JP2006152525A - バインダー不織布及びそれを用いた積層物 - Google Patents

バインダー不織布及びそれを用いた積層物 Download PDF

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尚伸 南澤
Yoshimi Tsujiyama
義実 辻山
Junji Iwata
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Abstract

【課題】異種素材に対しても低温度でも容易に、かつ強固に接着することができるバインダー不織布及びこれを用いた積層物を提供する。
【解決手段】ビニル芳香族化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(A)を少なくとも2個、及び共役ジエン化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(B)を少なくとも1個含有するブロック共重合体を水素添加処理した水素添加ブロック共重合体を用いて得られる不織布であり、下記式(1)で示されるPの値が30以上であることを特徴とするバインダー不織布。
P=V/S×MFR (1)
V:重合体ブロック(B)中の共役ジエン重合成分のうち1,2−結合している該成分の割合(%)の数値
S:水素添加ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物重合成分の含有率(重量%)の数値
MFR:水素添加ブロック共重合体のメルトマスフローレイト(JIS K7210 230℃、2.16kg荷重)の数値
【選択図】なし

Description

本発明は、比較的安価で繊維製品としての用途に好適で、樹脂からなる材料、特にポリエステルからなる材料との接着性に優れるバインダー不織布及びこれを用いた積層物に関する。
近年、包装材料や衣料材料等で使用される素材を、異素材と接着させるために様々な接着剤が使用されている。これらの多くは、一液、二液硬化型接着剤に代表される液混合や化学反応を利用し、接着成分を硬化させて素材同士を接着させる接着剤である。しかし、これらの接着剤は、溶剤を使用することによる作業環境の悪化、及び硬化反応に時間がかかることによる加工性の低下等、環境や生産に与える影響が大きい。
また、ホットメルト接着剤もしばしば用いられている。ホットメルト接着剤は対象物に塗布され、加熱後固化することで異素材との接着を行なうもので、前記接着剤に比べ、1)溶剤を使用しない、2)短時間で硬化する等利点も多い。しかし、種類によってはブロッキングを発生し易く、また初期接着力に劣るという欠点もある。更に構成する樹脂によっては、例えばポリエステルからなる材料との接着性が見込まれない等、必ずしも万能とはいえない。
更に、接着性が期待される熱可塑性エラストマーを他の素材に予め積層させ、当該熱可塑性エラストマーをまた別の素材との接着に使用する例も開示されている。
例えば、ポリオレフィンやポリエステル、ポリアミドから選ばれる素材を用いたスパンボンド不織布に、スチレン系エラストマーからなるメルトブロー不織布を積層させた不織布複合体を用いて、当該不織布同士または他の素材からなる材料と重ねあわせ、その所要部を熱融着した熱融着成形物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、当該熱融着成形物は、接着面をメルトブロー不織布層のみに設定しているため、本発明のような異種材料同士を接着させるバインダーとしての機能を保持していない。
また、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とからなる樹脂を用いた不織布または複合シートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。この特許では、共役ジエン化合物中の1,2−結合量を前駆ポリマー中のビニル芳香族化合物の含有量で除したパラメーターを用いて粘着性の指標とし、一定値以上の該パラメーターを持つ系について良好な粘着性を示すことを主張している。しかし、粘着と接着は基本的に異質なものであり、粘着性が良好なものが必ずしも接着性が良好であるとは言えない。また他の素材との接着性については言及しておらず、前記樹脂の接着性は満足できるものではなかった。
特開平11−61622号公報 特許第2801055号明細書
本発明の課題は、上記問題点を解消し、異種素材に対しても低温度でも容易に、かつ強固に接着することができるバインダー不織布及びこれを用いた積層物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、特定の構成を有する水素添加ブロック共重合体を用いて得られるバインダー不織布によって前記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]ビニル芳香族化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(A)を少なくとも2個、及び共役ジエン化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(B)を少なくとも1個含有するブロック共重合体を水素添加処理した水素添加ブロック共重合体を用いて得られる不織布であり、下記式(1)で示されるPの値が30以上であることを特徴とするバインダー不織布。
P=V/S×MFR (1)
V:重合体ブロック(B)中の共役ジエン重合成分のうち1,2−結合している該成分の割合(%)の数値
S:水素添加ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物重合成分の含有率(重量%)の数値
MFR:水素添加ブロック共重合体のメルトマスフローレイト(JIS K7210 230℃、2.16kg荷重)の数値
[2]Vの値が20〜70(%)であり、水素添加ブロック共重合体のMFRが20〜1000g/10minである前記1項記載のバインダー不織布。
[3]水素添加ブロック共重合体のMFRが30〜500g/10minである前記1項または2項記載のバインダー不織布。
[4]共役ジエン化合物が1,3−ブタジエンである前記1〜3項のいずれか1項記載のバインダー不織布。
[5]重合体ブロック(A)の重合成分がスチレンであり、重合体ブロック(B)の重合成分が1,3−ブタジエンであり、Vの値が25〜60(%)である前記1〜4項のいずれか1項記載のバインダー不織布。
[6]不織布が、長繊維からなる前記1〜5項のいずれか1項記載のバインダー不織布。
[7]長繊維が、メルトブロー法によって製造された繊維径5〜30μmの繊維である前記1〜5項のいずれか1項記載のバインダー不織布。
[8]前記1〜7項のいずれか1項記載のバインダー不織布に、該バインダー不織布以外の不織布、ウェブ、織物、編物、紙状物、繊維束、及びフィルムから選ばれる少なくとも一種の材料を積層させた積層物。
[9]前記バインダー不織布以外の不織布、ウェブ、織物、編物、紙状物、繊維束、及びフィルムから選ばれる少なくとも一種の材料が、ポリエステルからなる前記8項記載の積層物。
本発明のバインダー不織布は、ポリオレフィンやポリエステル等からなる材料との接着が求められている包装材料や衣料材料を始めとする繊維製品に好適に使用でき、かつ低温接着が可能であることからこれらに有効利用できる。また、燃焼時に有害ガスが発生するおそれがないため、環境に優しいバインダー不織布として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のバインダー不織布を構成する水素添加ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(A)と共役ジエン化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体を水素添加処理して得られる。
本発明において主な重合成分とは、重合体ブロック(A)または重合体ブロック(B)の中の重合成分のうちで最も多い重量を占める成分を言い、重合体ブロック(A)または重合体ブロック(B)の中における含有率は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%である。
本発明において、重合体ブロック(B)中の共役ジエン重合成分のうち1,2−結合している該成分の数の割合(%)の数値をVとし、水素添加ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物重合成分の含有量(重量%)の数値をSとし、水素添加ブロック共重合体のメルトマスフローレイト(JIS K7210 230℃、2.16kg荷重)をMFRとした時、下記式(1)で与えられるPの値は30以上、好ましくは50〜3000である。
P=V/S×MFR (1)
尚、本発明において、重合体ブロック(B)中の共役ジエン重合成分の1,2−結合の例としては −(CH−CHR)− が挙げられる(Rはアルケニル基であり、水素添加後はアルキル基となる)。
尚、上記のV/Sの値は、前記特許文献2で粘着性パラメーター(T)として利用されている。しかし、図1に示すように該粘着性パラメーター(T)で表される粘着性と接着性とは必ずしも相関があると言えない。
本発明者らの研究によれば、図2に示すように、接着性に対してV/S以外の要因として水素添加ブロック共重合体のメルトマスフローレイト(MFR)の寄与が極めて重要である。図2は接着強度を、V/SとMFRの積(P値)に対してプロットした図である。図1とは異なり両者に良好な相関が見られる。図2を見ると破線で示すように、P値が30以上であれば、少なくとも4N以上の接着強度が得られ、十分な接着性が得られることが明らかである。
前記の重合体ブロック(A)を構成するビニル芳香族化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等を挙げることができる。中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが性能とコストの点から好ましい。
これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、重合体ブロック(A)には、本発明の効果を損なわない範囲でビニル芳香族化合物以外の他のモノマーを用いても良い。他のモノマーと共重合した場合、重合体ブロック(A)におけるビニル芳香族化合物の分布は、ランダム、テーパー(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加もしくは減少するもの)、一部ブロック状、またはこれら任意の組み合わせのいずれであってもよい。
重合体ブロック(A)におけるビニル芳香族化合物重合成分の含有率は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%である。ビニル芳香族化合物重合成分の含有量が上記の範囲であれば、得られる水素添加ブロック共重合体は十分な強度を有する。
水素添加ブロック共重合体における、ビニル芳香族化合物重合成分の含有率Sは、10〜50重量%が好ましく、20〜35重量%がより好ましい。ビニル芳香族化合物重合成分の含有率Sが上記の範囲であれば、強度が十分でソフトな風合いを有する不織布が得られ、汎用性のある不織布製品を作ることができる。
前記の重合体ブロック(B)を構成する共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げることができ、特に1,3−ブタジエンが好ましい。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。共役ジエン化合物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、分子鎖中または分子末端にカルボキシル基、水酸基、酸無水物、アミノ基等官能基を導入しても良い。
重合体ブロック(B)における共役ジエン化合物重合成分の含有率は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%である。共役ジエン化合物重合成分の含有量が上記の範囲であれば、得られる水素添加ブロック共重合体は十分な接着性と弾性を有する。
重合体ブロック(B)中の共役ジエン重合成分のうち1,2−結合している該成分の数の割合(%)の数値Vは、好ましくは20〜70%、より好ましくは25〜60%の範囲である。該割合が上記の範囲であれば、水素添加ブロック共重合体の紡糸性が良好で、地合の良好なウェブが得られ、得られる不織布も接着性、伸長回復性が良好で、不織布製品として用い易い。
更に、水素添加ブロック共重合体中における、水素添加された重合体ブロック(B)の割合(重量%)は、好ましくは50〜90%、より好ましくは65〜80%で、水素添加された重合体ブロック(B)の量が上記の範囲であれば、得られる不織布の風合いも良好である。
また該水素添加ブロック共重合体は、化合物の安定性、紡糸性等の点から共役ジエン化合物に由来する重合体ブロック(B)中の二重結合の80%以上が水素添加処理されていることが、望ましい。共役ジエン化合物が1,3−ブタジエンの場合、水素添加処理後の重合体ブロック(B)は、エチレンと1−ブテンとの共重合体のような形態となる。
水素添加ブロック共重合体のMFRは、20〜1000g/10minが好ましく、30〜500g/10minがより好ましい。水素添加ブロック共重合体のMFRが上記の範囲であれば、紡糸性や接着性が良好で、不織布の製造が容易である。
このような水素添加ブロック共重合体として、具体的にはスチレン−エチレン/ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が挙げられる。市販品の具体例としてはKRATON G(商品名、クレイトンポリマージャパン(株)製)、タフテック(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)、JSR DYNALON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。本発明で使用したスチレンブロック共重合体(SEBS)は、特にS−EB−S−EB、S−EB−S、S−EB−S+S−EB、S−EB−S−EB+S−EBである。中でもS−EBのジブロックタイプを含まないS−EB−S、S−EB−S−EB等のトリブロック及びテトラブロックタイプが好ましい。
本発明で用いられる樹脂成分には、本発明の効果を阻害しない範囲で付加的な成分が必要に応じて配合されていてもよい。その成分としては、例えば該水素添加ブロック共重合体以外の熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消剤、着色剤、柔軟性付与剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、銅害防止剤、防菌・防黴剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、発泡剤、発泡助剤、粘着付与剤、酸化チタン、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、低分子量ポリマー等が挙げられる。
本発明で用いられる、該水素添加ブロック共重合体以外の熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタンエラストマー等が挙げられる。
特に屋外で使用される用途においては、従来から用いられている紫外線吸収剤のいずれかを使用でき、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、p−オクチルフェニルサリチレート、ドデシルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
本発明で使用される粘着付与剤は、特に限定されないが、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系樹脂、芳香族系樹脂、脂環族系樹脂、クマロン・インデン樹脂等がある。ロジン系樹脂としてはガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、二量化ロジン、ロジンフェノール及びこれらのロジンの各種アルコール(グリセリンやペンタエリスリトール等)エステル類が挙げられ、市販品の具体例としては、荒川化学(株)製の商品名エステルガム、ハイペール、スーパーエステル、ペンセル、タマノル等、イーストマンケミカル社製の商品名ポリペール、ダイマレックス、ハーコリン、フォーラル等が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、テルペンフェノール、スチレン変性テルペン、及びそれらの水素添加品が挙げられ、市販品としてはヤスハラケミカル(株)製の商品名YSレジン、YSポリスター、クリアロン等、アリゾナケミカル社製の商品名ゾナライト、ゾナタック、ナイレッツ等が挙げられる。
脂肪族系樹脂は、ナフサ分解油の内のイソプレンやシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンのようなC系留分を重合して得た樹脂とその水素添加品で、市販品としてはトーネックス(株)製の商品名エスコレッツ1000、日本ゼオン(株)製の商品名クイントン、丸善石油化学(株)製商品名マルカレッツ、グッドイヤーケミカル製の商品名ウィングタック等が挙げられる。
芳香族系樹脂は、ナフサ分解油のスチレン類やインデン類等のC系留分を重合したもので、市販品としては東ソー(株)製商品名ペトコール、東邦化学(株)製商品名ハイレジン、三井化学(株)製商品名FTR、イーストマンケミカル社製商品名クリスタレックス等が挙げられる。
脂環族系樹脂は分子中に芳香族ではない環状の化合物を持ったものであり、市販品として三井化学(株)製の商品名ハイレッツ、荒川化学(株)製の商品名アルコン、ハーキュレス(株)製の商品名リガルレッツ、トーネックス(株)製の商品名エスコレッツ5000等が挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明のバインダー不織布は、水素添加ブロック共重合体に必要に応じて他の成分を配合した樹脂組成物を紡糸して得られる繊維から製造される。
本発明のバインダー不織布の繊維断面形状は、曳糸性を考慮すると丸断面が好ましいが、曳糸性を損なわない範囲であれば、異型断面、または中空断面としてもよい。更にそれらの断面構造は、複合断面であってもよいが、鞘芯構造の場合は、本発明の水素添加ブロック共重合体を鞘側に配置することが必要であり、またサイドバイサイド型の場合は、水素添加ブロック共重合体が表面の50%以上露出していることが望ましい。また、バインダー不織布を構成する繊維は、本発明を阻害しない範囲で他の繊維と混合してもよい。
本発明を構成するバインダー不織布は、樹脂組成物を長繊維となるように紡糸したものが好ましい。具体的には、繊維長300mmを超える長繊維であることが好ましい。
そのような長繊維を製造する方法としては、熱可塑性樹脂を高温高圧空気と共に噴射し、開繊し配列して不織布を製造する方法(例えばメルトブロー法)、熱可塑性樹脂を紡糸し、延伸、開繊、捕集及び絡合を行なって不織布を形成する方法(例えばスパンボンド法)、熱可塑性樹脂の長繊維束を延伸し、捲縮付与後に開繊及び拡幅を行なって不織布を製造する方法(例えばトウ開繊法)等を挙げることができる。
中でも、生産性、製造コスト、生産の容易性、風合いの点からメルトブロー法とスパンボンド法とが好ましく、メルトブロー法が特に好ましい。メルトブロー法によって製造される不織布は、該不織布を構成する繊維の平均径が小さいため、良好な風合いを有する。 一方、スパンボンド法によって製造される不織布は、該不織布を構成する繊維が延伸された連続の長繊維であるため、不織布強力が強い。尚、これらによって得られる不織布には、必要に応じて発明の効果を妨げない範囲において、界面活性剤等を用いて表面処理を施すことができる。
これらの方法によって得られたバインダー不織布は、ポイントボンド法、汎用のスルーエアー法、ポイントスルーエアー法、ソニックボンド法、ウォータージェット法、ニードルパンチ法、レジンボンド法等の方法によって、不織布強度を更に高めることもできる。
本発明のバインダー不織布の繊維径は、5〜30μmであることが好ましい。繊維径が上記の範囲であれば、風合いを損なうことなく満足する強度が得られる。
単独で使用する場合における本発明のバインダー不織布の目付は、特に限定されないが5〜300g/mが好ましく、より好ましくは10〜200g/m、更に好ましくは20〜150g/mである。
本発明のバインダー不織布には、その片面または両面に該不織布以外の不織布、ウェブ、織物、編物、紙状物、繊維束、及びフィルムから選ばれる少なくとも一種の材料を積層し、積層物として利用できる。積層に使用される不織布形態は特に限定されないが、目的によって適宜選択され利用できる。例えば穴あけ不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、エラストマーフィルム、スパンボンドポイントボンド不織布、ポイントスルーエアー不織布、汎用のスルーエアー不織布等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のバインダー不織布の接着対象物は、ポリオレフィン材料、ポリエステル材料(特に不織布)が好ましいが、特にこれに限定されることなく、ポリアミド、ポリウレタン等を始めとする熱可塑性樹脂を用いた材料のいずれでもかまわない。尚、ここでいうポリエステルとは、構造中にエステル結合(−CO−O−)を有する全ての高分子化合物を言い、材料の形態については、不織布、織物、編物、フィルム、成形体等を含む布帛であることが望ましい。
本発明のバインダー不織布を用いて、積層物を製造するには、通常の熱圧着の方法が用いられる。例えば、加熱プレス機を用いて、水素添加ブロック共重合体の融点以上、150℃以下の温度で、約30kPaの圧力で、1秒間程度加圧する。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例における評価・測定は下記の方法に従った。
(1)接着強度
25mm×150mmの接着性評価用対象材料2枚と、バインダー不織布1枚を用意する。対象材料の間にバインダー不織布を挟み、150℃、0.3MPa、1秒間熱接着を行い、試験片を作製した(テスター産業(株)製TP−701B)。熱圧着後の試験片の接着強度は、JIS L 1086の7.19.1法に準じて測定した。
(2)メルトマスフローレイト
JIS K 7210に準拠して温度:230℃、荷重:2.16kgで測定した。
(3)平均繊維径
バインダー不織布の任意5ケ所から縦10mm横10mmの不織布片(合計5枚)を切り取り、走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて表面を観察した。1枚の不織布片から20本の繊維径を測定し、これを5枚の不織布片について測定し、合計100本の繊維径の平均を算出し平均繊維径とした。
(4)共役ジエン化合物を主な重合成分とする重合体ブロック(B)中の共役ジエン重合成分の1,2−結合の割合(%)の数値V:水素添加ブロック共重合体を四塩化エチレンに溶解し、100MHz、H−NMRスペクトルから算出した。
(5)水素添加ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物重合成分の含有率(重量%)
水素添加ブロック共重合体を四塩化エチレンに溶解し、100MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。
本発明の実施例、比較例において接着性評価の対象として使用した材料の略称と内容は以下のとおりである。
TPE−NW:ポリエステル不織布(マリックス:商品名、ユニチカ(株)製)
TPE−FL:ポリエステルフィルム
TPO−NW:ポリプロピレン/ポリエチレン複合不織布(EsBond:商品名、チッ ソ(株)製)
実施例1
表1に示す樹脂Iを原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体及びギアポンプを有する押出機、紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホールが一列、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取機からなる不織布製造装置を用いてメルトブロー不織布の製造を行なった。押出機に樹脂Iを投入し、加熱体により樹脂Iを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプにより紡糸口金から単孔当たり0.25g/minの紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維を400℃に加熱した98kPa(ゲージ圧)の圧縮空気によって、走行速度2m/minで走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベアーは、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。捕集コンベアーで搬送された不織布を巻取機にてロール状に巻き取った。このようにして得られたバインダー不織布を上記接着強度測定法に記載した方法により対象材料と接着加工を施し、続いて剥離試験を行い、接着強度を評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂Iに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=150が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は18μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の剥離法による接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は21N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。また得られたバインダー不織布を(株)ハシマ製転写プレス機(HP−380A)を用いて、ポリエステル製の生地に積層し、1秒間、圧力30kPa、温度150℃で接着させ積層製品を得た。製品は外観に優れ、またポリエステル製の生地との接着強度も高く、また柔軟性もあり良好である。これら積層物は主に衣料分野での異種生地同士の接着に好適に使用できる。
実施例2
表1に示す樹脂IIを原料樹脂として用いた以外は実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂IIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=156が得られ、これはP≧30を満たす。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は16N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。繊維径は14μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また実施例2で得られたバインダー不織布を紙状物に積層し製品を得た。製品は外観に優れ、また紙状物との接着強度も高く、柔軟性もあり良好である。これら積層物について、フローリング用途を想定し、市販のフローリング材とのバインダーとして実施例1と同様な手法で加工し、実際に使用に供した。その結果、製品は老化、劣化することなく、また紙状物とバインダー不織布間の剥離も発生せず、使用状況は良好であった。
実施例3
表1に示す樹脂Iを用いて実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂Iに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=150が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は18μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は13N(対象材料:TPO−NW)となり良好な接着強度を示した。また得られたバインダー不織布をポリオレフィン不織布に実施例1と同様な手法で積層し接着して積層物を得た。得られた積層物は外観に優れ、またポリオレフィン製の生地との接着強度も高く、また柔軟性もあり良好である。これら積層物は主に衣料分野での異種生地同士の接着に好適に使用できる。
実施例4
表1に示す樹脂Iを用いて、これに粘着付与性樹脂(YSポリスターT−145(商品名、ヤスハラケミカル(株)製))を10重量%添加し、実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂Iに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=150が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は18μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は19N(対象材料:TPE−FL)となり良好な接着強度を示した。
実施例5
表1に示す樹脂Iを原料樹脂として用いた。スクリュー(40mm径)、加熱体及びギアポンプを有する押出機、紡糸口金(孔径0.4mm、120孔)、エアーサッカー、帯電法開繊機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、ポイントボンド加工機及び巻取機からなる装置を用いてスパンボンド不織布の製造を行った。押出機に樹脂Iを投入し、加熱体により樹脂Iを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプにより紡糸口金から単孔当たり0.29g/minの紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維をエアーサッカーに導入し直後に帯電法開繊機によって開繊させ捕集コンベアー上に捕集した。エアーサッカーの空気圧は、196kPaとした。捕集コンベアー上のウェブを上下ロール温度120℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、バインダー不織布を得た。このようにして得られたバインダー不織布を上記接着強度測定法に記載した方法により対象材料と接着加工を施し、続いて接着剥離強度試験を行い、接着強度を評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂Iに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=150が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は18μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は13N(対象材料:TPE−FL)となり良好な接着強度を示した。
実施例6
用いた樹脂が表1に示す樹脂IIIであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂IIIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=130が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は15μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は15N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。
実施例7
用いた樹脂が表1に示す樹脂IVであることを除いては実施例5と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂IVに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=120が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は16μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は13N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。
実施例8
用いた樹脂が表1に示す樹脂Vであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂Vに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=58が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は16μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は11N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。また実施例8で得られたバインダー不織布を編織物に実施例1と同様な手法で積層し接着して製品を得た。製品は外観に優れ、また編織物との接着強度も高く、柔軟性もあり良好である。これら積層物について、カーペット用途を想定して使用に供した。製品は破損することなく、また製品とカーペット間の剥離も見られず使用状況は良好であった。
実施例9
用いた樹脂が表1に示す樹脂VIであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂VIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=60が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は15μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行った。その結果、接着強度測定値は7N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。
実施例10
用いた樹脂が表1に示す樹脂IIIであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂IIIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=53が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は14μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行った。その結果、接着強度測定値は5N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。
実施例11
表1に示す樹脂VIIを用いて実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂VIIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=120が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は16μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は8N(対象材料:TPE−FL)となり良好な接着強度を示した。
実施例12
表1に示す樹脂VIIIを用い、実施例2と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂VIIIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=30が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は19μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は6N(対象材料:TPO−NW)となり良好な接着強度を示した。
実施例13
用いた樹脂が表1に示す樹脂IXであることを除いては実施例2と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂IXに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=140が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は18μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は11N(対象材料:TPE−NW)となり良好な接着強度を示した。
実施例14
用いた樹脂が表1に示す樹脂IXであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表1に記載した。
表1記載の樹脂IXに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=140が得られ、これはP≧30を満たす。繊維径は18μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は8N(対象材料:TPE−FL)となり良好な接着強度を示した。
Figure 2006152525
比較例1
用いた樹脂が表2に示す樹脂Xであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表2に記載した。
表2記載の樹脂Xに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=20が得られるがこれはP≧30を満たさない。繊維径は18μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は4Nであったが(対象材料:TPE−NW)接着性は不良であった。
比較例2
用いた樹脂が表2に示す樹脂XIであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表2に記載した。
表2記載の樹脂XIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=5が得られるがこれはP≧30を満たさない。繊維径は17μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は3N(対象材料:TPE−NW)が得られたが接着性は不良であった。
比較例3
用いた樹脂が表2に示す樹脂XIIであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表2に記載した。表2記載の樹脂XIIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=23が得られるがこれはP≧30を満たさない。繊維径は28μmであり、バインダー不織布の強度は良いものの、風合いが若干硬めであった。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は2N(対象材料:TPE−NW)が得られたが接着性は不良であった。
比較例4
用いた樹脂が表2に示す樹脂XIIIであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表2に記載した。
表2記載の樹脂XIIIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=25が得られるがこれはP≧30を満たさない。繊維径は20μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は検出されず(対象材料:TPE−NW)接着性は不良であった。
比較例5
用いた樹脂が表2に示す樹脂XIIIであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表2に記載した。
表2記載の樹脂XIIIに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=25が得られるがこれはP≧30を満たさない。繊維径は20μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は検出されず(対象材料:TPE−FL)、接着性は不良であった。
比較例6
用いた樹脂が表2に示す樹脂XIVであることを除いては実施例1と同じ条件でバインダー不織布を得て評価した。得られた結果は表2に記載した。
表2記載の樹脂XIVに関するパラメーターを式(1)に代入してP値を算出すると、P=18が得られるがこれはP≧30を満たさない。繊維径は21μmであり、バインダー不織布の強度、風合いともに良好である。また前記の方法により接着強度測定を行なった。その結果、接着強度測定値は2N(対象材料:TPE−NW)が得られたが接着性は不良であった。
Figure 2006152525
本発明のバインダー不織布は、ポリオレフィン材料やポリエステル材料からなる不織布、フィルムをはじめとする成形物との接着性に優れる。本発明のバインダー不織布または積層不織布を用いた積層物からなる繊維製品は、食品包装材、自動車天井表皮材、防音材、靴用部材、鞄用部材、衣料用部材等の接着用途に有効に利用できる。
本発明のバインダー不織布を構成する樹脂のV/Sと接着剥離強度の関係図である。 本発明のバインダー不織布を中層として、ポリエステル不織布を両側から積層した接着剥離強度とP値の関係図である。

Claims (9)

  1. ビニル芳香族化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(A)を少なくとも2個、及び共役ジエン化合物を主な重合成分として含有する重合体ブロック(B)を少なくとも1個含有するブロック共重合体を水素添加処理した水素添加ブロック共重合体を用いて得られる不織布であり、下記式(1)で示されるPの値が30以上であることを特徴とするバインダー不織布。
    P=V/S×MFR (1)
    V:重合体ブロック(B)中の共役ジエン重合成分のうち1,2−結合している該成分の割合(%)の数値
    S:水素添加ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物重合成分の含有率(重量%)の数値
    MFR:水素添加ブロック共重合体のメルトマスフローレイト(JIS K7210 230℃、2.16kg荷重)の数値
  2. Vの値が20〜70(%)であり、水素添加ブロック共重合体のMFRが20〜1000g/10minである請求項1項記載のバインダー不織布。
  3. 水素添加ブロック共重合体のMFRが30〜500g/10minである請求項1または2記載のバインダー不織布。
  4. 共役ジエン化合物が1,3−ブタジエンである請求項1〜3のいずれか1項記載のバインダー不織布。
  5. 重合体ブロック(A)の重合成分がスチレンであり、重合体ブロック(B)の重合成分が1,3−ブタジエンであり、Vの値が25〜60(%)である請求項1〜4のいずれか1項記載のバインダー不織布。
  6. 不織布が、長繊維で構成される請求項1〜5のいずれか1項記載のバインダー不織布。
  7. 長繊維が、メルトブロー法によって製造された繊維径5〜30μmの繊維である請求項1〜6のいずれか1項記載のバインダー不織布。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のバインダー不織布に、該バインダー不織布以外の不織布、ウェブ、織物、編物、紙状物、繊維束及びフィルムから選ばれる少なくとも一種の材料を積層させた積層物。
  9. 前記バインダー不織布以外の不織布、ウェブ、織物、編物、紙状物、繊維束及びフィルムから選ばれる少なくとも一種の材料が、ポリエステルからなる請求項8記載の積層物。
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