JP2009102538A - ポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物 - Google Patents

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雅巳 長谷川
Shigeru Ishizawa
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Abstract

【課題】 ホットメルト接着剤が有する問題点を解消し、ポリフェニレンエーテル系樹脂との接着性に優れるとともに熱時凝集力も高い接着剤、特にホットメルト接着剤組成物を提供する。
【解決手段】 リモネン又はリモネン骨格構造を有する化合物を有効成分とすることを特徴とし、特には、オレフィン系重合体、熱可塑性スチレンブロック共重合体およびリモネン骨格構造を有するテルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂の三成分を含有する樹脂組成物からなり、ホットメルト接着剤として有効であり、ポリフェニレンエーテル系樹脂に対して優れた接着性能を発揮する接着剤組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

この発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂製の製品、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂で調製されたシート、プレート、フィルムなどの接着に適した接着剤、すなわちポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物に関するもので、これらの樹脂製品を多用する自動車の製造を含め、ポリフェニレンエーテル系樹脂を使用する製品の製造技術および接着剤製造技術に属するものである。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、軽量で環境適合性も良く、かつ耐熱性があることから、種々の分野で使用されている。
特に、自動車業界においては、自動車用内装材の材料として、幅広く検討されている。
かかる自動車用内装材としては、例えば、特開2000−158575号公報(特許文献1)では、自動車天井材に用いられる発泡積層シートを示されている。
この発泡積層シートは、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする発泡層の両面に、熱可塑性樹脂を基材とする非発泡層を積層形成した発泡積層シートに、接着剤層を介して表皮材を接合したものである。
なお、前記熱可塑性樹脂としては、特許文献1では、ポリスチレン(PS)系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリエチレン(PE)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられているが、これらのうち、変性PPE系樹脂が加工性・耐熱性に優れているため好ましいとしている。
また、前記特許文献1は、発泡積層シートに、織布、不織布、発泡シート、樹脂フィルムなどの表皮材を接合するための接着剤として、熱可塑性接着剤、ホットメルト接着剤、ゴム系接着剤、熱硬化性接着剤、モノマー反応型接着剤、無機系接着剤、天然物接着剤等を例示している。
なかでも、ホットメルト接着剤が、接着が容易な点で好適であるとし、ホットメルト接着剤として、ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系などの樹脂を成分とするものを例示している。
同様に、特開2004−82715号公報(特許文献2)には、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む発泡シートの両面に、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む表面層が熱融着によって積層一体化され、一面に表皮材が、他面に異音防止層が積層一体化されている自動車内装材用積層シートが示されている。
この特許文献2においても、このポリフェニレンエーテル系樹脂を含む表面層に、表皮材や異音防止層を積層一体化するためには、接着剤が用いられることを示している。
また、その接着剤として、熱可塑性接着剤、ホットメルト接着剤、ゴム系接着剤、熱硬化性接着剤、モノマー反応型接着剤、無機系接着剤、天然素材系接着剤等を例示し、ホットメルト接着剤が、接着が容易な点で好ましいとしている。
このように自動車内装材の製造において、ホットメルト接着剤が好ましいとされていることから、自動車内装材用のホットメルト接着剤の改良に関する提案も、種々なされてきている。
例えば、特開平11−181386号公報(特許文献3)では、自動車用内装材の製造方法において、ポリオレフィンのごとき低極性被着体同士、あるいは、これと木質材や布帛等の高極性被着体との接着に用いる耐熱性に優れたホットメルト接着剤として、下記(A)〜(D)の4成分からなるホットメルト接着剤が提案されている。
(A)結晶性ポリブチレン
(B)水添系粘着付与剤樹脂
(C)テルペン変性フェノール樹脂、芳香族系石油樹脂、スチレン系樹脂およびロジン系樹脂よりなる群から選ばれた未水添粘着付与剤樹脂
(D)ポリプロピレン系ワックス
また、特許文献3では、上記のように、水添系と未水添の粘着付与剤を併用することを一つの特徴とし、水添系と未水添の粘着付与剤について、上記を含め、以下のように詳説している。
水添系粘着付与剤は、ポリプロピレン等の低極性物との接着性を向上させるために使用されるもので、具体例として、C5 系、C9 系およびC5 〜C9 共重合系石油樹脂の水添物、テルペン、変性テルペンの水添物を例示している。
また、未水添粘着付与剤は、木質材や布帛等の高極性物との接着性を向上するために併用されるもので、具体例として、テルペン変性フェノール樹脂、芳香族系石油樹脂、スチレン系樹脂、ロジン系樹脂などを例示している。
さらに、接着性を調節するために、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、それらの水素添加した樹脂などの各種粘着付与剤の使用を推奨している。
さらにまた、特開2003−327938号公報(特許文献4)においては、自動車内装材用ホットメルト接着剤が提案されている。
この自動車内装材用ホットメルト接着剤は、スパイラルスプレー、霧化スプレー又はロールコーター塗布等により、均一に広い面積に塗布後、粘接着可能で、接着された部材が自動車に内装されたのち、フォギング現象の極めて少なく、高密度フェルトと低密度フェルトとの接着やフェルトと表皮、フェルトと不織布、フェルトとゴムシ−ト、フェルトと発泡プラスチックなどの粘接着に有効なものであるとされている。
この特許文献4において、自動車内装材用ホットメルト接着剤として、以下のような成分で構成されている2種類の接着剤を例示している。
その一つは、以下の成分からなるものである。
(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物及び/又はスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物 100重量部
(B)粘着付与樹脂 50〜800重量部
(C)100℃での溶融粘度が55,000mPa・s以下の液状炭化水素 50〜30重量部
他の一つは、以下の成分からなるものである。
(D)ポリオレフィン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂とスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物及び/又はスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物 100重量部
(B)粘着付与樹脂 50〜800重量部
(C)100℃での溶融粘度が55,000mPa・s以下の液状炭化水素 0〜100重量部
この発明において、粘着付与樹脂としては、ロジン系、テルペン系及び石油樹脂系などのものが挙げられる。
ロジン系のものとしては、天然ロジン、重合ロジン及びそれらの誘導体、例えば、ペンタエリスリト−ルエステルロジン、グリセリンエステルロジン並びにそれらの水素付加樹脂、
テルペン系のものとしては、ポリテルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂並びにそれらの水素添加樹脂、
石油樹脂系のものとしては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂及び水素添加石油樹脂
などが挙げられている。
特開2000−158575号公報(請求項1,段落番号0014,同0040,同0041) 特開2004−82715号公報(請求項4,段落番号0045) 特開平11−181386号公報(請求項1,段落番号0009,同0021〜0024) 特開2003−327938号公報(請求項1,段落番号0003,同0009,同0014)
以上述べたように、自動車内装材、特に天井材として、ポリフェニレンエーテル系樹脂を基材とするものが、幅広く採用されてきており、その製法についても、種々の提案がなされている。
また、その際の接着剤に関しても、上記したようにホットメルト接着剤が、好ましいものとして例示されている。
例えば、基材としてのポリフェニレンエーテル系樹脂と、PET製フェルトを、エチレン−エチルアクリレート共重合体からなる接着性ホットメルトフィルムを挟み込んで、あるいは、加熱熔融した液状の各種のホットメルト接着剤をスプレー塗布して、両者を接着するということが行われている。
しかしながら、ホットメルトフィルムは、製品とした天井材の吸音性に悪影響を与える上、コストアップになるという問題を有している。
また、ホットメルト接着剤は、ポリフェニレンエーテル系樹脂との接着性が不足し、界面から剥離したり、熱時凝集力が低く、接着した製品、すなわち積層体が成形加工時などにズレが生じるなどという問題を生じさせていた。
発明者等は、現状のホットメルト接着剤の、上記のような問題点を解消し、ポリフェニレンエーテル系樹脂との接着性に優れ、また、熱時凝集力も高いものを提供すべく検討を行った。
その結果、本発明者らは、上記問題点が、接着剤中にリモネン又はリモネン骨格構造を有する化合物を加えることによって解決し得ることを見出して、この発明を完成させたものである。
すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、
リモネン又はリモネン骨格構造を有する化合物を含有すること
を特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物である。
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物において、
前記リモネン骨格構造を有する化合物は、
テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂であること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物において、
前記テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂は、
原料の一部又は主たる原料が、リモネンであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物において、
前記接着剤は、
ホットメルト接着剤であること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物において、
前記ホットメルト接着剤は、
オレフィン系重合体、熱可塑性スチレンブロック共重合体およびテルペン系樹脂、又は変性テルペン系樹脂の三成分を含有するものであること
を特徴とするものである。
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物において、
前記三成分の含有率が、下記のとおりであること
を特徴とするものである。

オレフィン系重合体…………………………………10〜90質量%
熱可塑性スチレンブロック共重合体……………… 1〜30質量%
テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂…………10〜60質量%
さらに、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項5又は6に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物において、
前記テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂は、
環球法軟化点が100℃以上のものであること
を特徴とするものである。
この発明のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物は、リモネン又はリモネン骨格構造を有する化合物を含有することにより、ポリフェニレンエーテル系樹脂との接着性に優れている。
また、熱時凝集力も高いものであって、接着面において界面から剥離したり、熱時凝集力が低いために、成形加工時などにズレが生じるなどという問題を全く発生させないものである。
この発明の接着剤組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂の接着のために開発されたものである。
この発明において、ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)などのフェニレンエーテルの重合体、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンとの混合体、あるいはポリフェニレンエーテルとスチレンとのグラフト、ブロックなどの共重合体である。
市販品としては、日本GEプラスチック株式会社製の「ノリル(登録商標)」や、旭化成株式会社製の「ザイロン(登録商標)」などが挙げられる。
それらの樹脂の接着に、この発明の組成物は非常に有効なものである。
この発明の接着剤組成物は、リモネン又はリモネン骨格構造を有する化合物を含有することを特徴とするものである。
リモネンは、沸点175〜176℃の液体で、長期の使用において揮発して、特性が変化するおそれや、接着剤の凝集力を低下させるおそれがある。
したがって、この発明においては、常温固体のリモネン骨格構造を有する化合物が好ましい。
この発明においてリモネン骨格構造を有する化合物とは、リモネン、すなわち、1−メチル−4−(1−メチルエテニル)シクロヘキセンに起因する骨格構造を有する化合物であり、例えば、シクロヘキセン環にメチル基又はメチレン基、そのパラ位置にプロピル基又はプロピレン基が付加している構造を有する化合物が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂が挙げられる。
なかでも、リモネン、α−ピネン、β−ピネンを、原料の一部又は主たる原料として合成されるテルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂が好ましい。
特に、リモネンを原料の一部又は主たる原料として合成されたテルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂が好ましい。
また、この発明の接着剤組成物は、ホットメルトタイプの接着剤に適したものである。
特に、オレフィン系重合体と熱可塑性スチレンブロック共重合体、およびテルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂の三成分を含有するものが、ポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤として優れている。
熱可塑性スチレンブロック共重合体は、合成ゴムとして市販されている、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびそれらの水素添加物などである。
これらは、SIS系熱可塑性エラストマ、SBS系熱可塑性エラストマ、SEBS系熱可塑性エラストマ、あるいはSEPS系熱可塑性エラストマと呼ばれ、市販されている。
この発明において、熱可塑性スチレン系ブロック共重合体として、それら市販品が用いられる。
市販品としては、
SBS系では、“クレイトンポリマージャパン”の「クレイトンD−1101」「クレイトンD−1118」などの直鎖状ブロックポリマー、「クレイトンD−1184」「クレイトンD−1122X」などの側鎖状ブロックポリマーが挙げられる。
さらに、SIS系としては、「クレイトンD−1107CU」「クレイトンD−1112」「クレイトンD−1117」などが挙げられる。
SEBS系では、“クレイトンポリマージャパン”の「クレイトンG1650」「クレイトンG1652」「クレイトンG1657」「クレイトンG1726」、“旭化成株式会社”の「タフテックH1062」「タフテックH1031」などが、
SEPS系では、“クラレ株式会社”の「セプトンKL2002」「セプトンKL2063」「セプトンKL2007」、“シェル化学”製の「クレイトンG1730」などが挙げられる。
これらの中では、水添されたもの、すなわち、SEBS系やSEPS系の熱可塑性スチレン系ブロック共重合体が、溶融時の安定性に優れていることから、この発明にとり好ましい。
オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−オクテン−1共重合体、プロピレン−2−メチルペンテン−1共重合体など、結晶性、あるいは、非晶性のオレフィン系重合体が挙げられる。
また、APAOと呼ばれる非晶性ポリアルファオレフィン、APPと呼ばれるアタクチックポリプロピレンなどが用いられる。
APAOの市販品としては、「レックスタック;ハンツマン製」「ベストプラスト;デグサ製」「イーストフレックス;イーストマン製」などが挙げられる。
さらに、結晶性を有するワックスとして用いられている、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等が挙げられる。
これらワックスの市販品としては、ポリエチレンワックスとして、「ハイワックスシリーズ;三井化学製」、ポリプロピレンワックスとして、「ビスコールシリーズ;三洋化成製」などが挙げられる。
テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂としては、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、あるいはそれらの水添物が挙げられる。
それらのいずれも市販品があり、この発明においては、それらの市販品が問題なく用いられる。
市販品としては、「ピコライトS」「ピコライトA」(いずれも理化ファインテック(株)製)、「YSレジン」「YSポリスターT」「クリアロン」(いずれもヤスハラケミカル(株)製)などが挙げられる。
これらの樹脂の中では、環球法軟化点が100℃以上であるものが好ましい。
また、リモネンから合成されたもの、すなわち、ジペンテン構造を有するものが好ましい。それにより、接着剤組成物の耐熱性や接着強度が向上する。
オレフィン系重合体と熱可塑性スチレンブロック共重合体、およびテルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂の三成分を含有するホットメルト接着剤組成物としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂との接着強度、耐熱性、凝集力などを考慮すると、その配合割合は、以下のとおりであるのが好ましい。
オレフィン系重合体…………………………………10〜90質量%
熱可塑性スチレンブロック共重合体……………… 1〜30質量%
テルペン系樹脂または変性テルペン系樹脂………10〜60質量%
この発明に係る接着剤組成物において、オレフィン系重合体の含有量が、10〜90重量%の範囲にある組成物が好ましく、より好ましくは25〜60重量%の範囲にある組成物である。
含有量が10重量%未満であると、接着剤の熱間凝集力が不足して耐熱性が低下するおそれがある。
また、90重量%を超えるようになると、接着剤の極性が低くなり、基材に対する接着性が低下するおそれがある。
この発明に係る接着剤組成物において、熱可塑性スチレン系ブロック共重合体の含有量が、1〜30質量%の範囲にある組成物が好ましく、より好ましくは5〜25質量%の範囲にある組成物である。
含有量が1質量%未満であると、基材側への接着が不十分になったり、接着部に十分な耐熱性を得ることが困難になることがある。
また、30質量%を超えるようになると、接着剤の流動性が低下し、接着剤の基材への溶融塗布が著しく困難になるおそれがある。
この発明に係る接着剤組成物において、テルペン系樹脂または変性テルペン系樹脂の含有量が、10〜60重量%の範囲にある組成物が好ましく、より好ましくは30〜50重量%の範囲にある組成物である。
含有量が10重量%未満であると、基材に対する接着性が低下し、60重量%を超えるようになると、常温以下の温度下において、接着部が脆性破壊する恐れが生じる。
この発明に係るホットメルト接着剤組成物には、ホットメルト接着剤に使用可能な公知の粘着性付与樹脂を併用することができ、粘着性付与樹脂としては、以下のような樹脂が用いられる。
ロジン系のものとして、天然ロジン、重合ロジン及びそれらの誘導体、例えばペンタエリスリトールエステルロジン、グリセリンエステルロジン並びにそれらの水素添加樹脂などがある。
市販品としては、「ガムロジン」「ウッドロジン」「エステルガムA」「エステルガムH」「ペンセルA」「ペンセルC」(いずれも荒川化学工業(株)製)、
「ペンタリンA」「フォーラルA」「フォーラルAX」「フォーラル85」「フォーラル105」「ペンタリンC」(いずれも理化ファインテックス(株)製)などがある。
また、石油系樹脂として、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂及び水素付加石油樹脂などが併用される。
市販品としては、「エスコレッツ;トーネックス(株)製」「ハイレッツ;三井化学(株)製」「クイントン;日本ゼオン(株)製」「ウィングタック;グッドイヤー製」「スタタック;大日本インキ(株)製」「トーホーペトロジン;トーネックス(株)製」「タックエース;三井化学(株)製」「アルコンP、M;荒川化学工業(株)製」などがある。
さらに、スチレン系樹脂が併用され、その市販品としては、「ピコラスチック」「クリスタレックス」「ハーコライト」(いずれも理化ファインテック(株)製)、「FTR;三井石油化学(株)製」などがある。
さらに、この発明に係るホットメルト接着剤組成物には、粘度調節、オープンタイム等の塗工特性の最適化、耐熱性、耐寒性の改良などを目的として、各種熱可塑性樹脂、液状ゴム、プロ8セスオイル、ワックスなどを添加することができる。
ワックスとしては、前記したポリオレフィン系以外のパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等が用いられる。
パラフィンワックスとしては、「HNPシリーズ;日本精蝋製」、マイクロクリスタリンワックスとしては、同じく「Hi−Micシリーズ;日本精蝋製」などが挙げられる。
これらのワックスを添加することによって、ホットメルト接着剤組成物の粘度の低減化や耐熱性の向上、得られる積層シートのブロッキング性(巻物の透湿シートにおいて表裏がくっつきあうこと)防止に効果がある。
反面、結晶性成分が多くなることによって、ホットメルト接着剤組成物が硬く、脆くなったり、接着性が低下することが懸念されるので、配合量には注意が必要となる。
また、軟化剤として、例えば、プロセスオイル、鉱油、各種可塑剤、ポリブテン等が制限なく使用できる。
これら軟化剤は、ホットメルト接着剤の粘度の低減化、タックを向上させる等の効果がある一方で、被着材からの染み出しや、ブロッキングが発生し易くなったり、高温、多湿等の条件下では、被着材の表面にブリードすることもあるので、その配合量には注意する必要がある。
また、酸化防止剤として、例えば、「イルガノックス1010;チバファインテック製」「イルガノックス1076;チバファインテック製」、「スミライザーGM;住友化学製」などが好ましく使用される。
上記酸化防止剤の配合量は、ホットメルト接着剤組成物の0.1〜3質量部であることが好ましい。
さらに、この発明に係るホットメルト接着剤組成物には、ホットメルト型接着剤で通常使用される無機充填材、着色剤、紫外線吸収剤、防黴剤、抗菌剤などの各種添加剤を目的に応じて使用することができる。
所望の配合組成の、ホットメルト接着剤組成物の調製は、加熱タイプ溶融撹拌槽などの溶融溶解槽に、好ましくは窒素気流下、通常温度150℃以上250℃以下で、撹拌羽根の回転により、各成分を同時に又は順に溶融混合する方法、ニーダーの双状回転羽根により、加熱下シェアをかけて溶融混合する方法、単軸又は2軸の押出機のスクリューにより溶融混合する方法などにより行われる。
以下、この発明を実施例によって説明するが、この実施例は、この発明を説明するためのもので、その成分、割合などはこの発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更できるものである。
<ホットメルト接着剤の調製>
表−1(実施例1〜6)、表−2(実施例7〜11)および表−3<比較例1〜6>に示される比率で配合した混合物1,000kgを、内容積2リットルの加熱ニーダーに仕込み、これを温度160℃〜180℃で2時間撹拌混合し、目的とするホットメルト接着剤組成物を得た。
これらの特性測定結果を、それぞれ表−1、表−2および表−3に示した。
実施例および比較例で用いた材料の内容、およびホットメルト接着剤組成物の特性試験方法を下記に示す。
<原材料の内容>
・熱可塑性スチレンブロック樹脂:水添スチレン/ブタジエン共重合体
・オレフィン樹脂(1):非晶性ポリプロピレン系樹脂
・オレフィン樹脂(2):結晶性ポリプロピレンワックス
・石油系粘着付与樹脂(1):脂肪族(C5)石油樹脂、軟化点110℃
・石油系粘着付与樹脂(2):脂肪族(C5/C9)石油樹脂、軟化点100℃
・石油系粘着付与樹脂(3):芳香族(C9)石油樹脂、軟化点120℃
・ロジン系粘着付与樹脂(1):不均化ロジンエステル、軟化点100℃
・ロジン系粘着付与樹脂(2):水添ロジンエステル、軟化点100℃
・スチレン系粘着付与樹脂:スチレン/αメチルスチレン共重合体、軟化点100℃
・テルペン系粘着付与樹脂(1):ジペンテン樹脂、軟化点100℃
・テルペン系粘着付与樹脂(2):βピネン樹脂、軟化点115℃
・テルペン系粘着付与樹脂(3):αピネン/フェノール共重合体、軟化点130℃
・テルペン系粘着付与樹脂(4):ジペンテン/フェノール共重合体、軟化点125℃
・テルペン系粘着付与樹脂(5):芳香族変性ジペンテン、軟化点105℃
・テルペン系粘着付与樹脂(6):ポリジペンテン水添物、軟化点105℃
・テルペン系粘着付与樹脂(7):ポリジペンテン水添物、軟化点85℃
・テルペン系粘着付与樹脂(8):ポリジペンテン水添物、軟化点125℃
<ホットメルト接着剤の評価>
1.試料の調製
ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下表中、PPEという。)製シートに、塗布温度180℃、塗布量40g/mで、接着剤組成物をスプレー塗布し、PET樹脂製フェルトを貼り合わせ、温度140℃熱プレスで20秒間再加熱して接着した。
得た接着物を、25mm幅×100mm、接着長さ75mmに切断して、物性測定試料(n=3)とした。
塗布機:スパイラルスプレー(ノードソン(株)製、スパイラル径10mm)
2.耐熱クリープ
試料を温度20℃の雰囲気下で24時間放置した後、温度60℃の熱風オーブン内に30分放置後、100gの錘を掛けて放置した。
8時間後に剥離した長さ、又は錘が落下した時間を測定した。
3.耐熱接着力
試料を温度20℃の雰囲気下で24時間放置した後、温度80℃熱風オーブン内に30分放置後、温度80℃雰囲気下で接着剥離強さ(100mm/min、180°)を測定した。
Figure 2009102538
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この発明の接着剤組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂製の製品、例えばシート、プレート、フィルムなどの接着に適した接着剤であって、ポリフェニレンエーテル系樹脂製品を使用する業界、特に当該樹脂を多用する自動車業界において広く利用される可能性の高いものである。

Claims (7)

  1. リモネン又はリモネン骨格構造を有する化合物を含有すること
    を特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物。
  2. 前記リモネン骨格構造を有する化合物は、
    テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂であること
    を特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物。
  3. 前記テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂は、
    原料の一部又は主たる原料が、リモネンであること
    を特徴とする請求項2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物。
  4. 前記接着剤は、
    ホットメルト接着剤であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物。
  5. 前記ホットメルト接着剤は、
    オレフィン系重合体、熱可塑性スチレンブロック共重合体およびテルペン系樹脂、又は変性テルペン系樹脂の三成分を含有するものであること
    を特徴とする請求項4に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物。
  6. 前記三成分の含有率が、下記のとおりであること
    を特徴とする請求項5に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物。

    オレフィン系重合体…………………………………10〜90質量%
    熱可塑性スチレンブロック共重合体……………… 1〜30質量%
    テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂…………10〜60質量%
  7. 前記テルペン系樹脂又は変性テルペン系樹脂は、
    環球法軟化点が100℃以上のものであること
    を特徴とする請求項5又は6に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂用接着剤組成物。
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