JP3838758B2 - 透湿性複合フィルム及びその製造方法 - Google Patents
透湿性複合フィルム及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不織布とポリオレフィン系透湿性フィルムとからなる複合フィルム及びその製造方法に関し、さらに、詳しくは紙オムツや生理用ナプキンのバックシートとして好適な透湿性複合フィルム及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
充填剤含有のポリオレフィンフィルムを延伸等して得られるポリオレフィン系透湿性フィルムは、その透湿、防水機能から紙オムツや作業衣等へ広く利用されている。そして、最近では、肌触りがよく、より布地に近い風合いとするため、不織布と積層して透湿性複合フィルムとし、紙オムツのバックシートとして使用することが行われている。
【0003】
ここで、上記ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布との積層は、積層面にホットメルト系接着剤からなる接着点を散在させて両者を接着することにより実施するのが一般的である。その際、ホットメルト系接着剤の、ポリオレフィン系透湿性フィルムや不織布への塗布は、かかる接着剤をグラビア印刷方式によりドットパターン塗布するか、ノズル吐出方式により繊維状物としてスプレー塗布するのが主流である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布との積層において、ホットメルト系接着剤の塗布面積をあまり大きくしすぎると、フィルムの通気性や透湿性が低下する問題が発生する。こうしたことから、上記ドットパターン塗布によりホットメルト系接着剤を塗布したものの場合、ホットメルト系接着剤のドット間隔は3〜7mmあり、積層面の9〜50mm2正方区画当たりに接着点が1つ形成されているのが一般的である。他方、スプレー塗布により塗布されたもの場合、吹き付けられるホットメルト系接着剤の繊維状物(平均繊維径30〜50μm)からなる接着点は積層面の7〜25mm2正方区画当たりに1つ形成されているのが一般的である。
【0005】
しかして、上記のような接着の場合、接着点間の間隔があきすぎて、透湿性フィルムが不織布から広い範囲で浮き上がってしまい、この部分にしわが発生し易くなる。そのため、外観が悪化し、このものの商品価値を低下させていた。
【0006】
こうした背景にあって本発明は、良好な通気性や透湿性を有し、且つポリオレフィン系透湿性フィルムにしわの発生がないポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とが積層された透湿性複合フィルムを開発することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、上記の課題に鑑み、鋭意研究を続けてきた。その結果、透湿性複合フィルムにおいて、特定の平均繊維径の微細繊維状物として塗布されたホットメルト系接着剤を介してポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とを、積層面2×2mm区画当たりに少なくとも一つの接着点が存在するように積層することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系透湿性フィルムの少なくとも片面に不織布が積層されてなる透湿性複合フィルムであって、該ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布との間にホットメルト系接着剤が、平均繊維径1〜25μmの微細繊維状物として塗布されることによって、0.1〜3g/m2の割合で散在しており、該接着剤を介してポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とは、積層面2×2mm区画当たりに少なくとも一つの接着点が存在していることを特徴とする透湿性複合フィルムである。
【0009】
本発明において、ポリオレフィン系透湿性フィルムの素材となるポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の好適には炭素数2〜20のα−オレフィンの単独共重合体またはこれらの共重合体が何ら制限なく使用される。なかでも、柔軟性、強度、価格から中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等が好適である。
【0010】
本発明においてポリオレフィン系透湿性フィルム(以下透湿性フィルムとも略する)は、上記ポリオレフィンからなり、フィルムの片側からもう一方の面に連通する連通孔を有する公知のものが何ら制限なく使用できる。その際、この透湿性フィルムは、空隙率が10〜70%の範囲のものが好ましい。空隙率が10%以下であれば充填材の周囲にできた空隙同士が連結されず、フィルムの両面を連結する連通孔が形成され難くなり、透湿性フィルムの特性である通気性や透湿性が十分でなくなる傾向がある。一方、空隙率が70%を越える場合は、フィルムの機械的強度が不足し、加工工程においてフィルム破断や使用中の破れ等の問題を生じ易くなる。特に透湿性フィルムの機械的物性を満足させるためには、空隙率は25〜65%であることが好ましい。
【0011】
また、透湿性フィルムは、防水性の観点から、エタノールバブルポイント法にて測定した最大細孔径が0.01〜10μmのものが好ましい。特に、0.1〜5μmのものが好適である。
【0012】
本発明において、透湿性フイルムの透湿度は、得られる透湿性複合フィルムの透湿度を良好に保持する観点から、通常3500g/m2以上、好適には4000〜15000g/m2であるのが一般的である。一般に、透湿性フィルムは、無機充填剤の量が多いほど、延伸倍率が高いほど、透湿度が高くなるが、同時に透湿性フィルムの製造時の破断やトラブルがつきものになり、製造コストも高くなる。そのため、不織布を積層する際の透湿度の低下はできる限り少なくし、上記透湿度の透湿性フィルムを用いて、好適には3000g/m2以上の良好な透湿度を有する透湿性複合フィルムを得るのが好ましい。なお、本発明において、透湿度はJIS Z 0208のB法に示される方法で測定した値である。
【0013】
また、透湿性フィルムの通気度は、通常、10〜10,000秒/100ccの範囲であることが好適である。本発明において通気度はJIS P 8117に準拠して測定した値である。
【0014】
さらに、上記透湿性フィルムは、15〜100μm、好ましくは15〜40μmのものが好適である。また、透湿性フィルムは、目付が15〜40g/m2のものが特に好ましい。15g/m2以下の場合、製造工程においてピンホールやフィルムの破断が多発し、安定的に生産することができない。また、40g/m2を越えるとバックシートとして使用するには堅くなる傾向があり、また過剰品質となる傾向が生じる。
【0015】
本発明において、上記透湿性フィルムは、如何なる方法により製造したものでも良いが、一般には、前記ポリオレフィンに充填剤を充填したポリオレフィン組成物をシート状に溶融成形し、これを少なくとも1軸以上延伸して多孔化させたものが好ましい。充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和珪酸、無機珪酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、金属粉、その他の無機物または無機物を主体とする有機金属塩が挙げられ、これらは単独または混合物で使用される。一般に、平均粒径が50μm以下、好ましくは0.05〜30μm以下の範囲、特に、0.1〜5μm以下のものが好ましい。そのポリオレフィンへの配合量は、通常、ポリオレフィン100重量部に対して50〜400重量部、好ましくは60〜300重量部の割合で使用される。
【0016】
ポリオレフィンと無機充填材とからなるポリオレフィン組成物のシート状への溶融成形は、特に限定されないが、T−ダイ成形法、空冷式または水冷式インフレーション成形法によって未延伸フィルムを形成させるのが好適である。次に、この未延伸フィルムを、一般にロール延伸法による1軸延伸または1軸延伸後、テンター延伸機、エアーインフレーション延伸機、マンドレル延伸機等により横方向に逐次に2軸延伸するか、あるいは同時に縦及び横方向に延伸する方法により延伸する。延伸温度は、一般に常温以上でポリオレフィンの融点以下、特に融点より10℃低い温度が好ましい。また、延伸倍率は少なくとも1軸方向に1.2〜2.5倍、即ち、2軸延伸の場合は縦(MD)、横(TD)方向にそれぞれ1.2〜2.5倍とすることが、力学バランスや、強度の保持と同時に優れた通気性及び防水性(耐水性)を示すために特に好ましい。さらに、かかる延伸後、緊張下で熱処理を行うことや、コロナ放電等の処理を行うことができる。
【0017】
次に、本発明において、不織布は、ポリオレフィン、ポリエステル、レイヨン、ナイロン等の公知の不織布の素材となる如何なる樹脂により製造されたものでも好適に使用できる。また、この不織布は単一の樹脂からなる必要性はなく、融点の異なる2、3成分の複合繊維でもかまわない。なかでも、強度、価格、風合いからポリプロピレン単体や、ポリプロピレンが芯、ポリエチレンが鞘である芯鞘構造のものが好ましい。
【0018】
本発明において用いられる不織布の目付は5〜30g/m2が好適である。目付が5g/m2よりも少ないと、肌触りが悪くなる傾向が生じる。一方、目付が30g/m2よりも大きくなると、過剰品質となる傾向が生じる。
【0019】
また、不織布の繊度は0.5〜10デニールが好適である。0.5デニール以下になると、しっとりした手触り感となり、布地風の風合いとは言い難くなる。一方、10デニールを越えると、繊維の剛性が大きくなり、風合いの低下につながる。SEM(JSM−T220)で観察した平均繊維径で表すと9〜40μm程度である。一般に、繊維長は強度の面から30mm以上連続した長繊維が好ましいが、メルトブローに関しては短繊維でもかまわない。
【0020】
不織布の厚みは風合いの面から85〜985μmが好適である。85μm以下になると複合品に手を触れたとき適度なクッション性がなく、堅い感じになる傾向がある。なお、不織布の厚みは49pa(0.5gf/cm2)で測定した厚みである。
【0021】
該不織布のMD方向の引裂強度は、通常0.2〜10N、好ましくは0.5〜7Nが好適である。0.2Nよりも小さいと、ホットメルト系接着剤を用いて貼り合わせ時や紙オムツ製造工程で破断が起こりやすくなるだけでなく、オープンタイプの紙オムツの場合、テープで固定する際に誤ってバックシートの不織布に付けると破断が生じ易いものになる。また、不織布の引裂強度が7Nよりも大きいと、バックシートとして使用するには柔軟性が欠け、結果として風合いの低下につながる。なお、引裂強度はJIS L 1085に示されるシングルタング法により測定した値である。
【0022】
本発明において、不織布は上記物性を満足すれば、如何なる方法により製造したものでも良いが、一般には、ステーブル繊維をカーディングマシンにかけて製造する方法(乾式カード不織布)や、スパンボンド不織布、繊度0.7〜1.5デニールのマイクロスパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブロー複合不織布、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド複合不織布、乾式カード−スパンボンド複合不織布等が好適に用いられる。
【0023】
本発明の透湿性複合フィルムは、前記ポリオレフィン系透湿性フィルムの少なくとも片面に上記不織布が、両者の間にホットメルト系接着剤が0.1〜3g/m2の割合で散在することにより接着され積層されたものである。ここで、本発明において、ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布との間にホットメルト系接着剤が散在している状態とは、該積層面に接着剤が、不規則に散らばった状態、或いはメッシュ状等の状態で部分的に存在している状態をいう。従って、積層面の大部分には、上記接着剤は存在していない。
【0024】
そして、本発明の透湿性複合フィルムは、上記接着剤を介してポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とが積層されることにより、積層面2×2mm区画当たりに、少なくとも一つの接着点が存在している。本発明の透湿性複合フィルムは、このように、微細に均一に接着点が存在していることにより、透湿性フィルムが不織布から広い範囲で浮き上がることがない。従って、こうした浮き上がり部分にしわが発生することがない。積層面において接着点が、上記区画より広い範囲当たりに一つ散在するようになると、透湿性フィルムと不織布の積層時に、透湿性フィルムにしわが発生するようになる。また、しわを発生させないようにすれば、積層時に弱いテンションコントロールが必要になり、高速で広幅の積層を行うのが困難になる。
【0025】
なお、接着点の有無は、透湿性複合フィルムから任意に2×2mm区画の試料片を切り出した時に、該試料片が、透湿性フィルムと不織布とに剥がれずに接着されているかどうかで確認できる。
【0026】
本発明において、上記ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布との積層面に塗布するホットメルト系接着剤の量は、0.1〜3g/m2であることが必要である。さらに好ましくは0.5〜2g/m2が望ましい。このホットメルト系接着剤の存在量が、0.1g/m2よりも少ないときは不織布と透湿性フィルムのラミネーション強度が弱くなり、製造工程や使用時において破断し易くなる。一方、ホットメルト系接着剤の存在量が、3g/m2よりも多いと、このものの塗布面積が過度に大きくなり、得られる透湿性複合フィルムの透湿性や通気性が低下するようになる。また、経済的にも不利となる。
【0027】
本発明の透湿性複合フィルムは、上記ホットメルト系接着剤の塗布量及び接着点の存在割合で、ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とが積層されているため、良好な透湿度を有している。ポリオレフィン系透湿性フィルムの片面に不織布が積層されている場合、透湿度は、一般には3000g/m2以上、好ましくは4000〜12000g/m2であるのが好ましい。他方、ポリオレフィン系透湿性フィルムの両面に不織布が積層されている場合、透湿度は、一般には2500g/m2以上、好ましくは3000〜10000g/m2であるのが好ましい。
【0028】
ここで、好適に使用されるホットメルト系接着剤を具体的に示せば、ポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリメチルメタクリレート系、ポリカーボネート系等のものが挙げられる。特に接着強度の点からポリオレフィン系やエチレン−酢酸ビニル系のものを用いるのが良好である。また、これらのホットメルト系接着剤は、塗布温度において、溶融粘度が500〜20000mPa・s、好ましくは1000〜10000mPa・sのものが好ましい。具体的には、ニッタフレンドレイ(株)製H6805(軟化点81℃)、H6681(86℃)、宇部レキセン製APAOプロピレン/1−ブテン共重合体、UT2715(107℃)、UT2730(110℃)、UT2780(110℃)、積水化学(株)製エスダイン9168G(87℃)、9276(94℃)、9566(117℃)、三洋化成(株)製ユーメックス2000(107℃)等を挙げることができる。
【0029】
本発明において、不織布と透湿性フィルムのラミネーション強度(以下ラミ強度とも略する)は、0.05〜1.5Nが好適である。さらに好ましくは0.1〜1.2Nが好適である。ラミネーション強度が0.05Nよりも弱いと、本発明の透湿性複合フィルムを紙オムツのバックシートとして使用した場合、透湿性フィルムと不織布が剥離し易くなる。一方、ラミ強度が1.5Nよりも大きいと過剰品質となる傾向が生じる。なお、ラミ強度はJIS P 8113で測定した15mm幅の強度である。
【0030】
本発明の透湿性複合フィルムは、通常100〜1000μmの厚みを有するのが好ましい。
【0031】
本発明において、透湿性複合フィルムは、上記接着点の存在割合、及びホットメルト系接着剤の塗布量で、透湿性フィルムと不織布とを積層するものであるが、更に、ポリオレフィン系透湿性フィルムの少なくとも片面に不織布を積層するに際し、該ポリオレフィン系透湿性フィルム及び不織布の少なくとも一方の積層に供する面に、ホットメルト系接着剤を、平均繊維径1〜25μmの微細繊維状物として、積層面での塗布量が0.1〜3g/m2になるようにノズル吐出方式により塗布し、次いで該ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とを積層する方法が挙げられる。
【0032】
ノズル吐出方式の場合、前記したとおり透湿性複合フィルムの製造に際し、吹き付けられているホットメルト系接着剤の繊維状物の平均繊維径は、通常、30〜50μmである。このような平均繊維径で前記積層面の区画当たりに、少なくとも一つの接着点が形成されるようにホットメルト系接着剤をノズル吐出すると、このものの塗布量が前記3g/m2より大きくなり、得られる透湿性複合フィルムの透湿性が低下してしまう。
【0033】
これに対して、吹き付けるホットメルト系接着剤の繊維状物の平均繊維径を上記の如く1〜25μm、好ましくは3〜18μmとすることにより、前記0.1〜3g/m2の塗布量で、上記積層面の区画当たりに、少なくとも一つの接着点を形成させることが可能になり、本発明の透湿性複合フィルムが製造できる。ここで、上記平均繊維径の微細繊維状物としてホットメルト系接着剤を吹き付けるには、ノズル径を小さくするか、吹き付けのエアーの圧力を強くするか、使用するホットメルト接着剤の溶融粘度を低くするかすればよい。具体的には、ノズルの径を0.4mm以下、塗布温度を160℃以上、エアーの圧力を200kPa以上にするのが望ましい。
【0034】
また、本発明の透湿性複合フィルムは、ポリオレフィン系透湿性フィルムの少なくとも片面に不織布を積層するに際し、該不織布の積層に供する面に、ホットメルト系接着剤を、平均繊維径1〜25μmの微細繊維状物として、0.1〜3g/m2の塗布量でダイコーティング方式により塗布し、次いで該ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とを積層することによっても、良好に製造できる。
【0035】
ここで、ダイコーティング方式は、ホットメルト系接着剤が押出されるコーティングヘッドを不織布に接触させて、その凸部に該ホットメルト系接着剤を繊維状に塗布することにより実施される。そして、塗布されるホットメルト系接着剤の繊維状物の平均繊維径が1〜25μm、好ましくは3〜18μmであり、その塗布量が0.1〜3g/m2となるようにすることにより、前記積層面の区画当たりに、少なくとも一つの接着点を形成させることが可能になり、本発明の透湿性複合フィルムが製造できる。具体的には、コーティングヘッドのスリット幅を0.4mm以下にするのが好ましい。
【0036】
なお、ダイコーティング方式の場合、ホットメルト系接着剤の塗布は、不織布に施すことが必要である。ダイコーティング方式では、表面が平滑な透湿性フィルムに対しホットメルト系接着剤を、積層面における接着点の存在割合が前記割合になるように塗布することが困難になる。
【0037】
このようにして、ホットメルト系接着剤を塗布した後、ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とを積層することにより、本願発明の透湿性複合フィルムが良好に得られる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の透湿性複合フィルムは、しわの発生が極めて少なく外観上好ましい。また、良好な透湿性があり、不織布が積層されることにより肌触りが良い。従って、本発明の透湿性複合フィルムは、肌触りのよい布地に近いの風合いが要求される透湿防水フィルムの用途、即ち、紙オムツや衛生ナプキン等の用途に好適に用いられる。
【0039】
【実施例】
本発明を以下の実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、各物性は次の方法により測定した。
【0040】
1)平均繊維径の確認
透湿性複合フィルムから剥離させた、ホットメルト系接着剤が付着している透湿性フィルムを走査電子顕微鏡「JEOL JSM−T220」を用いて観察し、繊維径を観察し、平均繊維径を求めた。
【0041】
2)積層面2×2mm区画当たりでの接着点の有無
透湿性複合フィルムから任意に2×2mm区画の試料片を20枚切り出し、該試料片の全てが、透湿性フィルムと不織布とに剥がれずに接着されているかどうかで確認した。また、上記20枚の全てに接着点が存在していなかった場合、切り出す積層面の区画を広げ、何mmの正方区画ならば、20枚全てが剥がれずに接着されているかも確認した。
【0042】
3)ラミネーション強度(N/15mm)
JIS P 8113に準拠して測定した。
【0043】
4)透湿度(g/m2・24hr)
透湿度はJIS Z 0208のB法に準拠して測定した。
【0044】
5)外観(しわの発生)
透湿性複合フィルムのポリオレフィン系透湿性フィルム面を観察して次の基準で判定した。
【0045】
◎:しわの発生がない。
【0046】
○:非常に小さなしわの発生があるが、特に問題とはならない。
【0047】
△:小さなしわの発生がある。
【0048】
×:大きなしわの発生がある。
【0049】
実施例1
線状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと略記する。住友化学(株)製、商品名:スミカセン−LFA201−1、MFR=2g/10min、密度0.92/cm3、融点120℃ )100重量部、及び重質炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ライトン200−B−10、平均粒径1.0μm高級脂肪酸表面処理品)150重量部に、紫外線吸収剤、耐候安定剤を配合し、30mm二軸押出機を用いて190℃のシリンダー温度で溶融し、ペレット状の混練物を得た。このペレットをインフレーション押出機を用い、シリンダー温度170℃、ダイ温度180℃、引取スピード10m/minの条件にて厚さ33μm折径400mmの筒状シートを成形した後、60℃の温度で縦方向に1.5倍に延伸した後、さらにマンドレル延伸機を用いて横方向に1.3倍に延伸して厚さ25μm、目付25g/m2の透湿性フィルムを得た。このフィルムの空隙率は43%、最大細孔径は0.7μm、透湿度は5050g/m2・24hrであった。
【0050】
ノズル吐出方式であるファイバースプレーダイ(塗布幅300mm、ノズル径0.4mm)を用いてフクロン(株)製乾式カード不織布「d−017」(繊維素材;ポリプロピレン、目付17g/m2、平均繊維径20μm、引裂強度1.6N)にエチレン−酢酸ビニル系のホットメルト系接着剤「H−6805」(ニッタフィンドレイ(株)製)を塗布温度160℃(ホットメルト系接着剤の溶融粘度2400mPa・s)で、塗布量が1g/m2、エアーの圧力200kpaで平均繊維径が20μmとなるように繊維状として吹き付け、上記製法で得られた透湿性フィルムと貼り合わせた。得られた透湿性複合フィルムの物性を表1に示した。また、かかる透湿性複合フィルムをバックシートに用い、良好な肌触りと風合いの紙おむつを製造した。
【0051】
実施例2
ノズル吐出方式によるホットメルト系接着剤の塗布を塗布温度を180℃、エアーの圧力を300kpaに変えることにより、ホットメルト系接着剤の繊維状物の平均繊維径を10μm、塗布量を2g/m2に変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた透湿性複合フィルムの物性を表1に示した。また、かかる透湿性複合フィルムをバックシートに用い、良好な肌触りと風合いの紙おむつを製造した。
【0052】
実施例3及び4
ノズル吐出方式であるファイバースプレーダイをダイコーティング方式であるコーティングヘッドに変え、コーティングヘッドのスリット幅を0.4mm及び0.3mmとすることにより、ホットメルト系接着剤の繊維状物の平均繊維径を10μm及び5μmに変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた各透湿性複合フィルムの物性を表1に示した。また、それぞれの透湿性複合フィルムをバックシートに用い、良好な肌触りと風合いの紙おむつを製造した。
【0053】
比較例1及び2
ファイバースプレーダイのノズル径を0.5mm及び0.6mmに変えて、ホットメルト系接着剤の繊維状物の平均繊維径を30μm及び50μmに変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた透湿性複合フィルムの物性を表1に示した。
【0054】
比較例3
ホットメルト系接着剤の塗布量を5g/m2に変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた透湿性複合フィルムの物性を表1に示した。
【0055】
【表1】
Claims (4)
- ポリオレフィン系透湿性フィルムの少なくとも片面に不織布が積層されてなる透湿性複合フィルムであって、該ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布との間にホットメルト系接着剤が、平均繊維径1〜25μmの微細繊維状物として塗布されることによって、0.1〜3g/m2の割合で散在しており、該接着剤を介してポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とは、積層面2×2mm区画当たりに少なくとも一つの接着点が存在していることを特徴とする透湿性複合フィルム。(以下、本願第一発明という。)
- 請求項1記載の透湿性複合フィルムからなる紙オムツのバックシート。(以下、本願第二発明という。)
- ポリオレフィン系透湿性フィルムの少なくとも片面に不織布を積層するに際し、該ポリオレフィン系透湿性フィルム及び不織布の少なくとも一方の積層に供する面に、ホットメルト系接着剤を、平均繊維径1〜25μmの微細繊維状物として、積層面での塗布量が0.1〜3g/m2になるようにノズル吐出方式により塗布し、次いで該ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とを積層することを特徴とする請求項1記載の透湿性複合フィルムの製造方法。
- ポリオレフィン系透湿性フィルムの少なくとも片面に不織布を積層するに際し、該不織布の積層に供する面に、ホットメルト系接着剤を、平均繊維径1〜25μmの微細繊維状物として、0.1〜3g/m2の塗布量でダイコーティング方式により塗布し、次いで該ポリオレフィン系透湿性フィルムと不織布とを積層することを特徴とする請求項1記載の透湿性複合フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26118297A JP3838758B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 透湿性複合フィルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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