JP2003292918A - ラッピング加工用接着剤組成物 - Google Patents

ラッピング加工用接着剤組成物

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JP2003292918A
JP2003292918A JP2002099012A JP2002099012A JP2003292918A JP 2003292918 A JP2003292918 A JP 2003292918A JP 2002099012 A JP2002099012 A JP 2002099012A JP 2002099012 A JP2002099012 A JP 2002099012A JP 2003292918 A JP2003292918 A JP 2003292918A
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lapping
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adhesive
sheet
tackifier
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JP2002099012A
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English (en)
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Shigeru Ishizawa
茂 石沢
Yuichi Sasaki
祐一 佐々木
Junji Seki
順司 関
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Aron Ever Grip Ltd
Original Assignee
Aron Ever Grip Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロファイルなどのラッピング加工に用いら
れ、製品や接着剤の廃棄や廃水処理に問題がなく、作業
環境や作業効率に問題のないラッピング加工に適したラ
ッピング加工用接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 スチレン系ブロック共重合体などからな
る合成ゴム、さらには粘着性付与剤、好ましくは、未水
添系粘着付与樹脂、酸変性ポリオレフィン、より好まし
くは無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含有するホッ
トメルトタイプの接着剤組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プロファイルな
どのラッピング加工に用いられる接着剤組成物に関する
もので、接着剤製造、接着施工及び建装材製造技術に属
するものである。
【0002】
【従来の技術】窓枠、扉枠、鴨居、敷居、巾木、廻り縁
などの建築内装材や家具などに用いられる、表面に曲面
や凹凸を有する断面異形の材料(プロファイル)に対し
て、意匠性を向上させるために、木目などの印刷された
オレフィンシート、PETシートなどの樹脂加工紙、合
成樹脂製化粧シート、つき板等の表装用シートを連続し
て巻き付け(ラッピング)ながら、接着剤を用いて貼り
付けるラッピング加工が広く行われている。
【0003】その際、プロファイルの表面には、前記し
たように曲面や凹凸があるので、プロファイルと表装用
シートを貼り付ける接着剤には、強い初期接着力や耐熱
クリープ性等が要求されている。
【0004】かかる接着剤としては、上記性能を満足さ
せ、生産速度や乾燥速度の早い低沸点の有機溶剤を含む
溶剤タイプ、通常、二液反応硬化タイプのウレタン系接
着剤が用いられているが、二液反応硬化タイプのウレタ
ン系接着剤は、接着剤の塗布工程、乾燥工程で多量の溶
剤が揮発するため、作業者の労働安全衛生上の問題や、
環境汚染の危険性が高く、災害防止のための設備費がか
かる等の問題を有している。
【0005】これらの問題を解消するため、たとえば、
特開平8−90998号公報においては、一液硬化タイ
プのウレタン系接着剤を用いる方法が、また特開平11
−335651号公報では、ポリウレタンエマルジョン
などからなる水系接着剤を用いる方法などが提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の提案による接着
剤は、先に述べた問題点を解消し、接着性や耐熱性も良
好なものにするものがあるが、一液硬化タイプのウレタ
ン系接着剤はイソシアネートによる毒性の問題、作業性
やメンテナンス性が良くない、不要となった製品や接着
剤の廃棄に問題があり、水系接着剤は乾燥性が良くな
く、作業速度が低下し、また廃水処理の問題を有してい
る。
【0007】すなわち、製品や接着剤の廃棄や廃水処理
に問題がなく、作業環境や作業効率に問題のない接着剤
として、ホットメルト型接着剤の適用が考えられるが、
発明者らがホットメルト型接着剤として、広く使用され
ているポリオレフィン系ホットメルト型接着剤や、EV
A(エチレン−酢ビ)系ホットメルト型接着剤について
検討したところ、プロファイルとして、MDFや合板等
の木質系材料を用い、表装用シートとして、紙やつき板
を用いた場合には、ラッピング加工を問題なく行うこと
ができたものの、プロファイルとして、ABS樹脂やポ
リプロピレン等のプラスチック成形品を用いた場合、ま
た表装用シートとして、ポリオレフィンシートやPET
シート等のプラスチック製シートを用いた場合には、ラ
ッピング加工により良好な製品を得ることができなかっ
た。
【0008】そこで、発明者らは、製品や接着剤の廃棄
や廃水処理に問題がなく、作業環境や作業効率に問題の
ない接着剤として、ラッピング加工において汎用性が認
められなかったホットメルト型接着剤について、さらに
検討を行い、特定の成分を含有するホットメルト型接着
剤が、上記した問題点の全てを解消し、ラッピング加工
に適した接着剤であることを見出して、この発明を完成
させた。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の請
求項1に記載の発明は、合成ゴムを含有し、ホットメル
トタイプであることを特徴とするラッピング加工用接着
剤組成物である。
【0010】また、この発明の請求項2に記載の発明
は、合成ゴム及び粘着性付与剤を含有し、ホットメルト
タイプであることを特徴とするラッピング加工用接着剤
組成物である。
【0011】さらに、この発明の請求項3に記載の発明
は、合成ゴム、粘着性付与剤及び酸変性ポリオレフィン
を含有し、ホットメルトタイプであることを特徴とする
ラッピング加工用接着剤組成物である。
【0012】また、この発明の請求項4に記載の発明
は、請求項1乃至3のいずれかに記載のラッピング加工
用接着剤組成物において、前記合成ゴムが、スチレン系
ブロック共重合体であることを特徴とするものである。
【0013】また、この発明の請求項5に記載の発明
は、請求項4に記載のラッピング加工用接着剤組成物に
おいて、前記スチレン系ブロック共重合体が、スチレン
・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加物
であることを特徴とするものである。
【0014】また、この発明の請求項6に記載の発明
は、請求項2乃至5のいずれかに記載のラッピング加工
用接着剤組成物において、前記粘着性付与剤が、未水添
系粘着付与樹脂であることを特徴とするものである。
【0015】また、この発明の請求項7に記載の発明
は、請求項3乃至6のいずれかに記載のラッピング加工
用接着剤組成物において、前記酸変性ポリオレフィン
が、無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンである
ことを特徴とするものである。
【0016】また、この発明の請求項8に記載の発明
は、請求項1乃至7のいずれかに記載のラッピング加工
用接着剤組成物において、前記合成ゴムは、その含有量
が7〜38質量%であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明のラッピング加工用接着
剤組成物は、合成ゴムを含有するホットメルトタイプの
接着剤組成物であることを特徴とするもので、合成ゴム
及びホットメルトタイプの接着剤組成物を構成する各種
成分を、以下に説明する。
【0018】合成ゴムとしては、SBR、NBR、ブタ
ジエンゴム、エチレン・プロピレンゴムなど、種々のも
のが挙げられるが、この発明にとり好ましいものは、ス
チレン系ブロック共重合体で、その中でも、特に好まし
いものはスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重
合体の水素添加物である。
【0019】スチレン系ブロック共重合体としては、例
えば、SBS系熱可塑性エラストマーと呼ばれているス
チレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、SI
S系熱可塑性エラストマーと呼ばれているスチレン・イ
ソプレン・スチレンブロック共重合体が挙げられ、市販
品としてSBS系では、クレイトンポリマージャパンの
「クレイトンD−1101」、「クレイトンD−111
8」等の直鎖状ブロックポリマー、「クレイトンD−1
184」、「クレイトンD−1122X」等の側鎖状ブ
ロックポリマー、SIS系では、「クレイトンD−11
07CU」、「クレイトンD−1112」「クレイトン
D−1117」等が挙げられる。
【0020】また、それらの水素添加物は、SEBS系
熱可塑性エラストマーあるいはSEPS系熱可塑性エラ
ストマーと呼ばれ、市販品としてSEBS系では、クレ
イトンポリマージャパンの「クレイトンG−165
0」、「クレイトンG−1652」、「クレイトンG−
1657」、「クレイトンG−1726」等が、SEP
S系ではクラレ(株)製の「セプトン2002」、「セ
プトン2063」、「セプトン2007」、シェル化学
製の「クレイトンG−1730」等が挙げられる。
【0021】この発明において、合成ゴム、特にスチレ
ン系ブロック共重合体としては、メルトフローレートが
1g/10min(温度200℃、5kg)以上のもの
が好ましく、より好ましくは100g/10min(温
度200℃、5kg)以下のもの、また、スチレン含有
量が13〜37質量%のものが好ましい。メルトフロー
レートが1未満のものは、得られる接着剤の流動性が低
下し、高粘度となり、作業性が低下するおそれがあり、
また、スチレン含有量が37質量%を超えるものは、接
着性、耐寒性に問題を生じるおそれがある。特に、この
発明にとり好ましいものは、上記特性を有するSEBS
系熱可塑性エラストマー又はSEPS系熱可塑性エラス
トマーで、それらを使用することによって、接着剤の熱
安定性や耐候性が著しく向上させることができる。
【0022】この発明の接着剤組成物においては、組成
物中の合成ゴムの含有量は、7〜38質量%の範囲にあ
るものが好ましく、より好ましくは15〜35質量%の
範囲にあるもので、含有量が7質量%未満であると、ラ
ッピング加工時の収まり性が不良になり、接着部に十分
な耐熱性を得ることが困難になることがあり、38質量
%を超えるようになると、接着剤の流動性が低下し、ラ
ッピング加工時における接着剤の塗布が著しく困難にな
るおそれがある。
【0023】この発明の接着剤組成物は、ホットメルト
タイプ接着剤で常用されている粘着性付与剤が併用さ
れ、粘着性付与剤としては、以下のような樹脂が用いら
れる。ロジン系のものとして、天然ロジン、重合ロジン
及びそれらの誘導体、例えばペンタエリスリトールエス
テルロジン、グリセリンエステルロジン並びにそれらの
水素添加樹脂などがあり、市販品として、ガムロジン、
ウッドロジン、エステルガムA、エステルガムH、ペン
セルA、ペンセルC(以上荒川化学工業(株)製)、ペ
ンタリンA、フォーラルA、フォーラルAX、フォーラ
ル85、フォーラル105、ペンタリンC(以上理化フ
ァインテックス(株)製)などがある。
【0024】テルペン系のものとして、ポリテルペン系
樹脂、テルペンフェノール系樹脂並びにそれらの水素添
加樹脂などがあり、市販品として、ピコライトS、ピコ
ライトA(以上理化ファインテックス(株)製)、YS
レジン、YSポリスターT、クリアロン(ヤスハラケミ
カル(株)製)などがある。
【0025】さらに、石油系樹脂として、脂肪族系石油
樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂及び水素付
加石油樹脂などがあり、市販品として、エスコレッツ
(東燃石油化学(株)製)、ハイレッツ(三井化学
(株)製)、クイントン(日このゼオン(株)製)、ウ
ィングタック(グッドイヤー製)、スタタック(大日こ
のインキ(株)製)、トーホーペトロジン(東燃石油化
学(株)製)、タックエース(三井化学(株)製)、ア
ルコンP、M(荒川化学工業(株)製)などがある。ま
た、スチレン系樹脂の市販品として、ピコラスチック、
クリスタレックス、ハーコライト(以上理化ファインテ
ックス(株)製)、FTR(三井石油化学(株)製)な
どがある。
【0026】粘着性付与剤として、この発明にとり好ま
しいものは、ロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹
脂、芳香族系石油樹脂、スチレン系樹脂で水素未添加
(以下、未水添という。)のものである。
【0027】粘着性付与剤は、接着剤組成物の粘度調
節、オープンタイム等の塗工特性の最適化、構成成分の
相溶性向上などを目的として、一種単独で、また複数を
併用して使用されるもので、特に、上記の未水添のもの
は、単独でも、他と併用されても、表装用シートとし
て、オレフィンシートやPETシートなどが用いられた
際に、MDFや合板などの各種木質系材料からなるプロ
ファイルとの接着性を著しく向上させるものである。
【0028】粘着性付与剤は、一種単独、あるいは二種
以上を併用した場合においても、接着剤組成物中、好ま
しくは20〜70質量%、より好ましくは30〜60質
量%になるようにして用いられ、その量が20質量%に
満たないと、表装用シートとプロファイルとの接着性が
劣るおそれがあり、70質量%を超えると、組成物自体
が硬くなり、耐寒性が損なわれるようになる。
【0029】この発明の接着剤組成物には、表装用シー
トとして用いられるオレフィンシートやPETシートな
どと、MDFや合板などの各種木質系材料からなるプロ
ファイルとの接着性及び耐熱性を向上させるために、酸
変性ポリオレフィンを併用することが好ましい。
【0030】酸変性ポリオレフィンとしては、マレイン
酸、イタコン酸などのカルボン酸で変性したポリオレフ
ィンがあり、この発明においては、無水マレイン酸で変
性されたポリオレフィンが好ましい。
【0031】酸変性ポリオレフィンは、微量でも効果が
認められ、組成物中0.1質量%の添加でも、上記接着
性及び耐熱性に効果が認められるが、10質量%以上に
なるような添加は、組成物の軟化点や粘度を著しく高め
ることがあり、避けることが望ましい。
【0032】無水マレイン酸変性のポリオレフィンの市
販品としては、三洋化成工業(株)製のユーメックス、
アライドシグナル社製のA−Cポリエチレンなどを挙げ
ることができる。
【0033】さらに、この発明の接着剤組成物には、粘
度調節、オープンタイム等の塗工特性の最適化、耐熱
性、耐寒性の改良などを目的として、熱可塑性樹脂、液
状ゴム、プロセスオイルなどを添加することができる。
【0034】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレ
ン・ブチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・エチルアクリレート共重合体などが挙げ
られる。
【0035】特に、APAOと呼ばれる非晶性ポリアル
ファオレフィン、EEAと呼ばれるエチレン・エチルア
クリレート共重合体、液状ゴムであるポリブテンなどが
好ましく用いられ、これらは、通常、組成物中50質量
%以下で用いられる。
【0036】また、この発明の接着剤組成物には、ホッ
トメルト型接着剤で通常使用される酸化防止剤、無機充
填材、着色剤などの各種添加剤が、目的に応じて使用す
ることができる。
【0037】この発明の接着剤組成物はラッピング加工
用のもので、ラッピング加工用接着剤としては、ラッピ
ング加工に際して、表装用シートに塗布するときに、塗
布が容易な粘度、すなわち、通常の塗布温度140〜1
80℃における溶融粘度が50,000mPa.s以下
になるものが好ましく、より好ましくは溶融粘度が2
0,000mPa.s以下になるものである。
【0038】塗布時における溶融粘度が50,000m
Pa.sを超えると、塗布に際して十分な塗布量を確保
するのが困難になり、ラッピング接着加工時に、施工速
度に大きな制約を受けることがある。
【0039】この発明における接着剤組成物を用いての
ラッピング加工用接着剤組成物の調製は、加熱タイプ溶
融撹拌槽などの溶融溶解槽に、好ましくは窒素気流下、
通常温度150℃以上250℃以下で、撹拌羽根の回転
により、各成分を同時に又は順に溶融混合する方法、ニ
ーダーの双状回転羽根により、加熱下シェアをかけて溶
融混合する方法、単軸又は2軸の押出機のスクリューに
より溶融混合する方法などにより行われる。
【0040】この発明によるラッピング加工用接着剤
は、例えば、天然木材、ラワン合板、パーチクルボー
ド、硬質ファイバーボード、半硬質ファイバーボード、
集成材等の木材やアルミニウム、鉄、ステンレス等の金
属、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリアミド、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン
等の合成樹脂などからなるのものが用いられる成形体、
積層体、構造体などからなるプロファイルに、木目など
の模様や文字などが印刷された、前記と同様の合成樹脂
からなるシートもしくはフィルム、紙などの合成樹脂製
化粧シート、樹脂加工紙、つき板等の表装用シートでラ
ッピング加工する際に用いられるものであるが、プロフ
ァイルとして、ABSやポリプロピレン等のプラスチッ
ク成形品を用いた場合や、表装用シートとして、ポリオ
レフィンシートやPETシート等のプラスチック製シー
トを用いた場合においても、何ら問題なく適用できるも
のである。
【0041】ラッピング加工に際して、接着剤は、ポリ
オレフィンシートやPETシートなどの表装用シートに
塗布され、塗布方法としては、通常の塗布機、すなわ
ち、コーティングヘッド、スリットコーター、ロールコ
ーターなどを用いる方法が採用される。
【0042】塗布温度としては、上記したように、通
常、温度140〜180℃で、塗布量としては、通常2
0〜150g/m2、好ましくは30〜100g/m
2で、20g/m2未満の塗布量では十分な接着力を期待
することができず、150g/m2を超えた塗布量で
は、表装用シートが接着剤の保有熱で損傷を受けたり、
ラッピング加工時に表面にシワや凹凸が発生するおそれ
がある。なお、ラッピング加工機としては市販のものが
適用される。
【0043】<実施例>以下、具体的な実施例に基づい
て、この発明のラッピング加工用接着剤組成物について
説明するが、これらの実施例によって、この発明が限定
されるものではない。なお、実施例で行った評価試験
は、以下の方法によって行った。1.溶融粘度 「JIS K−6862 ホットメルト接着剤の溶融粘
度測定方法」に準拠して、温度150℃、温度180℃
における溶融粘度を測定した。2.軟化点 「JIS K−6863 ホットメルト接着剤の環球式
軟化点測定方法」に準拠して、環球式軟化点を測定し
た。3.はく離強さ 厚さ0.2mmのポリオレフィンシート及びPETシー
トにそれぞれ接着剤を約50μmの厚さに塗布し、幅7
0mm、長さ200mmにカットしたものと幅70m
m、長さ150mmのMDFを重ね合わせ、熱プレスに
て温度100℃で10秒間圧着したものを試験片とし
た。この試験片を、温度20℃の雰囲気温度中で24時
間以上養生した後、表装用シートのみを25mm幅にカ
ッターで切り込みを入れ、180°方向に引張速度20
0mm/minではく離強さを測定した。4.高速はく離 はく離強さと同様の試験片を、温度0℃の雰囲気中に2
時間以上放置した後、手で素早くはく離して破壊状態を
観察した。5.耐熱クリープ はく離強さと同様の試験片の表装用シートのみを、25
mm幅にカッターで切り込みを入れ、一端に100g及
び200gの錘を吊るし、温度60℃の温度条件下で1
時間放置して接着部分の剥がれ長さを測定した。6.ラッピング加工時のR部の収まり性 接着剤でラッピングラインにて接着加工し、接着直後の
R部の浮き、剥がれを目視で観察した。 接着加工条件 塗布温度160℃(表装用シート側に塗布) ライン速度10〜20m/min7.ラッピング加工品の耐熱性 ラッピング加工時におけるR部の収まり性の評価と同様
にラッピング加工したものを、温度20℃の雰囲気温度
中で24時間養生した後、長さ300mmに切断し、温
度70℃の雰囲気中に24時間放置して表装用シートの
浮き、剥がれを観察した。
【0044】<実施例1〜16>表1及び表2に示され
る成分及び配合割合で混合して得られた接着剤組成物
5.0kgを、内容積5.0リットルの加熱ニーダーに
投入し、温度160〜180℃の温度で約2時間溶融、
混練し、各接着剤を得た。得られた接着剤を、上記方法
で評価した結果を表1及び表2に記載した。これらの実
施例は、この発明を説明するためのもので、その成分、
割合などはこの発明の要旨を逸脱しない範囲において任
意に変更できるものである。
【0045】実施例で用いられた成分の詳細は、以下の
とおりである。 ・SEPS(1);セプトン2063(クラレ(株)
製) スチレン含有量13%、MFR22 (g/10min;200℃×10kg) ・SEPS(2);セプトン2002(クラレ(株)
製) スチレン含有量30%、MFR100 (g/10min;200℃×10kg) ・SEBS;クレイトンG1657(クレイトンポリマ
ージャパン(株)製) スチレン含有量13%、MFR8 (g/10min;200℃×5kg) ・APAO(1);UT2535(宇部興産(株)製) 溶融粘度3,500mPa.s/温度190℃、軟化点
129.0℃ ・APAO(2);UT2304(宇部興産(株)製) 溶融粘度400mPa.s/温度190℃、軟化点13
8.0℃ ・APAO(3);ベストプラスト(デグサ・ヒュルズ
製) 溶融粘度30,000mPa.s/温度190℃、軟化
点160.0℃ ・EEA;A715(三井デュポンポリケミカル(株)
製) EA含有量25、MFR800 ・ポリブテン;2000H(出光石油化学(株)製) 平均分子量3,000 ・EVA(1);EV220(三井デュポンポリケミカ
ル(株)製) MFR150 VA28 ・EVA(2);EV250(三井デュポンポリケミカ
ル(株)製) MFR15 VA28 ・未水添系粘着付与樹脂(1);YSレジンPX115
0(ヤスハラケミカル(株)製) 軟化点115.0℃ ・未水添系粘着付与樹脂(2);YSポリスターT11
5(ヤスハラケミカル(株)製) 軟化点115.0℃ ・未水添系粘着付与樹脂(3);スーパーエステルA1
15(荒川化学工業(株)製) 軟化点115.0℃ ・水添系粘着付与樹脂;アルコンP115(荒川化学工
業(株)製) 軟化点115.0℃ ・酸変性ポリプロピレン;ユーメックス1010(三洋
化成(株)製) 酸化約52、軟化点145.0℃ ・酸化防止剤;イルガノックス1010(チバ・スペシ
ャリティズ(株)製)
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果から明らかなように、SEPS
を15〜35質量%使用している実施例2〜6では、ラ
ッピング加工において必要とされるR部の収まり性、ラ
ッピング加工品の耐熱性が共に良好である。SEPSを
10質量%使用している実施例1では、ラッピング加工
品の耐熱性がやや低下しているも、R部の収まり性につ
ては十分な結果が得られている。また、SEBSを使用
した実施例7では、PETシートに対する接着性に見劣
りがするもののオレフィンシートの接着には十分な接着
性、耐熱性が得られている。
【0048】一方、SEPSを5質量%しか使用してい
ない実施例8では、接着剤の凝集力が不足するようにな
り、ラッピング接着時のR部の収まりが不良となり、耐
熱性も劣るようになり、SEPS5質量%の使用は望ま
しくないことを示している。また、SEPSを40質量
%使用した実施例9及び10では、ラッピング加工品の
耐熱性の向上が期待されるものの、温度150〜180
℃における溶融粘度が50,000mPa.s以上とな
るため、塗布が難しくなるため、そのような料の使用は
望ましくない。
【0049】
【表2】
【0050】表2は、粘着付与剤、酸変性ポリオレフィ
ンの効果を示すもので、未水添系粘着付与樹脂として、
不均化ロジンエステルをも使用した実施例11、テルペ
ン樹脂のみを使用した実施例12のいずれも、ラッピン
グ加工において必要とされるR部の収まり性、ラッピン
グ加工品の耐熱性が共に良好であることが示されてい
る。しかしながら、水添系粘着付与樹脂のみを使用した
実施例14では、オレフィンシートやPETシートに対
する接着性が不足し、耐熱性(クリープ、ラッピング加
工品)にも劣り、それらの材質のものに使用するには好
ましいものではないことを示している。
【0051】さらに、酸変性ポリオレフィンの使用量を
0.1質量%に減少させた実施例13でも、十分な接着
性、耐熱性が保たれているが、酸変性ポリオレフィンを
使用しない実施例16、10質量%使用した実施例15
では、ラッピング加工時のR部の収まり性、ラッピング
加工品の耐熱性は十分であるものの、低温時の高速はく
離でシート面からのはく離が観察され、ラッピング加工
品の切断、加工を実施する際に、表装用シートのはく
離、割れなどに注意しなければならないことが示されて
いる。
【0052】<比較例1〜2>表3に示される成分及び
配合割合で混合して得られた接着剤組成物を実施例と同
様に調製し、各接着剤を得た。得られた接着剤を、上記
方法で評価した結果を表3に記載した。表3に示される
ように良好な結果は得られなかった。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】この発明のラッピング加工用接着剤組成
物は、いわゆるホットメルトタイプであるため、溶剤タ
イプ接着剤のように、接着作業時に大気中への溶剤の揮
散による環境汚染の問題がなく、ラッピング加工用の接
着剤として主流の反応タイプ接着剤のように毒性による
取り扱いの問題もなく、反応タイプ接着剤が有する、ポ
ットライフ、不要品の廃棄等の問題も生じせしめないも
ので、環境、作業者に優しい接着剤である。
【0055】しかも、この発明のラッピング加工用接着
剤組成物による接着剤は、反応タイプでないためリサイ
クルが可能で、廃棄品の分別を可能とするもので、その
面からも、環境に優しい接着剤と言えるものである。
【0056】さらに、この発明のラッピング加工用接着
剤組成物による接着剤は、ホットメルトタイプであるた
め、ラッピング加工速度が速く作業性が良く、反応タイ
プ接着剤に比し、耐熱性は若干劣るとは言え、実用に十
分な耐熱性と接着性を有するものであり、また、複雑な
形状に対する収まり性にも優れるものである。
【0057】特に、この発明のラッピング加工用接着剤
組成物による接着剤によれば、接着に際し、コロナ放電
処理を施さないと接着性に劣るポリオレフィンやPE
T、さらにはMDFなどの木質系材料を材質とするもの
に対しても、十分な接着力を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 順司 神奈川県秦野市曾屋192 アロンエバーグ リップ・リミテッド神奈川工場内 Fターム(参考) 4J040 BA202 CA031 CA041 CA071 CA081 DB002 DL061 DM011 DN032 JB01 MA02 MA08 MA10 NA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成ゴムを含有し、ホットメルトタイプで
    あることを特徴とするラッピング加工用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】合成ゴム及び粘着性付与剤を含有し、ホッ
    トメルトタイプであることを特徴とするラッピング加工
    用接着剤組成物。
  3. 【請求項3】合成ゴム、粘着性付与剤及び酸変性ポリオ
    レフィンを含有し、ホットメルトタイプであることを特
    徴とするラッピング加工用接着剤組成物。
  4. 【請求項4】前記合成ゴムは、 スチレン系ブロック共重合体であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のラッピング加工用接着
    剤組成物。
  5. 【請求項5】前記スチレン系ブロック共重合体は、 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水
    素添加物であることを特徴とする請求項4に記載のラッ
    ピング加工用接着剤組成物。
  6. 【請求項6】前記粘着性付与剤は、 未水添系粘着付与樹脂であることを特徴とする請求項2
    乃至5のいずれかに記載のラッピング加工用接着剤組成
    物。
  7. 【請求項7】前記酸変性ポリオレフィンは、 無水マレイン酸で変性されたポリオレフィンであること
    を特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のラッピ
    ング加工用接着剤組成物。
  8. 【請求項8】前記合成ゴムは、その含有量が7〜38質
    量%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載のラッピング加工用接着剤組成物。
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