JP7073123B2 - 吸水性多孔質積層体 - Google Patents
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Description
従って、本発明の目的は、多孔質高分子基材の軽量で柔軟な特徴を有し、吸水性能に優れた吸水性多孔質積層体を提供することにある。
多孔質高分子基材と、
前記多孔質高分子基材の少なくとも1つの表面に積層された、連通構造を有するコート層と、を含む、吸水性多孔質積層体であって、
前記コート層が、ウレタンポリマーと、界面活性剤と、を含む、親水性ホットメルト樹脂であり、
前記ウレタンポリマーの原料として、少なくともポリオール及びポリイソシアネートを含み、
さらに、前記親水性ホットメルト樹脂の水に対する接触角が50°以下であることを特徴とする、吸水性多孔質積層体である。
本発明(2)は、
前記コート層が、複数の、繊維状及び/又はドット状の前記親水性ホットメルト樹脂、の集合体を含む、連通構造を有するコート層、であることを特徴とする、前記発明(1)の吸水性多孔質積層体である。
本発明(3)は、
前記コート層の目付量が1~100g/m2であることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の吸水性多孔質積層体である。
本発明(4)は、
前記コート層の開口率が、5~90%であることを特徴とする、前記発明(1)~(3)の吸水性多孔質積層体である。
前記開口率は、前記コート層表面のランダムに選択した5か所の観察範囲について、市販の画像解析ソフトを用いて、開口部の面積を測定し、下式(A)により求められる値である。
式(A):開口率(%)=a/b×100
a:前記コート層表面の観察範囲内の開口部の面積
b:光学観察装置の観察範囲の面積
本発明(5)は、
前記親水性ホットメルト樹脂が、
湿気硬化型樹脂であることを特徴とする、前記発明(1)~(4)のに記載の吸水性多孔質積層体。
本発明(6)は、
前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸エステルアルコキシレート、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの少なくとも1つであることを特徴とする、本発明(1)~(5)の吸水性多孔質積層体である。
本発明(7)は、
前記界面活性剤が、下式(1)~(4)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される1つ以上の非イオン性化合物であり、
下式(1)~(4)中、
R1、R2、R3、R4及びR5が、炭素数が8以上のアルキル鎖であり、
R6、R7、R8及びR9が、炭素数が20以下のアルキル鎖であって、
R1~R9は、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基アミノ基、エポキシ基、並びに、カルボキシル基、又はスルホニル基の酸無水物、を含有しないことを特徴とする、
前記発明(1)~(6)のいずれか一項に記載の吸水性多孔質積層体である。
なお、式中、x、y、z、nは任意の整数である。
従って、本発明によれば、軽量で柔軟、且つ、安価である多孔質高分子基材の特徴を有し、さらに優れた吸水性能をもつ吸水性多孔質積層体を提供することができる。
<<吸水性多孔質積層体>>
本発明の吸水性多孔質積層体は、多孔質高分子基材と、前記多孔質高分子基材の少なくとも1つの表面に積層された連通構造を有するコート層とを、含む。コート層は、ウレタンポリマーと、界面活性剤とを含む、親水性ホットメルト樹脂である。
1-1.多孔質高分子基材
多孔質高分子基材は、特に限定されないが、不織布、発泡体及び多孔質体等の3次元形状の通気空間を持つものを用いることができる。下記にその特徴について詳述する。
1-1-1.多孔質高分子基材の材質
前記高分子の親水性の程度は、特に限定されないが、本発明に係るコート層の親水性の程度と比べ、疎水性が高い場合には、本発明の効果が著しくなる。即ち、吸水性の低い多孔質高分子基材ほど、本発明に係るコート層を積層することで、吸水性を改善することができる。
本発明に係るコート層の組成は、ウレタンポリマーをベース樹脂とし、さらに界面活性剤を含む、親水性ホットメルト樹脂である。更に、必要に応じて、親水性ホットメルト樹脂中に、その他の成分を含んでいてもよい。
式(A):開口率(%)=a/b×100
a:前記コート層表面の観察範囲内の開口部の面積
b:光学観察装置の観察範囲の面積
以下にコート層について、詳述する。
1-2-1-1.ウレタンポリマー
ウレタンポリマーは、ポリイソシアネートをポリオールと反応させることで得られる。
1-2-1-1-1-1.ポリオール
本発明において用いられるポリオールとしては、反応型ホットメルト樹脂と非反応型ホットメルト樹脂に関わらず、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール等が挙げられる。前記ポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、2官能のポリイソシアネートとしては、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)、m-フェニレンジイソシネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジアネート(2,4’-MDI)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’-MDI)、水素添加MDI、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素添加XDI、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、等の芳香族系のもの、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式のもの、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等のアルキレン系のもの、3官能以上のポリイソシアネートとしては、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、ポリメリックMDI、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、1,8-ジイソシアナトメチルオクタン等及びこれら変性体、誘導体等が挙げられる。
また、非反応型ホットメルト樹脂の場合には、イソシアネート末端ポリウレタンポリマーのNCO基含有率は、1.0%未満であり、好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましく0.3%以下である。
本発明における界面活性剤は、主にホットメルト樹脂を親水性とするために用いられるが、さらにその他の効果、例えば、消泡効果等を付与してもよく、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されない。
ウレタンポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、上述した各成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、可塑剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、抗菌剤、光安定剤、安定剤、分散剤、溶剤等が挙げられる。
次に、本発明に係る親水性ホットメルト樹脂(コート層)の各物性について説明する。
本発明に係る親水性ホットメルト樹脂の軟化点は、30~160℃である。軟化点の測定方法は、特に限定されないが、例えば、JIS K7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」に従って、測定することができる。
本発明に係る親水性ホットメルト樹脂の160℃における溶融粘度は、50Pa・s以下、好ましくは35Pa・s以下である。溶融粘度の測定方法は、特に限定されないが、例えば、JIS Z8803-2011「液体の粘度測定方法」に従ってすることができる。溶融粘度をこの範囲とすることで、後述する非接触方式による塗布方法により、安定した繊維状、ドット状の親水性ホットメルト樹脂を形成することができる。溶融粘度を調整するためには、粘着付与剤や可塑剤等の添加剤含有量を増加すればよい。
本発明に係る親水性ホットメルト樹脂の水に対する接触角は、50°以下(好ましくは40°以下)である。前記接触角の測定方法は、特に限定されないが、例えば、JIS R3257:1999「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して行うことができる。前記接触角をこの範囲とすることで、本発明の吸水性多孔質積層体の吸水特性を高めることができる。なお、前記接触角を調整するためには、極性の高いベース樹脂や界面活性剤を使用することや、界面活性剤の添加量を調整すればよい。
本発明に係る親水性ホットメルト樹脂の重量平均分子量としては、溶融温度や低温における適度なオープンタイム等を適正とするため、1000~200000の範囲であることが好ましく、3000~100000の範囲であることがより好ましい。なお前記重量平均分子量は、ゲルパーエミッションクロマトグラフィー法により測定し、標準試料であるポリスチレンの分子量として換算した数値とすることができる。
本発明に係る親水性ホットメルト樹脂の製造方法は、公知の方法であればよく、製造された親水性ホットメルト樹脂が本発明の目的を損なわない限りにおいて、特に限定されない。
例えば、(1)所定量のポリイソシアネートの入った反応容器に、所定量のポリオールを滴下した後に加熱し、前記ポリイソシアネートの有するイソシアネート基が、前記ポリオールの有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させ、ウレタンポリマーを調製する、(2)前記ウレタンポリマーに界面活性剤を所定量滴下し、撹拌することで親水性ホットメルト樹脂を製造する方法が挙げられる。前記反応は通常50~120℃、好ましくは60~100℃の温度で行われる。反応時間は通常1~15時間である。
続いて、前記親水性ホットメルト樹脂を用いて、多孔質高分子基材表面に、連通構造を有するコート層を形成する方法について説明する。コート層の形成方法は、多孔質高分子基材の通気性、通水性を阻害しない限りにおいて、特に限定されず、例えば、溶融させた親水性ホットメルト樹脂を、スプレー等を用いて、塗布し、複数の繊維状やドット状の親水性ホットメルト樹脂の集合体として形成する非接触型の形成方法や、薄膜状に形成した親水性ホットメルト樹脂にニードルパンチ等を用いて、細孔加工する形成方法等が挙げられる。なお本例では、好適例である繊維状、及び/又は、ドット状の親水性ホットメルト樹脂により形成されたコート層について説明するが、本発明に係る親水性ホットメルト樹脂の適用方法はこれには限定されず、公知の方法により、コート層を形成してもよい。
先ず、本発明に係る親水性ホットメルト樹脂を溶融した状態で保持する(溶融工程)。親水性ホットメルト樹脂が湿気硬化型樹脂である場合には、溶融工程においては水分非含有雰囲気とする必要がある。
次に、非接触方式の塗布方法により、溶融状態である親水性ホットメルト樹脂を、多孔質高分子基材の塗布対象面に対して、連続した直線状、曲線状、又はその組み合わせからなる一方向に延長した線形状に塗布し、又は、ドット状に塗布し、コート層を形成する。なお、線(繊維)径は、100μm以下(好ましくは80μm以下)として、所定の目付量及び開口率になるように塗布される。
親水性ホットメルト樹脂を冷却硬化させる。湿気硬化型ホットメルト樹脂である場合、前述のように、冷却硬化後、未反応のイソシアネート末端が空気中の水分と反応し架橋構造を形成することで、より強固な構造を発現する。
2-1.吸水性評価
吸水性多孔質積層体の吸水性は、多孔質高分子基材及び吸水性多孔質積層体の表面における、一定水量の吸水時間の比を求め、評価することができる。この比が、大きい場合にはコート層による吸水性の改善効果が高い。
蒸留水を100mL秤量し、各測定試料のコート層表面に着液させ、液滴が完全に吸収されるまでの時間を測定する。多孔質高分子基材の吸水時間をcとし、吸水性多孔質積層体のコート層を積層した表面の吸水時間をdとして下式(B)により算出した値を、吸水性を表す数値とする。
式(B):c/d
c:前記多孔質高分子基材単独の吸水時間
d:吸水性多孔質積層体の前記コート層を積層した表面における吸水時間
本発明における拡散性とは、多孔質高分子基材、又は、吸水性多孔質積層体の平面方向への拡がりの程度を示す。上述したように拡散性が大きな場合には、多孔質高分子基材の接水面積(吸水面積)が広くなるため、多孔質高分子基材の吸水性が高くなる。
前記測定試料上に、円筒(φ2.2cm、重量220g)を載せ、この円筒内部に10mLの蒸留水を注ぎ入れ、蒸留水が各測定試料の表面において拡がった面積を測定する。吸水性多孔質積層体の前記コート層を積層した表面において拡がった面積をeとし、多孔質高分子基材の表面において拡がった面積をfとして、下式(C)により算出した値を、拡散性を表す数値とする。
式(C):e/f
e:吸水性多孔質積層体の前記コート層を積層した表面における拡散面積
f:前記多孔質高分子基材の表面における拡散面積
本発明に係る吸水性多孔質積層体は、軽量で柔軟であり、保水量が多く、さらに速い吸水速度が要求される用途に適合している。例えば、水耕栽培用培地、水処理用担体、清掃用スポンジ、絆創膏等に用いられるドレッシング材、生理用ナプキン等に用いられる血液吸収材といった吸水性が求められる用途に用いることができる。
ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
下記原料を、表1に従って配合・調製したホットメルト樹脂を、表2の組み合わせになるように、各基材上に積層し、実施例及び比較例の測定試料を作製した。なお、比較例には前記親水性ホットメルト樹脂を積層せず、多孔質高分子基材のものを含む。
・多孔質高分子基材A:ウレタンフォーム(イノアックコーポレーション社製:SAQ、密度82kg/m3)
・多孔質高分子基材B:ポリプロピレン製不織布(密度0.040g/cm3)
・ポリオール : ポリテトラメチレンアジペート、分子量2000
・ポリイソシアネート: 4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)
・界面活性剤A: ポリオキシエチレンステアリン酸トリグリセリド
・界面活性剤B: ポリオキシエチレンジオレート
・界面活性剤C: ポリオキシエチレンドデシル酸メチルエーテル
・界面活性剤D: ポリオキシエチレンジエチルエーテル
実施例1~5及び比較例3及び4のホットメルト樹脂A~Eの調製方法を示す。なお、各組成物の配合量を表1に示した。(1)反応容器に所定量のイソシアネートを入れ、所定量のポリオールを滴下したのち、60℃に加熱し、5時間反応させ、界面活性剤を所定量添加し、撹拌して調製した。なおホットメルト樹脂Eには、界面活性剤を添加していない。
調製したホットメルト樹脂A~E及び市販品のガラス製のプレパラート上に0.5mmの厚さに塗布し、24時間放置して、完全に硬化したさせたものを評価用試料とした。接触角は接触角計(協和界面科学社製:CA-D)を用いて、水に対する接触角を測定した。なお測定方法は、JIS R3257:1999「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して行った。結果を表1に示した。
表2の多孔質高分子基材とホットメルト樹脂A~Eの組み合わせに従い、ホットメルト樹脂を多孔質高分子基材に塗布して、吸水性多孔質積層体を作製した。
具体的には、上述の方法により調製された各親水性ホットメルト樹脂を窒素雰囲気中で140℃に加熱溶融し、その状態で保持した。
実施例1~5と比較例1~4の評価結果を表2及び表3に示した。評価は下記に従って行った。
・コート層の開口率
各実施例及び比較例の評価試料の開口率は、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製:VHX-5000)を用い、観察範囲が3mm×3mmになるように調整し、ランダムに選択した5か所の観察範囲について、付属の画像解析ソフトを用いてコート層表面の観察範囲内の開口部の面積(下式のa)を求め、下式により算出した。結果を表2に示した。
式(A):開口率(%)=a/b×100
a:前記コート層表面の観察範囲内の開口部の面積
b:デジタルマイクロスコープの観察範囲の面積(3mm×3mm)
各実施例及び比較例の評価試料の繊維径は、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製:VHX-5000)を用い、各測定試料の表面からランダムに選択した10か所の繊維の幅(短軸の長さ)を測定し、平均して求めた。結果を表3に示した。
各実施例及び比較例の評価試料の吸水性は、評価試料を100mm×100mm×1mmtとして、そのコート層を有する表面(コート層を積層していない場合には基材表面)に100mLの蒸留水を着液させ、液滴が完全に吸収されるまでの時間を測定した。ここで、多孔質高分子基材(比較例1及び2)の吸水時間をcとし、吸水性多孔質積層体(実施例1~3及び比較例3及び4)の吸水時間をdとして、下式(B)により算出した値を、吸水性を表す数値とした。コート層を積層していない比較例1及び2は、吸水性評価の測定結果は1とした。結果を表2に示した。
式(B):c/d
c:前記多孔質高分子基材単独の吸水時間
d:吸水性多孔質積層体の前記コート層を積層した表面における吸水時間
各実施例及び比較例の評価試料の拡散性は、評価試料を100mm×100mm×10mmtとして、そのコート層を有する表面(コート層を積層していない場合には基材表面)に、円筒(φ2.2cm、重量220g)を載せ、この円筒内部に10mLの蒸留水を注ぎ入れ、蒸留水が拡がった面積を測定した。面積は、拡がった面積部を画像として取り込み、印刷してペーパーウエイト法により算出した。ここで、吸水性多孔質積層体(実施例1~3、比較例3及び4)の測定結果をeとし、多孔質高分子基材(比較例1及び2)の測定結果をfとして下式(C)により算出した値を、拡散性を表す数値とした。コート層を積層していない比較例1及び2は、拡散性評価の測定結果は1とした。結果を表2に示した。
式(C):e/f
e:吸水性多孔質積層体の前記コート層を積層した表面における拡散面積
f:前記多孔質高分子基材の表面における拡散面積
評価の結果、本発明の吸水性多孔質積層体は、良好な吸水性を示し、ウレタンフォーム及びポリプロピレン不織布の単独の吸水性を改善することが理解できる。本発明によれば、多孔質高分子基材の吸水性を改善することが可能であり、これまで吸収材として使用されてこなかった、低吸水性の多孔質高分子基材を吸水材として使用することが可能となることが理解できる。また、これまで吸水材として使用されてきた多孔質高分子基材についても、さらに吸水性を高めることが可能であり、新たな用途への応用が期待できる。
Claims (7)
- 多孔質高分子基材と、
前記多孔質高分子基材の少なくとも1つの表面に積層された、連通構造を有するコート層と、を含む、吸水性多孔質積層体であって、
前記コート層が、ウレタンポリマーと、界面活性剤と、を含む、親水性ホットメルト樹脂であり、
前記ウレタンポリマーの原料として、少なくともポリオール及びポリイソシアネートを含み、
さらに、硬化した前記親水性ホットメルト樹脂の水に対する接触角が50°以下であることを特徴とする、吸水性多孔質積層体。 - 前記コート層が、複数の、繊維状及び/又はドット状である前記親水性ホットメルト樹脂、の集合体を含む、連通構造を有するコート層であることを特徴とする、請求項1記載の吸水性多孔質積層体。
- 前記コート層の目付量が1~100g/m2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸水性多孔質積層体。
- 前記コート層の開口率が、5~90%であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸水性多孔質積層体。
前記開口率は、前記コート層表面のランダムに選択した5か所の観察範囲について、市販の画像解析ソフトを用いて、開口部の面積を測定し、下式(A)により求められる値である。
式(A):開口率(%)=a/b×100
a:前記コート層表面の観察範囲内の開口部の面積
b:光学観察装置の観察範囲の面積 - 前記親水性ホットメルト樹脂が、
湿気硬化型樹脂であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸水性多孔質積層体。 - 前記界面活性剤が、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸エステルアルコキシレート、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸水性多孔質積層体。
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