JP2009061601A - 離型材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】離型材自体が変形することなく、絞(シボ)深さを大きくしても基材が絞(シボ)模様形状に対応して変形することなく、離型紙を繰り返し使用しても、絞(シボ)深さが減衰することが少ない離型材とその製造方法を提供する。
【解決手段】不織布上に凹凸模様が形成された樹脂層が積層された離型材。ポリエステル系不織布等の不織布上にシボ押しされた4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物等の樹脂シートが積層されてなることが好ましい。この離型材の好ましい製造方法は、4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物等の樹脂シート12を作製する工程と、該工程で作製された樹脂シート12を加熱し後、ポリエステル系不織布等の不織布16とラミネートしながらバックアップロール18と絞(シボ)ロール19との間を挿通して樹脂シート12に絞(シボ)を形成させて離型材20とする製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は離型材及びその製造方法に関し、特に合成皮革を製造するのに好適な離型材及びその製造方法に関する。
従来、合成皮革は、表面にシボ模様等の凹凸模様を有する離型紙に樹脂液等の基材樹脂を塗布し、乾燥して得られる樹脂層と、布等の基材と接着し、離型紙を剥離することにより製造されていた。
このような合成皮革の製造に用いられる離型紙としては、耐熱性と離型性が高いことが要求されており、例えば、融点が220〜240℃程度の4−メチル−1−ペンテン系樹脂が紙等の基材にラミネート加工されたものが使用されている。
従来の離型紙の製造方法として、工程1では、押出機より押し出された約80μm程度の樹脂シートは、約150g/m程度の上質紙等の紙とロールとロールとの間を挿通させて樹脂シートと紙とをラミネートし、樹脂シートと紙の2層体からなり離型紙を巻き取っている。
この2層体は、次工程(工程2)で巻き戻され、ヒーターで樹脂シート側が加熱された後、バックアップロールと絞(シボ)ロールとの間に挿通され、樹脂シート側に絞(シボ)模様が形成されて離型紙が製造される。
このようにして製造された離型紙に対し、絞(シボ)模様が形成された樹脂シート面にPVCゾル(塩化ビニルゾル)あるいはポリウレタン溶液を塗布し、得られた3層体をオーブンで加熱し、PVCゾル(塩化ビニルゾル)あるいはポリウレタン溶液を硬化させ、次いで3層体から樹脂シートと紙とからなる離型材を剥離すると、表面にシボ模様が転写されたPVC製又はポリウレタン製の合成皮革用部材が得られる。
このようにして作製される合成皮革用の離型紙において、押出ラミネート後、絞(シボ)押しており、絞(シボ)深さを大きくすると、裏材の上質紙も絞(シボ)模様形状に対応して変形し、離型紙として製品価値が低下する問題があった。また、紙基材を用いているため、離型紙を繰り返し使用すると、絞(シボ)深さが減衰する結果、離型紙の使用回数が制約される問題があった。
なお、この種の離型紙として基材に紙を用いたものが特許第3290811号、特開2002−166500号、特開2002−146684号等に記載されており、前記同様な問題を有していた。
特許第3290811号 特開2002−166500号 特開2002−146684号
本発明は、上記した従来の問題を解決し、絞(シボ)深さを大きく、あるいは繊細な絞(シボ)形状とした場合にも基材が絞(シボ)模様形状に対応して変形することなく、離型材を繰り返し使用しても、絞(シボ)深さが減衰することがなくなる結果、離型材の使用回数を向上させ、離型材として製品価値が高い離型材及びその製造方法を提供することにある。
上記した目的は、以下に記載の離型材によって達成される。
すなわち、本発明の離型材は、
<1>不織布上に凹凸模様が形成された樹脂層が積層された構造を有することを特徴とする離型材である。
<2> 不織布の一方の面に凹凸模様が形成された樹脂層と、前記不織布の他方の面に樹脂層が積層されてなることを特徴とする前記<1>に記載の離型材である。
<3> 前記不織布がポリエステル系不織布であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の離型材である。
<4> 前記樹脂シートが4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載に離型材である。
上記した目的は、以下に記載の離型材の製造方法によって達成される。
<5> 樹脂シートと、不織布又は不織布と樹脂フィルムの2層体と、をラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して前記樹脂シート面に凹凸模様を形成させることを特徴とする離型材の製造方法である。
<6> 樹脂シートを作製する工程と、該工程で作製された樹脂シートを加熱した後、不織布とラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させる工程と、有することを特徴とする前記<5>に記載の製造方法である。
<7> 押出機から押し出された樹脂シートを不織布とラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させることを特徴とする前記<5>に記載の製造方法である。
<8> 押出機から押し出された樹脂フィルムと不織布をラミネートしてなる2層体を製造する工程と、該2層体と押出機から押し出された樹脂シートとをラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させる工程と、を有することを特徴とする前記<5>に記載の製造方法である。
<9> 押出機から押し出された樹脂フィルムと不織布とをラミネートしてなる2層体を製造する工程と、樹脂シートを作製する工程と、該工程で作製された樹脂シートを加熱した後、前記2層体とラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させることを特徴とする前記<5>に記載の製造方法である
<10> 前記不織布がポリエステル系不織布であることを特徴とする前記<5>〜<9>のいずれかに記載の離型材の製造方法である
<11> 前記樹脂シートが4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなることを特徴とする前記<5>〜<9>のいずれかに記載の離型材の製造方法である。
本発明によれば、離型材自体が変形することなく、絞(シボ)深さを大きく、あるいは繊細な絞(シボ)形状とした場合にも基材が絞(シボ)模様形状に対応して変形することなく、離型材を繰り返し使用しても、絞(シボ)深さが減衰することが少なくなる結果、離型材の使用回数を向上させ、離型材として製品価値が高い離型材及びその製造方法を提供することができる。
本発明の離型材は、不織布上に絞(シボ)等の凹凸模様が形成された樹脂層が積層されてなる二層構造でよく、また、不織布の一方の面に絞(シボ)等の凹凸模様が形成された樹脂層と、前記不織布の他方の面に樹脂層が積層されてなる三層構造であってもよい。
本発明において、樹脂層を構成する樹脂としては、ポリ4−メチル−1−ペンテン単独組成物、4−メチル−1−ペンテン重合体と3−メチル−1−ブテン重合体とを含有する組成物、4−メチル−1−ペンテン重合体と4−メチル−1−ペンテン以外のオレフィンと含む組成物、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。
4−メチル−1−ペンテン重合体と4−メチル−1−ペンテン以外のオレフィンと含む組成物としては、4−メチル−1−ペンテン重合体と高圧法低密度ポリエチレンとを含有する組成物、4−メチル−1−ペンテン重合体と高圧法低密度ポリエチレンとエチレン・エチルアクルレート共重合体とを含有する組成物が挙げられる。
これらの中で製造加工の点から樹脂のMFRが1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは、1〜30g/10分である。
樹脂層は、4−メチル−1−ペンテン系樹脂及び必要に応じて配合される各種添加剤を混合機あるいは混練機等の公知の手段で樹脂シートを用いることによって形成することができる。混合機としては、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサータンブラーブレンダー等が挙げられる。混練機としては、例えば、短軸押出機、複軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーが挙げられる。
樹脂シートの厚みは、50μm〜400μmが好ましく、より好ましくは、
150μm〜300μmである。樹脂シートの厚みが50μmより薄いと、絞転写があまくなることがあり、400μmより厚いと得られる離型材のフラット性が悪くカールを生じることがある。
基材としての不織布としては、ポリエステル系不織布、レーヨン系不織布、ウレタン系不織布、PP系不織布、PBT系不織布、PBS系不織布、ポリエステルパルプ系不織布等を挙げられるが、これらの中で耐吸湿性及び耐熱性の点からポリエステル系不織布が好ましい。
不織布は、30〜300g/m、が好ましく、より好ましくは50〜150g/mである。不織布が30g/mより薄いと、得られる離型材が変形することがあり、300g/mより厚いと、不織布の層内剥離を生じることがある。
不織布としては、延伸応力が500N/m以上、より好ましくは1500N/m以上である。
本発明において、三層構造の場合、基材には、上記した不織布に樹脂フィルムを積層したものを用い、不織布面に絞(シボ)等の凹凸模様が形成された樹脂層が形成される。
この樹脂フィルムとしては、PP,PET,PBT,アクリル系樹脂、4−メチル−1−ペンテン系樹脂等の樹脂からなるフィルム等が挙げられるが、これらの中で得られる離型材のフラット性の点からPP,4−メチル−1−ペンテン系樹脂が特に好ましい。樹脂フィルムの厚みは、10μm〜200μmが好ましく、より好ましくは30μm〜100μmである。樹脂シートの厚みが10μmより薄いと、得られる離型材のフラット性が悪くなることがあり、200μmより厚いと得られる離型材のカールが生じることがある。
<2層体の製造方法の第一実施の形態>
図1は、二層構造の離型材の製造方法の第一実施の形態を示しており、樹脂シートは、図1の〔工程1〕に示すように、押出機11から押し出された樹脂シート12は、ロール13とロール14との間に挿通され、所望の厚さに調整されて巻き取られる。
樹脂シート12と不織布15とをラミネートする場合、図1の〔工程2〕に示すように、樹脂シート12は、熱ドラム16で片面側が加熱され、樹脂シート12の他の面はヒーター17を介して加熱される。
ここで熱ドラム16の温度は、樹脂シート12を構成する樹脂によって異なるが、50〜250℃が好ましく、より好ましくは80〜200℃である。熱ドラム16の温度が50℃よりも低いと、樹脂シートの軟化が不足するとなることがあり、250℃よりも高いと、樹脂の溶融による得られる離型材の厚みムラが生じることがある。また、ヒータ17による温度は、樹脂シート12の表面温度が130〜300℃が好ましく、より好ましくは、150〜250℃となるようなヒーター温度とする。樹脂シート12の表面温度が130℃よりも低いと、絞(シボ)転写があまくなることがあり、300℃よりも高いと、シートが溶断することがある。
加熱された樹脂シート12は不織布15とバックアップロール18と絞(シボ)ロール19との間に挿通され、ここで圧着されて2層体(離型材)20が形成される。この2層体の形成に際しては、バックアップロール18と絞(シボ)ロール19の間の間隙は-200〜+500μmが好ましい。
本発明において、樹脂シート12を厚くすることができ、かつ、樹脂シート12と不織布15とのラミネート時、深いシボの場合にも離型材の変形がほとんどなく、したがって、1〜350μm、好ましくは1〜250μm程度の深く、微細なシボを形成することができる。
<2層体の製造方法の第二実施の形態>
図2は、二層構造の離型材の製造方法の第二実施の形態を示しており、押出機11から押し出された樹脂シート12は、不織布15とバックアップロール18と絞(シボ)ロール19との間に挿通され、ここで圧着されて2層体(離型材)20が形成される。
<3層体の製造方法の第一実施の形態>
図3は、三層構造の離型材の製造方法の第一実施の形態を示しており、〔工程1〕に示すように、押出機11から押し出された樹脂フィルム21は不織布15とラミネートされながら、ロール13とロール14との間に挿通され、所望の厚さに調整された樹脂フィルム21と不織布15とのラミネート体22が巻き取られる。
次に〔工程2〕に示すように、樹脂フィルム21と不織布15とのラミネート体22は、不織布15面が押出機11から押し出された樹脂シート12に対面するにようにしてバックアップロール18と絞(シボ)ロール19との間に挿通され、ここで圧着されて3層体(離型材)24が形成される。
<3層体の製造方法の第二実施の形態>
図4は、三層構造の離型材の製造方法の第二実施の形態を示しており、〔工程1〕に示すように、押出機11から押し出された樹脂フィルム21は不織布15とラミネートされながら、ロール13とロール14との間に挿通され、所望の厚さに調整された樹脂フィルム21と不織布15とのラミネート体22が巻き取られる。
次に〔工程2〕に示すように、押出機11から押し出された樹脂シート12がロール13とロール14との間に挿通され、所望の厚さに調整される。
次に〔工程3〕に示すように、樹脂シート12は、熱ドラム16で片面側が加熱され、樹脂シート12の他の面はヒーター17を介して加熱された後、樹脂シート12はラミネート体22の不織布面と対面するようにラミネート体22とともにバックアップロール18と絞(シボ)ロール19との間に挿通され、ここで圧着されて三層体(離型材)24が形成される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物で混練した後、図1に示すように押出機で押し出して厚さ250μmの樹脂シートを得た。
押出ラミネーション成形条件
・シリンダー温度:C1/C2/C3/C4/XH/FP/ダイス =300/350/320/320/320/320/320(℃)
・ダイス巾:800mm
・成形速度:10m/min
得られた樹脂シートをロールとロールとの間に挿通し、200μmの厚さに調整して巻き取った。
この樹脂シートを150℃に加熱された熱ドラムで加熱した後、ヒーターで
250℃に加熱し、基材としてポリエステル系不織布(70g/m)とともにバックアップロールとシボロールとの間隙(0μm)に挿通して圧着して2層体(離型材)を作製した。
作製された離型材について下記に評価を行った。評価方法は下記の通りである。
(1)絞深さの評価方法
離型紙をレザーフォーカス変位計を用い絞深度を測定
(2)微細な絞柄の転写評価方法
離型紙の表面と断面をSEM観察し、ピッチ、角度を測定
(3)繰り返し使用時の絞深さ
テストラミネート機を用い、表面温度135℃圧力0.3Mpa
減衰の低減評価方法 加工スピード1.5m/minでプレスし変化率を
測定
(4)繰り返し使用回数の向上
離型材の引裂き強度を測定
(5)水分の影響低減の評価方法
水分率計を用い含水率を測定
Figure 2009061601
樹脂層:樹脂シートから形成された層
裏脂層:樹脂フィルムから形成された層
は本発明の離型材(2層体)の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。 は本発明の離型材(2層体)の製造方法の他の実施の形態を示す工程図である。 は本発明の離型材(3層体)の製造方法の一実施の形態を示す工程図である。 は本発明の離型材(3層体)の製造方法の他の実施の形態を示す工程図である。
符号の説明
11 押出機
12 樹脂シート
13 ロール
14 ロール
15 不織布
16 熱ドラム
17 ヒーター
18 バックアップロール
19 シボロール
20 2層体(離型材)
21 樹脂フィルム
22 2層体(離型材)
24 3層体(離型材)

Claims (11)

  1. 不織布上に凹凸模様が形成された樹脂層が積層された構造を有することを特徴とする離型材。
  2. 不織布の一方の面に凹凸模様が形成された樹脂層と、前記不織布の他方の面に樹脂層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の離型材。
  3. 前記不織布がポリエステル系不織布であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の離型材。
  4. 前記樹脂シートが4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載に離型材。
  5. 樹脂シートと、不織布又は不織布と樹脂フィルムの2層体と、をラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して前記樹脂シート面に凹凸模様を形成させることを特徴とする離型材の製造方法。
  6. 樹脂シートを作製する工程と、該工程で作製された樹脂シートを加熱した後、不織布とラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させる工程と、有することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 押出機から押し出された樹脂シートと、不織布とをラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  8. 押出機から押し出された樹脂フィルムと不織布をラミネートしてなる2層体を製造する工程と、該2層体と押出機から押し出された樹脂シートとをラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させる工程と、を有することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  9. 押出機から押し出された樹脂フィルムと不織布をラミネートしてなる2層体を製造する工程と、樹脂シートを作製する工程と、該工程で作製された樹脂シートを加熱した後、前記2層体とラミネートしながらバックアップロールとエンボスロールとの間を挿通して樹脂シート面に凹凸模様を形成させることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  10. 前記不織布がポリエステル系不織布であることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の離型材の製造方法。
  11. 前記樹脂シートが4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物からなることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかに記載の離型材の製造方法。
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