JP3950215B2 - ホットメルト接着剤組成物および自動車用内装材の製造方法 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物および自動車用内装材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホットメルト接着剤組成物および該接着剤組成物を用いてなる自動車用内装材の製造方法に関するものである。特に、ポリオレフィンのごとき低極性被着体同士あるいはこれと本質材や布帛等の高極性被着体との接着に用いる耐熱性に優れたホットメルト接着剤組成物および該接着剤組成物を用いてなる自動車用内装材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホットメルト接着剤は、溶融状態で塗布し、冷却すれば接着が完了するという簡便性、無溶剤等のために環境適合性等の利点から、種々の産業で使用されている。ベースポリマーとしてはエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体、ポリエチレン、非晶性ポリプロピレン、結晶性ポリプロピレン、結晶性ポリブチレン、スチレン系ブロックコポリマー、ポリアミド、ポリエステルなどが主に用いられ、これに多種粘着付与樹脂、オイル、ワックスその他各種添加物が加えられてホットメルト接着剤を得ている。しかし、エチレン系共重合体、ポリエチレン、非晶性ポリプロピレン、スチレン系ブロックコポリマーをベースポリマーとした場合、ポリプロピレン等の低極性被着体同士、またはこれと木質材や布帛等の高極性物の接着性能を発現することは可能であるが、耐熱性に乏しいという欠点を有している。
【0003】
一方、結晶性ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等を使用した場合、ホットメルト自体の耐熱性を得ることができる反面、ポリプロピレン等の低極性被着体同士、またはこれと木質材や布帛等の高極性物の接着性は不十分である。また、結晶性ポリブチレンをホットメルト接着剤のベースポリマーとした例も知られている(シェルジャパン株式会社の技術資料)。具体的には、ポリブチレンと粘着付与剤からなる組成物を用いた例が示されている。
【0004】
しかしながら、これまで結晶性ポリブチレンについては、粘着付与剤樹脂の用い方および他の配合剤による結晶性のコントロールや接着性のバランスのとり方が知られておらず、実用性に乏しいものであった。
【0005】
一方、ポリプロピレンのごときポリオレフィン成形体に、布帛製表皮材を接着することにより自動車用内装材を製造する際に、例えばクロロプレン系ゴムを主成分とする溶剤型接着剤をスプレー等により塗布し、溶剤乾燥後に布帛製表皮材を貼合わせて成形接着させる方法が採られてきた。
【0006】
しかしながら、このような製造方法では、大気中に溶剤が揮散するため環境汚染を起す恐れがあり、また作業環境性においても好ましくなかった。また、溶剤型接着剤は、接着完了までに長時間を要するので作業性が低いだけでなく、凹部に貼着する場合には、接着が完了するまで表皮材を押圧しておく必要があるので、さらに作業性が低くなる。さらに、溶剤型接着剤は、成形接着後も数時間にわたって微量の残留溶剤が存在するため、特に初期のクリープ特性に劣るという欠点をも有していた。
【0007】
他方、ホットメルト接着剤を用いた場合には、上記の環境汚染性や作業環境性の問題が解決されるが、従来から提案されているホットメルト接着剤ではポリプロピレンに対する接着性が十分でなく、また本用途に要求される80℃程度の耐熱特性を満足させることが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、新規なホットメルト接着剤組成物および該接着剤組成物を用いてなる自動車用内装材の製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ポリオレフィンのごとき低極性被着体同士あるいはこれと本質材や布帛等のごとき高極性被着体との接着に用いる耐熱性に優れたホットメルト接着剤組成物および該接着剤組成物を用いてなる自動車用内装材の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
これらの諸目的は、下記(1)〜(7)により達成される。
【0011】
(1) (A)メルトインデックス20〜2,000g/10分(190℃、2.16kgf/cm2 )の結晶性ポリブチレン100重量部に対し、(B)水添系粘着付与剤樹脂20〜200重量部、(C)テルペン変性フェノール樹脂、芳香族系石油樹脂、スチレン系樹脂およびロジン系樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の未水添粘着付与剤樹脂20〜200重量部および(D)ポリプロピレン系ワックス0.1〜100重量部を必須成分とし、かつ該結晶性ポリブチレン(A)の配合量が組成物全体の10〜60重量%であることを特徴とするホットメルト接着剤組成物。
【0012】
(2) 水添系粘着付与剤樹脂(B)および/または未水添粘着付与剤樹脂(C)のうち、環球法軟化点120℃以上の樹脂の少なくとも1種が、該結晶性ポリブチレン(A)100重量部当り20〜200重量部含有されてなる前記(1)に記載のホットメルト接着剤組成物。
【0013】
(3) 該結晶性ポリブテンのX線回折法による結晶化度が30〜80%である前記(1)または(2)に記載のホットメルト接着剤組成物。
【0014】
(4) 低極性被着体同士または該低極性被着体と高極性被着体との接着に使用される前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のホットメルト接着剤組成物。
【0015】
(5) 自動車用ポリオレフィン成形体に、布帛製表皮材を接着する工程において、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のホットメルト接着剤を該ポリオレフィン成形体および/または該布帛製表皮材の表面に塗布し、塗布直後または塗布後ホットメルト接着剤組成物が冷却固化したのちに、該ホットメルト接着剤組成物を再加熱することにより活性化し、接着力を顕在化した状態で該ポリオレフィン成形体と布帛製表皮材とを接着することを特徴とする自動車用内装材の製造方法。
【0016】
(6) 該ホットメルト接着剤組成物の塗布量が20〜500g/m2 である前記(5)に記載の方法。
【0017】
(7) 活性化温度が90〜150℃である前記(5)または(6)に記載の方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明における結晶性ポリブチレンは、メルトインデックスが20〜2,000g/10分(190℃、2.16kgf/cm2 )、好ましくは50〜1000g/10分)のものを用いる必要がある。結晶化度が30%未満の場合には、十分な耐熱性がなく、90%より大きい場合には十分なオープンタイムが得られない。また、メルトインデッククスが20未満であると流動性が少なく、高粘度であるため作業性が低下し、2,000より大きいと、十分な耐熱性が発現しない。このような結晶性ポリブチレンは、X線回折法(高分子大事典、1994年丸善株式会社発行、p110〜113)による結晶化度が30〜80%、好ましくは40〜60%のものが用いられる。すなわち、結晶化度が30%未満では十分な耐熱性が発現しない場合があり、一方、80%を越えると、十分なオープンタイムが得られない場合がある。
【0019】
また、本発明における結晶性ポリブチレンの配合量は、系全体の10〜60重量%である。すなわち、10重量%未満では、十分な耐熱性が発現せず、一方、60重量%を越えると、流動性が少なく作業性の低下を招く。
【0020】
さらに、また、本発明のホットメルト接着剤組成物には、粘度調節や結晶化速度の調節、低温時の接着特性の改良等を目的に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体ゴム、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム等の重合体を混合することができる。その使用量は、接着剤組成物全体に対して50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0021】
本発明における水添系粘着付与剤樹脂は、ポリプロピレン等の低極性物との接着性を向上させるために使用される。具体例としては、C5 系、C9 系およびC5 〜C9 共重合系石油樹脂の水添物、テルペン、変性テルペンの水添物等を挙げることができる。該水添系粘着付与剤樹脂の配合量は、結晶性ポリブチレン100重量部に対し20〜200重量部、好ましくは30〜50重量部である。すなわち、20重量部未満では、ポリプロピレン等の低極性物に対し十分な接着性が得られず、一方、200重量部を越えると、木質材や布帛等の高極性物に対し十分な接着性が得られない。
【0022】
本発明における未水添粘着付与剤樹脂は、木質材や布帛等の高極性物との接着性を向上するために併用される。このような未水添粘着付与剤樹脂としては、テルペン変性フェノール樹脂、芳香族系石油樹脂、スチレン系樹脂、ロジン系樹脂等があり、単独系もしくは、2種以上の併用系を用いることができ、結晶性ポリブチレン100重量部に対し20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部用いられる。すなわち、20重量部未満では、少ないと木質材や布帛等の高極性物に対する接着性が十分でなく、一方、200重量部を越えるとポリプロピレン等の低極性物に対する接着性が十分でない。
【0023】
本発明において、水添系粘着付与剤樹脂および/または未水添粘着付与剤樹脂中に、環球法軟化点120℃以上、好ましくは120〜150℃の樹脂1種以上を結晶性ポリブチレン100重量部に対し20〜200重量部含有することが好ましい。すなわち、環球法軟化点が120℃未満の樹脂のみを使用した場合、あるいは添加量が20重量部より少ない場合、十分な耐熱特性が得られ難い。一方、添加量が200重量部より多いと固化が速く、十分なオープンタイムが得られ難い。
【0024】
また、本発明のホットメルト接着剤組成物には各種被着体に対する接着性を調節するため、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、それらの水素添加した樹脂等の各種粘着付与剤樹脂を混合することができる。
【0025】
本発明のホットメルト接着剤組成物は、ポリブチレンの結晶化促進および耐熱性の向上を目的として、さらにポリプロピレン系ワックスを結晶性ポリブチレン100重量部に対し0.1〜100重量部好ましくは1〜50重量部溶融混合してなる。このようなワックスは、融点140℃以上、好ましくは融点140〜160℃の結晶性ワックスである。これ以外のワックスを用いた場合には、融点が低く、十分な耐熱性が発現しない。ポリプロピレンワックスの固化速度に与える影響は極めて顕著であり、極小値の0.1重量部から固化時間は飛躍的に短縮される。その作用機構は、結晶化の速いポリプロピレンワックスが、ポリブチレンの結晶化を促進する造核剤となり、周部的な結晶化の開始により全体の結晶化を誘発するものと推定される。したがって、ポリプロピレン系ワックスの最低配合量は0.1重量部であり、これより少ないと、ポリブチレンの結晶化速度が遅く、十分な固化速度が得られない。また、100重量部より多いと、固化速度が速く、十分なオープンタイムが得られない。
【0026】
本発明に使用するホットメルト接着剤組成物は、さらに必要に応じて酸化防止剤、無機充填剤、着色剤等の各種添加剤を溶融混合することができる。本発明に使用するホットメルト接着剤組成物は、例えば上記の各材料を溶融攪拌混合装置に投入し、150〜180℃程度、好ましくは160〜170℃程度の温度で1〜3時間加熱混合して得られる。
【0027】
本発明において、ポリプロピレン等の低極性物や木質材や布帛等の高極性物の一方もしくは両方にホットメルト接着剤組成物を塗付する方法としては、霧化スプレーやスパイラルスプレー、カーテンスプレー、ロールコーター等による方法が挙げられる。
【0028】
したがって、ホットメルト接着剤はこれらの塗布方法に適した溶融粘度を有する必要がある。具体的には、スプレーやカーテンスプレーの場合は100〜50,000mPa・s、好ましくは500〜20,000mPa・sである。500より低い場合は、塗布時に飛び散りが生じ、50,000より高い場合は、十分な塗布量が確保できない。また、ロールコーター塗布の場合の溶融粘度は100〜100,000mPa・s、好ましくは500〜50,000mPa・sである。100より低い場合は、タレが生じ、100,000より高い場合は十分な塗布量が確保できない。
【0029】
また、ホットメルト接着剤の塗布量は、20〜500g/m2 、好ましくは100〜200g/m2 である。20g/m2 未満では接着力が十分でなく、500g/m2 を越えると、貼合せ時に布帛表皮材の表面にホットメルト接着剤が滲み出す可能性がある。
【0030】
また、本発明においてホットメルト接着剤組成物を活性化するとは、加熱して溶融または軟化して接着力を顕在化させることを意味し、加熱手段としては熱風、赤外線もしくはホットプレス等を用いることができ、温度としては熱風の場合を例にとると、100〜400℃、好ましくは200〜300℃の熱風が用いられる。
【0031】
本発明のホットメルト接着剤組成物が使用されるポリプロピレン等の低極性被着体及び木質材や布帛等の高極性物とは、自動車内装材等の耐熱性が必要とされる部位に使用される材料であり、低極性材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。また、高極性材料としては、木、紙、金属およびナイロンやポリエステル、ポリカーボネート、アクリル等を主原料としたプラスチック類や繊維類等が挙げられ、これらは通常、織布、不織布、編布等の布帛の形で使用される。
【0032】
本発明における自動車用内装材とは、自動車のドアのインナーパネル、ドアオーナメント天井材、トランク内緩衝材、トランク内カーペット、フロアカーペット、座席シート等があり、これらはポリオレフィン、特にポリプロピレンの成形体の表面に織布、編布、不織布、フェルト等の布帛を接着してなるものである。
【0033】
また、本発明においてホットメルト接着剤を活性化するとは、加熱して溶融軟化して接着力を顕在化させることを意味し、加熱手段としては熱風、赤外線もしくはホットプレス等が使用される。活性化に際しては、ホットメルト接着剤が融点以上に加熱される必要がある。また、融点を大きく上回る温度ではホットメルト接着剤がタレ落ちる恐れがあり、またホットメルトが塗布されたポリプロピレン成形材もしくは布帛製表皮材の変形をも引き起こす恐れもある。
【0034】
したがって、活性化に要するホットメルト温度は90〜150℃、好ましくは100〜140℃である。熱風、赤外線もしくはホットプレス等のいずれの加熱手段を用いる場合も、ホットメルト接着剤がこの温度範囲になるように、熱源温度と加熱時間を調整する必要がある。
【0035】
また、加熱方法が熱風や赤外線の場合は、ホットメルト接着剤が活性化した状態、すなわち加熱されたホットメルト接着時が完全に冷却されず、表面温度が60℃以上で表面タックが残っている状態で貼合せを行う必要がある。
【0036】
加熱方法が熱風や赤外線の場合は、貼合せ時に圧着を行い、またホットプレスの場合はプレス後ホットメルト接着剤の温度が60℃以上の状態で、圧着を行う必要がある。圧着には、通常金型を用いたプレス方法が使用され、そのプレス圧力は0.001〜1kgf/cm2 、好ましくは0.01〜0.5kgf/cm2 である。プレス圧力が0.001kgf/cm2 未満では十分な接着性が得られず、1kgf/cm2 を越えるとポリプロピレン成形材の変形が起こる恐れがある。圧着時間は、金型、雰囲気温度が20℃の場合、10〜30秒である。10秒未満では、ホットメルト接着剤が十分に固化しない、また、30秒以内に固化が完了するため、それ以上の圧着は必要ない。
【0037】
本発明のホットメルト接着剤組成物は、結晶性のポリブチレンと高軟化点を有する粘着付与剤および、結晶化速度と溶融粘度を調整するポリプロピレン系ワックスとを用いることで、ポリプロピレン等の低極性物同志またはこれと木質剤や布地等の高極性物の接着性および耐熱特性を備えることができる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
実施例1〜4および比較例1〜4
表1および表2に示す比率で配合した混合物1,000gを内容積2リットルの加熱ニーダーに仕込み、これを160℃で2時間攪拌混合し、目的とするホットメルト接着剤組成物を得た。なお、表2には、比較例1〜4についても併記した。実施例および比較例で用いた材料の内容ならびにホットメルト接着剤組成物の特性試験方法を下記に示す。
【0040】
[材料の内容]
(1)ポリブチレン(1)
DC8910(シェルジャパン株式会社製)
メルトインデックス=1000g/10分(190℃、2.160kgf/cm2 )、融点=90℃
(2)ポリブチレン(2)
DP0800(シェルジャパン株式会社製)
メルトインデックス=200g/10分(190℃、2.160kgf/cm2 )、融点=125℃
(3)ポリブチレン(3)
DP0300(シェルジャパン株式会社製)
メルトインデックス=4g/10分(190℃、2.160kgf/cm2 )、融点=125℃
(4)水添系粘着付与剤樹脂(1)
アルコンP125(荒川化学工業株式会社製、芳香族系完全水添石油樹脂)環球法軟化点=125℃
(5)水添系粘着付与剤樹脂(2)
アルコンP85(荒川化学工業株式会社製、芳香族系完全水添石油樹脂)環球法軟化点=85℃
(6)未水添粘着付与剤樹脂(1)
YSポリスターT130(ヤスハラケミカル株式会社製、テルペンーフェノール共重合樹脂)環球法軟化点=130℃
(7)未水添粘着付与剤樹脂(2)
YSポリスターT100(ヤスハラケミカル株式会社製、テルペンーフェノール共重合樹脂)環球法軟化点=100℃
(8)芳香族系石油樹脂
ペトコール140(東ソー株式会社製、未水添芳香族系粘着付与剤樹脂)環球法軟化点=135℃
(9)ポリプロピレン系ワックス
ビスコール550P(三洋化成株式会社製)環球法軟化点=150℃
(10)酸化防止剤
イルガノックス1010(日本チバガイギー株式会社製)
ヒンダートフェノール系酸化防止剤
[ホットメルト接着剤組成物の特性試験方法]
(1)溶融粘度
JIS K−6862ホットメルト接着剤の溶融粘度測定方法に準拠して、180℃における溶融粘度を測定した。
【0041】
(2)環球法軟化点
JIS K−6863ホットメルト接着剤の環球法軟化点測定方法に準拠して、環球法軟化点を測定した。
【0042】
(3)耐熱クリープ
厚さ2mm、幅25mmおよび長さ120mmのポリプロピレン板にホットメルト接着剤組成物を約100μmの厚さに塗布し、直ちに幅25mm、長さ150mmのナイロン布を合わせてハンドローラーで圧着して接着したものを試験片とした。この試験片を20℃雰囲気中に24時間養生後、布製表皮材の一端に90°方向に200gの荷重を吊るし、80℃の温度条件下で24時間放置し、接着部分のはがれ長さを測定した。
【0043】
(4)はく離強さ
上記(9)と同様の試験片を20℃および80℃の温度下で引張試験機を用いて、180°方向に200mm/minの速度ではく離試験を行った。
【0044】
(5)オープンタイム
ポリプロピレン基材上にホットメルト接着剤組成物を約100μmの厚さに塗布し、室温まで冷却後、熱風によりホットメルト接着剤組成物表面を130℃に加熱した。
【0045】
加熱を止めた後、ナイロン布を貼り合わせることができる最長の時間をオープンタイムとした。
【0046】
(6)固化時間
上記(3)と同様の試験片を作成後、耐熱クリープ試験においてホットメルト接着剤組成物の凝集破壊が生じない最短の時間を固化時間とした。
【0047】
結果を表1および表2に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003950215
【0049】
【表2】
Figure 0003950215
【0050】
前記実施例は、説明を目的としてなされたもので、特許請求の範囲に明らかにされた本発明の範囲から逸脱することなく、割合、手順および材料において変え得ることが明らかである。
【0051】
表1および表2の結果から明らかなように、実施例1〜4では、環球法軟化点が120℃の粘着付与剤樹脂1種以上とポリプロピレン系ワックスを用いているため、耐熱クリープ、80℃の剥離接着強さで優れた特性を示している。これに対して、未水添粘着付与剤1を配合していない比較例1では、ナイロン布に対する接着性が不十分なため、耐熱クリープ試験において界面破壊を生じ、剥離強さも低い値になっている。また、水添系粘着付与剤2(軟化点:85℃)未水添系粘着付与剤(軟化点:110℃)を併用した比較例2では、耐熱クリープでは、ホットメルト接着剤の凝集破壊を生じ、また80℃剥離強さも実施例に比較し大きく劣っていることが認められた。さらに、ポリプロピレン系ワックスを全く用いない比較例3においては、固化時間が3日と極端に遅く、実用性に欠くことが確認された。比較例4では、MI4のポリブチレンを使用した結果、粘度が高く実用性に欠くことが確認された。
【0052】
実施例5〜7および比較例5〜9
表3および表4に示す比率で配合した混合物1,000gを内容積2リットルの加熱ニーダーに仕込み、これを160℃で2時間攪拌混合し、目的とするホットメルト接着剤組成物を得た。実施例および比較例で用いた材料の内容ならびにホットメルト組成物の物性試験方法を下記に示す。
【0053】
[材料の内容]
(1)ポリプロピレン
S−13B(宇部レキセン株式会社製)
メルトインデックス700g/10分(230℃、2.160kgf/cm2 )、融点=157℃
(2)ポリブチレン(2)
DP0800(シェルジャパン株式会社製)
メルトインデックス200g/10分(190℃、2.160kgf/cm2 )、融点=125℃
(3)水添系粘着付与剤樹脂(3)
アルコンP140(荒川化学工業株式会社製、C9 芳香族系完全水添石油樹脂)環球法軟化点=140℃
(4)水添系粘着付与剤樹脂(2)
アルコンP85(荒川化学工業株式会社製、C9 芳香族系完全水添石油樹脂)環球法軟化点=85℃
(5)ロジンエステル
スーパーエステルA−125(荒川化学工業株式会社製、未水添ロジンエステル系粘着付与剤樹脂)環球法軟化点=125℃
(6)酸化防止剤
ノルガノックス1010(日本チバガイギー株式会社製)
ヒンダートフェノール系酸化防止剤
[溶剤系接着剤]
(1)ハイボンXA223−10(日立化成ポリマー株式会社製)
クロロプレン系接着剤
[ホットメルト接着剤組成物の調整方法]
表3に示す比率で配合した混合物1kgを内容積2リットルの加熱ニーダーに仕込み、これを160℃で2時間攪拌混合した。
【0054】
[ホットメルト接着剤の特性試験方法]
(1)溶融粘度
実施例1〜4と同様の方法で行なった。
【0055】
(2)環球法軟化点
実施例1〜4と同様の方法で行なった。
【0056】
(3)耐熱クリープ
実施例1〜4と同様の方法で行なった。
【0057】
(4)はく離強さ
実施例1〜4と同様の方法で行なった。
【0058】
[貼合せ品の耐熱試験]
自動車ドア用の凹凸を有するポリプロピレン成形材にカーテンスプレーを用いて表3に示す配合のホットメルト接着剤を100g/m2 の塗布量で塗布した後、200℃のホットエアーを10秒吹き付けてホットメルト接着剤塗布面を表面温度120℃に加熱し、オープンタイム10秒後にホットメルト接着剤表面温度70℃でポリエステル系織布製表皮材を貼合わせ、20℃の金型を用いて圧力0.1kgf/cm2 、20秒の条件でコールドプレスし、試験片とした。ただし、比較例8ではホットエアー吹き付け時間を8秒に短縮することでホットメルト表面温度を80℃とし、加熱直後にホットメルト接着剤温度70℃でポリエステル系織布製表皮材を貼合わせた。また、比較例9では、オープンタイムを20秒とすることで、貼合わせ時のホットメルト接着剤表面温度を50℃とした。
【0059】
また、比較例7に示す溶剤系接着剤は、スプレーにて100g/m2 の塗布量で塗布した後、1分後にポリエステル系布製表皮材を貼合わせ、20℃の金型を用いて圧力0.1kgf/cm2 、20秒の条件でコールドプレスし、試験片とした。これらの試験片を、貼合せ5分後に80℃雰囲気中に1時間放置し、貼合せ部の浮きの有無を確認した。
【0060】
結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
Figure 0003950215
【0062】
表3の結果から明らかなように、実施例5〜7では、環球法軟化点が120℃以上の粘着付与剤樹脂を結晶性ポリオレフィン100重量部に対し120〜150重量部用いているため、耐熱クリープ、はく離強さに於いて優れた特性を示している。
【0063】
これに対して、環球法軟化点85℃の粘着付与剤樹脂を使用した比較例5では耐熱クリープ試験で凝集破壊を生じ、80℃のはく離強さも低い値となっている。また、貼合せ直後耐熱試験でも凹凸部に浮きを生じている。比較例6では、環球法軟化点120℃以上の粘着付与剤樹脂を結晶性ポリオレフィン100重量部に対し300重量部と過剰に用いているために、接着性が十分でなく、貼合せ直後耐熱試験でも凹凸部に浮きを生じている。
【0064】
一方、従来技術である比較例7では、耐熱クリープやはく離強さは良好であるが、貼合せ直後の耐熱試験では残留溶剤の影響で浮きが生じていることが確認された。
【0065】
また、比較例8および9では、実施例5と同一の配合を用いているが、比較例8ではホットメルト接着剤の活性化温度が低く、比較例9では貼合せ時の温度が低いために貼合せ直後耐熱試験でも凹凸部に浮きを生じている。
【0066】
【発明の効果】
本発明によるホットメルト接着剤組成物は、以上のごとき構成を有するものであるから、溶剤型接着剤のように接着作業時に大気中への溶剤の揮散による汚染の問題がなく、作業者の健康を損なうこともない。かつポリオレフィンのごとき低極性被着体同士あるいは、これと木質材や布帛等のごとき高極性物との接着において優れた接着性および耐熱性をも併せて満足させることができる。また、接着時間が極めて短いので、作業性が良好であるだけでなく、凹部への表皮材の接着作業において押圧時間が極めて短くてすむ。

Claims (7)

  1. (A)メルトインデックス20〜2,000g/10分(190℃、2.16kgf/cm2 )の結晶性ポリブチレン100重量部に対し、(B)水添系粘着付与剤樹脂20〜200重量部、(C)テルペン変性フェノール樹脂、芳香族系石油樹脂、スチレン系樹脂およびロジン系樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の未水添粘着付与剤樹脂20〜200重量部および(D)ポリプロピレン系ワックス0.1〜100重量部を必須成分とし、かつ該結晶性ポリブチレン(A)の配合量が組成物全体の10〜60重量%であることを特徴とするホットメルト接着剤組成物。
  2. 水添系粘着付与剤樹脂(B)および/または未水添粘着付与剤樹脂(C)のうち、環球法軟化点120℃以上の樹脂の少なくとも1種が、該結晶性ポリブチレン(A)100重量部当り20〜200重量部含有されてなる請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
  3. 該結晶性ポリブテンのX線回折法による結晶化度が30〜80%である請求項1または2に記載のホットメルト接着剤組成物。
  4. 低極性被着体同士または該低極性被着体と高極性被着体との接着に使用される請求項1〜3のいずれか一つに記載のホットメルト接着剤組成物。
  5. 自動車用ポリオレフィン成形体に、布帛製表皮材を接着する工程において、請求項1〜4のいずれか一つに記載のホットメルト接着剤を該ポリオレフィン成形体および/または該布帛製表皮材の表面に塗布し、塗布直後または塗布後ホットメルト接着剤組成物が冷却固化したのちに、該ホットメルト接着剤組成物を再加熱することにより活性化し、接着力を顕在化した状態で該ポリオレフィン成形体と布帛製表皮材とを接着することを特徴とする自動車用内装材の製造方法。
  6. 該ホットメルト接着剤組成物の塗布量が20〜500g/m2 である請求項5に記載の方法。
  7. 活性化温度が90〜150℃である請求項5または6に記載の方法。
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