JP4810924B2 - 熱バインダー不織布及びこれらを用いた積層物 - Google Patents
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Description
特にアパレル市場では、被積層素材の機能を阻害せず、かつ高接着性である熱バインダー不織布が要求されている。その内、ポリウレタンエラストマーは、特に他素材との接着性に優れることから、市場に受け入れられている(例えば特許文献1参照)。しかし、単一成分からなるこれらの熱バインダー不織布は、接着後の接着強力は優れるものの、熱バインダー不織布を構成する繊維が熱により劣化および繊維形状が維持されていないことから、接着後は柔軟性が損なわれるという問題点がある。また、被積層素材が伸縮性を有する素材である場合には、伸縮機能を阻害する問題点もある。すなわち、エラストマーは伸縮性に優れており、不織布の材料として有用ではあるが、熱バインダー不織布として利用しようとする場合、エラストマー本来の伸縮性が損なわれるという問題があった。
[1] 相対的に流動開始温度の異なる熱可塑性樹脂であるA成分およびB成分を含む繊維を用いて得られる、下記(1)〜(5)を満足させる熱バインダー不織布。
(1)A成分の流動開始温度がa(℃)、
B成分の流動開始温度がb(℃)であるとき、
20≦(a−b)≦150
(2)A成分がエラストマーを含み、B成分がポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマーから選ばれる少なくとも一種である。
(3)A成分/B成分の重量比が10/90〜90/10
(4)不織布が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維を含む混繊状態であるか、または繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維で構成されている。
(5)不織布機械方向における50%伸長時の伸長回復率が80%以上である。
[2] A成分がポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくとも一種である前記[1]項に記載の熱バインダー不織布。
[3] 熱バインダー不織布を構成する繊維が、繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維である前記[1]項〜[2]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
[4] 熱バインダー不織布を構成する繊維が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維が混繊状態である前記[1]項〜[2]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
[5] 熱バインダー不織布がメルトブロー法またはスパンボンド法によって製造される前記[1]項〜[4]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
[6] 前記[1]項〜[5]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布の少なくとも片面に前記熱バインダー不織布以外の不織布、皮革、フィルム、ウェブ、織物、編物、繊維束から選ばれる少なくとも1種の被積層材料を積層してなる積層物。
[7] 前記熱バインダー不織布に積層する被積層材料が機械垂直方向に10%以上伸長性を有する不織布である前記[6]項記載の積層物。
[8] 熱バインダー不織布と前記被積層材料の層間の剥離強力が5N/25mm以上である前記[6]項〜[7]項のいずれか1項に記載の積層物。
[9] 前記[1]項〜[5]項のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布または前記[6]項〜[8]項のいずれか1項に記載の積層物を用いた繊維製品。
本発明の熱バインダー不織布は、相対的に流動開始温度の異なる熱可塑性樹脂であるA成分およびB成分を含む繊維を用いて得られる、下記(1)〜(4)を満足させる熱バインダー不織布である。
(1)A成分の流動開始温度がa(℃)、
B成分の流動開始温度がb(℃)であるとき、
20≦(a−b)≦150
(2)B成分がエラストマーを含む。
(3)A成分/B成分の重量比が10/90〜90/10
(4)不織布が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維を含む混繊状態であるか、または繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維で構成されている。
このようなエラストマーとしては、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマーを挙げることができる。
また、A成分の流動開始温度:a(℃)と、B成分の流動開始温度:b(℃)との関係は、式(1)20≦(a−b)≦150が適切な範囲である。(a−b)が20℃以上の場合、熱バインダーとして接着した後に相対的に高い流動開始温度のA成分が溶融することはない。これにより、A成分は接着後にも繊維形態を保持し、充分な通気性と柔軟性を維持することができる。また、A成分とB成分を同一ノズルにより紡糸する場合には、2成分間の紡糸温度が極端に異なると紡糸性が確保できない。(a−b)が150℃以下であれば、充分な紡糸性が確保される。
前記のポリウレタンエラストマーとしては、公知のセグメントポリウレタン共重合体を含むものであり、ポリオール成分としては、分子量500〜6000のポリテトラメチレンエーテルグリコール又はポリカプロラクトンポリエステル、ポリカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペート、ポリヘキサメチレン/ブチレンアジペート共重合体、ポリカーボネート/ヘキサメチレンアジペート共重合体、ポリネオペンチレン/ヘキサメチレンアジペート共重合体等又はこれらの少なくとも2種を含む混合ジオール等が代表例として例示される。
前記のポリスチレンエラストマーは、芳香族ビニル化合物と、他のコモノマーとを共重合体させることによって得ることができる。他のコモノマーには、芳香族ビニル化合物と共重合が可能なモノマーを使用でき、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン化合物、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンや、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸とメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール等のアルコールとからなるエステル化合物等を挙げることができる。
このようなスチレンブロック共重合体として、具体的には、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)等のブロック共重合体が挙げられる。商品名の具体例として、KRATON G(商品名、クレイトンポリマージャパン(株)製)、SEPTON(商品名、クラレ(株)製)、タフテック(商品名、旭化成(株)製)、JSR DYNARON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。
該水添スチレン−ジエン共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、3−エチルブタジエンが挙げられる。好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、更に好ましくは1,3−ブタジエンである。また、該水添スチレン−ジエン共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレンであり、更に好ましくはスチレンである。
該水添スチレン−ジエン共重合体は、少なくとも1種の共役ジエン化合物と3〜50重量%の芳香族ビニル化合物との共重合体であって、分子量分布(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)が10以下であり、かつ該水添スチレン−ジエン共重合体を構成するジエン部分の二重結合含有率が10〜90%である共重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも80%が水素添加された共重合体が好ましい。二重結合の含有量は、赤外分光法を用いMorero法によって測定され、その測定法や測定条件等は、例えば錦田晃一・岩本令吉著「赤外法による材料分析」(1986年講談社刊)、第215〜217ページに解説されている。
このような水添スチレン−ジエン共重合体の具体例としては、JSR DYNARON(商品名、JSR(株)製)等が挙げられる。
本発明においては、密度が0.850〜0.920g/cm3の範囲にあるランダム共重合体が好ましい。密度は、伸縮性に影響を及ぼし、密度が0.920g/cm3を大きく超えると、得られる不織布の伸縮性は極端に低下する傾向にある。
エラストメリックポリプロピレンは、重合体鎖が結晶性のアイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンと、非晶性のアタクチックポリプロピレンとから構成されるステレオブロック構造をとり、アイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンをハードセグメントとし、アタクチックポリプロピレンをソフトセグメントとして共重合した構造物である。尚、本発明では、例えば米国特許第4335225号明細書、同第4522982号明細書、同第5188768号明細書に記載されているエラストメリックポリプロピレンが使用できる。これらは単独重合体及び共重合体の両方を意味する。共重合体はプロピレン単位に加えて、分子中にプロピレン単位以外の他のオレフィン単位、例えばエチレン、ブチレン、ペンテンまたはヘキセン単位を含有しても良い。これらは鎖構造中に実質的に立体規則性ブロック配列を有し、例えば、重合体鎖中に選択的に配列されたアイソタクチックポリプロピレン及びアタクチックポリプロピレン序列のブロックよりなる。
A成分にポリウレタンエラストマーを使用する場合にはB成分として使用するポリウレタンエラストマーは、A成分より低い流動開始温度のポリウレタンエラストマーを使用する必要がある。なお、B成分は、本発明の作用効果を阻害しない範囲で、エラストマー以外の熱可塑性樹脂成分を含んでも良い。
また、本発明のバインダー不織布を構成する繊維の断面形状は、曳糸性を考慮すると丸断面が好ましいが、曳糸性を損なわない範囲であれば、異型断面、または中空断面としてもよい。
また、本発明のバインダー不織布を構成する繊維の断面形状は、曳糸性を考慮すると丸断面が好ましいが、曳糸性を損なわない範囲であれば、異型断面、または中空断面としてもよい。
A成分樹脂とB成分樹脂とに割り当てられる紡糸孔の数を変更したり、各樹脂の押し出し量を変更することにより、バインダー不織布中の各繊維の含有量を変更することができる。また、それぞれの樹脂の紡糸孔当たり異なる押出量で紡糸したり孔径の異なる口金を用いて紡糸することにより、繊度の異なる混合物が得られる。
また、A成分樹脂用の紡糸口金とB成分樹脂用の紡糸口金を併用し、それぞれの紡糸口金で得られるA成分を含む長繊維ウェブとB成分を含む長繊維ウェブとを積層してもよい。更に、この積層物にニードルパンチ等の処理をして、繊維の混合状態を改良することもできる。
A成分樹脂とB成分樹脂とに割り当てられる紡糸孔の数を変更したり、各樹脂の押し出し量を変更することにより、バインダー不織布中の各繊維の含有量を変更することができる。また、それぞれの樹脂の紡糸孔当たり異なる押出量で紡糸したり孔径の異なる口金を用いて紡糸することにより、繊度の異なる混合物が得られる。
熱圧着後の試験片の剥離強力は、JIS L1086の6.19.1(1)法に準じて測定した値である。この剥離強力が5N/25mm以上である場合に充分な接着ができており、熱バインダーとして充分な役割を果たす。
テルペン系樹脂としては、αピネン、βピネン、ジペンテン、テルペンフェノール、スチレン変性テルペン、およびそれらの水素添加品が挙げられ、市販品としてはヤスハラケミカル(株)製の商品名YSレジン、YSポリスター、クリアロンなど、アリゾナケミカル社製の商品名ゾナライト、ゾナタック、ナイレッツなどが挙げられる。
脂肪族系樹脂は、ナフサ分解油の内のイソプレンやシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンのようなC5系留分を重合して得た樹脂とその水素添加品で、市販品としてはトーネックス(株)製の商品名エスコレッツ1000、日本ゼオン(株)製の商品名クイントン、丸善石油化学(株)製商品名マルカレッツ、グッドイヤーケミカル製の商品名ウィングタックなどが挙げられる。
芳香族系樹脂は、ナフサ分解油のスチレン類やインデン類などのC9系留分を重合したもので、市販品としては東ソー(株)製商品名ペトコール、東邦化学(株)製商品名ハイレジン、三井化学(株)製商品名FTR、イーストマンケミカル社製商品名クリスタレックスなどが挙げられる。
脂環族系樹脂は分子中に芳香族ではない環状の化合物を持ったものであり、市販品として三井化学(株)製の商品名ハイレッツ、荒川化学(株)製の商品名アルコン、ハーキュレス(株)製の商品名リガルレッツ、トーネックス(株)製の商品名エスコレッツ5000などが挙げられる。これらは、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
幅25mm長さ200mmの不織布試験片を、不織布の機械方向を長さ方向にして作製する。引張試験機オートグラフAG−G(商品名、(株)島津製作所製)を用い、チャック間を100mmに設定し試験片を固定した。引張速度300mm/分で50%まで伸長させた後、同じ速度で戻し、不織布に掛かる負荷を0とした。その直後、再び同じ速度で50%まで伸長させ、負荷が再び始まる時の伸びた長さをLmmとした。伸長回復率は下記式に従って求めた。
50%伸長時の伸長回復率(%)={(100※1−L)/100※1}×100
※1:チャック間の試験片の最初の長さ(mm)
本発明に示す流動開始温度とは、JIS K7210に記載されている高化式フローテスターを用いて、荷重10kgf、ダイ孔径1mm、孔長1mm、昇温速度3℃/分、測定間隔2℃の条件のもとで、昇温に伴い試料が膨張する範囲を過ぎ、流動域に達した際にピストンが下降し始める時の温度を流動開始温度とする。
JIS L1096の8.27.1のA法のフラジール法にて通気度(cc/cm2/sec)を求めた。通気度が3(cc/cm2/sec)以上を優れた通気度と判断した。
剛軟度JIS L1096の8.19.1のA法の45°カンチレバー法に準じて測定した。ただし測定サンプルサイズは、25mm×150mmにて測定した。剛軟度50以下を優れた柔軟性と判断した。
25mm×150mmの試験片を用意した。左記と同じサイズのナイロンツーウェイトリコット布(ナイロン/ポリウレタン:20重量%/80重量%、200g/m2、通気度160cc/cm2/sec)を2枚用意した。この2枚のナイロンツーウェイトリコット布の間に試験片を重ね合わせ、ハシマ株式会社製の熱プレス機にて熱圧着処理を行った。圧力と処理時間は、1.8kg/cm2と3secの一定とし、温度は試験材料により適宜選択した。温度は、B成分の流動開始温度より20℃〜30℃高い温度で行った。
熱圧着後の試験片の剥離強力は、JIS L1086の7.19.1法に準じて測定した。
バインダー不織布の任意5ヶ所から縦10mm横10mmの不織布片(合計5枚)を切り取り、走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて表面を観察した。1枚の不織布片から20本の繊維径を測定しこれを5枚の不織布片にて測定し、合計100本の繊維径の平均値を算出し平均繊維径とした。
PP:ポリプロピレン
HDPE:高密度ポリエチレン
PET:ポリエチレンテレフタレート
TPU1:エステル系ポリウレタンエラストマー
TPU2:ポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー
TPU3:エーテル系ポリウレタンエラストマー
TPE:ポリエステルエラストマー(グリラックス(商品名)、大日本インキ化学工業(株)製)。
TPA:ポリアミドエラストマー(ペバックス((商品名)、アトフィナ・ジャパン(株)製)。
TPS:スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(スチレン30重量%、MFR(230℃、2.13kg)=150g/10min、比重0.91)
TPO:オレフィンエラストマー(エチレン・オクテンランダム共重合体、比重0.885、MFR30g/10min)
A成分としてTPU1、B成分としてTPU2を原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホールが一列、異成分繊維が交互に一列に並んだ、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、及び巻取機からなる不織布製造装置を用いてメルトブロー不織布の製造を行った。
それぞれの押出機に投入し、加熱体によりTPU1を230℃、TPU2を230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が50/50となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たり0.25g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維を270℃に加熱した98kPa(ゲ−ジ圧)の圧縮空気によって、走行速度1.2m/分で走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベアーは、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。捕集コンベアーで搬送された不織布を巻取機にてロール状に巻取った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてTPU1、B成分としてTPU2をバインダー不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(40mm径)、加熱体、及びギアポンプを有する2機の押出機、図1の紡糸孔配列を持つ混繊用の紡糸口金(孔径0.4mm、120孔)、エアーサッカー、帯電法開繊機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、ポイントボンド加工機及び巻取機からなる装置を用いてスパンボンド不織布の製造を行った。それぞれの押出機にTPU1とTPU2をそれぞれ投入し、加熱体によりTPU1を230℃で、TPU2を230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が50/50となるように設定し、紡糸口金から単孔当たり0.29g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維をエアーサッカーに導入し直後に帯電法開繊機によって開繊させ捕集コンベアー上に捕集した。エアーサッカーの空気圧は、196kPaとした。捕集コンベアー上のウェブを上下ロール温度120℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付102g/m2のバインダー不織布を得た。得られたバインダー不織布の物性の測定結果を表1に示した。得られた熱バインダー不織布は、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてTPU1、B成分としてTPU2をバインダー不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機押出機、紡糸口金(孔径0.6mm、孔数350ホール)及び冷却装置を備えた紡糸機と、引取ロール(ゴデーロール)及び巻取機からなる引取装置を用いて溶融紡糸を行った。なお引取ロールと巻取機の間には油剤付着のためのキスロールを設置した。
それぞれの押出機にTPU1とTPU2を投入し、加熱体によりTPU1を230℃でTPU2を230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が50/50となるように設定し、紡糸口金から単孔当たり0.30g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、吐出した繊維に冷却装置で冷却風をあて、単糸同士が癒着しないようにキスロールで油剤を付着し、600m/分の速度で巻取った。巻き取ったフィラメントを押込型のクリンパーにてクリンプを付与し、カード機によりウェブとし、上下ロール温度120℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付102g/m2のバインダー不織布を得た。得られたバインダー不織布の物性の測定結果を表1に示した。得られたバインダー不織布は、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
捕集コンベアーの走行速度を4.2m/分とした以外は、全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が31g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が10/90となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.025g/分と0.225g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が103g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が30/70となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.075g/分と0.175g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が90/10となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.225g/分と0.025g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が70/30となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.175g/分と0.075g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
芯鞘複合繊維用紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホールが一列、有効幅500mm)を用いた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
並列複合繊維用紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホールが一列、有効幅500mm)を用いた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。この時、得られたバインダー不織布を構成する並列複合繊維の長さ方向に対して垂直に切断し、断面を走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて観察し、繊維全体の周囲長とTPU2成分の周囲長を画像解析装置にて実際に測定した。TPU2成分露出長さ/繊維断面外周長さの百分率%は、62%であった(数値は5本の繊維の平均値である)。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表1に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてTPU1、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPU1を230℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が103g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と150℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてTPU1、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPU1を230℃、TPOを210℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPU1/TPOの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてTPA、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPAを250℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPA/TPOの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が101g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてTPE、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりTPEを220℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをTPE/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と150℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてPE、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを220℃、TPOを210℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPE/TPOの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてPET、B成分としてTPU2を原料樹脂として用いた。加熱体によりPETを300℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPET/TPU2の重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が105g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が30/70となる様に設定した以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例9と同様な条件にて製造した。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定した以外は、全て実施例10と同様な条件にて製造した。この時、得られたバインダー不織布を構成する並列複合繊維の長さ方向に対して垂直に切断し、断面を走査型電子顕微鏡(日本電子工業(株)製)にて観察し、繊維全体の周囲長とTPS成分の周囲長を画像解析装置にて実際に測定した。TPS成分露出長さ/繊維断面外周長さの百分率%は、60%であった(数値は5本の繊維の平均値である)。その後にテンター使用し機械垂直方向に1.5倍の延伸処理を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた伸縮性と通気度および柔軟性を有していた。
A成分としてPP、B成分としてTPSを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPSを230℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPP/TPSの重量比が50/50となる様に設定し、捕集コンベアーの速度を6.0m/分にした以外は、全て実施例15と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表4に示す。得られたバインダー不織布は、目付が21g/m2であった。そして20g/m2のポイントボンドされたポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚用意し、得られたバインダー不織布を中間層として前記ポリプロピレンスパンボンド不織布を両側にし、140℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた通気度と柔軟性を有していた。
A成分としてPP、B成分としてTPOを原料樹脂として用いた。加熱体によりPPを270℃、TPOを210℃で加熱溶融させ、ギアポンプをPE/TPOの重量比が50/50となる様に設定し、捕集コンベアーの速度を6.0m/分にした以外は、全て実施例15と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表4に示す。得られたバインダー不織布は、目付が20g/m2であった。そして20g/m2のポイントボンドされたポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚用意し、得られたバインダー不織布を中間層として前記ポリプロピレンスパンボンド不織布を両側にし、100℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた通気度と柔軟性を有していた。
実施例12で得られたバインダー不織布を用いた。そして20g/m2の芯/鞘(50重量%/50重量%)=線状低密度ポリエチレン/ポリプロピレンの複合繊維構造のポイントボンドされたスパンボンド不織布を用意した。このスパンボンド不織布を110℃に加熱した延伸ロールを用いMD方向に1.3倍の延伸を行い、機械垂直方向に30%伸長できる不織布を2枚用意した。得られたバインダー不織布を中間層として前記スパンボンド不織布を両側にし、120℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるのは勿論のこと、熱バインダーとして使用した後にでも優れた通気度と柔軟性を有していた。
TPU2のみを原料樹脂として用いた。2基の押出機の両方共にTPU2を投入し、加熱体によりTPU2を230℃で加熱溶融させ、紡糸口金から単孔当たり0.25g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は、全て実施例1と同様な条件にて製造した。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が100g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるが、熱バインダーとして使用した後に
繊維形態を維持しない為、通気性と柔軟性が劣っていた。
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が5/95となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.0125g/分と0.2375g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるが、TPU1成分が少ない為に熱バインダーとして使用した後に繊維形態を維持しない為、通気性と柔軟性が劣っていた。
ギアポンプをTPU1/TPU2の重量比が95/5となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりTPU1とTPU2を其々0.2375g/分と0.0125g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と170℃にて接着させたが、TPU2成分が少ない為に熱バインダーとしての機能(剥離強度)が劣っていた。
A成分としてTPU2、B成分としてTPU3を原料樹脂として用いた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表2に示す。得られたバインダー不織布は、目付が102g/m2であり、優れた伸縮性であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と150℃にて接着させた。熱バインダーとしての機能(剥離強度)が優れるが、熱バインダーとして使用した後にTPU2成分とTPU3成分の流動開始温度の差が少なく繊維形態を維持しない為、通気性が著しく劣っていた。また柔軟性も劣っていた。
ギアポンプをPP/TPSの重量比が95/5となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりPPとTPSを其々0.2375g/分と0.0125g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させた以外は全て実施例1と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表3に示す。得られたバインダー不織布は、目付が99g/m2であった。そしてナイロンツーウェイトリコット布と140℃にて接着させたが、TPS成分が少ない為に熱バインダーとしての機能(剥離強度)が劣っていた。
ギアポンプをPP/TPSの重量比が95/5となる様に設定し、紡糸口金から単孔当たりPPとTPSを其々0.2375g/分と0.0125g/分の紡糸速度で溶融樹脂を吐出させ、捕集コンベアーの速度を6.0m/分にした以外は全て実施例21と同様の条件にて製造を行った。得られたバインダー不織布の物性は前述の方法によって測定した。
その結果を表4に示す。得られたバインダー不織布は、目付が20g/m2であった。そして20g/m2のポイントボンドされたポリプロピレンスパンボンド不織布を2枚用意し、得られた熱バインダー不織布を中間層として前記ポリプロピレンスパンボンド不織布を両側にし、120℃にて接着させたが、TPS成分が少ない為に熱バインダーとしての機能(剥離強度)が劣っていた。
Claims (9)
- 相対的に流動開始温度の異なる熱可塑性樹脂であるA成分およびB成分を含む繊維を用いて得られる、下記(1)〜(5)を満足させる熱バインダー不織布。
(1)A成分の流動開始温度がa(℃)、
B成分の流動開始温度がb(℃)であるとき、
20≦(a−b)≦150
(2)A成分がエラストマーを含み、B成分がポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマーから選ばれる少なくとも一種である。
(3)A成分/B成分の重量比が10/90〜90/10
(4)不織布が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維を含む混繊状態であるか、または繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維で構成されている。
(5)不織布機械方向における50%伸長時の伸長回復率が80%以上である。 - A成分がポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の熱バインダー不織布。
- 熱バインダー不織布を構成する繊維が、繊維表面積の50%以上を占めるB成分と、A成分を用いて得られる複合繊維である請求項1〜2のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
- 熱バインダー不織布を構成する繊維が、A成分を用いて得られる繊維とB成分を用いて得られる繊維が混繊状態である請求項1〜2のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布。
- バインダー不織布がメルトブロー法またはスパンボンド法によって製造される請求項1〜4のいずれか1項記載の熱バインダー不織布。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布の少なくとも片面に前記熱バインダー不織布以外の不織布、皮革、フィルム、ウェブ、織物、編物、繊維束から選ばれる少なくとも1種の被積層材料を積層してなる積層物。
- 前記熱バインダー不織布に積層する被積層材料が、機械垂直方向に10%以上の伸長性を有する不織布である請求項6記載の積層物。
- 熱バインダー不織布と前記被積層材料の層間の剥離強力が5N/25mm以上である請求項6〜7のいずれか1項に記載の積層物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱バインダー不織布または請求項6〜8のいずれか1項に記載の積層物を用いた繊維製品。
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