JP2000108267A - 工程シート及びその製造方法 - Google Patents

工程シート及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000108267A
JP2000108267A JP10279206A JP27920698A JP2000108267A JP 2000108267 A JP2000108267 A JP 2000108267A JP 10279206 A JP10279206 A JP 10279206A JP 27920698 A JP27920698 A JP 27920698A JP 2000108267 A JP2000108267 A JP 2000108267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
pentene
process sheet
resin composition
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10279206A
Other languages
English (en)
Inventor
Takumi Araki
工 荒木
Kuniaki Yokoyama
邦明 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polyolefins Co Ltd filed Critical Japan Polyolefins Co Ltd
Priority to JP10279206A priority Critical patent/JP2000108267A/ja
Publication of JP2000108267A publication Critical patent/JP2000108267A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 層間の接着性を充分満足できる水準に維持し
つつ、低温でのラミネート成形であっても短時間(高速
成形)で製造することができて、かつ、耐熱性の高い工
程シート及びその製造方法。 【解決手段】 基材13上に工程層15が形成された工
程シート14において、工程層は、(A)4−メチル−
1−ペンテン系樹脂と、(B)分子内不飽和結合を有す
る化合物とを含む4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成
物からなる層を有し、該4−メチル−1−ペンテン系樹
脂組成物中における前記分子内不飽和結合の数が103
炭素当り0.5個以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば合成皮革等
の製造に用いられる工程シート及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】靴、鞄、ベルト、手帳等の装丁や壁装材
などとして、種々の織布にポリ塩化ビニルやウレタン等
の樹脂からなる表皮材を設けた多層シート材が広く使用
されている。これらのシート材は、表面に凹凸模様(以
下、エンボスという)を付すことにより、立体的な意匠
を施したり、特に靴や鞄等に用いる場合には合成皮革と
して本革らしさを醸し出して用いられる。エンボスを付
与するには、表面にエンボス模様の刻まれたプレス板や
ロールを押圧して転写する方法が一般的であるが、特に
生産量に限りのある小ロット生産が必要である場合等に
は、エンボスが表面に付与されている工程シート(工程
紙とも称される)を用いて押圧する方法が採られる。
【0003】例えば、図3に示す方法では、まず、表面
に所定のエンボス加工がされている工程シート14を繰
出しロール16から繰り出して、ピンチロール22と冷
却ロール24の間に導入する。また、基布12を繰出し
ロール18から繰出し、同様にピンチロール22と冷却
ロール24の間に導入する。さらに、押出機28から樹
脂を溶融した状態の表皮材10を、ピンチロール22と
冷却ロール24との間であって、工程シート14と基布
12との間に導入する。この際の樹脂の押出成形温度
は、100〜250℃の範囲である。そして、これら工
程シート14/表皮材10/基布12はピンチロール2
2と冷却ロール24との間で圧着され、かつ表皮材10
はエンボス加工されると同時に冷却固化され、図1に示
すような表皮材10及び基布12からなる多層合成皮革
11となる。その後、工程シート14は多層合成皮革用
巻取りロール19とは異なる方向に引き出されて巻取り
ロール17に巻取られる。この工程シート14は、複数
回の使用が可能である。ここで用いられる工程シート1
4は、エンボスが強固に形成され、かつ、エンボス加工
工程での熱に耐え得る耐熱性を有するものが使用され、
通常、紙等からなる基材13に工程層15としてポリプ
ロピレンをラミネートし、エンボスを付与し、シリコー
ン系離型剤などで処理したものが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリプ
ロピレンの紙に対する接着強度はあまり高くなく、表皮
材10と圧着してエンボス加工に供した際に、表皮材1
0にくっつき、基材13と工程層15の間で剥離してし
まうおそれがあり、これらの間での接着強度をより高め
ることが重要視されている。しかも、より短時間で製造
することが望まれている。通常、押出ラミネーションに
おいては、層間の接着強度を向上するには、ラミネート
時の樹脂の温度を高めればよいことは知られており、上
記要求に対しては主としてラミネート温度を高める(通
常、約310℃以上)ことで対処していた。しかしなが
ら、樹脂の温度を高めることにより、発煙の発生等に
よる作業環境及び周辺環境への影響の増大、高温での
酸化劣化による製品の臭気の悪化等の問題がある。しか
も、高い接着性を確保しつつ成形速度を上げる為に、樹
脂温度をより高くしなければならず、上記問題が深刻と
なっている。また、高速成形の為に、オゾン処理を併用
しても十分な接着性を確保することは困難であった。本
発明は前記課題を解決するためになされたもので、層間
の接着性を充分満足できる水準に維持しつつ、低温での
ラミネート成形であっても短時間(高速成形)で製造す
ることができて、かつ、耐熱性の高い工程シート及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定の構造を有
する化合物からなる工程層を設けることにより上記課題
を解決し得ることを見い出し、本発明を完成させた。す
なわち、本発明の工程シートは、基材上に工程層が形成
された工程シートにおいて、その工程層が、(A)4−
メチル−1−ペンテン系樹脂と、(B)分子内不飽和結
合を有する化合物とを含む4−メチル−1−ペンテン系
樹脂組成物からなる層を有し、該4−メチル−1−ペン
テン系樹脂組成物中における前記分子内不飽和結合の数
が103炭素当り0.5個以上であることを特徴とするも
のである。ここで、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組
成物は、(A)4−メチル−1−ペンテン系樹脂を9
9.9〜50重量%、(B)分子内不飽和結合を有する
化合物を0.1〜50重量%、(C)他のポリオレフィ
ン系樹脂を0〜49.9重量%含み、該(B)分子内不
飽和結合を有する化合物中における分子内不飽和結合の
数が103炭素当り0.5〜250個であることが望まし
い。また、(B)分子内不飽和結合を有する化合物が、
1,2−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体、ポリイソプレンから選択された少なくとも
1種であることが望ましい。また、工程層が、前記4−
メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる層と、4−
メチル−1−ペンテン系樹脂からなる層とを有する複数
層で構成されるものも望ましい。
【0006】本発明の工程シートの製造方法は、基材を
供給する基材供給工程と、4−メチル−1−ペンテン系
樹脂と、分子内不飽和結合を有する化合物とを含み、該
分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.5個以上であ
る4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる溶融
膜にオゾン処理を施す樹脂表面処理工程と、前記供給さ
れた基材の少なくとも片面に、前記溶融膜のオゾン処理
の施された面を圧接する積層工程とを有することを特徴
とするものである。基材供給工程においては、基材に表
面処理を施すことが望ましい。また、積層工程において
は、樹脂温度を200〜300℃とすることが望まし
く、成形速度を200〜400m/min.とすることが望
ましい。また、本発明の工程シートの製造方法として
は、基材を供給する基材供給工程と、4−メチル−1−
ペンテン系樹脂と、分子内不飽和結合を有する化合物と
を含み、該分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.5
個以上である4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物
と、4−メチル−1−ペンテン系樹脂とを共押出しし、
該4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる溶融
膜にオゾン処理を施す樹脂表面処理工程と、前記供給さ
れた基材の少なくとも片面に、前記溶融膜のオゾン処理
の施された面を圧接する積層工程とを有するものも望ま
しい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における工程シートは、例
えば図1に示す工程シート14のように、少なくとも、
基材13と工程層15を有するものである。基材は、用
途に応じて適宜選択され、限定されるものではないが、
一般に、紙、織布、不織布が適用される。紙としては、
上質紙、クラフト紙、グラシン紙、無機繊維混抄紙、合
成樹脂混抄紙等が挙げられる。
【0008】工程層としては、(A)成分として4−メ
チル−1−ペンテン系樹脂と、(B)成分として分子内
不飽和結合を有する化合物とを含む4−メチル−1−ペ
ンテン系樹脂組成物からなる層を有し、その4−メチル
−1−ペンテン系樹脂組成物中における分子内不飽和結
合の数が103炭素当り0.5個以上である4−メチル−
1−ペンテン系樹脂組成物からなるものが適用される。
4−メチル−1−ペンテン系樹脂としては、4−メチル
−1−ペンテン単独、または、これと1種または複数種
の他の炭素数2〜16のα−オレフィンとの共重合体が
挙げられる。
【0009】また、本発明の(A)成分の荷重2.16
kgでのメルトフローレートは0.001〜1000g
/10分であることが好ましく、より好ましくは0.1〜
100g/10分であり、さらに好ましくは1.0〜50
g/10分である。該メルトフローレートが低すぎても高
すぎても成形性が劣る。また、メルトフローレートが高
すぎる場合には製品の強度が劣る。
【0010】本発明の(B)成分は、分子内不飽和結合
を有する化合物である。その分子内不飽和結合の数は、
4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物全体中におい
て、103炭素当り0.5個以上であることが必要であ
る。分子内不飽和結合の数が0.5個未満であると、接
着性等の向上効果が小さい。(B)成分の化合物とし
て、具体的には、分子内に複数の不飽和結合を有する化
合物、ポリブタジエン、好ましくは1,2−ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸アリル、エチレン−(メタ)アクリル酸ビニルなどか
ら選択される少なくとも1種の化合物、オリゴマーまた
は重合体を挙げることができる。これら中でも1,2−
ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体(EPDM)、ポリイソプレン、特に1,2−ポリブ
タジエンの重合体が、取扱い、作業性等から好ましい。
これらは一種のみならず二種以上を併用できる。(B)
成分の化合物は、荷重2.16kgでのメルトフローレ
ートが0.001〜1000g/10分であることが好ま
しく、より好ましくは0.1〜100g/10分であり、
さらに好ましくは1.0〜50g/10分である。メルト
フローレートが低すぎても高すぎても成形性が劣る。ま
た、メルトフローレートが高すぎる場合には製品の強度
が劣るものとなる。
【0011】分子内不飽和結合の数は、(B)成分の化
合物中においても、その103炭素当り、0.5〜250
個であることが好ましく、より好ましくは103炭素中
5〜250個、さらに好ましくは103炭素中50〜2
50個である。分子内不飽和結合の数が過少であると接
着性、塗装性等の改良効果が少なく、過多であると熱安
定性が悪化する場合がある。
【0012】本発明の樹脂層には、必須成分ではないも
のの、(C)成分として他のポリオレフィン系樹脂を含
むことが望ましい。そのような他のポリオレフィン系樹
脂としては、プロピレン系樹脂等の炭素数3〜12の単
独重合体またはそれらとエチレンとの共重合体、相互共
重合体等が挙げられる。
【0013】本発明における4−メチル−1−ペンテン
系樹脂組成物は、上記の(A)成分が99.9〜50重
量%、(B)成分が0.1〜50重量%、(C)成分が
0〜49.9重量%の範囲で配合されることが望まれ
る。より好ましくは、(A)成分を99.5〜60重量
%、更に好ましくは99.0〜70重量%であり、
(B)成分を0.5〜40重量%、さらに好ましくは1.
0〜30重量%である。また、(C)成分は0〜39.
5重量%であればより好ましく、0〜29重量%であれ
ばさらに好ましい。(B)成分が過少((A)成分が過
多)であると接着性能を発現することができず、(B)
成分が過多((A)成分が過少)であると混練時、成形
時の耐熱性が低下する虞が生じる。また、本発明におけ
る4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物は、その荷重
2.16kgでのメルトフローレートが0.001〜10
00g/10分であることが望ましい。より好ましくは
0.1〜100g/10分であり、さらに好ましくは1.0
〜50g/10分である。メルトフローレートが低すぎて
も高すぎても成形性が劣る。また、メルトフローレート
が高すぎる場合には製品の強度が劣る。また、4−メチ
ル−1−ペンテン系樹脂組成物は、その融点が220〜
250℃のものが好ましく、230〜240℃であれば
より好ましい。
【0014】該組成物を得るためのブレンド方法として
は、通常の混合操作、たとえばタンブラーミキサー法、
ヘンシェルミキサー法、バンバリーミキサー法、または
押出造粒法などにより行うことができる。該組成物を得
るにあたっては、中和剤、分散剤、酸化防止剤、滑材、
耐候性改良剤、帯電防止剤、顔料、フィラーなどの他の
付加的成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合する
ことができる。
【0015】この4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成
物であると、異種材料である基材等との接着強度が高
く、ラミネート温度を低くしても高い接着強度を発現
し、また、ラミネート成形速度を速くしても高い接着強
度を維持することができる。また、この工程層は耐熱性
がきわめて高く、一旦付与したエンボスの残存性に優
れ、しかも表面の剥離性に優れており、工程シートとし
てきわめて優れているものである。尚、上述した工程シ
ートは、基材、工程層の2層構成からなる積層体につい
て説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、
本発明の作用効果を損なうことのない範囲内で、他の層
を設けてよい。例えば、基材の工程層の形成されていな
い側の面に他の任意の層を設けたり、工程層を複数層で
構成してもよい。例えば、工程層を上述した(A)成分
と(B)成分を含む4−メチル−1−ペンテン系樹脂組
成物からなる層と、(A)成分の4−メチル−1−ペン
テン系樹脂のみからなる層とを有する複数層で構成する
こともでき、また、この例のものであると、表面の耐熱
性をさらに向上させることができる。尚、工程層や基材
等の各層の層厚は、限定されるものではなく、各層の機
能を果たす範囲内で適宜設定される。
【0016】本発明の工程シートは、各層間の接着強度
が高くなるように積層する方法であれば特にその製造方
法は限定されるものではないが、押出ラミネーションに
より積層して製造する方法が好適である。例えば、基
材を供給する基材供給工程と、4−メチル−1−ペン
テン系樹脂と、分子内不飽和結合を有する化合物とを含
み、該分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.5個以
上である4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からな
る溶融膜にオゾン処理を施す樹脂表面処理工程と、供
給された基材の少なくとも片面に、前記溶融膜のオゾン
処理の施された面を圧接する積層工程とを有する方法が
望ましい。例えば、図2に示すように、基材層供給工程
として、紙等からなる基材13を繰出機40から所定速
度で繰り出し、ニップロール34と冷却ロール32の間
に供給する。同時に、樹脂表面処理工程として、上述し
た工程層となる溶融樹脂膜状態の樹脂を押出機30から
ニップロール34と冷却ロール32との間の冷却ロール
32側に供給する。その際、その溶融膜にオゾン処理を
施す。押出ラミネート成形する際の装置としては、通
常、T型ダイ方式の装置を用いることができる。
【0017】そして、積層工程として、ニップロール3
4と冷却ロール32の間にて、基材13と溶融膜を圧接
して積層する。この際、溶融膜のオゾン処理の施された
面を基材13と接触するようにする。その後、得られた
基材13と工程層15からなる積層体は、巻取工程とし
て、巻取機42に巻き取られる。押出成形時の樹脂温度
は、一般に、280〜350℃であるが、300℃未満
にすることができる。尚、工程シートとしては、工程層
にエンボスを付与するのは必ずしも必須ではないが、エ
ンボス等の転写シートとして利用する場合には、所定の
エンボスが形成されているプレス板やロールを押圧すれ
ばよい。工程層の表面には、必要に応じて、シリコーン
系離型剤などで表面処理しておくことが好ましい。
【0018】本発明においては、工程層15にオゾン処
理を施しておくことが望ましい。オゾン処理は、Tダイ
から出た溶融樹脂膜の、基材と接着する側の面に、オゾ
ン供給器36からオゾンを吹きつければよく、オゾン処
理条件としては、5〜1000g/hr、好ましくは1
00〜500g/hrの範囲である。層間強度を向上さ
せる手段としてオゾン処理は従来から利用されてきたも
のであるが、本発明においては、その工程層中における
不飽和結合とオゾンとが反応することによるオゾン処理
による改質効果が大きく、本発明の工程層とオゾン処理
の相乗効果により、他層との接着強度が従来ないほどに
飛躍的に向上する。このオゾン処理を施すことにより、
押出成形時の樹脂温度を200〜300℃、より好まし
くは240〜280℃の低温でも接着強度を低下させず
にラミネートができる。また、基材に対しても、プレヒ
ート処理、コロナ処理、火炎処理、UV処理等の表面処
理を行うことができるが、中でもコロナ処理を施してお
くことが望ましく、コロナ処理を施した基材とオゾン処
理を施した工程層との層間接着強度はきわめて高くな
る。コロナ処理としては、コロナ放電器38を用いて、
1〜300W分/m2が好ましく、10〜100W分/
2の範囲がより好適である。
【0019】本発明によれば、高い層間強度をもつ工程
シートを低温ラミネートにより、また、200〜400
m/minの高速成形で製造することができる。また、工
程層の押出ラミネーション工程時のラミネート温度を調
整することにより、転写面の濡れ性を制御することがで
き、表面の接着性を調整できる。また、上述した工程層
を上述した4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物から
なる層と、4−メチル−1−ペンテン系樹脂のみからな
る層とを有する複数層で構成したものについては、例え
ば、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物と、4−メ
チル−1−ペンテン系樹脂とを共押出しし、該4−メチ
ル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる溶融膜にオゾン
処理を施す樹脂表面処理工程と、供給された基材の少な
くとも片面に、前記溶融膜のオゾン処理の施された面を
圧接する積層工程とを有する共押出ラミネーション法を
利用する方法によって容易に製造できる。また、4−メ
チル−1−ペンテン系樹脂からなるフィルムを冷却ロー
ル32側に供給して圧接、積層する所謂サンドラミネー
ションによっても製造され得る。尚、本発明において
は、基材と工程層の間に接着剤やアンカーコート剤を必
要とするものではないが、これら接着剤やアンカーコー
ト剤等を使用することも可能ではある。
【0020】この工程シートを用いてエンボス加工に用
いるには、例えば、合成皮革を製造するには、図3に示
すように、まず、表面に所定のエンボスが付与されてい
る工程シート14を繰出しロール16から繰り出して、
ガイドロール20等を経てピンチロール22と冷却ロー
ル24の間に導入する。また、基布12を繰出しロール
18から繰出し、同様にピンチロール22と冷却ロール
24の間に導入する。さらに、Tダイ等を備えた押出機
28からウレタン樹脂やPVC等の溶融状態の表皮材1
0を、ピンチロール22と冷却ロール24との間であっ
て、工程シート14と基布12との間に導入する。この
際の樹脂の押出成形温度は、100〜250℃の範囲で
ある。
【0021】そして、これら工程シート14/表皮材1
0/基布12はピンチロール22と冷却ロール24との
間で圧着され、かつ表皮材10はエンボス加工されると
同時に冷却固化され、図1に示すような表皮材10及び
基布12からなる多層合成皮革11が製造される。その
後、表皮材10と基布12とからなる多層合成皮革11
は、巻取りロール19に巻取られると共に、工程シート
14は多層合成皮革用巻取りロール19とは異なる方向
に引き出されて巻取りロール17に巻取られる。この工
程シート14は、複数回の使用が可能である。こうし
て、多層合成皮革が連続的に製造される。また、平坦に
広げた工程シート上に、ウレタン樹脂やPVC等を塗布
し、加熱し、硬化して樹脂膜を形成した後に、その樹脂
膜を工程シートから剥離することによっても、表面にエ
ンボスが形成された樹脂膜からなる合成皮革を製造する
ことができる。
【0022】合成皮革を製造するにあたって、表面にエ
ンボスの形成されたプレス板やロールを使用する方法で
は、それらの寿命がきたり、エンボスの変更をするとき
には、大型なプレス板やロールを交換しなければなら
ず、大変な労力を要するばかりか、コストも高くなる。
その上、エンボス押圧後に樹脂を乾燥させて安定させる
必要があり、製造に長時間を要する。しかしながら、上
述した図3に示した方法等のように工程シートを用いれ
ば、工程シート14を取り替えるのみで種々のエンボス
加工が可能となり、また樹脂は瞬時に冷却固化するの
で、非常に簡易かつ短時間で安価に多層合成皮革を製造
することができる。以上のようにして製造される多層合
成皮革の各層の厚みは、用途によって異なるため一義的
に決められるものではない。しかし、表皮材の厚みは、
エンボス加工を行うことから、少なくとも40μm以上
の厚みであることが好ましい。また、最大厚みは、成形
加工性の点から最大500μmまでの範囲である。一
方、基布の厚みは、10μmから500μmの範囲であ
る。また、用途によっては、基布と表皮材以外の層、例
えば保護層等をさらに設けて、3層以上の積層体とする
ことも可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらにより限定されるものではない。後述す
る各実施例、比較例においては、下記の各樹脂成分を用
いた。 MeP(I):メルトフローレート(260℃)が10
0g/10分の4−メチル−1−ペンテン。 MeP(II):メルトフローレート(260℃)が80
g/10分の4−メチル−1−ペンテン。 PB(I):メルトフローレート(150℃)が9.0
g/10分の1,2−ポリブタジエン樹脂。分子内不飽和
結合数は250個/103炭素 PB(II):メルトフローレート(150℃)が3.0
g/10分の1,2−ポリブタジエン樹脂。分子内不飽和
結合数は250個/103炭素
【0024】[実施例1]上記MeP(I)が90重量
%、上記PB(I)が10重量%になるように4−メチ
ル−1−ペンテン系樹脂組成物を調製した。得られた4
−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物中の103炭素当
りの分子内不飽和結合の数を赤外分析法(IR)で測定
した。90mm押出機を備えた幅1100mmのラミネ
ート成形機を使用し、図2に示すように、得られた4−
メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる溶融樹脂膜
状態の工程層にオゾン処理を施し、これをコロナ処理を
施した上質紙(160g/m2)13上に表1に示す条
件でラミネートして積層体を製造した。得られた積層体
について層間の接着強度の測定を行なった。評価結果を
表1に示した。そして、この積層体の工程層に所定のエ
ンボスを付与して工程シートを製造した。得られた工程
シートは、エンボス加工に供することが十分な程度に、
エンボスが残存し、耐熱性が十分であった。
【0025】[実施例2]上記MeP(I)が98重量
%、PB(I)が2.0重量%になるような4−メチル
−1−ペンテン系樹脂組成物を調製した。得られた4−
メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を用いて、90mm
押出機を備えた幅1100mmのラミネート成形機を使
用し、表1に示す条件で、実施例1と同様に、上質紙上
にラミネートして積層体を製造した。得られた積層体に
ついて層間の接着強度の測定を行なった。評価結果を表
1に示した。そして、この積層体の工程層に所定のエン
ボスを付与して工程シートを製造した。得られた工程シ
ートは、エンボス加工に供することが十分な程度に、エ
ンボスが残存し、耐熱性が十分であった。
【0026】[実施例3]上記MeP(I)が90重量
%、上記PB(I)が10重量%になるように4−メチ
ル−1−ペンテン系樹脂組成物を調製した。得られた4
−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を基材13側に、
上記MeP(I)を冷却ロール32側になるように表1
に示す条件で上質紙上に、90mm押出機を備えた幅1
100mmのラミネート成形機を使用して共押出ラミネ
ートして、MeP(I)/MeP(I)+PB(I)/
基材の3層構成の積層体を製造した。MeP(I)から
なる層とMeP(I)+PB(I)からなる層の厚さは
いずれも20μmであった。得られた積層体について工
程層(MeP(I)/MeP(I)+PB(I))と基
材との間の接着強度の測定を行なった。評価結果を表1
に示した。そして、この積層体の工程層に所定のエンボ
スを付与して工程シートを製造した。得られた工程シー
トは、エンボス加工に供することが十分な程度に、エン
ボスが残存し、耐熱性が十分であった。
【0027】[比較例1]上記MeP(I)のみを90
mm押出機を備えた幅1100mmのラミネート成形機
を用いて表1に示す条件で実施例1と同様にして上質紙
上にラミネートして積層体を製造した。得られた積層体
について層間の接着強度の測定を行なった。評価結果を
表1に示した。
【0028】[比較例2]上記MeP(I)が99.9
5重量%、上記PB(II)が0.05重量%になるよう
な4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を調製した。
得られた4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を用い
て、90mm押出機を備えた幅1100mmのラミネー
ト成形機を使用し、表1に示す条件で上質紙上にラミネ
ートして積層体を製造した。得られた積層体について層
間の接着強度の測定を行なった。評価結果を表1に示し
た。
【0029】[比較例3]上記MeP(II)のみを90
mm押出機を備えた幅1100mmのラミネート成形機
を用いて表1に示す条件で上質紙上にラミネートして積
層体を製造した。但し、溶融樹脂にオゾン処理は施さな
かった。得られた積層体について層間の接着強度の測定
を行なった。評価結果を表1に示した。
【0030】[評価方法] 〔紙との接着強度〕上質紙製基材との接着強度は、層間
剥離作業を行った時の状況から以下の3段階の基準で評
価した。 ◎:上質紙と工程層が強固に一体化し、樹脂の糸引きも
なし △:それほど丁寧でなくとも剥離可能 ×:容易に剥がれる
【0031】
【表1】
【0032】以上から、本実施例の工程シートでは、高
い成形速度で、かつ、低い成形温度でありながら、高い
接着強度を発揮している。これに対して、(B)成分を
欠く比較例1、または、(B)成分の配合量が少ない比
較例2では、接着強度が低い。また、(B)成分を欠き
且つオゾン処理を施していない比較例3においては、成
形温度を高くすることによって、接着強度が改善できて
いる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、低い成形温度で、ま
た、高速成形によっても、層間の接着強度が高い工程シ
ートとなる。特にオゾン処理を併用することにより、よ
り高い層間強度を発揮する。従って、成形速度を高めら
れることから、生産性を格段に向上させることができる
上に、低温で成形できることから、発煙による作業環境
及び周辺への影響を極力抑えることができる。また、工
程層が4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる
ので、耐熱性の高い工程シートとなる。特に、4−メチ
ル−1−ペンテン系樹脂からなる層/4−メチル−1−
ペンテン系樹脂組成物からなる層/基材とした構成の工
程シートとすることにより、層間接着強度が高い上に、
耐熱性が高く、耐久性能が高い工程シートとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 工程シートの層構成の一例を示す側断面図で
ある。
【図2】 ラミネート成形機の一例を示す概略構成図で
ある。
【図3】 合成皮革の製造例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 表皮材 11 合成皮革 12 基布 13 基材 14 工程シート 15 工程層 36 オゾン供給器 38 コロナ放電器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA30 BA10 BA12 BA13 CA18 EA26 FA04 FA05 GA18 GA40 HA06 4F100 AK02B AK03B AK04B AK07B AK08B AK08C AK28B AK29B AK80B AL01B AL05B AT00A BA02 BA03 DD01 DG10 EH201 EJ131 EJ393 EJ551 GB90 HB21 JJ03 JK06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に工程層が形成された工程シート
    において、 前記工程層は、(A)4−メチル−1−ペンテン系樹脂
    と、(B)分子内不飽和結合を有する化合物とを含む4
    −メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなる層を有
    し、該4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物中におけ
    る前記分子内不飽和結合の数が103炭素当り0.5個以
    上であることを特徴とする工程シート。
  2. 【請求項2】 前記4−メチル−1−ペンテン系樹脂組
    成物は、(A)4−メチル−1−ペンテン系樹脂を9
    9.9〜50重量%、(B)分子内不飽和結合を有する
    化合物を0.1〜50重量%、(C)他のポリオレフィ
    ン系樹脂を0〜49.9重量%含み、該(B)分子内不
    飽和結合を有する化合物中における分子内不飽和結合の
    数が103炭素当り0.5〜250個であることを特徴と
    する請求項1記載の工程シート。
  3. 【請求項3】 前記(B)分子内不飽和結合を有する化
    合物が、1,2−ポリブタジエン、エチレン−プロピレ
    ン−ジエン共重合体、ポリイソプレンから選択された少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の工
    程シート。
  4. 【請求項4】 前記工程層が、前記4−メチル−1−ペ
    ンテン系樹脂組成物からなる層と、4−メチル−1−ペ
    ンテン系樹脂からなる層とを有する複数層で構成されて
    いことを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載
    の工程シート。
  5. 【請求項5】 基材を供給する基材供給工程と、 4−メチル−1−ペンテン系樹脂と、分子内不飽和結合
    を有する化合物とを含み、該分子内不飽和結合の数が1
    3炭素当り0.5個以上である4−メチル−1−ペンテ
    ン系樹脂組成物からなる溶融膜にオゾン処理を施す樹脂
    表面処理工程と、 前記供給された基材の少なくとも片面に、前記溶融膜の
    オゾン処理の施された面を圧接する積層工程とを有する
    ことを特徴とする工程シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基材供給工程において、基材に表面
    処理を施すことを特徴とする請求項5記載の工程シート
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記積層工程において、樹脂温度を20
    0〜300℃とすることを特徴とする請求項5または6
    記載の工程シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記積層工程において、成形速度を20
    0〜400m/min.とすることを特徴とする請求項5、
    6、7のいずれかに記載の工程シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 基材を供給する基材供給工程と、 4−メチル−1−ペンテン系樹脂と、分子内不飽和結合
    を有する化合物とを含み、該分子内不飽和結合の数が1
    3炭素当り0.5個以上である4−メチル−1−ペンテ
    ン系樹脂組成物と、4−メチル−1−ペンテン系樹脂と
    を共押出しし、該4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成
    物からなる溶融膜にオゾン処理を施す樹脂表面処理工程
    と、 前記供給された基材の少なくとも片面に、前記溶融膜の
    オゾン処理の施された面を圧接する積層工程とを有する
    ことを特徴とする工程シートの製造方法。
JP10279206A 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法 Withdrawn JP2000108267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10279206A JP2000108267A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10279206A JP2000108267A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000108267A true JP2000108267A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17607923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10279206A Withdrawn JP2000108267A (ja) 1998-09-30 1998-09-30 工程シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000108267A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009061601A (ja) * 2007-09-04 2009-03-26 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 離型材及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009061601A (ja) * 2007-09-04 2009-03-26 Kyowa Leather Cloth Co Ltd 離型材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3154931B2 (ja) エンボスシート、それを用いた積層体およびその製造法
TWI749206B (zh) 高頻介電加熱接著片,及使用高頻介電加熱接著片而成的接著方法
EP2716451B1 (en) Method for making multi-layer print media by extrusion coating
JP3185590B2 (ja) 化粧シート及びその製造方法
KR101562257B1 (ko) 다층접착필름
JP2000108268A (ja) 工程シート及びその製造方法
JP2000108267A (ja) 工程シート及びその製造方法
KR100866646B1 (ko) 부직포를 이용한 데코레이션 시트 및 그 제조 방법
JP2000108264A (ja) 工程シート及びその製造方法
JP2000108266A (ja) 工程シート及びその製造方法
JP4580540B2 (ja) 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2001239619A (ja) 化粧シート及びその製造方法
JP2003334880A (ja) 積層体及び成形品
JP2004345327A (ja) 積層体
JP4197766B2 (ja) ノンハロゲン床材
JP3838758B2 (ja) 透湿性複合フィルム及びその製造方法
JP2004330522A (ja) 積層体
JP2000108273A (ja) 剥離基体、その製造方法および剥離性積層体
JP2000103919A (ja) 4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物、それを用いた積層体およびその製造方法
JP2007327160A (ja) 合成皮革製造用工程剥離紙
JP3549274B2 (ja) ポリウレタン系多層フィルム
JPH05117998A (ja) 工程離型紙
JP4426171B2 (ja) 熱圧着ラミネートフィルムの製造方法
JP2000108271A (ja) 剥離基体、その製造方法および剥離性積層体
KR100722852B1 (ko) 단층 또는 다층성형 필름을 샌드위치로 접착한 적층피막섬유의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110