JP2007224100A - ホットメルト組成物ならびにマット及びカーペット - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、軟化点が高く耐熱性に優れており、更にオープンタイムが長く様々な塗工方法に対応でき、特には繊維化スプレーにおいても十分な接着性を有するホットメルト組成物、さらにはその組成物を用いたマット及びカーペットの提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、(A)非晶性のオレフィン重合体を30〜70重量部、(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンを5〜30重量部、(C)粘着付与樹脂を10〜40重量部含有することを特徴とするホットメルト組成物、さらにはその組成物を用いたマット及びカーペットである。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、(A)非晶性のオレフィン重合体を30〜70重量部、(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンを5〜30重量部、(C)粘着付与樹脂を10〜40重量部含有することを特徴とするホットメルト組成物、さらにはその組成物を用いたマット及びカーペットである。
【選択図】なし
Description
本発明は、軟化点が高く耐熱性に優れており、更にオープンタイムが長く繊維化スプレーにおいても十分な接着性を有するホットメルト組成物、さらにはその組成物を用いたマット及びカーペットに関する。
近年、工業製品の製造方法の多様化に伴い、接着剤の塗工方法に於いても様々な方法が提案されている。中でも、ホットメルト接着剤は無溶剤であることから環境に優しい接着剤として広く用いられている。ホットメルト接着剤には、ロングオープンタイムと高温耐熱性という相反する性能を同時に満足することが要求されている。さらには、製造方法の多様化によって、様々な塗工方法に対応できるホットメルト接着剤の開発が望まれている。例えば、ホットメルト接着剤を基材に塗工した後、被着体の貼合せまでに時間を要する場合がある。そのような工程に対しては、ホットメルト接着剤を基材に塗工した後、長いオープンタイムでも十分な接着強度が発現でき、しかも高い耐熱性を示すようなホットメルト接着剤が求められている。また、例えば通気性を要する場合では、繊維化スプレーによる塗工方法にも対応できることが要求される。
一方、裁断などの後工程や商品の外観などの点から、冷却固化後には粘着性のないものが要求されている。
特開2000−226561号公報には、非晶性のオレフィン重合体と結晶性ポリプロピレンワックス及び/または結晶性のポリエチレン重合体並びに粘着付与樹脂から成るホットメルト接着剤が開示されている。しかしながら、同公報によって得られるホットメルト接着剤は、オープンタイムが短いことが特徴であり、長いオープンタイムが得られなかった。(特許文献1)
特開平4−236288号公報には、非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリプロピレンをから成るホットメルト接着剤が公開されている。しかしながら、同公報によって得られるホットメルト接着剤は、結晶性ポリプロピレンを用いているため長いオープンタイムを有していても繊維化スプレーでは十分な加工性が得られないという問題点があった。(特許文献2)
特開平2−86676号公報には、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体単独あるいは粘着付与剤および樹脂類から成るホットメルト接着剤組成物が公開されている。しかしながら、同公報によって得られるホットメルト接着剤は、長いオープンタイムが得られるが十分な耐熱性が得られないという問題点があった。(特許文献3)
特開2003−225153号公報には、通気性カーペットとその製造方法が公開されている。ホットメルト接着剤を筋状に塗工するため均一なカーペット表面を得ることができないという問題点があった。(特許文献4)
特開2000−226561号公報
特開平4−236288号公報
特開平2−86676号公報
特開2003−225153号公報
本発明は、軟化点が高く耐熱性に優れており、更にオープンタイムが長く様々な塗工方法に対応でき、特には繊維化スプレーにおいても十分な接着性を有するホットメルト組成物、さらにはその組成物を用いたマット及びカーペットを提供することを目的とする。
本発明は、(A)非晶性のオレフィン重合体を30〜70重量部、(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンを5〜30重量部、(C)粘着付与樹脂を10〜40重量部の3成分を含有することを特徴とするホットメルト組成物である。
さらに本発明において、上記本発明のホットメルト組成物は繊維化スプレーが可能であり、及び繊維化スプレーにて塗工され貼合されたマット及びカーペットである。マット及びカーペットの素材としては、ポリオレフィンが望ましい。
本発明のホットメルト組成物は、軟化点が高く耐熱性に優れており、更にオープンタイムが長く様々な塗工方法に対応でき、特には繊維化スプレーにおいても十分な接着性を有すると共に通気性も有するため、マットやカーペットに好適に使用できる。
本発明は、(A)非晶性オレフィン重合体、(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレン、及び(C)粘着付与樹脂の(A)(B)(C)3成分から構成されるホットメルト組成物、またその組成物を用いたマット及びカーペットである。次にそれらの各構成について具体的に説明する。本発明のホットメルト組成物において(A)非晶性のオレフィン重合体を30〜70重量部、好ましくは40〜60重量部、(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンを5〜30重量部、好ましくは10〜25重量部、(C)粘着付与樹脂を10〜40重量部、好ましくは20〜30重量部含有することを特徴とするホットメルト組成物である。
本発明のホットメルト組成物における(A)非晶性のオレフィン重合体は、190℃での粘度が400〜8,000mPa・s、好ましくは1,500〜5,000mPa・sである。粘度が上記範囲にある場合、ホットメルト組成物の塗工性が良好となる。
また、本発明のホットメルト組成物における(A)非晶性のオレフィン重合体がプロピレンとブテン−1の共重合体であることが好ましい。プロピレンとブテン−1の共重合体である場合、ホットメルト組成物のオープンタイムをより長く設計することができる。
さらに、本発明において、(A)非晶性のオレフィン重合体はプロピレンのホモポリマー及びプロピレンとポリエチレン、ブテン−1などの共重合物の単独あるいは数種類のブレンドで使用することもできる。
本発明のホットメルト組成物における(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンは、230℃,2.16kg荷重でのMFRが200〜1,000であり、好ましくは400〜600である。MFRが上記範囲にある場合、ホットメルト組成物の軟化点が高く耐熱性が良好かつ塗工性が良好となる。
また、本発明のホットメルト組成物における(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンがプロピレンとポリエチレンのランダムコポリマーであることが好ましい。プロピレンとポリエチレンのランダムコポリマーである場合、ホットメルト組成物の塗工性がより良好となる。
本発明のホットメルト組成物における(C)粘着付与樹脂は、例えばロジン系、テルペン系、脂肪族系、芳香族系、脂環族系等あるいはその混合物である。粘着付与剤の軟化点は好ましくは90〜150℃のものがよい。軟化点が上記範囲にある場合、耐熱性と耐ブロッキング性及び塗工性が良好となる。更に使用される被着体に対する接着性を考慮して配合するのが好ましい。
本発明のホットメルト組成物において樹脂温度が180℃で2mmφビードでのオープンタイムが80秒〜150秒であること、かつ軟化点が120℃〜160℃であることが好ましい。オープンタイムが上記範囲にある場合、ホットメルト組成物塗工後の幅広い貼合方法に対応できる。また、軟化点が上記範囲にある場合、ホットメルト組成物の耐熱性と塗工性を両立できる。
本発明において、(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンと(C)粘着付与樹脂を事前に混練混合することによって非晶性ポリプロピレンの融解性を向上させたものを使用しても良い。
本発明において、ホットメルト組成物に必要に応じて例えばステアリン酸アミドのような滑剤、例えばステアリン酸カルシウムのようなブロッキング防止剤、例えば炭酸カルシウムのような充填剤、例えばヒンダードフェノールのような酸化防止剤等を適宜加えても良い。
本発明のホットメルト組成物の調製は、加熱タイプ溶融撹拌槽などの溶融溶解槽に、好ましくは真空下、窒素気流下、通常温度150℃以上250℃以下で、撹拌羽根の回転により、各成分を順に溶融混合する方法、ニーダーの双状回転羽根により、加熱下シェアをかけて溶融混合する方法、単軸又は2軸の押出機のスクリューにより溶融混合する方法などにより行われる。
本発明のホットメルト組成物を用いて繊維化スプレーにより塗工し貼合することができる。繊維化スプレーは通常樹脂温度180〜200℃の条件でホットメルト組成物を繊維状に塗工し、通気性のある接着剤層を得ることができる。接着剤層は通常3〜300μm、好ましくは5〜100μmの範囲である。
さらに繊維化スプレー塗工し貼合することによって通気性を有したマット及びカーペットを製造することができる。基材の表皮や不織布は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィンの素材から成る基材を使用した場合、基材とホットメルト組成物を分離することなくリサイクルが可能となる。
マット及びカーペットの素材としては、ポリプロピレンのようなポリオレフィンが望ましい。
マット及びカーペットの素材としては、ポリプロピレンのようなポリオレフィンが望ましい。
本発明のホットメルト組成物を使用したマット及びカーペットの製造方法は、表層部と繊維集合体からなるバッキング部との間に溶融させた当該ホットメルト組成物を繊維状にスプレーし、プレスロール等にて圧着することによる。
本発明のホットメルト組成物を使用したマット及びカーペットに使用する表層部としてはニードルパンチマット、カーペット材やタフトマット、カーペット材を用いることが望ましい。また、通常の織編布や表面が起毛された織編布、立体織編布を使用してもよい。
マット、カーペット表層部を構成する素材としては、ウール、麻、綿等の天然繊維や、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアクリル系等の合成樹脂繊維がある。一般的に素材として使用されているもので構わない。また、素材については同一素材あるいは同一種類の繊維の組み合わせであっても、異素材または異種類の繊維の組み合わせであっても構わない。
基布にパイル糸を植設したタフトマット、カーペット材において、パイル糸の抜けを防止するためコーティング剤を用いてもよい。コーティング剤としては、天然ゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエン共重合ラテックス等を使用することができる。
繊維集合体からなるバッキング部は、繊維から構成されるものであれば特に限定されるものではない。織物、編物、固綿を用いることができる。クッション性、吸音性、遮音性、通気性等、要求性能に応じて厚みや構成を適宜選択すればよい。
次に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1)
(A)非晶性ポリオレフィンa(ハンツマン社製 レックスタックRT−2715、粘度(190℃)1,500mPa・s、軟化点110℃、プロピレン−ブテン−1共重合体)、(A)非晶性ポリオレフィンb(ハンツマン社製 レックスタックRT−2315、粘度(190℃)1,500mPa・s、軟化点138℃、プロピレン−エチレン共重合体)、(B)非晶性ポリプロピレンc(三井住友ポリオレフィン社製 E−239、MFR(230℃)550g/10min、融点137℃、プロピレン−エチレンランダム共重合体)、(C)粘着付与樹脂d(ヤスハラケミカル社製 クリアロンP−125(軟化点125℃、水添テルペン樹脂)をラボニーダーを用いて180℃でおよそ60分間加熱混合し配合物を得た。この配合物を用いて各評価を行った。配合及び結果を表1に示す。
(実施例1〜2、比較例1)
(A)非晶性ポリオレフィンa(ハンツマン社製 レックスタックRT−2715、粘度(190℃)1,500mPa・s、軟化点110℃、プロピレン−ブテン−1共重合体)、(A)非晶性ポリオレフィンb(ハンツマン社製 レックスタックRT−2315、粘度(190℃)1,500mPa・s、軟化点138℃、プロピレン−エチレン共重合体)、(B)非晶性ポリプロピレンc(三井住友ポリオレフィン社製 E−239、MFR(230℃)550g/10min、融点137℃、プロピレン−エチレンランダム共重合体)、(C)粘着付与樹脂d(ヤスハラケミカル社製 クリアロンP−125(軟化点125℃、水添テルペン樹脂)をラボニーダーを用いて180℃でおよそ60分間加熱混合し配合物を得た。この配合物を用いて各評価を行った。配合及び結果を表1に示す。
評価方法の記載
(1)オープンタイム:ホットメルト組成物において樹脂温度180℃、2mmφビートでダンボールに塗工しオープンタイムを変化させセットタイム2秒にてダンボールと貼り合せた後、すぐに接着面を剥離した場合に90%以上ダンボールが材料破壊する時の時間を測定した。
(2)繊維化スプレー性:ダイスのスリット(110mm×1mm、くし状シム0.5mm間隔)から樹脂温度180℃のホットメルト組成物を吐出させ、その両端(110mm×0.02mm)から200℃のホットエアー(0.3MPa)を吹き付けることによって目付け300g/m2のニードルパンチポリプロピレン不織布バッキング材に繊維化したホットメルト組成物を塗工する。この直後、プレスロールにてポリプロピレンテープヤーン織物基布に3番3子ポリプロピレン紡績糸をタフトした目付け800g/m2表層材と圧着しタフトカーペットを製造した。この場合、ホットメルト組成物が、きれいに繊維化されバッキング材に定着した場合を○とし、繊維化が不十分の場合を△、バッキング材に定着しない場合を×とした。また、マット、カーペットとして使用可能な強度としてバッキング材が材料破壊する場合を○とし、材料破壊しない場合を×とした。
(1)オープンタイム:ホットメルト組成物において樹脂温度180℃、2mmφビートでダンボールに塗工しオープンタイムを変化させセットタイム2秒にてダンボールと貼り合せた後、すぐに接着面を剥離した場合に90%以上ダンボールが材料破壊する時の時間を測定した。
(2)繊維化スプレー性:ダイスのスリット(110mm×1mm、くし状シム0.5mm間隔)から樹脂温度180℃のホットメルト組成物を吐出させ、その両端(110mm×0.02mm)から200℃のホットエアー(0.3MPa)を吹き付けることによって目付け300g/m2のニードルパンチポリプロピレン不織布バッキング材に繊維化したホットメルト組成物を塗工する。この直後、プレスロールにてポリプロピレンテープヤーン織物基布に3番3子ポリプロピレン紡績糸をタフトした目付け800g/m2表層材と圧着しタフトカーペットを製造した。この場合、ホットメルト組成物が、きれいに繊維化されバッキング材に定着した場合を○とし、繊維化が不十分の場合を△、バッキング材に定着しない場合を×とした。また、マット、カーペットとして使用可能な強度としてバッキング材が材料破壊する場合を○とし、材料破壊しない場合を×とした。
表1に示した結果から明らかなように、本発明のホットメルト組成物は軟化点が高いにもかかわらず、オープンタイムが長く繊維化スプレーにおいても良好な塗工性を示している。
本発明のホットメルト組成物は、軟化点が高く耐熱性に優れており、更にオープンタイムが長く様々な塗工方法に対応でき、特には繊維化スプレーにおいても良好な塗工性を有している。さらに繊維化スプレー塗工し貼合することによって通気性を有したマット及びカーペットを製造することができる。また、ポリオレフィンの素材から成る基材を使用し
た場合、基材とホットメルト組成物を分離することなくリサイクルが可能となる。
た場合、基材とホットメルト組成物を分離することなくリサイクルが可能となる。
Claims (9)
- (A)非晶性のオレフィン重合体を30〜70重量部、(B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンを5〜30重量部、(C)粘着付与樹脂を10〜40重量部の3成分を含有することを特徴とするホットメルト組成物。
- (A)非晶性のオレフィン重合体の粘度が400〜8,000mPa・s(190℃)である請求項1に記載のホットメルト組成物。
- (A)非晶性のオレフィン重合体がプロピレンとブテン−1の共重合体である請求項1〜2に記載のホットメルト組成物。
- (B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンのMFRが200〜1,000(230℃−2.16kg)である請求項1〜3に記載のホットメルト組成物。
- (B)(A)を除く、非晶性ポリプロピレンがポリプロピレンとポリエチレンのランダムコポリマーである請求項1〜4に記載のホットメルト組成物。
- 2mmφビートでのオープンタイムが80秒〜150秒でありかつ軟化点が120℃〜160℃である請求項1〜5に記載のホットメルト組成物。
- 繊維化スプレーにより塗工し貼合可能な請求項1〜6に記載のホットメルト組成物。
- 請求項1〜7に記載のホットメルト組成物を繊維化スプレーで塗工し貼合することによって製造されたマット及びカーペット。
- ポリオレフィンの素材から成る請求項8のマット及びカーペット。
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