP2000108268A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10279207A JP2000108268A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10279207A JP2000108268A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000108268A true JP2000108268A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17607936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10279207A Pending JP2000108268A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000108268A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002155476A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2002155474A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2004202978A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Japan Polyolefins Co Ltd 工程シートおよびその製造方法
JP2008189795A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Toray Ind Inc ポリプロピレンフィルム
JP2009061601A (ja) * 2007-09-04 2009-03-26 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 離型材及びその製造方法
JP2010275340A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Tohcello Co Ltd 表面保護フィルム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002155476A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2002155474A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP4580541B2 (ja) * 2000-11-17 2010-11-17 大日本印刷株式会社 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP4580540B2 (ja) * 2000-11-17 2010-11-17 大日本印刷株式会社 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2004202978A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Japan Polyolefins Co Ltd 工程シートおよびその製造方法
JP2008189795A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Toray Ind Inc ポリプロピレンフィルム
JP2009061601A (ja) * 2007-09-04 2009-03-26 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 離型材及びその製造方法
JP2010275340A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Tohcello Co Ltd 表面保護フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2734515C2 (ru) Способ изготовления многослойного пленочного полотна
TW201318819A (zh) 用於拉伸膜織物的方法
JP6657890B2 (ja) 透湿性積層体
JP5159267B2 (ja) 伸縮性積層体
KR100411835B1 (ko) 통기성 합지 제조시스템, 제조 방법 및 그 통기성 합지
JP2000108268A (ja) 工程シート及びその製造方法
KR101269282B1 (ko) 이형 시트
CN110039865A (zh) 聚烯烃离型膜及其制造方法、热塑性聚氨酯复合结构
EP2998096A1 (en) Voided plastic film
KR20190126245A (ko) 점착 테이프 및 이 점착 테이프의 제조 방법
JP4365549B2 (ja) 易剥離性多層樹脂延伸フィルム
JP2004345327A (ja) 積層体
JP2004330522A (ja) 積層体
JP2000108264A (ja) 工程シート及びその製造方法
JP2000108267A (ja) 工程シート及びその製造方法
DE102019220384A1 (de) Monoaxial gereckte Polyolefinfolie
JP4590346B2 (ja) 離型シート
JP2002155474A (ja) 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
KR100412096B1 (ko) 저용량 필름의 부직포 라미네이션 합지체 및 그 제조방법
JP2000108266A (ja) 工程シート及びその製造方法
JP3667101B2 (ja) 無架橋ポリプロピレン系樹脂製押出発泡シートの製造方法
JP2514388B2 (ja) 手袋用補強型多孔質シ―ト
JP6290597B2 (ja) 通気性積層体及びそれを用いた使い捨てカイロ
JP4197766B2 (ja) ノンハロゲン床材
JP2007327160A (ja) 合成皮革製造用工程剥離紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080205