JP2009012309A - 透湿性積層シートの製造方法、透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物及び透湿性積層シート - Google Patents

透湿性積層シートの製造方法、透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物及び透湿性積層シート Download PDF

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Abstract

【課題】 透湿性を持つ微多孔性ポリオレフィンフィルムと、通気性を持つ各種基材(不織布、織布、割布、メッシュ、ネット、フェルト、紙、布等)とを、ホットメルト接着剤を用いて積層して、防水性、耐候性、耐熱性を有する透湿性積層シートを製造する方法および該積層に際して好適に使用されるホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】 特定の条件で測定した温度90℃における、溶融粘度が100,000mPa・s以上であるスチレン系ブロック共重合体含有ホットメルト接着剤を、前記条件における溶融粘度が50,000mPa・s以下となる溶融状態で用い、微多孔性ポリオレフィンフィルムと通気性基材とを接着する、また、そのような特性を有する接着剤とする。
【選択図】 なし

Description

この発明は、透湿性、防水性、耐熱性、耐久性を有する透湿性積層シートの製造方法、該製造方法に使用されるホットメルト接着剤組成物、およびそれらにより製造される透湿性積層シートに関するものである。
さらに詳しくは、透湿性を持つ微多孔性ポリオレフィンフィルムと、通気性を持つ各種基材とを、ホットメルト接着剤で接合することによって積層する透湿性積層シートの製造方法、該積層に際して好適に使用されるホットメルト接着剤、およびそれらにより製造される透湿性積層シートを提供するもので、積層シート製造技術および接着剤製造技術に属するものである。
フィルムに微細な空隙を造ることによって、透湿性を付与した微多孔性ポリオレフィンフィルム(以下、微多孔性フィルムともいう。)は、粒子の小さな充填材を混練したポリオレフィンをフィルム化した後、延伸することにより製造される。
この微多孔性フィルムは、寸法安定性や引張強度、引き裂き強度等の機械的強度を付加するために、通気性を有する各種基材(不織布、織布、割布、メッシュ、フェルト、布等:以下、基材という。)を、接着あるいは熱で融着することにより接合され、透湿性積層シート(以下、積層シートという。)となる。
かくして得られた積層シートは、空気や水蒸気等の気体は通過し、水滴は遮断する透湿防水性を有していることから、紙おむつ、ナプキン等の衛生材料用途、手術着等のメディカル用途、住宅のハウスラップ、ルーフィング等や土壌被覆材等の産業資材用途、防塵服や簡易雨具等の使い捨て衣料用途等に幅広く使用されている。
たとえば、特許第2736773号公報(特許文献1)には、平均粒径0.01〜30μmの無機充填剤を、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して5〜500質量部配合したポリオレフィン系樹脂フィルムを延伸して、微多孔を形成して微多孔膜とし、上記微多孔膜に、表面に接着剤を付けた、通気性を有する目付30〜100g/mの長繊維系スパンボンド不織布を、非接触部分を残して貼合せて得られる、優れた透湿・防風・防水性を有する建築用シート材料を、木造住宅の外壁通気工法に於いて、透湿・防風・防水等を目的として設けられる防風層材料として用いることが示さている。
その貼り合せに用いられる接着・粘着剤としては、ポリウレタン系、エチレン−酢ビ共重合体、ポリアクリル酸エステル系、アクリルゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、クロロプレンゴム系など幅広く示されている。
また、特開平9−277414号公報(特許文献2)には、優れた耐釘引き裂き性、引張強度、剥離強度及び高透湿性を有し、特に屋根用透湿防水シートとして有用な、高い透湿性を有するポリエチレン系多孔性シートに補強材としてポリオレフィン系織布を、熱融着により積層してなる、建材用透湿防水シート及びその製造方法が開示されている。
さらに、特開2002−293973公報(特許文献3)には、屋根や壁などの透湿、防水用シートとして、ポリプロピレン系多孔質フィルムに、ポリオレフィン系不織布を積層、特に、熱融着により積層した、透湿度が1000〜3000g/m・24hである積層シートが開示されている。
一方、特開2006−8947公報(特許文献4)には、紙おむつや生理用ナプキン等で衛生材料用部材として用いられる、ポリエチレンフィルムやポリプロピレン不織布等の接着には、熱可塑性ブロックポリマーを主成分としたゴム系ホットメルト接着剤、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等の合成オレフィンを主成分としたオレフィン系ホットメルト接着剤が用いられていることが示されている。
さらに、それらよりも優れたものとして、特定のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、粘着付与剤および可塑化オイルを含有するホットメルト接着剤が開示されている。
微多孔性フィルムと基材を接着剤によって接合する場合、紙おむつや生理用ナプキンで等の使用される積層シートのように、SIS系熱可塑性エラストマ(スチレン・イソプレン・スチレン)や、SBS系熱可塑性エラストマ(スチレン・ブタジエン・スチレン)およびこれらの水素添加物であるSEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)等の合成ゴムやエチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のアモルファスポリアルファオレフィン(APAO)をベースとしたホットメルト接着剤を適用することが考えられていた。
しかしながら、例えば、建築・農業用等の産業資材に使用される積層シートでは、紙おむつやナプキン等の衛生材料や使い捨て用途に使用される積層シートとは異なり、高い耐熱性、耐候性、耐久性が要求されるため、衛生材料に使用されているホットメルト接着剤では要求性能を充分に満たすことができない。
特にハウスラップやルーフィング等の建築用途で使用される積層シートは、施工前に屋外の直射日光に曝露される状態に長時間放置されることにより、また、施工後の太陽光や暖房等の熱伝導により、透湿性や防水性等の性能が劣化する可能性が危惧される。
このことから、2000年4月に施行された住宅の品質確保促進に関する法律においては、屋外で施工される積層シート等の資材については、10年間の性能保証が求められるようになった。
したがって、これら高い耐熱性、耐久性、耐候性が要求される建材用途では、主に溶剤型接着剤を使用するドライラミネート法で接着する方法や熱により融着する方法が採用されてきた。
さらに、これら溶剤型接着剤は、接着剤の塗布工程、乾燥工程で多量の溶剤が揮発するため、作業者の労働安全衛生上好ましくないだけでなく、環境汚染の危険性、近年議論が高まっているVOC抑制の問題等から、溶剤を含まずに接着後反応することにより高い性能を発揮するウレタン系の反応型ホットメルト接着剤もこれらの用途に一部使用されるようになってきている。
しかしながら、同接着剤はイソシアネートによる毒性の問題、作業性やメンテナンス性が良くない、不要となった製品や接着剤を廃棄しなければならない等多くの問題点を抱えている。
特許第2736773号公報(特許請求の範囲,第1頁左欄第12行〜第15行,第3頁左欄第45行〜第49行) 特開平 9−277414号公報(請求項7,段落番号0001) 特開2002−293973号公報(請求項4,段落番号0001,0044) 特開2006−8947公報(請求項1,段落番号0002)
かかる状況から、接着剤として、建材用や農業用の産業資材で要求される耐熱性、耐久性、耐候性を満足し、さらに接着剤に毒性や廃棄に問題がなく、作業環境や作業効率にも問題のない接着剤であるホットメルト型接着剤の適用が望まれている。
そこで、発明者らはホットメルト型接着剤として、手始めに、衛生材料の接着に広く使用されているSISやSBSおよびこれらの水素添加物であるSEBS、SEPS等の合成ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等のアモルファスポリアルファオレフィン(APAO)をベースとしたホットメルト接着剤について検討した。
その結果、微多孔性フィルムと基材の接着は可能であったものの、微多孔性フィルムと基材との充分な接着強度が得られなかったり、基材側からホットメルト接着剤が染み出して積層シートのブロッキング、すなわち、巻物の積層シートにおいて表裏がくっ付きあうこと、が発生する等の問題が見出された。
また、本質的な問題点として建築、農業用等の産業資材として使用するに充分な耐久性、耐熱性、耐候性を有するものが得られなかった。
そこで、発明者らは、接着剤の毒性や廃棄に問題がない接着剤としてのホットメルト接着剤について深く検討し、積層シート自体に要求される高い耐久性、耐熱性、耐候性を満足させる接着剤を得ることを、さらには、上記特性の積層シートが得られる製造方法を見出すことを課題として研究を行った。
その結果、ラミネート接着加工において、特定の条件で微多孔性フィルムと基材を接着積層することによって、さらには、そのための特定の成分を含み、特定の温度において、特定のレオロジー(樹脂の流れ特性)を示す状態で、ホットメルト型接着剤を用いることによって、上記の問題点を解消し、建築・農業用の産業資材にも問題なく使用される耐熱性、耐久性、耐候性を満足させる透湿性シートを製造する方法を、さらには、その製造方法に使用される接着剤を見出し、このこの発明を完成させた。
すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、
下記条件で測定した温度90℃における、溶融粘度が100,000mPa・s以上であるスチレン系ブロック共重合体含有ホットメルト接着剤を、
下記条件で測定した溶融粘度が50,000mPa・s以下となる温度条件下で用いて、微多孔性ポリオレフィンフィルムと通気性基材とを接着すること
を特徴とする透湿性積層シートの製造方法である。
<粘度測定条件>
測定機器 : 高化式フローテスタ(株式会社島津製作所製:CFT−500型)
使用ノズル: 内径0.5mm、全長10mm
荷重 : 50kg
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の透湿性積層シートの製造方法において、
前記温度条件下における温度が、
温度100℃〜130℃の範囲内にあること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の透湿性積層シートの製造方法で製造されたこと
を特徴とする透湿性積層シートである。
さらに、この発明の請求項4に記載の発明は、
スチレン系ブロック共重合体を含有し、下記条件で測定した温度90℃における溶融粘度が100,000mPa・s以上であって、
溶融接着に用いられる際の温度において測定した溶融粘度が50,000mPa・s以下になるものであること
を特徴とする透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物である。
<粘度測定条件>
測定機器 : 高化式フローテスタ(株式会社島津製作所製:CFT−500型)
使用ノズル: 内径0.5mm、全長10mm
荷重 : 50kg
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載の透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物において、
前記溶融接着に用いられる際の温度が、
温度100℃〜130℃の範囲内にあること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項4又は5に記載の透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物において、
前記ホットメルト接着剤組成物は、
温度180℃における、JIS K−6862に準拠して測定されるブルックフィール
ド粘度が40,000mPa・s以下であること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項4〜6のいずれかに記載の透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物を用いて接合されていること
を特徴とする透湿性積層シートである。
これらの発明によって微多孔性フィルムと各種基材を接合した積層シートは、積層シートの中でも厳しい性能が求められる、住宅品質確保に関する法律で定められた性能も満足する、良好な耐熱性と耐候性を示すものである。
また、製造工程においては、ドライラミネート法で使用される溶剤型接着剤のような溶剤の揮発による環境汚染がなく、反応型ホットメルト接着剤のようにイソシアネートによる毒性の問題、作業性やメンテナンス性が不良、不要となった製品や接着剤を廃棄しなければならない等の問題を発生させない。
また、微多孔性フィルムと基材を熱で融着する融着工法のように、融着性を得るための特別なフィルムあるいは基材の開発や選定を実施する必要がないため、積層シートの構成や性能を自由に設計することが可能となり、加工時の施工速度も速いため、低コストで積層シートを製造することが可能となる。
また、微多孔性フィルムを積層して得られた積層シートは、微多孔性フィルムの収縮による剥離,積層シート上のシワや大きな反りが発生しない良好な積層シートである。
このような特徴を持つ、この発明の製造方法で製造した積層シートは、建築・農業用シート等の産業資材用としてだけでなく、衛生材料、メディカル用途でも好適に使用することができる。
以下に、この発明の透湿性積層シートの製造方法、および透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物について、具体的に説明する。
この発明に使用される微多孔性フィルムを構成するポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独の重合体、又はこれらの共重合体を主原料としたものである。
具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
この発明においては、これらのポリオレフィンを主原料とした微多孔性フィルムが好ましい。
また、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンの単独、あるいはそれらの混合物を主原料としたものが、得られる微多孔性フィルムの耐久性やコストの面でより好ましい。
この発明に用いられる基材は、通気性を有する、公知の不織布、ワリフ、織布、フェルト、メッシュ、布等を、用途や求められる性能、コストによって、制限なく使用することができるが、耐久性が良好でホットメルト接着剤を塗布した時の抜けや染み出しが少なく、しかも低コストのポリエステル製、ポリプロピレン製の不織布、織布が好ましく使用される。
この発明の積層シートは、微多孔性フィルムと基材がホットメルト接着剤によって積層されてなるもので、少なくもその2層から構成されるものである。
3層以上の積層シートにすることも、さらにその場合、消臭、防滑等の各種機能や外観等の意匠性の付加、微多孔性フィルムの保護等を考慮した基材を用いることもできる。
この発明におけるスチレン系ブロック共重合体とは、合成ゴムとして市販されている、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびそれらの水素添加物などのSIS系熱可塑性エラストマ、SBS系熱可塑性エラストマ、SEBS系熱可塑性エラストマあるいはSEPS系熱可塑性エラストマと呼ばれている合成ゴムである。
前記のスチレン系ブロック共重合体としては、それら市販品が用いられる。
市販品として、SBS系では、
“クレイトンポリマージャパン”の
「クレイトンD−1101」「クレイトンD−1118」などの直鎖状ブロックポリマー、また、「クレイトンD−1184」「クレイトンD−1122X」などの側鎖状ブロックポリマーが挙げられる。
さらに、SIS系としては、「クレイトンD−1107CU」「クレイトンD−1112」「クレイトンD−1117」などが挙げられる。
SEBS系では、
“クレイトンポリマージャパン”の
「クレイトンG1650」「クレイトンG1652」「クレイトンG1657」「クレイトンG1726」
“旭化成株式会社”の
「タフテックH1062」「タフテックH1031」などが、
SEPS系では、
“クラレ株式会社”の
「セプトンKL2002」「セプトンKL2063」「セプトンKL2007」、
“シェル化学”製の「クレイトンG1730」
などが挙げられる。
この発明におけるスチレン系ブロック共重合体としては、メルトフローレートが1g/10min(温度200℃、5kg)以上のものが好ましい。
また、スチレン含有量が10〜45質量%のものが好ましい。
メルトフローレートが1g/10min(温度200℃、5kg)未満のものは、得られる接着剤の流動性が低下し、高粘度となり、作業性が低下するおそれがある。
また、スチレン含有量が45質量%を超えるものは、接着性、耐寒性に問題を生じるおそれがある。
特に、この発明にとり好ましいものは、上記特性を有するSEBS系熱可塑性エラストマ又はSEPS系熱可塑性エラストマで、それらを使用することによって、接着剤の熱安定性や得られる積層シートの耐候性を大幅に向上させることができる。
この発明に係る接着剤組成物において、スチレン系ブロック共重合体の含有量が、3〜30質量%の範囲にある組成物が好ましく、より好ましくは5〜20質量%の範囲にある組成物である。
含有量が3質量%未満であると、基材側への接着が不十分になったり、接着部に十分な耐熱性を付与することが困難になることがある。
また、30質量%を超えるようになると、接着剤の流動性が低下し、接着剤の基材への溶融塗布が著しく困難になるおそれがある。
この発明に係るホットメルト接着剤組成物には、ホットメルト接着剤に使用可能な公知の粘着性付与樹脂を使用することができ、粘着性付与樹脂としては、以下のような樹脂が用いられる。
ロジン系のものとして、天然ロジン、重合ロジン及びそれらの誘導体、例えばペンタエリスリトールエステルロジン、グリセリンエステルロジン並びにそれらの水素添加樹脂などがある。
市販品としては、「ガムロジン」「ウッドロジン」「エステルガムA」「エステルガムH」「ペンセルA」「ペンセルC」(いずれも荒川化学工業(株)製)、
「ペンタリンA」「フォーラルA」「フォーラルAX」「フォーラル85」「フォーラル105」「ペンタリンC」(いずれも理化ファインテックス(株)製)などがある。
テルペン系のものとして、ポリテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂並びにそれらの水素添加樹脂などがある。
市販品としては、「ピコライトS」「ピコライトA」(いずれも理化ファインテック(株)製)、「YSレジン」「YSポリスターT」「クリアロン」(いずれもヤスハラケミカル(株)製)などがある。
さらに、石油系樹脂として、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂及び水素付加石油樹脂などがある。
市販品としては、「エスコレッツ;トーネックス(株)製」「ハイレッツ;三井化学(株)製」「クイントン;日本ゼオン(株)製」「ウィングタック;グッドイヤー製」「スタタック;大日本インキ(株)製」「トーホーペトロジン;トーネックス(株)製」「タックエース;三井化学(株)製」「アルコンP、M;荒川化学工業(株)製」などがある。
また、スチレン系樹脂の市販品としては、「ピコラスチック」「クリスタレックス」「ハーコライト」(いずれも理化ファインテック(株)製)、「FTR;三井石油化学(株)製」などがある。
粘着性付与樹脂は、ホットメルト接着剤組成物の接着性向上、粘度調節、オープンタイム等の塗工特性の最適化、構成成分の相溶性向上などを目的として、一種単独で、また複数を併用して使用される。
水素添加により安定性を向上させたものは、得られる積層シートの耐候性をより向上させることができ特に好ましい。
粘着性付与樹脂は、一種単独あるいは二種以上を併用した場合においても、接着剤組成物中20〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%になるようにして用いられる。
20質量%に満たないと、微多孔性フィルムと基材との接着性が劣るおそれがある。70質量%を超えると、ホットメルト接着剤組成物自体が硬くなり、得られた積層シートの風合いが低下したり、耐寒性が損なわれるようになる。
さらに、この発明に係るホットメルト接着剤組成物には、粘度調節、オープンタイム等の塗工特性の最適化、耐熱性、耐寒性の改良などを目的として、各種熱可塑性樹脂、液状ゴム、プロセスオイル、ワックスなどを添加することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体などが挙げられる。
特に、APAOと呼ばれる非晶性ポリアルファオレフィン、APPと呼ばれるアタクチックポリプロピレンなどが好ましく用いられる。
これらは、通常、組成物中60質量%以下で用いられる。
上記APAOとしては、「レックスタック;ハンツマン製」「ベストプラスト;デグサ製」
「イーストフレックス;イーストマン製」などが挙げられる。
ワックスとしては、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が用いられる。
パラフィンワックスとしては、「HNPシリーズ;日本精蝋製」、
マイクロクリスタリンワックスとしては、「Hi−Micシリーズ;日本精蝋製」、
ポリエチレンワックスとしては、「ハイワックスシリーズ;三井化学製」、
ポリプロピレンワックスとしては、「ビスコールシリーズ;三洋化成製」
などが挙げられる。
これらのワックスを添加することによって、ホットメルト接着剤組成物の粘度の低減化や耐熱性の向上、得られる積層シートのブロッキング性(巻物の透湿シートにおいて表裏がくっつきあうこと)防止に効果がある。反面、結晶性成分が多くなることによって、ホットメルト接着剤組成物が硬く、脆くなったり、接着性が低下することが懸念されるので、配合量には注意が必要となる。
また、軟化剤として、例えば、プロセスオイル、鉱油、各種可塑剤、ポリブテン等が制限なく使用できる。
これら軟化剤は、ホットメルト接着剤の粘度の低減化、タックを向上させる等の効果がある一方で、積層シートに使用する基材(例えば、不織布、布)からの染み出しや、積層シートのブロッキングが発生し易くなったり、高温、多湿等の条件下では微多孔性ポリオレフィンフィルムの表面にブリードすることもあるので、配合量には注意する必要がある。
また、酸化防止剤として、例えば、「イルガノックス1010;チバファインテック製」「イルガノックス1076;チバファインテック製」、「スミライザーGM;住友化学製」などが好ましく使用される。
上記酸化防止剤の配合量は、ホットメルト接着剤組成物の0.1〜3質量部であることが好ましい。
さらに、この発明に係るホットメルト接着剤組成物には、ホットメルト型接着剤で通常使用される無機充填材、着色剤、紫外線吸収剤、防黴剤、抗菌剤などの各種添加剤を目的に応じて使用することができる。
この発明のホットメルト接着剤組成物は、目的とする積層シートに使用される微多孔性フィルムや基材を接着によって接合するために、その材質、極性、表面状態によって適した配合組成が、後述するレオロジー(流動特性)を含めて、求められる特性に応じて決定される。
所望の配合組成の、ホットメルト接着剤組成物の製造は、加熱タイプ溶融撹拌槽などの溶融溶解槽に、好ましくは窒素気流下、通常温度150℃以上250℃以下で、撹拌羽根の回転により、各成分を同時に又は順に溶融混合する方法、ニーダーの双状回転羽根により、加熱下シェアをかけて溶融混合する方法、単軸又は2軸の押出機のスクリューにより溶融混合する方法などにより行われる。
この発明の積層シートの製造方法は微多孔性フィルムと基材を、溶融状態にある接着剤組成物、好ましくは前記のホットメルト接着剤組成物を用いて接着接合する、ラミネート接着方式に属するものである。
そのラミネート接着方式による製造方法においては、まず、ロールなどから送り出された微多孔性フィルムと、同様にロールなどから送り出された基材に対して、ホットメルト接着剤塗布装置により基材あるいは微多孔性フィルムに接着剤が塗布される。
塗布方法としては、透湿性を維持する目的から、全面的な塗布方法ではなく、部分的、断続的あるいは間欠的な塗布方法であるファイバースプレー法、カーテンスプレー法、スパイラルスプレー法、グラビア法等が好ましく使用される。
塗布量としては、通常1〜15g/m、好ましくは2〜10g/mである。
微多孔性フィルムと基材の接着は、ホットメルト接着剤を塗布した後、微多孔性フィルム、基材、ホットメルト接着剤を加熱し、ホットメルト接着剤を溶融状態にしてロールで圧着して積層接着する、あるいはホットメルト接着剤を塗布した後に圧着ロールにより仮接着し、施工装置の後半や別の加工装置において、再度加熱することによりホットメルト接着剤を再溶融しながら積層接着することにより行われる。
加熱の方法としては、ヒーターが組み込まれた熱板に接触させる方法、赤外線ヒーターを使用する方法、熱風による方法等もあるが、微多孔性フィルム、ホットメルト接着剤、基材の全てに安定して熱を加えることができる加熱ロールを使用する方法が好ましい。
加熱ロールを使用する場合には、加熱温度、特に積層接着において好ましい温度である100〜130℃で正確な温度制御可能な、熱媒循環式、電気加熱式、誘電発熱式のロールで、その表面が鏡面処理または離型処理されたものを用いるのが好ましい。
また、目的により表面が様々なパターンでエンボス加工されたロールを用いることも可能である。
その際に用いられるこの発明のホットメルト接着剤組成物は、温度90℃における高化式フローテスタ粘度(内径0.5mm、全長10mmのノズル、50kgの荷重)が100,000mPa・s以上であるものである。
好ましくは150,000mPa・s以上の粘度を有するものである。
粘度の上限としては、塗布あるいは接着時の粘度、また、接着剤の製造の面から、500,000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは350,000mPa・s以下である。
この発明の積層シートの製造方法においては、加熱時の温度、すなわち、加熱接着時において、溶融したホットメルト接着剤組成物の高化式フローテスタ粘度が、50,000万mPa・s以下であることが必要で、30,000mPa・s以下であることが好ましい。
粘度の下限としては、1,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは2,500mPa・sである。
加熱による接着時の粘度が1,000mPa・sのホットメルト接着剤組成物は、加熱、圧着される時の基材に対する染み込みが多くなる。
また、得られた積層シートのブロッキング(巻取り状態の積層シートの表と裏がくっ付き合ってしまうこと)が発生し易くなる。
加熱接着時の溶融粘度について、より具体的に説明する。
加熱接着時の温度は、微多孔性フィルムや基材に使用されている素材、ホットメルト接着剤組成物の配合組成により異なるが、通常、微多孔性フィルムの融点前後である温度100℃〜130℃に設定される。
100℃以下の温度では、溶融状態のホットメルト接着剤組成物のフローテスタ粘度を50,000mPa・s以下にするのが困難となったり、微多孔性フィルムの熱処理を十分に実施できないことがある。
一方、130℃以上の温度では、溶融状態のホットメルト接着剤組成物のフローテスタ粘度を50、000mPa・s以下にするのは容易となる。
しかしながら、微多孔性フィルムの溶融や破断が発生して施工することができなくなったり、熱により微多孔性が低下するため、十分な透湿性を有する積層シートを製造することが困難となる。
この時、ホットメルト接着剤組成物の加熱接着時の温度における100〜130℃におけるフローテスタ粘度が50,000mPa・s以下でない場合は、積層シートに十分な耐熱性を与えらない。
また、屋外に保管されたり、車で運搬されたりする場合に想定される、60℃程度の温度においても、微多孔性フィルムにシワが発生したり、収縮・剥離する現象が認められるようになる。
一方、加熱による溶融接着時のホットメルト接着剤組成物のフローテスタ粘度が50,000mPa・s以下であっても、90℃におけるフローテスタ粘度が100,000mPa・s以上、好ましくは150,000mPa・s以上でない場合は、住宅の品質確保促進に関する法律の規定における90℃の熱老化試験(168時間)で、微多孔性フィルムが剥離する現象が発生する。
ラミネート接着加工において、接着剤の塗布条件も工程における重要な因子である。
通常の塗布温度である140℃〜220℃において、好ましくはブルックフィールド粘度が250〜40,000mPa・s、より好ましくは500〜20,000mPa・s、特には1,000mPa・s〜10,000mPa・sになるホットメルト接着剤組成物が好ましい。
より具体的には、温度180℃におけるブルックフィールド粘度が上記範囲になるものが、この発明に係るホットメルト接着剤組成物として好ましい。
塗布時におけるブルックフィールド粘度が40,000mPa.sを超えると、塗布に際して十分な塗布量を確保するのが困難になり、ラミネート接着加工時の施工速度に大きな制約を受けることがある。
塗布時におけるブルックフィールド粘度が500mPa・sに満たないと、幅方向に塗布量のムラやホットメルト接着剤組成物の飛び散り、ボタ落ちが発生し易くなるだけでなく、基材に対するホットメルト接着剤の染み込みが多くなり、得られた積層シートのブロッキングが発生しやすくなる。
以下、この発明を実施例によって説明するが、この実施例は、この発明を説明するためのもので、その成分、割合などはこの発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更できるものである。
<ホットメルト接着剤の製造>
表−1(実施例1〜4)および表−2<比較例3〜5>に示される比率で配合した混合物1,000kgを、内容積2リットルの加熱ニーダーに仕込み、これを温度160℃〜180℃で2時間撹拌混合し、目的とするホットメルト接着剤組成物を得た。
実施例および比較例で用いた材料の内容、およびホットメルト接着剤組成物の特性試験方法を下記に示す。
<原材料の内容>
・クレイトンG1657(クレイトンポリマージャパン株式会社製)
スチレン含有量13%、MFR8(g/10min:温度200℃×5kg)
・タフテックH1031(旭化成株式会社製)
スチレン含有量20%、MFR80(g/10min:温度200℃×5kg)
・セプトンKL2063(クラレ株式会社製)
スチレン含有量13%、MFR22(g/10min:温度200℃×10kg)
・RT2385A(ハンツマン製)
溶融粘度8,500mPa.s/温度190℃、軟化点141.0℃
・RT2304A(ハンツマン製)
溶融粘度400mPa.s/温度190℃、軟化点138.0℃
・イーストフレックスE1060(イーストマン製)
溶融粘度6,000mPa.s/温度190℃、軟化点135.0℃
・イーストフレックスE1003(イーストマン製)
溶融粘度250mPa.s/温度190℃、軟化点120.0℃
・ビスタックL(千葉ファインケミカル株式会社製)
溶融粘度100〜600mPa・s/180℃、軟化点120〜150℃
・アルコンP100(荒川化学株式会社製)
軟化点100.0℃
・アルコンP125
軟化点125.0℃
・イーストタックC100W(イーストマン製)
軟化点100.0℃
・マルカレッツS110A(丸善石油株式会社製)
軟化点110.0℃
・YSポリスターT130(ヤスハラケミカル株式会社製)
軟化点130.0℃
・クリアロンP125(ヤスハラケミカル株式会社製)
軟化点125.0℃
・スーパーエステルA125(荒川化学株式会社製)
軟化点125.0℃
・酸化防止剤イルガノックス1010(チバファインテック製)
<ホットメルト接着剤の評価>
1.溶融粘度
「JIS K−6862 ホットメルト接着剤の溶融粘度測定方法」に準拠して、温度180℃における溶融粘度を測定した。
2.フローテスタ粘度
高化式フローテスタ(CFT−500:株式会社島津製作所製)にて、内径0.5mm、全長10mmのノズル、50kgの荷重を用いて、加熱接着時温度および温度90℃における溶融粘度を測定した。
<積層シートの材料>
1)微多孔性ポリオレフィンフィルムA:ポリエチレン(厚み40μm、融点115℃)
2)微多孔性ポリオレフィンフィルムB:ポリエチレン(厚み45μm、融点125℃)
3)基材:ポリエステル不織布:秤量40g/m
<積層シート製造装置>
実施例1〜4および比較例1〜5は、直径300mmの熱媒循環式による加熱ロールを持つラミネート機を用いて積層シートを作成した。
<積層シートの評価>
1.剥離強さ
得られた積層シートの微多孔性ポリオレフィンフィルム側に、住宅用防水気密テープ(
ブチルゴムテープ)を貼り付け、直ちに手で剥離して、剥離面の破壊状態を確認し、以下の様に評価した。
○:ホットメルト接着剤で接着した面が破壊せず、住宅用防水気密テープが剥離
△:ホットメルト接着剤で接着した面が破壊し基材(目付40g/mのポリエステル不織布)も材料破壊。
×:基材が破壊せず、微多孔性ポリオレフィンフィルムと基材の界面で剥離
1.耐熱性
得られた積層シートを、温度90℃に保持された恒温槽中に168時間放置して、微多孔性ポリオレフィンフィルムの浮き、剥がれを確認し、以下のように評価した。
○:積層シートの剥離や変形がない
×:積層シートの変形や剥離がある
1.耐ブロッキング性
得られた積層シートを紙管に約1000m巻いてロール状態とし、温度50℃の雰囲気中に1週間保管した。
保管後、十分な冷却時間を置き、紙管に巻かれていた積層シートを巻き戻し、ブロッキング性を確認し、以下のように評価した。
○:問題なく巻き戻しができた
×:巻き戻す途中で透湿性シートの裏面(ポリエステル不織布)と、表面(微多孔性ポリオレフィンフィルム)が接着してしまい、微多孔性ポリオレフィンフィルムが材料破壊した
<実施例1>
温度180℃における溶融粘度(ブルックフィールド粘度)2,650mPa・s、加熱ロール温度(108℃)におけるフローテスタ粘度21,150mPa・s、温度90℃におけるフローテスタ粘度119,400mPa・sのホットメルト接着剤組成物を、カーテンスプレー法(ホットエアー温度200℃、圧力2.0kg・cmにて糸状に塗布(塗布量6.0g/m、塗布温度180℃、施工速度80m/min)した後、微多孔性ポリオレフィンフィルムを接着して、積層シートを作製した。
この積層シートは、住宅用防水気密テープ(ブチルゴムテープ)を貼り付け、直ちに手で剥離した時に、住宅用防水気密テープと、微多孔性ポリオレフィンフィルムの界面から剥がれ、良好な接着状態を示した。
この積層シートを、温度90℃に保持された恒温槽中に168時間放置したが、微多孔性ポリオレフィンフィルムの浮き、剥がれや積層シートの大きな反りは観られなかった。
この積層シートを、紙管に約1000m巻いてロール状態とし、温度50℃の雰囲気中に1週間保管した。
保管後、十分な冷却時間を置き、紙管に巻かれていた透湿性シートを巻き戻してブロッキング性を確認したところ、問題なく巻き戻すことが可能であった。
実施例1で得られた積層シートは、接着性、耐熱性(温度90℃×168時間)、ブロッキング性のすべてにおいて問題なく、透湿防水性を持つ積層シートとして非常に良好なものであった。
<実施例2〜4>
実施例1と同様に基材にホットメルト接着剤組成物を塗布した後、実施例2は、微多孔性ポリオレフィンフィルムAを、加熱ロール条件、温度108℃(この時のフローテスタ粘度28,200mPa・s)で接合した。
実施例3は、微多孔性ポリオレフィンフィルムBを、加熱ロール条件、温度115℃(この時のフローテスタ粘度17,900mPa・s)で接合した。
実施例4は、微多孔性ポリオレフィンフィルムBを、加熱ロール条件、温度115℃(この時のフローテスタ粘度21,340mPa・s)の条件で接合して積層シートを得た。
実施例2〜4で得られた積層シートは、表−1のように接着性、耐熱性(温度90℃×168時間)、ブロッキング性ともに問題なく、透湿防水性を持つ積層シートとして非常に良好なものであった。
<比較例1>
温度180℃における溶融粘度(ブルックフィールド粘度)2,500mPa・s、加熱ロール温度108℃における、フローテスタ粘度4,950mPa・s、温度90℃における、フローテスタ粘度22,150mPa・sの衛材用として、一般的に使用されているSBS系のホットメルト接着剤組成物を、

カーテンスプレー法(ホットエアー温度200℃、圧力2.0kg・cmにて糸状に塗布(塗布量6.0g/m、塗布温度180℃、施工速度80m/min)した後、微多孔性ポリオレフィンフィルムを接着して積層シートを作製した。
この積層シートは、住宅用防水気密テープ(ブチルゴムテープ)を貼り付け、直ちに手で剥離した時に、テープと微多孔性ポリオレフィンフィルムの界面から剥がれ、良好な接着状態を示した。
この積層シートを、温度90℃に保持された恒温槽中に168時間放置したところ、微多孔性ポリオレフィンフィルムの収縮による浮き、剥がれは観られなかったが、ホットメルト接着剤組成物の凝集力不足と思われる、微多孔性ポリオレフィンフィルムの浮きが部分的に観られた。
この積層シートを、紙管に約1000m巻いてロール状態とし、温度50℃の雰囲気中に1週間保管した。
保管後、十分な冷却時間を置き、紙管に巻かれていた透湿性シートを巻き戻してブロッキング性を確認したところ、巻き戻す途中で、透湿性シートの裏面(ポリエステル不織布)と表面(微多孔性ポリオレフィンフィルム)が接着してしまい、巻き戻す途中で大きな音が発生したり、微多孔性ポリオレフィンフィルムが部分的に材料破壊していた。
この積層シートは、微多孔性ポリオレフィンフィルムと基材との接着性は良好であったが、耐熱性試験で、凝集力不足による微多孔性ポリオレフィンフィルムの浮きが観られただけでなく、巻き戻し時に微多孔性ポリオレフィンフィルムの材料破壊が観られる等、実用的に使用できるものではなかった。
<比較例2〜5>
比較例1と同様に、基材にホットメルト接着剤組成物を塗布した後、比較例2は、微多孔性ポリオレフィンフィルムBを、加熱ロール条件115℃(フローテスタ粘度5,900mPa・s)の条件で接合した。
比較例3は、微多孔性ポリオレフィンフィルムAを、加熱ロール条件108℃(この時のフローテスタ粘度15,370mPa・s)の条件で接合した。
比較例4は、微多孔性ポリオレフィンフィルムBを加熱ロール条件115℃(この時のフローテスタ粘度51,200mPa・s)の条件で接合した。
比較例5は、微多孔性ポリオレフィンフィルムAをヒートロール条件108℃(この時のフローテスタ粘度8,400mPa・s)の条件で接合して積層シートを得た。
スチレン系ブロック共重合体を含まず、温度90℃のフローテスタ粘度が28,800mPa・sである比較例2では、微多孔性ポリオレフィンフィルムと基材との充分な接着が得られないだけでなく、耐熱性試験で微多孔性ポリオレフィンフィルムの浮きが観られた。
スチレン系ブロック共重合体を含まない比較例3では、耐熱性、ブロッキング性は良好であったものの、住宅用防水気密テープ(ブチルゴムテープ)を貼り付け、直ちに手で剥離した時に、微多孔性ポリオレフィンフィルムと基材の界面から簡単に剥がれてしまう現象が観られた。
加熱ロールによる接着時のフローテスタ粘度が51,200mPa・sである比較例4においては、接着性、ブロッキング性は良好であったが、加熱接着時に、微多孔性フィルムおよび基材を安定した熱処理状態で接着することができなかったため、耐熱性試験で微多孔性フィルムの収縮による浮きや大きなシワの発生が観られた。
温度90℃のフローテスタ粘度が65,580mPa・sである比較例5は、接着性、ブロッキング性は良好であったが、耐熱性試験で微多孔性ポリオレフィンフィルムの浮きが観られた。
この発明に係る積層シートは、建築、農業用等の産業資材として使用するに充分な耐久性、耐熱性、耐候性を有するものであるため、それらの資材製造産業において、さらには用いられる接着剤に起因して化学品製造産業において広く利用される可能性を有するものである。

Claims (7)

  1. 下記条件で測定した温度90℃における、溶融粘度が100,000mPa・s以上であるスチレン系ブロック共重合体含有ホットメルト接着剤を、
    下記条件で測定した溶融粘度が50,000mPa・s以下となる温度条件下で用いて、微多孔性ポリオレフィンフィルムと通気性基材とを接着すること
    を特徴とする透湿性積層シートの製造方法。
    <粘度測定条件>
    測定機器 : 高化式フローテスター(株式会社島津製作所製:CFT−500型)
    使用ノズル: 内径0.5mm、全長10mm
    荷重 : 50kg
  2. 前記温度条件下における温度が、
    温度100℃〜130℃の範囲内にあること
    を特徴とする請求項1に記載の透湿性積層シートの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の透湿性積層シートの製造方法で製造されたこと
    を特徴とする透湿性積層シート。
  4. スチレン系ブロック共重合体を含有し、下記条件で測定した温度90℃における溶融粘度が100,000mPa・s以上であって、
    溶融接着に用いられる際の温度において測定した溶融粘度が50,000mPa・s以下になるものであること
    を特徴とする透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物。
    <粘度測定条件>
    測定機器 : 高化式フローテスター(株式会社島津製作所製:CFT−500型)
    使用ノズル: 内径0.5mm、全長10mm
    荷重 : 50kg
  5. 前記溶融接着に用いられる際の温度が、
    温度100℃〜130℃の範囲内にあること
    を特徴とする請求項4に記載の透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物。
  6. 前記ホットメルト接着剤組成物は、
    温度180℃における、JIS K−6862に準拠して測定されるブルックフィール
    ド粘度が40,000mPa・s以下であること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の透湿性積層シート用ホットメルト接着剤組成物を用いて接合されていること
    を特徴とする透湿性積層シート。
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