JP4810924B2 - 熱バインダー不織布及びこれらを用いた積層物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱バインダー不織布及びこれらを用いた積層物に関する。
熱バインダー不織布は、家庭でもアイロンなどを利用して簡便に接着を行うことができるため、衣類の接着・補修用の材料や壁紙等として幅広く利用されている。また、工業的に積層して用いる用途も多い。近年、熱バインダー不織布は、それ自体と他素材あるいは他素材同士の機能を相互に付加するために多用されており、この熱バインダー不織布に対してもただ単なる接着性の要求に留まるものではなくなっている。中でもエラストマーを用いた不織布は、接着性と柔軟性および通気性に優れる不織布として使用されている。また、エラストマーが有する伸縮性を熱接着後の積層不織布に利用する場合もある。
特にアパレル市場では、被積層素材の機能を阻害せず、かつ高接着性である熱バインダー不織布が要求されている。その内、ポリウレタンエラストマーは、特に他素材との接着性に優れることから、市場に受け入れられている(例えば特許文献1参照)。しかし、単一成分からなるこれらの熱バインダー不織布は、接着後の接着強力は優れるものの、熱バインダー不織布を構成する繊維が熱により劣化および繊維形状が維持されていないことから、接着後は柔軟性が損なわれるという問題点がある。また、被積層素材が伸縮性を有する素材である場合には、伸縮機能を阻害する問題点もある。すなわち、エラストマーは伸縮性に優れており、不織布の材料として有用ではあるが、熱バインダー不織布として利用しようとする場合、エラストマー本来の伸縮性が損なわれるという問題があった。
国際公開番号WO99/39037号公報
そこで、本発明の課題は、優れた熱接着性と通気性を有し、特に柔軟性に優れた繊維製品としての用途に好適な熱バインダー不織布及びこれを用いた積層不織布をはじめとする積層物を提供することにある。
本発明者らは、本発明の課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、下記構成にすることで前記課題を解決することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の構成を有する。
[1] 相対的に流動開始温度の異なる熱可塑性樹脂であるA成分およびB成分を含む繊維を用いて得られる、下記(1)〜(5)を満足させる熱バインダー不織布。
(1)A成分の流動開始温度がa(℃)、
B成分の流動開始温度がb(℃)であるとき、
20≦(a−b)≦150
(2)A成分がエラストマーを含み、B成分がポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマーから選ばれる少なくとも一種である
(3)A成分/B成分の重量比が10/90〜90/10
(4)不織布が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維を含む混繊状態であるか、または繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維で構成されている。
(5)不織布機械方向における50%伸長時の伸長回復率が80%以上である。
[2] A成分がポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくとも一種である前記[1]項に記載の熱バインダー不織布。
] 熱バインダー不織布を構成する繊維が、繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維である前記[1]項〜[]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
] 熱バインダー不織布を構成する繊維が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維が混繊状態である前記[1]項〜[]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
] 熱バインダー不織布がメルトブロー法またはスパンボンド法によって製造される前記[1]項〜[]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
] 前記[1]項〜[]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布の少なくとも片面に前記熱バインダー不織布以外の不織布、皮革、フィルム、ウェブ、織物、編物、繊維束から選ばれる少なくとも1種の被積層材料を積層してなる積層物。
] 前記熱バインダー不織布に積層する被積層材料が機械垂直方向に10%以上伸長性を有する不織布である前記[]項記載の積層物。
] 熱バインダー不織布と前記被積層材料の層間の剥離強力が5N/25mm以上である前記[]項〜[項のいずれか1項に記載の積層物。
] 前記[1]項〜[項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布または前記[]項〜[項のいずれか1項に記載の積層物を用いた繊維製品。
本発明の熱バインダー不織布は、優れた熱接着性と通気性を有し、特に柔軟性に優れた不織布である。なかでも、通気性および柔軟性の必要な衣服のバインダー材として好適に使用できる。また、本発明の熱バインダー不織布を用いて積層物を製造した場合も、被積層材料の特性を生かしながら通気性および柔軟性を損なうことがない。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の熱バインダー不織布は、相対的に流動開始温度の異なる熱可塑性樹脂であるA成分およびB成分を含む繊維を用いて得られる、下記(1)〜(4)を満足させる熱バインダー不織布である。
(1)A成分の流動開始温度がa(℃)、
B成分の流動開始温度がb(℃)であるとき、
20≦(a−b)≦150
(2)B成分がエラストマーを含む。
(3)A成分/B成分の重量比が10/90〜90/10
(4)不織布が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維を含む混繊状態であるか、または繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維で構成されている。
本発明の熱バインダー不織布(以下、単に「バインダー不織布」という)は、相対的に流動開始温度の異なる熱可塑性樹脂であるA成分およびB成分を用いている。熱バインダーとして使用する際には、特に限定はしないが熱圧着により接着を行う。この時の接着温度は、相対的に低い流動開始温度のエラストマーを含むB成分だけが溶融し、相対的に高い流動開始温度のA成分が充分に溶融しない温度で処理することが好ましい。これにより、接着後にB成分のみが溶融し接着機能を発揮し、A成分は繊維形態を保持することから、良好な通気性と柔軟性が維持できる。しかし、接着成分が単一の成分であるものは、接着後に全ての繊維が溶融するために繊維形態が保持できず、充分な通気性と柔軟性を維持できない。
本発明のバインダー不織布を構成する熱可塑性樹脂とは、上記の条件を満たしていれば特別な制限はない。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンと他のαオレフィンとの2または3元共重合体等のポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー等を挙げることができる。
本発明のバインダー不織布を構成するエラストマーとは、常温(20〜30℃)では加硫ゴムと同様な弾性体の性質を持ち(分子中のソフトセグメントによる)、高温では通常の熱可塑性樹脂と同様に既存の繊維成形機をそのまま使って成形することができる(分子中のハードセグメントによる)高分子材料である。具体的には、該樹脂によって成形されたフィルムが常温(20〜30℃)において25%以上伸長可能で、25%伸長時の伸長回復率が85%以上である樹脂を意味する。
このようなエラストマーとしては、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマーを挙げることができる。
本発明に示す流動開始温度とは、JIS K7210に記載されている高化式フローテスターを用いて、荷重10kgf、ダイ孔径1mm、孔長1mm、昇温速度3℃/分、測定間隔2℃の条件のもとで、昇温に伴い試料が膨張する範囲を過ぎ、流動域に達した際にピストンが下降し始める時の温度を流動開始温度とする。
また、A成分の流動開始温度:a(℃)と、B成分の流動開始温度:b(℃)との関係は、式(1)20≦(a−b)≦150が適切な範囲である。(a−b)が20℃以上の場合、熱バインダーとして接着した後に相対的に高い流動開始温度のA成分が溶融することはない。これにより、A成分は接着後にも繊維形態を保持し、充分な通気性と柔軟性を維持することができる。また、A成分とB成分を同一ノズルにより紡糸する場合には、2成分間の紡糸温度が極端に異なると紡糸性が確保できない。(a−b)が150℃以下であれば、充分な紡糸性が確保される。
次に、本発明のバインダー不織布は、被接着材自体に伸縮特性があり、かつ接着後にも前記伸縮性を阻害せずに使用する場合には、接着後にも充分な伸縮性を維持するためにある程度の伸長回復率を持っている事が好ましい。また、被接着材自体が伸縮性が無い材料あるいは低伸縮性の材料を用いる場合にでも、接着後に優れた柔軟性を付与できることからもバインダー不織布の伸縮性がある事は好ましい態様である。そのためには、接着前の状態にて50%伸長時の伸長回復率が60%以上であることが望ましい。好ましくは、50%伸長時の伸長回復率が80%以上、最も好ましくは90%以上である。B成分にエラストマーを用いた場合、上記の望ましい伸長回復率を持ったバインダー不織布を得ることができる。
本発明のバインダー不織布は、通気性と柔軟性を得るために接着後にも繊維形態を充分保持できるA成分がある程度以上含まれている必要があり、また、バインダー不織布としての役割を果たすための接着強力を確保するためにはB成分がある程度以上含まれている必要がある。これらの観点から、好ましいA成分とB成分の重量比は、A成分/B成分=10/90〜90/10の範囲である。さらに好ましくは、A成分/B成分=20/80〜80/20、最も好ましくは30/70〜70/30である。
本発明において相対的に高い流動開始温度の樹脂であるA成分は、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂などを挙げることができるが、熱可塑性エラストマーであることが好ましい。このとき、エラストマーによる作用効果を阻害しない範囲で他の樹脂成分等を含んでいても良い。エラストマーを用いることで、伸長回復率の高い伸縮性の優れるバインダー不織布が得られる。これにより、被接着材自体に伸縮特性があり接着後にも前記伸縮性を阻害せずに使用する場合には、接着後にも充分な伸縮性を維持する事ができるようになる。また、被接着材自体に伸縮性が無い材料あるいは低伸縮性の材料を用いる場合にでも、接着後に優れた柔軟性を付与できる。そのためには、接着前の状態にて50%伸長時の伸長回復率が80%以上であることが望ましい。好ましくは、50%伸長時の伸長回復率が85%以上、最も好ましくは90%以上である。A成分、B成分共にエラストマーを用いた場合、上記の望ましい伸長回復率を持ったバインダー不織布を得ることができる。
本発明において相対的に高い流動開始温度の樹脂であるA成分として使用するエラストマーは、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記のポリウレタンエラストマーとしては、公知のセグメントポリウレタン共重合体を含むものであり、ポリオール成分としては、分子量500〜6000のポリテトラメチレンエーテルグリコール又はポリカプロラクトンポリエステル、ポリカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペート、ポリヘキサメチレン/ブチレンアジペート共重合体、ポリカーボネート/ヘキサメチレンアジペート共重合体、ポリネオペンチレン/ヘキサメチレンアジペート共重合体等又はこれらの少なくとも2種を含む混合ジオール等が代表例として例示される。
前記のポリアミドエラストマーとしては、例えば主としてポリアミドからなるハードセグメントと、ポリエーテルジオールからなるソフトセグメントとが、エステル結合で連結されたポリエ−テルエステルアミドや、これらがアミド結合で連結されたポリエ−テルアミドが挙げられる。ハードセグメントを構成するポリアミドとしては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテルジオールとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロック共重合体などが挙げられる。なお、これらに他のジオール類、例えばトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンなどをエーテル成分として共重合したものも用いることができる。また、ポリエーテルエステルアミドの場合に、ハードセグメントとソフトセグメントの結合剤として用いられるジカルボン酸としては、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。ハードセグメント、ソフトセグメント、及び結合剤を構成する成分は、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、ハードセグメントとしてナイロン12、ソフトセグメントとしてポリテトラメチレンオキシド、さらにジカルボン酸成分を結合剤として用いたポリエーテルエステルアミドがポリアミドエラストマーの一例として挙げられる。また、ハードセグメントとソフトセグメントの共重合比は必要とされる硬度に合うように適宜選択できる。
前記のポリエステルエラストマーとしては、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステルブロック共重合体が挙げられる。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸や、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、及びこれらのエステル形成性誘導体等から選ばれた少なくとも1種のジカルボン酸と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールや、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環族ジオール、及びこれらのエステル形成性誘導体等から選ばれた少なくとも1種のジオール成分、及び平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等から選ばれた少なくとも1種のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから構成される三元共重合体である。
本発明において相対的に低い流動開始温度の樹脂であるB成分はエラストマーを含み、このエラストマーの作用効果を阻害しない範囲で更に他の樹脂成分を含んでいても良い。エラストマーとしては、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマーから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記のポリスチレンエラストマーは、芳香族ビニル化合物と、他のコモノマーとを共重合体させることによって得ることができる。他のコモノマーには、芳香族ビニル化合物と共重合が可能なモノマーを使用でき、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン化合物、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンや、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸とメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール等のアルコールとからなるエステル化合物等を挙げることができる。
中でも、前記ポリスチレンエラストマーとしては、主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(a)を少なくとも1個、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(b)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン部分に由来する二重結合が水素により80%以上飽和されたスチレンブロック共重合体、または芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体が好ましい。尚、主としてとは、重合体ブロックを構成する化合物が、重合体ブロックの少なくとも50重量%を占めることを示す。
該スチレンブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン等が例示され、特にスチレンが好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。また、該スチレンブロック共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が例示され、特にブタジエン及びイソプレンが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。また、該スチレンブロック共重合体は、化合物の安定性、紡糸性等の点から共役ジエン部分に由来する二重結合の80%以上が水素添加されていることが好ましい。
このようなスチレンブロック共重合体として、具体的には、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)等のブロック共重合体が挙げられる。商品名の具体例として、KRATON G(商品名、クレイトンポリマージャパン(株)製)、SEPTON(商品名、クラレ(株)製)、タフテック(商品名、旭化成(株)製)、JSR DYNARON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。
前記ポリスチレンエラストマーのランダム共重合体は、該ランダム共重合体を構成する共役ジエン部分に由来する二重結合が水素により80%以上飽和された水添スチレン−ジエン共重合体であることが望ましい。
該水添スチレン−ジエン共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、3−エチルブタジエンが挙げられる。好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、更に好ましくは1,3−ブタジエンである。また、該水添スチレン−ジエン共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレンであり、更に好ましくはスチレンである。
該水添スチレン−ジエン共重合体は、少なくとも1種の共役ジエン化合物と3〜50重量%の芳香族ビニル化合物との共重合体であって、分子量分布(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)が10以下であり、かつ該水添スチレン−ジエン共重合体を構成するジエン部分の二重結合含有率が10〜90%である共重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも80%が水素添加された共重合体が好ましい。二重結合の含有量は、赤外分光法を用いMorero法によって測定され、その測定法や測定条件等は、例えば錦田晃一・岩本令吉著「赤外法による材料分析」(1986年講談社刊)、第215〜217ページに解説されている。
このような水添スチレン−ジエン共重合体の具体例としては、JSR DYNARON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。
前記のポリオレフィンエラストマーとしては、オレフィンモノマーから構成され、モノマーがランダムに配列したランダム共重合体や、ハードセグメントとソフトセグメントとからなるブロック共重合体が例示される。
前記ポリオレフィンエラストマーのブロック共重合体としては、具体的には主に水添ジエン共重合体から構成されるものが挙げられる。水添ジエン共重合体としては、1,4−結合を多く含む共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(c)と、1,2−結合及び3,4−結合を多く含む共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(d)とからなり、ジエン共重合体中の共役ジエン部分に由来する二重結合が飽和された水添ジエン共重合体が好ましい。尚、ここでいう1,4−結合を多く含む共役ジエン化合物とは、1,2−結合含量と3,4−結合含量と比較して、1,4結合含量が最も多いことを示す。また、1,2−結合及び3,4−結合を多く含む共役ジエン化合物とは、1,4−結合含量と比較して、1,2−結合含量及び3,4−結合含量が最も多いことを示す。尚、共役ジエン化合物を主体とするとは、各重合体ブロック中で共役ジエン化合物の含量が最も多いことを示す。
水添ジエン共重合体を構成する重合体ブロック(c)中の1,4−結合含量は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、水添ジエン共重合体を構成する重合体ブロック(c)の含量は、1〜99重量%が好ましく、5〜65重量%がより好ましく、5〜50重量%が最も好ましい。また、水添ジエン共重合体を構成する重合体ブロック(d)中の1,2−結合含量及び3,4−結合含量は、25%を超えることが好ましく、30%以上がより好ましい。また、前記水添ジエン共重合体中の重合体ブロック(d)の含量は、99〜1重量%が好ましく、95〜35重量%がより好ましく、50〜95重量%が最も好ましい。
水添ジエン共重合体の共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が例示されるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン共重合体を得るためには、共役ジエン化合物として、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンを用いることが好ましい。また、水添ジエン共重合体が、重合体ブロック(c)として、1,2−結合含量が25%以下であるポリブタジエンと、共役ジエン化合物を主体とする重合体であって、水添ジエン共重合体を構成する共役ジエン部分の1,2−結合含量及び3,4−結合含量が50%以上である重合体ブロック(d)とからなるブロック共重合体であり、例えば、(c)−(d)ブロック共重合体、(c)−(d)−(c)ブロック共重合体、または前記ブロック共重合体単位がカップリング剤残基を介して延長または分岐されたブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック共重合体に水素添加を行い、共役ジエン部分に由来する二重結合が70%以上飽和された、数平均分子量が40000〜700000である水添ジエン共重合体である。中でも、CEBCと呼ばれるオレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体を用いて製造した繊維は、伸縮性に優れるため特に好ましい。CEBCとしては、具体的には、JSR DYNARON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。また、該CEBCはフェノキシイミン錯体触媒によって得られたものでも構わない。
本発明では、水添ジエン共重合体の重合体ブロック(d)が、共役ジエン化合物を70重量%以上含有する芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体であって、共役ジエン化合物部分の二重結合含量が25〜70%であり、ブロック構造が(c)−(d−c)n、または(c−d)m(ただし、nは1以上、mは2以上の整数である)で表される直鎖または分岐状のブロック共重合体である水添ジエン共重合体も好ましく利用できる。尚、前記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられ、特に、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
前記ポリオレフィンエラストマーのランダム共重合体とは、2重結合を持つ炭化水素で、C2n(nは2以上の整数)で示されるエチレン、プロピレン、ブテン等のモノマーと、これら以外の少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体であり、特にモノマーがランダムに配列したランダム共重合体である。
本発明においては、密度が0.850〜0.920g/cmの範囲にあるランダム共重合体が好ましい。密度は、伸縮性に影響を及ぼし、密度が0.920g/cmを大きく超えると、得られる不織布の伸縮性は極端に低下する傾向にある。
該ランダム共重合体は、繊維加工した後の風合と伸縮性の点から、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましい。更に、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとからなる共重合体が好ましく、例えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等との共重合体が挙げられる。前記α−オレフィンの中では、特に1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。これらを組合わせたエチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。また本発明に用いられるエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、曳糸性の点から1.5〜4であることが好ましい。具体的には、エンゲージ(商品名、デュポンダウエラストマージャパン(株)製)、タフマー(商品名、三井化学(株)製)が例示される。また本発明で用いられるポリオレフィン共重合体はメタロセン触媒によって製造された共重合体であっても良い。尚、α−オレフィンに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重合体も含まれ、具体的には、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴムが例示される。
前記ポリオレフィンエラストマーとしては、この他に、エラストメリックポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体が好適に使用することができる。
エラストメリックポリプロピレンは、重合体鎖が結晶性のアイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンと、非晶性のアタクチックポリプロピレンとから構成されるステレオブロック構造をとり、アイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンをハードセグメントとし、アタクチックポリプロピレンをソフトセグメントとして共重合した構造物である。尚、本発明では、例えば米国特許第4335225号明細書、同第4522982号明細書、同第5188768号明細書に記載されているエラストメリックポリプロピレンが使用できる。これらは単独重合体及び共重合体の両方を意味する。共重合体はプロピレン単位に加えて、分子中にプロピレン単位以外の他のオレフィン単位、例えばエチレン、ブチレン、ペンテンまたはヘキセン単位を含有しても良い。これらは鎖構造中に実質的に立体規則性ブロック配列を有し、例えば、重合体鎖中に選択的に配列されたアイソタクチックポリプロピレン及びアタクチックポリプロピレン序列のブロックよりなる。
プロピレン−エチレンブロック共重合体とは、ポリプロピレンとポリ(エチレン−co−プロピレン)とがブレンドの状態で存在しているのではなく、国際公開第00/23489号パンフレットに示されるような、ポリプロピレンセグメントとポリ(エチレン−co−プロピレン)とが化学的に結合した真のブロック共重合体である。具体的には、チタン及びハロゲンまたはチタン、マグネシウム及びハロゲンからなる固体触媒成分とトリエチルアルミニウム等の有機金属化合物からなるオレフィン重合触媒の存在下に、必要に応じて電子供与性化合物を添加して、重合反応器、好ましくは特開平9−87343号公報に例示してあるような管型重合反応器を使用して、好ましくは液相法により短時間で重合領域(i)にて所定量のポリプロピレンセグメントを合成した後、直ちに、短時間で後流にある重合領域(ii)にて所定量のポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントを合成することにより、ポリプロピレンセグメントとポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントが化学的に結合(共有結合)したポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−プロピレン)を含むプロピレン−エチレンブロック共重合体が製造できる。このようにして得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体は、重量平均分子量(Mw)が10万以上であり、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメント含有量が5〜100重量%未満であり、かつ全エチレン含有量が2〜95重量%である。
前記のポリウレタンエラストマーとしては、公知のセグメントポリウレタン共重合体を含むものであり、ポリオール成分としては、分子量500〜6000のポリテトラメチレンエーテルグリコール又はポリカプロラクトンポリエステル、ポリカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペート、ポリヘキサメチレン/ブチレンアジペート共重合体、ポリカーボネート/ヘキサメチレンアジペート共重合体、ポリネオペンチレン/ヘキサメチレンアジペート共重合体等又はこれらの少なくとも2種を含む混合ジオール等が代表例として例示される。
A成分にポリウレタンエラストマーを使用する場合にはB成分として使用するポリウレタンエラストマーは、A成分より低い流動開始温度のポリウレタンエラストマーを使用する必要がある。なお、B成分は、本発明の作用効果を阻害しない範囲で、エラストマー以外の熱可塑性樹脂成分を含んでも良い。
本発明のバインダー不織布の好ましい態様の一つは、不織布を構成する繊維が前記A成分と前記B成分を含む複合繊維の場合である。複合繊維の断面は、芯鞘型または並列型あるいは偏心芯鞘型のいずれの形態でも構わないが、B成分が繊維表面積の50%以上を占めている必要がある。B成分が繊維表面積の50%を大きく下回ると充分な接着強力が得られない。本発明のバインダー不織布を熱バインダー用途に使用する場合、成分中の相対的に低い流動開始温度のB成分部分が充分に溶融する条件であり、かつ相対的に高い流動開始温度のA成分部分が充分に溶融しない条件にて処理されることが好ましい。これにより単繊維中の相対的に低い流動開始温度のB成分は、熱バインダー用途に使用した場合に接着成分として充分な性能を発揮するが、単繊維中の相対的に高い流動開始温度のA成分は、熱劣化を起こさず形態を維持するために良好な通気性と柔軟性が維持でき、好ましい形態である。更に、相対的に高い流動開始温度のA成分がエラストマーを含む樹脂である場合には、バインダー不織布に優れた伸縮性が発現でき、接着後に繊維形態を保持できる事からも接着前後の伸縮性の遜色が無く好ましい態様である。
また、本発明のバインダー不織布を構成する繊維の断面形状は、曳糸性を考慮すると丸断面が好ましいが、曳糸性を損なわない範囲であれば、異型断面、または中空断面としてもよい。
本発明のバインダー不織布の好ましい態様のもう一つは、不織布が前記A成分を含む繊維と前記B成分を含む繊維の混合繊維(混繊)状態の場合である。本発明のバインダー不織布を熱バインダー用途に使用する場合、不織布中の相対的に低い流動開始温度のB成分繊維が充分に溶融する条件であり、かつ相対的に高い流動開始温度のA成分繊維が充分に溶融しない条件にて処理されることが好ましい。これにより不織布中の相対的に低い流動開始温度のB成分繊維は、熱バインダー用途に使用した場合に接着成分として充分な性能を発揮するが、不織布中の相対的に高い流動開始温度のA成分繊維は、熱劣化を起こさず形態を維持するために良好な通気性と柔軟性が維持でき、好ましい形態である。更に、相対的に高い流動開始温度のA成分がエラストマーを含む樹脂である場合には、バインダー不織布に優れた伸縮性が発現でき、接着後に繊維形態を保持できる事からも接着前後の伸縮性の遜色が無く好ましい態様である。
また、本発明のバインダー不織布を構成する繊維の断面形状は、曳糸性を考慮すると丸断面が好ましいが、曳糸性を損なわない範囲であれば、異型断面、または中空断面としてもよい。
本発明のバインダー不織布は、スパンボンド法、メルトブロー法、トウ開繊法、カード法、エアーレイド法、抄紙法等の方法によって得られる。スパンボンド法、メルトブロー法を用いる場合には、紡糸された繊維を、直接、ウェブ化し、不織布に加工できる。また、トウ開繊法を用いる場合には、一旦トウを捕集した後、このトウを開繊して不織布に加工できる。更にトウを使用し、トウを5〜60mmの範囲の長さに切断し、カード法、エアレイド法、抄紙法等の方法によってウェブ化し、不織布に加工できる。これらの方法によって得られたバインダー不織布は、ポイントボンド法、汎用のスルーエア法、ポイントスルーエア法、ソニックボンド法、ウォータージェット法、ニードルパンチ法、レジンボンド法等の方法によって、不織布強度を更に高くすることができる。また、カード法による不織布は、製造時に金属との摩擦抵抗値を下げる目的で油剤を付着させる。この様にして作られた不織布は、接着強力が低くなる傾向にあるが、伸縮性、通気性および柔軟性は充分に維持され、油剤を水洗して除去すれば接着強力は強い状態に戻るので、本発明の一態様として使用することができる。
単独で使用する場合における、本発明のバインダー不織布の目付は、特に限定されないが、5〜300g/mが好ましく、より好ましくは10〜200g/m、更に好ましくは20〜150g/mである。
本発明のバインダー不織布を構成する繊維の平均繊維径は、特に限定されないが、2〜80μmが好ましく、より好ましくは10〜50μm、更に好ましくは20〜40μmである。より良好な通気度を確保するうえでも繊維径は15〜40μmが最も好ましい。
スパンボンド法は、溶融した原料樹脂を紡出し、延伸、開繊、捕集及び絡合または接着を行って不織布を形成する方法である。メルトブロー法は、溶融した原料樹脂を高温高圧空気と共に噴射し開繊配列して不織布を形成する方法である。トウ開繊法は、長繊維束(トウ)を延伸し、捲縮付与後に開繊及び拡幅を行って不織布を形成する方法である。なかでも、生産性、製造コスト、生産の容易性、風合の点から本発明ではスパンボンド法とメルトブロー法が好ましく、メルトブロー法が特に好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲内で、本発明のバインダー不織布には、本発明以外の繊維の混綿または混繊を行ってもよい。その混綿または混繊の比率は、接着性を阻害しない範囲内とし、全繊維量の40重量%以下にとどめることが好ましい。また、接着性を阻害しない、熱可塑性エラストマー等の樹脂からなる繊維であれば、その比率は、全繊維量の50重量%以下であってもよい。
本発明のバインダー不織布を混繊型で製造する方法としては、A成分を含む繊維にB成分を含む繊維を混合させる方法には特に限定はなく、従来公知公用の方法を使用することができる。例えばA成分を含む長繊維をメルトブロー法で製造する工程で、捕集コンベアーネット上にA成分を含む長繊維を吹き付ける時にB成分を含む短繊維,長繊維等を供給し混合する方法が例示される。また、B成分を含む短繊維や長繊維のウェブを形成する際に、メルトブロー法で製造されたA成分を含む長繊維を吹き付けてもよい。
本発明のバインダー不織布が混繊型のメルトブロー不織布の場合には、例えば特許第3360377号明細書に記載された1つの紡糸口金に異種の樹脂が流れ出す紡糸孔が交互に一列で並んだ構造の紡糸口金を使用することができる。得られるウェブではA成分を含む長繊維とB成分を含む長繊維がより均一に混合される。また、A成分樹脂用の紡糸口金とB成分樹脂用の紡糸口金を併用し、それぞれの紡糸口金で得られるA成分を含む長繊維ウェブとB成分を含む長繊維ウェブとを積層してもよい。更に、この積層物にニードルパンチ等の処理をして、繊維の混合状態を改良することもできる。より均一な混合状態のウエブを得るには、特許第3360377号明細書に記載された紡糸口金を用いる方法が好ましい。
A成分樹脂とB成分樹脂とに割り当てられる紡糸孔の数を変更したり、各樹脂の押し出し量を変更することにより、バインダー不織布中の各繊維の含有量を変更することができる。また、それぞれの樹脂の紡糸孔当たり異なる押出量で紡糸したり孔径の異なる口金を用いて紡糸することにより、繊度の異なる混合物が得られる。
本発明のバインダー不織布を構成する繊維がスパンボンド法による長繊維の場合は、例えば図-1に記載された1つの紡糸口金に異種の樹脂が流れ出す紡糸孔が千鳥配列に並んだ構造の紡糸口金を使用することができる。得られるウェブではA成分からなる長繊維とB成分からなる長繊維がより均一に混合される。
また、A成分樹脂用の紡糸口金とB成分樹脂用の紡糸口金を併用し、それぞれの紡糸口金で得られるA成分を含む長繊維ウェブとB成分を含む長繊維ウェブとを積層してもよい。更に、この積層物にニードルパンチ等の処理をして、繊維の混合状態を改良することもできる。
A成分樹脂とB成分樹脂とに割り当てられる紡糸孔の数を変更したり、各樹脂の押し出し量を変更することにより、バインダー不織布中の各繊維の含有量を変更することができる。また、それぞれの樹脂の紡糸孔当たり異なる押出量で紡糸したり孔径の異なる口金を用いて紡糸することにより、繊度の異なる混合物が得られる。
本発明のバインダー不織布は、該バインダー不織布以外を熱接着させた積層物の剥離強力が5N/25mm以上であることが好ましい。この剥離強力は、25mm×150mmの本発明のバインダー不織布試験片を用意し、左記と同じサイズの該バインダー不織布以外の布帛を2枚用意する。この2枚布帛の間に試験片を重ね合わせ、ハシマ株式会社製の熱プレス機にて熱圧着処理を行った。圧力と処理時間は、1.8kg/cmと3secの一定とし、温度は試験材料により適宜選択した。
熱圧着後の試験片の剥離強力は、JIS L1086の6.19.1(1)法に準じて測定した値である。この剥離強力が5N/25mm以上である場合に充分な接着ができており、熱バインダーとして充分な役割を果たす。
本発明のバインダー不織布は、その少なくとも片面に、該バインダー不織布以外の不織布、皮革、フィルム、ウェブ、織物、編物、繊維束から選ばれる少なくとも1種(被積層材料という)を積層し、積層物とすることができる。積層に使用される被積層材料は、特に限定されないが、目的によって種々の材料が適宜選択され、利用できる。例えば、穴あけ加工不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、エラストマーフィルム、スパンボンドポイントボンド不織布、ポイントスルーエア不織布、汎用のスルーエア不織布等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のバインダー不織布を積層して用いる場合、積層後のバインダー不織布の伸縮性が良好な事から、伸長性のある材料との積層にも優れる。特に、被積層材料として伸長性のある不織布を用いた場合、通気性にも優れた好ましい積層不織布(積層物)が得られる。このように、伸縮性・伸長性のある積層不織布を得ようとする場合は、ユーザーでの加工性を考慮して、被積層材料として機械と垂直方向に10%以上の伸長を有する不織布を使用することが好ましい。この時、機械と並行方向には特に伸長性は必要ではなく、積層不織布が機械と並行方向に伸長しない方が機械の走行を安定化することができる。機械と斜め方向に伸長することは問題ない。この時の伸長性とは、伸長した時に繊維および繊維間の接着の破断が発生しない状態を示す。つまり10%以上の伸長とは、不織布を伸長させた場合に伸長前の長さの10%以上伸長させても繊維および繊維間の接着の破断が発生しない物を示す。この様な伸長性のある不織布は、バインダー不織布の伸縮性に追従し、より柔軟な積層不織布が得られる。特に、伸長性は大きい方が好ましく、20%以上、更に好ましくは30%以上である。
本発明で用いられる樹脂成分には、本発明の効果を阻害しない範囲で付加的な添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消剤、着色剤、柔軟性付与剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、銅害防止剤、防菌・防黴剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、発泡剤、発泡助剤、粘着付与剤、酸化チタン、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、低分子量ポリマー等が挙げられる。
特に屋外で使用される用途においては、従来から用いられている紫外線吸収剤のいずれかを使用でき、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、p−オクチルフェニルサリチレート、ドデシルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
本発明で使用される粘着付与剤は、特に限定されないが、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系樹脂、芳香族系樹脂、脂環族系樹脂、クマロン・インデン樹脂などがある。ロジン系樹脂としてはガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、二量化ロジン、ロジンフェノールおよびこれらのロジンの各種アルコール(グリセリンやペンタエリスリトールなど)エステル類が挙げられ、市販品として具体的には、荒川化学(株)製の商品名エステルガム、ハイペール、スーパーエステル、ペンセル、タマノルなど、イーストマンケミカル社製の商品名ポリペール、ダイマレックス、ハーコリン、フォーラルなどが挙げられる。
テルペン系樹脂としては、αピネン、βピネン、ジペンテン、テルペンフェノール、スチレン変性テルペン、およびそれらの水素添加品が挙げられ、市販品としてはヤスハラケミカル(株)製の商品名YSレジン、YSポリスター、クリアロンなど、アリゾナケミカル社製の商品名ゾナライト、ゾナタック、ナイレッツなどが挙げられる。
脂肪族系樹脂は、ナフサ分解油の内のイソプレンやシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンのようなC5系留分を重合して得た樹脂とその水素添加品で、市販品としてはトーネックス(株)製の商品名エスコレッツ1000、日本ゼオン(株)製の商品名クイントン、丸善石油化学(株)製商品名マルカレッツ、グッドイヤーケミカル製の商品名ウィングタックなどが挙げられる。
芳香族系樹脂は、ナフサ分解油のスチレン類やインデン類などのC9系留分を重合したもので、市販品としては東ソー(株)製商品名ペトコール、東邦化学(株)製商品名ハイレジン、三井化学(株)製商品名FTR、イーストマンケミカル社製商品名クリスタレックスなどが挙げられる。
脂環族系樹脂は分子中に芳香族ではない環状の化合物を持ったものであり、市販品として三井化学(株)製の商品名ハイレッツ、荒川化学(株)製の商品名アルコン、ハーキュレス(株)製の商品名リガルレッツ、トーネックス(株)製の商品名エスコレッツ5000などが挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における測定結果は下記の方法により求めた。
(1)不織布(または積層物)の伸長回復率(50%伸長時の伸長回復率)
幅25mm長さ200mmの不織布試験片を、不織布の機械方向を長さ方向にして作製する。引張試験機オートグラフAG−G(商品名、(株)島津製作所製)を用い、チャック間を100mmに設定し試験片を固定した。引張速度300mm/分で50%まで伸長させた後、同じ速度で戻し、不織布に掛かる負荷を0とした。その直後、再び同じ速度で50%まで伸長させ、負荷が再び始まる時の伸びた長さをLmmとした。伸長回復率は下記式に従って求めた。
50%伸長時の伸長回復率(%)={(100※1−L)/100※1}×100
※1:チャック間の試験片の最初の長さ(mm)
(2)流動開始温度
本発明に示す流動開始温度とは、JIS K7210に記載されている高化式フローテスターを用いて、荷重10kgf、ダイ孔径1mm、孔長1mm、昇温速度3℃/分、測定間隔2℃の条件のもとで、昇温に伴い試料が膨張する範囲を過ぎ、流動域に達した際にピストンが下降し始める時の温度を流動開始温度とする。
(3)通気度
JIS L1096の8.27.1のA法のフラジール法にて通気度(cc/cm/sec)を求めた。通気度が3(cc/cm/sec)以上を優れた通気度と判断した。
(4)柔軟性
剛軟度JIS L1096の8.19.1のA法の45°カンチレバー法に準じて測定した。ただし測定サンプルサイズは、25mm×150mmにて測定した。剛軟度50以下を優れた柔軟性と判断した。
(5)剥離強度
25mm×150mmの試験片を用意した。左記と同じサイズのナイロンツーウェイトリコット布(ナイロン/ポリウレタン:20重量%/80重量%、200g/m、通気度160cc/cm/sec)を2枚用意した。この2枚のナイロンツーウェイトリコット布の間に試験片を重ね合わせ、ハシマ株式会社製の熱プレス機にて熱圧着処理を行った。圧力と処理時間は、1.8kg/cmと3secの一定とし、温度は試験材料により適宜選択した。温度は、B成分の流動開始温度より20℃〜30℃高い温度で行った。
熱圧着後の試験片の剥離強力は、JIS L1086の7.19.1法に準じて測定した。
(6)平均繊維径
バインダー不織布の任意5ヶ所から縦10mm横10mmの不織布片(合計5枚)を切り取り、走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて表面を観察した。1枚の不織布片から20本の繊維径を測定しこれを5枚の不織布片にて測定し、合計100本の繊維径の平均値を算出し平均繊維径とした。
本発明の実施例、比較例において使用した材料は以下の通りである(なお、原料樹脂の詳細については、表1,表2参照)。
PP:ポリプロピレン
HDPE:高密度ポリエチレン
PET:ポリエチレンテレフタレート
TPU1:エステル系ポリウレタンエラストマー
TPU2:ポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー
TPU3:エーテル系ポリウレタンエラストマー
TPE:ポリエステルエラストマー(グリラックス(商品名)、大日本インキ化学工業(株)製)。
TPA:ポリアミドエラストマー(ペバックス((商品名)、アトフィナ・ジャパン(株)製)。
TPS:スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(スチレン30重量%、MFR(230℃、2.13kg)=150g/10min、比重0.91)
TPO:オレフィンエラストマー(エチレン・オクテンランダム共重合体、比重0.885、MFR30g/10min)
実施例1
A成分としてTPU1、B成分としてTPU2を原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホールが一列、異成分繊維が交互に一列に並んだ、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取機からなる不織布製造装置を用いてメルトブロー不織布の製造を行った。
それぞれの押出機に投入し、加熱体によりTPU1を230℃、TPU2を230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が50/50となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たり0.25g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維を270℃に加熱した98kPa(ゲ−ジ圧)の圧縮空気によって、走行速度1.2m/分で走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベアーは、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。捕集コンベアーで搬送された不織布を巻取機にてロール状に巻取った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
また、実施例1のバインダー不織布を200g/mのナイロンツーウェイトリコット布同士を貼り合せに用いた。この積層物をスイミング用の帽子に利用したが、剥がれることも無く、快適に利用できた。
実施例2
A成分としてTPU1、B成分としてTPU2をバインダー不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(40mm径)、加熱体、及びギアポンプを有する2機の押出機、図1の紡糸孔配列を持つ混繊用の紡糸口金(孔径0.4mm、120孔)、エアーサッカー、帯電法開繊機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、ポイントボンド加工機及び巻取機からなる装置を用いてスパンボンド不織布の製造を行った。それぞれの押出機にTPU1とTPU2をそれぞれ投入し、加熱体によりTPU1を230℃で、TPU2を230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が50/50となるように設定し、紡糸口金から単孔当たり0.29g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維をエアーサッカーに導入し直後に帯電法開繊機によって開繊させ捕集コンベアー上に捕集した。エアーサッカーの空気圧は、196kPaとした。捕集コンベアー上のウェブを上下ロール温度120℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付102g/mのバインダー不織布を得た。得られたバインダー不織布の物性の測定結果を表1に示した。得られた熱バインダー不織布は、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例3
A成分としてTPU1、B成分としてTPU2をバインダー不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機押出機、紡糸口金(孔径0.6mm、孔数350ホール)及び冷却装置を備えた紡糸機と、引取ロール(ゴデーロール)及び巻取機からなる引取装置を用いて溶融紡糸を行った。なお引取ロールと巻取機の間には油剤付着のためのキスロールを設置した。
それぞれの押出機にTPU1とTPU2を投入し、加熱体によりTPU1を230℃でTPU2を230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が50/50となるように設定し、紡糸口金から単孔当たり0.30g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維に冷却装置で冷却風をあて、単糸同士が癒着しないようにキスロールで油剤を付着し、600m/分の速度で巻取った。巻き取ったフィラメントを押込型のクリンパーにてクリンプを付与し、カード機によりウェブとし、上下ロール温度120℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付102g/mのバインダー不織布を得た。得られたバインダー不織布の物性の測定結果を表1に示した。得られたバインダー不織布は、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例4
捕集コンベアーの走行速度を4.2m/分とした以外は、全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が31g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例5
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が10/90となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.025g/分と0.225g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が103g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例6
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が30/70となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.075g/分と0.175g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例7
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が90/10となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.225g/分と0.025g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例8
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が70/30となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.175g/分と0.075g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例9
芯鞘複合繊維用紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホールが一列、有効幅500mm)を用いた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例10
並列複合繊維用紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホールが一列、有効幅500mm)を用いた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。この時、得られたバインダー不織布を構成する並列複合繊維の長さ方向に対して垂直に切断し、断面を走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて観察し、繊維全体の周囲長とTPU2成分の周囲長を画像解析装置にて実際に測定した。TPU2成分露出長さ/繊維断面外周長さの百分率%は、62%であった(数値は5本の繊維の平均値である)。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例11
A成分としてTPU1、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPU1を230℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が103g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と150℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例12
A成分としてTPU1、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPU1を230℃、TPOを210℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPOの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例13
A成分としてTPA、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPAを250℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPA/TPOの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が101g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例14
A成分としてTPE、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPEを220℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPE/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と150℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例15
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例16
A成分としてPE、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを220℃、TPOを210℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPE/TPOの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例17
A成分としてPET、B成分としてTPU2を原料樹脂として用いた。加熱体によりPETを300℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPET/TPU2の重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が105g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例18
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が30/70となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例19
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例9と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例20
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例10と同様な条件にて製造した。この時、得られたバインダー不織布を構成する並列複合繊維の長さ方向に対して垂直に切断し、断面を走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて観察し、繊維全体の周囲長とTPS成分の周囲長を画像解析装置にて実際に測定した。TPS成分露出長さ/繊維断面外周長さの百分率%は、60%であった(数値は5本の繊維の平均値である)。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
実施例21
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定し、捕集コンベアーの速度を6.0m/分にした以外は、全て実施例15と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表4に示す。得られたバインダー不織布は、目付が21g/mであった。そして20g/m2のポイントボンドされたポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚用意し、得られたバインダー不織布を中間層として前記ポリプロピレンスパンボンド不織布を両側にし、140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた通気度と柔軟性を有していた。
実施例22
A成分としてPP、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPOを210℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPE/TPOの重量比が50/50となる様に設定し、捕集コンベアーの速度を6.0m/分にした以外は、全て実施例15と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表4に示す。得られたバインダー不織布は、目付が20g/mであった。そして20g/m2のポイントボンドされたポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚用意し、得られたバインダー不織布を中間層として前記ポリプロピレンスパンボンド不織布を両側にし、100℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた通気度と柔軟性を有していた。
実施例23
実施例12で得られたバインダー不織布を用いた。そして20g/m2の芯/鞘(50重量%/50重量%)=線状低密度ポリエチレン/ポリプロピレンの複合繊維構造のポイントボンドされたスパンボンド不織布を用意した。このスパンボンド不織布を110℃に加熱した延伸ロールを用いMD方向に1.3倍の延伸を行い、機械垂直方向に30%伸長できる不織布を2枚用意した。得られたバインダー不織布を中間層として前記スパンボンド不織布を両側にし、120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた通気度と柔軟性を有していた。
比較例1
TPU2のみを原料樹脂として用いた。2基の押出機の両方共にTPU2を投入し、加熱体によりTPU2を230℃で加熱溶融させ、紡糸口金から単孔当たり0.25g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるが、熱バインダーとして使用した後に
繊維形態を維持しない為、通気性と柔軟性が劣っていた。
比較例2
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が5/95となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.0125g/分と0.2375g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるが、TPU1成分が少ない為に熱バインダーとして使用した後に繊維形態を維持しない為、通気性と柔軟性が劣っていた。
比較例3
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が95/5となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.2375g/分と0.0125g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、TPU2成分が少ない為に熱バインダーとしての機能(剥離強度)が劣っていた。
比較例4
A成分としてTPU2、B成分としてTPU3を原料樹脂として用いた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/mであり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と150℃にて接着させた。熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるが、熱バインダーとして使用した後にTPU2成分とTPU3成分の流動開始温度の差が少なく繊維形態を維持しない為、通気性が著しく劣っていた。また柔軟性も劣っていた。
比較例5
ギアポンプをPP/TPSの重量比が95/5となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりPPとTPSを其々0.2375g/分と0.0125g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表3に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/mであった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、TPS成分が少ない為に熱バインダーとしての機能(剥離強度)が劣っていた。
比較例6
ギアポンプをPP/TPSの重量比が95/5となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりPPとTPSを其々0.2375g/分と0.0125g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、捕集コンベアーの速度を6.0m/分にした以外は全て実施例21と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表4に示す。得られたバインダー不織布は、目付が20g/mであった。そして20g/m2のポイントボンドされたポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚用意し、得られた熱バインダー不織布を中間層として前記ポリプロピレンスパンボンド不織布を両側にし、120℃にて接着させたが、TPS成分が少ない為に熱バインダーとしての機能(剥離強度)が劣っていた。
Figure 0004810924
Figure 0004810924
Figure 0004810924
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本発明のバインダー不織布は、接着性と通気性そして柔軟性に優れることから、例えば、衛生材料、服の芯地、2枚の布帛の貼り合せ、発泡ウレタンシートと布帛の貼り合せ、ワッペン等の衣料部品と服地等への貼り合せ、通気性シートと布帛の貼り合せ、2枚の通気性シートの貼り合せ等の種々繊維製品にも利用できる。なお、本発明のバインダー不織布の用途はこれらに限定されるものではない。
本発明の長繊維混繊不織布をスパンボンド法にて製造する場合の紡糸口金の紡糸孔配列の一例を示す図。○はA成分樹脂の紡糸孔、●はB成分樹脂の紡糸孔を表す。

Claims (9)

  1. 相対的に流動開始温度の異なる熱可塑性樹脂であるA成分およびB成分を含む繊維を用いて得られる、下記(1)〜(5)を満足させる熱バインダー不織布。
    (1)A成分の流動開始温度がa(℃)、
    B成分の流動開始温度がb(℃)であるとき、
    20≦(a−b)≦150
    (2)A成分がエラストマーを含み、B成分がポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマーから選ばれる少なくとも一種である
    (3)A成分/B成分の重量比が10/90〜90/10
    (4)不織布が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維を含む混繊状態であるか、または繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維で構成されている。
    (5)不織布機械方向における50%伸長時の伸長回復率が80%以上である。
  2. A成分がポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の熱バインダー不織布。
  3. 熱バインダー不織布を構成する繊維が、繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維である請求項1〜のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
  4. 熱バインダー不織布を構成する繊維が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維が混繊状態である請求項1〜のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
  5. バインダー不織布がメルトブロー法またはスパンボンド法によって製造される請求項1〜のいずれか1項記載の熱バインダー不織布。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布の少なくとも片面に前記熱バインダー不織布以外の不織布、皮革、フィルム、ウェブ、織物、編物、繊維束から選ばれる少なくとも1種の被積層材料を積層してなる積層物。
  7. 前記熱バインダー不織布に積層する被積層材料が、機械垂直方向に10%以上の伸長性を有する不織布である請求項記載の積層物。
  8. 熱バインダー不織布と前記被積層材料の層間の剥離強力が5N/25mm以上である請求項7のいずれか1項に記載の積層物。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布または請求項8のいずれか1項に記載の積層物を用いた繊維製品。
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