JP2008189795A - ポリプロピレンフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、シリコーン架橋体シート類、エポキシ樹脂基盤、不飽和ポリエステルからなる部材、繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程に好適な離型材料に関するものであり、特に成型部材との剥離性、平滑性に優れたポリプロピレンフィルムに関するものである。
2軸配向ポリプロピレンフィルムは、適度な機械特性と優れた透明性、軽量といった特徴をもち、各種包装用を始めとしてラベル用途や離型用途など幅広く用いられている。特に近年は、ポリプロピレンフィルムの表面エネルギーが低いことを利用して、シリコーン架橋体シート類、エポキシ樹脂基板、不飽和ポリエステルからなる部材、繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程に適する離型材料として広く使用されるようになってきた。その際、様々な工夫を施すことでさらに離型性能を高める技術が提案されてきた。例えば、さらにフィルムの熱寸法安定性を向上するために、用いられるポリプロピレン樹脂の低分子量成分と融点を規定することで熱収縮率を低減する試み(例えば特許文献1)や、表面粗さと機械強度を最適化することでセラミックスラリー塗工性を向上する試み(特許文献2)、離型性能にヒートシール性能を組み合わせる試み(特許文献3)等が提案されている。このように離型用途では用途に応じて、最適なフィルム特性・構成を有することが求められるのが通常である。また、ポリメチルペンテンを含有するポリプロピレンフィルムは例示されるものの、光沢度は規定されておらず、さらにその目的は5μm以下の薄いフィルムであってもしわ及びずれの発生を抑制できるコンデンサ用薄膜ポリプロピレンフィルム及びそれからなるコンデンサを提供することに止まっている(特許文献4)。
特開2001−146536号公報(特許請求の範囲)
特開平6−305041号公報(特許請求の範囲、[0003]〜[0004]段落)
特開2000−289148号公報(特許請求の範囲)
特開2003−257777号公報(特許請求の範囲、[0009])
本発明は、シリコーン架橋体シート類、エポキシ樹脂基盤、不飽和ポリエステルからなる部材、繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程に好適な離型材料に関するものであり、特に成型部材との剥離性、平滑性に優れたポリプロピレンフィルムに関するものである。
かかる課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる。すなわち、
(A)化学式(1)で示される繰り返し単位を有するポリ−4−メチルペンテン−1を含み、NMR法による前記ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量が3.0〜10重量%であり、かつ融点が157〜167℃であるポリプロピレン樹脂組成物からなり、少なくとも一方の表面の光沢度が110%以上であるポリプロピレンフィルム、
(A)化学式(1)で示される繰り返し単位を有するポリ−4−メチルペンテン−1を含み、NMR法による前記ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量が3.0〜10重量%であり、かつ融点が157〜167℃であるポリプロピレン樹脂組成物からなり、少なくとも一方の表面の光沢度が110%以上であるポリプロピレンフィルム、
(B)剥離速度300mm/minにおけるテープ剥離力が180mN/mm以下である、上記(A)に記載のポリプロピレンフイルム、
(C)少なくとも一軸に配向されてなる、上記(A)または(B)に記載のポリプロピレンフイルム、
である。
(C)少なくとも一軸に配向されてなる、上記(A)または(B)に記載のポリプロピレンフイルム、
である。
本発明のポリプロピレンフィルム(以下本発明フィルム)は、平滑性、離型性に優れ、離型用フィルムとして好適である。
本発明フィルムを構成するポリプロピレン樹脂組成物はポリプロピレンと化学式(1)で示される繰り返し単位を有するポリ−4−メチルペンテン−1(以下、単にポリ−4−メチルペンテン−1ということがある)との混合物である。
ポリプロピレン樹脂とポリ−4−メチルペンテン−1はそれぞれ高結晶性であることと、結晶格子も異なることから共晶を作り難く、大きな海島構造を形成するのが通常である。該混合物の融解特性をDSCで測定するとそれぞれの組成物に帰属する融解ピークが観察される。この結果、押出シートの表面が粗面化したり、2軸延伸後に粗面化あるいはボイドを形成するため、離型性能を損なうのが通常である。しかしながら、本発明においては、ポリプロピレン樹脂とポリ−4−メチルペンテン−1を適宜選択し、混練条件を最適化することにより両組成物を微細に分散せしめることにより優れた離型特性を奏するものである。
すなわち、好ましいポリプロピレン樹脂とは、230℃におけるメルトフローレートが2.0〜10.0g/10minであり、ある。また、好ましいポリ−4−メチルペンテン−1とは260℃におけるメルトフローレートが20〜30g/10minである。
本発明においてはこれらの樹脂を2軸押出機を用いて高剪断下で溶融混練することが好ましい。
さらに、ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量は3.0〜10重量%であることが重要であり、好ましくは4.0〜7.0重量%である。含有量が3.0重量%未満であると、当該用途での離型性に劣る場合がある。また、含有量が10重量%を超えると相溶範囲を超えるため、表面に粗大な凹凸を形成する等、実用に耐えないフィルムになる場合がある。
また、本発明フィルムを構成するポリプロピレン樹脂組成物の融点は、157〜167℃であることが重要であり、好ましくは159〜165℃である。融点が157℃未満であると耐熱性に問題を生じる場合がある。また融点が167℃を超えると、均一に延伸することができず、実用に耐えないフィルムとなる場合がある。
また、本発明のフィルムの光沢度は少なくとも一方の表面において、より好ましくは表面と裏面の両面において110%以上であることが好ましく、125〜150%であるとより好ましい。フィルムの光沢度が110%未満であると、当該用途での平滑性に劣る場合がある。また、光沢度が高すぎると滑り性が悪化して工程適性に問題を生じることがある。フィルムの光沢度は使用するポリ−4−メチルペンテン−1の量でコントロールできる。ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を増やすと光沢度が下がり、減らすと光沢度が上がるため、光沢度をこの範囲にするためには、ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を前述の範囲にすればよい。もちろん、必要であれば、公知の技術を用いて、表面に更に別の樹脂層を設けて、光沢度をコントロールすることもできる。
また、本発明のフィルムの剥離速度300mm/minにおけるテープ剥離力は180mN/mm以下であることが重要であり、好ましくは10〜150mN/mm、より好ましくは30〜100mN/mmである。剥離速度300mm/minにおけるテープ剥離力が180mN/mmを超えると、当該用途での離型性に劣る場合がある。また、剥離速度300mm/minにおけるテープ剥離力が低すぎると工程適性に問題を生じることがある。剥離速度300mm/minにおけるテープ剥離力は使用するポリ−4−メチルペンテン−1の量でコントロールできる。ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を増やすと剥離力が上がり、減らすと剥離力が下がるため、剥離速度300mm/minにおけるテープ剥離力をこの範囲にするためには、ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を前述の範囲にすればよい。
また、本発明のフィルムの厚みは6〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは30〜70μmである。フィルムの厚みが6μm未満であると当該用途での耐熱性に劣る場合がある。またフィルムの厚みが100μmを超えると、均一に延伸することができず、実用に耐えないフィルムとなる場合がある。ポリマーの溶融押出量を増やすとフィルムの厚みが厚くなり、減らすとフィルムの厚みが薄くなるため、フィルムの厚みをこの範囲にするためには、ポリマーの溶融押出量、延伸倍率を適宜調整すればよい。
また、本発明フィルムには、ポリプロピレン樹脂組成物の化学的な安定性を付与する上で、熱安定剤、酸化防止剤を添加することが好ましい。具体的には、フェノール系、ヒンダードアミン系、フォスファイト系、ラクトン系、トコフェロール系の熱安定剤や酸化防止剤が例示される。さらに具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株): “Irganox(登録商標)1010”)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ)ベンゼン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株): “Irganox(登録商標)1330”が例示される)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株): “Irgafos(登録商標)168”)が挙げられる。この中で、フェノール系酸化防止剤系から選ばれた少なくとも1種あるいはそれらの組み合わせ、あるいはフェノール系とフォスファイト系との組み合わせ、及び、フェノール系とラクトン系、フェノール系とフォスファイト系とラクトン系の組み合わせが、ポリプロピレン樹脂の化学的な安定性を付与する観点から好ましい。
なお、本発明フィルムには本目的に反しない範囲で、有機および/または無機のすべり剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤を含有せしめることができる。すべり剤としては、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド、シリカ、アルミナ、シリコーン架橋ポリマー等が例示される。塩素捕獲剤としては、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等が例示される。また、帯電防止剤としては、アルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノール及び/又はアルキルアミンエタノールエステル及び/又はアルキルアミンジエタノールジエステル等が例示される。
以下、本発明フイルムの製造方法を説明するが、以下の記載に限定されるものではない。
ポリプロピレン樹脂は公知の方法で得ることができる。製造方法としては、例えばチタン、アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒系を用い、炭化水素溶媒中プロピレンを重合する方法、液状プロピレン中で重合する方法(バルク重合)、気相で重合する方法が挙げられる。
また、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂は公知の方法で得ることができる。製造方法としては、例えばプロピレンの二量化で得られる4−メチルペンテン−1をモノマーとしてチーグラー・ナッタ触媒によって立体規則性重合する方法等が例示される。
そのポリプロピレン樹脂とポリ−4−メチルペンテン−1樹脂を混合する方法としては、それぞれの樹脂を2軸押出機をもちいて溶融混練することが好ましい。この際、ポリプロピレンとポリ−4−メチルペンテン−1とからなる組成物を2軸混練後一旦冷却してチップ化してから再度製膜装置にて溶融・押出してフイルムを製造してもよいし、該2軸混練機から直接製膜装置に樹脂を導いてフイルムを製造してもよい。
次いで、本発明フイルムは無配向であっても、1軸配向、2軸配向のいずれであってもよいが、少なくとも1軸に配向していることが好ましく、また機械特性の等方性の観点からは、無配向または2軸配向であることが好ましく、特に好ましくは2軸配向フイルムが機械特性、耐熱性に優れ、好ましく用いられる。
2軸配向フイルムは2軸延伸法によって得られるが、2軸延伸法でも、テンター法、チューブラー(バブル)法いずれの方法によってもよい。この中でもテンター法は厚み斑・平面性が良好となるので好ましい。テンター法でも更に同時二軸延伸法と逐次二軸延伸法とがあるが、いずれの方法によってもよい。以下逐次二軸延伸法により本発明フイルムを得る方法を説明するが、もちろんこれに限定されるものではない。
前記のように準備された樹脂組成物を230〜270℃で押出機にて溶融混錬して、ポリマーフイルターを経由してT型スリットダイよりシート状に溶融押出しする。
本発明フイルムはポリプロピレンとポリ−4−メチルペンテン−1からなる微細混練組成物の優れた離型性を利用するものであることから、該離型特性を発揮するために、該組成物層Aはフイルム表面に位置していればよい。すなわち該組成物を通常のポリプロピレン樹脂層、または該組成物層よりもポリ−4−メチルペンテン−1の含有量が少ないポリプロピレン樹脂層Bの少なくとも表層に設けることで、優れた離型性能を安価に達成できるので好ましい。特に層構成が層A/層B/層Aの構成であるとフイルムの熱カール等の問題が無く、平面性に優れたフイルムとなるので好ましい。また、層Bには層Aよりも少ない含有量でポリ4メチルペンテン1を含有していると層Aと層Bとの層間接着力が強くなるので好ましく、該含有量は層Aの1/20〜1/3であることが好ましく、更に好ましくは1/15〜1/4である。
このような層構成のフィルムを得るためには、層A、層Bのそれぞれの樹脂を押出機にて溶融混練して、ポリマーフィルターにより粗大異物を除去した後に樹脂の合流装置を用いて層Aと層Bとからなる少なくとも2層以上の樹脂層を構成する。該合流装置としては、樹脂を口金前のポリマー管内で合流する方法、口金の樹脂導入部に設けられた積層ユニットで合流するフィードブロック法、口金内で拡幅後に両樹脂を積層するマニホールド積層法等が例示されるが特に限定されるものでは無い。マニホールド法が積層厚み精度の点では優れているが経済性も考慮の上で適宜選択することができる。
以上のようにして得られた樹脂Aからなる単独のシートあるいは、樹脂A及び樹脂Bからなる積層シートは、20〜50℃にコントロールした金属ドラム上にエアー圧で密着させシート状に成形される。
ここで得られたシートは加熱金属ロールにより予熱し130〜155℃までフイルム温度を昇温し、周速差を設けた1対のロール間で3.5〜6.5倍、好ましくは4〜6倍に長手方向に延伸し一軸延伸フイルムとする。次いで該一軸延伸フイルムの幅方向の両端をクリップで把持して加熱オーブンに導いて150〜170℃に予熱した後に幅方向に7〜12倍、好ましくは8〜10倍に延伸し二軸延伸フイルムとし、幅方向に0〜20%のリラックスを許しながら140〜160℃でアニールする。このようにして得られた二軸延伸フイルムの両エッジ部をトリミングした後にロール状に巻き取る。必要に応じ、適宜コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等のフィルム表面処理を施しても良い。
巻き取られたフイルムは、20〜40℃の雰囲気中でエージング処理を施された後に必要な製品幅に裁断する。
こうして得られたフィルムはシリコーン架橋体シート類、エポキシ樹脂基盤、不飽和ポリエステルからなる部材、繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程の離型材料等に好適に使用できる。
以下実施例に基づき、本発明フィルムの実施態様を説明するが、本実施例に限定されるものではない。
次に、本発明の実施例に用いる評価法および測定法について説明する。
(1)ポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレート
JIS K−7210(1999)により、ポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートを求めた。
JIS K−7210(1999)により、ポリプロピレン樹脂の230℃におけるメルトフローレートを求めた。
(2)ポリ−4−メチルペンテン−1の260℃におけるメルトフローレート
ASTM D1238(1995)により、ポリ−4−メチルペンテン−1の260℃におけるメルトフローレートを求めた。
ASTM D1238(1995)により、ポリ−4−メチルペンテン−1の260℃におけるメルトフローレートを求めた。
(3)ポリ−4−メチルペンテン−1の含有量
ポリ−4−メチルペンテン−1を含むフィルムサンプルについて、140℃での13C−NMR法による分析を行い、スペクトルを得た。分析条件は次の通りである。
ポリ−4−メチルペンテン−1を含むフィルムサンプルについて、140℃での13C−NMR法による分析を行い、スペクトルを得た。分析条件は次の通りである。
約0.3gのフィルムサンプル及び約5mlのo−ジクロロベンゼンをサンプル管に装入し140℃で溶解;10mmφプローブを使用;測定装置 日本電子社製GX−270(6.34T);13C観測周波数 67.94MHz;ロック溶媒 ベンゼン−d6;パルス幅 17μs(90°パルス);積算繰り返し時間 25s;測定温度 140℃;試料回転数 15Hz
<解析条件>
LBを5.0としてフーリエ変換を行い、ポリプロピレンのメチル炭素のピークを20.85ppmとした。Aliceソフト バージョン4.8(日本電子データム社製)を用いて、各ピークの面積積分値を求めた。ポリ−4−メチルペンテン−1の含有率は、ポリプロピレンのメチル炭素のピーク強度IPPとポリ−4−メチルペンテン−1のメチル炭素の強度IMPを用い、下の計算式より求めた。
<解析条件>
LBを5.0としてフーリエ変換を行い、ポリプロピレンのメチル炭素のピークを20.85ppmとした。Aliceソフト バージョン4.8(日本電子データム社製)を用いて、各ピークの面積積分値を求めた。ポリ−4−メチルペンテン−1の含有率は、ポリプロピレンのメチル炭素のピーク強度IPPとポリ−4−メチルペンテン−1のメチル炭素の強度IMPを用い、下の計算式より求めた。
ポリ−4−メチルペンテン−1含有率(wt%)
=IMP×84/(IPP×42+IMP×84)×100
(4)融点
セイコー社製RDC220示差走査熱量計を用いて、以下の条件で測定を行った。
=IMP×84/(IPP×42+IMP×84)×100
(4)融点
セイコー社製RDC220示差走査熱量計を用いて、以下の条件で測定を行った。
<試料の調製>
検体5mgを測定用のアルミパンに封入する。
検体5mgを測定用のアルミパンに封入する。
<測定>
以下の(a)→(b)→(c)のステップでフイルムを溶融・再結晶・再溶融させる。樹脂の融点は2nd Runで観測される融解ピークの内で最も高い融解ピーク温度を融点とした。n=3の平均値を求めた。
以下の(a)→(b)→(c)のステップでフイルムを溶融・再結晶・再溶融させる。樹脂の融点は2nd Runで観測される融解ピークの内で最も高い融解ピーク温度を融点とした。n=3の平均値を求めた。
(a)1st Run 30℃→280℃(昇温速度20℃/分)
(b)Tmc 280℃で5分保持後に20℃/分で 30℃まで冷却
(c)2nd Run 30℃→280℃(昇温速度20℃/分)
(5)光沢度
JIS K 7105(1981)に準じ、スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°受光角60°の条件で測定した5点のデータの平均値を光沢度とする。尚、製膜時に冷却ドラムに接していた面をフィルムの表面とし、その反対側の面を裏面として測定を行う。
(b)Tmc 280℃で5分保持後に20℃/分で 30℃まで冷却
(c)2nd Run 30℃→280℃(昇温速度20℃/分)
(5)光沢度
JIS K 7105(1981)に準じ、スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°受光角60°の条件で測定した5点のデータの平均値を光沢度とする。尚、製膜時に冷却ドラムに接していた面をフィルムの表面とし、その反対側の面を裏面として測定を行う。
(6)テープ剥離力
フィルムに 日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31B を4.2mN/mm2の圧力で貼付し、それを17mm幅にカットしてサンプルを作成する。そのサンプルを、引っ張り試験機を用いて300mm/minの速度で剥離した。測定数は3とし、その平均値を用いた。
フィルムに 日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31B を4.2mN/mm2の圧力で貼付し、それを17mm幅にカットしてサンプルを作成する。そのサンプルを、引っ張り試験機を用いて300mm/minの速度で剥離した。測定数は3とし、その平均値を用いた。
(7)フィルム厚み
JIS C−2330(2001)の7.4.1.1.により、平均フィルム厚さを求めた。
JIS C−2330(2001)の7.4.1.1.により、平均フィルム厚さを求めた。
(8)耐熱性
オフラインでフィルムの片面にシリコ−ン樹脂を塗布し、幅方向に張力をかけずに150℃のオーブンを通す。その後、サンプルを平坦なテ−ブルの上に5mの長さに広げて、塗布面に蛍光灯の光を反射させて熱しわの有無を確認する。またシリコーン樹脂は、加工張力10kg/mの条件下で、ダイコート方式により行う。
オフラインでフィルムの片面にシリコ−ン樹脂を塗布し、幅方向に張力をかけずに150℃のオーブンを通す。その後、サンプルを平坦なテ−ブルの上に5mの長さに広げて、塗布面に蛍光灯の光を反射させて熱しわの有無を確認する。またシリコーン樹脂は、加工張力10kg/mの条件下で、ダイコート方式により行う。
以上の方法で得られたサンプルの状態を次の基準で判定した。
○:熱しわは全く見られず良好。
△:全面に熱しわは見られないが、部分的に熱しわが見られる。
×:全面に熱しわが確認できる。
以下、実施・比較例に基づき説明する。
(9)厚み均一性
上記(7)と同様の方法でフィルムの幅方向について10点測定する。各々の測定値の最大、最小値からばらつき(最大値−最小値)を算出する。
上記(7)と同様の方法でフィルムの幅方向について10点測定する。各々の測定値の最大、最小値からばらつき(最大値−最小値)を算出する。
以上の方法で得られた値を次の基準で判定した。
○:ばらつきがフィルム厚みの10%未満である。
△:ばらつきがフィルム厚みの10%以上12%未満である。
×:ばらつきがフィルム厚みの12%以上である。
(10)層間接着性
フィルムに 日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31B を4.2mN/mm2の圧力で貼付し、荷重:5g/mm2、温度:100℃の条件で30分エージングする.それを17mm幅にカットしてサンプルを作成する。得られたサンプルを、引っ張り試験機を用いて300mm/minの速度で剥離する。
(10)層間接着性
フィルムに 日東電工(株)製ポリエステル粘着テープNO.31B を4.2mN/mm2の圧力で貼付し、荷重:5g/mm2、温度:100℃の条件で30分エージングする.それを17mm幅にカットしてサンプルを作成する。得られたサンプルを、引っ張り試験機を用いて300mm/minの速度で剥離する。
以上の方法で得られたフィルムサンプルの状態を次の基準で判定した。
○:層間剥離しなかった。
△:フィルムの一部で層間剥離する箇所がある。
×:フィルムの全面で完全に層間剥離する。
1.ポリプロピレン樹脂及びポリ−4−メチルペンテン−1樹脂の準備
ポリプロピレン樹脂及びポリ−4−メチルペンテン−1樹脂は、表1に示す特性の樹 脂を用いた。
ポリプロピレン樹脂及びポリ−4−メチルペンテン−1樹脂は、表1に示す特性の樹 脂を用いた。
2.製膜方法
いずれの実施・比較例も以下の製膜方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
いずれの実施・比較例も以下の製膜方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂ペレットとポリ−4−メチルペンテン−1樹脂ペレットとをポリ−4−メチルペンテン−1添加量が所定の重量%となるようにドライブレンドした後に、2軸押出機にて240℃で溶融混練した水冷バス中にガット状に押出し、冷却固化後ペレット状に裁断してポリ−4−メチルペンテン−1を所定の重量%含有するペレットを得た。
次いで、上記ペレットを直列に用意された2台の押出機I、IIの押出機Iから250℃で溶融押出して、押出機IIに導き、ポリマーフィルターを経由してT型ダイからシートとして押出したのち、冷却ドラム上で固化させる。尚、少なくとも2層以上の樹脂層を構成する場合は、前述のマニホールド積層法を用いる。2軸延伸後のフイルム厚みが20μmを下回る場合は、50℃の冷却ドラム上に空気圧で押しつけながら冷却し、シートを得る。また、20μm以上のフィルムを得る場合は、冷却ドラムを25℃とし、更に該冷却ドラムのほぼ半周を水槽に水没させ、溶融シートを空気圧で冷却ドラムに押しつけながら水槽中に導いて冷却する。該水槽の水温は25℃に維持するように冷却水を循環させる。
続いて該シートを金属ロールに接触させながら140℃に加熱後、周速差のあるロール間で長手方向に延伸し一軸配向フィルムを得る。
次いで該一軸配向フィルムをクリップで把持して熱風オーブン中に導入して、160℃に予熱した後に幅方向に延伸し、引き続き幅方向に5%の弛緩をしながら160℃で熱固定を行い、得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの端部をトリミングした後、巻き取った。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が61mN/mm、光沢度は表面が131%で裏面が130%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(B)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(B)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が85mN/mm、光沢度は表面が131%で裏面が130%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例3)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を10重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を10重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が64mN/mm、光沢度は表面が118%で裏面が118%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、当該用途の平滑性にやや欠けるものの、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例4)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を3.0重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を3.0重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は163℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が160mN/mm、光沢度は表面が136%で裏面が135%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、当該用途の離型性にやや欠けるものの、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例5)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを1.73mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを1.73mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは40μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が62mN/mm、光沢度は表面が131%で裏面が130%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例6)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを1.30mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを1.30mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは30μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が63mN/mm、光沢度は表面が131%で裏面が130%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例7)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを0.43mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを0.43mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは10μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が63mN/mm、光沢度は表面が130%で裏面が129%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、当該用途の耐熱性にやや欠けるものの、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例8)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.1mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を3.5倍、幅方向の延伸倍率を6.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.1mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を3.5倍、幅方向の延伸倍率を6.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは100μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が62mN/mm、光沢度は表面が132%で裏面が131%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、厚み均一性がやや悪い箇所があるものの、耐熱性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例9)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%とする層を層A、ポリプロピレン樹脂としてPP(A)のみを用いた層を層Bとして、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により構成が層A/層B/層Aである2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%とする層を層A、ポリプロピレン樹脂としてPP(A)のみを用いた層を層Bとして、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により構成が層A/層B/層Aである2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの総厚みは50μm、層A、層Bの厚みはそれぞれ1μm、48μmであった。また、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が62mN/mm、光沢度は表面が132%で裏面が131%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、やや層間接着性に欠けるものの、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(実施例10)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%とする層を層A、ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、IR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を0.02重量%とする層を層Bとして、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により構成が層A/層B/層Aである2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%とする層を層A、ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、IR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を0.02重量%とする層を層Bとして、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により構成が層A/層B/層Aである2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの総厚みは50μm、層A、層Bの厚みはそれぞれ1μm、48μmであった。また、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が61mN/mm、光沢度は表面が131%で裏面が130%であった。
こうして得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムは、層間接着性、耐熱性、厚み均一性に優れ、問題なく離型用途に使用することができた。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂PP(A)のみを用いて、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂PP(A)のみを用いて、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は163℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が203mN/mm、光沢度は表面が139%で裏面が138%であった。
しかし、得られたフィルムは当該用途の剥離性に劣り、実用に耐えられるものでは無かった。
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(B)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を12重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(B)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を12重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は162℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が60mN/mm、光沢度は表面が116%で裏面が115%であった。
しかし得られたフィルムは平滑性、厚み均一性に劣り、実用に耐えられるものでは無かった。
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを0.17mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを0.17mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは4μmであり、融点は163℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が190mN/mm、光沢度は表面が136%で裏面が135%であった。
しかし得られたフィルムは耐熱性に劣り、実用に耐えられるものでは無かった。
(比較例4)
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.52mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を3.5倍、幅方向の延伸倍率を6.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(A)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5.0重量%として、キャスト厚みを2.52mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を3.5倍、幅方向の延伸倍率を6.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは120μmであり、融点は163℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が150mN/mm、光沢度は表面が136%で裏面が135%であった。
しかし得られたフィルムは至る所で偏肉を生じており、実用に耐えられるものでは無かった。
(比較例5)
ポリプロピレン樹脂としてPP(B)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(B)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(A)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は164℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が119mN/mm、光沢度は表面が107%で裏面が106%であった。
しかし得られたフィルムは平滑性に劣り、実用に耐えられるものでは無かった。
(比較例6)
ポリプロピレン樹脂としてPP(B)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(B)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
ポリプロピレン樹脂としてPP(B)、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(B)を用いて、NMR法による分析値でポリ−4−メチルペンテン−1の含有量を5重量%として、キャスト厚みを2.16mmにして、さらに長手方向の延伸倍率を4.8倍、幅方向の延伸倍率を9.0倍として、前述の方法により2軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。
得られた2軸配向ポリプロピレンフィルムの厚みは50μmであり、融点は164℃、剥離速度300mm/minにおけるセロハンテープ剥離テストで剥離力が94mN/mm、光沢度は表面が101%で裏面が100%であった。
しかし得られたフィルムは平滑性に劣り、実用に耐えられるものでは無かった。
本発明は、シリコーン架橋体シート類、エポキシ樹脂基盤、不飽和ポリエステルからなる部材、繊維強化プラスチック等の熱硬化性樹脂部材の製造工程に好適な離型材料に関するものであり、特に成型部材との剥離性、平滑性に優れたポリプロピレンフィルムに関するものである。また離型用途以外にも、ラベル用フィルム、各種カバー(保護)フィルム、粘着テープ基材として好ましく用いることもできる。
Claims (3)
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