JP2000108266A - 工程シート及びその製造方法 - Google Patents

工程シート及びその製造方法

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JP2000108266A
JP2000108266A JP10279205A JP27920598A JP2000108266A JP 2000108266 A JP2000108266 A JP 2000108266A JP 10279205 A JP10279205 A JP 10279205A JP 27920598 A JP27920598 A JP 27920598A JP 2000108266 A JP2000108266 A JP 2000108266A
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sheet
intramolecular unsaturated
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JP10279205A
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Takumi Araki
工 荒木
Kuniaki Yokoyama
邦明 横山
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Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間の接着性を充分満足できる水準に維持し
つつ、低温でのラミネート成形であっても短時間(高速
成形)で製造することができて、かつ、耐熱性の高い工
程シート及びその製造方法。 【解決手段】 基材13上に工程層15が形成された工
程シート14において、工程層は、(A)ポリプロピレ
ン系樹脂と、(B)分子内不飽和結合を有する化合物と
を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を有し、
該ポリプロピレン系樹脂組成物中における前記分子内不
飽和結合の数が103炭素当り0.5個以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば合成皮革等
の製造に用いられる工程シート及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】靴、鞄、ベルト、手帳等の装丁や壁装材
などとして、種々の織布にポリ塩化ビニルやウレタン等
の樹脂からなる表皮材を設けた多層シート材が広く使用
されている。これらのシート材は、表面に凹凸模様(以
下、エンボスという)を付すことにより、立体的な意匠
を施したり、特に靴や鞄等に用いる場合には合成皮革と
して本革らしさを醸し出して用いられる。エンボスを付
与するには、表面にエンボス模様の刻まれたプレス板や
ロールを押圧して転写する方法が一般的であるが、特に
生産量に限りのある小ロット生産が必要である場合等に
は、エンボスが表面に付与されている工程シート(工程
紙とも称される)を用いて押圧する方法が採られる。例
えば、図3に示す方法では、まず、表面に所定のエンボ
ス加工がされている工程シート14を繰出しロール16
から繰り出して、ピンチロール22と冷却ロール24の
間に導入する。また、基布12を繰出しロール18から
繰出し、同様にピンチロール22と冷却ロール24の間
に導入する。
【0003】さらに、押出機28から樹脂を溶融した状
態の表皮材10を、ピンチロール22と冷却ロール24
との間であって、工程シート14と基布12との間に導
入する。この際の樹脂の押出成形温度は、100〜25
0℃の範囲である。そして、これら工程シート14/表
皮材10/基布12はピンチロール22と冷却ロール2
4との間で圧着され、かつ表皮材10はエンボス加工さ
れると同時に冷却固化され、図1に示すような表皮材1
0及び基布12からなる多層合成皮革11となる。その
後、工程シート14は多層合成皮革用巻取りロール19
とは異なる方向に引き出されて巻取りロール17に巻取
られる。この工程シート14は、複数回の使用が可能で
ある。ここで用いられる工程シート14は、エンボスが
強固に形成され、かつ、エンボス加工工程での熱に耐え
得る耐熱性を有するものが使用され、通常、紙等からな
る基材13に工程層15としてポリプロピレンをラミネ
ートし、エンボスを付与し、シリコーン系離型剤などで
処理したものが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリプ
ロピレンの紙に対する接着強度はあまり高くなく、表皮
材10と圧着してエンボス加工に供した際に、表皮材1
0にくっつき、基材13と工程層15の間で剥離してし
まうおそれがあり、これらの間での接着強度をより高め
ることが重要視されている。しかも、より短時間で製造
することが望まれている。通常、押出ラミネーションに
おいては、層間の接着強度を向上するには、ラミネート
時の樹脂の温度を高めればよいことは知られており、上
記要求に対しては主としてラミネート温度を高める(通
常、約310℃以上)ことで対処していた。しかしなが
ら、樹脂の温度を高めることにより、発煙の発生等に
よる作業環境及び周辺環境への影響の増大、高温での
酸化劣化による製品の臭気の悪化等の問題がある。しか
も、高い接着性を確保しつつ成形速度を上げる為に、樹
脂温度をより高くしなければならず、上記問題が深刻と
なっている。また、高速成形の為に、オゾン処理を併用
しても十分な接着性を確保することは困難であった。本
発明は前記課題を解決するためになされたもので、層間
の接着性を充分満足できる水準に維持しつつ、低温での
ラミネート成形であっても短時間(高速成形)で製造す
ることができて、かつ、耐熱性の高い工程シート及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定の構造を有
する化合物からなる工程層を設けることにより上記課題
を解決し得ることを見い出し、本発明を完成させた。す
なわち、本発明の工程シートは、基材上に工程層が形成
された工程シートにおいて、工程層が、(A)ポリプロ
ピレン系樹脂と、(B)分子内不飽和結合を有する化合
物とを含むポリプロピレン系樹脂組成物からなる層を有
し、該ポリプロピレン系樹脂組成物中における前記分子
内不飽和結合の数が103炭素当り0.5個以上であるこ
とを特徴とするものである。ここで、ポリプロピレン系
樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン系樹脂を99.9
〜50重量%、(B)分子内不飽和結合を有する化合物
を0.1〜50重量%、(C)他のポリオレフィン系樹
脂を0〜49.9重量%含み、該(B)分子内不飽和結
合を有する化合物中における分子内不飽和結合の数が1
3炭素当り0.5〜250個であることが望ましい。ま
た、(B)分子内不飽和結合を有する化合物が、1,2
−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体、ポリイソプレンから選択された少なくとも1種で
あることが望ましい。
【0006】本発明の工程シートの製造方法は、基材を
供給する基材供給工程と、ポリプロピレン系樹脂と、分
子内不飽和結合を有する化合物とを含み、該分子内不飽
和結合の数が103炭素当り0.5個以上であるポリプロ
ピレン系樹脂組成物からなる溶融膜にオゾン処理を施す
樹脂表面処理工程と、前記供給された基材の少なくとも
片面に、前記溶融膜のオゾン処理の施された面を圧接す
る積層工程とを有することを特徴とするものである。こ
の基材供給工程においては、基材に表面処理を施すこと
が望ましい。また、積層工程においては、樹脂温度を2
00〜300℃とすることが望ましく、成形速度を20
0〜400m/min.とすることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における工程シートは、例
えば図1に示す工程シート14のように、少なくとも、
基材13と工程層15を有するものである。基材は、用
途に応じて適宜選択され、限定されるものではないが、
一般に、紙、織布、不織布が適用される。紙としては、
上質紙、クラフト紙、グラシン紙、無機繊維混抄紙、合
成樹脂混抄紙等が挙げられる。
【0008】工程層としては、ポリプロピレン系樹脂
と、分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポリプロ
ピレン系樹脂組成物からなる層を有し、そのポリプロピ
レン系樹脂組成物中における分子内不飽和結合の数が1
3炭素当り0.5個以上であるポリプロピレン系樹脂組
成物からなるものが適用される。ポリプロピレン系樹脂
としては、例えば、チーグラー系触媒、フイリップス系
触媒、メタロセン系触媒等によるプロピレン単独重合
体、プロピレンと炭素数2〜20のα・オレフィンとの
共重合体等が挙げられる。
【0009】また、密度は0.86〜0.98g/cm3
のものが好ましい。溶融張力は好ましくは1.5〜25
g、より好ましくは3〜20gである。また、Mw/M
nは3.0〜10、好ましくは4.0〜8.0の範囲で選
択されることが望ましい。上記炭素数2〜20のα−オ
レフィンとしては、具体的にはエチレン、プロピレン、
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げ
ることができる。
【0010】本発明の(A)ポリプロピレン系樹脂成分
には、目的により、非極性のポリオレフィン系樹脂と、
例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体等の極性基を有するエチレン共重
合体などを50重量%未満、より好ましくは30重量%
未満を併用することができる。また、本発明の(A)成
分の荷重2.16kgでのメルトフローレートは0.00
1〜1000g/10分であることが好ましく、より好ま
しくは0.1〜100g/10分であり、さらに好ましく
は1.0〜50g/10分である。該メルトフローレート
が低すぎても高すぎても成形性が劣る。また、メルトフ
ローレートが高すぎる場合には製品の強度が劣る。
【0011】本発明の(B)成分は、分子内不飽和結合
を有する化合物である。その分子内不飽和結合の数は、
ポリプロピレン系樹脂組成物全体中において、103
素当り0.5個以上であることが必要である。分子内不
飽和結合の数が0.5個未満であると、接着性等の向上
効果が小さい。(B)成分の化合物として、具体的に
は、分子内に複数の不飽和結合を有する化合物、ポリブ
タジエン、好ましくは1,2−ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、天然ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三
元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アリル、エ
チレン−(メタ)アクリル酸ビニルなどから選択される
少なくとも1種の化合物、オリゴマーまたは重合体を挙
げることができる。これら中でも1,2−ポリブタジエ
ン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)、ポリイソプレン、特に1,2−ポリブタジエンの
重合体が、取扱い、作業性等から好ましい。これらは一
種のみならず二種以上を併用できる。(B)成分の化合
物は、荷重2.16kgでのメルトフローレートが0.0
01〜1000g/10分であることが好ましく、より好
ましくは0.1〜100g/10分であり、さらに好まし
くは1.0〜50g/10分である。メルトフローレート
が低すぎても高すぎても成形性が劣る。また、メルトフ
ローレートが高すぎる場合には製品の強度が劣るものと
なる。
【0012】分子内不飽和結合の数は、(B)成分の化
合物中においても、その103炭素当り、0.5〜250
個であることが好ましく、より好ましくは103炭素中
5〜250個、さらに好ましくは103炭素中50〜2
50個である。分子内不飽和結合の数が過少であると接
着性、塗装性等の改良効果が少なく、過多であると熱安
定性が悪化する場合がある。
【0013】本発明の樹脂層には、必須成分ではないも
のの、(C)成分として他のポリオレフィン系樹脂を含
むことが望ましい。そのような他のポリオレフィン系樹
脂としては、プロピレン系樹脂等の炭素数3〜12の単
独重合体またはそれらとエチレンとの共重合体、相互共
重合体等が挙げられる。
【0014】本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成
物は、上記の(A)成分が99.9〜50重量%、
(B)成分が0.1〜50重量%、(C)成分が0〜4
9.9重量%の範囲で配合されることが望まれる。より
好ましくは、(A)成分を99.5〜60重量%、更に
好ましくは99.0〜70重量%であり、(B)成分を
0.5〜40重量%、さらに好ましくは1.0〜30重量
%である。また、(C)成分は0〜39.5重量%であ
ればより好ましく、0〜29重量%であればさらに好ま
しい。(B)成分が過少((A)成分が過多)であると
接着性能を発現することができず、(B)成分が過多
((A)成分が過少)であると混練時、成形時の耐熱性
が低下する虞が生じる。また、本発明におけるポリプロ
ピレン系樹脂組成物は、その荷重2.16kgでのメル
トフローレートが0.001〜1000g/10分である
ことが望ましい。より好ましくは0.1〜100g/10
分であり、さらに好ましくは1.0〜50g/10分であ
る。メルトフローレートが低すぎても高すぎても成形性
が劣る。また、メルトフローレートが高すぎる場合には
製品の強度が劣る。
【0015】該組成物を得るためのブレンド方法として
は、通常の混合操作、たとえばタンブラーミキサー法、
ヘンシェルミキサー法、バンバリーミキサー法、または
押出造粒法などにより行うことができる。該組成物を得
るにあたっては、中和剤、分散剤、酸化防止剤、滑材、
耐候性改良剤、帯電防止剤、顔料、フィラーなどの他の
付加的成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合する
ことができる。
【0016】このポリプロピレン系樹脂組成物である
と、異種材料である基材等との接着強度が高く、ラミネ
ート温度を低くしても高い接着強度を発現し、また、ラ
ミネート成形速度を速くしても高い接着強度を維持する
ことができる。尚、上述した工程シートは、基材、工程
層の2層構成からなる積層体について説明したが、本発
明はこれに限られるものではなく、本発明の作用効果を
損なうことのない範囲内で、他の層を設けてよい。例え
ば、基材の工程層の形成されていない側の面に他の任意
の層を設けたり、工程層を複数層で構成してもよい。
尚、工程層や基材等の各層の層厚は、限定されるもので
はなく、各層の機能を果たす範囲内で適宜設定される。
【0017】本発明の工程シートは、各層間の接着強度
が高くなるように積層する方法であれば特にその製造方
法は限定されるものではないが、押出ラミネーションに
より積層して製造する方法が好適である。例えば、基
材を供給する基材供給工程と、ポリプロピレン系樹脂
と、分子内不飽和結合を有する化合物とを含み、該分子
内不飽和結合の数が103炭素当り0.5個以上であるポ
リプロピレン系樹脂組成物からなる溶融膜にオゾン処理
を施す樹脂表面処理工程と、供給された基材の少なく
とも片面に、前記溶融膜のオゾン処理の施された面を圧
接する積層工程とを有する方法が望ましい。例えば、図
2に示すように、基材層供給工程として、紙等からなる
基材13を繰出機40から所定速度で繰り出し、ニップ
ロール34と冷却ロール32の間に供給する。同時に、
樹脂表面処理工程として、上述した工程層となる溶融樹
脂膜状態の樹脂を押出機30からニップロール34と冷
却ロール32との間の冷却ロール32側に供給する。そ
の際、その溶融膜にオゾン処理を施す。押出ラミネート
成形する際の装置としては、通常、T型ダイ方式の装置
を用いることができる。
【0018】そして、積層工程として、ニップロール3
4と冷却ロール32の間にて、基材13と溶融膜を圧接
して積層する。この際、溶融膜のオゾン処理の施された
面を基材13と接触するようにする。その後、得られた
基材13と工程層15からなる積層体は、巻取工程とし
て、巻取機42に巻き取られる。押出成形時の樹脂温度
は、一般に、280〜350℃であるが、300℃未満
にすることができる。尚、工程シートとしては、工程層
にエンボスを付与するのは必ずしも必須ではないが、エ
ンボス等の転写シートとして利用する場合には、所定の
エンボスが形成されているプレス板やロールを押圧する
加工を施せばよい。工程層の表面には、必要に応じて、
シリコーン系離型剤などで表面処理しておくことが好ま
しい。
【0019】本発明においては、工程層15にオゾン処
理を施しておくことが望ましい。オゾン処理は、Tダイ
から出た溶融樹脂膜の、基材と接着する側の面に、オゾ
ン供給器36からオゾンを吹きつければよく、オゾン処
理条件としては、5〜1000g/hr、好ましくは1
00〜500g/hrの範囲である。層間強度を向上さ
せる手段としてオゾン処理は従来から利用されてきたも
のであるが、本発明においては、その工程層中における
不飽和結合とオゾンとが反応することによるオゾン処理
による改質効果が大きく、本発明の工程層とオゾン処理
の相乗効果により、他層との接着強度が従来ないほどに
飛躍的に向上する。このオゾン処理を施すことにより、
押出成形時の樹脂温度を200〜300℃、より好まし
くは240〜280℃の低温でも接着強度を低下させず
にラミネートができる。また、基材に対しても、プレヒ
ート処理、コロナ処理、火炎処理、UV処理等の表面処
理を行うことができるが、中でもコロナ処理を施してお
くことが望ましく、コロナ処理を施した基材とオゾン処
理を施した工程層との層間接着強度はきわめて高くな
る。コロナ処理としては、コロナ放電器38を用いて、
1〜300W分/m2が好ましく、10〜100W分/
2の範囲がより好適である。本発明によれば、高い層
間強度をもつ工程シートを低温ラミネートにより、ま
た、200〜400m/minの高速成形で製造すること
ができる。また、工程層の押出ラミネーション工程時の
ラミネート温度を調整することにより、転写面の濡れ性
を制御することができ、表面の接着性を調整できる。
尚、本発明においては、基材と工程層の間に接着剤やア
ンカーコート剤を必要とするものではないが、これら接
着剤やアンカーコート剤等を使用することも可能ではあ
る。
【0020】この工程シートを用いてエンボス加工に用
いるには、例えば、合成皮革を製造するには、図3に示
すように、まず、表面に所定のエンボスが付与されてい
る工程シート14を繰出しロール16から繰り出して、
ガイドロール20等を経てピンチロール22と冷却ロー
ル24の間に導入する。また、基布12を繰出しロール
18から繰出し、同様にピンチロール22と冷却ロール
24の間に導入する。さらに、Tダイ等を備えた押出機
28からウレタン樹脂やPVC等の溶融状態の表皮材1
0を、ピンチロール22と冷却ロール24との間であっ
て、工程シート14と基布12との間に導入する。この
際の樹脂の押出成形温度は、100〜250℃の範囲で
ある。
【0021】そして、これら工程シート14/表皮材1
0/基布12はピンチロール22と冷却ロール24との
間で圧着され、かつ表皮材10はエンボス加工されると
同時に冷却固化され、図1に示すような表皮材10及び
基布12からなる多層合成皮革11が製造される。その
後、表皮材10と基布12とからなる多層合成皮革11
は、巻取りロール19に巻取られると共に、工程シート
14は多層合成皮革用巻取りロール19とは異なる方向
に引き出されて巻取りロール17に巻取られる。この工
程シート14は、複数回の使用が可能である。こうし
て、多層合成皮革が連続的に製造される。また、平坦に
広げた工程シート上に、ウレタン樹脂やPVC等を塗布
し、加熱し、硬化して樹脂膜を形成した後に、その樹脂
膜を工程シートから剥離することによっても、表面にエ
ンボスが形成された樹脂膜からなる合成皮革を製造する
ことができる。
【0022】合成皮革を製造するにあたって、表面にエ
ンボスの形成されたプレス板やロールを使用する方法で
は、それらの寿命がきたり、エンボスの変更をするとき
には、大型なプレス板やロールを交換しなければなら
ず、大変な労力を要するばかりか、コストも高くなる。
その上、エンボス押圧後に樹脂を乾燥させて安定させる
必要があり、製造に長時間を要する。しかしながら、上
述した図3に示した方法等のように工程シートを用いれ
ば、工程シート14を取り替えるのみで種々のエンボス
加工が可能となり、また樹脂は瞬時に冷却固化するの
で、非常に簡易かつ短時間で安価に多層合成皮革を製造
することができる。以上のようにして製造される多層合
成皮革の各層の厚みは、用途によって異なるため一義的
に決められるものではない。しかし、表皮材の厚みは、
エンボス加工を行うことから、少なくとも40μm以上
の厚みであることが好ましい。また、最大厚みは、成形
加工性の点から最大500μmまでの範囲である。一
方、基布の厚みは、10μmから500μmの範囲であ
る。また、用途によっては、基布と表皮材以外の層、例
えば保護層等をさらに設けて、3層以上の積層体とする
ことも可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。後述す
る各実施例、比較例においては、下記の各樹脂成分を用
いた。 PP:メルトフローレート(230℃)が35g/10分
のポリプロピレン。 PB(I):メルトフローレート(150℃)が9.0
g/10分の1,2−ポリブタジエン樹脂。分子内不飽和
結合数は250個/103炭素 PB(II):メルトフローレート(150℃)が3.0
g/10分の1,2−ポリブタジエン樹脂。分子内不飽和
結合数は250個/103炭素
【0024】[実施例1]上記PPが92重量%、上記
PB(I)が8重量%になるようにポリプロピレン系樹
脂組成物を調製した。得られたポリプロピレン系樹脂組
成物中の103炭素当りの分子内不飽和結合の数を赤外
分析法(IR)で測定した。90mm押出機を備えた幅
1100mmのラミネート成形機を使用し、図2に示す
ように、得られたポリプロピレン系樹脂組成物からなる
溶融樹脂膜状態の工程層にオゾン処理を施し、これをコ
ロナ処理を施した上質紙(130g/m2)13上に表
1に示す条件でラミネートして積層体を製造した。製造
時の発煙の状況の評価及び得られた積層体について層間
の接着強度の測定を行なった。評価結果を表1に示し
た。そして、この積層体の工程層に所定のエンボスを付
与して工程シートを製造した。得られた工程シートは、
エンボス加工に供することが十分な程度に、エンボスが
残存し、耐熱性が十分であった。
【0025】[実施例2]上記PPが99.0重量%、
PB(I)が1.0重量%になるようなポリプロピレン
系樹脂組成物を調製した。得られたポリプロピレン系樹
脂組成物を用いて、90mm押出機を備えた幅1100
mmのラミネート成形機を使用し、表1に示す条件で、
実施例1と同様に、上質紙上にラミネートして積層体を
製造した。製造時の発煙の状況の評価及び得られた積層
体について層間の接着強度の測定を行なった。評価結果
を表1に示した。そして、この積層体の工程層に所定の
エンボスを付与して工程シートを製造した。得られた工
程シートは、エンボス加工に供することが十分な程度
に、エンボスが残存し、耐熱性が十分であった。
【0026】[実施例3]上記PPが90重量%、上記
PB(I)が10重量%になるようにポリプロピレン系
樹脂組成物を調製した。得られたポリプロピレン系樹脂
組成物を基材13側に、上記PPを冷却ロール32側に
なるように表1に示す条件で上質紙上に、90mm押出
機を備えた幅1100mmのラミネート成形機を使用し
て共押出ラミネートして、PP/PP+PB(I)/基
材の3層構成の積層体を製造した。製造時の発煙の状況
の評価及び得られた積層体について工程層(PP/PP
+PB(I))と基材との間の接着強度の測定を行なっ
た。評価結果を表1に示した。そして、この積層体の工
程層に所定のエンボスを付与して工程シートを製造し
た。得られた工程シートは、エンボス加工に供すること
が十分な程度に、エンボスが残存し、耐熱性が十分であ
った。
【0027】[比較例1]上記PPのみを90mm押出
機を備えた幅1100mmのラミネート成形機を用いて
表1に示す条件で上質紙上にラミネートして積層体を製
造した。製造時の発煙の状況の評価及び得られた積層体
について層間の接着強度の測定を行なった。評価結果を
表1に示した。
【0028】[比較例2]上記PPが99.95重量
%、上記PB(II)が0.05重量%になるようなポリ
プロピレン系樹脂組成物を調製した。得られたポリプロ
ピレン系樹脂組成物を用いて、90mm押出機を備えた
幅1100mmのラミネート成形機を使用し、表1に示
す条件で上質紙上にラミネートして積層体を製造した。
製造時の発煙の状況の評価及び得られた積層体について
層間の接着強度の測定を行なった。評価結果を表1に示
した。
【0029】[比較例3]上記PP(II)のみを90m
m押出機を備えた幅1100mmのラミネート成形機を
用いて表1に示す条件で上質紙上にラミネートして積層
体を製造した。但し、溶融樹脂にオゾン処理は施さなか
った。製造時の発煙の状況の評価及び得られた積層体に
ついて層間の接着強度の測定を行なった。評価結果を表
1に示した。
【0030】[評価方法] 〔紙との接着強度〕上質紙製基材との接着強度は、層間
剥離作業を行った時の状況から以下の3段階の基準で評
価した。 ◎:上質紙と工程層が強固に一体化し、樹脂の糸引きも
なし △:それほど丁寧でなくとも剥離可能 ×:容易に剥がれる 〔発煙〕 a:全く煙りが見えない b:少し煙りが見える c:非常に多い
【0031】
【表1】
【0032】以上から、本実施例の工程シートでは、高
い成形速度で、かつ、低い成形温度でありながら、高い
接着強度を発揮している。これに対して、(B)成分を
欠く比較例1、または、(B)成分の配合量が少ない比
較例2では、接着強度が低い。また、(B)成分を欠き
且つオゾン処理を施していない比較例3においては、成
形温度を高くすることにより、接着強度を改善できてい
るものの、発煙が生じてしまった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、低い成形温度で、ま
た、高速成形によっても、層間の接着強度が高い工程シ
ートとなる。特にオゾン処理を併用することにより、よ
り高い層間強度を発揮する。従って、成形速度を高めら
れることから、生産性を格段に向上させることができる
上に、低温で成形できることから、発煙による作業環境
及び周辺への影響を極力抑えることができる。また、工
程層がポリプロピレン系樹脂組成物からなるので、耐熱
性の高い工程シートとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 工程シートの層構成の一例を示す側断面図で
ある。
【図2】 ラミネート成形機の一例を示す概略構成図で
ある。
【図3】 合成皮革の製造例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 表皮材 11 合成皮革 12 基布 13 基材 14 工程シート 15 工程層 36 オゾン供給器 38 コロナ放電器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA30 BA10 BA12 CA18 EA26 FA04 FA05 GA18 HA06 4F100 AK02B AK03B AK04B AK07B AK08B AK28B AL01B AT00A BA02 DG10 EH201 EJ131 EJ393 EJ551 GB90 HB21 JJ03 JK06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に工程層が形成された工程シート
    において、 前記工程層は、(A)ポリプロピレン系樹脂と、(B)
    分子内不飽和結合を有する化合物とを含むポリプロピレ
    ン系樹脂組成物からなる層を有し、該ポリプロピレン系
    樹脂組成物中における前記分子内不飽和結合の数が10
    3炭素当り0.5個以上であることを特徴とする工程シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記ポリプロピレン系樹脂組成物は、
    (A)ポリプロピレン系樹脂を99.9〜50重量%、
    (B)分子内不飽和結合を有する化合物を0.1〜50
    重量%、(C)他のポリオレフィン系樹脂を0〜49.
    9重量%含み、前記(B)分子内不飽和結合を有する化
    合物中における分子内不飽和結合の数が103炭素当り
    0.5〜250個であることを特徴とする請求項1記載
    の工程シート。
  3. 【請求項3】 前記(B)分子内不飽和結合を有する化
    合物が、1,2−ポリブタジエン、エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体、ポリイソプレンから選択された少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の工
    程シート。
  4. 【請求項4】 基材を供給する基材供給工程と、 ポリプロピレン系樹脂と、分子内不飽和結合を有する化
    合物とを含み、該分子内不飽和結合の数が103炭素当
    り0.5個以上であるポリプロピレン系樹脂組成物から
    なる溶融膜にオゾン処理を施す樹脂表面処理工程と、 前記供給された基材の少なくとも片面に、前記溶融膜の
    オゾン処理の施された面を圧接する積層工程とを有する
    ことを特徴とする工程シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基材供給工程において、基材に表面
    処理を施すことを特徴とする請求項4記載の工程シート
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記積層工程において、樹脂温度を20
    0〜300℃とすることを特徴とする請求項4または5
    記載の工程シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記積層工程において、成形速度を20
    0〜400m/min.とすることを特徴とする請求項4、
    5、6のいずれかに記載の工程シートの製造方法。
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